JP6344997B2 - ワンタッチ開栓一体成形型複合キャップ - Google Patents
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Description
しかるに、このようなヒンジキャップは、上蓋の開栓操作を両手で行う必要がある。即ち、このキャップが装着された容器を一方の手で持ち、他方の手で上蓋の把手部を摘まんで旋回させなければならず、このため、容器内容物を少量ずつ、複数回にわたって容器から排出する場合のように、上蓋の開封及び閉栓を繰り返し行うには操作が面倒であるという問題がある。
かかる特許文献1の複合キャップでは、上蓋の開封に両手を使う必要はなく、容器を持っている手で、ワンタッチで開封作業を行うことができるという利点がある。
しかしながら、かかる複合キャップは、ワンピース製ではなく、キャップ本体と上蓋とが別体であり、それぞれを成形しなければならないという点で、上述したヒンジキャップの利点が失われている。
前記キャップ本体の頂板部上面には、前記内容物排出部とは離れた位置に軸受部が設けられており、
前記上蓋のスカート部外面には、前記軸受部に嵌め込まれるシャフトを備えた操作片が設けられており、
前記上蓋のスカート部下端と前記キャップ本体の筒状側壁の上端部分とが前記連結バンドにより連結され、
前記連結バンドは、中央部分で折り畳み可能に形成されていると共に、引き裂き可能な弱化線を有しており、
前記上蓋のスカート部外面に設けられている操作片、前記上蓋とキャップ本体とを連結しており且つ伸張状態の連結バンド、前記キャップ本体に設けられている内容物排出部及び軸受部が、この順に径方向に並ぶように、開放状態にある前記上蓋とキャップとが一体に成形されており、
前記連結バンドを折り畳んだとき、前記上蓋が内容物排出部を覆うように閉じられ、且つ前記操作片のシャフトが前記キャップ本体頂板部に設けられている軸受部に嵌め込まれると共に、この状態で前記折り畳まれた状態にある連結バンドの前記弱化線を引き裂いて該連結バンドを破断したとき、前記上蓋と前記キャップ本体とは別体となることを特徴とするワンタッチ開栓一体成形型複合キャップが提供される。
(1)前記連結バンドの折り畳みにより、前記内容物排出部が前記上蓋により覆われ且つ前記操作片のシャフトが前記軸受部に嵌め込まれている状態において、該連結バンドに形成されている弱化線を破断して該連結バンドを引き裂いた状態で使用に供され、前記操作片を押圧することにより、前記上蓋が旋回して前記内容物排出部が開放されること、
(2)前記連結バンドは、前記弱化線として、前記筒状側壁の上端部分に沿って形成されている第1の弱化線と、前記スカート部下端に沿って形成されている第2の弱化線とを有しており、該第1の弱化線と第2の弱化線を破断することにより、該連結バンドを切り取った状態で使用に供されること、
(3)前記軸受部には、前記上蓋の操作片と当接し、該上蓋の開栓状態を保持するための係止突起が形成されていること、
が好ましい。
また、本発明の複合キャップでは、開封作業を行うためには、連結バンドに設けられている弱化線を破断することが必要である。即ち、この弱化線を破断しない限り、上蓋の開封作業を行うことができず、この結果、一般の消費者は、連結バンドの弱化線が破断していることから、開封作業が行われたという事実を認識することができる。
このように、本発明の複合キャップは、開封履歴証明機能(タンパーエビデント性)にも優れている。
即ち、本発明の複合キャップは、開封作業がワンタッチで容易に行うことができるため、1回で容器内容物の全量を排出するのではなく、容器内容物の取り出しが繰り返し行われるタイプの容器、例えば醤油等の調味液が収容された容器(例えば醤油さし)に極めて好適に適用される。
さらに、筒状側壁7の下端内面(アンダーカット7cの下側であって内周壁7aと外周壁7bとの連結部の内面)には、軸方向に溝7dが形成されている(特に図3参照)。かかる溝7dは、全周にわたって均等に分布しており、これにより、この筒状側壁7の下端が拡径し易くなり、キャップ本体1を容器口部60に容易に装着することが可能となっている。
尚、図示した例では、スリット10が筒状側壁9の全周にわたって形成されているが、キャップ本体1を容器口部から容易に取り外すことができる限り、このスリット10は全周にわたって形成されている必要はなく、場合によっては、スリット10を設けて二重壁構造としないことも可能である。
また、頂板部9の上面において、注出筒21に対して上蓋5が連結されている狭い領域には、閉じられた上蓋5を保持するための係止用突起25が弧状に小さく形成されている。
また、上記のスカート部33の内面下端(図1では上端となっている)には、係合突起36が形成されており、上蓋5を閉じたとき、この係合突起36がキャップ本体1の頂板部9に形成されている小さな弧状の係止用突起25と係合し、これにより、上蓋5の閉栓状態が安定に保持されることとなる。
尚、シャフト39の両端部には、シャフト39の軸受部23からの位置ずれを防止するためのボス39aが形成されている。
即ち、連結バンド3を折り畳んだとき、上蓋5が内容物排出部15を覆い、且つ操作片37のシャフト39がキャップ本体1の頂板部9に設けられている軸受部23に嵌め込まれるように、操作片37、連結バンド3、内容物排出部15及び軸受部23が、この順に径方向に並んで配置されている。要するに、連結バンド3の折り畳みライン41に対して、シャフト39と軸受部23とは等距離に位置しており、同様に、上蓋5の中心(シールリング35の中心)と内容物排出部15(注出筒21の中心)とは、折り畳みライン41に対して等間隔の位置に形成されている。
即ち、上蓋5がキャップ本体1に装着された状態では、連結バンド5が折り畳まれ、しかも第1の弱化線43と第2の弱化線45とが重なっているため、折り畳まれた連結バンド3の引っ張りにより、第1の弱化線43と第2の弱化線45とを同時に容易に引き裂くことができる。また、折り畳まれた連結バンド3の引っ張り作業を容易に行い得るように、この連結バンド3には、図2等に示されているように、折り畳みライン41を間に挟んで対称となるように張出部3aが形成されている。これにより、連結バンド3を摘まんでの引っ張り作業(弱化線43,45の引き裂き作業)を容易に行うことができるわけである。
また、上蓋5を開栓して内容物の取り出しを行った時には、連結バンド3が切り取られた状態となっているため、一般の消費者は、上蓋5の開封履歴を認識することができる。
従って、図5(b)に示されているように、操作片37を指で押すことにより、上蓋5が旋回し、内容物排出部15が解放され、引っ張りリング19を引っ張り上げてスコア13を引き裂き、これにより、内容物排出部15に内容物を排出するための開口が形成され、容器を傾倒させることにより、この開口を通して内容物が排出されることとなる。
内容物を排出した後は、上蓋5を押し下げて、上記で形成された内容物排出用の開口を閉じることもできるが、通常は、内容物排出後に容器を正立状態に復帰させたとき、上蓋5は、自重により閉栓方向に旋回して内容物排出用の開口を閉じることとなる。上蓋5が内容物排出用の開口を閉じている状態では、先にも述べたように、上蓋5のシールリング35が内容物排出用の開口(内容物排出部15)を取り囲むように形成されている注出筒21の内面と密着するため、容器内の密封性が確保されることとなる。さらに、この状態では、キャップ本体1の係止用突起25と上蓋5の係合突起36が係合するため、密封状態が損なわれないよう、上蓋5の閉栓状態は安定に保持される。
即ち、この係止突起50は、軸受部23の側面から内方に突出しており、軸受部23を拡大して示す図6(a)の側面図及び図6(b)の上面図から理解されるように、上蓋5がキャップ本体1に装着された状態において、操作片37の水平基部37aの上側に係止突起50が位置しており、操作片37の操作部37bを押して上蓋5を旋回して開栓したとき、水平基部37aは、図6(c)に示されているように、係止突起50を乗り越えて係止突起50の上側に位置することとなる。即ち、この状態で操作部37bの押圧を停止しても、水平基部37aが係止突起50に当接するため、操作片37の自重による閉栓方向への旋回が阻止され、この結果、上蓋5の開栓状態が維持され、容器を傾けての内容物の取り出し作業をスムーズに行うことができる。
内容物の取り出し作業が終了した後は、操作片37の操作部37bを指で押し上げるか、或いは上蓋5の天板部31を指で押し下げることにより、上蓋5は閉じられる。
また、本発明の複合キャップは、連結バンド3に設けられている弱化線を破断しなければ開封操作を行うことができず、従って、タンパーエビデント性にも優れている。
しかも、この複合キャップは、上蓋5の開栓及び閉栓を、両手を使わず、容器を持っている片手で且つ簡単にワンタッチで容易に行うことができる。このため、内容物を一度に取り出さず、少量ずつ、繰り返し容器から取り出して使用する醤油などの調味液が収容された容器のキャップとして、本発明の複合キャップは好適に適用される。
3:連結バンド
5:上蓋
15:内容物排出部
23:軸受部
31:天板部
33:スカート部
37:操作片
39:シャフト
41:折り畳み線
43:第1の弱化線
45:第2の弱化線
Claims (4)
- 筒状側壁及び該筒状側壁を閉じるように形成されている頂板部を備え、該頂板部に容器内容物を排出するための内容物排出部が形成されているキャップ本体と、該キャップ本体の排出部を開閉可能に閉じるために使用され且つ天板部とスカート部とを備えた上蓋と、前記上蓋とキャップ本体とを連結する連結バンドとからなり、該キャップ本体は容器口部に装着されると共に、
前記キャップ本体の頂板部上面には、前記内容物排出部とは離れた位置に軸受部が設けられており、
前記上蓋のスカート部外面には、前記軸受部に嵌め込まれるシャフトを備えた操作片が設けられており、
前記上蓋のスカート部下端と前記キャップ本体の筒状側壁の上端部分とが前記連結バンドにより連結され、
前記連結バンドは、中央部分で折り畳み可能に形成されていると共に、引き裂き可能な弱化線を有しており、
前記上蓋のスカート部外面に設けられている操作片、前記上蓋とキャップ本体とを連結しており且つ伸張状態の連結バンド、前記キャップ本体に設けられている内容物排出部及び軸受部が、この順に径方向に並ぶように、開放状態にある前記上蓋とキャップとが一体に成形されており、
前記連結バンドを折り畳んだとき、前記上蓋が内容物排出部を覆うように閉じられ、且つ前記操作片のシャフトが前記キャップ本体頂板部に設けられている軸受部に嵌め込まれると共に、この状態で前記折り畳まれた状態にある連結バンドの前記弱化線を引き裂いて該連結バンドを破断したとき、前記上蓋と前記キャップ本体とは別体となることを特徴とするワンタッチ開栓一体成形型複合キャップ。 - 前記連結バンドの折り畳みにより、前記内容物排出部が前記上蓋により覆われ且つ前記操作片のシャフトが前記軸受部に嵌め込まれている状態において、該連結バンドに形成されている弱化線を破断して該連結バンドを引き裂いた状態で使用に供され、前記操作片を押圧することにより、前記上蓋が旋回して前記内容物排出部が開放される請求項1に記載のワンタッチ開栓一体成形型複合キャップ。
- 前記連結バンドは、前記弱化線として、前記筒状側壁の上端部分に沿って形成されている第1の弱化線と、前記スカート部下端に沿って形成されている第2の弱化線とを有しており、該第1の弱化線と第2の弱化線を破断することにより、該連結バンドを切り取った状態で使用に供される請求項2に記載のワンタッチ開栓一体成形型複合キャップ。
- 前記軸受部には、前記上蓋の操作片と当接し、該上蓋の開栓状態を保持するための係止突起が形成されている請求項1〜3の何れかに記載のワンタッチ開栓一体成形型複合キャップ。
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