JP6113641B2 - 積層体 - Google Patents
積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6113641B2 JP6113641B2 JP2013259883A JP2013259883A JP6113641B2 JP 6113641 B2 JP6113641 B2 JP 6113641B2 JP 2013259883 A JP2013259883 A JP 2013259883A JP 2013259883 A JP2013259883 A JP 2013259883A JP 6113641 B2 JP6113641 B2 JP 6113641B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasticizer
- layer
- laminate
- polyvinyl acetal
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
還流冷却器、温度計、イカリ型攪拌翼を備えた3L(リットル)のガラス製容器に、イオン交換水2000g、ポリビニルアルコール(PVA−1)(粘度平均重合度1700、けん化度99モル%)200gを仕込み(PVA濃度9.1%)、内容物を95℃に昇温して完全に溶解させた。次に、120rpmで攪拌下、7℃まで約30分かけて徐々に冷却した後、ブチルアルデヒド113gと35%の塩酸70gを添加し、ブチラール化反応を30分間行った。その後、60分かけて60℃まで昇温し、60℃にて120分間保持した後、直ちに冷水浴で冷却した。ポリビニルアセタール樹脂をイオン交換水で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液で残存する酸触媒を中和し、さらにイオン交換水で洗浄し、脱水し、乾燥してポリビニルブチラール(PVB−1)を得た。得られたPVB−1をJIS K6728−1977(以下、JIS K6728と表わす)にしたがって測定したところ、表1に示すとおり、平均アセタール化度は69モル%、平均残存ビニルエステル基量は1モル%、平均残存水酸基量は30モル%であった。
PVB−1の調製において、ブチルアルデヒド使用量を118gに変更した以外は同様にして反応を行い、PVB−2を得た。得られたPVB−2をJIS K6728にしたがって測定したところ、表1に示すとおり、平均アセタール化度は72モル%、平均残存ビニルエステル基量は1モル%、平均残存水酸基量は27モル%であった。
PVB−1の調製において、PVA−1をPVA−2(粘度平均重合度1700、けん化度92モル%)200gに、また、ブチルアルデヒド使用量を120gに変更し、さらに5℃でブチラール化反応を実施した後、68℃まで70分かけて昇温し、68℃で110分反応を行った以外は同様にして、PVB−3を得た。得られたPVB−3をJIS K6728にしたがって測定したところ、表1に示すとおり、平均アセタール化度は74モル%、平均残存ビニルエステル基量は6モル%、平均残存水酸基量は20モル%であった。
PVB−3の調製において、PVA−2をPVA−3(粘度平均重合度1700、けん化度89モル%)200gに、また、ブチルアルデヒド使用量を117gに変更し、さらに5℃でブチラール化反応を実施した後、65℃まで70分かけて昇温し、65℃で140分反応を行った以外は同様にして、PVB−4を得た。得られたPVB−4をJIS K6728にしたがって測定したところ、表1に示すとおり、平均アセタール化度は75モル%、平均残存ビニルエステル基量は9モル%、平均残存水酸基量は16モル%であった。
(積層体の作製)
100質量部のPVB−1、可塑剤(Ap)として39質量部のトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、および分散剤(Ad)として0.3質量部のトリエチレングリコールモノ2−エチルヘキサノエートをラボプラストミルで160℃、8分間混練した。得られた混練物を厚さ0.38mmの型枠で160℃、50kg/cm2の条件で30分間プレスして厚さ0.38mmのシートAを得た。一方、100質量部のPVB−3、可塑剤(Bp)として60質量部のトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、分散剤(Bd)として0.2質量部のトリエチレングリコールモノ2−エチルヘキサノエート、および1質量部の酸化インジウムスズ(ITO、平均粒子径30μm)をラボプラストミルで160℃、8分間混練した。得られた混練物を厚さ0.15mmの型枠で160℃、50kg/cm2の条件で30分間プレスして厚さ0.15mmのシートBを得た。シートA及びシートBを、シートA/シートB/シートAの順に重ね、厚さ0.9mmの型枠で135℃、10kg/cm2の条件でプレスして積層し、さらに2枚のエンボスシートで挟んでプレスして、A層(0.38mm)/B層(0.14mm)/A層(0.38mm)からなり、JIS B0601(1994)に準拠して測定した、十点平均粗さRz=35μmの積層体−1を得た。
上記で得られた積層体−1を恒温恒湿器内で、35℃、90%RHの雰囲気で12時間調湿した。調湿した積層体−1をさらに下記(a)、(b)、(c)のそれぞれの条件で調湿を行い、以下の三段階の基準で調湿時間を評価したところ「18時間」であった。
(条件)
条件(a):23℃、28%RHで18時間処理。
条件(b):29℃、60%RHで18時間処理後、続いて23℃、28%RHで18時間処理。
条件(c):32℃、70%RHで18時間処理後、続いて29℃、55%RHで18時間処理し、さらに続いて26℃、40%RHで18時間処理し、最後に続いて23℃、28%RHで18時間処理。
(基準)
「18時間」:条件(a)で積層体が白濁および層間剥離、金属酸化物がポリビニルアセタールを含有する相と剥離を起こさず、含水率が0.7%以下になっているもの。
「36時間」:条件(a)では白濁や層間剥離が生じたり、金属酸化物がポリビニルアセタールを含有する相と剥離を生じたりするが、条件(b)で積層体が白濁および層間剥離せず、金属酸化物がポリビニルアセタールを含有する相と剥離を起こさず、含水率が0.7%以下になっているもの。
「72時間」:条件(a)及び条件(b)のいずれでも白濁や層間剥離を生じたり、金属酸化物がポリビニルアセタールを含有する相と剥離が生じたりするが、条件(c)で積層体が白濁または層間剥離せず、金属酸化物がポリビニルアセタールを含有する相と剥離を起こさず、含水率が0.7%以下になっているもの。
上記で得られた積層体−1を23℃、28%RHで5日間乾燥した後、35℃、80%RHでの雰囲気で処理した。積層体−1の処理を開始してから12時間後、24時間後、48時間後に目視で確認し、12時間後に可塑剤ブリードが無く、24時間後に可塑剤ブリードが発生しているものを「12時間」、24時間後に可塑剤ブリードが無く、48時間後に可塑剤ブリードが発生しているものを「24時間」、48時間後にも可塑剤ブリードが無いものを「48時間」として評価したところ、「48時間」であった。
30cm×30cmの積層体−1を23℃、28%RHの雰囲気下で5日間保管して調湿後、速やかに2枚のフロートガラス(30cm×30cm×2.2mm)で挟み、これを115℃に加熱後、ニップロールを用いて仮接着した。得られた仮接着体をオートクレーブに入れて135℃、1.2MPaの条件で60分間処理して合わせガラス−1を得た。得られた合わせガラス−1は積層体とガラスの間に気泡が残存していなかった。
合わせガラス−1を60℃の熱水で12時間処理した後、23℃、28%RHの雰囲気下で108時間処理した(この処理を1サイクルとする)。当該処理を10回繰り返した後、合わせガラスの各端部から、積層体に含まれる成分抽出による欠点(ガラスと合わせガラス用中間膜の剥がれ、中間膜の層間の剥がれ)の発生の有無を目視により確認し、「無し」、「若干有」、「有」の3段階で評価したところ、「無し」であった。
外観検査用点光源装置(セリック株式会社製、装置名:MP160)を合わせガラス‐1の一方の表面から10cmの距離よりガラス面に垂直に当て、その像を合わせガラス−1から50cm離れたスクリーン上に投影して目視で観察した。曇りが見えないものを「良好」とし、若干かすむものを「やや良好」とし、明確に見えるものを「不良」とし、結果を表2に示した。
表2および表4に示すようにA層およびB層の組成を変更した以外は実施例1と同様にして積層体及び合わせガラスを作製し、同様に評価した。結果を表3および表5に示す。
Claims (14)
- 平均残存水酸基量がX(モル%)であるポリビニルアセタール(A)、可塑剤(Ap)及び分散剤(Ad)を含むA層と、平均残存水酸基量がY(モル%)であるポリビニルアセタール(B)、可塑剤(Bp)及び分散剤(Bd)を含むB層とを備え、
X≧Yであり、
B層は、さらに、遮熱性能を有する金属酸化物を含み、
A層中の可塑剤(Ap)の含有量に対する分散剤(Ad)の含有量の質量比が、B層中の可塑剤(Bp)の含有量に対する分散剤(Bd)の含有量の質量比より大きく、
可塑剤(Ap)がm価アルコール1分子(mは2〜4の自然数を表す)と炭素数8〜20の一価カルボン酸m分子とのエステル化反応で得られる化学構造を有するエステル化合物であり、
分散剤(Ad)が可塑剤(Ap)の少なくとも1つのエステル結合を加水分解して得られる化学構造を有しかつ(m−1)〜1個の水酸基と1〜(m−1)個のエステル結合を有する化合物であり、
可塑剤(Bp)がn価アルコール1分子(nは2〜4の自然数を表す)と炭素数8〜20の一価カルボン酸n分子とのエステル化反応で得られる化学構造を有するエステル化合物であり、
分散剤(Bd)が可塑剤(Bp)の少なくとも1つのエステル結合を加水分解して得られる化学構造を有しかつ(n−1)〜1個の水酸基と1〜(n−1)個のエステル結合を有する化合物である、
積層体。 - B層における金属酸化物の含有量が、B層の全質量に対して0.01〜5質量%である、請求項1記載の積層体。
- 金属酸化物の平均粒子径が10〜100nmである、請求項1または2に記載の積層体。
- 金属酸化物が、スズ、インジウムおよびアンチモンからなる群より選択される金属を1種以上含む酸化物である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
- m価アルコールが、縮合度が3〜20であるエチレングリコールの縮合体である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
- n価アルコールが、縮合度が3〜20であるエチレングリコールの縮合体である、請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
- ポリビニルアセタール(A)の平均残存水酸基量Xが20〜40モル%である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
- ポリビニルアセタール(B)の平均残存水酸基量Yが10〜35モル%であり、平均残存ビニルエステル基量が0.01〜25モル%である、請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
- A層におけるポリビニルアセタール(A)100質量部に対する可塑剤(Ap)の含有量が、B層におけるポリビニルアセタール(B)100質量部に対する可塑剤(Bp)の含有量より少ない、請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
- A層における可塑剤(Ap)の含有量がポリビニルアセタール(A)100質量部に対して20〜60質量部である、請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
- B層における可塑剤(Bp)の含有量がポリビニルアセタール(B)100質量部に対して30〜80質量部である、請求項1〜10のいずれかに記載の積層体。
- 前記一価カルボン酸が、カルボキシル基に隣接する炭素にカルボニル基以外の有機基が少なくとも2つ結合している、請求項1〜11のいずれかに記載の積層体。
- 三層以上の層からなる積層体であり、積層体の外層の二層のうち少なくとも一層がA層である、請求項1〜12のいずれかに記載の積層体。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の積層体を含む合わせガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013259883A JP6113641B2 (ja) | 2013-12-17 | 2013-12-17 | 積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013259883A JP6113641B2 (ja) | 2013-12-17 | 2013-12-17 | 積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015116678A JP2015116678A (ja) | 2015-06-25 |
JP6113641B2 true JP6113641B2 (ja) | 2017-04-12 |
Family
ID=53529887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013259883A Expired - Fee Related JP6113641B2 (ja) | 2013-12-17 | 2013-12-17 | 積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6113641B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11323055A (ja) * | 1998-05-18 | 1999-11-26 | Sekisui Chem Co Ltd | 可塑剤 |
JPH11323056A (ja) * | 1998-05-18 | 1999-11-26 | Sekisui Chem Co Ltd | 合わせガラス用中間膜および合わせガラス |
JP4947451B2 (ja) * | 2009-08-24 | 2012-06-06 | 積水化学工業株式会社 | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
CN103153904B (zh) * | 2010-09-30 | 2015-08-05 | 积水化学工业株式会社 | 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃 |
US20130280540A1 (en) * | 2010-12-10 | 2013-10-24 | Kuraray Co., Ltd. | Interlayer film for laminated glass, method for producing same, and laminated glass using same |
EP3000600A4 (en) * | 2013-05-22 | 2016-11-30 | Kuraray Co | LAMINATE |
-
2013
- 2013-12-17 JP JP2013259883A patent/JP6113641B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015116678A (ja) | 2015-06-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5373232B1 (ja) | 積層体 | |
JP6113643B2 (ja) | 積層体 | |
US10519295B2 (en) | Composition having excellent transparency | |
JP5469279B1 (ja) | 層間接着性に優れる積層体 | |
TW201842139A (zh) | 絕熱性片、層合玻璃用中間膜及層合玻璃 | |
US20180079936A1 (en) | Interlayer filler material for touch panels, and laminate | |
JP6113645B2 (ja) | 積層体 | |
JP6113642B2 (ja) | 積層体 | |
JP6113644B2 (ja) | 積層体 | |
JP6113641B2 (ja) | 積層体 | |
JP5373231B1 (ja) | 遮音性に優れる積層体 | |
TWI691541B (zh) | 層合玻璃用中間膜及層合玻璃 | |
JP6113639B2 (ja) | 積層体 | |
JP5503088B1 (ja) | ポリビニルアセタールを含有するシート | |
JP2015117142A (ja) | 遮音性に優れる積層体 | |
JP2015117141A (ja) | 遮音性に優れる積層体 | |
JP6033753B2 (ja) | 層間接着性に優れる積層体 | |
JP6113640B2 (ja) | 積層体 | |
US11981835B2 (en) | Interlayer filler material for touch panels, and laminate | |
TW202309218A (zh) | 黏著膜、及積層體 | |
JP2008038093A (ja) | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス | |
JP2015117140A (ja) | 遮音性に優れる積層体 | |
JP2015059218A (ja) | ポリビニルアセタールを含有するシート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160613 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170221 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170315 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6113641 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |