JP2008038093A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】耐貫通性に優れ、合わせガラス用中間膜とガラス板との界面に、銀層等の金属コーティング層が設けられた合わせガラスとしたときに、銀色の斑点の発生を抑制することができる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を提供する。
【解決手段】ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、接着力調整剤及びハイドロタルサイトを含有する合わせガラス用中間膜であって、前記ハイドロタルサイトの含有量が、前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、0.08重量部以上である合わせガラス用中間膜。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐貫通性に優れ、合わせガラス用中間膜とガラス板との界面に、銀層等の金属コーティング層が設けられた合わせガラスとしたときに、銀色の斑点の発生を抑制することができる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。合わせガラスとしては、少なくとも一対のガラス間に、例えば、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させたもの等が挙げられる。
このような合わせガラスのなかでも、合わせガラス用中間膜とガラス板との界面に金属コーティング層を有する合わせガラスは、熱線反射合わせガラスや低反射合わせガラスとして広く使用されている(特許文献1参照)。
ところが、このような合わせガラス用中間膜とガラス板との界面に金属コーティング層を有する合わせガラスには、金属コーティング層中に銀色の斑点が発生してしまうという問題があった。
また、例えば、特許文献2には、エチレン/酢酸ビニル共重合体に酸化マグネシウムや酸化亜鉛等の受酸剤粒子を添加した透明フィルムが開示されている。このような透明フィルムを、金属コーティング層を有するガラス板に適用し合わせガラスとした場合、金属コーティング層の劣化が防止されることが開示されている。
しかしながら、酸化マグネシウムや酸化亜鉛をポリビニルアセタール樹脂に添加し、ポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜とした場合、該合わせガラス用中間膜とガラス板との界面に金属コーティング層を有する合わせガラスでは、金属コーティング層中に銀色の斑点が発生してしまうという問題は解決されなかった。
特開2000−290044号公報 特開2005−029588号公報
本発明は、上記現状に鑑み、耐貫通性に優れ、合わせガラス用中間膜とガラス板との界面に、銀層等の金属コーティング層が設けられた合わせガラスとしたときに、銀色の斑点の発生を抑制することができる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、接着力調整剤及びハイドロタルサイトを含有する合わせガラス用中間膜であって、前記ハイドロタルサイトの含有量が、前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、0.08重量部以上である合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
従来、合わせガラス用中間膜は、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂に、接着力調整剤や紫外線吸収剤等が添加された樹脂組成物から構成されている。このような樹脂組成物からなる合わせガラス用中間膜は、様々な添加剤が使用されているため、添加剤に由来する微量成分、例えば、接着力調整剤添加による、解離した残留イオン成分等が含まれていた。製造した合わせガラス用中間膜中に存在する残留イオン成分は、洗浄等により除去する方法が考えられるが、合わせガラス製造時の熱等の影響により、ポリビニルブチラール樹脂由来の残留イオン成分が発生することが考えられる。
本発明者らは、従来の合わせガラス用中間膜に配合されている物質に由来する微量成分、特に残留イオン成分が金属コーティング層中の銀色の斑点の発生に影響を与えていると仮定し、該残留イオン成分を吸着可能な物質を含有させることで、銀色の斑点の抑制作用を発現させることができるのかについて検討した。その結果、本発明者らは、残留イオン成分をインターカレーション可能な化合物を合わせガラス用中間膜中に存在させることで、耐貫通性に優れるとともに、銀色の斑点の発生を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、接着力調整剤及びハイドロタルサイトを含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されるものではないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタール樹脂を併用してもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40%、好ましい上限は85%であり、より好ましい下限は60%、より好ましい上限は75%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。
上記原料となるポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。200未満であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下することがあり、3000を超えると、樹脂膜の成形性が悪くなり、しかも樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎ、加工性が悪くなることがある。より好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
上記アルデヒドとしては特に限定されないが、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、炭素数が4のn−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート、トリエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート等の液状可塑剤や、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。
上記一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコール系エステルが挙げられる。なかでも、トリエチレングリコール−ジカプロン酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキシル酸エステル等のトリエチレングリコール等が好適である。
上記多塩基性有機酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と炭素数4〜8の直鎖状又は分枝状アルコールのエステル等が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
上記有機リン酸系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤の含有量としては特に限定されないが、上記マトリックス樹脂100重量部に対して、好ましい下限は20重量部、好ましい上限は100重量部である。20重量部未満であると、本発明の合わせガラス用中間膜の耐貫通性が低下することがあり、100重量部を超えると、可塑剤のブリードアウトが生じ、本発明の合わせガラス用中間膜の透明性や接着性が低下し、得られる合わせガラスの光学歪みが大きくなるおそれがある。より好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は60重量部である。
上記接着力調整剤としては、従来合わせガラス用中間膜の接着力調整剤として用いられているものが挙げられ特に限定されないが、なかでも、マグネシウムイオン、カリウムイオン等が好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記接着力調整剤は、本発明の合わせガラス用中間膜の製造過程において、上述したマトリックス樹脂や可塑剤からなる混合物中に、上記接着力調整剤の有機酸塩として添加される。具体的には、例えば、上記接着力調整剤がマグネシウムイオンの場合、酢酸マグネシウム、ヘプタン酸マグネシウム、オクタン酸マグネシウム、ノナン酸マグネシウム、デカン酸マグネシウム等の有機酸塩の水溶液として添加される。
上記接着力調整剤の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限が17ppm、好ましい上限が60ppmである。17ppm未満であると、本発明の合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力が異常亢進し、合わせガラス全体として耐貫通性が低下することがあり、60ppmを超えると、本発明の合わせガラス用中間膜と、銀層等の金属コーティング層が設けられたガラス板とを用いて熱線反射合わせガラスや低反射合わせガラスを製造すると、銀色の斑点が発生することがある。より好ましい下限は20ppm、より好ましい上限は50ppmである。
また、本発明の合わせガラス用中間膜は、上記接着力調整剤としてアセチルアセトンが添加されていてもよい。上述したマグネシウムイオン等と併用することで、上記マグネシウムイオン等の含有量を少なくすることができ、より好適に銀色の斑点の発生を抑制できる。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記ハイドロタルサイトは、層間にアニオンをインターカレーションする性質を有し、アニオン交換能を有する化合物である。
上述したように、製造された本発明の合わせガラス用中間膜中には残留イオン成分が残存している。しかしながら、上記残留イオン成分を上記ハイドロタルサイトがインターカレーションするため、本発明の合わせガラス用中間膜から残留イオン成分が拡散することがない。従って、本発明の合わせガラス用中間膜を、銀層等の金属コーティング層が設けられたガラス板間に挟持して製造した熱線反射合わせガラスや低反射合わせガラスは、上記金属コーティング層に残留イオン成分が拡散することはなく、銀色の斑点が発生することを抑制することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記ハイドロタルサイトの含有量としては、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、下限が0.08重量部である。0.08重量部未満であると、充分に残留イオン成分をインターカレーションすることができず、本発明の合わせガラス用中間膜を用いて熱線反射合わせガラスや低反射合わせガラスを製造したときに、銀色の斑点が発生してしまうことがある。また、上限としては特に限定されないが、1.4重量部を超えると、本発明の合わせガラス用中間膜の透明性が低下し、得られる合わせガラスの光学歪みが大きくなる。好ましい上限は1.2重量部である。
上記ハイドロタルサイトは、下記一般式(1)で表される層状複水酸化物である。このようなハイドロタルサイトは、天然物であってもよく、合成物であってもよく、本発明の合わせガラス用中間膜において、上記ハイドロタルサイトは、その結晶構造や粒子径によらず使用することができる。
[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・zHO] (1)
上記一般式(1)中、M2+は、2価の金属イオン、M3+は、3価の金属イオン、An−は、n価のアニオンを表し、x=0.2〜0.33であり、zは、0又は任意の正数である。
上記2価の金属イオンとしては、例えば、マグネシウム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等が挙げられる。
また、上記3価の金属イオンとしては、例えば、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ガリウム等が挙げられる。
また、上記ハイドロタルサイトの粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は0.4μm、好ましい上限は1.0μmである。0.4μm未満であると、ハイドロタルサイト自体が凝集してしまうことがあり、1.0μmを超えると、本発明の合わせガラス用中間膜の透明性が低下することがある。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記ハイドロタルサイトは、表面処理されていることが好ましい。上記ハイドロタルサイトが表面処理されていることで、本発明の合わせガラス用中間膜中での分散性を向上させることができ、残留イオン成分を高効率でインターカレートすることができ、また、表面処理を行っていない場合に比べて含有量を多くすることができる。
上記表面処理を行うための表面処理剤としては特に限定されず、例えば、ステアリン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、カプリン酸、リノール酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸アルカリ金属塩、ラウリル酸アルカリ金属塩、パルミチン酸アルカリ金属塩、オレイン酸アルカリ金属塩、カプリン酸アルカリ金属塩、リノール酸アルカリ金属塩等の高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩、ビニルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、ワックス等が挙げられる。
ただ、上記ハイドロタルサイトが表面処理されている場合には、分散性の向上により残留イオン成分を高効率でインターカレートできる一方、ハイドロタルサイトの層間にアニオンをインターカレーションするアニオン交換能自体は弱冠低下する。そのため、ハイドロタルサイトが表面処理されているときは、表面処理を行っていない場合に比べてその含有量を多くすることが好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記表面処理されたハイドロタルサイトの含有量としては、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.28重量部である。0.28重量部未満であると、上記表面処理されたハイドロタルサイトの層間にアニオンをインターカレーションすることによるアニオン交換能が低下し、残留イオン成分を充分にインターカレーションすることができず、本発明の合わせガラス用中間膜を用いて熱線反射合わせガラスや低反射合わせガラスを製造したときに、銀色の斑点が発生してしまうことがある。
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さの好ましい下限は150μm、好ましい上限は3000μmである。150μm未満であると、合わせガラスとした際に耐貫通性が低下することがあり、3000μmを超えると、合わせガラスとした際に全体として厚くなりすぎる。より好ましい下限は250μm、より好ましい上限は800μmである。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂に、可塑剤、接着力調整剤、ハイドロタルサイト及び必要に応じて添加する紫外線吸収剤等の所定量を添加した混合物を混合混練し成形する方法が挙げられる。
上記混合物の混練の方法としては特に限定されず、例えば、押出機、プラストゲラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続的な生産に適することから、押出機を用いる方法が好適である。
上記成形の方法としては特に限定されず、例えば、押し出し法、カレンダー法、プレス法等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスもまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラスは、本発明の合わせガラス用中間膜と、前記合わせガラス用中間膜を挟持する2枚のガラス板とを有する合わせガラスであって、少なくとも一方の前記ガラス板と合わせガラス用中間膜との界面に、銀層等の金属コーティング層が設けられている合わせガラスである。
また、本発明の合わせガラスにおいて、本発明の合わせガラス用中間膜は単層膜であってもよく、多層膜であってもよい。本発明の合わせガラス用中間膜が多層膜である場合には、少なくとも一方の表層にハイドロタルサイトを含有する層が形成されていればよい。更に、本発明の合わせガラス用中間膜が多層膜である場合には、本発明の合わせガラスは、本発明の合わせガラス用中間膜のハイドロタルサイトを含有している表層と、ガラス板との界面に銀層等の金属コーティング層を有するように合わせガラスを製造するとよい。
上記金属コーティング層としては特に限定されず、熱線反射合わせガラスや低反射合わせガラスに用いられる従来公知のものが挙げられる。
本発明の合わせガラスの製造方法としては特に限定されず、従来公知の合わせガラスの製造方法を用いることができる。
本発明の合わせガラスは、上記構成からなることから、合わせガラス用中間膜中の残留イオン成分による銀色の斑点の発生や合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力の異常亢進を防ぐことができることから、例えば、自動車等のフロントガラス等として好適に用いることができる。
本発明によれば、耐貫通性に優れ、合わせガラス用中間膜とガラス板との界面に、銀層等の金属コーティング層が設けられた合わせガラスとしたときに、銀色の斑点の発生を抑制することができる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)ポリビニルブチラール樹脂の合成
純水2890重量部に、平均重合度1700、鹸化度99.2モル%のポリビニルアルコール275重量部を加えて加熱溶解した。この反応系を15℃に温度調節し、35重量%の塩酸201重量部とn−ブチルアルデヒド157重量部とを加え、この温度を保持して反応物を析出させた。その後、反応系を60℃で3時間保持して反応を完了させ、過剰の水で洗浄して未反応のn−ブチルアルデヒドを洗い流し、塩酸触媒を汎用な中和剤である水酸化ナトリウム水溶液で中和し、更に、過剰の水で2時間水洗及び乾燥を経て、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂を得た。この樹脂の平均ブチラール化度は68.5モル%であった。
(2)合わせガラス用中間膜の製造
得られたポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、トリエチレングリコール−ジ−エチレンブチレート(3GO)40重量部、マグネシウムの酢酸水溶液(濃度15重量%)0.3重量部、ハイドロタルサイト(協和化学社製、キョーワード2100)0.08重量部を添加し、プラスト機にて混練し、押出機により金型よりシート状に押し出して、厚さ745μmの合わせガラス用中間膜を得た。
(3)合わせガラスの製造
得られた合わせガラス用中間膜を、その一方の面から金属コーティング層が施されたフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)、もう一方の面から金属コーティング層の施されていないフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)で挟み込み、これをゴムバック内に入れ、2.6kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、更に90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。このようにして予備圧着された合わせガラスをオートクレーブ中で135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
(実施例2)
ハイドロタルサイトの添加量を0.28重量部とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
(実施例3)
表面処理を行ったハイドロタルサイト(協和化学社製、DHT−4A2)を使用し、添加量を0.42重量部とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
(比較例1)
ハイドロタルサイトを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いて実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
(比較例2)
ハイドロタルサイトの添加量を0.07重量部とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
(比較例3)
ハイドロタルサイトの代わりに、酸化マグネシウムを0.42重量部添加した以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
実施例1〜3並びに比較例1〜3で製造した合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスについて、以下の評価を行った。
(銀色の斑点の有無)
実施例1〜3及び比較例1〜3で製造した合わせガラスの銀色の斑点の有無を目視で確認した後、100℃のドライオーブンに入れ、24時間、48時間、60時間、120時間、200時間経過後における銀色の斑点の有無を目視にて確認した。結果を表1に示す。なお、表1中、「◎」は、5cm四方内に銀色の斑点が確認されなかったことを示し、「○」は、5cm四方内に1mm以上の銀色の斑点が確認されず1mm以下の銀色の斑点も3個以下であったことを示し、「×」は、5cm四方内に1mm以上の銀色の斑点又は、1mm未満の銀色の斑点が4個以上確認されたことを示す。
(分散性)
実施例1〜3及び比較例、1〜3で製造した合わせガラス用中間膜を透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEM−2100)で観察し、100μm四方内の1μm以上の粒子の個数を数え、以下の基準により分散性の評価を行った。結果を表1に示す。
◎:1μm以上の粒子が確認されなかった
○:1μm以上の粒子が確認された
×:10μm以上の粒子が確認された
Figure 2008038093
本発明によれば、合わせガラス用中間膜とガラス板との界面に銀層等の金属コーティング層が設けられた合わせガラスとしたときに、銀色の斑点の発生を抑制することができ、耐貫通性に優れた合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を提供することができる。

Claims (3)

  1. ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、接着力調整剤及びハイドロタルサイトを含有する合わせガラス用中間膜であって、前記ハイドロタルサイトの含有量が、前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、0.08重量部以上であることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. ハイドロタルサイトは、表面処理されていることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜と、前記合わせガラス用中間膜を挟持する2枚のガラス板とを有する合わせガラスであって、少なくとも一方の前記ガラス板と合わせガラス用中間膜との界面に、金属コーティング層が設けられていることを特徴とする合わせガラス。
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