JP6111982B2 - 乗物シート用シートカバー - Google Patents

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Description

本発明は乗物シート用シートカバーに関する。特に、複数の表皮ピースが縫製されて基本的形態が袋形状とされ、該袋形状の側部が袋開口部から袋底部に向けてスライドファスナで開閉可能とされる乗物シート用シートカバーに関する。
自動車シートに代表される乗物シートは、通常、着座者の座部となるシートクッションと、背凭れのシートバックとから構成される。これらはそれぞれシートパッド等によりシート本体の外形が形成され、その外形にシートカバーが被覆されて構成される。例えば、シートバックのシートカバーは、シートバック本体とは別物として、袋形状のシートカバーとして形成して、これをシートバック本体に覆い被せて被覆する。この覆い被せ作業は、袋形状の開口部から行なうが、その作業を容易とするために、袋形状の側部には袋開口部から袋底部に向けて開閉可能とするコンシールファスナ等のスライドファスナが設けられている。
図5は上述したシートバックのシートカバー114の側部箇所上部位置の構成を模式的に示すものである。シートカバー114の当該位置の構成は、シートカバー114を構成する表皮ピース116が、袋形状の側部位置に隣接して配設される第1のピース130及び第2のピース132と、袋形状の底部位置に配設される第3のピース134の3枚のピースがT字状に合わせられて配設されている。そして、袋形状の底部位置に配設される第3のピース134と側部位置に配設される第1のピース130及び第2のピース132の合わせ部は縫製により接合され、側部位置において隣接して配設される第1のピース130と第2のピース132の合わせ部はコンシールファスナ136により開閉可能とされて接合されている。
これにより、袋形状のシートカバー114の側部はコンシールファスナ136により開閉可能とされているので、シートバック本体にシートカバー114を覆い被せる際には、コンシールファスナ136を開いた状態として被せ作業をすることができ、その作業を容易に行うことができる。
なお、図5において、見栄え上の観点から、第1のピース130と第2のピース132との合わせ部に配設されるコンシールファスナ136の上方端末は第3のピース134により覆われる状態として配設されて縫製されており、かつ、高級感を出すために第3のピース134には合わせ部の合わせ線に沿ってアウトステッチ138が施されている。
特開2012−19823号公報
しかし、上述した構成の場合には、コンシールファスナ136の一方のエレメントのテープを第1のピース130に縫製し、他方のエレメントのテープを第2のピース132に縫製した後に、この第1のピース130及び第2のピース132と第3のピース134とを縫製することになる。このため、この縫製の際にコンシールファスナ136のエレメントのいわゆる歯の間に縫製の針が落ちることがあり、これによりコンシールファスナの噛合いが外れると言う通称パンクを誘引する不具合を生じることがある。
また、第3のピース134にアウトステッチ138が施される場合には、コンシールファスナ136の上をアウトステッチ138の縫製をする際に、コンシールファスナ136の段差によりアウトステッチ138の糸のピッチが不揃いとなり、見栄えに影響を与えることがある。
更に、上述したシートカバー114の構成においては、コンシールファスナ136は袋形状の側部における開口部位置から底部位置まで開閉可能とされていることから、シートカバー114のシート本体への被せ作業時には、コンシールファスナ136を最も広く開いた状態として行われることになる。これによりシートカバー114の被せ作業が容易に行えるようになるのは確かであるが、シートカバー114の被せ始める初期段階において、シートバック本体に対する位置決めが不安定であるという問題があり、この点の作業性の更なる改善が望まれている。
而して、本発明は上述した点に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、袋形状のシートカバーの側部の開口部寄りの範囲のみをスライドファスナにより開閉可能とすることによりシートカバーをシート本体に被せる作業性の向上を図るとともに、見栄え向上を図ることにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る乗物シート用シートカバーは次の手段をとる。
先ず、本発明の第1の発明は、複数の表皮ピースが縫製されて基本的形態が袋形状とされ、該袋形状の側部が袋開口部から袋底部に向けてスライドファスナで開閉可能とされる乗物シート用シートカバーであって、前記袋形状の側部に隣接して配設される第1のピース及び第2のピースと袋底部に配設される第3のピースの3個の表皮ピースはT字状に合わせられて配設されており、前記袋底部に配設される第3のピースと側部に配設される第1のピース及び第2のピースとの合わせ部は縫製で接合されており、前記側部に配設される第1のピースと第2のピースとの合わせ部の袋底部寄りの第1の範囲は縫製で接合され、袋開口部寄りの第2の範囲はスライドファスナで接合されて前記縫製で接合された位置まで開閉可能とされている構成であることを特徴とする。
上述した本発明によれば、袋形状のシートカバーの側部に配設される第1のピースと第2のピースとの合わせ部の袋底部寄りの第1の範囲は縫製で接合されており、この第1のピース及び第2のピースと袋底部の第3のピースとが縫製により接合される際に、スライドファスナのテープやエレメント部分を縫製することがない。このため、従来のように、縫製の際にコンシールファスナのエレメントのいわゆる歯の間に縫製の針が落ちることがなくなり、コンシールファスナの噛合いが外れると言う通称パンクを起こすことがない。
また、第3のピースにアウトステッチを施す場合においても、その縫製の際にコンシールファスナ上を縫製をすることがないため、従来のようにコンシールファスナの段差によりアウトステッチの糸のピッチが不揃いとなることがなく、見栄えを良好なものとすることができる。
更に、本発明によれば、袋形状のシートカバーの側部に配設される第1のピースと第2のピースとの合わせ部の袋底部寄りの第1の範囲は縫製で接合されていることにより、当該範囲は常に袋形状が形成されていることから、シートカバーをシート本体に被せる時に位置決めされた状態で被せることができて、被せ初期の位置決め作業を容易とすることができる。すなわち、位置ずれを防止することができる。なお、袋開口部寄りの第2の範囲はスライドファスナにより開閉可能とされており被せ時には当該範囲を開いた状態としてシート本体に被せることができるので従来通り容易に被せることができる。
次に、本発明の第2の発明は、上述した第1の発明における前記スライドファスナは前記第1のピースと第2のピースとの合わせ部の第1の範囲と第2の範囲の一部に延設して配設されており、前記第1の範囲には第1のピース及び第2のピースの裏面側に当てがわられる補強面布が配設されており、該補強面布は前記第1のピースと第2のピースが縫製される際に同時に縫製されるとともに、前記第1の範囲に配設されるスライドファスナを前記第1のピースと第2のピースの端末部位箇所に縫製により係止する際に該補強面布も同時に縫製する構成としたことを特徴とする。
上述の第2の発明によれば、スライドファスナを当該スライドファスナにより開閉可能に接合する第2の範囲から縫製により接合する第1の範囲の裏側にまで延設して配設することにより、第2の範囲と第1の範囲の境界箇所までスライドファスナを開閉可能に配設することができて、その境界箇所を見栄え良く処理することができる。
また、第1の範囲にまで延設して配設されたスライドファスナを該第1の範囲の第1のピースと第2のピースの端末部位箇所に縫製により係止することにより、第2の範囲においてスライドファスナのスライダを開口部方向に移動させる際の力を受ける部位として機能させることができて、その移動をスムースに行わせることができる。そして、この力を受ける第1のピースと第2のピースの第1の範囲箇所に補強面布を配設することにより、第1のピースと第2のピースの剛性を補強することができる。
次に、本発明の第3の発明は、上述した第2の発明における前記第1の範囲と第2の範囲に亘って配設されるスライドファスナの両範囲の境には超音波溶着が施されて、スライドファスナのスライダの第2の範囲から第1の範囲へのスライド移行を阻止する構成となっていることを特徴とする。
仮に、スライドファスナを第2の範囲まで延設して配設するときには、スライドファスナのスライダは第1の範囲の縫製された縫い合わせされた箇所に当たって止められることになる。この場合にはそのスライダの当接により縫い合わせ箇所の縫い目が開いてしまうと言う不具合を生じることがある。しかし、本発明の第3の発明によれば、両範囲の境に超音波溶着を施すことにより、超音波溶着した箇所でスライダの移動を確実に止めることができて、第1の範囲の縫製箇所に当たることがなく、永く良好な見栄えを維持することができる。
次に、本発明の第4の発明は、上述した各発明におけるスライドファスナはコンシールファスナであることを特徴とする。コンシールファスナとすることによりシートカバーの見栄えが向上する。すなわち、コンシールファスナによればそのエレメントが外部から見えないように配設されるので、表皮ピースの接合箇所を縫製した場合と同様の外観状態とすることができて、シートカバーの見栄えが向上する。
本発明によれば、袋形状のシートカバーの側部の開口部寄りの範囲のみをスライドファスナにより開閉可能とすることによりシートカバーをシート本体に被せる作業性の向上を図るとともに、見栄え向上を図ることができる。
本実施形態のシートカバーの外観を示す斜視図である。 図1のII―II線矢視断面図である。 図1のIII―III線矢視断面図である。 図1のM部の拡大平面図である。 従来のシートカバーの側部をスライドファスナで開閉可能とした状態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、本説明における、上下、左右、前後等の方向を示す表示はシートに着座した着座者から見た方向を示すものである。
本実施形態は乗物用シートの代表として自動車用シート10(以下、単に「シート10」と称することがある)の一人座席用のシートの場合である。図1はこのシート10を構成するシートバック12のシートカバー14を示している。通常、シート10は、着座者の座部となるシートクッション(不図示)と、背凭れとなるシートバック12と、頭部を支持するヘッドレスト(不図示)とから構成される。図1ではシート10のうちシートバック12のシートバック本体12Aの外形を被覆するシートカバー14のみが図示されている。
図1は本実施形態の特徴とする構成を良く示す位置状態として、シートカバー14の左側部19Lを左斜め後方から見た状態の斜視図として示している。シートカバー14は複数枚の表皮ピース16が縫製されて袋形状の基本的形状として構成されており、シートバック本体12Aに上方から被せることができるように、図1で見て、下方部が袋形状の開口部18とされ、上方部が袋形状の底部20とされた構成とされている。このシートカバー14は、概略、袋形状の筒状部19が、着座者の背中を受ける前面部19Fと、その背面部19Bと、この前面部19Fと背面部19Bとを繋ぐ左側部19L及び右側部19Rとから構成されており、この筒状部19と底部20とを構成する複数枚の表皮カバー16が縫製等により接合されて袋形状を構成する。
なお、シートカバー14が被せられるシートバック本体12Aは、通常、シートバック12の骨格を形成するシートフレーム(不図示)が内部に配設されており、そのシートフレームにウレタン等のシートパッド(不図示)が被覆されて構成されている。そして、そのシートパッドによりシートバック本体12Aの外形を形造っている。
また、図1において、シートカバー14の背面部19Bには小物を入れることのできるポケット22が設けられている。また、背面部19Bの下端部にはアンダーカバー24が一体的に形成されており,シートカバー14をシートバック本体12Aに被せた後で、シートバック本体12Aの下部を覆って、下部の見栄えを良好なものとする。アンダーカバー24の先端部には係止紐26が取付けられている。この係止紐26は、シートバック本体12Aの下部を覆ったアンダーカバー24を、不図示のシートフレームの係止部に係止するためのものである。
更に、図1におけるシートカバー14の上方部の袋形状の底部20には、2個の連通孔28が穿けられている。この連通孔28は不図示のヘッドレストのステーをシートバック本体12Aに差し込んで取付けるためのものである。
本実施形態におけるシートカバー14の左側部19Lと袋形状の底部20との配置構成と、右側部19Rと袋形状の底部20との配置構成は、左右の配置の異なりによる形状の違いはあるが実質的な配置構成は同じであるので、図1に良く示される左側部19L側の構成について説明する。当該箇所の表皮ピース16は、袋形状の左側部19Lを構成する第1のピース30及び第2のピース32と、袋形状の底部20を構成する第3のピース34との3枚が配設されて構成されており、この3枚が、第1のピース30と第2のピース32が隣接して合わせられた配設状態のT字状に合わせられた配設状態として配設されている。
第1のピース30と第2のピース32との合わせ部は、袋形状の底部20寄りの第1の範囲S1と袋形状の開口部18寄りの第2の範囲S2に区分される。第1の範囲S1の長さ範囲は、第1のピース30と第2のピース32との合わせ部の全体長さ範囲(S1+S2)の約1/3程度の長さ範囲であり、第2の範囲S2の長さ範囲よりはるかに短い範囲とされている。第1の範囲S1の長さ範囲は、シートカバー14をシート本体12Aに被せる際に、位置ずれを防止することのできる長さ範囲で極力短い範囲とするのが好ましい。
第2の範囲S2における第1のピース30と第2のピース32との合わせ部の接合は、図3に示すようにコンシールファスナ36により開閉可能として接合されている。第1の範囲S1における第1のピース30と第2のピース32との合わせ部の接合は、図2に示すように基本的には第1のピース30と第2のピース32とを直接に縫製50することにより接合している。なお、袋形状の底部20の第3のピース34と左側部19Lの第1のピース30及び第2のピース32との合わせ部も、それぞれ合わせられる各ピース(30と34、及び32と34)を直接に縫製(具体的な縫製構成は不図示)することにより接合されている。なお、本実施形態では、第3のピース34と縫製される位置まではコンシールファスナ36は延設されて配設されていないので、この縫製に際してコンシールファスナ36が影響することはない。
なお、本実施形態では、第3のピース34と第1のピース30及び第2のピース32との合わせ部の合わせ線に沿って第3のピース34にはアウトステッチ38が施されている。このアウトステッチ38を施す縫製をする際にも、本実施形態では従来のようにコンシールファスナ36上を縫製することなく縫製することができるので、アウトステッチ38のピッチを蛇行させることなく、安定して施すことができる。
次に、図3に示される第2の範囲S2におけるコンシールファスナ36による第1のピース30と第2のピース32との合わせ部の接合の詳細構成を説明する。なお、図3において上側がシートカバー14の内部側であり、下側がシートカバー14の外部側である。外部側が見栄えに影響する。コンシールファスナ36は第1のピース30に取付けられる一方のエレメント46a及びテープ48aと、第2のピース32に取付けられる他方のエレメント46b及びテープ48bとからなっている。そして、第1のピース30の合わせ部の端部が裏側に折り曲げられて、この折り曲げられた端部に一方のエレメント46aを備えたテープ48aが縫製42Aにより取付けられる。この縫製42Aの位置はエレメント46aから極力近接した位置とされる。同様にして第2のピース32の合わせ部の端部に他方のエレメント46bを備えたテープ48bが縫製42Bにより取付けられる。その後、一方のエレメント46aと他方のエレメント46bをスライダ52(図1参照)により噛合わせ移動させることにより、第1のピース30と第2のピース32との合わせ部を開閉可能とする接合状態とする。
本実施形態によれば、各テープ48a,48bの各ピース30,32の端部への取付け位置を各エレメント46a,46bに近接した位置とすることにより、第1のピース30と第2のピース32との合わせ部も近接した配設状態となり、コンシールファスナ36自体の構成とも相俟って見栄えが非常に良好なものとなる。
なお、本実施形態では、第2の範囲S2に配設されるコンシールファスナ36は、図4に示されるように、第1の範囲S1の一部まで延設して配設されている。その構成は後述する。コンシールファスナ36を第1の範囲S1の一部まで延設して配設するのは、延設した部位のコンシールファスナ36を第1の範囲S1の第1のピース30と第2のピース32の端末部位箇所に係止することにより、第2の範囲S2においてスライドファスナ36のスライダ52を開口部18方向に移動させる際の力を受ける部位として機能させて、その移動をスムースに行わせるためである。
次に、図2及び図4に基づいて第1の範囲S1における第1のピース30と第2のピース32との合わせ部の接合の詳細構成を説明する。なお、図4は図1のM部を拡大して示すものである。この第1の範囲S1における第1のピース30と第2のピース32との合わせ部の接合の基本構成は、図2に示すように当該第1のピース30と第2のピース32をそれぞれ裏側に折り返して形成する折り返し部を重ね合わせて、該重ね合わされた折り返し部を縫製50することにより接合されている。
前述もしたように本実施形態では第2の範囲S2に配設されるコンシールファスナ36は、図4に示すように第1の範囲S1にまで一部が延設して配設されている。なお、図4における上方側は袋形状の底部20側であり、下方側は袋形状の開口部18側である。そして、コンシールファスナ36が延設して配設された第1の範囲S1には、補強面布40が配設されている。第1のピース30の裏面側に配設される補強面布40aと、第2のピース32の裏面側に配設される補強面布40bとが別々に配設されている。図2に示すようにこの補強面布40a、40bは、前述の第1のピース30と第2のピース32との縫製50の際に一緒に縫製されて取付けられる。
本実施形態で補強面布40を配設するのは、次の理由による。すなわち、第1の範囲S1における第1のピース30と第2のピース32とを縫製50する部位は、前述もしたように第2の範囲S2におけるコンシールファスナ36を開閉する際の操作力を受ける部位となる。このため、当該縫製50箇所の糸の縫い目幅は、他の縫製箇所より細かい縫い目幅として力が作用したときの縫い目開きの防止を図っている。例えば、他の部位の通常箇所の縫い目幅は4.5mmであるのに対して、縫製50箇所の縫い目幅は3.5mmとしている。このように縫い目幅が細かいと針目孔により表皮が弱くなると言う問題が生じる。これを補強するために補強面布40を当該箇所の表皮ピース30,32にあてがうものである。
なお、第1の範囲S1に延設されて配設されるコンシールファスナ36は、図2に示すように第1のピース30及び第2のピース32の折り返された端部に縫製50A,50Bにより係止されて止められている。なお、この縫製50A,50Bの際には第1のピース30及び第2のピース32の裏面側に配設された補強面布40a,40bも一緒に縫製されている。また、図4に示すように、補強面布40a,40bとコンシールファスナ36とが重なった配置箇所の第1の範囲S1と第2の範囲S2には破線で示す補強縫い54a,54bが施されている。
第1の範囲S1に配設されたコンシールファスナ36を第1の範囲S1の第1のピース30と第2のピース32の端部に係止させることは、コンシールファスナ36の配設位置を固定して安定させることができる。また、これによりハイライト(異物感)を防止することができると共に、第1の範囲S1の外形が凸面形状に形成される場合には、その凸面形状を良好に形成することができる。
コンシールファスナ36のエレメント46a,46bは樹脂製とされており、図4に示されるコンシールファスナ36の第1の範囲S1と第2の範囲S2の境界部(図4に丸印中にハッチングで示す符号44で示す箇所)を超音波溶着して、スライダ52が第2の範囲S2から第1の範囲S1に移動するのを阻止するストッパ手段としている。この超音波溶着44のストッパ手段を設定して第1の範囲S1の開き止めをしているのは、第1の範囲S1における第1のピース30と第2のピース32を縫製50する際に縫い目開きが生じるのを防止するためである。また、第1の範囲S1への開き止めがない場合には、シートカバー14をシートバック本体12Aに被せて組み合わせる際に、スライダ52が第1の範囲S1の内部に潜り込んだ状態となることがあり、スライダ52を戻す作業を必要とする問題があるためである。
次に、コンシールファスナ36を第1の範囲S1と一部の第2の範囲S2に配設する作業手順について説明する。
先ず、第2の範囲S2における第1のピース30とコンシールファスナ36の一方のテープ48aとを縫製42Aする。同様に第2の範囲S2における第2のピース32とコンシールファスナ36の他方のテープ48bとを縫製42Bする。この縫製作業はコンシールファスナ36を開けた状態で行うと、その縫製作業を容易に行うことができる。
その後、コンシールファスナ36を閉じた状態とする。この状態では、第1の範囲S1まで延設して配設されたコンシールファスナ36の部位は他の部位に接合されていない自由状態にある。この自由状態においてコンシールファスナ36の噛合った状態の一方と他方のエレメント46a,46bの第1の範囲S1と第2の範囲S2の境界部(図4に示す符号44で示す箇所)を超音波溶着44して、スライダ52が第2の範囲S2から第1の範囲S1への移動をできないようにする。
その後、第1のピース30と第2のピース32の裏面側にそれぞれ補強面布40a,40bをあてがって、第1のピース30と第2のピース32の第1の範囲S1における端部を折り返して重ね合わされる部位を縫製50する。この縫製50作業は、まだ、コンシールファスナ36は第1のピース30と第2のピース32の端部に係止された状態とはなっていなく自由状態にあるので、第1のピース30と第2のピース32とを背中合わせに重ね合わせた状態として縫製することができる。
その後、まだ、コンシールファスナ36の自由な状態において、縫製50された第1のピース30と第2のピース32と、第3のピース34との合わせ部を縫製する。この縫製においては、第1の範囲S1まで配設されているコンシールファスナ36は自由状態にあるので、その縫製に影響を与えない位置状態として縫製を行うことができる。なお、アウトステッチ38の糸の縫製も、この作業時に同様にして行うことができる。
その後、第1の範囲S1にあるコンシールファスナ36の一方のテープ48aを第1のピース30の折り返された端部に補強面布40aと共に一緒に縫製して係止する。同様にコンシールファスナ36の他方のテープ48bを第1のピース30の折り返された端部に補強面布40bと共に一緒に縫製して係止する。このときに補強縫い54も同時に行う。以上によりコンシールファスナ36の取付け作業は完了する。
上述した本実施形態によれば、袋形状のシートカバー14の側部に配設される第1のピース30と第2のピース32との合わせ部の底部20寄りの第1の範囲S1は縫製50で接合されていることにより、当該範囲S1は、常時、袋形状状態となっている。これにより、シートカバー14をシート本体に被せる時に位置決めされた状態で被せることができ、被せ初期の位置ずれを防止することができる。尤も、袋開口部18寄りの第2の範囲S2は,従来と同様に、スライドファスナ36により開閉可能とされているので、被せ時には当該範囲S2を開いた状態としてシート本体に容易に被せることができる。
また、上述した本実施形態によれば、側部の第1のピース30及び第2のピース32と底部の第3のピース34とを縫製により接合する際には、スライドファスナ36の影響なく行うことができる。このため、従来のように、縫製の際にコンシールファスナ36の噛合いが外れると言う通称パンクを起こすことがない。
同様に、第3のピース34にアウトステッチ38を施す場合においても、スライドファスナ36の影響なく行うことができるため、アウトステッチ38のピッチを等間隔に配置することができて、見栄えを良好なものとすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその他各種の形態で実施可能なものである。
例えば、上記実施形態では一人座席用シート用シートカバーであったが、本発明は複数人が着座するいわゆるベンチシート用のシートカバーにも適用可能なものである。
また、上述の実施形態では第1の範囲S1に補強綿布を配設したが、強度的に補強綿布を必要としない時は省略することができる。
また、上記実施形態ではスライドファスナとして見栄え上の観点からコンシールファスナを用いたが、一般的なスライドファスナであっても良い。
10 自動車用シート(乗物用シート)
12 シートバック
12A シートバック本体
14 シートカバー
16 表皮ピース
18 開口部
19 筒状部
19F 前面部
19B 背面部
19L 左側部
19R 右側部
20 底部
22 ポケット
24 アンダーカバー
26 係止紐
28 連通孔
30 第1のピース
32 第2のピース
34 第3のピース
36 コンシールファスナ(スライドファスナ)
38 アウトステッチ
40 補強面布
42 縫製
44 超音波溶着
46 エレメント
48 テープ
50 縫製
52 スライダ
54 補強縫い



Claims (3)

  1. 複数の表皮ピースが縫製されて基本的形態が袋形状とされ、該袋形状の側部が袋開口部から袋底部に向けてスライドファスナで開閉可能とされる乗物シート用シートカバーであって、
    前記袋形状の側部に隣接して配設される第1のピース及び第2のピースと袋底部に配設される第3のピースの3枚の表皮ピースはT字状に合わせられて配設されており、
    前記袋底部に配設される第3のピースと側部に配設される第1のピース及び第2のピースとの合わせ部は縫製で接合されており、
    前記側部に配設される第1のピースと第2のピースとの合わせ部の袋底部寄りの第1の範囲は縫製で接合され、袋開口部よりの第2の範囲はスライドファスナで接合されて前記縫製で接合された位置まで開閉可能とされている構成であり、
    前記スライドファスナは前記第1のピースと第2のピースとの合わせ部の第1の範囲と第2の範囲の一部に延設して配設されており、前記第1の範囲には第1のピース及び第2のピースの裏面側に当てがわられる補強面布が配設されており、該補強面布は前記第1のピースと第2のピースが縫製される際に同時に縫製されるとともに、前記第1の範囲に配設されるスライドファスナを前記第1のピースと第2のピースの端末部位箇所に縫製により係止する際に該補強面布も同時に縫製する構成としたことを特徴とする乗物シート用シートカバー。
  2. 請求項に記載の乗物シート用シートカバーであって、
    前記第1の範囲と第2の範囲に亘って配設されるスライドファスナの両範囲の境には超音波溶着が施されて、スライドファスナのスライダの第2の範囲から第1の範囲へのスライド移行を阻止する構成となっていることを特徴とする乗物シート用シートカバー。
  3. 請求項1または請求項2に記載の乗物シート用シートカバーであって、
    前記スライドファスナはコンシールファスナであることを特徴とする乗物シート用シートカバー。
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