JP2006000545A - 座席カバー及び該座席カバーを備えた車両用座席 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数枚の表皮材11a,11bを立体形状に接合してなり、座席クッション材1aを被覆する座席カバー10であって、複数枚の表皮材11a,11bの端部には、表皮材11a,11bを重ね合わせた表皮材の境界線16が接合部15として形成され、この接合部15において、外側に位置する表皮材11aに被覆されない位置であって、且つ座席クッション材1a側に位置する表皮材11bと、座席クッション材1aとの間には、境界線16に沿って玉縁部材13が配設されている。
【選択図】 図2
Description
座席カバーは、立体形状のシートバック及びシートクッションを被覆するため、複数枚の表皮材を縫製して立体形状に形成されている。このとき、起毛密度が低い表皮材を使用すると、縫製部分で毛割れが発生し、縫製糸が露見して見栄えが悪くなるとう不都合があった。
特許文献1の座席カバー111は、図5に示すように、座面被覆部111aと、カマチ被覆部111cと、コーナ被覆部111bとを備えている。
コーナ被覆部111bの裏側には力布114が設けられており、この力布114でコーナ被覆部111bとカマチ被覆部111cの縫合部113bが内側へ引っ張られた状態とされている。コーナ被覆部111bは、裏面に設けられたパッド層112の反発力により、外側に向けて膨出した状態に保持される。
また、コーナ部の縫合部113bが、コーナ被覆部111bよりも後ろ側に位置することになるため、縫い目が目立ちにくい構成となる。
また、力布114を牽引する力の加減により、コーナ被覆部111bの膨出形状が変わってしまうという問題があった。
本発明の他の目的は、低コスト及び安定した品質で製造され、外観の良い座席カバー及び該座席カバーを備えた車両用座席を提供することにある。
また、本発明の座席カバーは、表皮材の接合部の両側に、ボリュームが出された状態とされているので、接合部が開きにくくなるという機能を有する。
また、表皮材として起毛素材を使用した場合であっても、表皮材の縫い目部分が開きにくくなっており、また縫い目部分にボリュームが出されるので接合部における毛割れが防止される。このため、コスト的に有利な密度の低い起毛素材を使用することが可能となる。
さらに、表皮材の接合部分に玉縁部材を配設するという簡単な構成であるため、特殊な設備等を設けることなく製造が可能である。
また、表皮材の接合部に玉縁部材を一緒に縫合するだけで良いため、ばらつきなく安定した品質の座席カバーを得ることが可能となる。
図1は本実施形態に係る座席を背面側から示す説明図、図2は座席カバーの断面図、図3は図2の要部拡大図、図4は玉縁部材の配設状態を示す説明図である。
シートバック1とシートクッション2のクッション材は座席カバー10で覆われている。図2は、シートバック1を被覆する座席カバー10を示すものである。
本例の座席カバー10は、複数枚の表皮材11を縫合して形成されており、表面に縫合意匠線14が現れるように構成されている。
また、図2に示すように、座席カバー10の表皮材11の裏面には、ポリウレタンフォーム等のクッション性のあるワディング材12がラミネートされて設けられている。図2において符号1aで示されている部材は、シートバック1のクッション材である。
図2は、シートバック1に被覆される座席カバー10を示すものである。図において、シートバック1の前面側に位置する表皮材11を第一の表皮材11a、シートバック1の背面側に位置する表皮材11を第二の表皮材11bとして図示している。
第一の表皮材11aと第二の表皮材11bは、端部側が縫合されており、立体形状をなす袋状に形成されている。
第一の表皮材11aと第二の表皮材11bとの接合部である縫合部15には、二枚の表皮材の境界線16が形成されている。
第二の表皮材11b側には、この境界線16に沿って玉縁部材13が配設されている。
第二の表皮材11b側には玉縁部材13が配設されている。この玉縁部材13は、芯材と、この芯材を被覆する布材とから形成されている。芯材より玉縁部材13の頭部13aが構成され、布材より玉縁部材13の帯部13bが構成される。
なお、玉縁部材13については、上記構成の他、頭部13aと帯部13bとが一体とされた構成であっても良い。この場合、玉縁部材13は、例えば合成樹脂の押出成形品として形成される。
ここで、本例の座席カバー10における、第一の表皮材11a,第二の表皮材11b,玉縁部材13の縫製手順について説明する。
先ず、所定形状に裁断された第一の表皮材11aと第二の表皮材11bとを、表面側が相対するように重ね合わせる。そして、第二の表皮材11b側に玉縁部材13を位置させる。
玉縁部材13は、シートバック1の上端部や、シートクッション2の周縁部など、被覆後に縫い目が開き易い部分に配設される。
本例では、玉縁部材13の帯部13bに、切欠部13cが設けられている。切欠部13cが設けられていることにより、玉縁部材13を所定の曲線に沿って配設することが可能となり、玉縁部材13を座席カバー10の立体形状に沿って配設することが可能となる。
縫製糸17で縫合されることにより、第一の表皮材11a及び第二の表皮材11bは、立体形状をなす袋状に形成される。この段階では、座席カバー10は裏面側が外側を向いた状態となっている。
縫合処理が終了したら、表面が外側に出るように裏返す。このようにして、座席カバー10が完成する。
よって、図3に示すように、第一の表皮材11aと第二の表皮材11bの境界線16の両側が、矢印方向に膨出した状態となる。
このようにして、外観商品性に優れた座席カバー10が作製される。
さらに、第一の表皮材11aと第二の表皮材11bの縫合部15に玉縁部材13が配設されているので、縫い代にかかる応力が、点としてかかるのではなく、線としてかかるようになるため、縫い目が開きにくくなり、外観上良好であるとともに縫い目が確保される。
また、本例の座席カバー10を製造するためには、表皮材11に玉縁部材13を配設するだけで良く、特殊な設備が不要であり、従来の設備をそのまま使用することができる。したがって、従来の座席カバーの製造から、本例の座席カバー10の製造へ切り換える際に、移管を容易に行うことができ好適である。
さらに、車両用座席に限らず、ソファや椅子の座席カバーについても、同様の構成を採用可能であることは勿論である。
1a クッション材
2 シートクッション
10 座席カバー
11 表皮材
11a 第一の表皮材
11b 第二の表皮材
12 ワディング材
13 玉縁部材
13a 頭部
13b 帯部
13c 切欠部
14 意匠線
15 縫合部
16 境界線
17 縫製糸
S 座席
Claims (5)
- 複数枚の表皮材を立体形状に接合し、座席クッション材を被覆する座席カバーであって、
前記複数枚の表皮材の端部には、表皮材を重ね合わせた表皮材の境界線が接合部として形成され、
該接合部において、外側に位置する表皮材に被覆されない位置であって、且つ前記座席クッション材側に位置する表皮材と、前記座席クッション材との間には、前記境界線に沿って玉縁部材が配設されたことを特徴とする座席カバー。 - 前記接合部において外側に位置する表皮材は、端部側が前記座席クッション材側に折り返されて配設されたことを特徴とする請求項1記載の座席カバー。
- 前記接合部では縫合により前記表皮材が接合されていることを特徴とする請求項1記載の座席カバー。
- 前記玉縁部材は、前記表皮材とともに縫合されることを特徴とする請求項1記載の座席カバー。
- 前記請求項1乃至4のいずれか記載の座席カバーを備えたことを特徴とする車両用座席。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004182470A JP2006000545A (ja) | 2004-06-21 | 2004-06-21 | 座席カバー及び該座席カバーを備えた車両用座席 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004182470A JP2006000545A (ja) | 2004-06-21 | 2004-06-21 | 座席カバー及び該座席カバーを備えた車両用座席 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006000545A true JP2006000545A (ja) | 2006-01-05 |
Family
ID=35769425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004182470A Pending JP2006000545A (ja) | 2004-06-21 | 2004-06-21 | 座席カバー及び該座席カバーを備えた車両用座席 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006000545A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015096361A (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | トヨタ紡織株式会社 | 乗物用シートカバー |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07328248A (ja) * | 1994-06-02 | 1995-12-19 | Araco Corp | 表皮にて被覆されたクッション構造体 |
-
2004
- 2004-06-21 JP JP2004182470A patent/JP2006000545A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH07328248A (ja) * | 1994-06-02 | 1995-12-19 | Araco Corp | 表皮にて被覆されたクッション構造体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015096361A (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | トヨタ紡織株式会社 | 乗物用シートカバー |
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