A.第1実施例
A−1.システムの構成
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、実施例における端末装置としての携帯端末を含むシステムの構成を示すブロック図である。このシステムは、複数個のプリンタ200A〜200Dと、インターネット70に接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)80と、LAN80に接続された複数のアクセスポイント50A〜50Cと、利用者の各自が所持する携帯端末400と、を備えている。
図2は、複数個のプリンタ200A〜200Dの配置の一例を示す図である。図2に示すように、3個のプリンタ200A〜200Cは、第1の部屋RM1(例えば、オフィスルーム)に、分散して配置されている。1個のプリンタ200Dは、第2の部屋RM2に配置されている。各利用者は、各自の携帯端末400を用いて、複数個のプリンタ200A〜200Dのいずれに対しても印刷指示を送信可能である。
各アクセスポイント50A〜50Cは、例えば、IEEE802.11a/b/g/nなどの規格で定められる通信方式を利用した無線LANのアクセスポイントとして機能する無線LANスイッチである。複数個のプリンタ200A〜200Dと、携帯端末400とは、これらのアクセスポイント50A〜50Cを介して、インフラストラクチャーモードを用いた無線通信を行うことが可能である。インフラストラクチャーモードは、複数の無線LAN端末装置が、アクセスポイントを介してデータ通信するモードである。この結果、複数個のプリンタ200A〜200Cと、携帯端末400とは、LAN80に接続されたネットワーク機器として扱われる。
LAN80は、例えば、図2の2個の部屋RM1,RM2を含む建物内にイーサネット(登録商標)規格に準拠して構築された有線ネットワークである。アクセスポイント50A〜50Cは、例えば、部屋RM1,RM2を含む建物内に分散して配置されて無線ネットワークを構築している(図2では図示省略)。この結果、部屋RM1,RM2を含む建物内の任意の場所にて、携帯端末400は、無線ネットワークを介して、LAN80に接続可能である。
プリンタ200Aは、CPU210と、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置220と、RAMなどの揮発性記憶装置230と、所定の方式(例えば、インクジェット、レーザー)で画像を印刷するプリントエンジンであるプリンタ部240と、NFC(Near Field Communication)を用いて外部機器との通信を実行するNFC部250と、タッチパネルやボタンなどの操作部260と、タッチパネルと重畳された液晶などの表示パネルを含む表示部270と、パーソナルコンピュータや携帯端末などの外部装置とデータ通信を行うためのインタフェースとしての無線IF部280と、を備えている。
揮発性記憶装置230には、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域231が設けられている。不揮発性記憶装置220は、プリンタ200Aを制御するためのコンピュータプログラム221と、エリア情報222と、設置位置情報223と、を格納している。
コンピュータプログラム221は、例えば、プリンタ200の出荷時に予め不揮発性記憶装置220に格納されている。また、コンピュータプログラム221は、CD−ROMなどに記録された形態や、サーバからダウンロードする形態で提供され得る。
図3は、エリア情報(図3(A))と、設置位置情報223(図3(B))の一例を示す図である。プリンタ200Aのエリア情報222は、図2に示す第1のエリアA1を規定する情報である。エリア情報222は、後述するエリア情報登録処理(図6)や、エリア情報設定処理(図9)によって、不揮発性記憶装置220に登録される。第1のエリアA1は、第1の部屋RM1の全体をカバーするエリアであり、3個のプリンタ200A〜200Cを含むエリアである。第1のエリアA1は、4個の地点P1〜P4の位置を表す4個の位置情報1〜4によって規定される。具体的には、第1のエリアA1は、4個の地点P1〜P4を、この順序で結んで得られる4角形のエリアである。すなわち、第1のエリアA1は、4個の地点P1〜P4を頂点とする4角形のエリアである。図3(A)のエリア情報222は、これらの位置情報1〜4と、エリアの名称(例えば、ルーム1)を示す情報と、を含んでいる。図3(A)に位置情報1について示すように、位置情報1〜4のそれぞれは、緯度(北緯または南緯)、経度(東経または西経)および高度(標高)をそれぞれ表す情報を含む3次元の座標情報LDである。
設置位置情報223は、プリンタ200Aが設置されている位置を示す位置情報である(図3(B))。設置位置情報は、上述した位置情報1〜4と同様に、緯度、経度、高度をそれぞれ表す情報を含む3次元の座標情報LDである。設置位置情報223は、後述する設置位置登録処理(図4)によって、不揮発性記憶装置220に格納される。
CPU210は、コンピュータプログラム221を実行することにより、プリンタ200の全体を制御する。具体的には、CPU210は、例えば、プリンタ部240を制御して印刷を実行するための印刷制御部30、および、携帯端末400との通信処理を実行する通信制御部100として機能する。通信制御部100は、ジョブ受信部110と、エリア情報取得部120と、エリア情報設定部130と、表示制御部140と、応答処理部150と、を備えている。ジョブ受信部110は、携帯端末400から印刷ジョブを受信する。エリア情報取得部120は、携帯端末400や、別のプリンタからエリア情報222を取得する。エリア情報設定部130は、携帯端末400や、別のプリンタから取得されたエリア情報222を、自身のエリア情報として設定するための処理を実行する。表示制御部140は、後述する各種の処理において、表示部270に、ユーザインタフェース画像を表示する。応答処理部150は、後述する各種の処理において、携帯端末400や他のプリンタからの問い合わせや要求に対する応答を実行する。これらの各機能部が実行する具体的な処理については後述する。
無線IF部280は、アンテナを含み、例えば、アクセスポイント50A〜50Cを介した無線通信、すなわち、インフラストラクチャーモードに準拠する無線通信を行う。無線IF部280は、例えば、後述するように、携帯端末400や、他のプリンタとのデータ通信のために用いられる。以下では、通信方法について特記しないデータ通信(例えば、印刷ジョブの送受信や、エリア情報222の送受信)は、アクセスポイント50A〜50Cを介した無線通信を用いて行われるものとする。
他のプリンタ200B〜200Dは、上述したプリンタ200Aと同様の構成を有しているので、詳細の説明を省略する。ただし、プリンタ200B〜200Dの設置位置情報223は、それぞれ自身の設置位置を示す位置情報である。また、プリンタ200B、200Cのエリア情報222は、プリンタ200Aのエリア情報222と同様に、図2の第1のエリアA1を規定する情報であり、プリンタ200Dのエリア情報222は、図2の第2のエリアA2を規定する情報である。第2のエリアA2は、4個の地点P5〜P8の位置を表す4個の位置情報によって規定される。以下では、個々のプリンタ200A〜400Dを区別しない場合には、末尾のアルファベットを省略して、プリンタ200とも呼ぶ。
携帯端末400は、例えば、スマートフォンと呼ばれる多機能携帯電話である。携帯端末400は、CPU410と、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置420と、RAMなどの揮発性記憶装置425と、無線IF部430と、電話IF部440と、スピーカやマイクを含み電話機能などを実現するための音声処理部450と、タッチパネルや操作キーなどを含む操作部460と、タッチパネルと重畳された液晶パネルなどを含む表示部470と、GPS部480と、NFCを用いて外部機器との通信を実行するNFC部490と、を主に備えている。
無線IF部430は、アンテナを含み、例えば、アクセスポイント50A〜50Cを介した無線通信、すなわち、インフラストラクチャーモードに準拠する無線通信を行う。例えば、無線IF部430は、後述するように、プリンタ200への印刷ジョブの送信や、プリンタ200との間で各種の情報を送受信するために用いられる。
電話IF部440は、アンテナを含み、基地局(図示省略)との間で携帯電話通信の方式(例えば、W−CDMA)に準拠する無線通信を行う。電話IF部440は、例えば、電話や、基地局(図示省略)を介したインターネット70への接続などに用いられる。
GPS部480は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)を構成する人工衛星から送信された電波(GPS信号)を受信する受信機を含む。GPS部480は、受信したGPS信号に基づき現在位置(緯度、経度、高度)を表す位置情報を取得することができる。
揮発性記憶装置425には、CPU410が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域426が設けられている。
不揮発性記憶装置420には、制御プログラムPG1と、プリンタドライバプログラムPG2と、が格納されている。制御プログラムPG1は、OS(オペレーティングシステム)の機能や、電話機能、GPS部480やNFC部490の制御機能など、携帯端末400の基本機能を実現するプログラムである。制御プログラムPG1は、例えば、携帯端末400の製造者によって提供され、出荷時に予め格納されている。プリンタドライバプログラムPG2は、プリンタ200のプリンタ部240を遠隔操作するための機能を実現するプログラムである。プリンタドライバプログラムPG2は、携帯端末400に新たな機能を追加するプログラム(「アプリ」などと呼ばれる。)であり、例えば、携帯端末400の製造者とは異なる提供者(例えば、プリンタ200の製造者)によって、所定のサーバからダウンロードする形態で、提供される。また、プリンタドライバプログラムPG2は、例えば、携帯端末400の製造者によって提供され、出荷時に予め格納されていても良い。
CPU410は、制御プログラムPG1を実行することによって、携帯端末400の基本機能を実現するメイン制御部20として機能する。また、プリンタドライバプログラムPG2を実行することによって、プリンタドライバ300として機能する。プリンタドライバ300は、詳細は後述するが、エリア情報222を用いて、利用すべきプリンタの選択を支援する処理を実行することができる。プリンタドライバ300は、登録部310と、エリア情報取得部320と、端末位置取得部330と、条件情報取得部340と、プリンタ特定部350と、印刷指示部360と、表示制御部370と、を備えている。
登録部310は、印刷指示に先行して、複数個のプリンタ200A〜200Cのそれぞれに、設置位置情報223やエリア情報222を登録する。登録部310は、利用者から所定の登録操作を受け付ける登録操作受付部315と、3個以上の地点に基づくエリアを規定するエリア情報を生成する生成部317と、を備えている。
エリア情報取得部320は、印刷処理において、エリア情報222を、複数個のプリンタ200A〜200Cのそれぞれから取得する。端末位置取得部330は、携帯端末400の位置を示す端末位置情報を取得する。条件情報取得部340は、エリア情報によって規定されるエリアと対応付けられたプリンタが対応可能な印刷条件を示す条件情報を取得する
プリンタ特定部350は、利用するプリンタの候補、具体的には、印刷を指示するプリンタの候補を特定する。プリンタ特定部350は、判断部355と、エリア選択受付部357と、を備えている。判断部355は、エリア情報222と端末位置情報とに基づいて、エリア情報222によって規定されるエリア内に携帯端末400が位置するか否かを判断する。エリア選択受付部357は、複数個のエリア情報222によってそれぞれ規定される複数個のエリアのうちの1個のエリアの選択を利用者から受け付ける。
印刷指示部360は、エリア情報222によって規定されるエリア内に携帯端末400が位置する場合に、エリア内のプリンタに印刷を指示する。表示制御部370は、エリア情報222によって規定されるエリア内に携帯端末400が位置しない場合に、携帯端末400から印刷を指示可能なプリンタに関するプリンタ関連情報を表示部470に表示させる。プリンタ関連情報は、例えば、利用者が、印刷を指示すべきプリンタを選択するための情報である。
A−2.システムの動作
A−2−1.設置位置情報の登録
後述する各種の処理(エリア情報登録処理、エリア情報設定処理、印刷処理)において使用される設置位置情報223を、システム内の複数個のプリンタ200A〜200Cに登録する位置情報登録処理について説明する。図4は、位置情報登録処理のフローチャートである。位置情報登録処理は、携帯端末400の登録部310(図1)と、プリンタ200の通信制御部100(図1)と、によって実行される。位置情報登録処理は、例えば、プリンタ200が設置される際に、利用者の開始指示によって開始される。具体的には、利用者は、プリンタドライバ300を起動して、位置情報登録処理を実行する登録モードを選択することによって、携帯端末400側の処理を開始させる。また、利用者は、プリンタ200の操作部260を介して、位置情報登録処理を実行する登録モードを選択することによって、プリンタ200側の処理を開始させる。なお、この位置情報登録処理は、1個のエリア情報222を、1個のプリンタ200に格納するための処理であり、システム内の各プリンタ200に対して、1回ずつ実行される。例えば、1個のプリンタ200が設置された後に、1回実行されれば良く、プリンタ200が移動されない限り、複数回に亘って実行される必要はない。このため、例えば、複数の利用者が存在する場合には、一人の利用者、例えば、プリンタ200の管理担当者が、1個の携帯端末400を用いて、位置情報登録処理を実行すれば良い。
図4のステップS101では、登録部310は、位置登録用UI画像RGを、携帯端末400の表示部470に表示する。
図5は、位置登録用UI画像RGの一例を示す図である。図5の位置登録用UI画像RGは、メッセージMS1と、登録ボタンBT1と、終了ボタンBT2と、を含んでいる。メッセージMS1は、携帯端末400を、プリンタ200のNFC部290にかざして、登録ボタンBT1を押下するように、利用者に促すメッセージである。
ステップS102では、登録操作受付部315は、利用者による登録操作、すなわち、登録ボタンBT1の押下が受け付けられたか否かを判断する。登録操作が受け付けられていない場合には(ステップS102:NO)、登録操作受付部315は、登録操作が受け付けられるまで待機する。登録操作が受け付けられた場合には(ステップS102:YES)、すなわち、登録ボタンBT1が利用者によって押下された場合には、登録部310は、GPS部480を用いて、携帯端末400の現在位置を示す現在位置情報を取得する(ステップS103)。なお、登録操作を受け付けたか否かに限らず、携帯端末400がプリンタ200のNFC部250の付近に位置することによって、携帯端末400とプリンタ200とがNFCを用いて通信可能な状態に遷移したことが、位置登録部310によって検出された場合に、位置登録部310は、自動的に、携帯端末400の現在位置を示す現在位置情報LDを取得しても良い。この場合には、位置登録部310は、図5の登録用UI画像RGに、登録ボタンBT1を表示しなくても良い。そして、位置登録部310は、登録用UI画像RGに、携帯端末400をプリンタ200のNFC部250にかざすように促すメッセージを表示すれば良い。一般的には、登録操作を受け付けたことを契機とするか、通信可能な状態に遷移したことが位置登録部310によって検出されたことを契機とするかに拘わらず、携帯端末400とプリンタ200とがNFCを用いて通信可能な状態で、位置登録部310は、携帯端末400の現在位置を示す現在位置情報LDを取得すれば良い。取得される現在位置情報は、上述した緯度、経度、および、高度をそれぞれ表す情報を含む座標情報LD(図3(A))である。
ステップS103が実行される時点で、携帯端末400は、プリンタ200のNFC部290の付近にある。したがって、ステップS103で取得される現在位置情報(座標情報LD)は、プリンタ200の設置位置を示している。
ステップS104では、登録部310は、ステップS103にて取得された現在位置情報を、携帯端末400のNFC部490を用いた近距離無線通信によって、プリンタ200に送信する。ステップS105では、プリンタ200の通信制御部100は、NFC部290を介して、現在位置情報を受信する。
ステップS106では、通信制御部100は、受信した現在位置情報を、プリンタ200の設置位置を示す設置位置情報223(図1)として、不揮発性記憶装置220に格納する。
以上説明した位置情報登録処理によって、プリンタ200にGPS受信機が備えられていなくても、利用者は、容易に、設置位置情報223を、プリンタ200に登録することができる。また、プリンタ200のNFC部290の付近に、携帯端末400が位置した状態で、すなわち、プリンタ200と携帯端末400とが、NFC通信を用いて通信可能な状態で、登録部310は、設置位置情報223として格納されるべき現在位置情報を取得する(ステップS3)。したがって、プリンタ200の設置位置を正確に表す設置位置情報223を、プリンタ200に格納することができる。
次に説明するエリア情報登録処理に先行して、複数個のプリンタ200A〜200D(図2)のそれぞれに対して位置情報登録処理が実行され、複数個のプリンタ200A〜200D(図2)のそれぞれに設置位置情報223が格納される。
なお、上述した位置情報登録処理の開始時には、利用者は、プリンタ200の操作部260を介して、位置情報登録処理を実行する登録モードを選択することによって、プリンタ200側の処理を開始させている。これに代えて、プリンタ側の処理は、上記ステップS105で、携帯端末400から現在位置情報を受信した場合に開始されても良い。この場合には、携帯端末400の登録部310は、ステップS104にて、現在位置情報とともに、プリンタ200に現在位置情報の登録を要求するコマンドを、携帯端末400に送信することが好ましい。こうすれば、利用者の操作負担を軽減することができる。
A−2−2.エリア情報登録処理
スペック情報取得処理、印刷処理において使用されるエリア情報222を、システム内の複数個のプリンタ200A〜200Dに登録する処理として、エリア情報登録処理と、エリア情報設定処理とが用意されている。この2つの処理のいずれか一方によって、複数個のプリンタ200A〜200Dのそれぞれにエリア情報222が登録される。先ず、エリア情報登録処理について説明する。図6は、エリア情報登録処理のフローチャートである。エリア情報登録処理は、携帯端末400の登録部310(図1)と、プリンタ200の通信制御部100(図1)と、によって実行される。エリア情報登録処理は、例えば、プリンタ200が設置される際に、上述した位置情報登録処理の後に、利用者の指示に応じて開始される。なお、このエリア情報登録処理は、位置情報登録処理と同様に、プリンタ200が設置された後に、1回実行されれば良い。このため、位置情報登録処理と同様に、例えば、複数の利用者が存在する場合には、プリンタ200の管理担当者が、1個の携帯端末400を用いて、エリア情報登録処理を実行すれば良い。
ここで、図3の位置情報登録処理と、図6のエリア情報登録処理との違いについて説明する。図3の位置情報登録処理は、上述したように、設置位置情報223(図3(A))をプリンタ200に登録するための処理である。したがって、設置位置情報223(図3(A))、すなわち、プリンタ200の設置位置である1個の地点を表す位置情報が、携帯端末400からプリンタ200に送信される。これに対して、図6のエリア情報登録処理は、エリア情報222(図3(B))をプリンタ200に登録するための処理である。したがって、エリア情報222(図3(B))、すなわち、エリアを規定する3個以上の地点(例えば、図2の第1のエリアA1を規定する4個の地点P1〜P4)を表す位置情報が、携帯端末400からプリンタ200に送信される。
図6のステップS1では、登録部310は、エリア情報生成処理を実行する。図7は、エリア情報生成処理のフローチャートである。
図7のステップS11では、登録部310は、エリア登録用UI画像EGを、携帯端末400の表示部470に表示する。
図8は、エリア登録用UI画像EGの一例を示す図である。図8のエリア登録用UI画像EGは、利用者が、エリア名を入力するためのフィールドFD1と、地点の登録状況を示す状況情報SIと、登録ボタンBT3と、終了ボタンBT4と、を含んでいる。
ステップS12では、登録部310は、フィールドFD1を介して、登録すべきエリアの名称(エリア名)の入力を利用者から受け付ける。
ステップS13では、登録操作受付部315は、利用者による登録操作、すなわち、登録ボタンBT3の押下を受け付ける。登録操作が受け付けられていない場合には(ステップS13:NO)、登録操作受付部315は、登録操作が受け付けられるまで待機する。登録操作が受け付けられた場合には(ステップS13:YES)、すなわち、登録ボタンBT3が利用者によって押下された場合には、登録部310は、GPS部480を用いて、携帯端末400の現在位置を示す現在位置情報を取得する(ステップS14)。取得される現在位置情報は、上述した緯度、経度、および、高度をそれぞれ表す情報を含む座標情報LD(図3(A))である。
利用者は、登録したいエリア(例えば、図2の第1のエリアA1)の複数個の頂点のうちの1つの地点(例えば、図2の地点P1)に携帯端末400を位置させて、登録ボタンBT3を押下する。この結果、上述したステップS13、S14から解るように、登録したいエリアの頂点(例えば、図2の地点P1)を示す位置情報(座標情報LD)を、携帯端末400に容易に取得させることができる。
ステップS15では、登録部310は、地点の登録(地点を示す位置情報の取得)を終了するか否かを判断する。具体的には、登録部310は、終了ボタンBT4(図8)が利用者に押下された場合には(ステップS15:YES)、地点の登録を終了すると、判断する。ただし、登録部310は、3個以上の地点の登録が行われていない場合には、終了ボタンBT4(図8)が利用者に押下された場合であっても、利用者に地点の登録を促すメッセージを表示部470に表示する等を行い、地点の登録を終了しない。このように、登録部310は、3個以上の地点の登録を受け付ける。本実施例におけるエリア情報222によって規定されるエリアは、3個以上の地点に基づいて規定されるからである。
登録部310は、地点の登録を終了しない場合には(ステップS15:NO)、ステップS13に戻って、上述したステップS13〜S15の処理をくり返す。登録部310は、地点の登録を終了する場合には(ステップS15:YES)、処理をステップS16に進める。利用者は、登録したいエリアの頂点に対応する地点を順次に登録し、全ての頂点を登録した後に、終了ボタンBT4を押下する。例えば、利用者は、図2の第1のエリアA1を登録する場合には、四角形である第1のエリアA1の4個の頂点に対応する4個の地点P1〜P4を順次に登録する。すなわち、利用者は、携帯端末400を保持して、4個の地点P1〜P4に順次に移動して、各地点で登録ボタンBT3を押下した後、終了ボタンBT4を押下する。なお、利用者は、4個の地点に基づく4角形のエリアに限らず、例えば、3個の地点に基づく三角形のエリアや、6個の地点に基づく六角形のエリアを登録することができる。一般的に言えば、利用者は、3個以上の地点に基づく各種の形状のエリアを登録することができる。
ステップS16では、登録部310の生成部317は、この時点までに利用者によって登録されて複数個の地点を頂点とするエリアを示すエリア情報222(図3(A))を生成する。すなわち、生成部317は、ステップS16に移行する時点までに、上述したステップS14で取得された複数個の座標情報LDを取得順に配置し、この複数個の座標情報LDに、ステップS12で取得されたエリア名を付加することによって、エリア情報222を生成する。エリア情報222が生成されると、エリア情報生成処理は終了される。
エリア情報生成処理に続くステップS2(図6)では、登録部310は、生成されたエリア情報222を、システム内の複数個のプリンタ200A〜200Cのうち、このエリア情報222を対応付けるべきプリンタ(対象プリンタとも呼ぶ)に対して、エリア情報を送信する。
ステップS3では、対象プリンタ(プリンタ200)のエリア情報取得部120は、エリア情報222を受信する。
ステップS4では、対象プリンタのエリア情報設定部130は、対象プリンタの設置位置が、エリア内に位置するか否かを判断する。すなわち、エリア情報設定部130は、ステップS3で受信されたエリア情報222と、上述した位置情報登録処理(図4)によって対象プリンタに格納された設置位置情報223と、に基づいて、エリア情報222によって規定されるエリア内に、対象プリンタの設置位置(すなわち、設置位置情報223(図1)が示す位置)が含まれるか否かを判断する。
対象プリンタがエリア内に位置する場合には(ステップS4:YES)、エリア情報設定部130は、ステップS3で受信されたエリア情報222を、対象プリンタの不揮発性記憶装置220に格納(登録)する(ステップS5)。この結果、エリア情報222と、対象プリンタと、が対応付けられる。すなわち、本実施例では、エリア情報222は、対応付けられるべきプリンタに格納されることによって、プリンタと対応付けられる。
対象プリンタがエリア内に位置しない場合には(ステップS4:NO)、エリア情報設定部130は、ステップS5をスキップする。すなわち、エリア情報222は、対象プリンタに登録されない。
ステップS6では、通信制御部100の応答処理部150は、エリア情報222の登録結果、すなわち、ステップS3で受信されたエリア情報222を登録したか否かを示す結果情報を、エリア情報222の送信元である携帯端末400に対して送信する。
ステップS7では、携帯端末400の登録部310は、結果情報を受信する。ステップS8では、登録部310は、エリア情報222の登録結果を利用者に通知するために、受信された結果情報を表示部470に表示する。すなわち、ステップS5でエリア情報222が対象プリンタに登録された場合には、表示部470には、エリア情報222の対象プリンタへの登録が成功した旨が表示される。そして、ステップS5がスキップされてエリア情報222が対象プリンタに登録されなかった場合には、表示部470には、エリア情報222の対象プリンタへの登録が失敗した旨が表示される。
以上説明したエリア情報登録処理によれば、利用者は、3個以上の地点に基づくエリアを対象プリンタに登録できるので、後述する印刷処理やスペック情報取得処理のための適切なエリアを設定することができる。
また、エリア情報登録処理によれば、利用者は携帯端末400を所持して、登録したい地点に移動して、所定の登録操作を行うだけで、設定したいエリアを規定するための地点(例えば、図2の地点P1〜P4)を示す位置情報(座標情報LD)を容易に登録できる。そして、生成部317は、登録された地点に基づいてエリア情報222を生成する。この結果、3個以上の地点に基づいて規定されるエリアを示すエリア情報222を容易に生成することができる。したがって、利用者は、携帯端末400を用いて、エリア情報222を容易に対象プリンタに登録することができる。
さらに、対象プリンタのエリア情報設定部130は、受信したエリア情報222によって規定されるエリア内に対象プリンタが位置する場合に、当該エリア情報222を登録し、該エリア内に対象プリンタが位置しない場合に、該エリア情報222を登録しない。この結果、利用者は、対象プリンタを含む適切なエリアを規定するエリア情報222を、対象プリンタに対応付けられるエリア情報222として適切に登録することができる。
さらに、複数個のプリンタのそれぞれに、異なるエリアを対応付けることができる。例えば、図2の例では、4個の地点P1〜P4を含む地点群に基づく第1のエリアA1をプリンタ200Aに対応付けるエリア情報222が登録され、別の4個の地点P5〜P8を含む地点群に基づく第2のエリアA2をプリンタ200Dに対応づけるエリア情報222が登録されている。この結果、印刷処理やスペック情報取得処理のための適切なエリアを柔軟に設定することができる。
なお、本実施例では、プリンタの不揮発性記憶装置220に、エリア情報222が格納されることによって、プリンタと、エリア情報222によって規定されるエリアとが、対応付けられる。例えば、プリンタからエリア情報222を受信する外部機器、(例えば、後述する印刷処理における携帯端末400)は、受信したエリア情報222によって規定されるエリアと、エリア情報222の送信元のプリンタとが対応していることを認識することができる。エリア情報222の送信元のプリンタは、例えば、エリア情報222の送信元のIPアドレスによって識別される。エリア情報222が、対応付けられるべきプリンタとは異なる機器、例えば、サーバに格納される場合には、エリア情報222は、対応付けられるプリンタを識別するプリンタ識別情報と関連付けて、サーバに格納されることが好ましい。この場合には、エリア情報222と、プリンタ識別情報とが関連付けられることによって、エリア情報222によって規定されるエリアと、プリンタとが、対応付けられる。
A−2−3.エリア情報設定処理
エリア情報設定処理は、システム内の特定のプリンタ(例えば、図2のプリンタ200B)が、エリア情報222が既に登録されている別のプリンタ(例えば、図2のプリンタ200A)のエリア情報222を、特定のプリンタ自身のエリア情報222として設定する処理である。
図9は、エリア情報設定処理のフローチャートである。エリア情報設定処理は、特定のプリンタの通信制御部100(図1)と、エリア情報222が既に登録されている別のプリンタの通信制御部100(図1)と、によって実行される。エリア情報設定処理は、例えば、特定のプリンタが設置される際に、上述した位置情報登録処理の後に、利用者の指示に応じて開始される。
図2に示すように、上述のエリア情報登録処理(図7)によって、携帯端末400を用いて、プリンタ200Aに第1のエリアA1を規定するエリア情報222が登録されており、プリンタ200Dに第2のエリアA2を規定するエリア情報222が登録されている状態を例に説明する。なお、この例では、プリンタ200B、200Cには、エリア情報222が登録されておらず、プリンタ200Bが上述した特定のプリンタであるものとして説明する。
ステップS20では、特定のプリンタとしてのプリンタ200Bのエリア情報取得部120は、エリア情報222が登録済みである別のプリンタを探索するために、エリア情報222の送信を要求するエリア情報要求を送信する。具体的には、エリア情報取得部120は、エリア情報要求としてのパケット(要求パケットとも呼ぶ。)を、LAN80上にブロードキャストする。この結果、要求パケットは、LAN80に有線または無線で接続された全てのプリンタ200(ただし、送信元のプリンタ200Bは除く、図2の例では、3個のプリンタ200A、200C、200D)に送信される。
ステップS25では、LAN80に接続されたプリンタ200A、200C、200Dのそれぞれの通信制御部100は、要求パケットを受信する。図9では、プリンタ200Aについてのみフローチャートを図示している。
ステップS30では、要求パケットを受信したプリンタ200(例えば、プリンタ200A)の通信制御部100は、エリア情報222が登録済みであるか否かを判断する。すなわち、通信制御部100は、不揮発性記憶装置220にエリア情報222が格納されている場合には、エリア情報222が登録済みであると判断し、不揮発性記憶装置220にエリア情報222が格納されていない場合には、エリア情報222が未登録であると判断する。
エリア情報222が登録済みである場合には(ステップS30:YES)、要求パケットを受信したプリンタ200の応答処理部150は、登録済みのエリア情報222を、要求パケットの送信元のプリンタ200Bに送信して(ステップS35)処理を終了する。エリア情報222が未登録である場合には(ステップS30:NO)、要求パケットを受信したプリンタ200の応答処理部150は、エリア情報222を送信することなく、処理を終了する。図2の例では、プリンタ200Aから第1のエリアA1を規定するエリア情報222が、プリンタ200Bに送信され、プリンタ200Dから第2のエリアA2を規定するエリア情報222が、プリンタ200Bに送信される。そして、プリンタ200Cからはエリア情報222は送信されない。
プリンタ200Bのエリア情報取得部120は、要求パケットに対する応答としてのエリア情報222を受信するための受信期間の経過を待って、ステップS50に移行する。受信期間は、エリア情報取得部120が、要求パケットを受信したプリンタ(例えば、プリンタ200A)から送信されるエリア情報222を受信できるように、適切な長さに設定されている。したがって、要求パケットを受信したプリンタが、上述したステップS35にて、エリア情報222を送信する場合には、エリア情報取得部120は、受信期間内に、当該エリア情報222を受信する。図2の例では、エリア情報取得部120は、第1のエリアA1を規定するエリア情報222と、第2のエリアA2を規定するエリア情報222とを、それぞれ受信する。なお、これに代えて、プリンタ200Bのエリア情報取得部120は、所定個数のプリンタからエリア情報222が受信された場合は、受信期間の経過を待たずに、S50に移行しても良い。
ステップS50では、プリンタ200Bのエリア情報設定部130は、エリア情報格納処理を実行する。エリア情報格納処理は、受信期間に受信されたエリア情報222がある場合に、受信されたエリア情報222のうち、所定の格納条件を満たすエリア情報222を、自身のエリア情報222として不揮発性記憶装置220に格納(登録)する処理である。
図10は、エリア情報格納処理のフローチャートである。ステップS51では、エリア情報設定部130は、上述した受信期間内に別のプリンタからのエリア情報222の取得(受信)に成功したか否かを判断する。具体的には、エリア情報設定部130は、別のプリンタから1個以上のエリア情報222を受信できた場合には、エリア情報222の取得に成功したと判断し、エリア情報222を受信できなかった場合には、エリア情報222の取得に成功しなかったと判断する。図2の例では、2個のエリア情報222が受信されるが、例えば、エリア情報222がシステム内のいずれのプリンタ200にも格納されていない場合には、エリア情報222が受信されない。
エリア情報222の取得に成功しなかった場合には(ステップS51:NO)、エリア情報設定部130は、エリア情報222を取得できない旨を示すエラーメッセージを表示部270に表示し(ステップS56)、処理を終了する。
エリア情報222の取得に成功した場合には(ステップS51:YES)、エリア情報設定部130は、プリンタ200Bの設置位置が、取得されたエリア情報222によって規定されるエリア内であるか否かを判断する(ステップS52)。プリンタ200の設置位置は、上述した設置位置情報223(図1)によって認識できる。上述した受信期間内に複数個のエリア情報222が取得された場合には、エリア情報設定部130は、プリンタ200Bの設置位置が、複数個のエリア情報222によって規定される少なくとも1個のエリア内である場合には、プリンタ200Bの設置位置がエリア内であると判断する。例えば、図2の例では、プリンタ200Bは、第2のエリアA2内ではないが、第1のエリアA1内であるので、エリア情報設定部130は、プリンタ200Bの設置位置がエリア内であると判断する。
プリンタ200Bの設置位置が、エリア内でない場合には(ステップS52:NO)、エリア情報設定部130は、エリア内にプリンタがない旨を示すエラーメッセージを表示部270に表示し(ステップS57)、処理を終了する。
プリンタ200Bの設置位置が、エリア内である場合には(ステップS52:YES)、エリア情報設定部130は、有効なエリアの個数は1個であるか否かを判断する(ステップS53)。ここで、有効なエリアは、プリンタ200Bの設置位置を含むエリアである。図2の例では、プリンタ200Bは、第2のエリアA2内ではないが、第1のエリアA1内であるので、有効なエリアの個数は、1個であると判断される。図2の例とは異なるが、例えば、プリンタ200Aとプリンタ200Cとにそれぞれ異なるエリア情報222が登録されており、それぞれのエリア情報222によって規定される2個のエリア内にプリンタ200Bが設置されている場合などには、複数個の有効なエリアが存在する場合もあり得る。
有効なエリアの個数が1個である場合には(ステップS53:YES)、エリア情報設定部130は、1個の有効なエリアを規定するエリア情報222を、プリンタ200Bに対応するエリア情報222として、不揮発性記憶装置220に格納(登録)する(ステップS55)。図2の例では、プリンタ200Bには、第1のエリアA1を規定するエリア情報222が、自動的に登録される。
有効なエリアの個数が1個でない場合には(ステップS53:YES)、すなわち、有効なエリアの個数が複数個である場合には、表示制御部140は、選択受付画像SGを表示部270に表示して、利用者の選択指示を受け付ける(ステップS54)。
図11は、選択受付画像SGの一例を示す図である。図11の選択受付画像SGは、複数個のエリア内にプリンタ200Bが設置されている旨を説明し、エリアの選択を促すメッセージMS2と、選択可能な複数個のエリアに対応する複数個のチェックボックスCB1、CB2と、選択ボタンBT5と、が含まれている。複数個のチェックボックスCB1、CB2の近傍には、それぞれ、対応するエリアのエリア名が表示されている。利用者は、選択するエリアに対応するチェックボックスにチェックを入れた上で、選択ボタンBT5を押下することによって、選択指示を入力することができる。利用者は、複数個のエリアを選択することもでき、1個のエリアを選択することもできる。
利用者の選択指示が受け付けられると、エリア情報設定部130は、選択された1個以上のエリアを規定する1個以上のエリア情報222を、プリンタ200Bに対応するエリア情報222として、不揮発性記憶装置220に格納(登録)する(ステップS55)。
以上説明したエリア情報設定処理(図9、10)によれば、特定のプリンタ(例えば、プリンタ200B)は、別のプリンタ(例えば、プリンタ200A)に登録済みのエリア情報222によって規定されるエリア内に特定のプリンタが存在する場合に、当該登録済みのエリア情報222を、特定のプリンタに対応するエリア情報222として設定することができる。この結果、特定のプリンタに、エリア情報222を容易に登録することができる。したがって、各プリンタにエリア情報222を登録するための利用者の負担を軽減することができる。
さらには、特定のプリンタのエリア情報取得部120が、別のプリンタに登録済みの複数個のエリア情報222を取得し、複数個のエリア情報222によってそれぞれ規定される複数個のエリア内に特定のプリンタが存在する場合には、表示制御部370は、当該複数個のエリアに関する情報(例えば、エリア名)を表示部270に表示する。この結果、複数のエリア内に特定のプリンタが存在することを、利用者に認識させることができる。また、特定のプリンタに対応付けるべきエリアを、利用者に適切に選択させることができる。
上述のエリア情報登録処理(図7)と、エリア情報設定処理(図9)とによって、システム内のプリンタ200A〜200Dのそれぞれにエリア情報222が登録される。例えば、図2に示すように、エリア情報登録処理によって、携帯端末400を用いて、プリンタ200A、200Dにそれぞれエリア情報222が登録される。そして、エリア情報設定処理によって、プリンタ200B、200Cにそれぞれエリア情報222が登録される。プリンタ200A〜200Dのそれぞれにエリア情報222と設置位置情報223とが登録された状態で、これらの情報を利用する処理として、スペック情報取得処理と、印刷処理とを、以下に説明する。
A−2−4.スペック情報取得処理
スペック情報取得処理は、携帯端末400を用いて、システム内のプリンタ200のスペックを取得する処理である。プリンタ200のスペックには、例えば、プリンタ200が対応可能な印刷条件、具体的には、両面印刷が可能であるか否か、カラー印刷が可能であるか否か、A3サイズの用紙への印刷(A3印刷)が可能であるか否か、が含まれる。スペック情報取得処理は、例えば、利用者が、システム内のプリンタ200のスペックを調べる際に、実行される。あるいは、後述する印刷処理において、エリアごとのスペックを表示して、利用者にエリアを選択させる際に実行される。
図12は、スペック情報取得処理のフローチャートである。ステップS130では、携帯端末400の条件情報取得部340は、スペック情報をシステム内のプリンタ200に要求するためのスペック情報要求を送信する。具体的には、エリア情報設定部130は、スペック情報要求としてのパケット(要求パケット)を、LAN80上にブロードキャストする。この結果、要求パケットは、LAN80に有線または無線で接続された全てのプリンタ200、図2の例では、4個のプリンタ200A〜200Dに送信される。
ステップS140では、LAN80に接続されたプリンタ200A〜200Dの通信制御部100は、それぞれ、スペック情報要求(要求パケット)を受信する。図12では、プリンタ200Aについてのみフローチャートを図示している。
ステップS150では、要求パケットを受信したプリンタ200(例えば、プリンタ200A)の応答処理部150は、要求パケットに対する応答として、スペック情報SDと、エリア情報222とを、携帯端末400に送信する。スペック情報SDは、プリンタ200が対応可能な印刷条件を示す情報である(条件情報とも呼ぶ)。図2の例では、4個のプリンタ200A〜200Dからそれぞれスペック情報SDとエリア情報222とが送信される。
図13は、スペック情報の一例を示す図である。図13(A)〜(D)には、4個のプリンタ200A〜200Dからそれぞれ送信されるスペック情報SD(符号SDa〜SDdをそれぞれ付した)が示されている。図13から解るように、各スペック情報SDは、例えば、両面印刷が可能であるか否か、カラー印刷が可能であるか否か、A3サイズの用紙への印刷(A3印刷)が可能であるか否かの情報を含んでいる。これらのスペック情報SDから、例えば、プリンタ200Cは、カラー/モノクロの両対応のプリンタであることが解り、プリンタ200A、200B、200Dは、モノクロプリンタであることが解る。
ステップS160では、条件情報取得部340は、スペック情報SDとエリア情報222とを受信する。図2の例では、条件情報取得部340は、3個のプリンタ200A〜200Cから、第1のエリアA1を規定するエリア情報222と、3個のスペック情報SDa〜Dc(図13)と、を受信する。そして、条件情報取得部340は、1個のプリンタ200Dから、第2のエリアA2を規定するエリア情報222と、1個のスペック情報SDd(図13)と、を受信する。
ステップS170では、条件情報取得部340は、受信されたスペック情報SDとエリア情報222とに基づいて、エリア別のスペック情報ASDを生成する。
図13(B)には、エリア別のスペック情報ASDの一例が示されている。図13(B)のエリア別スペック情報ASDは、ステップS160で取得されたエリア情報222によって規定されるエリア毎に、エリア内のプリンタにおいて対応可能な印刷条件をまとめた情報である。例えば、特定のエリア内の1個以上のプリンタのうちの少なくとも1個のプリンタが、特定の印刷条件に対応可能であれば、特定のエリアのスペック情報において、特定の印刷条件は対応可能であると判断される。図13(D)の例では、第1のエリアA1(エリア名:ルーム1)内の3個のプリンタ200A〜200Cのうち、プリンタ200B、200Cは両面印刷に対応できないが、プリンタ200Aは両面印刷に対応可能であるので、第1のエリアA1のスペック情報において、両面印刷は対応可能であるとされている。同様に、プリンタ200A、200Cは、カラー印刷およびA3印刷に対応できないが、プリンタ200Cは、カラー印刷およびA3印刷に対応可能であるので、第1のエリアA1のスペック情報において、カラー印刷およびA3印刷は対応可能であるとされている。そして、第2のエリアA2(エリア名:ルーム2)内には、1個のプリンタ200Dのみが存在するので(図2)、第2のエリアA2のスペック情報は、プリンタ200Dのスペック情報SDdと同一になる。
以上説明したスペック情報取得処理によれば、携帯端末400は、各プリンタから容易にスペック情報SDを取得することができる。そして、条件情報取得部340は、スペック情報SDとともに、エリア情報222を取得して、エリア別スペック情報ASDを生成する。この結果、エリアごとに、対応可能な印刷条件を管理することができる。例えば、1個のエリア内に、多数のプリンタが配置されている場合には、1つ1つのプリンタごとに、対応可能な印刷条件を把握することは、利用者にとって負担が大きい可能性がある。本実施例では、例えば、生成されたエリア別スペック情報ASDを利用者に対して表示すれば、利用者は、エリアごとに対応可能な印刷条件を認識できるので、便利である。
A−2−5.印刷処理
図14は、印刷処理のフローチャートである。印刷処理は、携帯端末400のプリンタドライバ300を用いて、複数個のプリンタ200A〜200D(図2)のいずれか1個のプリンタに印刷を実行させる処理である。印刷処理は、携帯端末40のプリンタドライバ300が、利用者から印刷要求を受け付けたときに実行される。印刷要求には、印刷対象の画像データ(例えば、文書データや、描画データ)の指定や、印刷条件(例えば、カラ−/モノクロのいずれか、用紙サイズ)の指定が含まれている。
図14のステップS50では、プリンタドライバ300のエリア情報取得部320は、
エリア情報222の送信を、システム内の各プリンタに要求するエリア情報送信要求を送信する。具体的には、エリア情報取得部320は、無線通信によって、エリア情報送信要求としての要求パケットを、LAN80上にブロードキャストする。この結果、要求パケットは、システム内の全てのプリンタ200、図2の例では、4個のプリンタ200A〜200Dに送信される。
ステップS60では、LAN80に接続された4個のプリンタ200A〜200Dのそれぞれの通信制御部100は、要求パケットを受信する。図14では、プリンタ200Aについてのみフローチャートを図示している。
ステップS70では、探索パケットを受信したプリンタ200の応答処理部150は、要求パケットに対する応答として、携帯端末400に対して、エリア情報222と設置位置情報223とを送信する。図2の例では、4個のプリンタ200A〜200Dのそれぞれから携帯端末400に対してエリア情報222と設置位置情報223とが送信される。
携帯端末400のエリア情報取得部320は、要求パケットに対する応答としてのエリア情報222と、設置位置情報223と、を受信するための受信期間の経過を待って、ステップS90に移行する。受信期間は、エリア情報取得部320が、要求パケットを受信したプリンタ(例えば、プリンタ200A)から送信されるエリア情報222と設置位置情報223とを受信できるように、適切な長さに設定されている。したがって、要求パケットを受信したプリンタが、上述したステップS70にて、エリア情報222と設置位置情報223とを送信する場合には、エリア情報取得部320は、受信期間内に、当該エリア情報222と設置位置情報223とを受信する。携帯端末400は、これらの情報を受信することによって、印刷ジョブの送信先の候補とすべきプリンタ200の存在を認識でき、そのプリンタ200にアクセスするためのIPアドレスを取得することができる。これに代えて、携帯端末400のエリア情報取得部320は、所定個数のプリンタからエリア情報222が受信された場合には、受信期間の経過を待たずに、ステップS90に移行しても良い。
ステップS90では、プリンタドライバ300は、プリンタ特定処理(図15)を実行する。プリンタ特定処理は、システム内の複数個のプリンタ、すなわち、図14のステップS70にて、携帯端末400に対してエリア情報222と設置位置情報223とを送信したプリンタの中から、印刷を実行させるプリンタを特定する処理である。
図15は、プリンタ特定処理のフローチャートである。ステップS905では、プリンタドライバ300は、上述した受信期間内にプリンタからのエリア情報222の取得(受信)に成功したか否かを判断する。具体的には、プリンタドライバ300は、1個以上のエリア情報222を受信できた場合には、エリア情報222の取得に成功したと判断し、エリア情報222を受信できなかった場合には、エリア情報222の取得に成功しなかったと判断する。図2の例では、通常は、4個のエリア情報222が受信されるが、LAN80上の全てのプリンタ200の電源が入っていない場合などには、エリア情報222が受信されない。
エリア情報222の取得に成功しなかった場合には(ステップS905:NO)、プリンタドライバ300は、エリア情報222を取得できない旨を示すエラーメッセージを表示部470に表示し(ステップS910)、処理を終了する。
エリア情報222の取得に成功した場合には(ステップS905:YES)、端末位置取得部330は、GPS部480を用いて、携帯端末400の現在位置を示す現在位置情報を取得する(ステップS915)。取得される現在位置情報は、緯度、経度および高度をそれぞれ表す情報を含む座標情報LD(図3(A))である。
ステップS920では、判断部355は、エリア情報222と、携帯端末400の現在位置情報と、に基づいて、エリア情報222によって規定されるエリア内に、携帯端末400が位置するか否かを判断する。上述した受信期間内に複数個のエリア情報222が取得された場合には、判断部355は、携帯端末400の現在位置が、複数個のエリア情報222によって規定される少なくとも1個のエリア内である場合には、エリア内に携帯端末400が位置すると判断する。
図16は、印刷処理の説明図である。例えば、携帯端末400の所持者が、図16の利用者1である場合には、判断部355は、携帯端末400が第1のエリアA1内に位置すると判断する。また、携帯端末400の所持者が、図16の利用者2である場合には、判断部355は、携帯端末400が第2のエリアA2内に位置すると判断する。また、携帯端末400の所持者が、図16の利用者3である場合には、判断部355は、携帯端末400が、いずれのエリア内にも位置しないと判断する。
携帯端末400が、いずれのエリア内にも位置しない場合には(ステップS920:NO)、表示制御部370は、選択受付画像SG2を表示部470に表示して、利用者の選択指示を受け付ける(ステップS940)。
図17は、選択受付画像SG2の一例を示す図である。図17の選択受付画像SG2は、複数個のエリア内のうち、どのエリアで印刷するかの選択を促すメッセージMS3と、選択可能な複数個のエリアにそれぞれ対応する選択ボタンBT6、BT7と、を含んでいる。選択可能な複数個のエリアは、本実施例では、エリア情報取得部320によって取得された1個以上のエリア情報222によって規定される全てのエリアである。図17の選択受付画像SG2は、携帯端末400の所持者が、図16の利用者3である場合に、表示される画像を示している。すなわち、図16の利用者3の位置は、第1のエリアA1内ではなく、かつ、第2のエリアA2内でもないので、上述のステップS920にて、携帯端末400が、いずれのエリア内にも位置しないと判断され、ステップS940にて、第1のエリアA1(ルーム1)と、第2のエリアA2(ルーム2)とが選択可能な選択受付画像SG2が表示される。
図17に示すように、表示制御部370は、各選択ボタンBT6、BT7の内部に、エリアに関する情報(エリア関連情報)として、エリア名を表示する。この結果、利用者は、エリア名によって、印刷されるプリンタの位置を認識して、適切なエリアを選択することができる。この結果、適切なプリンタを容易に選択することができる。例えば、システム内に多数のプリンタ200が設置されている場合には、これらの中から適切なプリンタ200を選択することは、比較的困難である。本実施例では、エリアを選択するだけで、適切なプリンタ200が選択され得る。
また、図17に破線で示すように、条件情報取得部340は、各ボタンBT6、BT7の内部に、エリア関連情報として、上述したエリア別スペック情報ASD(図13(E))に基づいて、対応可能な印刷条件をエリア別に示す情報を表示しても良い。こうすれば、利用者は、対応可能な印刷条件を示す情報に基づいて、適切なエリアを選択することができる。この結果、第1のエリアA1や第2のエリアA2内に携帯端末400が位置しない場合であっても、対応可能な印刷条件を示す情報に基づいて、適切なプリンタに印刷を実行させることができる。
ここで、各ボタンBT6、BT7の内部に、印刷条件をエリア別に示す情報を表示する場合には、ステップS940の前に、図16に破線で示すように、条件情報取得部340は、上述したスペック情報取得処理を実行する(ステップS935)。こうすれば、続くステップS940にて、表示制御部370は、各ボタンBT6、BT7の内部に、印刷条件をエリア別に示す情報を表示することができる。
ステップS940にて、選択受付画像SG2を介して、1個のエリアの選択が利用者から受け付けられると、端末位置取得部330は、GPS部480を用いて、携帯端末400の現在位置情報を取得する(ステップS945)。
続くステップS950では、プリンタ特定部350は、現在位置情報と、ステップS940にて選択されたエリアを規定するエリア情報222と、に基づいて、携帯端末400が、選択されたエリア内に移動したか否かを判断する。携帯端末400が、選択されたエリア内に移動していない場合には(ステップS950:NO)、ステップS945に戻って、ステップS945とS950を繰り返す。そして、携帯端末400が、選択されたエリア内に移動した場合には(ステップS950:YES)、プリンタ特定部350は、選択されたエリア内の1個以上のプリンタ200のうち、携帯端末400に最も近いプリンタを、印刷を実行させるべきプリンタとして特定する(ステップS955)。すなわち、携帯端末400がいずれのエリア内にも位置していない場合には、端末位置取得部330が定期的に現在位置情報を取得し、プリンタ特定部350は、現在位置情報に基づいて、利用者によって選択されたエリア内に、携帯端末400が移動したか否かを判断する。そして、選択されたエリア内に、携帯端末400が移動するまで、印刷を実行させるべきプリンタの特定は保留される。利用者は、図17の選択受付画像SG2に表示されたエリアに関する情報(例えば、エリア名「ルーム1」)に基づいて、利用者が選択したエリアに移動する。そして、携帯端末400が選択されたエリア内に移動した時点で、エリア内の1個以上のプリンタ200のうち、携帯端末400に最も近いプリンタが、印刷を実行させるべきプリンタとして特定される。具体的には、プリンタ特定部350は、携帯端末400がエリア内に移動した時点での携帯端末400の現在位置情報と、エリア内の1個以上のプリンタのそれぞれの設置位置情報223と、に基づいて、携帯端末400と、エリア内の1個以上のプリンタのそれぞれと、の装置間距離Dを算出する。より具体的には、携帯端末400の現在位置情報に含まれる3次元の座標値(緯度値、経度値、標高値)と、設置位置情報223に含まれる3次元の座標値(緯度値、経度値、標高値)と、に基づいて、水平方向の距離、すなわち、緯度値と経度値とに基づく距離が、例えば、周知の公式、具体的には、hubenyの公式や、Lambert-Andoyerの公式を用いて算出される。垂直方向の距離が考慮される場合には、垂直方向の距離が、標高値の差分値に基づいて算出される。そして、水平方向の距離と、垂直方向の距離と、に基づいて、三平方の定理によって、装置間距離Dが算出される。プリンタ特定部350は、算出された1個以上の装置間距離Dのうちの最小値に対応するプリンタを、印刷を実行させるべきプリンタとして特定する。
ステップS920にて、携帯端末400が、いずれかのエリア内にも位置すると判断された場合には(ステップS920:YES)、プリンタ特定部350は、有効なエリアの個数は1個であるか否かを判断する(ステップS925)。ここで、有効なエリアは、携帯端末400の現在位置を含むエリアである。例えば、携帯端末400の所持者が、図16の利用者1または利用者2である場合には、判断部355は、有効なエリアの個数は1個であると判断する。図16の例では、有効なエリアの個数が複数個であると判断される場合はない。有効なエリアの個数が複数個であると判断される例は、第2実施例にて説明する。
有効なエリアの個数が1個である場合には(ステップS925:YES)、プリンタ特定部350は、1個の有効なエリア内のプリンタのうち、最も携帯端末400に近いプリンタを、印刷を実行させるべきプリンタとして特定する(ステップS955)。例えば、携帯端末400の所持者が、図16の利用者1である場合には、第1のエリアA1内の3個のプリンタ200A〜200Cのうち、利用者1に最も近いプリンタ200Aが特定される。携帯端末400の所持者が、図16の利用者2である場合には、第2のエリアA2内には1個のプリンタ200Dしかないので、プリンタ200Dが特定される。
有効なエリアの個数が複数個である場合には(ステップS925:NO)、表示制御部370は、上述した選択受付画像SG2(図17)を表示部470に表示して、利用者の選択指示を受け付ける(ステップS930)。
上述したように、選択受付画像SG2には、エリアに関する情報(エリア関連情報)として、エリア名や、対応可能な印刷条件をエリア別に示す情報が含まれ得る。エリア関連情報として、印刷条件をエリア別に示す情報を表示する場合には、ステップS930の前に、図16に破線で示すように、条件情報取得部340は、上述したスペック情報取得処理を実行する(ステップS928)。こうすれば、続くステップS930にて、表示制御部370は、選択受付画像SG2内に、印刷条件をエリア別に示す情報を表示することができる。
続くステップS955では、プリンタ特定部350は、選択されたエリア内の1個以上のプリンタ200のうち、携帯端末400に最も近いプリンタを、印刷を実行させるべきプリンタとして特定する(ステップS955)。
印刷を実行させるべきプリンタが特定されると、図14のステップS100では、印刷指示部360は、特定されたプリンタに、印刷ジョブを送信する。印刷ジョブは、印刷画像を表す印刷画像データと、印刷条件を指定する条件情報とを、含んでいる。印刷ジョブは、送信先のプリンタ200に対して印刷画像データに基づく印刷を指示する印刷指示の一例である。ステップS110では、特定されたプリンタのジョブ受信部110は、印刷ジョブを受信する。ステップS120では、印刷ジョブを受信したプリンタ200の印刷制御部30は、印刷ジョブに基づいて、印刷を実行する。印刷が実行されると、印刷処理は終了される。
以上説明した印刷処理によれば、プリンタ特定部350は、システム内の各プリンタ200から取得されたエリア情報222と、携帯端末400の現在位置情報とに基づいて、利用するプリンタ200の候補を特定する。この結果、利用するプリンタの候補が適切に特定され得る。
より具体的には、エリア情報取得部320によって、各プリンタから取得されたエリア情報222によって規定されるエリア内に端末装置が位置する場合に、印刷指示部360は、当該エリア内のプリンタに印刷を指示する。この結果、利用者は、適切なプリンタに印刷を実行させることができる。例えば、携帯端末400の所持者が、図16の利用者1である場合には、第1のエリアA1内の3個のプリンタ200A〜200Cのうち、利用者1に最も近いプリンタ200Aに自動的に印刷が指示される(印刷ジョブが送信される)。したがって、利用者は、印刷原稿の回収を容易に行うことができるので、便利である。また、利用者は、速やかに印刷原稿を回収することができるので、セキュリティを向上することができる。すなわち、印刷原稿が盗まれる可能性や、印刷原稿が無関係の人に見られる可能性を低減することができる。ここで、携帯端末400が1個のエリア内に位置する場合であっても、印刷指示部360は、自動的に印刷を指示することなく、利用者からの送信指示を受け手から、印刷を指示しても良い。
さらに、上記印刷処理では、エリア情報222によって規定されるエリア内に端末装置が位置しない場合に、即時に印刷をプリンタに指示することなく、エリアに関する情報(例えば、エリア名や、エリア別の条件情報(図17))が表示部470に表示される。この結果、過度にプリンタから離れた地点から印刷が指示されないので、セキュリティが向上する。さらに、利用者は、エリアに関する情報を参考に、印刷を指示すべきプリンタを適切に判断し得る。
このように、上記印刷処理では、プリンタの選択に関して、携帯端末400がエリア内に位置するか否かに応じて、異なる処理が実行される。したがって、印刷を実行すべき適切なプリンタが選択され得る。
さらに、エリア情報222によって規定されるエリア内に端末装置が位置しない場合(例えば、図16の利用者3の位置に携帯端末400がある場合)には、印刷指示部360は、直ちにエリア内のプリンタに印刷を指示することなく、印刷の指示を保留する。そして、印刷指示部360は、利用者が、選択されたエリア内に移動した時点でエリア内のプリンタに印刷を指示する(図16参照)。この結果、セキュリティ等の観点から適切なタイミングで印刷を指示することができる。
B.第2実施例:
第2実施例として、エリア情報222によって規定されるエリアの別の設定例について説明する。第1実施例では、設定されている2個のエリア、すなわち、第1のエリアA1と第2のエリアA2とは、互いに重複していないが、第2実施例では、互いに重複する複数個のエリアを設定する例を説明する。。また、第1実施例では、システム内の1個のプリンタ200には、1個のエリアが対応付けられているが、第2実施例では、1個のプリンタ200に複数個のエリアを対応付ける例を説明する。
図18は、第2実施例におけるエリアの設定について説明する図である。第2実施例では、プリンタが対応可能な印刷条件(例えば、カラー印刷やモノクロ印刷)に対応した複数個のエリアを設定する。具体的には、第2実施例の第1のエリアA1と、第2のエリアA2は、モノクロ印刷に対応可能なプリンタに対応付けるためのエリアである。第1のエリアA1のエリア名は、例えば、「ルーム1:モノクロ」であり、第2のエリアA2のエリア名は、例えば、「ルーム2:モノクロ」である。第2実施例の第3のエリアA3は、カラー印刷に対応可能なプリンタに対応付けるためのエリアである。第3のエリアA3のエリア名は、例えば、「ルーム1:カラー」である。第2実施例の第1のエリアA1および第2のエリアA2の大きさおよび位置は、第1実施例の第1のエリアA1および第2のエリアA2の大きさおよび位置と同一である。第2実施例の第3のエリアA3の大きさおよび位置は、第1のエリアA1と同じ大きさおよび位置と同一である。すなわち、第2実施例において、第1のエリアA1と第3のエリアA3は、互いに重複している。
第2実施例の3個のプリンタ200A、200B、200Dは、モノクロ印刷に対応可能であるが、カラー印刷に対応可能でないモノクロプリンタである。第2実施例のプリンタ200Dは、モノクロ印刷に対応可能であり、かつ、カラー印刷に対応可能であるカラー/モノクロ対応プリンタである。
第2実施例では、モノクロプリンタであるプリンタ200Aおよびプリンタ200Bには、第1のエリアA1が対応付けられ、第3のエリアA3は対応付けられていない。すなわち、プリンタ200Aおよびプリンタ200Bには、第1のエリアA1を規定するエリア情報222のみが格納されている。そして、カラー/モノクロ対応プリンタであるプリンタ200Cには、第1のエリアA1と第3のエリアA3との両方が対応付けられている。すなわち、プリンタ200Cには、第1のエリアA1を規定するエリア情報222と、第3のエリアを規定するエリア情報222との両方が格納されている。そして、モノクロプリンタであるプリンタ200Dには、第2のエリアA2が対応付けられている。すなわち、プリンタ200Dには、第2のエリアA2を規定するエリア情報222のみが格納されている。
この状態で、第1実施例と同様の印刷処理(図14、図15)が実行されると、図14のステップS70では、1個のエリア情報222が格納されているプリンタ200A、200B、200Dは、第1実施例と同様に、1個のエリア情報222と設置位置情報223とを、携帯端末400に対して送信する。そして、2個のエリア情報222が格納されている200Cは、2個のエリア情報222と、設置位置情報223と、を携帯端末400に対して送信する。この結果、携帯端末400のエリア情報取得部320は、3個のエリアA1〜A3を表す3個のエリア情報222を受信する。
そして、図15のプリンタ特定処理では、例えば、携帯端末400の保持者が、図18の利用者1である場合には、携帯端末400は、第1のエリアA1内であり、かつ、第3のエリアA3内であるので、ステップS920において、携帯端末400が、いずれかのエリア内にも位置すると判断される(ステップS920:YES)。そして、有効なエリアの個数は、2個であるので、ステップS925において、有効なエリアは2個以上であると判断される(ステップS925:NO)。そして、ステップS930において、表示制御部370は、選択受付画像SG3を表示部470に表示して、有効な2個のエリアの中から1個のエリアを選択する選択指示を利用者から受け付ける。
図19は、第2実施例の選択受付画像の一例を示す図である。図19(A)の選択受付画像SG3は、有効な2個のエリアに対応する2個の選択ボタンBT8、BT9が含まれる。第1実施例で説明したように、エリアに関する情報(エリア関連情報)として、エリア名が選択ボタンBT8、BT9内に表示される。第2実施例のエリア名には、「ルーム1」などのエリアの位置を利用者に認識させる言葉に加えて、「カラー」「モノクロ」などの印刷条件を表す言葉が用いられているので、利用者は、所望の印刷を実行させるための適切なエリアを選択することができる。
エリアの選択が受け付けられると、ステップS955にて、選択されたエリア内の、エリアに対応付けられた1個以上のプリンタ200の中から、携帯端末400に最も近いプリンタ200が特定される。
そして、図15に示すように、特定されたプリンタ200に印刷ジョブが送信され(ステップS100)、印刷ジョブが特定されたプリンタ200に受信され(ステップS110)、特定されたプリンタ200で印刷が実行される。
この結果、携帯端末400の保持者が、図18の利用者1(第1の部屋RM1内の利用者)である場合であって、第1のエリアA1が選択された場合には、モノクロ印刷に対応可能な3個のプリンタ200A〜200Cのうち、利用者に最も近いプリンタで印刷が実行される。そして、図18の利用者1である場合であって、第3のエリアA3が選択された場合には、カラー印刷に対応可能なプリンタ200Cで印刷が実行される。このように、携帯端末400が、複数個のエリア内に位置する場合に、複数個のエリアのうちの利用者によって選択されたエリア内のプリンタに印刷を指示するので、利用者の意図に沿った適切なプリンタに印刷を指示することができる。
また、携帯端末400の保持者が、図18の利用者2である場合には、携帯端末400は、3個のエリアA1〜A3のいずれのエリア内にも位置していないので、ステップS920において、携帯端末400が、いずれのエリア内にも位置していないと判断される(ステップS920:NO)。そして、ステップS940において、表示制御部370は、選択受付画像SG4を表示部470に表示して、エリア情報取得部320によって取得された3個のエリア情報222によって規定される3個のエリアA1〜A3の中から1個のエリアを選択する選択指示を利用者から受け付ける。
図19(B)に示すように、選択受付画像SG4は、選択対象の3個のエリアに対応する3個の選択ボタンBT8、BT9、BT10が含まれる。3個の選択ボタンBT8、BT9、BT10内には、対応するエリア名が表示される。この結果、利用者は、所望の印刷を実行させるための適切なエリアを選択することができる。
エリアの選択が受け付けられると、ステップS955にて、選択されたエリア内の、エリアに対応付けられた1個以上のプリンタ200の中から、携帯端末400に最も近いプリンタ200が特定される。
そして、図15に示すように、特定されたプリンタ200に印刷ジョブが送信され(ステップS100)、印刷ジョブが特定されたプリンタ200に受信され(ステップS110)、特定されたプリンタ200で印刷が実行される。
すなわち、携帯端末400の保持者が、図18の利用者2(第1および第2の部屋RM1、RM2の外に存在する利用者)である場合であって、第1のエリアA1が選択された場合には、第1の部屋RM1に利用者が移動した後、モノクロ印刷に対応可能な3個のプリンタ200A〜200Cのうち、利用者に最も近いプリンタで印刷が実行される。そして、図18の利用者2である場合であって、第3のエリアA3が選択された場合には、第1の部屋RM1に利用者が移動した後、カラー印刷に対応可能なプリンタ200Cで印刷が実行される。図18の利用者2である場合であって、第2のエリアA2が選択された場合には、第2の部屋RM2に利用者が移動した後、第2の部屋RM2内のプリンタ200Dで印刷が実行される。
携帯端末400の保持者が、図18の利用者3である場合には、携帯端末400は、第2のエリアA2内であるので、ステップS920において、携帯端末400が、いずれかのエリア内にも位置していると判断される(ステップS920:YES)。そして、有効なエリアの個数は、1個であるので、ステップS925において、有効なエリアは1個であると判断され(ステップS925:YES)、続くステップS955で、第2のエリアA2内のプリンタ200Dが特定される。この結果、プリンタ200Dにて自動で印刷が実行される。
以上の説明から解るように、互いに重複する第1のエリアA1と第3のエリアA3とが設定され得る。そして、第1のエリアA1は、モノクロ印刷に対応可能なプリンタと対応付け、第3のエリアA3は、カラー印刷に対応可能なプリンタに対応付けるというルールで、エリア情報222を各プリンタに格納している。そして、カラー印刷とモノクロ印刷の両方に対応可能なプリンタ200Cには、2個のエリア情報222が格納されることが許容されている。このように、1個のプリンタ200に対応付けられるエリアを柔軟に設定することができる。
そして、エリア情報取得部120は、1個のプリンタ200に対応する複数個のエリア情報222を取得し、印刷指示部360は、複数個のエリア情報222によって規定される複数個のエリアのうちの少なくとも1個のエリア内に携帯端末400が位置する場合に、複数個のエリアに対応する1個のプリンタに印刷を指示し得る。すなわち、第2実施例では、互いに重複する第1のエリアA1と第3のエリアA3とが、設定されている。そして、この結果、例えば、上述したように、利用者は、所望の印刷条件(具体的には、カラー印刷やモノクロ印刷)に応じて、適切なエリアを選択することによって、適切なプリンタに印刷を実行させることができる。なお、第2実施例では、エリア名に印刷条件に関する情報を含めることによって、第1実施例におけるスペック情報取得処理(図15のステップS928やS935)を実行しなくても、利用者に、所望の印刷条件(具体的には、カラー印刷やモノクロ印刷)に応じた適切なエリアを選択させることができる。
C.変形例
(1)上記第1実施例の印刷処理では、スペック情報取得処理が実行されてエリア別スペック情報ASDが取得され(ステップS935、S928)、エリア別のスペック(対応可能な印刷条件)を表示した選択受付画像SG2(図17)が表示される(ステップS940、930)。この結果、利用者は、エリア別のスペックに基づいてエリアを選択できるので、エリア別のスペックに基づいて、印刷を指示すべき適切なプリンタ200の候補が特定される。これに代えて、プリンタ特定部350は、利用者の選択を受け付けることなく、エリア別のスペックに基づいて、適切なエリアを自動で選択しても良い。例えば、プリンタ特定部350は、印刷処理が実行される際に利用者から受け付けられた印刷要求に含まれる印刷条件に対応可能なエリアを自動的に選択しても良い。こうすれば、第1実施例と同様に、エリア別のスペックに基づいて、印刷を指示すべき適切なプリンタ200の候補が特定される。
(2)上記第1実施例の印刷処理では、ステップS940、S950にて表示される選択受付画像SG2には、エリア名や、エリア別のスペックなど、エリアに関する情報が表示される(図17)。これに代えて、エリア内の個々のプリンタのプリンタ名やスペックなど、エリア内の複数個のプリンタのうちの少なくとも一部の個々のプリンタに関する情報が選択受付画像SG2に表示されても良い。一般的に言えば、エリアに関する情報、個々のプリンタに関する情報など、印刷を指示すべきプリンタを選択するための適切なプリンタ関連情報が表示されれば良い。ただし、エリアに関する情報が表示されれば、例えば、エリア内に多数のプリンタが存在する場合などに、過剰な量の情報が表示されて利用者に負担をかける可能性を低減することができる。
(3)上記第1実施例では、ステップS955にて、プリンタ特定部350は、1個のエリア内の複数個のプリンタの中から、携帯端末400に最も近い1個のプリンタを特定している。これに代えて、プリンタ特定部350は、1個のエリア内の複数個のプリンタのスペック、具体的には、対応可能な印刷条件や、印刷速度を考慮して、1個のプリンタを特定しても良い。例えば、プリンタ特定部350は、印刷処理が実行される際に利用者から受け付けられた印刷要求に含まれる印刷条件に対応可能な複数個のプリンタのうち、携帯端末400に最も近い1個のプリンタを特定しても良い。あるいは、プリンタ特定部350は、エリア内で最も性能が高いプリンタ、例えば、印刷速度が高いプリンタを優先的に特定し、同じ印刷速度のプリンタが複数個ある場合には、該複数個のプリンタのうち、携帯端末400との距離が最も近い1個のプリンタを特定しても良い。この場合には、プリンタ特定部350は、印刷速度などの必要な関連情報は、例えば、スペック情報取得処理(図12)と同様に、各プリンタに問い合わせることによって、各プリンタから取得すれば良い。一般的に言えば、プリンタ特定部350は、エリア内の複数個のプリンタに関する関連情報(印刷速度などの性能情報、対応可能な印刷条件に関する情報、設置位置情報223など)に基づいて、エリア内の複数個のプリンタのうち、優先すべき1個のプリンタを特定すれば良い。
(4)上記各実施例では、設置位置情報223やエリア情報222は、各プリンタ200A〜200Dに格納されているが、これに代えて、プリンタ200とは異なる計算機、例えば、管理サーバに、システム内の複数個のプリンタ200A〜200Dの設置位置情報223やエリア情報222を格納(登録)しても良い。同様に、システム内の複数個のプリンタ200A〜200Dが対応可能な印刷条件を示すスペック情報を、管理サーバに格納しても良い。この場合には、印刷処理や、スペック情報取得処理において、設置位置情報223や、エリア情報222や、スペック情報を取得する際に、携帯端末400は、管理サーバに問い合わせることによって、これらの情報を取得すれば良い。なお、管理サーバは、インターネットに接続されたサーバであっても良いし、LAN80内に設置されたローカルなサーバであっても良い。ただし、上記実施例のように、これらの情報を、各プリンタ200A〜200Cに格納すれば、管理サーバを設置する必要がないので、より容易に、適切なプリンタに印刷を実行させることができるシステムを構築することができる。
(5)上記第1実施例では、設置位置登録処理では、現在位置情報は、NFCを用いて、プリンタ200に対して送信されており、その他の装置間通信(プリンタ200と携帯端末400との通信、プリンタ200間の通信)は、アクセスポイント50A〜50C(図1)を用いた無線通信(インフラストラクチャモード)を用いて実行されている。これらの装置間通信は、他の通信手段を利用して、実行されても良い。他の通信手段としては、例えば、アドホックモードでの無線通信、あるいは、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、TransferJet(登録商標)などの無線通信が採用され得る。
(6)上記第1実施例では、エリア情報222は、携帯端末400からプリンタ200に無線通信を用いて送信されることによって、プリンタ200に登録されている。これに代えて、例えば、携帯端末400や、携帯端末400とは異なるGPS機能を備えた機器を用いて取得した複数個の位置情報(例えば、図2の4個の地点P1〜P4の位置を表す4個の位置情報)を、プリンタ200の操作部260を介して、利用者が入力することによって、エリア情報222をプリンタ200に登録しても良い。
(7)上記第2実施例では、印刷処理において、携帯端末400の保持者が、図18の利用者1である場合のように、携帯端末400が、複数個のエリア内である場合には(図15のステップS925:NO)、選択受付画像SG3(図17)を介して利用者が選択したエリア内のプリンタ200のうち、携帯端末400に最も近いプリンタが、印刷を実行させるプリンタとして特定される(図18のステップS930、S955)。これに代えて、利用者の選択を受け付けることなく、複数個のエリア内のプリンタのうち、携帯端末400に最も近いプリンタが、印刷を実行させるプリンタとして自動的に特定されても良い。
(8)上記第2実施例において、第1のエリアA1と第3のエリアA3(図18)は、完全に重なりあったエリアとなっており、第1のエリアA1と、第2のエリアA2は、完全に分離したエリアとなっている。これに代えて、一部分が重なり合う複数個のエリアが設定されても良い。そして、複数個のエリアには、重なり合う一部の領域に配置された1個のプリンタが対応付けられてもよい。また、複数個のエリアのそれぞれに、互いに異なるプリンタが対応付けられても良い。
(9)上記第1実施例では、印刷指示部360は、印刷指示として、印刷画像データを含む印刷ジョブを送信している。例えば、携帯端末400が、管理サーバなどに画像データを保存している場合には、携帯端末400の印刷指示部360は、印刷画像データを含まない印刷指示を、特定されたプリンタに送信し、該印刷指示を受信したプリンタが、管理サーバにアクセスして、管理サーバから印刷画像データを取得しても良い。
(10)上記第1実施例では、印刷指示部360は、特定されたプリンタに対する印刷ジョブを、特定されたプリンタに対して直接送信している。管理サーバを備えるシステムの場合には、これに代えて、印刷指示部360は、特定されたプリンタに対する印刷ジョブを、管理サーバに送信し、管理サーバが、特定されたプリンタに対して印刷ジョブを送信しても良い。
(11)上記第1実施例では、携帯端末400の生成部317が、エリア情報222を生成して、プリンタ200に登録している。これに代えて、例えば、携帯端末400以外の機器でエリア情報222を生成しても良い。例えば、パーソナルコンピュータで、例えば、オフィスフロアと、緯度や経度などの座標系と対応付けたフロアマップを参照しながら、エリア情報222を生成しても良い。また、これらのフロアマップを参照して、エリアを規定する地点の座標情報を算出して、利用者が操作部260を用いて、算出された座標情報をプリンタ200に入力し、プリンタ200がエリア情報222を生成しても良い。
(12)上記第1実施例では、各プリンタ200に設置位置情報223が格納されているが、設置位置情報223はプリンタ200に格納されなくても良い。例えば、設置位置情報223は携帯端末400に格納されていても良い。この場合には、例えば、エリア情報登録処理や、エリア情報設定処理では、登録すべきエリア情報222によって規定されたエリア内にプリンタ200の設置位置が含まれているか否かを、プリンタ200が確認できなくなる。この場合には、利用者が登録すべきエリア情報222によって規定されたエリア内にプリンタ200の設置位置が含まれていることを確認のうえ、プリンタ200に登録すれば良い。また、印刷処理では、携帯端末400のプリンタ特定部350は、エリア内の複数個のプリンタ200うち、携帯端末400に最も近いプリンタを特定している。これに代えて、プリンタ特定部350は、予め携帯端末400に格納された各プリンタの設置位置情報223を用いて、エリア内の複数個のプリンタ200うち、携帯端末400に最も近いプリンタを特定しても良い。
(13)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
(14)本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含んでいる。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。