JP6109029B2 - 水田作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、水田作業機に関し、詳しくは、水田作業用の自動制御動作を実行する複数の作動部と、前記複数の作動部の自動制御動作における設定状態を手動操作にて変更自在な制御用設定手段と、前記制御用設定手段にて設定された設定状態にて自動制御動作を実行すべく前記複数の作動部を制御する制御手段とが備えられている水田作業機に関する。
従来の水田作業機では、走行機体の後部に、リンク機構を介して作動部としての油圧シリンダの作動により昇降自在に、且つ、別の作動部としての電動モータの作動によりローリング自在に苗植付装置が連結され、苗植付装置による苗植付け深さが設定深さになるように油圧シリンダの作動を制御する自動昇降制御、及び、苗植付装置の左右傾斜姿勢が設定姿勢になるように電動モータの作動を制御する自動ローリング制御を実行する制御手段が備えられている。そして、自動制御動作における設定状態を手動操作にて変更自在な制御用設定手段に、自動昇降制御を実行するときの制御感度を変更する制御感度調整器、及び、自動ローリング制御を実行するときの目標姿勢を変更する設定傾斜角設定器が、各別に備えられていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−60909号公報
上記従来構成では、制御用設定手段は、複数の作動部の夫々に対応させて、水田作業用の自動制御動作における設定状態を変更するための操作具が各別に備えられるので、設定状態の変更操作を良好に行うことができるものの、操作具の個数が多くなって、制御用設定手段の構造が複雑になりコスト高を招く不利がある。又、作業者が制御用設定手段を操作するに際して、操作具の個数が多ければ、操作すべき操作具とは異なる操作具を誤って操作する等、操作性の面でも不利となる。
本発明の目的は、自動制御動作における設定状態の変更操作を良好に行うことができるものでありながら、制御用設定手段の構造の簡素化並びに操作性の改善を図ることが可能となる水田作業機を提供する点にある。
本発明に係る水田作業機の特徴構成は、 水田作業用の自動制御動作を実行する複数の作動部と、前記複数の作動部の自動制御動作における設定状態並びに自動制御の入切を手動操作にて変更自在な制御用設定手段と、前記制御用設定手段にて設定された設定状態にて自動制御動作を実行すべく前記複数の作動部を制御する制御手段とが備えられ、
前記制御用設定手段に、
前記設定状態を手動操作にて変更するための複数の操作具が備えられた本体側パネル部と、この本体側パネル部の表面を覆う閉状態と前記本体側パネル部の表面を開放する開状態とに切り換え自在で、且つ、閉状態において前記操作具を外方から操作可能に露出させる開口部が形成された開閉型パネル部と、前記開閉型パネル部が閉状態であるか開状態であるかを検出する開閉状態検出手段とが備えられ、
前記制御手段が、
前記複数の操作具のうちのいずれかの操作具において、前記開閉型パネル部が閉状態であるときと開状態であるときとで、対象とする前記作動部を異ならせて、前記操作具の手動操作に基づいて前記設定状態を変更し、
前記複数の操作具のうちの他の操作具において、前記開閉型パネル部が閉状態であるときと開状態であるときとで、前記操作具の手動操作に基づいて前記作動部の自動制御の入切を変更する状態と、前記操作具の手動操作に基づいて前記設定状態を変更する状態とに切り換える点にある。
本発明によれば、制御用設定手段における本体側パネル部に、作動部の自動制御動作における設定状態を手動操作にて変更するための操作具が備えられている。制御用設定手段には、本体側パネル部とは別に開閉自在な開閉型パネル部が備えられ、この開閉型パネル部が閉状態であるか開状態であるかが開閉状態検出手段により検出される。
開閉型パネル部が閉状態に切り換えられても、その開閉型パネル部に形成された開口部を通して操作具が外方から操作可能に露出する状態となる。つまり、操作具は、開閉型パネル部が開状態及び閉状態のいずれであっても外方から操作可能であり、作業者は、同じ操作具を操作することになる。
ところで、本体側パネル部に対して開閉自在に設けられる開閉型パネル部として、例えば、開閉型パネル部を閉状態に切り換えたときに、本体パネル部に備えられている操作具を外方側から操作具を手動操作可能なように、操作具に対して接当係合したり連動連係する状態で、中継用の操作部材を備える構成が考えられるが、この構成では、中継用の操作部材を備えるために、部品点数が多く構成が複雑になる。
しかし、本発明によれば、開閉型パネル部は、上記したような開口部が形成されるものであるから、上述したような中継用の操作部材を備える必要がなく、構造の簡素化を図ることができる。
そして、制御手段は、開閉型パネル部が閉状態であるときと開状態であるときとで、対象とする作動部を異ならせて、操作具の操作に基づいて設定状態を変更するので、同じ操作具であっても、開閉型パネル部が閉状態であるときに操作具を操作するときと、開閉型パネル部が開状態であるときに操作具を操作するときとで、異なる作動部について自動制御動作における設定状態を変更することができる。つまり、同じ操作具の操作により、複数の作動部についての設定状態の変更操作を行うことができる。
その結果、開閉状態検出手段を備える必要はあるものの、作動部の個数よりも少ない個数の操作部にて、複数の作動部について自動制御動作における設定状態を変更することができて、作動部の個数に対して操作具の個数を減らすことができる。
つまり、開閉型パネル部の構造の簡素化を図ることができ、しかも、作動部の個数に対して操作具の個数を減らすことができ、制御用設定手段の構造の簡素化が可能になる。
又、作業者が、複数の作動部のうちの設定状態の変更の対象となる作動部を対象として操作するに際して、開閉型パネル部を閉状態とするか開状態とするかにより対象となる作動部を切り換えることができるので、作業者が、設定状態を変更すべき作動部に対応する操作具とは異なる操作具を誤って操作するといった不利がなく、操作性が良好なものとなる。
従って、自動制御動作における設定状態の変更操作を良好に行うことができるものでありながら、制御用設定手段の構造の簡素化並びに操作性の改善を図ることが可能となる水田作業機を提供できるに至った。
本発明においては、前記いずれかの操作具が、複数の操作位置に切り換え自在な操作具であり、前記操作具の操作位置がどの位置にあるかを表す目盛が、対象とする前記作動部に対応させた状態で、前記本体側パネル部と前記開閉型パネル部に夫々備えられていると好適である。
本構成によれば、操作具は、複数の操作位置に切り換えることで、複数の操作位置毎に夫々異なる複数の設定状態が予め設定されており、操作具をいずれかの操作位置に操作することで、所望の設定状態を選択することができる。
そして、本体側パネル部には、開閉型パネル部が開状態であるときに対象となる作動部に対応させて操作位置を示す目盛が備えられる。又、開閉型パネル部には、開閉型パネル部が閉状態であるときに対象となる作動部に対応させて操作位置を示す目盛が備えられる。つまり、開閉型パネル部を切り換えることにより、操作具の近くには、対象となる作動部に対応させて操作位置を示す目盛が目視可能な状態で位置することになる。
その結果、作業者は、対象となる作動部に適した目盛を参照しながら、操作具を適正な操作位置に操作して、所望の設定状態を選択することができる。
本発明においては、走行機体の後部に、水田作業装置が、前記作動部としての昇降用駆動機構により昇降操作自在に、且つ、前記作動部としてのローリング用駆動機構により左右傾斜姿勢を変更操作自在に連結され、
前記制御手段は、
前記制御用設定手段にて設定された設定状態にて前記水田作業装置の対地高さを調整する自動昇降制御動作を実行すべく前記昇降用駆動機構を制御し、
前記制御用設定手段にて設定された設定状態にて前記水田作業装置の左右傾斜姿勢を調整する自動ローリング制御動作を実行すべく前記ローリング用駆動機構を制御し、
前記いずれかの操作具について、前記開閉型パネル部が閉状態であるときと開状態であるときとで、前記昇降用駆動機構を対象とする状態と、前記ローリング用駆動機構を対象とする状態とに切り換えて、前記操作具の手動操作に基づいて前記設定状態を変更すると好適である。
本構成によれば、制御手段は、自動制御動作として、水田作業装置の対地高さを調整すべく、作動部としての昇降用駆動機構を制御する自動昇降制御動作、及び、水田作業装置の左右傾斜姿勢を調整すべく、作動部としてのローリング用駆動機構を制御する自動ローリング制御動作を夫々実行する。
そして、制御手段は、開閉型パネル部が閉状態であれば、昇降用駆動機構及びローリング用駆動機構のうちのいずれか一方を対象とする状態となり、操作具が手動操作されると、その操作具の操作に基づいて設定状態を変更する。又、開閉型パネル部が開状態であれば、昇降用駆動機構及びローリング用駆動機構のうちの他方を対象とする状態となり、操作具が手動操作されると、その操作具の操作に基づいて設定状態を変更する。
従って、同一の操作部の操作によって、昇降用駆動機構の自動昇降制御動作における設定状態、及び、ローリング用駆動機構の自動ローリング制御動作における設定状態の夫々について変更することができ、使い勝手のよい水田作業機を提供できるに至った。
乗用型田植機の側面図である。 水田作業装置を示す正面図である。 水田作業装置の駆動構造を示す平面図である。 接地フロート及び整地ロータの支持構造を示す平面図である。 (a)は、整地ロータを下降操作した状態を示す側面図、(b)は、整地ロータを上昇操作した状態を示す側面図である。 苗載せ面用薬剤散布装置の後面図である。 圃場用薬剤散布装置の後面図である。 制御ブロック図である。 操縦部パネルの平面図である。 制御用設定操作部の平面図である。 表示装置を示す平面図である。 畦際での旋回時の走行状態を示す平面図である。 自動植付け制御の動作を説明するための平面図である。 別実施形態の制御用設定操作部の平面図である。
以下、本発明に係る水田作業機の実施形態を水田作業機としての乗用型田植機に適用した場合について図面に基づいて説明する。
〔1〕(全体構成)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る乗用型田植機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1、及び左右一対の駆動自在な後車輪2,2が装備された走行機体を備え、この走行機体の車体フレーム3の後部にリンク機構4を介して連結された水田作業装置としての苗植付装置10を備えている。又、走行機体の後部に施肥装置20が備えられ、苗植付装置10の後部に、苗載せ面用薬剤散布装置100と圃場用薬剤散布装置111とが連結支持されている。
走行機体は、機体前部に搭載したエンジン5の動力を、ミッションケース6の内部に位置する静油圧式の無段変速装置(図示せず)等の伝動機構を介して前輪駆動ケース7及び後輪駆動ケース8に伝達して、左右一対の前車輪1,1及び左右一対の後車輪2,2を駆動して走行する。無段変速装置は、機体操縦部9に備えられた変速レバー18の操作に基づいて変速操作される。
リンク機構4は、上下のリンク4a,4bを備えた平行四連リンクにて構成され、昇降用駆動機構としての油圧シリンダ31によって車体フレーム3に対して上下に揺動操作されることにより、苗植付装置10を下降作業位置と上昇非作業位置とにわたり昇降させることができる。苗植付装置10を下降作業位置に下降させて走行機体を走行させると、苗植付装置10は、エンジン5からの駆動力によって駆動されて田面Gに苗植え付けを行う。
エンジン5は、キースイッチ28(図9参照)の始動操作により始動され、キースイッチ28のオフ操作により作動を停止する。さらに、この田植機では、キースイッチ28がオン状態を維持していても、例えば、植付苗の補給作業等において、変速レバー18を停止用位置に操作することで、エンジン5を一時的に停止させるエンジン停止処理を実行するように構成されている。尚、この場合、キースイッチ28はオン状態であるから、バッテリー(図示せず)は電力消費されることになる。
〔2〕(苗植付装置)
苗植付装置10について説明する。
植付装置10は、支持フレーム14により、8個の苗植付機構13、3個の接地フロート11,12、苗載せ台15等が支持されている。すなわち、図3に示すように、支持フレーム14は、苗植付装置10の横幅方向の略全幅にわたり横方向に長く延びる角パイプ状のメインフレーム14aと、このメインフレーム14aの車体横方向での中央部に取り付けたフィードケース16と、メインフレーム14aから車体後方向きに延出された四つの植付け駆動ケース17とを備えている。四つの植付け駆動ケース17は、車体横方向に所定間隔を隔てて並んでいる。
各苗植付機構13は、各植付け駆動ケース17の後端部の両横側に一つずつ位置するように配置され、対応する植付け駆動ケース17の後端部に回転駆動自在に支持されている。各苗植付機構13は、植付け駆動ケース17に回転支軸13aを介して回転駆動自在に支持された回転ロータ13b、及び回転ロータ13bの両端部に回転駆動自在に設けた植付けアーム13cを備えている。
各苗植付機構13は、駆動されると、各植付けアーム13cに設けてある植付爪13dの先端が回転軌跡を描いて苗載せ台15の下端部と田面Gとの間を上下に往復移動し、一方の植付けアーム13cの植付爪13dと他方の植付けアーム13cの植付爪13dとによって交互に、苗載せ台15に載置されたマット状苗の下端部から一株分のブロック苗を取り出し、田面Gに植え付ける。苗植付装置10には、苗載せ台15上の載置苗が残り少なくなるとそのことを検知する苗切れセンサS3(図8参照)が備えられている。
又、図1では図を判り易くするために省略しているが、図8に示すように、苗植付装置10の左右両側部には、次回の植え付け作業行程における中心線を圃場に描くための回転式のマーカー52が電動モータ53の作動により外方に突出する作用姿勢と機体内方側に引退する引退姿勢とに切り換え自在に設けられている。
エンジン5の動力が、ミッションケース6内部の無段変速装置等の伝動機構を介して、前車輪1及び後車輪2に伝達される一方、電動モータ57aにより入り切り自在な作業クラッチとしての植付クラッチ57(図8参照)及びPTO軸54(図1参照)を介してフィードケース16に入力され、その駆動力がフィードケース16から伝動軸33(図3参照)を介して各条クラッチ87を介して植付け駆動ケース17の入力軸17aに伝達され、この入力軸17aの駆動力が伝動チェーン34を介して回転支軸13aに伝達され、各苗植付機構13が駆動される。又、エンジン5の動力が電動モータ58aにより入り切り自在な施肥クラッチ58(図8参照)を介して施肥装置20の肥料繰出し部22に伝達される。
図4に示すように、各接地フロート11,12は、後端側の上部に取付けブラケット11a,12aを備えている。各接地フロート11,12の取付けブラケット11a,12aは、車体横向きの一本のフロート支軸36から車体後方向きに延出した左右一対の支持アーム37,37に横軸芯P周りに回転自在に支持されている。フロート支軸36は、苗植付装置10の支持フレーム14に対して図示しないブラケットを介して回転自在に支持されている。
各接地フロート11,12は、苗植付装置10の支持フレーム14に対して軸芯Pまわりに各別に揺動昇降するように支持されている。各接地フロート11,12の前端側は、苗植付装置10の支持フレーム14にリンク機構(図示せず)を介して昇降自在に連結されており、苗植付装置10が上昇非作業位置に上昇された場合、支持フレーム14から大きく垂れ下がらないようにリンク機構によって吊下げ支持される。
図2及び図4に示すように、フロート支軸36は、これの車体横方向での中間部から苗載せ台15の裏面側に向けて一体回転自在に延出された植付深さ調節レバー40を備えている。この植付深さ調節レバー40をフロート支軸36の軸芯まわりにレバーガイド41のガイド溝に沿わせて揺動調節することにより、フロート支軸36が支持フレーム14に対して回転して各支持アーム37を上下に揺動操作し、各接地フロート11,12の後端側の支持フレーム14に対する取り付け高さを変更できる。
そして、植付深さ調節レバー40をレバーガイド41に設けてある位置決め凹入部に係入させることにより、植付深さ調節レバー40が調節位置にレバーガイド41によって係止されてフロート支軸36を固定し、各接地フロート11,12の後端側を変更した取り付け高さに接地フロート11,12に作用する接地反力に抗して維持できる。
つまり、植付深さ調節レバー40をフロート支軸36の軸芯まわりに揺動調節してレバーガイド41によって係止させることにより、各接地フロート11,12によって設定される苗植付装置10の対地高さを変更設定でき、8個の苗植付機構13による植付深さを植付深さ調節レバー40の操作位置に対応した植付け深さにすることができる。
〔3〕(施肥装置)
図1に示すように、施肥装置20は、肥料タンク21、この肥料タンク21の下部に連設された肥料繰出し部22、この肥料繰出し部22の肥料排出部に送風口が連通された電動ブロワ23等を備えている。肥料繰出し部22は、車体横方向に並ぶ8個の肥料排出口を備えており、各肥料排出口は、苗植付装置10の下部に車体横方向に並んで位置する8個の作溝器24に対して各別に肥料供給ホース25を介して接続されている。
エンジン5の動力が施肥クラッチ58を介して施肥装置20の肥料繰出し部22に伝達される。尚、詳述はしないが、施肥クラッチ58は、2個ずつ各別に繰出し部への動力の入り切りを行えるように設けられており、しかも、図示しない条数切り換えスイッチの操作に基づいて、電動モータ58aにて作動されるカム機構により、クラッチ入り状態の肥料繰出し部22を2個ずつ増減することができる。従って、施肥が行われる条数を、2条,4条,6条,8条の夫々に切り換えることができる。
又、図9に示すように、非作業状態で走行するとき等において、誤って肥料が供給されないように、全条の肥料繰出し部22を停止させるための全条停止用スイッチ30が、操縦部パネル62に備えられている。この全条停止用スイッチ30が操作されると、条数切り換えスイッチの操作に優先して全条の肥料繰出し部22が停止状態となる。
そして、図1に示すように、走行機体の機体前部に備えられたセンターマスコットMの先端部にマスコット表示ランプ79が備えられており、このマスコット表示ランプ79を点滅表示させて、全条停止状態であることを表示して報知するようになっている。
施肥装置20には、肥料タンク21内の肥料が残り少なくなると、そのことを検出する肥料切れセンサS1が備えられ、肥料供給経路中には肥料が詰まったことを検出する肥料詰まりセンサS2が備えられている。
〔3〕(苗載せ面用薬剤散布装置)
次に、苗植付装置10に載置されている苗に除草剤等の薬剤を散布する苗載せ面用薬剤散布装置100について説明する。
図1及び図6に示すように、苗載せ面用薬剤散布装置100は、薬剤を散布する散布機構101を有する散布装置本体102と、苗載せ台15に立設された左右一対の支柱103に掛け渡され、散布装置本体102を機体左右方向に案内支持するガイドレール104と、散布装置本体102を機体左右方向に往復移動させる移送機構105と、散布機構101及び移送機構105を駆動させる制御部106とを備えている。制御部106は、一方の支柱103の上部に備えられた収納ケース107内に収納されている。
散布装置本体102は、ガイドレール104に摺動可能に案内支持されており、薬剤を貯留するタンク108と、薬剤を苗載せ台15のマット状苗に散布するノズル109とを備えている。移送機構105は、ガイドレール104の一端部に設けられた電動モータ110と、ガイドレール104に内装されて電動モータ110によって回動駆動される無端回動チェーン(図示せず)とを備えて構成され、この無端回動チェーンの回動に伴って、散布装置本体102を機体左右方向に往復移動させる。詳述はしないが、散布機構101は、移送機構105によって左右方向に移動操作されるに伴って薬剤を繰出してノズル109から苗載せ台15のマット状苗に薬剤を散布するようになっている。
そして、制御部106は、所定タイミング毎に次のような薬剤繰出し作動を実行する。すなわち、散布装置本体102を移動させながら薬剤を散布し、ストロークエンドに到達すると、移動操作を停止して薬剤散布を停止させる。
この苗載せ面用薬剤散布装置100は、苗植付装置10に対して後付けで装着することが可能なアタッチメントとして構成されるものであり、独立して運転の入切を行えるようになっている。つまり、収納ケース107の横側に備えられた運転スイッチ(図示せず)の入り切りにより、運転状態と運転停止状態とに切り換えることができる。又、この苗載せ面用薬剤散布装置100が運転しているか否かについての情報は、後述する制御装置Hに入力されるようになっている。
〔4〕(圃場用薬剤散布装置)
次に、圃場に除草剤等の薬剤を散布する圃場用薬剤散布装置111について説明する。
図1及び図7に示すように、圃場用薬剤散布装置111には、粉粒状の薬剤(除草剤)を貯留するホッパー112、貯留した薬剤を所定量ずつ繰り出す薬剤繰出し部113、繰り出された薬剤を植付け幅に相当する横幅で植付け跡に拡散散布する拡散機構114、薬剤繰出し部113および拡散機構114を内装する散布ケース115等を備えて構成されており、圃場用薬剤散布装置111の散布ケース115が、図1に示すように苗植付装置10の後部に支持部116を介して連結支持されている。
薬剤繰出し部113は、図示しない目皿や目皿駆動機構等で構成されており、薬剤を定量ずつ繰り出して拡散機構114に供給するものである。拡散機構114は、図示はしないが、電動モータにて拡散羽根を回転させて、図7に示すように、繰り出された薬剤を圃場に拡散する。
この圃場用薬剤散布装置111も、苗載せ面用薬剤散布装置100と同様に、苗植付装置10に対して後付けで装着することが可能なアタッチメントとして構成されるものであり、独立して運転の入切を行えるようになっている。つまり、散布ケース115の横側に備えられた運転スイッチ(図示せず)の入り切りにより、運転状態と運転停止状態とに切り換えることができる。又、この圃場用薬剤散布装置111が運転しているか否かについての情報は、走行機体に備えられる制御装置Hに入力されるようになっている。
〔5〕(自動昇降制御の構成)
次に、苗植付装置10について自動昇降制御を行うための構成について説明する。
図8に示すように、中央の接地フロート12の後部が横軸芯P周りに上下に揺動自在に支持アーム37に支持され、この接地フロート12の高さを検出するポテンショメータ式のフロート高さセンサ42が備えられており、機体の進行に伴って接地フロート12が田面Gに接地追従しながら、フロート高さセンサ42の検出値により苗植付装置10に対する中央の接地フロート12の高さ、言い換えると、田面Gからの苗植付装置10の高さを検出することができる。従って、中央の接地フロート12が苗植付装置10の高さを検出するセンサフロートとして機能する。
又、油圧シリンダ31に作動油を給排操作する制御弁44が備えられており、制御弁44により作動油を制御することにより、油圧シリンダ31が収縮作動して苗植付装置10が上昇する状態と、油圧シリンダ31が伸長作動して苗植付装置10が下降する状態とに切り換え操作することができる。
そして、フロート高さセンサ42の検出値がマイクロコンピュータを備えて構成される制御手段としての制御装置Hに入力され、制御装置Hは、フロート高さセンサ42の検出値が昇降用設定値に維持されるように、制御弁44を操作して油圧シリンダ31を伸縮作動させる。このことにより、苗植付装置10が田面Gから設定高さに維持されることになる。このような制御装置Hによる制御動作が自動昇降制御に相当する。
自動昇降制御を実行するときにおける設定状態としての昇降用設定値は、ポテンショメータからなる回動操作式設定器120を用いて、手動操作にて上下に変更調整することができる。この回動操作式設定器120は、後述するように、操縦部パネル62の制御用設定操作部65に備えられる。
尚、制御装置Hは、走行機体に備えられる機体側制御部H1と苗植付装置10に備えられる作業機制御部H2とからなり、機体側制御部H1と作業機制御部H2とは、夫々、各別に異なるマイクロコンピュータにて構成され、それらは周知の通信技術であるCAN(Controller Area Network)通信を行う。そして、作業機制御部H2は、種々の検出センサの検出情報を管理して機体側制御部H1に送信したり、機体側制御部H1からの指令に基づいて種々の電動モータの制御を行うのであり、単独で制御を行うことはなく、主たる制御は機体側制御部H1にて行うことになる。
植付深さ調節レバー40を操作することにより、接地フロート12の支点位置が支持フレーム14に対して上下変更操作されて植付け深さが変更調整されると、制御装置Hは、その変更操作に伴って昇降用設定値を補正する。
すなわち、フロート支軸36の操作位置を基に、植付深さ調節レバー40によって設定される植付け深さを検出する設定植付深さ検出センサ45が設けられ、この設定植付深さ検出センサ45の検出結果に基づいて、制御装置Hが昇降用設定値を補正するのである。この設定植付深さ検出センサ45は、ポテンショメータからなり、フロート支軸36に連係されている。
そして、接地フロート12の支点位置に対して昇降用設定値を高めに設定すると、接地フロート12の基準姿勢が前上がり気味になって接地フロート12に対する田面Gからの接地圧が小さくなり、制御装置Hによる苗植付装置10の自動昇降制御の制御感度が鈍感になる。接地フロート12の支点位置に対して昇降用設定値を低めに設定すると、接地フロート12の基準姿勢が前下がり気味になって接地フロート12に対する田面Gからの接地圧が大きくなり制御感度が敏感になる。
つまり、昇降用設定値を変更することにより、制御装置Hによる苗植付装置10の自動昇降制御の制御感度を鈍感側や敏感側に変更調節することができる。
又、走行機体に対するリンク機構4の昇降角度を検出するポテンショメータからなるリンク角検出センサ88が備えられて、リンク角検出センサ88の検出値が制御装置Hに入力されている。走行機体に対するリンク機構4の角度を検出することにより、走行機体に対する苗植付装置10の高さを検出することができるようになっている。このリンク角検出センサ88の情報に基づいて苗植付装置10が上昇非作業位置にまで上昇したか否かを判別できる。
〔6〕(自動ローリング制御の構成)
次に、苗植付装置10の自動ローリング制御を行うための構成について説明する。
図2に示すように、フィードケース16がリンク機構4の後部下部に対して前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている。つまり、苗植付装置10がリンク機構4の後部下部の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている。又、フィードケース16に傾斜センサ48が固定されて、水平面(田面G)に対する苗植付装置10の左右方向の傾斜角度が傾斜センサ48(図2参照)によって検出されており、図8に示すように、傾斜センサ48の検出値が制御装置Hに入力されている。
又、図2に示すように、リンク機構4の後部側の上部位置に、走行機体に対する苗植付装置10の左右傾斜姿勢を変更操作自在なローリング機構46が備えられている。このローリング機構46は、左右方向に押し引き操作される一対のワイヤ46a、ワイヤ46aを押し引き駆動するギヤ機構(図示せず)及びローリング用駆動機構としての電動モータ46bを備えている。ローリング機構46のワイヤ46aと苗植付装置10側のフレームの左右側部とが接続されている。
制御装置Hは、傾斜センサ48により検出される水平面に対する苗植付装置10の左右方向の傾斜角度が設定傾斜角度になるようにワイヤ46aを押し引き操作するように電動モータ46bを制御する。このことにより苗植付装置10が自動的に設定傾斜角度に維持されることになる。
自動ローリング制御を実行するときにおける設定状態としての前記設定傾斜角度は、操縦部パネル62に備えられた回動操作式設定器120により変更調整することができる。従って、回動操作式設定器120が、複数の操作具のうちのいずれかの操作具に対応する。回動操作式設定器120については後述する。
〔7〕(自動植付け制御の構成)
そして、この乗用型田植機では、ある1つの作業行程での植え付け作業が終了して、畦際で旋回したのちに、次回の作業行程での植え付け作業を開始するまでの旋回走行を行うときに、左右の後車輪2の内の旋回内側に位置するものの伝動状態を遮断して自由に回転できる状態とし、制御装置Hが、自由回転状態の後車輪2の回転数の検出情報に基づいて、操向角度並びに走行距離を求めて、次回の作業行程での始端位置に至ったことを自動的に判断するようにして、植付作業を自動で開始するようにした旋回用の自動植付け制御を実行する。
旋回用の自動植付け制御について、簡単に説明を加える。
図12に示すように、畦AZに近づいて旋回走行するとき、前の作業行程L01での直進走行状態から旋回開始位置E1に位置すると、操作者が、苗植付装置10を上昇させるとともに、ステアリングハンドル19を操作して旋回走行を開始する。このとき、植付クラッチ57及び施肥クラッチ58を切り状態に切り換える。
図13に示すように、操作者がステアリングハンドル19を操作して前車輪1の操向角度Aが決まると、走行機体の旋回中心Cが左右の後車輪2の車軸の延長線に位置していると判断して、前車輪1及び後車輪2のホイルベースW(右及び左の前車輪1の車軸と右及び左の後車輪2の車軸との間隔)と、左右の前車輪1の直進位置からの操向角度A(図示しない切れ角センサにて検出される)とに基づいて、走行機体の旋回中心Cが検出され、さらに、走行機体の左右中央と機体の旋回中心Cとの距離が旋回半径Rとして検出される。
このように走行機体の旋回中心C及び旋回半径Rが検出された状態において、図示しないセンサにより旋回中心側の後車輪2の回転数が検出され、その回転数より走行距離が検出され、走行機体の旋回中心C及び旋回半径Rと走行距離とに基づいて走行機体の移動角度θが検出される。
そして、図12に示すように、旋回走行により移動角度θが90度を越えると(図中のE2の地点を越えると)、その後、操作者はステアリングハンドル19を直進状態になるように戻し操作して、走行機体は直進状態に戻ることになるが、旋回走行経路LL2では、走行機体の旋回半径R及び移動角度θにより、旋回走行の前半部分L1と後半部分L2との夫々について、下記の式1に基づいて、植え付け用の作業行程の進行方向での走行機体の位置Y1を検出することができる。
式1:Y1=R*SIN(θ)
R:機体の旋回半径
θ:旋回開始位置E1からの機体の移動角度
移動角度θが90度に達するまでは、進行方向に沿う走行機体の位置Y1の変化は正(+)であるが、移動角度θが90度を越えると、走行機体の進行方向が逆になるから、進行方向に沿う走行機体の位置Y1の変化は負(−)になる。つまり、旋回終了地点では旋回開始位置と同じ位置に戻るので、走行機体の位置の変化は零になり、旋回終了地点に至ったことが判別できる。
そして、ステアリングハンドル19の操向角度が零になり、機体が直進状態に戻ると、旋回内側の後車輪2が伝動状態となるが、そのとき、苗植付装置10を自動で下降させ、接地した状態でしばらく走行することになる。その後、上記したようにして求められる進行方向に沿う走行機体の位置が旋回終了地点に戻ると、次回の作業行程L02での始端位置E3に至ったものとして、植付クラッチ57と施肥クラッチ58を自動で入り状態に切り換えて植付作業を自動で開始するのである。このように旋回終了地点(始端位置E3)と判別される位置が旋回終了判定位置に対応するものとなる。上述したような一連の処理が旋回用の自動植付け制御である。
又、上記したような自動植付け制御を実行しても、圃場条件等の違いから、植付け開始位置が常に適正な位置になるとは限らないので、植付クラッチ57と施肥クラッチ58を入り状態に切り換えて植付作業を自動で開始する植付け開始位置を、演算で求められる旋回終了判定位置に対して前後方向に微調節することができるようになっている。
図8及び図10に示すように、機体操縦部9の操縦部パネル62に、植付け開始位置を前後方向に微調節するための植付け開始位置調整器として機能する押し操作式の第1操作スイッチ121と第2操作スイッチ122とが備えられている。そして、第1操作スイッチ121を操作すると、植付け開始位置を走行方向上手側、すなわち、早めのタイミングに変更させることができ、第2操作スイッチ122を操作すると、植付け開始位置を走行方向下手前、すなわち、遅めのタイミングに変更させることができる。
具体的には、第1操作スイッチ121を押し操作する毎に、植付け開始位置が演算で求められる旋回終了判定位置に対して単位量ずつ走行方向上手側に変化し、第2操作スイッチ122を押し操作する毎に、植付け開始位置が演算で求められる旋回終了判定位置に対して単位量ずつ走行方向下手側に変化することになる。
そして、後述するように、第1操作スイッチ121は、自動植付け制御を実行する制御入り状態と実行しない制御切り状態とに切り換えるための植付け制御スイッチとして機能するように兼用構成される。従って、第1操作スイッチ121が他の操作具に対応し、植付クラッチ57用の電動モータ57aが作動部に対応する。
〔8〕(整地高さ調整制御の構成)
図1〜図4に示すように、走行機体と苗植付装置10との間に、機体横幅方向に沿う軸芯周りで回転駆動される整地ロータ50を備えた整地装置Bが備えられている。整地ロータ50は中央の接地フロート12の左右両側に位置させる状態で設けられ、左側及び右側の整地ロータ50は、整地ロータ50の回転支軸51の一端部と植付け駆動ケース17とにわたって連結した伝動ケース61、整地ロータ50の回転支軸51の他端部及び中間部とメインフレーム14aとにわたって連結した支持手段70を介して苗植付装置10の支持フレーム14に支持されている。
左側及び右側の整地ロータ50は、フィードケース16に伝達された駆動力によって、回転支軸51の車体横向きの軸芯Xまわりに回転駆動される。
図5に示すように、左側及び右側の整地ロータ50を支持する各支持手段70は、整地ロータ50の回転支軸51を軸支部71aで回転自在に支持する軸支リンク71を備え、この軸支リンク71に一端側が連結ピン72aを介して相対回転自在に連結した中間リンク72を備え、この中間リンク72の他端側に遊端側が連結ピン73aを介して相対回転自在に連結された揺動リンク73を備え、中間リンク72の中間部に遊端側が連結ピン74aを介して相対回転自在に連結された操作リンク74を備えている。
揺動リンク73の基端側は、メインフレーム14aに固定されたステー75の支持部75aの上端側に枢支ピン73bを介して回転自在に支持されている。
そして、一つの操作リンク74に扇形ギヤ77を一体回転自在に備えさせ、この扇形ギヤ77に出力ギヤ78aが噛み合っている電動モータで成る昇降モータ78をステー75に支持させてある。この昇降モータ78により、出力ギヤ78aによって扇形ギヤ77を連動軸76の軸芯まわりに上昇側あるいは下降側に回転操作して、操作リンク74を上昇側や下降側に揺動操作することができる。
図8に示すように、苗植付装置10が作業位置に位置している状態において、整地ロータ50が田面Gの上方の退避位置A3及びその退避位置A3よりも下方側に設定されている作業位置A4にわたり昇降モータ78により整地ロータ50を昇降することができる。作業位置A4には、上側(整地深さの浅い側)に作業上限位置A4Uが設定され、下側 (整地深さの深い側)に作業下限位置A4Dが設定されており、整地ロータ50の位置をこれらの範囲内で変更調整することができる。
図2に示すように、左側及び右側の整地ロータ50を支持する各支持手段70の夫々における操作リンク74は車体横向きの連動軸76に連結され、昇降モータ78がこの連動軸76を回転駆動することで、操作リンク74を上昇側や下降側に揺動操作し、整地ロータ50を昇降することができる。連動軸76は車体横幅方向に延びる状態で設けられ、1つの昇降モータ78により、左側及び右側の整地ロータ50を同時に昇降させることができる。
前記連動軸76にはロータ位置検出センサ80が備えられ、このロータ位置検出センサ80は、連動軸76に回転操作軸が連動されたポテンショメータによって構成してあり、連動軸76の回転位置を基に左側及び右側の整地ロータ50の苗植付装置10の支持フレーム14に対する車体上下方向での位置を検出し、この検出結果を制御装置Hに出力する。
制御装置Hは、設定植付深さ検出センサ45及びロータ位置検出センサ80による検出結果、予め設定された設定整地深さに基づいて、左側及び右側の整地ロータ50が接地フロート12の支持フレーム14に対する高さの変更にかかわらず設定整地深さを維持するように昇降モータ78の作動を制御する。この制御が整地高さ調整制御である。
したがって、植付深さ調節レバー40を操作して接地フロート12の苗植付装置10の支持フレーム14に対する高さを変更調節しても、左側及び右側の整地ロータ50の昇降調節が行なわれ、左側及び右側の整地ロータ50は設定整地深さを維持して整地作用を行なう。
機体操縦部9の操縦部パネル62には、図8及び図10に示すように、整地ロータ50の設定整地深さを設定する整地深さ調整器として機能する押し操作式の第3操作スイッチ123と第4操作スイッチ124とが備えられている。第3操作スイッチ123が操作されると、設定整地深さが浅い側に変更され、第4操作スイッチ124が操作されると、設定整地深さが深い側に変更される。現在設定されている設定整地深さは後で詳述する液晶表示式の表示装置Fに表示される。
詳細については後述するが、第3操作スイッチ123は、整地高さ調整制御を実行する制御入り状態と実行しない制御切り状態とに切り換え自在な整地高さ調整制御入切スイッチを兼用する構成となっている。そして、制御装置Hは、第3操作スイッチ123により制御入り状態に切り換えられると、整地高さ調整制御を実行し、第3操作スイッチ123により制御切り状態に切り換えられていると、苗植付装置10がどの位置にあっても、整地ロータ50を退避位置A3に維持して、整地高さ調整制御を実行しない。従って、第3操作スイッチ123が他の操作具に対応し、整地ロータ50を昇降操作する昇降モータ78が作動部に対応する。
〔9〕(操縦部パネルの構成)
図9に示すように、機体操縦部9の操縦部パネル62には、中央部にステアリングハンドル19が備えられ、操縦部パネル62におけるステアリング操作軸83aを囲う状態で支持するハンドルポスト83の前部に、各種の表示情報を表示する表示手段としての表示装置Fが備えられ、操縦部パネル62におけるハンドルポスト83の左側の横側箇所に、上記した各種の自動制御動作における設定状態を手動操作にて変更するための制御用設定手段としての制御用設定操作部65が備えられている。
図1に示すように、操縦部パネル62には、ハンドルポスト83の左右両側箇所に前方上方向きに緩やかに傾斜する緩傾斜面62Aが形成されており、この緩傾斜面62Aの前側に前方上方向きに急傾斜する急傾斜面62Bが形成されている。そして、図9に示すように、ハンドルポスト83の左側に位置する緩傾斜面62Aに制御用設定操作部65が備えられ、急傾斜面62Bに形成された凹部62B0に入り込ませる状態で表示装置Fが備えられている。
ステアリングハンドル19のスポーク19Aは、直進状態において緩やかな略への字状に設けられており、運転座席9aに着座した操作者が、ステアリングハンドル19の内部の略への字状に設けられたスポーク19Aの前方側に大きく開放された領域を通して、表示装置Fを目視することになり、表示装置Fが見易い状態で配備されている。
操縦部パネル62における緩傾斜面62Aのハンドルポスト83の右側の横側箇所には、方向指示器の操作具26A、前照灯の操作具26B、及び、ホーン操作具26C等が一体的に組み合わせて構成された運転用操作装置26が備えられ、その運転用操作装置26の右側にはアクセルレバー27が設けられ、運転用操作装置26の機体後部側にキースイッチ28が設けられている。
又、ハンドルポスト83の左側に位置する緩傾斜面62Aには、制御用設定操作部65の他、その左側に変速レバー18が備えられ、その変速レバー18の後部側にはチョークノブ29が備えられている。ステアリングハンドル19の下側の右横側に作業状態切換用の操作レバー98が備えられている。
次に、制御用設定操作部65について説明する。
図9及び図10に示すように、制御用設定操作部65は、平面視で矩形状に形成されており、固定状態の本体側パネル部65Aと、この本体側パネル部65Aの表面を覆う閉状態と本体側パネル部65Aの表面を開放する開状態とに切り換え自在な開閉型パネル部65Bとを備えている。そして、本体側パネル部65Aに、第1操作スイッチ121、第2操作スイッチ122、第3操作スイッチ123、第4操作スイッチ124、及び、操作具としての回動操作式設定器120が備えられている。
開閉型パネル部65Bは、本体側パネル部65Aの右側の前後方向に沿う端縁に沿って設けられたヒンジ67により開閉揺動自在に支持され、本体側パネル部65Aの表面を覆う閉状態と本体側パネル65A部の表面を開放する開状態とに切り換え自在に設けられている。
開閉型パネル部65Bが閉状態であるか開状態であるかを検出する開閉状態検出手段としての開閉検知スイッチ125が備えられている。この開閉検知スイッチ125は、本体側パネル部65Aの表面から凹入した箇所に位置して、外方側から手動操作することができないようになっており、開閉型パネル部65Bが閉状態に切り換えられると、開閉型パネル部65Bに備えられた突起126が開閉検知スイッチ125に作用して検知作動するように構成されている。
そして、開閉検知スイッチ125の情報が制御装置Hに入力され、制御装置Hは、この開閉検知スイッチ125の情報に基づいて、開閉型パネル部65Bが閉状態であるときと開状態であるときとで、昇降用の油圧シリンダ31を対象とする状態と、ローリング作動用の電動モータ46bを対象とする状態とに切り換えて、回動操作式設定器120の手動操作に基づいて設定状態(昇降用設定値、設定傾斜角度)を変更するように構成されている。
具体的には、制御装置Hは、開閉検知スイッチ125の情報に基づいて、開閉型パネル部65Bが閉状態であることを判別すると、昇降用の油圧シリンダ31を対象として、回動操作式設定器120の手動操作に基づいて昇降用設定値を変更することが可能な状態に切り換わる。又、開閉型パネル部65Bが開状態であることを判別すると、ローリング作動用の電動モータ46bを対象として、回動操作式設定器120の手動操作に基づいて設定傾斜角度を変更することが可能な状態に切り換わる。
つまり、自動ローリング制御における設定傾斜角度を変更する頻度は少ないので、開閉型パネル部65Bが開状態であるときに操作するようにしてあり、自動昇降制御における感度設定は圃場毎に変更操作されることがあり、操作頻度が大であるから、開閉型パネル部65Bを閉状態に切り換えた状態で操作するようにしている。
そして、回動操作式設定器120の操作位置がどの位置にあるかを表す目盛が、対象とする作動部(昇降用の油圧シリンダ31、ローリング作動用の電動モータ46b)に対応させた状態で、本体側パネル部65Aと開閉型パネル部65Bに夫々備えられている。
すなわち、開閉型パネル部65Bの外面側には、開閉型パネル部65Bを閉状態に切り換えた状態において、自動昇降制御における感度設定のための目盛127が備えられている。圃場の表面の硬さに応じて、圃場が軟かいときは、昇降用設定値を低めの値に設定し、圃場が軟かいときは、昇降用設定値を高めの値に設定するようになっている。
又、本体側パネル部65Aの表面には、開閉型パネル部65Bを開状態に切り換えた状態において、自動ローリング制御における設定傾斜角度の設定のための目盛128が備えられている。回動操作式設定器120を左側に回動させるほど、水平姿勢から左下側に大きく傾斜した値となり、回動操作式設定器120を右側に回動させるほど水平姿勢から右下側に大きく傾斜した値となるようになっている。
開閉型パネル部65Bには、閉状態において回動操作式設定器120を外方から操作可能に露出させる開口部129が形成されている。開口部129は、回動操作式設定器120の外形に沿うような円形の挿通孔である。従って、開閉型パネル部65Bが閉状態であっても開状態であっても、作業者は、同一の回動操作式設定器120を手動操作することになる。
開閉型パネル部65Bにおける第1操作スイッチ121、第2操作スイッチ122、第3操作スイッチ123の夫々に対応する位置に、開閉型パネル部65Bを閉状態に切り換えた状態で、各スイッチ121,122,123を外方側から押し操作可能なように備えられる蓋側の操作部材130,131,132が備えられている。
そして、制御装置Hは、開閉型パネル部65Bが閉状態に切り換えられた状態で、対応する蓋側の操作部材130を操作することにより第1操作スイッチ121が操作されると、押し操作される毎に、自動植付け制御を実行する制御入り状態と実行しない制御切り状態とに切り換わる。尚、後述するように、表示装置Fに備えられた自動植付け制御表示部95によりいずれの制御状態であるかを表示するようになっている。
制御装置Hは、キースイッチ28がオン操作されてエンジン5が始動されていない状態において、開閉型パネル部65Bを閉状態に切り換えた状態で、対応する蓋側の操作部材131を操作することにより第2操作スイッチ122が操作されると、押し操作される毎に、表示装置Fの数値表示部92における表示状態を、第1表示状態、第2表示状態、第3表示状態に順に切り換える。
第1表示状態では、過去の作業において、エンジン5が作動していた時間を積算した第1積算時間を表示する。又、第2表示状態では、過去の作業において、変速レバー18を停止用位置に操作することでエンジン5を一時的に停止させるエンジン停止処理を実行することにより、エンジン5が停止していた時間を積算した第2積算時間を表示する。そして、第3表示状態では、第1積算時間と第2積算時間とを合計した第3積算時間(総作業時間)を表示する。
制御装置Hは、開閉型パネル部65Bが閉状態に切り換えられた状態で、対応する蓋側の操作部材132を操作することにより第3操作スイッチ123が操作されると、押し操作される毎に、整地高さ調整制御を実行する制御入り状態と実行しない制御切り状態とに切り換わる。尚、後述するように、表示装置Fに備えられた設定整地深さ表示部96によりいずれの制御状態であるかを表示するようになっている。
そして、開閉型パネル部65Bを開状態に切り換えた状態で、第1操作スイッチ121及び第2操作スイッチ122のいずれかを操作することにより、自動植付け制御において、植付作業を自動で開始する植付け開始位置を、演算で求められる旋回終了判定位置に対して前後方向に微調節することができるようになっている。
すなわち、制御装置Hは、開閉型パネル部65Bが開状態に切り換えられた状態において、第1操作スイッチ121が押し操作される毎に、植付け開始位置が演算で求められる旋回終了判定位置に対して単位量ずつ走行方向上手側に変更し、第2操作スイッチ122が押し操作される毎に、植付け開始位置を演算で求められる旋回終了判定位置に対して単位量ずつ走行方向下手側に変更するようになっている。
又、開閉型パネル部65Bを開状態に切り換えた状態で、第3操作スイッチ123及び第4操作スイッチ124のいずれかを操作することにより、整地高さ調整制御において、整地ロータ50の設定整地深さを変更設定することができる。
すなわち、制御装置Hは、開閉型パネル部65Bが開状態に切り換えられた状態において、第3操作スイッチ123が一度押し操作されると、1段ずつ設定整地深さが浅い側に変更され、第4操作スイッチ124が一度押し操作されると、1段ずつ設定整地深さが深い側に変更される。現在設定されている設定整地深さは後で詳述する液晶表示式の表示装置Fに表示される。
次に、表示装置Fについて説明する。
図11に示すように、表示装置Fは、横幅方向の中央部には、液晶表示パネルを用いた情報表示部F1が備えられ、その情報表示部F1の左右両側には、作業に伴って使用者に報知すべき各種の報知情報を表示するようになっている。
すなわち、情報表示部F1の右側には、苗切れセンサS3にて苗載せ台15上に苗残量が少なくなったことが検出されると点灯する苗切れ表示部F2、肥料切れセンサS1にて肥料タンク21内の肥料が残り少なくなったことが検出されると点灯する肥料切れ表示部F3、肥料詰まりセンサS2にて肥料供給経路内で詰まりが発生していることが検出されると点灯する肥料詰まり表示部F4、植付クラッチ57が切れていると点灯する植付クラッチ表示部F5が備えられている。
又、情報表示部F1の左側には、エンジン5における油圧系統の異常を表示する油圧異常表示部F8、バッテリーの電圧が設定値以下にまで低下していることを表示するバッテリー切れ表示部F7、エンジン5の各種の異常を表示するエンジン異常表示部F6、電動モータ86によって複数の植付け駆動ケース17に対する動力を各別に断続可能な各条クラッチ87(図8参照)が切状態であることを表示する各条クラッチ表示部F9が備えられている。情報表示部F1の下方側には、左右のマーカー52の左右どちらが作用状態になっているかを表示するマーカー表示部F10が備えられている。
そして、情報表示部F1とマーカー表示部F10との間には、苗載せ面用薬剤散布装置100が作動中であることを表示する苗用薬剤作動表示部F11と、圃場用薬剤散布装置111が作動中であることを表示する圃場用薬剤作動表示部F12とが備えられている。これらの表示状態により、苗載せ面用薬剤散布装置100や圃場用薬剤散布装置111が適切に作動しているか否かを運転しながら確認できるようにしている。
前記情報表示部F1には、左側に燃料の残量を表示する燃料残量表示部90が備えられ、右側にエンジン冷却水の温度を表示する温度表示部91が備えられている。又、中央の下側には、累計稼動時間(アワーメータ)を表示したり、エンジン回転数を表示する数値表示部92、その数値表示部92の上側には,数値表示部92にて表示しているのがアワーメータであることを示すアワーメータ指示部93、数値表示部92にて表示しているのがエンジン回転数であることを示すエンジン回転数指示部94が備えられている。
数値表示部92の上側であってエンジン回転数指示部94の左側には、自動植付け制御を実行している状態であれば点灯し、制御を実行していなければ消灯する自動植付け制御表示部95が備えられている。
すなわち、この自動植付け制御表示部95は、上記〔4〕にて説明した第1操作スイッチが制御入り状態に切り換えられると点灯状態になり、第1操作スイッチが制御切り状態に切り換えられると消灯状態になる。
前記数値表示部92は、電源が投入されるとアワーメータを表示し、エンジン5が始動するとエンジン回転数を表示するように表示状態が制御されるが、電源が投入されたときに行われるアワーメータ表示として、次の3種類のうちのいずれかを選択的に表示することができる。
すなわち、開閉型パネル部65Bが閉状態であるときに、対応する蓋側の操作部材131を操作することにより第2操作スイッチ122が操作されると、第2操作スイッチ122が操作される毎に、エンジン5が作動していた時間を積算した第1積算時間を表示する第1表示状態、変速レバーを停止用位置に操作することで、エンジンを一時的に停止させるエンジン停止処理を実行することにより、エンジンが停止していた時間を積算した第2積算時間を表示する第2表示状態、第1積算時間と第2積算時間とを合計した第3積算時間(総作業時間)を表示する第3表示状態の順に表示状態が切り換わるようになっている。
燃料残量表示部90と数値表示部92との間に、整地ロータ50に対する設定整地深さを表示する設定整地深さ表示部96が備えられている。この設定整地深さ表示部96は、整地ロータ50についての表示であることを示すロータ表示96Aと5段階の深さを5個の黒丸によりレベル表示する深さ表示96Bとを備える。
この設定整地深さ表示部96は、第3操作スイッチ123又は第4操作スイッチ124を押し操作して設定整地深さが変更設定されると、その操作に伴って、深さ表示96Bの5個の黒丸のうちの対応するものを表示して(図9参照)、5段階の深さのうちのいずれかの段数であることを表示する。つまり、第3操作スイッチ123を押し操作する毎に設定整地深さが1段ずつ上昇し、第4操作スイッチ124を押し操作する毎に設定整地深さが1段ずつ低下することになる。
設定整地深さ表示部96は、開閉型パネル部65Bが閉状態であるときに、対応する蓋側の操作部材132を操作することにより第3操作スイッチ123が操作され、制御入り状態に切り換えられると上記したようなロータ表示96Aと深さ表示96Bとを夫々表示する状態となり、制御切り状態に切り換えられていると、ロータ表示96Aと深さ表示96Bの夫々が表示されないようになっている。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態においては、開閉型パネル部65Bに形成される開口部129が、回動操作式設定器120の外形に沿うような円形の挿通孔に形成されたものを示したが、開口部としては、図14に示すように、開閉型パネル部65Bの端縁133にて凹入状に形成された開口部129を備えるものでもよい。
(2)上記実施形態においては、開口部129から露出される操作具として、ポテンショメータからなる回動操作式設定器120を示したが、この構成に限らず、この回動操作式設定器120に代えて、あるいは、それに加えて、第1操作スイッチ121〜第4操作スイッチ124を開口部から露出させる構成としてもよく、これらとは異なる別の種類の操作スイッチを開口部から露出させる構成としてもよい。
(3)上記実施形態においては、回動操作式設定器120による設定状態の変更対象として、昇降用の油圧シリンダ31とローリング用電動モータ46bとを用いたが、これらのものに限定されるものではなく、他の種類の駆動機構を対象とするものでもよい。
(4)上記実施形態においては、バッテリー切れ表示部F7が、バッテリーの電圧が設定値以下にまで低下していると点滅表示する構成としたが、このような構成に代えて、あるいは、それに加えて、バッテリーの電圧の現在値を例えば、レベルメータ表示にて複数段階に分けて表示して、どの程度の充電状態であるかを表示するようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、水田作業機として乗用型田植機を示したが、本発明は、田植機に代えて、直播機にも適用することができる。
本発明は、乗用型田植機や直播機等の水田作業機に適用できる。
10 水田作業装置
31 作動部(昇降用駆動機構)
46b 作動部(ローリング用駆動機構)
57a 作動部(電動モータ)
65 制御用設定手段
65A 本体側パネル部
65B 開閉型パネル部
78 作動部(昇降モータ)
120 操作具(回動操作式設定器)
121 操作具(第1操作スイッチ)
123 操作具(第3操作スイッチ)
125 開閉状態検出手段
127,128 目盛
129 開口部
H 制御手段

Claims (3)

  1. 水田作業用の自動制御動作を実行する複数の作動部と、前記複数の作動部の自動制御動作における設定状態並びに自動制御の入切を手動操作にて変更自在な制御用設定手段と、前記制御用設定手段にて設定された設定状態にて自動制御動作を実行すべく前記複数の作動部を制御する制御手段とが備えられ、
    前記制御用設定手段に、
    前記設定状態を手動操作にて変更するための複数の操作具が備えられた本体側パネル部と、この本体側パネル部の表面を覆う閉状態と前記本体側パネル部の表面を開放する開状態とに切り換え自在で、且つ、閉状態において前記操作具を外方から操作可能に露出させる開口部が形成された開閉型パネル部と、前記開閉型パネル部が閉状態であるか開状態であるかを検出する開閉状態検出手段とが備えられ、
    前記制御手段が、
    前記複数の操作具のうちのいずれかの操作具において、前記開閉型パネル部が閉状態であるときと開状態であるときとで、対象とする前記作動部を異ならせて、前記操作具の手動操作に基づいて前記設定状態を変更し、
    前記複数の操作具のうちの他の操作具において、前記開閉型パネル部が閉状態であるときと開状態であるときとで、前記操作具の手動操作に基づいて前記作動部の自動制御の入切を変更する状態と、前記操作具の手動操作に基づいて前記設定状態を変更する状態とに切り換える水田作業機。
  2. 前記いずれかの操作具が、複数の操作位置に切り換え自在な操作具であり、
    前記操作具の操作位置がどの位置にあるかを表す目盛が、対象とする前記作動部に対応させた状態で、前記本体側パネル部と前記開閉型パネル部に夫々備えられている請求項1記載の水田作業機。
  3. 走行機体の後部に、水田作業装置が、前記作動部としての昇降用駆動機構により昇降操作自在に、且つ、前記作動部としてのローリング用駆動機構により左右傾斜姿勢を変更操作自在に連結され、
    前記制御手段は、
    前記制御用設定手段にて設定された設定状態にて前記水田作業装置の対地高さを調整する自動昇降制御動作を実行すべく前記昇降用駆動機構を制御し、
    前記制御用設定手段にて設定された設定状態にて前記水田作業装置の左右傾斜姿勢を調整する自動ローリング制御動作を実行すべく前記ローリング用駆動機構を制御し、
    前記いずれかの操作具について、前記開閉型パネル部が閉状態であるときと開状態であるときとで、前記昇降用駆動機構を対象とする状態と、前記ローリング用駆動機構を対象とする状態とに切り換えて、前記操作具の手動操作に基づいて前記設定状態を変更する請求項1又は2記載の水田作業機。
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