以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば「左右」「上下」等)を用いる場合は、図2で紙面に直交する方向を正面視とし、この方向を基準にしている。これらの用語は説明の便宜のために用いたものであり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
<画像形成装置の全体構成>
以下の各実施形態で共通となる画像形成装置の全体構成について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の画像形成装置の外観斜視図であり、図2は、当該画像形成装置の内部構成を示す概略図である。
図1及び図2に示すように、画像形成装置1は、原稿P1から画像を読み取る画像読取部3と、画像が形成される記録紙P2を収納する給紙トレイ4と、給紙トレイ4から給紙された記録紙P2にトナー画像を転写する転写部5と、転写部5で転写されたトナー画像を記録紙P2に定着させる定着部6と、定着部6で定着されて画像が形成された記録紙P2が排紙される排紙トレイ7と、画像形成装置1への操作を受け付ける操作パネル9と、を備える。この画像形成装置1において、その装置本体2上部に画像読取部3が設けられるとともに、この画像読取部3の下側に転写部5が設けられる。
そして、排紙トレイ7が、転写部5及び定着部6で画像記録されて排紙された記録紙P2を受けるために、装置本体2における転送部5の上側に設けられるとともに、給紙トレイ4が、装置本体2における転送部5の下側で挿抜可能に構成される。このように構成されることで、後述するように、給紙トレイ4に収納された記録紙P2が装置本体2内部に給紙された後、上昇搬送されることによって、給紙トレイ4の上部に配置された転送部5で画像が転写されて定着部6で定着された後、画像読取部3と画像形成部5との間の空間(凹みスペース)に設けられた排紙トレイ7に排紙される。
装置本体2上部に設けられる画像読取部3は、原稿P1からの画像を読み取るスキャナー部31と、スキャナー部31の上部に設けられるとともにスキャナー部31に原稿P1を1枚ずつ搬送させる自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)32とを備える。又、装置本体2の正面側(前面側)には、操作パネル9が設けられる。そして、ユーザーは、この操作パネル9の表示画面等を見ながらキー操作をすることで、画像形成装置1の各種機能の中から選択した機能について設定操作をしたり、画像形成装置1に作業実行を指示したりできる。
次に、図2を参照して、装置本体2の内部構造について説明する。装置本体2の上部にある画像読取部3のうちスキャナー部31は、上面側にプラテンガラス(不図示)を有する原稿台33と、原稿P1に対して光を照射する光源部34と、原稿P1からの反射光を画像データに光電変換するイメージセンサー35と、反射光をイメージセンサー35上に結像させる結像レンズ36と、原稿P1からの反射光を順次反射させて結像レンズ36に入射させるミラー群37とを備えている。光源部34、イメージセンサー35、結像レンズ36及びミラー群37は原稿台33の内部に設けられるともに、光源部34及びミラー群37は原稿台33に対して左右方向に移動可能に構成される。
又、スキャナー部31の上面側には、ADF32が原稿台33に対して開閉可能に設けられている。ADF32は、原稿台33のプラテンガラス(不図示)上の原稿P1に覆い被さることによって原稿P1をプラテンガラス(不図示)に密着させる働きも有する。ADF32は、原稿載置トレイ38と原稿排出トレイ39とを備えている。
このような構成の画像読取部3において、原稿台33のプラテンガラス(不図示)上の原稿P1を読み取る場合は、右方向(副走査方向)に移動する光源部34から原稿P1に光が照射される。原稿P1から反射した反射光は、光源部34と同じく右方向に移動するミラー群37で順次反射されて結像レンズ36に入射し、イメージセンサー35上に結像される。イメージセンサー35は、入射光の強さに応じて画素毎に光電変換を実行して、原稿P1の画像に対応した画像信号(RGB信号)を生成する。
一方、原稿載置トレイ38に載置された原稿P1を読み取る場合、当該原稿P1は複数のローラー等で構成される原稿搬送機構40によって読取位置に搬送される。このとき、スキャナー部31の光源部34及びミラー群37は、原稿台33内部の所定位置に固定される。従って、光源部34により原稿P1の読取位置部分に光が照射され、その反射光がスキャナー部31のミラー群37及び結像レンズ36を介してイメージセンサー35上に結像される。そして、イメージセンサー35が原稿P1の画像に対応した画像信号(RGB信号)に変換する。その後、原稿P1は原稿排出トレイ39に排出される。
トナー画像を記録紙P2に転写する転写部5は、Y(Yellow)、M(Magenta)、C(Cyan)、K(Key tone)各色のトナー画像を生成する作像部51と、作像部51それぞれの下方に設けられた露光部52と、水平方向に並んだ各色の作像部51と当接することで作像部51から各色のトナー画像が転写される中間転写ベルト53と、作像部51と中間転写ベルト53を挟持するように各色の作像部51それぞれに対して上側に対向する位置に設けられた一次転写ローラー54と、中間転写ベルト53を回動させる駆動ローラー55と、駆動ローラー55の回転が中間転写ベルト53を通じて伝達することで回転する従動ローラー56と、中間転写ベルト53を挟んで駆動ローラー55と対向する位置に設置される二次転写ローラー57と、中間転写ベルト53を挟んで従動ローラー56と対向する位置に設置されるクリーナー部58とを、備える。
作像部51は、中間転写ベルト53の外周面と当接する感光体ドラム61と、感光体ドラム61の外周面をコロナ放電により帯電させる帯電器62と、攪拌して帯電させたトナーを感光体ドラム61の外周面に付着させる現像器63と、トナー画像を中間転写ベルト53に転写した後に感光体ドラム61の外周面に残留するトナーを除去するクリーナー部64と、を備える。このとき、感光体ドラム61は、中間転写ベルト53を挟んで、一次転写ローラー54と対向する位置に設置されるとともに、図2における時計回りの方向に回転する。そして、感光体ドラム61の周囲には、一次転写ローラー54、クリーナー部64、帯電器62、露光部52、及び現像器63が、感光体ドラム61の回転方向に沿って、順番に配置されている。
又、中間転写ベルト53は、例えば導電性を有する無端状のベルト部材から構成され、駆動ローラー55及び従動ローラー56に緩みの無い状態で巻き掛けられることで、駆動ローラー55の回転に従って、図2において反時計回りの方向に回動する。そして、中間転写ベルト53の周囲には、中間転写ベルト53の回転方向に沿って、二次転写ローラー57、クリーナー部58、YMCK各色の作像部51それぞれが順番に配置されている。
更に、記録紙P2に転写されたトナー画像を定着させる定着部6は、記録紙P2上のトナー画像を定着させるべく加熱するハロゲンランプなどを備えた加熱ローラー59と、記録紙P2を加熱ローラー59と共に挟持して記録紙P2を加圧する加圧ローラー60とを備える。尚、加熱ローラー59は、電磁誘導によりその表面に渦電流を生じさせることによって、加熱ローラー51表面が加熱されるものであってもよい。
給紙機構8は、給紙トレイ4に収納された記録紙P2を最上層から繰り出す繰り出しローラー81と、繰り出された記録紙P2を1枚ずつに分離する給紙ローラー82及び捌きローラー83による分離ローラー対と、を備える。各給紙トレイ4内の記録紙P2は、対応する繰り出しローラー81、給紙ローラー82及び捌きローラー83の回転駆動によって、最上層のものから1枚ずつ、給紙路R1経由で主搬送路R0に向けて送り出される。主搬送路R0は画像形成(印刷)の工程を経る記録紙P2の主たる通り道である。又、給紙路R1は給紙トレイ4毎に設けられるとともに、各給紙路R1は主搬送路R0に合流している。
装置本体2における左右方向の一側部(実施形態では右側部)には、外部から所定サイズの記録紙P2を給紙可能な手差しトレイ93が設けられている。手差しトレイ93は、装置本体2内にある通常の給紙トレイ4とは別に補助的に設けられたものであり、装置本体2における左右方向の一側部に対して開閉回動可能に取り付けられている。手差しトレイ93上の記録紙P2は、繰り出しローラー等の回転駆動によって、最上層のものから1枚ずつ、手差し給紙路R2経由で主搬送路R0に向けて送り出される。
主搬送路R0のうち、転写部5における中間転写ベルト53と二次転写ローラー57との間(当接部分)が二次転写領域としての二次転写ニップ部になっている。この二次転写ニップ部の下流側となる駆動ローラー55の上方には、その先端を中間転写ベルト53に当接させた分離爪70が設置される。一方、主搬送路R0を挟んで分離爪70と対向する位置、即ち、二次転写ローラー57の上側には、二次転写ニップ部を通過した記録紙P2に当接して除電する鋸歯状の除電針71が配置される。
そして、分離爪70及び除電針71それぞれの上側には、記録紙P2を定着部6に誘導するための搬送ガイド72a,72bが設けられる。即ち、搬送ガイド72a,72bがそれぞれ、転写部5と定着部6との間における主搬送路R0の左右に設置される。更に、主搬送路R0の定着部6よりも下流側(定着部6の上側)においても、搬送ガイド73a,73bが主搬送路R0の左右に設けられるとともに、主搬送路R0の最下流となる終端部分には、印刷済の記録紙P2を排出する排紙ローラー対91が配置される。印刷済の記録紙P2は、排紙ローラー対91の回転駆動によって排紙トレイ7に排出される。
画像形成装置1による印刷動作を簡単に説明する。画像形成装置1は、開始信号や画像信号等を受信して印刷動作を開始する。印刷動作が開始すると、給紙機構8により給紙トレイ4から繰り出された記録紙P2が、主搬送路R0に沿って画像形成部5に搬送される。転写部5及び定着部6はそれぞれ、カラー電子写真方式に基づく記録紙P2への画像の転写及び定着を行うとともに、記録紙P2への画像転写方式として、中間転写ベルト53を利用した中間転写方式を採用する。
このとき、転写部5において、Y、M、C、K各色の作像部51では、帯電器62によって帯電させた感光体ドラム61の表面に露光部52からレーザー光が照射され、Y、M、C、K各色の画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像が形成された感光体ドラム61の表面に、現像器63で帯電したトナーが移り、第1の像担持体となる感光体ドラム61にトナー画像が形成される。そして、感光体ドラム61の表面に担持されたトナー画像が、中間転写ベルト53と接触する際、一次転写ローラー54の静電気力によって、中間転写ベルト53に転写されるため、第2の像担持体となる中間転写ベルト53の表面に、Y、M、C、K各色が重なったトナー画像が形成される。一方、トナー画像を中間転写ベルト53に転写した感光体ドラム61に残った未転写トナーは、クリーナー部64にて掻き取られ、感光体ドラム61上から取り除かれる。
中間転写ベルト53に転写されたトナー画像は、駆動ローラー55及び従動ローラー56によって中間転写ベルト53が回転することで、二次転写ローラー57と当接する転写位置まで移動し、主搬送路R0上の転写位置まで搬送される記録紙P2に転写される。トナー画像を記録紙P2に転写した中間点転写ベルト53に残った未転写トナーは、クリーナー部58にて掻き取られ、中間点転写ベルト53上から取り除かれる。
又、二次転写ローラー57との当接位置でトナー画像が転写された記録紙P2は、画像形成された面(以下、「画像形成面」と呼ぶ。)の裏側となる裏面(以下、単に「裏面」と呼ぶ。)に除電針71が当接して除電された後、搬送ガイド72a,72bによって、加熱ローラー59及び加圧ローラー60による定着部6に搬送される。そして、画像形成面に未定着トナー像を載せた記録紙P2は、定着部6の定着ニップ部を通過する際に、加熱ローラー59による加熱及び加圧ローラー60による加圧が施されて、未定着トナー像が紙面に定着される。そして、トナー像定着後(片面印刷後)の記録紙P2は、搬送ガイド73a,73bによって排紙ローラー対91まで搬送されると、排紙ローラー対91により排紙トレイ7に排出される。
以下の各実施形態の画像形成装置は、上述の画像形成装置1の構成を共通に備えるものであって、主搬送路R0における転写部5よりも下流側の構成を異にするものである。従って、以下の各実施形態では、主搬送路R0における転写部5よりも下流側の構成について、詳細に説明するものとする。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態の画像形成装置について、図面を参照して以下に説明する。図3は、本実施形態における画像形成装置の転写部より下流側の構成を示す概略断面図である。尚、本実施形態の画像形成装置の全体構成は、上述の図1及び図2による構成を有するものである。
本実施形態の画像形成装置1は、図3に示すように、主搬送路R0において、中間転写ベルト53と二次転写ローラー57とが当接する二次転写ニップ部より下流側には、主搬送路R0を挟むように、分離爪70及び除電針71が配置される。そして、この分離爪70の上方に搬送ガイド72aが設けられるとともに、除電針71の上方に搬送ガイド72bが設けられ、この搬送ガイド72a,72bの間に主搬送路R0が形成される。更に、搬送ガイド72bの下側は、除電針71を保持する除電針ホルダ74とで空気流路75が形成される。この空気流路75は、主搬送路R0に対向する面が開口されるとともに、この開口面と逆側に吸排気可能なファン76が設けられることにより、主搬送路R0に対して交差する方向(主搬送路R0を通過する記録紙P2の紙面に対して交差する方向)にエアフロー(空気流れ)を形成する。
尚、図示しないが、空気流路75は、装置本体2(図1及び図2参照)の機外に対して開放された構成とされるとともに、機外への開放部分には防塵フィルタなどが設けられ、環境汚染につながる粉塵を外部に排出しないよう構成されている。又、ファン76による風向について、機内に外気を吸気して主搬送路R0に向かって空気を排出する方向を「吸入方向」とし、機外に内気を排気して主搬送路R0に向かって空気を供給する方向を「排出方向」とする。更に、ファン76は、吸入方向及び排出方向それぞれにおいて、その風量を複数段階に切換可能であり、本実施形態では、風量1〜4の4段階に切り換えることができるものとし、その数字が大きいものほど風量が大きいものとする。
又、空気流路75における上側の流路壁を構成する搬送ガイド72bは、主搬送路R0を通過する記録紙P2の位置を検出する位置検出センサー77を備える。この位置検出センサー77は、主搬送路R0の搬送方向に交差する方向での記録紙P2の通紙位置を検出するものである。即ち、図3のように、位置検出センサー77が、主搬送路R0を介して分離爪70に対向する位置に設置される場合、搬送ガイド72bの主搬送路R0側の表面から分離爪70までの間における記録紙P2の通紙位置を、位置検出センサー77が検出する。この位置検出センサー77は、例えば、非接触方式のフォトセンサーによって構成される。
更に、画像形成装置1は、図4に示す構成の制御部10を備え、この制御部10によって、画像形成装置1を構成する各部が制御され、記録紙P2への印字動作や原稿P1からの画像読取動作などの各種動作が実行される。この制御部10は、各種演算処理や制御を実行するCPU(Central Processing Unit)101と、制御プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)102と、演算データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)103と、転写部5で形成させるトナー画像の基となる画像データを生成する画像処理部104と、画像処理部104で得られた画像データを一時的に記憶する画像メモリ105と、画像形成装置1を構成する各部との間で信号の送受信を行う入出力インターフェース106と、外部ネットワーク600と通信接続する通信インターフェース107と、主搬送路R0の記録紙P2の通紙位置を安定させるためのファン76の風量を設定する通紙風量設定部108と、分離爪109を清掃するためのファン76の風量を設定する清掃風量設定部109と、制御部10内の各ブロック間の通信を成立させるために信号を送受信するバス110と、を備える。
このような構成の制御部10は、通紙風量設定部108又は清掃風量設定部109で設定した風量と風向を示す制御信号を入出力インターフェース106から、ファン76を駆動するファン駆動部78(図3参照)に送信する。従って、ファン駆動部78は、制御部70からの制御信号を受け、制御信号の内容を認識することにより、制御部10でされた風量及び風向きでファン76を動作させる。又、制御部10は、位置検出センサー77(図3参照)での検出信号を入出力インターフェース106で受信する。これにより、制御部10は、主搬送路R0における記録紙P2の通紙位置を確認する。
尚、吸入方向に風量Fx(Fxは、風量1〜4のいずれかの値となる)のエアフローを発生させる場合、制御部10は、「+Fx」で表される制御信号を生成してファン駆動部78に送信する。一方、排出方向に風量Fxのエアフローを発生させる場合、制御部10は、「−Fx」で表される制御信号を生成してファン駆動部78に送信する。更に、ファン76の駆動を停止してエアフローを発生させない場合は、制御部10は、「0」で表される制御信号を生成してファン駆動部78に送信する。即ち、制御部10からファン駆動部78に与える制御信号は、−4〜+4の9段階の値で設定される。
以下に、制御部10による通紙風量の制御動作について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。制御部10は、印字動作の開始を指示する信号を入出力インターフェース106又は通信インターフェース107で受け付けると、通紙風量の制御動作を開始する(STEP1)。CPU101が、前回に設定された風向及び風量を表す風量設定値「FN」(FNは、−4〜+4のいずれかの整数で表される)をRAM103から読み出すと、読み出された風量設定値FNによる制御信号を生成して、入出力インターフェース106よりファン駆動部78に出力する(STEP2)。これにより、ファン駆動部78は、制御部10からの制御信号に基づいて、前回に設定された風量設定値FNによる風向及び風量のエアフローを形成するべく、ファン76を駆動する。
このようにして、主搬送路R0における転写部5と定着部6との間における通紙を安定化させた状態とすると、制御部10は、給紙トレイ4から給紙路R1へ記録紙P2を送り出すための制御信号を、入出力インターフェース106より給紙機構8に出力する(STEP3)。これにより、給紙トレイ4に収容された記録紙P2が給紙路R1を介して主搬送路R0に送り出されて、主搬送路R0を沿って装置本体に上昇搬送される。このとき、転写部5、定着部6、及び主搬送路R0の各種ローラー対などに、制御部10からの制御信号が与えられる。従って、転写部5及び定着部6が上述の動作を行うことで、主搬送路R0を通紙する記録紙P2上にトナー画像が転写された後に定着し、画像形成された記録紙P2が排紙トレイ7に排出される。
この印字動作時において、記録紙P2が主搬送路R0を搬送されるとき、位置検出センサー77により、分離爪70と搬送ガイド72bとの間を通過する記録紙P2の位置(通紙位置)が検出される。そして、制御部10は、位置検出センサー77から出力される、記録紙P2の位置を表す検出信号を、入出力インターフェース106で受信する(STEP4)。この位置検出センサー77からの検出信号が、通紙風量設定部108に与えられると、通紙風量設定部108が、この検出信号に基づいて、記録紙P2の通紙位置を算出する(STEP5)。この通紙風量設定部108で算出された記録紙P2の通紙位置は、RAM103に格納される。
記録紙P2の通紙位置の関係について、図6を参照して説明する。図6に示すように、位置検出センサー77の設置位置を始点T0とするとともに、位置検出センサー77の対向位置にある分離爪70の表面を終点として、始点からの距離に応じて、その通紙領域を5分割する。このとき、始点T0からの距離がT1〜T4となる位置に、通紙領域の分割点が設定される。即ち、位置検出センサー77により検出された、始点T0から記録紙P2の通紙位置までの距離Tx(以下、「検出距離Tx」と呼ぶ)が、T2<Tx≦T3の範囲となる場合、記録紙P2が最適な通紙経路(以下、「理想経路」と呼ぶ)を通過している。
そして、検出距離Txが、Tx≦T2の範囲となる場合、記録紙P2が搬送ガイド72b側の通紙経路(以下、「帯電経路」と呼ぶ)を通過している。このとき、検出距離Txが、Tx≦T1の範囲となる場合には、記録紙P2が搬送ガイド72と接触する可能性が高い経路を通過している。一方、検出距離Txが、Tx>T3の範囲となる場合、記録紙P2が分離爪70側の通紙経路(以下、「分離不良経路」と呼ぶ)を通過している。このとき、検出距離Txが、Tx>T4の範囲となる場合には、記録紙P2が分離爪70と接触する可能性が高い経路を通過している。
尚、記録紙P2が帯電経路を通過する場合、記録紙P2の裏面が搬送ガイド72に擦れることで、記録紙P2が帯電して、その画像形成面に形成されたトナー画像にノイズを発生させる可能性がある。一方、記録紙P2が分離不良経路を通過する場合、その画像形成面が分離爪70と接触し、画像形成面上のトナー画像に分離爪痕や分離爪汚れなどが発生する可能性がある。
従って、制御部10では、通紙風量設定部108が、位置検出センサー77からの検出信号に基づいて、記録紙P2の通紙位置を表す検出距離Txを確認することで、記録紙P2の通紙経路が、理想経路、帯電経路、及び分離不良経路のいずれであるか確認される。即ち、STEP5において、通紙風量設定部108は、記録紙P2の通紙位置を表す検出距離Txを算出すると、まず、検出距離Txが、T2<Tx≦T3の範囲であるか否かを確認する(STEP6)。このとき、検出距離TxがT2<Tx≦T3の範囲にある場合は(STEP6でYes)、通紙風量設定部108は、現在のファン76の風向及び風量により、記録紙P2が理想経路を通過しているものと判定し、STEP1で読み出した風量設定値FNを変更することなく、再び、RAM103に格納する(STEP14)。
一方、検出距離TxがT2<Tx≦T3の範囲にない場合、即ち、検出距離TxがTx≦T2又はTx>T3の範囲にある場合(STEP6でNo)、通紙風量設定部108は、検出距離TxがT2以下であるか否かを確認する(STEP7)。このとき、検出距離TxがT2以下となる場合(STEP7でYes)、通紙風量設定部108は、記録紙P2が帯電経路を通過しているものと判定し、更に、検出距離TxがTx≦T1の範囲にあるか否かを確認する(STEP8)。又、検出距離TxがT2より大きい場合は(STEP7でNo)、検出距離TxがT3より大きい場合であるため、通紙風量設定部108は、記録紙P2が分離不良経路を通過しているものと判定し、更に、検出距離TxがTx>T4の範囲にあるか否かを確認する(STEP9)。
上記STEP6〜9において、通紙風量設定部108が記録紙P2の通紙位置を判定するとき、検出距離TxがT1以下となる場合(STEP8でYes)、通紙風量設定部108は、風量設定値を、ファン76によるエアフローを吸入方向に2段階大きな風量「FN+2」に設定する(STEP10)。又、検出距離TxがT1<Tx≦T2の範囲となる場合(STEP8でNo)、通紙風量設定部108は、風量設定値を、ファン76によるエアフローを吸入方向に1段階大きな風量「FN+1」に設定する(STEP11)。一方、検出距離TxがT4より大きい場合(STEP9でYes)、通紙風量設定部108は、風量設定値を、ファン76によるエアフローを排出方向に2段階大きな風量「FN−2」に設定する(STEP12)。又、検出距離TxがT3<Tx≦T4の範囲となる場合(STEP9でNo)、通紙風量設定部108は、風量設定値を、ファン76によるエアフローを排出方向に1段階大きな風量「FN−1」に設定する(STEP13)。
このとき、例えば、STEP1で読み出された風量設定値「FN」が、吸入方向に風量1のエアフローを発生させる「+1」であった場合、検出結果Txが、(1)T2<Tx≦T3の範囲では(STEP6でYes)、風量設定値を「+1」のままとし、(2)Tx≦T1の範囲では(STEP8でYes)、風量設定値を「+3」に設定し(STEP10)、(3)T1<Tx≦T2の範囲では(STEP8でNo)、風量設定値を「+2」に設定し(STEP11)、(4)T3<Tx≦T4の範囲では(STEP9でNo)、風量設定値を「0」に設定し(STEP13)、(5)T4<Txの範囲では(STEP9でYes)、風量設定値を「−1」に設定する(STEP12)。
上述のSTEP10〜STEP12において、通紙風量設定部108が、風量設定値を設定すると、設定した風量設定値がRAM103に格納される(STEP14)。そして、制御部10は、通信風量設定部108で設定した風量設定値に基づく制御信号を生成し、入出力インターフェース106よりファン駆動部78に送信する(STEP15)。ファン駆動部78は、制御部10より送信された制御信号による風量設定値を確認すると、風量設定値により指定される風向及び風量にあわせて、ファン76を駆動する。これにより、次に主搬送路R0を通紙される記録紙P2の搬送経路が制御される。
又、制御部10は、STEP15による制御信号の送信を行った後、次に主搬送路R0に通紙される記録紙P2の有無を確認する(STEP16)。このとき、主搬送路R0への記録紙P2の通紙がある場合は(STEP16でYes)、STEP4に移行して、通紙風量設定部108による風量設定動作を繰り返す。一方、主搬送路R0への記録紙P2の通紙がない場合は(STEP16でNo)、制御部10は、入出力インターフェース106より、ファン76の駆動を停止させる制御信号をファン駆動部78に送信して(STEP17)、通紙風量の設定動作を終了する。このように、印字動作に伴って、記録紙P2が主搬送路R0を搬送されるとき、制御部10がファン76による風向と風量を制御することで、記録紙P2が理想経路を通過する。
次に、制御部10による清掃風量の設定動作について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。記録紙P2への印字動作が終了することで、上述の通紙風量の制御動作が終了すると、制御部10は、分離爪70及び除電針71それぞれのトナー汚れを除くべく、ファン76の駆動制御を開始する(STEP51)。この清掃風量の設定動作を開始すると、清掃風量設定部109は、設定用パラメーターとして、RAM103に格納された記録紙P2の通紙位置を表す検出距離Tx、前回の印字動作における印字枚数Px、前回の印字動作における平均印字率(平均画像濃度)Dx、不図示の湿度センサーで測定された装置本体2内の湿度Hxそれぞれを読み出す(STEP52)。
清掃風量設定部109は、検出距離Txより風量設定係数E1を、印字枚数Pxより風量設定係数E2を、平均印字率Txより風量設定係数E3を、湿度Hxより風量設定係数E4を、それぞれ算出する(STEP53〜STEP56)。そして、清掃風量設定部109は、STEP53〜56それぞれで算出された風量設定係数E1〜E4を加算して、総係数E(=E1+E2+E3+E4)を算出する(STEP57)。更に、清掃風量設定部109は、算出した総係数Eと閾値Ethとを比較して、ファン76を駆動制御するための風量設定値を決定する(STEP58〜STEP60)。
このとき、例えば、清掃風量設定部109は、STEP53において、検出距離TxがT1以下となる場合、風量設定係数E1を「1」に設定し、検出距離TxがT1<Tx≦T2の範囲となる場合、風量設定係数E1を「2」に設定し、検出距離TxがT2<Tx≦T3の範囲となる場合、風量設定係数E1を「3」に設定し、検出距離TxがT3<Tx≦T4の範囲となる場合、風量設定係数E1を「4」に設定し、検出距離TxがT4より大きくなる場合、風量設定係数E1を「5」に設定する。即ち、前の印字動作時において、記録紙P2が分離爪70に近い位置を搬送された場合に、風量設定係数E1を大きい値に設定する。
又、清掃風量設定部109は、STEP54において、印字枚数PxがPx1以下となる場合、風量設定係数E2を「1」に設定し、印字枚数PxがPx1<Px≦Px2の範囲となる場合、風量設定係数E2を「2」に設定し、印字枚数PxがPx2<Px≦Px3の範囲となる場合、風量設定係数E2を「3」に設定し、印字枚数PxがPx3<Px≦Px4の範囲となる場合、風量設定係数E2を「4」に設定し、印字枚数PxがPx4より大きくなる場合、風量設定係数E2を「5」に設定する。即ち、前の印字動作時において印字枚数が多い場合に、風量設定係数E2を大きい値に設定する。尚、風量設定係数E2を決める指標となる印字枚数Px1,Px2,Px3,Px4について、例えば、100枚、200枚、300枚、400枚とされる。
又、清掃風量設定部109は、STEP55において、平均印字率DxがD1以下となる場合、風量設定係数E3を「1」に設定し、平均印字率DxがD1<Dx≦D2の範囲となる場合、風量設定係数E3を「2」に設定し、平均印字率DxがD2<Dx≦D3の範囲となる場合、風量設定係数E3を「3」に設定し、平均印字率DxがD3<Dx≦D4の範囲となる場合、風量設定係数E3を「4」に設定し、平均印字率DxがD4より大きくなる場合、風量設定係数E3を「5」に設定する。即ち、前の印字動作時において印字率が高く、記録紙P2へ転写されたトナー量が多い場合に、風量設定係数E3を大きい値に設定する。尚、風量設定係数E3を決める指標となる平均印字率D1,D2,D3,D4について、例えば、10%、20%、30%、40%とされる。
又、清掃風量設定部109は、STEP56において、湿度HxがH1以下となる場合、風量設定係数E4を「5」に設定し、湿度HxがH1<Hx≦H2の範囲となる場合、風量設定係数E4を「3」に設定し、湿度HxがH2<Hx≦H3の範囲となる場合、風量設定係数E4を「1」に設定し、湿度HxがH3<Hx≦H4の範囲となる場合、風量設定係数E4を「3」に設定し、湿度HxがH4より大きくなる場合、風量設定係数E4を「5」に設定する。尚、風量設定係数E4を決める指標となる湿度H1,H2,H3,H4について、例えば、20%、40%、60%、80%とされる。
更に、清掃風量設定部109は、STEP58において、例えば、STEP57で算出した総係数Eが閾値Eth以上となる場合(Yes)、風量設定値を「−4」に設定する一方で(STEP59)、総係数Eが閾値Ethより小さい場合(No)、風量設定値を「−3」に設定する(STEP60)。このとき、例えば、閾値Ethを「12」とすることで、総係数Eが12〜25となる場合は(STEP58でNo)、ファン76を排出方向に風量4で駆動させるべく、風量設定値を「−4」に設定し(STEP59)、総係数Eが4〜11となる場合は、ファン76を排出方向に風量3で駆動させるべく、風量設定値を「−3」に設定する(STEP60)。
そして、STEP59又はSTEP60において、清掃風量設定部109が風量設定値を設定すると、制御部10は、設定された風量設定値に基づく制御信号を生成し、入出力インターフェース106よりファン駆動部78に送信する(STEP61)。ファン駆動部78は、制御部10より送信された制御信号による風量設定値を確認すると、風量設定値により指定される風向及び風量にあわせて、ファン76を駆動する。これにより、主搬送路R0から空気流路75に向かうエアフローが形成され、分離爪70及び除電針71それぞれに付着しているトナー等の粉塵が空気流路75側に吸引され、分離爪70及び除電針71それぞれの汚れが除去される。このとき、ファン76による風量を3以上とすることで、清掃風量を通紙風量よりも大きい値に設定して、分離爪70及び除電針71それぞれを短時間で強力な清掃を行うことができる。
STEP61において、ファン駆動部78へ制御信号を出力すると、制御部10は、印字動作の開始を指示する信号を入出力インターフェース106又は通信インターフェース107で受け付けたか否かを確認する(STEP62)。このとき、印字動作が開始されていない場合は(STEP62でNo)、清掃用のエアフローを発生させるべく、ファン76を駆動させてから所定時間が経過したか否かを確認する(STEP63)。そして、所定時間が経過していない場合は(STEP63でNo)、STEP62に移行する。尚、STEP63で判定される時間については、図7に示すフローチャートによる動作を開始したときに、制御部10が不図示のタイマー等で計時動作を行うことで、測定されるものとして構わない。又、印字動作が開始される場合(STEP62でYes)、又は、所定時間が経過した場合(STEP63でYes)、ファン76の駆動を停止させる制御信号をファン駆動部78に送信して(STEP64)、清掃風量の設定動作を終了する。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態の画像形成装置について、以下に、図面を参照して説明する。図8は、本実施形態における画像形成装置の制御部による清掃風量の設定動作を示すフローチャートである。尚、図8のフローチャートにおいて、図7のフローチャートと同一の動作フローについては、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。又、本実施形態の画像形成装置において、転写部より下流側の構成及び制御部の構成についてはそれぞれ、第1の実施形態と同様、図3及び図4に示す構成となる。更に、本実施形態の画像形成装置の制御部は、第1の実施形態と同様、図5のフローチャートに従って通紙風量の設定動作を行う。
本実施形態の画像形成装置1における制御部10による清掃風量の設定動作について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。本実施形態の画像形成装置1は、位置検出センサー77をフォトセンサーで構成することにより、位置検出センサー77で分離爪70表面の汚れ度を検出できる。ここで、汚れ度は、位置検出センサー77からの検出信号と対応付けて予め定められた汚れの指標となる値である。従って、制御部10は、以下に説明するように、位置検出センサー77による検出結果に基づいて、清掃風量を設定する。
第1の実施形態と同様、記録紙P2への印字動作が終了することで、通紙風量の制御動作が終了すると、制御部10は、分離爪70及び除電針71それぞれのトナー汚れを除くべく、ファン76の駆動制御を開始する(STEP51)。このように清掃風量の設定動作が開始されると、位置検出センサー77により、分離爪70表面の汚れ度が検出され、その検出信号が制御部10に送信される。従って、制御部10は、入出力インタフェース106において、位置検出センサー77からの検出信号を受信する(STEP101)。
位置検出センサー77からの検出信号が、清掃風量設定部109に与えられると、清掃風量設定部109が、この検出信号に基づいて、分離爪70表面の汚れ度D1を算出する(STEP102)。そして、清掃風量設定部109は、まず、位置検出センサー77による検出結果より、分離爪70表面における汚れの有無を判定する(STEP103)。このとき、分離爪70表面に汚れがある場合は(STEP103でYes)、清掃風量設定部109は、次に、分離爪70表面の汚れ度D1が閾値Dthより大きいか否かを判定する(STEP104)。
STEP104において、清掃風量設定部109は、分離爪70表面の汚れ度D1が閾値Dthより大きい場合は(Yes)、風量設定値を「−4」に設定し(STEP59)、分離爪70表面の汚れ度D1が閾値Dth以下である場合は(No)、風量設定値を「−3」に設定する(STEP60)。STEP59及びSTEP60において、清掃風量設定部109が風量設定値を設定すると、制御部10は、設定された風量設定値に基づく制御信号をファン駆動部78に送信する(STEP61)。これにより、分離爪70表面の汚れが激しい場合は、ファン76を排出方向に風量4で駆動させる一方で、分離爪70表面の汚れが少ない場合は、ファン76を排出方向に風量3で駆動させる。即ち、ファン76によるエアフローの風量が、分離爪70の汚れ具合によって調整される。
STEP61で制御部10が制御信号を送信した後は、第1の実施形態と同様、印字動作の開始指示の有無が確認される(STEP62)。このとき、印字動作の開始指示がない場合は(STEP62でNo)、STEP101に移行して、位置検出センサー77による検出信号を受信して、分離爪70表面の汚れ度に基づく、上記の清掃風量の設定動作を繰り返す。又、印字動作が開始される場合(STEP62でYes)、又は、分離爪70表面に汚れがない場合(STEP103でNo)、ファン76の駆動を停止させる制御信号をファン駆動部78に送信して(STEP64)、清掃風量の設定動作を終了する。
このように、本実施形態では、第1の実施形態と異なり、分離爪70の汚れ具合に基づいて、ファン76の排気動作が制御されるため、ファン76を効率よく駆動させることができる。結果、分離爪70の汚れにあわせて必要な風量のエアフローを形成できるだけでなく、分離爪70の汚れがなくなったときには、ファン76を停止させることができるため、消費電力を抑制できる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態の画像形成装置について、以下に、図面を参照して説明する。図9は、本実施形態における画像形成装置の転写部より下流側の構成を示す概略断面図である。尚、図9の構成において、図3の構成と同一の構成部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。又、本実施形態の画像形成装置において、制御部の構成については、第1の実施形態と同様、図4に示す構成となる。
本実施形態の画像形成装置1は、図9に示すように、第1の実施形態(図3参照)と異なり、搬送ガイド72bに、空気流路79が設けられた構成となるよう、空気流路79の上下にガイド部721,722を備える。又、空気流路79は、空気流路75と同様、主搬送路R0に対向する面が開口されるとともに、この開口面と逆側に吸排気可能なファン80が設けられる。このファン80は、ファン76と同様、ファン駆動部78によって駆動制御される。
更に、空気流路79上側のガイド部721が、主搬送路R0を通過する記録紙P2の位置を検出する位置検出センサー771を保持するセンサーホルダーを兼ねる。同様に、空気流路79下側のガイド部722が、主搬送路R0を通過する記録紙P2の位置を検出する位置検出センサー772と除電針71の汚れ度を検知する汚れ度検出センサー773とを保持するセンサーホルダーを兼ねる。
このとき、位置検出センサー771,772及び汚れ度検出センサー773がそれぞれ、フォトセンサーで構成されるとともに、位置検出センサー772は、第2の実施形態と同様、分離爪70の汚れ度の検出も行う。又、空気流路75の開口部には、空気流路75からのエアフローの風向を制御するルーバー751が設けられる。更に、図示しないが、空気流路79についても、空気流路75と同様、装置本体2の機外に対して開放された構成とされるとともに、機外への開放部分には防塵フィルタなどが設けられ、環境汚染につながる粉塵を外部に排出しないよう構成されている。
このように構成される搬送ガイド72bを有する画像形成装置1における、通紙風量の制御動作について、図10及び図11に示すフローチャートを参照して、以下に説明する。尚、図10及び図11のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一の動作フローについては、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
制御部10は、印字動作の開始を指示する信号を受けて、通紙風量の制御動作を開始すると(STEP1)、まず、ルーバー751を水平位置(主搬送路R0に対して垂直となる方向)とする制御信号を生成し、入出力インターフェース106よりファン駆動部78に出力する(STEP201)。これにより、ルーバー751は、空気流路75の開口位置で空気流路と平行になる水平位置に設定され、空気流路75によるエアフローの風向が、空気流路80によるエアフローの風向と同様、主搬送路R0に対して垂直な方向となる。
その後、CPU101が、ファン76,80それぞれを駆動制御するための風量設定値「FN1」、「FN2」をRAM103から読みだして、制御信号を、入出力インターフェース106よりファン駆動部78に出力する(STEP2A)。これにより、ファン駆動部78は、制御部10からの制御信号に基づいて、前回に設定された風量設定値FN1,FN2による風向及び風量のエアフローを形成するべく、ファン76,80それぞれを駆動する。その後、制御部10は、記録紙P2の通紙開始を示す制御信号を給紙機構8に出力する(STEP3)。
このようにして印字動作が開始すると、制御部10は、位置検出センサー772による検出信号を受信し(STEP4)、分離爪70位置における通紙位置を表す検出距離Txを算出する(STEP5)。そして、制御部10は、通紙風量設定部108において、検出距離Txに基づき、ファン76の風量設定値FN1を決定した後(STEP6〜STEP14)、この風量設定値FN1による制御信号をファン駆動部78に出力して、ファン駆動部78にファン76の風向及び風量を制御させる(STEP15)。
制御部10は、STEP15で位置検出センサー772の検出信号に基づくファン76の駆動制御を行った後、次に、STEP4A〜STEP15Aにおいて、上述のSTEP4〜STEP15と同様の動作を行うことで、位置検出センサー771の検出信号に基づくファン80の駆動制御を行う。
即ち、制御部10は、位置検出センサー771による検出信号を受信すると(STEP4A)、通紙風量設定部108において、分離爪70の下流側における記録紙P2の通知位置を示す検出距離Tyを算出する(STEP5A)。そして、通紙風量設定部108は、算出した検出距離Tyと、位置検出センサー771からの距離T1〜T4との関係に基づき、ファン80を駆動するための風量設定値FN2を決定する(STEP6A〜STEP13A)。その後、通紙風量設定部108は、設定した風量設定値FN2をRAM103に格納した後(STEP14A)、この風量設定値FN2による制御信号をファン駆動部78に出力して、ファン駆動部78にファン80の風向及び風量を制御させる(STEP15A)。
制御部10は、STEP15Aによる制御信号の送信を行った後、次に主搬送路R0に通紙される記録紙P2の有無を確認する(STEP16)。このとき、主搬送路R0への記録紙P2の通紙がある場合は(STEP16でYes)、STEP4に移行して、通紙風量設定部108による風量設定動作を繰り返す。一方、主搬送路R0への記録紙P2の通紙がない場合は(STEP16でNo)、制御部10は、入出力インターフェース106より、ファン76,80それぞれの駆動を停止させる制御信号をファン駆動部78に送信して(STEP17)、通紙風量の設定動作を終了する。このように、印字動作に伴って、記録紙P2が主搬送路R0を搬送されるとき、制御部10がファン76,80による風向と風量を制御することで、記録紙P2が理想経路を通過する。
次に、本実施形態の画像形成装置1における、清掃風量の設定動作について、図12に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図12のフローチャートにおいて、図8のフローチャートと同一の動作フローについては、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
第2の実施形態と同様、記録紙P2への印字動作が終了すると、制御部10は、分離爪70及び除電針71それぞれのトナー汚れを除くべく、ファン76,80の駆動制御を開始する(STEP51)。そして、制御部10は、位置検出センサー772及び汚れ度検出センサー773からの検出信号を受信する(STEP101A)。制御部10は、位置検出センサー772からの検出信号より、分離爪70表面の汚れ度D1を算出した後(STEP102)、汚れ度検出センサー773からの検出信号より、除電針71の汚れ度D2を算出する(STEP102A)。
その後、清掃風量設定部109は、まず、位置検出センサー772による検出結果より、分離爪70表面における汚れの有無を判定する(STEP103)。このとき、分離爪70表面に汚れがない場合は(STEP103でNo)、次に、汚れ度検出センサー773による検出結果より、除電針71における汚れの有無を判定する(STEP103A)。このSTEP103Aでの判定動作において、清掃風量設定部109が、除電針71に汚れがないと判定した場合は(No)、ファン76の駆動を停止させる制御信号をファン駆動部78に送信して(STEP64)、清掃風量の設定動作を終了する。
一方、STEP103及びSTEP103Aにおいて、分離爪70又は除電針71のいずれかに汚れがある場合は、清掃風量設定部109は、分離爪70の汚れ度D1と除電針71の汚れ度D2とを比較する(STEP251)。このとき、分離爪70の汚れ度D1が大きい場合は(D1>D2)、ルーバー751を分離爪70側に傾けるべく、ルーバー751の角度を仰角に設定し(STEP252)、除電針71の汚れ度D2が大きい場合は(D2>D1)、ルーバー751を除電針71側に傾けるべく、ルーバー751の角度を俯角に設定する(STEP253)。更に、分離爪70の汚れ度D1と除電針71の汚れ度D2とが一致する場合は(D1=D2)、ルーバー751を水平状態に設定する(STEP254)。
STEP252〜STEP254において、清掃風量設定部109は、ルーバー751の傾斜角度を設定すると、入出力インターフェース106を介して、傾斜角度を示す制御信号をファン駆動部78に出力する。従って、ファン駆動部78は、制御部10から受けた制御信号に基づいて、STEP252〜STEP254のいずれかで設定された傾斜角度となるよう、ルーバー751を回転駆動する。従って、分離爪70の汚れ度D1が大きい場合、図13(a)に示すように、ルーバー751が分離爪70側に向き、除電針71の汚れ度D1が大きい場合、図13(b)に示すように、ルーバー751が除電針71側に向く。更に、分離爪の70及び除電針71の汚れ度D1,D2が等しい場合、図13(c)に示すように、ルーバー751が水平状態となる。
そして、清掃風量設定部109は、ルーバー751を仰角に設定すると(STEP252)、分離爪70の汚れ度D1が閾値Dthより大きいか否かを判定する(STEP104)。そして、分離爪70表面の汚れ度D1が閾値Dthより大きい場合は(STEP104でYes)、ファン76,80それぞれの風量設定値を「+4」、「−4」に設定し(STEP59A)、分離爪70表面の汚れ度D1が閾値Dth以下である場合は(STEP104でNo)、ファン76,80それぞれの風量設定値を「+3」、「−3」に設定する(STEP60A)。一方、清掃風量設定部109は、ルーバー751を水平又は俯角に設定すると(STEP253,STEP254)、除電針71の汚れ度D2が閾値Dthより大きいか否かを判定する(STEP104A)。そして、除電針71の汚れ度D2が閾値Dthより大きい場合は(STEP104AでYes)、ファン76,80それぞれの風量設定値を「+4」、「−4」に設定し(STEP59B)、除電針71の汚れ度D2が閾値Dth以下である場合は(STEP104AでNo)、ファン76,80それぞれの風量設定値を「+3」、「−3」に設定する(STEP60A)。
STEP59A、STEP59B及びSTEP60Aにおいて、清掃風量設定部109が風量設定値を設定すると、制御部10は、設定された風量設定値でに基づく制御信号をファン駆動部78に送信する(STEP61A)。これにより、分離爪70及び除電針71のうちの少なくとも一方の汚れが激しい場合は、ファン76を吸入方向に風量4で駆動させると同時に、ファン80を排出方向に風量4で駆動させる。一方、分離爪70及び除電針71のいずれの汚れも少ない場合は、ファン76を吸入方向に風量3で駆動させると同時に、ファン80を排出方向に風量3で駆動させる。即ち、空気流路75から主搬送路R0に流れた後に空気流路80により装置本体2外部に誘導されるエアフローの風量が、分離爪70及び除電針71の汚れ具合によって調整される。
STEP61Aで制御部10が制御信号を送信した後は、第2の実施形態と同様、印字動作の開始指示の有無が確認される(STEP62)。このとき、印字動作の開始指示がない場合は(STEP62でNo)、STEP101Aに移行して、位置検出センサー772及び汚れ度検出センサー773による検出信号を受信して、分離爪70及び除電針71の汚れ度に基づく、上記の清掃風量の設定動作を繰り返す。又、印字動作が開始される場合(STEP62でYes)、STEP64に移行して、清掃風量の設定動作を終了する。
このように、本実施形態では、清掃動作を行う際、空気流路75から主搬送路R0を介して空気流路79へ向かうエアフローを形成することで、分離爪70及び除電針71の汚れをより効率的に除去できる構成とできる。又、分離爪70及び除電針71それぞれの汚れ度合いに併せて、ルーバー751の傾斜角度を変更できる構成とすることにより、各部の汚れをより効果的に除去できる。
尚、上述の清掃風量の設定動作において、分離爪70と除電針71の汚れ度を比較したとき、その汚れ具合の激しい方を対象として、ルーバー751の傾斜角度が設定されるものとしたが、例えば、分離爪70及び除電針71のいずれかの汚れが優先されて、ルーバー751の傾斜角度が設定されるものであってもよい。例えば、分離爪70の汚れが優先される場合は、分離爪70の汚れ度D1が所定値以上であるか否かを判定し、分離爪70の汚れ度D1が所定値を下回るまで、ルーバー751の傾斜角度を分離爪70に向かう仰角に設定するものとしてもよい。そして、分離爪の70の汚れ度D1が所定値を下回ったとき、除電針71の汚れ度D2が所定値以上である場合に、ルーバー751の傾斜角度を除電針71に向かう俯角に設定される。
本実施形態において、主搬送路R0の通紙状態を安定させるべく、エアフローを発生させる2つの空気流路75,79を主搬送路R0に沿って設ける構成としたが、2つの空気流路に限らず、例えば、図14に示すように、3つ以上の空気流路75,79,791が主搬送路R0に沿って設けられるものとしても構わない。尚、3つ以上の空気流路75,79,791が主搬送路R0に沿って設けられる場合、印字動作を行う際には、空気流路75,79,791それぞれに設けられたファン76,80,801によりエアフローを発生させる。一方、印字動作の停止後においては、主搬送路R0下流側の空気流路791からのエアフローを停止させ、空気流路75により吸入方向のエアフローを発生させると同時に、空気流路79により排出方向のエアフローを発生させることで、分離爪70又は除電針71それぞれの汚れを除去するものとしても構わない。
尚、上述の各実施形態において、空気流路に単一のファンが配置されるものとしたが、主搬送路R0で搬送される記録紙P2の通紙幅に沿って複数のファンが配置されるものとしても構わない。図15には、空気流路75に3つのファン76a,76b,76cが配置された例を示す。このような構成において、例えば、紙幅の狭い記録紙P2a(波線)が搬送される場合は、中央に配置されたファン76bのみを駆動させる一方で、紙幅の広い記録紙P2b(一点鎖線)が搬送される場合は、3つのファン76a〜76c全てを駆動させる。これにより、記録紙P2の通紙幅に応じてファン76a〜76cを駆動させることができ、その消費電力を抑制できる。又、3つのファン76a〜76cを駆動させる場合に、ファン76a〜76cそれぞれの風量を最適に制御することで、記録紙P2の通紙姿勢を最適なものに制御できる。
又、上述の各実施形態において、転写部5と定着部6の間の搬送路に記録紙P2の通紙を制御するための空気流路が設けられる構成としたが、定着部6の下流側にも、ファンを有する空気流路が設けられる構成としても構わない。このとき、定着部6の下流側に設けられる空気流路についても、上述のように、主搬送路R0に沿って複数設けられるものとしても構わないし、この空気流路に設けられるファンが通紙幅方向に複数配置されるものとしても構わない。
更に、本願発明における画像形成装置として、電子写真方式による画像形成装置を例に挙げて説明したが、上述の各実施形態における、給紙トレイ及び給紙機構のそれぞれを備えるものであれば、電子写真方式に限られず、インクジェット方式など、他の方式による画像形成装置であっても構わない。又、本願発明における画像形成装置として、上述の各実施形態における、給紙トレイ及び給紙機構のそれぞれを備えるものであれば、コピー機能、スキャナー機能、プリンター機能、ファックス機能を有するMFP(Multifunction Peripheral)であっても構わないし、プリンター、コピー機、ファクシミリ等であっても構わない。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。