以下、図1〜図14を参照して、実施形態のICタグ読取装置およびプログラムを詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、ICタグ読取装置としてハンディ型のRFIDリーダライタを用いて説明するが、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、実施形態では、店舗の例として、衣類等を販売するアパレルショップの説明をするが、他の商品を販売する店舗であってもよい。
図1は、実施形態に係るシステム図である。図1において、衣料品を販売するアパレルショップの店舗Pには、複数個の棚Tとストアサーバ10とが設置されている。各棚Tには、複数段の棚段が設けられている(図2を参照)。各棚Tには、店舗Pで販売する衣料品(以降「商品」という)が陳列されている。各商品には、それぞれ一つのIC(Integrate Circuit)タグが付されている。ICタグは、商品と一体的に付されている。例えば、ICタグは粘着剤で商品に貼付されている。また、例えば、ICタグは、その全部または一部が商品に縫い付けられている。ICタグは、付された商品の種類と商品の個々を特定する情報を記憶する。
また、店舗Pには、店舗で販売される商品の管理を実行するストアサーバ10が設置されている。ストアサーバ10は、店舗内に設置されたPOS(Point of Sale)端末(図示せず)で生成された、店舗で販売された商品の商品販売情報を収集して記憶する。また、ストアサーバ10は、棚Tに商品を陳列した数とPOS端末で販売された商品数から、現在棚Tに陳列されている商品の数を管理する。
ハンディ型のRFID(Radio Frequency Identification)リーダライタ1は、棚Tに陳列された商品のICタグの情報を読み取る(詳細は図3を参照)。
次に、図2を用いて、棚Tの詳細を説明する。図2において、実施形態では、棚Tは、上段部に棚段T1、中段部に棚段T2、下段部に棚段T3の3段の棚段を有している。各棚段はそれぞれ、棚タグ部TBと商品Sを陳列する陳列部TCとを有する。棚Tの上段部の棚タグ部TBには、棚段タグTT1が貼付されている。棚段タグTT1は、対応する棚段が棚段T1であることを示す棚段コードを記憶している。棚Tの中段部の棚タグ部TBには、棚段タグTT2が貼付されている。棚段タグTT2は、対応する棚段が棚段T2であることを示す棚段コードを記憶している。棚Tの下段部の棚タグ部TBには、棚段タグTT3が貼付されている。棚段タグTT3は、対応する棚段が棚段T3であることを示す棚段コードを記憶している。
棚Tの陳列部TCには、商品SがSKU(Stock Keeping Unit)別に整列して陳列されている。SKU(商品種類特定情報)は、商品Sの在庫数や販売数を管理する最小分類単位を意味し、例えば商品Sの種類を特定する商品コードである。
商品Sの個々には、当該商品Sが属するSKUと当該商品Sに付されたICタグの個々を特定するユニークコード(ICタグ識別情報)を対応付けて記憶するICタグSTが付されている。ユニークコード(ICタグ識別情報)は、当該ICタグが付された商品を個々に特定する。
図2の例では、上段部の棚段T1の陳列部TCには、SKU1の商品SとSKU2の商品SとSKU3の商品Sが陳列されている。また、中段部の棚段T2の陳列部TCには、SKU4の商品SとSKU5の商品Sが陳列されている。さらに、下段部の棚段T3の陳列部TCには、SKU6の商品SとSKU7の商品SとSKU8の商品Sが陳列されている。
図3は、実施形態に係るRFIDリーダライタ1を側面から見た側面図である。図3において、RFIDリーダライタ1は、本体部2と、アンテナ部3と、グリップ部4とトリガースイッチ5とを備えている。アンテナ部3は、本体部2に対し前側に配置され、操作者が操作時に握るグリップ部4はアンテナ部3に対し後ろ側に配置される。アンテナ部3は、最前部に平面部39を有する。また、アンテナ部3は、内部に略四角形の平面形状に形成されたアンテナ33を内蔵する。アンテナ33は、平面部39と略並行に設けられている。
トリガースイッチ5はグリップ部4に組み込まれている。トリガースイッチ5は、アンテナ部3から電波を放射/停止するためのスイッチである。操作者が、グリップ部4を握りながらトリガースイッチ5を操作すると、RFIDリーダライタ1は、アンテナ部3から電波を放射する。操作者がトリガースイッチ5の操作を解除すると、RFIDリーダライタ1は、アンテナ部3からの電波の放射を停止する。また、RFIDリーダライタ1は、上部に各種操作を行う操作部22および各種表示を行う表示部21を備えている。
次に、図4を用いてRFIDリーダライタ1の回路構成について説明する。本体部2に主制御用の制御部30が搭載される。制御部30は、制御主体となるCPU(Central Processing Unit)36、主にプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)37、各種データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)38等によって構成される。
制御部30は、CPU36がROM37やメモリ31に記憶されRAM38に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。この制御部30に、上記表示部21および操作部22、さらにHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性のメモリ31、無線部32、通信I/F35が接続されている。また、制御部30には、トリガースイッチ5の出力(アナログ値)をA/D変換するA/Dコンバータ34も接続されている。制御部30は、トリガースイッチ5からオンの信号が入力されると、アンテナ33に、ICタグSTが応答し、ICタグSTに記憶された情報をアンテナ33で受信して収集するための電波を放射させる。なお、図示しないが、RFIDリーダライタ1は、各回路を駆動するための電池を内蔵している。
メモリ31は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムおよび入力データを記憶する。また、メモリ31は、後述する指定フラグを記憶する。指定フラグが「0」である場合は、制御部30は、通常の出力レベルで電波を放射する。また、指定フラグが「1」である場合は、制御部30は、通常の出力レベルより大出力の大出力レベルで電波を放射する。無線部32は、D/Aコンバータ32a、放射回路32b、受信回路32c、A/Dコンバータ32d、送受信切替器32eを備えている。D/Aコンバータ32aは、制御部30からの放射用データおよび制御用データをそれぞれ別系統でD/A変換し放射回路32bに供給する。
放射回路32bは、入力された放射用信号に対し所定の変調および出力パワーの調整を行い、変調された信号を、放射と受信を切り替える送受信切替器32eを介してアンテナ33に出力する。一方、アンテナ33で受信されたICタグSTからの応答信号(応答電波)は、送受信切替器32eを介して受信回路32cに供給される。そして、受信回路32cは応答信号を復号し、復号された応答信号はA/Dコンバータ32dがA/D変換して制御部30に渡す。
通信I/F35は、無線通信を使用してストアサーバ10に情報を送信し、またストアサーバ10から情報を受信する。
次に、図5を用いて、ICタグSTについて説明する。ICタグSTは、アンテナ41、送受信部42、制御部43、起電力部44、メモリ45を備えている。アンテナ41は、RFIDリーダライタ1のアンテナ33から放射された電波を受信する。送受信部42は、アンテナ41での電波の送受信を制御する。起電力部44は、アンテナ41がRFIDリーダライタ1から受信した電波に基づいて、ICタグSTを起動して情報をRFIDリーダライタ1に送信する等の制御をするための電力を発生する。メモリ45は、ICタグSTが付された商品Sの商品情報や、当該ICタグSTを特定するICタグ情報等を記憶する。
図6は、メモリ45に記憶されているICタグ情報46を示す。図6において、ICタグ情報46は、SKU部461とユニークコード部462とを有する。SKU部461は、当該ICタグSTが付された商品Sの種類を特定するSKUが記憶されている。個々の商品が異なっても、同一の種類の商品であれば、ICタグSTのSKU部461には同一のSKUが記憶されている。ユニークコード部462は、当該ICタグSTが付された商品S一つ一つを個々に特定するユニークコードが記憶されている。ユニークコードは、例えば同じ種類の商品であっても商品個々で異なって付される。
図7は、ストアサーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。図7において、ストアサーバ10は、制御主体となるCPU11、各種プログラムを記憶するROM12、各種データを展開するRAM13、各種プログラムを記憶するメモリ部14等を備えている。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラム141に従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラム141を含むプログラム等を記憶する。また、メモリ部14は、図8で後述する棚マスタ142を記憶している。
データバス15には、操作部17、表示部18が、コントローラ16を介して接続されている。また、データバス15は、無線の通信回線50と電気的に接続する通信I/F19を接続している。
次に、図8を用いて、メモリ部14に記憶されている棚マスタ142について説明する。棚マスタ142は、棚段コードに対応して、各棚段に現在陳列されている商品Sの種類と個々の商品Sの情報を棚段毎に記憶する。棚マスタ142は、棚段部1421、SKU部1422、ユニークコード部1423を有している。
棚段部1421は、店舗Pに設置された棚Tが有する各棚段を特定する棚段コードが記憶された棚段タグTT(実施形態では棚段T1に対応する棚段タグTT1、棚段T2に対応する棚段タグTT2、棚段T3に対応する棚段タグTT3)を記憶する。SKU部1422は、各棚段に陳列されている商品SのSKUを、該当する棚段の棚段コードに対応して記憶する。ユニークコード部1423は、各棚段に陳列されている商品Sのユニークコードを、当該商品Sが属するSKUに対応して記憶する。
実施形態では、棚段タグTT1に記憶された棚段コードに対応して、SKU部1422は、SKU1とSKU2とSKU3を記憶している。これは、棚段T1には、SKU1の商品と、SKU2の商品と、SKU3の商品が現在陳列されていることを示す。
同様に、棚段タグTT2に記憶された棚段コードに対応して、SKU部1422は、SKU4とSKU5を記憶している。棚段タグTT3に記憶された棚段コードに対応して、SKU部1422は、SKU6とSKU7とSKU8を記憶している。
また、実施形態では、SKU1に対応して、ユニークコード「0001」「0002」「0003」「0004」を記憶している。これは、SKU1として現在陳列されている商品Sが「0001」「0002」「0003」「0004」であることを示す。また、SKU2に対応して、ユニークコード「0005」「0006」を記憶している。これは、SKU2として現在陳列されている商品Sが「0005」「0006」であることを示す。また、SKU3に対応して、ユニークコード「0007」「0008」「0009」「0009」を記憶している。これは、SKU3として現在陳列されている商品Sが「0007」「0008」「0009」であることを示す。SKU4〜SKU8についても同様である。
なお、商品SがPOS端末によって販売されると、当該商品Sのユニークコードは棚マスタ142から消去される。また新たに商品Sが棚段に補充されると、補充された商品Sのユニークコードは、ストアサーバ10から入力されて、棚マスタ142に新たに記憶される。また、商品Sが販売されたため該当するSKUの商品Sが「0」になった場合は、当該SKUは棚マスタ142から消去される。一方、補充した商品Sが新たなSKUである場合は、当該SKUを棚マスタ142に追加記憶する。
実施形態では、店舗Pに設置されたある一つの棚Tについて、棚マスタ142を用いて棚段部1421、SKU部1422、ユニークコード部1423を説明したが、店舗Pに設置されている他の棚Tについてもすべて同様の棚マスタを備えている。
続いて、図9〜図13を用いて、RFIDリーダライタ1の制御処理について説明する。図9は、RFIDリーダライタ1の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部30が、ROM37やメモリ31に記憶された制御プログラムを含む各種プログラムに従うことで、第1放射手段301、第1記憶手段302、第1受信手段303、第1放射終了手段304、第2放射手段305、第2記憶手段306、第2受信手段307、第2放射終了手段308、第3放射手段309、第3記憶手段310、第3受信手段311、第3放射終了手段312として機能する。
第1放射手段301は、商品に付され商品の種類を特定する商品種類特定情報(SKU)を記憶したICタグに向けて電波を放射する機能を有する。
第1記憶手段302は、少なくとも管理対象となる商品種類特定情報(SKU)を記憶する機能を有する。
第1受信手段303は、放射された電波に応答し前記ICタグから送信された商品種類特定情報(SKU)を受信する機能を有する。
第1放射終了手段304は、受信手段が、記憶した管理対象となるすべての商品種類特定情報(SKU)を受信した場合に、電波の放射を終了させる機能を有する。
第2放射手段305は、商品に付されたICタグであって、ICタグを個々に識別するICタグ識別情報(ユニークコード)を記憶したICタグに向けて電波を放射する機能を有する。
第2記憶手段306は、少なくとも管理対象となるICタグ識別情報(ユニークコード)を記憶する機能を有する。
第2受信手段307は、放射された電波に応答し前記ICタグから送信されたICタグ識別情報(ユニークコード)を受信する機能を有する。
第2放射終了手段308は、受信手段が、記憶した管理対象となるICタグ識別情報(ユニークコード)のうち所定割合のICタグ識別情報(ユニークコード)を受信した場合に、電波の放射を終了させる機能を有する。
第3放射手段309は、商品に付されたICタグであって、商品の種類を特定する商品種類特定情報(SKU)とICタグを個々に識別するICタグ識別情報(ユニークコード)とを記憶した前記ICタグに向けて電波を放射する機能を有する。
第3記憶手段310は、少なくとも管理対象となる商品種類特定情報(SKU)と、当該商品種類特定情報(SKU)に属する前記ICタグ識別情報(ユニークコード)とを対応付けて記憶する機能を有する。
第3受信手段311は、放射された電波に応答しICタグから送信された商品種類特定情報(SKU)とICタグ識別情報(ユニークコード)とを受信する機能を有する。
第3放射終了手段312は、受信手段が、記憶した管理対象となるすべての商品種類特定情報(SKU)を受信しかつ当該商品種類特定情報(SKU)に対応付けて記憶したICタグ識別情報(ユニークコード)のうち所定割合のICタグ識別情報(ユニークコード)を受信した場合に、電波の放射を終了させる機能を有する。
図10〜図13は、RFIDリーダライタ1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図10において、制御部30は、操作者がグリップ部4を握ることでトリガースイッチ5が操作オンされたか否かを判断する(ステップS11)。オン操作されたと判断した場合は(ステップS11のYes)、制御部30は、メモリ31に記憶された指定フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップS12)。
指定フラグが「1」ではない(すなわち指定フラグが「0」である)場合は(ステップS12のNo)、制御部30は、通常の出力レベルで、陳列された商品Sに付されたICタグSTに向けて電波を放射してICタグSTから応答電波を受信する処理(図11と図12を用いて後述する)を実行する(ステップS13)。また、指定フラグが「1」である場合は(ステップS12のYes)、制御部30は、通常出力より大きい大出力で、陳列された商品Sに付されたICタグSTに向けて電波を放射してICタグSTから応答電波を受信する処理(図13を用いて後述する)を実行する(ステップS14)。そして制御部30は、処理を終了する。
また、トリガースイッチ5がオン操作されていないと判断した場合は(ステップS11のNo)、制御部30(特定種類商品指定手段)は、操作部22から特定のSKUが入力されたか否かを判断する(ステップS15)。特定のSKUが入力されたと判断した場合は(ステップS15のYes)、制御部30は、メモリ31に記憶されている指定フラグを「1」にセットする(ステップS16)。そして制御部30は、ステップS11に戻る。また、特定のSKUが入力されていないと判断した場合は(ステップS15のNo)、制御部30は、ステップS11に戻る。
次に、図11を用いて、ステップS13の処理を詳細に説明する。図11において、制御部30(第1放射手段301、第2放射手段305、第3放射手段309)は、通常レベルの出力で、商品Sに付されたICタグSTに向けて電波を放射する(ステップS21)。具体的には、指定フラグが「0」である場合は、制御部30からの指令に基づき、放射回路32bが通常の出力レベルの電波を生成し、アンテナ33から電波を放射する。この状態で、操作者が、RFIDリーダライタ1をいずれかの棚段タグTTに近づけると、近づけた棚段TTから棚段コードを受信する。制御部30は、棚段コードを受信したか否かを判断する(ステップS22)。受信したと判断した場合は(ステップS22のYes)、制御部30は、受信した棚段コードに基づいて、ストアサーバ10に対して受信した棚段コードを通信I/F35を介して送信し、受信した棚段コードに対応するSKUとユニークコードを問合せる(ステップS23)。
そして制御部30は、問合せに対するSKUとユニークコードを通信I/F35を介して受信したか否かを判断する(ステップS24)。受信するまで待機し(ステップS24のNo)、受信したと判断した場合は(ステップS24のYes)、制御部30(第1記憶手段302、第2記憶手段306、第3記憶手段310)は、受信したSKUとユニークコードをメモリ31に記憶する(ステップS25)。RFIDリーダライタ1の操作者は、ステップS25で記憶したSKUとユニークコードに基づいてロケーション管理を実行する。そして制御部30は、ステップS22に戻る。
また、ステップS22において、棚段コードを受信していないと判断した場合は(ステップS22のNo)、制御部30(第1受信手段303、第2受信手段307、第3受信手段311)は、ステップS21で、商品Sに付されたICタグSTに向けて放射した電波に対して、ICタグSTから応答電波を受信したか否かを判断する(ステップS31)。応答電波を受信したと判断した場合は(ステップS31のYes)、制御部30は、応答電波に含まれるICタグ情報(すなわち、当該ICタグSTが記憶しているSKUやユニークコード等)に基づいてICタグ情報受信処理を実行する(ステップS32)。そして制御部30は、処理を終了する。また、ICタグSTから応答電波を受信していないと判断した場合は(ステップS31のNo)、制御部30は、ステップS22に戻る。
次に、図12を用いて、ステップS32で実行されるICタグ情報受信処理を詳細に説明する。図12において、制御部30は、ステップS31で受信したICタグ情報をRAM38に記憶する(ステップS41)。次に制御部30は、ステップS25で記憶したSKUとユニークコードとステップS41で記憶したICタグ情報に基づいて、RFIDリーダライタ1でのICタグSTの読取状況を調査する(ステップS42)。詳細には、制御部30は、まず第1に、ステップS25で記憶したSKUとステップS31で受信したICタグ情報に含まれるSKUとを比較して、ステップS25で記憶したすべてのSKUについてステップS31で記憶したか否かを調査する。第2に、ステップS25で記憶したユニークコードとステップS41で受信したICタグ情報に含まれるユニークコードとを比較して、SKU毎に、SKUに属しているステップS25で記憶されたユニークコードのうちステップS41で記憶したユニークコードの割合(読取率)を算出する。
次に制御部30は、ステップS41で記憶したSKUと、ステップS42で算出したSKU毎のユニークコードの読取率を表示部21に表示する(ステップS43)。そして制御部30は、ステップS42の調査結果として、すべてのSKUを受信したか否かを判断する(ステップS44)。制御部30は、RFIDリーダライタ1がすべてのSKUを受信するまで電波の放射を継続する。
すべてのSKUを受信したと判断した場合は(ステップS44のYes)、制御部30は、すべてのSKUについて、ユニークコードの読取率が90%以上であるか否かを判断する(ステップS45)。すべてのSKUについて、ユニークコードの読取率が90%以上でないと判断した場合は(ステップS45のNo)、制御部30は、ステップS31に戻り、ICタグ情報の受信を継続する。なお、すべてのSKUについて、ユニークコードの読取率が90%以上であるかどうかの判断に代えて、棚T(あるいは特定の棚段)に陳列されているすべての商品に付されているICタグSTのユニークコードの読取率が90%以上であるかどうかの判断でもよい。
また、すべてのSKUについて、ユニークコードの読取率が90%以上であると判断した場合は(ステップS45のYes)、タイマーをオンする(ステップS46)。そして制御部30は、予め定められた所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS47)。所定時間経過していないと判断した場合は(ステップS47のNo)、制御部30は、ICタグSTから応答電波を受信したか否かを判断する(ステップS52)。応答電波を受信したと判断した場合は(ステップS52のYes)、制御部30は、応答電波に含まれるICタグ情報(当該ICタグSTが記憶しているSKUやユニークコード等)をRAM38に記憶する(ステップS53)。ICタグSTから応答電波を受信していないと判断した場合は(ステップS52のNo)、制御部30は、ステップS47に戻る。
一方、ステップS47において、予め定められた所定時間を経過したと判断した場合は(ステップS47のYes)、制御部30は、タイマーをオフする(ステップS48)。そして制御部30(第1放射終了手段304、第2放射終了手段308、第3放射終了手段312)は、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止し、ICタグ情報の読取りを終了する(ステップS49)。
次に制御部30は、メモリ31に記憶されている指定フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップS50)。指定フラグが「1」であると判断した場合は(ステップS50のYes)、制御部30は指定フラグを「0」にセットする(ステップS51)。そして制御部30は処理を終了する。また、指定フラグが「1」ではない(すなわち「0」)と判断した場合は(ステップS50のNo)、制御部30はそのまま処理を終了する。
また、ステップS44において、すべてのSKUを受信していないと判断した場合は(ステップS44のNo)、制御部30は、ステップS31で受信したSKUのうち、ノイズが10%以上あるか否かを判断する(ステップS54)。ここでノイズとは、ステップS25で記憶したSKU以外のSKUをいう。
ノイズが受信したSKUのうちの10%以上ではないと判断した場合は(ステップS54のNo)、制御部30は、ステップS31に戻ってICタグ情報を受信する。また、ノイズが受信したSKUのうちの10%以上であると判断した場合は(ステップS54のYes)、制御部30は、ステップS49以降の処理を実行し、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止する。
例えば、RFIDリーダライタ1から放射される電波の出力が異常に高い場合は、RFIDリーダライタ1は、RFIDリーダライタ1が狙った棚T以外の棚Tに陳列されている商品SのICタグST、または、RFIDリーダライタ1が狙った棚段以外の棚段に陳列されている商品SのICタグSTにも電波が充分届き、これらのICタグSTからICタグ情報(ノイズ)を受信することがある。このノイズが多いと、ロケーション管理に悪影響がでる。そのため、ノイズが受信したSKUの10%以上となる場合は、RFIDリーダライタ1からの電波の放射出力を低くする等の対策をして、再度ロケーション管理を実行する。電波の出力が異常に高い場合以外にも、電波の回り込み等でノイズが10%以上となった場合は、同様にRFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止する。
このように、実施形態では、指定された棚Tに陳列された商品SのすべてのSKUを受信した場合に、制御部30は、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了する。そのため、RFIDリーダライタ1の操作者が、必要以上の時間RFIDリーダライタ1によるICタグSTの読取操作を実施することがなくなる。
また、実施形態では、指定された棚Tに陳列された商品Sのユニークコードと読取率が所定割合(例えば90%)以上となった場合に、制御部30は、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了する。そのため、RFIDリーダライタ1の操作者が、必要以上の時間RFIDリーダライタ1によるICタグSTの読取操作を実施することがなくなる。
また、実施形態では、指定された棚Tに陳列された商品SのすべてのSKUを受信し、かつユニークコードと読取率が所定割合(例えば90%)以上となった場合に、制御部30は、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了する。そのため、RFIDリーダライタ1の操作者が、RFIDリーダライタ1による応答電波の受信が所定割合に達したか否かの判断をしなくてもよく、必要以上の時間RFIDリーダライタ1によるICタグSTの読取操作を実施することがなくなる。
また、実施形態では、指定された棚Tに陳列された商品SのすべてのSKUを受信し、かつすべてのSKUにおけるユニークコードと読取率が所定割合(例えば90%)以上となった場合に、制御部30は、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了する。そのため、RFIDリーダライタ1の操作者が、RFIDリーダライタ1による応答電波の受信が所定割合に達したか否かの判断をしなくてもよく、必要以上の時間RFIDリーダライタ1によるICタグSTの読取操作を実施することがなくなる。
また、実施形態によれば、指定された棚Tに陳列された商品SのすべてのSKUを受信し、かつすべてのSKUにおけるユニークコードと読取率が所定割合(例えば90%)以上となってから、制御部30は、所定時間経過後にRFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了する。そのため、RFIDリーダライタ1による読取率をさらに向上させることができるとともに、必要以上の時間RFIDリーダライタ1によるICタグSTの読取操作を実施することがなくなる。
また、実施形態では、受信したSKUに所定割合以上のノイズが含まれる場合は、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止し、RFIDリーダライタ1による読取りを終了するため、ノイズが多い状態でRFIDリーダライタ1によるICタグSTの読取操作を継続することがなくなる。
次に、図13を用いて、ステップS14で実行される大出力での放射受信処理について説明する。図13の処理は、例えば、棚Tに陳列されている、特定のSKUの商品Sの数が目視等で数えることができる場合等に、すべての当該SKUの商品Sに付されたICタグSTから応答を得たい場合に実行する。そのため、RFIDリーダライタ1から放射される電波の出力を大きくし、ICタグSTが受信し易くする。
図13において、制御部30は、通常出力より大きな大出力で電波を放射する(ステップS61)。具体的には、制御部30は、大出力の電波放射を放射回路32bに指令する。すると、放射回路32bは、大出力の電波をアンテナ33から放射する。この場合、制御部30は、特定のSKUを指定した情報を含む電波を放射する。すると、電波を受信したICタグSTのうち、メモリ45に記憶しているICタグ情報46のSKU部461に、指定されたSKUが記憶されているICタグSTのみが応答電波を出力する。指定されていないSKUが記憶されているICタグSTは応答電波を出力しない。
次に制御部30は、ステップS15において入力されることで指定されたSKUについて、当該SKUに属するユニークコードを受信したか否かを判断する(ステップS62)。受信したと判断した場合は(ステップS62のYes)、制御部30は、受信したユニークコードをRAM38に記憶する(ステップS63)。そして制御部30は、ステップS25で記憶したSKUのうち、ステップS15で指定されたSKUに属するすべてのユニークコードを受信したか否かを調査する(ステップS64)。調査した結果に基づいて、制御部30は、指定されたSKUに属するすべてのユニークコードを受信したか否かを判断する(ステップS65)。指定されたSKUに属するすべてのユニークコードを受信していないと判断した場合は(ステップS65のNo)、制御部30は、ステップS62に戻って更なるユニークコードを受信する。一方、指定されたSKUに属するすべてのユニークコードを受信したと判断した場合は(ステップS65のYes)、制御部30は、ステップS46以降を実行する。
また、指定されたSKUを受信していないと判断した場合は(ステップS62のNo)、制御部30は、指定されたSKU以外のSKUを受信したか否かを判断する(ステップS66)。ICタグSTによる誤動作等のため、指定されていないSKUのICタグSTからICタグ情報を受信することがある。指定されたSKU以外のSKUを受信したと判断した場合は(ステップS66のYes)、当該指定されたSKU以外のSKUを読み捨てる(ステップS67)。そして制御部30は、ステップS62に戻る。また、指定されたSKU以外のSKUを受信していないと判断した場合は(ステップS66のNo)、制御部30はステップS62に戻る。
このように、実施形態では、指定されたSKUについて、RFIDリーダライタ1から放射される電波の出力を大きくして、当該SKUに属するすべてのユニークコードを受信することができる。
次に、ストアサーバ10の制御処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。図14において、制御部100は、ステップS23によるSKUとユニークコードの問合せがあったか否かを判断する(ステップS71)。問合せがあったと判断した場合は(ステップS71のYes)、制御部100は、棚マスタ142から、受信した棚コードに対応したSKUとユニークコードを読み出して、問合せがあったRFIDリーダライタ1に送信する(ステップS72)。
また、ステップS23によるSKUとユニークコードの問合せではないと判断した場合は(ステップS71のNo)、制御部100は、棚Tに陳列されている商品Sが販売されたため、POS端末から商品販売情報を受信したか否かを判断する(ステップS73)。商品販売情報を受信したと判断した場合は(ステップS73のYes)、制御部100は、当該商品販売情報に基づいて、販売された商品Sのユニークコードを棚マスタ142から削除する(ステップS74)。そして制御部100は、ステップS71に戻る。この場合、ユニークコードを削除した結果、当該ユニークコードが属するSKUに対応するユニークコードが「0」になった場合は、該当するSKUも棚マスタ142から削除する。
また、商品販売に伴う商品販売情報を受信していないと判断した場合は(ステップS73のNo)、棚Tに補充された商品SについてのICタグ情報が入力されたか否かを判断する(ステップS75)。ICタグ情報が入力された場合(ステップS75のYes)、制御部100は、当該入力されたICタグ情報に基づいて、棚マスタ142に該当するSKUに対応付けてユニークコードを追加する(ステップS76)。この場合、追加するユニークコードが属するSKUが存在しない場合は、当該SKUも棚マスタ142に追加する。また、棚Tに補充された商品SについてのICタグ情報が入力されていないと判断した場合は(ステップS75のNo)、制御部100は、ステップS71に戻る。
このようにすることで、商品Sが販売された場合、また商品Sが棚Tに追加された場合、棚マスタ142は、リアルタイムで最新の状態に更新される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、実施形態では、指定された棚Tに陳列された商品SのすべてのSKUを受信したこと、およびすべてのSKUにおけるユニークコードの読取率が所定割合(例えば90%)以上となったことを条件として、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了するようにしたが、指定された棚Tに陳列された商品SのすべてのSKUを受信したことのみを条件として、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了するようにしてもよい。
また、実施形態では、指定された棚Tに陳列された商品SのすべてのSKUを受信したこと、およびすべてのSKUにおけるユニークコードと読取率が所定割合(例えば90%)以上となったことを条件として、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了するようにしたが、棚に陳列されている商品にふされたICタグのユニークコードの読取率が所定割合(例えば90%)以上となったことを条件として、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了するようにしてもよい。
また、実施形態では、指定された棚Tに陳列された商品SのすべてのSKUを受信したこと、およびすべてのSKUにおけるユニークコードの読取率が所定割合(例えば90%)以上となったことを条件として、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了するようにしたが、指定された棚Tに陳列された商品SのすべてのSKUを受信したこと、および棚に陳列された商品に付されたICタグのユニークコードの読取率が所定割合(例えば90%)以上となったことを条件として、RFIDリーダライタ1からの電波の放射を停止して読取操作を終了するようにしてもよい。
また、実施形態では、ストアサーバ10が、メモリ部14に記憶した棚マスタ142から、RFIDリーダライタ1が読み取った棚段に対応付けて記憶しているSKUとユニークコードとをRFIDリーダライタ1に送信し、RFIDリーダライタ1は、受信したSKUとユニークコードを記憶するようにしたが、RFIDリーダライタ1が棚マスタ142に相当する棚マスタを最初から記憶するようにしてもよい。
また、実施形態では、RFIDリーダライタ1で棚Tに設けられた棚段の棚段コードを読み取り、読み取った棚段コードに対応するSKUとユニークコードを受信するようにしたが、棚Tを特定する棚コードに対応してSKUとユニークコードを記憶し、棚コードを読み取り、読み取った棚コードに対応するSKUとユニークコードを受信するようにしてもよい。
また、実施形態では、棚Tのうち特定の棚段の棚段コードをRFIDリーダライタ1で読み取り、読み取った棚段コードに対応するSKUとユニークコードを管理対象のSKUとユニークコードとしたが、棚段コードの読取りは必ずしも必要ではなく、棚Tに陳列されているすべての商品のSKUとユニークコードを管理対象のSKUとユニークコードとしてもよい。
また、実施形態では、一例として商品コードをSKUとして説明したが、SKUは商品Sを管理するために分類する単位の集合体であれば何でもよい。
また、実施形態では、ICタグ読取装置として、ICタグSTから情報を読み取り、かつICタグSTに対して情報を書き込み可能なRFIDリーダライタ1を用いたが、ICタグ読取装置は、ICタグSTを読み取り専用(ICタグSTに対して書き込みはできない)のRFIDリーダであってもよい。また、ICタグ読取装置は、RFID以外のICタグを読み取る装置であってもよい。
また、実施形態ではユニークコードの読取率(所定割合)を90%としたが、もちろんそれ以外の読取率でもよい。RFIDリーダライタ1の読取精度やICタグの応答精度が向上すれば、95%以上の読取率としてもよい。要は、読取率を100%としなければよい。
なお、実施形態のRFIDリーダライタ1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、実施形態のRFIDリーダライタ1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態のRFIDリーダライタ1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、実施形態のRFIDリーダライタ1で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。