JP2010070317A - 無線タグ通信装置及び物品管理システム - Google Patents

無線タグ通信装置及び物品管理システム Download PDF

Info

Publication number
JP2010070317A
JP2010070317A JP2008239631A JP2008239631A JP2010070317A JP 2010070317 A JP2010070317 A JP 2010070317A JP 2008239631 A JP2008239631 A JP 2008239631A JP 2008239631 A JP2008239631 A JP 2008239631A JP 2010070317 A JP2010070317 A JP 2010070317A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage area
inventory
output
tag
antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008239631A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Hirata
裕徳 平田
Hiroaki Fujino
裕章 藤野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2008239631A priority Critical patent/JP2010070317A/ja
Publication of JP2010070317A publication Critical patent/JP2010070317A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • Y02B60/50

Landscapes

  • Warehouses Or Storage Devices (AREA)

Abstract

【課題】無駄な電力消費を防止し省エネルギを図れると共に、棚卸し作業の効率の向上を図ることができる無線タグ通信装置及び物品管理システムを提供する。
【解決手段】カメラ140が映像を撮影した収納領域40を特定し、収納棚30に収納された複数の書類ファイル50の棚卸し状態に係わる棚卸し情報を格納したID・収納領域管理データベース320から、特定した収納領域40に係わる棚卸し情報を取得し、この取得した棚卸し情報に基づき特定した収納領域40の棚卸しが完了したかどうかを判定し、棚卸しが完了している場合には装置アンテナ110からの電波の送信を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、管理対象物品に設けられた無線タグ回路素子に対し無線通信を行う無線タグ通信装置及びこれを備えた物品管理システムに関する。
近年、通信対象と無線通信を行う無線通信システムの1つとして、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信可能なタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子と、リーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが提唱されており、様々な分野において実用化されつつある。
このように種々の分野において活用されつつあるRFIDシステムの1つとして、例えば、販売・流通等の業種において、物品や原材料の在庫を調査し数量を確かめるために定期的に行われる棚卸しに適用した物品管理システムがある(例えば、特許文献1参照)。この物品管理システムは、棚卸し対象である物品(書類)を少なくとも1つ収納する複数の収納領域(ホルダ)を有する収納部材(保管棚)を備えており、各収納領域には収納された物品の情報を記憶した無線タグ回路素子(RFIDタグ)がそれぞれ設けられている。棚卸しは、無線タグ通信装置(リーダライタ)で各無線タグ回路素子から物品情報を読み取り、操作者が実際に収納領域に収納されている物品を確認して物品情報と比較することにより行われる。
特開2005−306502号公報
一般に、棚卸し作業は膨大な数の対象物をチェックすることになるため、長時間の作業となることが多い。このため、作業の中断と再開を繰り返すこととなるが、作業再開時に、既に棚卸し済みである対象物に対し再度二重に棚卸しを行うことは、無線タグ通信装置において無駄な電力を消費することとなりエネルギロスを招くと共に、時間と労力の無駄となる。また、対象物が膨大であるような場合には、作業を継続しながらも、既に棚卸し済みである対象物に対し誤って再度棚卸しを行ってしまうことも考えられ、このような場合にも無駄な電力を消費することとなる。したがって、このような余分な作業を極力回避し、省エネルギを図ると共に棚卸し作業効率を向上することが好ましい。
しかしながら、上記従来技術の物品管理システムでは、上述したように、棚卸しを行う毎に、各収納領域の無線タグ回路素子に対し無線タグ通信装置で物品情報を読み取るようになっており、二重に棚卸しを行うことを回避するという観点については特に考慮されていなかった。
本発明の目的は、無駄な電力消費を防止し省エネルギを図れると共に、棚卸し作業の効率の向上を図ることができる無線タグ通信装置及び物品管理システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1発明の無線タグ通信装置は、複数の管理対象物品にそれぞれ設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信可能なタグアンテナとを備えた複数の無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うための装置アンテナと、前記複数の管理対象物品を収納可能な収納部材のうち、少なくとも1つの管理対象物品をそれぞれ収納可能とする複数の収納領域の映像を撮影可能な撮像手段と、前記撮像手段が前記映像を撮影した前記収納領域を特定し、前記収納部材に収納された前記複数の管理対象物品の棚卸し状態に係わる棚卸し情報を格納したデータベースから、前記特定した収納領域に係わる前記棚卸し情報を取得する棚卸し情報取得手段と、前記棚卸し情報取得手段で取得した前記棚卸し情報に基づき、前記装置アンテナからの送信出力を制御する出力制御手段と、前記出力制御手段で制御された送信出力により、前記装置アンテナを介し、前記特定された前記収納領域における前記無線タグ回路素子のタグ識別情報の取得を行う識別情報取得手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明においては、収納部材に複数の収納領域が設けられ、各収納領域に管理対象物品が収納可能となっている。収納された管理対象物品の棚卸しの実行時には、識別情報取得手段が、装置アンテナを介し、収納領域に存在する無線タグ回路素子のタグ識別情報の取得を行う。タグ識別情報が取得されたことをもって、対応する管理対象物品の存在を確認することができる。
このとき、データベースには、各管理対象物品の棚卸し情報(既に棚卸し済みであるか、棚卸しがまだであるか等)が格納されている。上記の棚卸し実行時においては、撮像手段で管理対象物品が収納された収納領域を撮影することで、棚卸し情報取得手段が、その撮影された収納領域を特定し、データベースよりその特定した収納領域に関する棚卸し情報を取得する。その取得した棚卸し情報に応じて、出力制御手段が装置アンテナからの送信出力を制御する。
これにより、例えば当該収納領域が既に棚卸し済みであった場合には、装置アンテナからの電波の出力を停止する(又は絞る)等により、再度二重に無線タグ回路素子から識別情報の取得を図る無駄を防止可能となる。この結果、無駄な電力消費を防止し省エネルギを図れると共に、棚卸し作業の効率の向上を図ることができる。
第2発明の無線タグ通信装置は、上記第1発明において、前記出力制御手段は、前記特定された前記収納領域における棚卸しが未完了か完了かに応じて、前記装置アンテナからの電波の送信の開始又は停止を切り替えることを特徴とする。
これにより、対象となる収納領域がまだ棚卸し未完了であった場合には装置アンテナからの電波の送信を開始(続行)する一方、棚卸し完了の場合には、装置アンテナからの電波の出力を停止する(又は絞る)ことができる。この結果、再度二重に無線タグ回路素子から識別情報の取得を図るのを防止できる。
第3発明の無線タグ通信装置は、上記第2発明において、前記特定された前記収納領域における棚卸しが完了したかどうかを判定する完了判定手段を有し、前記出力制御手段は、前記完了判定手段での棚卸し完了の判定結果に基づき、前記装置アンテナからの電波の送信を停止することを特徴とする。
これにより、対象となる収納領域が棚卸し完了していた場合には、そのことを完了判定手段で判定し、これに応じて出力制御手段で装置アンテナからの出力を確実に停止することができる。
第4発明の無線タグ通信装置は、上記第3発明において、前記完了判定手段は、前記特定された前記収納領域に存在する前記無線タグ回路素子より前記識別情報取得手段が所定の第1期間に新たな前記タグ識別情報の取得を行えなかった場合、前記棚卸し完了と判定することを特徴とする。
無線タグ回路素子よりタグ識別情報を一度取得できれば、対応する管理対象物品の存在は確認できている(=当該管理対象物品についての棚卸し作業は終了している)ため、その後の再度のタグ識別情報の取得の必要はない。本願第4発明においては、これに対応して、完了判定手段が、既にタグ識別情報を取得した無線タグ回路素子以外に、新たな無線タグ回路素子のタグ識別情報の取得がないかどうかを監視し、第1期間取得がなかった場合には、対応する収納領域に存在する(全無線タグ回路素子からのタグ識別情報の取得が完了したと見なし)管理対象物品の棚卸し完了と判定する。この結果、無駄な電力消費を確実に防止し、省エネルギを図ることができる。
第5発明の無線タグ通信装置は、上記第4発明において、前記出力制御手段は、前記完了判定手段で棚卸し完了と判定された後、前記装置アンテナからの電波の送信を停止する前に所定の第2期間前記装置アンテナからの送信出力を増大させ、前記識別情報取得手段は、前記出力制御手段で増大した出力により、前記装置アンテナを介し、前記特定された前記収納領域における前記無線タグ回路素子の前記タグ識別情報の取得を行い、前記出力制御手段は、前記出力制御手段で前記装置アンテナからの送信出力を増大させた後の経過時間が前記第2期間となった場合、前記装置アンテナからの電波の送信を停止することを特徴とする。
本願第5発明においては、第1期間が経過し完了判定手段で棚卸し完了と判定され、装置アンテナからの電波の出力を停止する前に、もう一度念のために最後に装置アンテナからの送信出力を増大して識別情報取得手段でのタグ識別情報の取得を図る。これにより、棚卸し漏れの発生を確実に防止しつつ、無駄な電力消費を確実に防止し、省エネルギを図ることができる。
第6発明の無線タグ通信装置は、上記第3発明において、前記完了判定手段は、前記特定された前記収納領域に対する前記識別情報取得手段によるタグ識別情報の取得開始後、予め棚卸し作業を完了するのに必要な時間として当該収納領域に対して設定された第3期間が経過した場合、前記棚卸し完了と判定することを特徴とする。
棚卸しは、全ての管理対象物が、収納部材のうちの本来の収納領域にそれぞれ存在することの確認作業である。そして、通常は、各管理対象物のほとんどの配置が乱れることなく本来の位置にあるため、前回やそれ以前の棚卸しの実績から各収納領域毎に棚卸しに要する概ねの時間が予め想定できることが多い。そこで本願第6発明においては、これに対応して、各収納領域ごとに、予め棚卸し作業の完了のために必要な時間を第3期間として設定しておき、完了判定手段が、識別情報取得手段によるタグ識別情報の取得開始後、その第3期間を経過したかどうかを監視し、第3期間が経過した場合には、対応する収納領域の棚卸しは(時間的に見て既に完了したと見なし)棚卸し完了と判定する。この結果、無駄な電力消費を確実に防止し、省エネルギを図ることができる。
第7発明の無線タグ通信装置は、上記第2乃至第6発明のいずれかにおいて、前記装置アンテナからの電波の送信が開始されているか停止されているかに応じて、対応する報知を行う報知手段を有することを特徴とする。
これにより、例えば当該収納領域が既に棚卸し済みであった場合には、装置アンテナからの電波の出力が停止されている(又は絞られている)ことを、操作者に対し視覚や聴覚によって明確に報知することができる。この結果、操作者は直ちに次の収納領域の棚卸し作業に移ることができるので、無駄な作業を省くことができ、棚卸し作業効率を向上することができる。
第8発明の無線タグ通信装置は、上記第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記出力制御手段は、前記データベースから取得した、前記特定した収納領域における領域広さ情報、若しくは、前記管理対象物品の配置密度情報に応じて、前記識別情報取得手段で前記タグ識別情報の取得を開始するときの前記装置アンテナにおける開始時送信出力を設定することを特徴とする。
収納領域の広さが広いほど、装置アンテナから最遠の無線タグ回路素子までの距離が大きくなるため、装置アンテナからの送信出力をより大きくするほうがよい。また、収納領域における管理対象物品の配置密度が大きいほど、隣接する物品同士の距離が近くなって無線タグ回路素子同士による通信干渉が生じやすくなるため、装置アンテナからの送信出力をより大きくするほうがよい。本願第8発明においては、これらに応じて、収納領域の領域広さ情報や管理対象物品の配置密度情報に基づき設定された装置アンテナからの送信出力を予めデータベースに格納しておき、出力制御手段がその情報に基づいてタグ識別情報の取得開始時の装置アンテナからの送信出力を決定する。この結果、収納領域の広さや管理対象物品の配置密度に関係なく、最適な送信出力により棚卸しを開始することができる。この結果、識別情報取得手段で確実にタグ識別情報を取得してから、装置アンテナからの電波の出力を停止させることができる。
上記目的を達成するために、第9発明の物品管理システムは、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信可能なタグアンテナとをそれぞれ備えた複数の無線タグ回路素子に対し、無線通信を行う無線タグ通信装置と、前記無線タグ通信装置からアクセス可能に設けられたデータベースとを有する物品管理システムであって、前記データベースは、収納部材に備えられた複数の収納領域に収納された複数の管理対象物品の棚卸し状態に係わる棚卸し情報を格納しており、前記無線タグ通信装置は、前記複数の管理対象物品にそれぞれ設けられた複数の前記無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うための装置アンテナと、前記複数の収納領域の映像を撮影可能な撮像手段と、前記撮像手段が前記映像を撮影した前記収納領域を特定し、前記データベースから前記特定した収納領域に係わる前記棚卸し情報を取得する棚卸し情報取得手段と、前記棚卸し情報取得手段で取得した前記棚卸し情報に基づき、前記装置アンテナからの送信出力を制御する出力制御手段と、前記出力制御手段で制御された送信出力により、前記装置アンテナを介し、前記特定された前記収納領域における前記無線タグ回路素子のタグ識別情報の取得を行う識別情報取得手段とを有することを特徴とする。
本願第9発明の物品管理システムにおいては、収納部材に複数の収納領域が設けられ、各収納領域に管理対象物品が収納可能となっている。収納された管理対象物品の棚卸しの実行時には、無線タグ通信装置の識別情報取得手段が、装置アンテナを介し、収納領域に存在する無線タグ回路素子のタグ識別情報の取得を行う。そして、タグ識別情報が取得されたことをもって、対応する管理対象物品の存在を確認することができる。
このとき、データベースには、各管理対象物品の棚卸し情報(既に棚卸し済みであるか、棚卸しがまだであるか等)が格納されている。上記の棚卸し実行時においては、無線タグ通信装置の撮像手段が管理対象物品が収納された収納領域を撮影することで、棚卸し情報取得手段が、その撮影された収納領域を特定し、データベースよりその特定した収納領域に関する棚卸し情報を取得する。その取得した棚卸し情報に応じて、出力制御手段が装置アンテナからの送信出力を制御する。
これにより、例えば当該収納領域が既に棚卸し済みであった場合には、無線タグ通信装置において装置アンテナからの電波の出力を停止する(又は絞る)等により、再度二重に無線タグ回路素子から識別情報の取得を図る無駄を防止可能となる。この結果、無駄な電力消費を防止し省エネルギを図れると共に、棚卸し作業の効率の向上を図ることができる。
第10発明の無線タグ通信装置は、上記第9発明において、前記データベースは、予め棚卸し作業を完了するのに必要な時間として当該収納領域に対して設定された棚卸し完了時間を記憶しており、前記出力制御手段は、前記特定された前記収納領域に対する前記識別情報取得手段によるタグ識別情報の取得開始後、前記第3期間が経過した場合、前記装置アンテナからの電波の送信を停止することを特徴とする。
本願第10発明の物品管理システムにおいては、各収納領域ごとに、予め棚卸し作業の完了のために必要な時間を棚卸し完了時間として設定し、データベースに記憶しておく。そして、無線タグ通信装置の完了判定手段が、識別情報取得手段によるタグ識別情報の取得開始後、その棚卸し完了時間を経過したかどうかを監視し、棚卸し完了時間が経過した場合には、対応する収納領域の棚卸しは(時間的に見て既に完了したと見なし)棚卸し完了と判定する。この結果、無駄な電力消費を確実に防止し、省エネルギを図ることができる。
本発明によれば、無駄な電力消費を防止し省エネルギを図れると共に、棚卸し作業の効率の向上を図ることができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明の物品管理システムを、収納棚における書類ファイルの保管状況を管理するファイル管理システムに適用したものである。
図1は、本実施形態のファイル管理システムの全体構成を表すシステム構成図である。
図1において、ファイル管理システムTS(物品管理システム)は、操作者により保持されるリーダ端末100(無線タグ通信装置)と、このリーダ端末100と無線LAN等の無線通信によりアンテナ201を介して情報の送受信が可能な基地局202と、この基地局202と通信回線NWを介し接続されたサーバ300とを有している。
この例では、上下方向に3段の収納領域(棚板で区画された領域)40を備えた収納棚30(収納部材)が多数設置されており(図中では一つのみ図示)、各収納領域40には管理対象物品である書類ファイル50が複数収納保管できるようになっている。
各書類ファイル50の背表紙には、情報を記憶するIC回路部150と情報を送受信可能なタグアンテナ151とを備えた無線タグ回路素子To(後述の図2等参照)を備えたラベル状の無線タグラベルTがそれぞれ貼付されている。本実施形態のファイル管理システムTSは、例えば定期的に書類ファイル50の存在及び数量を確認する棚卸し作業を行うためのものである。すなわち、各収納領域40ごとに対応する書類ファイル50が(正規の収納位置として)予め設定登録されている前提で、例えば各収納領域40ごとに端から一つずつ書類ファイル50の無線タグラベルTを検出することで、上記書類ファイル50の存在及び数量を確認する。
上記リーダ端末100は、上記複数の書類ファイル50にそれぞれ設けられた無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toに対し、無線通信を行うための装置アンテナ110を筐体101内に内蔵している。この装置アンテナ110は所定の指向性を有する指向性アンテナであり、筐体101の上方(図1中左上方向)に向かって通信領域Acを形成する。また、筐体101の表面側(図1中紙面手前側)には各種情報の表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部120と、操作者からの指示や情報を入力可能な操作部130と、上記装置アンテナ110からの電波の送信が開始されているか停止されているかに応じて対応する報知を行うLED125(報知手段)を有している。このLED125は、装置アンテナ110からの電波送信が行われている場合は点灯し、電波送信が停止している場合には消灯する。なお、上記報知手段としてはLED以外の表示手段を用いてもよく、またスピーカ等の音声報知手段を設けてもよい。
またリーダ端末100は、上記複数の書類ファイル50を収納可能な収納棚30のうち、複数の収納領域40の映像を撮影可能なカメラ140(撮像手段)を有している。このカメラ140により画像を取得可能な撮像領域Apは、その略中心部に上記装置アンテナ110の通信領域Acが位置するように設定されている。これにより、リーダ端末100は、カメラ140により取得される画像の略中心部に位置する収納領域40に収納された書類ファイル50の無線タグ回路素子Toと無線通信を行うようになっている。
サーバ300は、例えばハードディスクや大容量メモリ等により構成された、上記各収納領域40に関する画像を格納する収納領域画像管理データベース310と、各収納領域40とその領域に収納された書類ファイル50の無線タグ回路素子ToのタグID(タグ識別情報)の情報とを関連付けて格納すると共に、各収納領域40に収納された複数の書類ファイル50の棚卸し状態に係わる棚卸し情報(本実施形態では棚卸し率。詳細後述)を格納したID・収納領域管理データベース320(データベース)とを有している。これらのデータベース310,320は、通信回線NW、基地局202、アンテナ201を介し、無線LANによる通信によりリーダ端末100の制御回路180(後述)と情報の送受信が可能である。
これにより、リーダ端末100においてカメラ140で収納領域40の撮像を行った際に、取得した画像データに基づき上記収納領域画像管理データベース310を検索し、画像認識(パターンマッチング)を行って撮像された画像の中心に位置する収納領域40を特定することが可能である。また、このようにして特定された収納領域40について、ID・収納領域管理データベース320を検索し、当該収納領域40に収納された書類ファイル50の上記棚卸し情報を通信回線NW、基地局202、及びアンテナ201を介してリーダ端末100が取得することが可能となっている。
なお、上記ではデータベース310,320をリーダ端末100とは別のサーバ300に設ける構成としたが、これに限られず、リーダ端末100がデータベース310,320を有する構成としてもよい。
図2は、上記リーダ端末100の機能構成を表す機能ブロック図である。
上記書類ファイル50の背表紙に貼付された無線タグラベルTは、情報を記憶するIC回路部150及びこのIC回路部150に接続されたタグアンテナ151を備えた無線タグ回路素子Toをそれぞれ有している。
リーダ端末100は、上記装置アンテナ110を介し無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toへ無線通信によりアクセスすると共に、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路131と、上記アンテナ201を介し基地局202と無線LANによる通信を行うための無線LAN通信部132と、上記高周波回路131、無線LAN通信部132、表示部120、カメラ140、及び操作部130を含むリーダ端末100全体の制御を行う制御回路180と、この制御回路180に接続され、情報を読み書き可能な記憶部134(RAM等)とを有する。
図3は、制御回路180の機能構成を表す機能ブロック図である。
制御回路180は、ID取得領域判定部181と、棚卸情報取得部182と、電波出力判定・制御部183と、棚卸情報登録部184とを有している。ID取得領域判定部181は、カメラ140で撮像された画像データを入力し、この画像データに基づき、上記無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300の収納領域画像管理データベース310を検索し、画像認識(パターンマッチング)を行って撮像された画像の中心に位置する収納領域40がどの収納棚30のどの収納領域40であるかを判定する。棚卸情報取得部182は、上記ID取得領域判定部181から判定結果(収納領域40がどこの収納領域であるかを特定する情報)を入力し、当該特定された収納領域40について、上記と同様に無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300のID・収納領域管理データベース320を検索し、当該収納領域40に収納された書類ファイル50の上記棚卸し情報を取得する。この棚卸し情報とは、各収納領域40に収納される(本来あるべき場所として登録されている)全書類ファイル50に対し棚卸しが完了した書類ファイル50が占める割合を表す棚卸し率である(後述の図7参照)。
電波出力判定・制御部183は、上記棚卸情報取得部182で取得した棚卸し情報を入力し、当該棚卸し情報に基づき、特定された収納領域40における棚卸しが未完了か完了かに応じて、装置アンテナ110からの電波の送信の開始又は停止を切り替える。具体的には、特定された収納領域40の上記棚卸し率が所定のしきい値(例えば100%、90%・・・等)以上である場合には棚卸しが完了しているとみなし、高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止する。一方、特定された収納領域40の上記棚卸し率が所定のしきい値より小さい場合には棚卸しが完了していないとみなし、高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を開始(あるいは継続)する。
棚卸情報登録部184は、無線タグ回路素子Toから読み取ったタグIDを装置アンテナ110及び高周波回路131を介して入力すると共に、上記ID取得領域判定部181から判定結果(収納領域40がどこの収納領域であるかを特定する情報)を入力し、これら取得したタグID及び特定された収納領域40の情報を、上記無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300のID・収納領域管理データベース320に送信し、関連付けて登録する。またこの取得されたタグIDの登録に伴い、ID・収納領域管理データベース320では、当該収納領域40の棚卸し情報(棚卸し率)が更新されるようになっている。
図4は、上記高周波回路131の詳細構成を表す機能ブロック図である。
この図4において、高周波回路131は、上記装置アンテナ110を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスするものであり、またリーダ端末100の制御回路180は無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すと共に無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするための各種コマンドを生成するものである。
高周波回路131は、装置アンテナ110を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、装置アンテナ110により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、制御回路180の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/遁倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記制御回路180から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路180からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例では制御回路180からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成する可変送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記可変送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介し装置アンテナ110に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部143は、装置アンテナ110で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記装置アンテナ110で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路180に入力されて処理される。
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路180に入力される。これにより、リーダ端末100では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
図5は、上記無線タグラベルTに備えられた無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
この図5において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにリーダ端末100の装置アンテナ110と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記リーダ端末100の装置アンテナ110からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図6は、リーダ端末100の制御回路180によって実行される制御手順を表すフローチャートである。この例では、リーダ端末100の電源の投入後、又は操作部130を介して棚卸しの指示操作が入力された際に、このフローが開始される(START位置)。
ステップ5では、制御回路180は、ID取得領域判定部181において、カメラ140で撮像された画像データを取得する。
ステップ10では、制御回路180は、ID取得領域判定部181において、無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300の収納領域画像管理データベース310にアクセスし、上記ステップ5でカメラ140から取得した画像データと、収納領域画像管理データベース310に登録された各収納領域40の画像データ(マッチング用パターン)とを比較し、画像認識(パターンマッチング)を行う。
ステップ15では、制御回路180は、ID取得領域判定部181において、上記画像認識(パターンマッチング)により、撮像された画像の中心に位置する収納領域40がどの収納棚30のどの収納領域40であるかを判定する。
ステップ20では、制御回路180は、棚卸情報取得部182において、上記ステップ15におけるID取得領域判定部181の判定結果(収納領域40がどこの収納領域であるかを特定する情報)を入力し、当該特定された収納領域40について、無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300のID・収納領域管理データベース320にアクセスし、当該収納領域40に収納された書類ファイル50の上記棚卸し情報を取得する。この棚卸し情報は、前述したように、各収納領域40に収納される全書類ファイル50に対し棚卸しが完了した書類ファイル50が占める割合を表す棚卸し率である。
ステップ25では、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、上記ステップ20において棚卸情報取得部182で取得した棚卸し情報を入力し、当該棚卸し情報に基づき、特定された収納領域40の棚卸しが完了しているか否かを判定する。この判定は、前述したように、特定された収納領域40の上記棚卸し率が所定のしきい値(例えば100%、90%・・・等)以上である場合には棚卸しが完了しているとみなし、棚卸し率が所定のしきい値より小さい場合には棚卸しが完了していないとみなすことにより行われる。特定された収納領域40の棚卸しが完了している場合には、判定が満たされて、ステップ30に移る。
ステップ30では、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止する。
ステップ35では、制御回路180は、LED125に制御信号を出力して消灯させる。そして、後述のステップ60に移る。
一方、先のステップ25において、特定された収納領域40の上記棚卸し率が所定のしきい値より小さい場合には棚卸しが完了していないとみなし、判定が満たされずにステップ40に移る。
ステップ40では、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を開始(既に電波を出力している場合には継続)する。これにより、装置アンテナ110の指向性に沿った前述の通信領域Acが形成される。
ステップ45では、制御回路180は、LED125に制御信号を出力して点灯(すでに点灯している場合には継続)させる。
ステップ50では、制御回路180は、上記ステップS40で開始(又は継続)された上記装置アンテナ110からの電波の出力により、装置アンテナ110を介し、通信領域Ac内の収納領域40(すなわち上記ステップ15で特定された収納領域40)に収納された書類ファイル50の無線タグ回路素子ToからタグIDを取得したか否かを判定する。取得していない場合には、判定が満たされずに後述のステップ60に移る。一方、タグIDを取得した場合には、判定が満たされてステップ55に移る。
ステップ55では、制御回路180は、棚卸情報登録部184において、上記ステップ15におけるID取得領域判定部181の判定結果(収納領域40がどこの収納領域であるかを特定する情報)に基づき、無線タグ回路素子Toから装置アンテナ110及び高周波回路131を介して取得したタグIDを、上記無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300のID・収納領域管理データベース320に送信し、特定された収納領域40の情報と関連付けて登録する。これにより、ID・収納領域管理データベース320では、取得されたタグIDの登録に伴い、当該収納領域40の棚卸し情報(棚卸し率)が更新される。
ステップ60では、制御回路180は、操作者が操作部130を介して棚卸し作業を終了させる指示操作を行ったか否かを判定する。終了操作が行われている場合、判定が満たされ、そのままこのフローを終了する。一方、終了操作が行われていない場合、判定が満たされず、ステップS5へ戻り同様の手順を繰り返す。
なお、上記において、ID取得領域判定部181において実行されるステップS10及びステップS15の手順と、棚卸情報取得部182において実行されるステップS20の手順とは、特許請求の範囲各項記載の特定した収納領域に係わる棚卸し情報を取得する棚卸し情報取得手段を構成し、電波出力判定・制御部183において実行されるステップS30及びステップS40の手順は、装置アンテナからの送信出力を制御する出力制御手段を構成する。また、ステップS50の手順は、特定された収納領域における無線タグ回路素子のタグ識別情報の取得を行う識別情報取得手段を構成し、電波出力判定・制御部183において実行されるステップS25は、特定された収納領域における棚卸しが完了したかどうかを判定する完了判定手段を構成する。
図7は、ID・収納領域管理データベース320に格納されたデータ(管理テーブル)の内容の一例を表す図である。なお、図に示す例では、所定の収納棚30が有する3つの収納領域40(以下、第1収納領域40、第2収納領域40、第3収納領域40と記載する)のそれぞれについて、説明を簡易とするために管理対象物品である書類ファイル50が4冊ずつ同数収納される場合を示している。
図7において、ID・収納領域管理データベース320に格納された管理テーブルには、各収納領域40ごとに、当該収納領域40に収納される4つの書類ファイル50の無線タグ回路素子ToのタグIDがそれぞれ登録されている。さらに、各無線タグ回路素子ToのタグIDごとに、棚卸し状態(リーダ端末100でタグIDが取得されていないものは棚卸し未となり、タグIDが取得されると棚卸し済となる)、存在場所(実際にリーダ端末100でタグIDが取得された際の収納領域であり、本来あるべき収納領域とは異なる場合がある)、棚卸し日、棚卸し情報(棚卸し率)が登録されている。
図に示す例では、2008年8月20日に棚卸しを行っており、その際に第1収納領域40(収納領域1と図示)に収納されるものとして登録された4つの書類ファイル50及び第2収納領域40(収納領域2と図示)に収納されるものとして登録された2つの書類ファイル50について、リーダ端末100で対応する無線タグ回路素子ToのタグIDが取得され、棚卸し状態が済となっている。なお、第2収納領域40のタグID「F0000202」に対応する書類ファイル50については、リーダ端末100でタグIDが取得された際の収納場所が第3収納領域40(収納領域3と図示)であったために存在場所が収納領域3として登録されているが、第2収納領域40に収納されるものとして登録されている(言い換えれば本来収納されるべき収納領域は第2収納領域40である)ため、第2収納領域40に対応付けて登録されている。この結果、棚卸し率は、第1収納領域40では4冊全ての書類ファイル50が棚卸し済であるため100%となっており、第2収納領域40では4冊中2冊の書類ファイル50が棚卸し済であるため50%となっており、第3収納領域40では4冊中全ての書類ファイル50が棚卸し未であるため0%となっている。
このような棚卸し状態において、リーダ端末100で各収納領域40について棚卸しを行おうとした場合、リーダ端末100は以下のような動作を行う。すなわち、操作者が第1収納領域40について棚卸しを行おうとする場合、カメラ140で第1収納領域40を中心として撮像を行うと、上記ID取得領域判定部181が画像認識(パターンマッチング)により第1収納領域であることを特定し(図6中ステップS5〜ステップS15参照)、棚卸情報取得部182がID・収納領域管理データベース320から特定された収納領域40の棚卸し情報を取得する(図6中ステップS20参照)。ここで、収納領域40の棚卸しの完了、未完了を判定するための前述した所定のしきい値を90%とすると、上記のように第1収納領域40の棚卸し率は100%であるため、電波出力判定・制御部183は第1収納領域40の棚卸しは完了していると判定する(図6中ステップS25参照)。その結果、電波出力判定・制御部183が高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止し(図6中ステップS30参照)、LED125が消灯する(図6中ステップS35参照)。このようにして、既に棚卸し済みである第1収納領域40については、リーダ端末100による再度の棚卸しを行うことが防止される。
一方、操作者が第2収納領域40について棚卸しを行おうとする場合、カメラ140で第2収納領域40を中心として撮像を行うと、上記ID取得領域判定部181が画像認識(パターンマッチング)により第2収納領域であることを特定し、棚卸情報取得部182がID・収納領域管理データベース320から特定された収納領域40の棚卸し情報を取得する。このとき、上記のように第2収納領域40の棚卸し率は50%であり、しきい値90%より小さい値であるため、電波出力判定・制御部183は第2収納領域40の棚卸しは完了していないと判定する(図6中ステップS25参照)。その結果、電波出力判定・制御部183が高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を開始し(図6中ステップS40参照)、LED125が点灯する(図6中ステップS45参照)。このようにして、まだ棚卸し未完了である第2収納領域40については、リーダ端末100による棚卸しを行うことが許容される。
操作者が第3収納領域40について棚卸しを行おうとする場合については、上記のように第3収納領域40の棚卸し率は0%であることから、上記第2収納領域40の場合と同様の動作となる。したがって、まだ棚卸しが全く行われていない第3収納領域40については、リーダ端末100による棚卸しを行うことが当然に許容される。
以上説明した実施形態においては、収納部材30に設けられた複数の収納領域40のうち、所定の収納領域40に収納された書類ファイル50の棚卸しの実行時には、リーダ端末100において、装置アンテナ110を介し、当該収納領域40に存在する書類ファイル50の無線タグ回路素子ToのタグIDの取得を行う。タグIDが取得されたことをもって、対応する書類ファイル50の存在を確認することができる。
このとき、サーバ300のID・収納領域管理データベース320には、各書類ファイル50の棚卸し情報(本実施形態では棚卸し率)が格納されている。上記の棚卸し実行時においては、操作者がカメラ140で書類ファイル50が収納された収納領域40を撮影することで、制御回路180のID取得領域判定部181がその撮影された画像の中心に位置する収納領域40を特定し、ID・収納領域管理データベース320よりその特定した収納領域40に関する棚卸し情報を取得する。その取得した棚卸し情報に応じて、電波出力判定・制御部183が装置アンテナ110からの電波出力の開始・停止を制御する。
これにより、操作者が棚卸しを行おうとした収納領域40が既に棚卸し済みであった場合には、装置アンテナ110からの電波の出力を停止することにより、再度二重に無線タグ回路素子ToからタグIDの取得を図る無駄を防止することができる。この結果、無駄な電力消費を防止し省エネルギを図れると共に、棚卸し作業の効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態では特に、棚卸し対象となる収納領域40が棚卸し完了である場合には装置アンテナ110からの電波の出力を停止する一方、まだ棚卸し未完了であった場合には装置アンテナ110からの電波の送信を開始(続行)する。これにより、再度二重に無線タグ回路素子ToからタグIDの取得を図るのを防止しつつ、棚卸し未完了である収納領域40に対しては確実に棚卸しを実行することができる。
また、本実施形態では特に、リーダ端末100が、装置アンテナ110からの電波の送信が開始されているか停止されているかに応じて対応する報知を行うLED125を有する。これにより、棚卸しを行おうとする収納領域40が既に棚卸し済みであった場合には、装置アンテナ110からの電波の出力が停止されていることを、操作者に対し視覚(音声報知手段を設けた場合には聴覚)によって明確に報知することができる。この結果、操作者は直ちに次の収納領域40の棚卸し作業に移ることができるので、無駄な作業を省くことができ、棚卸し作業効率を向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)タグIDの取得を行えなかった時間に基づき棚卸し状態を判定する場合
上記実施形態では、棚卸し情報としての棚卸し率に基づき、当該棚卸し率が所定のしきい値以上である場合には対応する収納領域40の棚卸しが完了していると判定し、反対に棚卸し率が所定のしきい値より小さい場合には対応する収納領域40の棚卸しが未完了であると判定するようにしたが、これに限られない。すなわち、各収納領域40における新たなタグIDの取得を行えなかった時間に基づき、当該時間が所定の値よりも長い場合には対応する収納領域40に存在する全無線タグ回路素子ToからのタグIDの取得が完了したと見なして収納領域40の棚卸しが完了していると判定し、反対に上記時間が所定の値よりも短い場合には収納領域40の棚卸しが未完了と判定するようにしてもよい。
図8は、本変形例においてリーダ端末100の制御回路180によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図6に対応する図である。図6と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
ステップS5〜ステップS15は前述の図6と同様であり、制御回路180は、ID取得領域判定部181においてカメラ140で撮像された画像データを取得し、ID取得領域判定部181においてサーバ300の収納領域画像管理データベース310にアクセスし、画像認識(パターンマッチング)を行って、撮像された画像の中心に位置する収納領域40がどの収納棚30のどの収納領域40であるかを判定する。
ステップ20Aでは、制御回路180は、棚卸情報取得部182において、無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300のID・収納領域管理データベース320にアクセスし、上記ステップ15で特定された収納領域40に関する棚卸し情報を取得する。本変形例では、この棚卸し情報は、特定された収納領域40に存在する書類ファイル50の無線タグ回路素子より新たなタグIDの取得を行えなかった経過時間であるID無取得経過時間t1と、この経過時間t1が所定のしきい値を超えた場合にリーダ端末100の装置アンテナ110からの電波の出力を停止させるために、上記しきい値として予め設定されたID無取得設定時間T1(第1期間)である。上記ID無取得経過時間t1のカウントは、制御回路180がその内部(又は外部)に有する図示しないタイマにより実行するようになっている。また、上記ID無取得設定時間T1は、各収納領域40に対しその大きさや収納される書類ファイル50の数(密度)等に応じてそれぞれ設定される構成でもよく、ID・収納領域管理データベース320に予め登録されている。このようにID無取得設定時間T1を書類ファイル50の数(密度)等の収納領域40に収納される書類ファイル50の状態に応じて設定することで、棚卸しが完了しているか否かの判定を適切に行うことができる。
ステップS22では、制御回路180は、無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300のID・収納領域管理データベース320にアクセスし、直前の収納領域40として登録されている収納領域情報(後述のステップS24参照)を読み出し、現在の収納領域40(上記ステップS15で特定した収納領域40。以下同様)が直前の収納領域40と一致するか否かを判定する。一致している場合(すなわち操作者が棚卸し対象の収納領域40を変更していない場合)には、判定が満たされて後述するステップS25Aに移る。一方、現在の収納領域40が直前の収納領域40と一致していない場合(すなわち操作者が棚卸し対象の収納領域40を変更した場合)には、判定が満たされずにステップS23に移る。
ステップS23では、制御回路180は、直前の収納領域40に係わる上記ID無取得経過時間t1のカウントを停止し、当該カウント値を無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300に送信し、ID・収納領域管理データベース320に登録する。
ステップS24では、制御回路180は、無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300にアクセスし、現在の収納領域40の収納領域情報を直前の収納領域40としてID・収納領域管理データベース320に登録する。
ステップS25Aでは、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、上記ステップ20Aにおいて棚卸情報取得部182で取得した棚卸し情報(ID無取得経過時間t1、ID無取得設定時間T1)を入力し、当該棚卸し情報に基づき、特定された収納領域40の棚卸しが完了しているか否かを判定する。この判定は、上記ステップS20Aで取得した現在の収納領域40のID無取得経過時間t1(ID無取得経過時間のカウントが開始されている場合にはそのカウント分を加算した経過時間。後述のステップS46,S56参照)が、上記ステップS20Aで取得した上記ID無取得設定時間T1以上であるか否かを判定することにより行われる。ID無取得経過時間t1がID無取得時間T1以上である場合には棚卸しが完了しているとみなし、判定が満たされてステップ30に移る。
ステップS30及びステップS35は、前述の図6と同様であり、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止し、LED125に制御信号を出力して消灯させる。
ステップS36では、制御回路180は、現在の収納領域40におけるID無取得経過時間t1のカウントを停止し、当該カウント値を無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300に送信し、ID・収納領域管理データベース320に登録する。そして、後述のステップS60に移る。
一方、先のステップS25Aにおいて、現在の収納領域40のID無取得経過時間t1がID無取得設定時間T1より短い場合には棚卸しが完了していないとみなし、判定が満たされずにステップ40に移る。
ステップS40及びステップS45は、前述の図6と同様であり、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を開始(既に電波を出力している場合には継続)し、LED125に制御信号を出力して点灯(既に点灯している場合には継続)させる。
ステップS46では、制御回路180は、現在の収納領域40におけるID無取得経過時間t1のカウントを開始(既にカウントを実行している場合には継続)する。このカウントは、上記ステップS20AでID・収納領域管理データベース320から取得したID無取得経過時間t1に加算して行われる。なおこのカウントは、前述したように、制御回路180がその内部(又は外部)に有する図示しないタイマにより実行する。
ステップS50及びステップS55は、前述の図6と同様であり、制御回路180は、通信領域Ac内の収納領域40に収納された書類ファイル50の無線タグ回路素子ToからタグIDを取得したか否かを判定し、タグIDを取得した場合には、棚卸情報登録部184において、無線タグ回路素子Toから取得したタグIDを、特定された収納領域40の情報と関連付けてサーバ300のID・収納領域管理データベース320に登録する。
ステップS56では、制御回路180は、現在の収納領域40におけるID無取得時間のカウントを0にリセットし、再度カウントを開始する。
ステップS60は、前述の図6と同様であり、制御回路180は、操作者が操作部130を介して棚卸し作業を終了させる指示操作を行ったか否かを判定し、終了操作が行われている場合にはこのフローを終了する。一方、終了操作が行われていない場合には、ステップS5へ戻り同様の手順を繰り返す。
なお、上記において、ID取得領域判定部181において実行されるステップS10及びステップS15の手順と、棚卸情報取得部182において実行されるステップS20Aの手順とは、特許請求の範囲各項記載の特定した収納領域に係わる棚卸し情報を取得する棚卸し情報取得手段を構成し、電波出力判定・制御部183において実行されるステップS25Aは、特定された収納領域における棚卸しが完了したかどうかを判定する完了判定手段を構成する。
図9は、本変形例におけるID・収納領域管理データベース320に格納されたデータ(管理テーブル)の内容の一例を表す図である。
図9に示すように、ID・収納領域管理データベース320に格納された管理テーブルには、各収納領域40ごとに、上記ID無取得設定時間T1が予め設定され登録されており、この例では、第1、第2、第3収納領域40のそれぞれのID無取得設定時間T1は、10秒、8秒、12秒となっている。また図に示す例では、第1、第2、第3収納領域40のそれぞれのID無取得経過時間t1が、10秒、2秒、0秒の状態となっている。
このような状態において、リーダ端末100で各収納領域40について棚卸しを行おうとした場合、リーダ端末100は以下のような動作を行う。すなわち、操作者が第1収納領域40について棚卸しを行おうとする場合、第1収納領域40におけるID無取得経過時間t1は10秒であり、ID無取得設定時間T1以上となっていることから、電波出力判定・制御部183は第1収納領域40の棚卸しは完了していると判定する(図8中ステップS25A参照)。その結果、電波出力判定・制御部183が高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止し(図8中ステップS30参照)、既に棚卸し済みである第1収納領域40については、リーダ端末100による再度の棚卸しを行うことが防止される。
一方、操作者が第2収納領域40について棚卸しを行おうとする場合、第2収納領域40におけるID無取得経過時間t1は2秒であり、ID無取得設定時間T1より短い時間であることから、電波出力判定・制御部183は第2収納領域40の棚卸しは完了していないと判定する(図8中ステップS25A参照)。その結果、電波出力判定・制御部183が高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を開始し(図8中ステップS40参照)、まだ棚卸し未完了である第2収納領域40については、リーダ端末100による棚卸しを行うことが許容される。
操作者が第3収納領域40について棚卸しを行おうとする場合も上記第2収納領域40の場合の動作と同様となる。
以上説明した変形例によれば、以下の効果を奏する。すなわち、一般に棚卸し時において無線タグ回路素子ToよりタグIDを一度取得できれば、対応する書類ファイル50の存在は確認できている(=当該書類ファイル50についての棚卸し作業は終了している)ため、その後の再度のタグIDの取得の必要はない。本変形例においては、これに対応して、リーダ端末100において、既にタグIDを取得した無線タグ回路素子To以外に、新たな無線タグ回路素子ToのタグIDの取得がないかどうかを監視し、予め設定されたID無取得設定時間T1の間取得がなかった場合には、対応する収納領域40に存在する(全無線タグ回路素子ToからのタグIDの取得が完了したと見なし)書類ファイル50の棚卸し完了と判定する。この結果、無駄な電力消費を確実に防止し、省エネルギを図ることができる。
(2)電波出力を停止する前に送信出力を増大させる場合
上記変形例(1)において、各収納領域40における新たなタグIDの取得を行えなかった時間が所定の値よりも長く、対応する収納領域40の棚卸しが完了していると判定した場合に、電波出力を停止する前に、もう一度念のために最後に装置アンテナ110からの送信出力を増大してタグIDの取得を図るようにしてもよい。
図10は、本変形例においてリーダ端末100の制御回路180によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図8に対応する図である。図8と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
ステップS5〜ステップS15は前述の図8と同様である。次のステップ20Bでは、制御回路180は、棚卸情報取得部182においてサーバ300のID・収納領域管理データベース320にアクセスし、上記ステップ15で特定された収納領域40に係わる棚卸し情報を取得する。本変形例では、この棚卸し情報は、前述した変形例(1)と同様のID無取得経過時間t1及びID無取得設定時間T1と、棚卸しが完了し(すなわち現在の収納領域40においてカウントされているID無取得経過時間t1がID無取得設定時間T1以上となり)、装置アンテナ110からの送信出力を最大出力に増大させた後の経過時間である出力MAX化後経過時間t2、及びこの経過時間t2が所定のしきい値を超えた場合に装置アンテナ110からの電波の送信を停止させるために、上記しきい値として予め設定された出力MAX化後設定時間T2(第2期間)である。上記出力MAX化後経過時間t2のカウントは、制御回路180がその内部(又は外部)に有する図示しないタイマにより実行するようになっている。また、上記出力MAX化後設定時間T2は、各収納領域40に対しその大きさや収納される書類ファイル50の数(密度)等に応じてそれぞれ設定されており、ID・収納領域管理データベース320に予め登録されている。
ステップS22〜ステップS24は前述の図8と同様であり、制御回路180は、現在の収納領域40が直前の収納領域40と一致するか否かを判定し、一致する場合には後述のステップS25Bに移る。一致していない場合には、直前の収納領域40に係わるID無取得経過時間t1のカウントを停止し、当該カウント値をサーバ300のID・収納領域管理データベース320に登録すると共に、現在の収納領域40の収納領域情報を直前の収納領域40として登録する。
ステップS25Bでは、制御回路180は、無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300のID・収納領域管理データベース320にアクセスし、現在の収納領域40に係わる出力MAX化設定情報を読み出して、当該出力MAX化設定がONであるか否かを判定する。この出力MAX化設定は、初期値はOFFに設定されており、現在の収納領域40においてカウントされているID無取得経過時間t1が上記ID無取得設定時間T1以上となるとONに変更されるものであり、各収納領域40の棚卸し情報としてサーバ300のID・収納領域管理データベース320に登録されるようになっている(後述の図11中ステップS205,S210参照)。現在の収納領域40の出力MAX化設定がONでない場合には、判定が満たされずにステップS200に移り、後述のID無取得時間判定処理(図11参照)を実行した上で、先のステップS5に戻る。一方、現在の収納領域40の出力MAX化設定がONである場合には、判定が満たされてステップS27に移る。
ステップS27では、制御回路180は、上記ステップS20Bで取得した現在の収納領域40に係わる出力MAX化後経過時間t2(出力MAX化後経過時間のカウントが開始されている場合にはそのカウント分を加算した経過時間。後述のステップS225参照)が、上記ステップS20Bで取得した出力MAX化後設定時間T2以上であるか否かを判定する。現在の収納領域40における出力MAX化後経過時間t2が上記出力MAX化後設定時間T2以上である場合には、判定が満たされてステップS30に移る。
ステップS30及びステップS35は前述の図8と同様であり、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止し、LED125に制御信号を出力して消灯させる。
ステップS36Bでは、制御回路180は、現在の収納領域40における出力MAX化後経過時間t2のカウントを停止し、当該カウント値をサーバ300のID・収納領域管理データベース320に登録する。そして、後述のステップS60に移る。
一方、先のステップS27において、現在の収納領域40における出力MAX化後経過時間t2が上記出力MAX化後設定時間T2より短い場合には、判定が満たされずにステップS50に移る。
ステップS50及びステップS55は前述の図8と同様であり、制御回路180は、装置アンテナ110からの送信出力を最大化させて形成した通信領域Ac内の収納領域40に収納された書類ファイル50の無線タグ回路素子ToからタグIDを取得したか否かを判定し、タグIDを取得した場合には、棚卸情報登録部184において、無線タグ回路素子Toから取得したタグIDを、特定された収納領域40の情報と関連付けてサーバ300のID・収納領域管理データベース320に登録する。
ステップS60は、前述の図8と同様であり、制御回路180は、操作者が操作部130を介して棚卸し作業を終了させる指示操作を行ったか否かを判定し、終了操作が行われている場合にはこのフローを終了する。一方、終了操作が行われていない場合には、ステップS5へ戻り同様の手順を繰り返す。
なお、上記において、ID取得領域判定部181において実行されるステップS10及びステップS15の手順と、棚卸情報取得部182において実行されるステップS20Bの手順とは、特許請求の範囲各項記載の特定した収納領域に係わる棚卸し情報を取得する棚卸し情報取得手段を構成する。
図11は、上記ステップS200のID無取得時間判定処理の詳細内容を表すフローチャートである。
ステップS205では、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、上記ステップ20Bにおいて棚卸情報取得部182で取得した棚卸し情報(ID無取得経過時間t1、ID無取得設定時間T1)を入力し、当該棚卸し情報に基づき、特定された収納領域40の棚卸しが完了しているか否かを判定する。この判定は、上記ステップS20Bで取得した現在の収納領域40のID無取得経過時間t1(ID無取得経過時間のカウントが開始されている場合にはそのカウント分を加算した経過時間。後述のステップS235参照)が、上記ステップS20Bで取得した上記ID無取得設定時間T1以上であるか否かを判定することにより行われる。現在の収納領域40のID無取得経過時間t1がID無取得設定時間T1以上である場合には棚卸しが完了しているとみなし、判定が満たされてステップ210に移る。
ステップS210では、制御回路180は、現在の収納領域40の出力MAX化設定をONとし、リーダ端末100の装置アンテナ110からの電波の送信出力を最大に設定する。また、当該収納領域40の出力MAX化設定がONである情報をサーバ300のID・収納領域管理データベース320に登録する。
ステップS215では、制御回路180は、現在の収納領域40における出力MAX化後経過時間t2のカウントを開始する。このカウントは、上記ステップS20BでID・収納領域管理データベース320から取得した出力MAX化後経過時間t2に加算して行われる。そして、後述のステップS240に移る。
一方、先のステップS205において、現在の収納領域40のID無取得経過時間t1がID無取得時間T1より短い場合には棚卸しが完了していないとみなし、判定が満たされずにステップ220に移る。
ステップS220では、制御回路180は、現在の収納領域40の出力MAX化設定を初期値であるOFFのままとし、リーダ端末100の装置アンテナ110からの電波の送信出力を予め設定された所定の出力値(例えば収納領域に関係なく一律に設定された初期値)に設定する。
ステップS225では、制御回路180は、現在の収納領域40におけるID無取得経過時間t1のカウントを開始(既にカウントを実行している場合には継続)する。このカウントは、上記ステップS20BでID・収納領域管理データベース320から取得した無取得経過時間t1に加算して行われる。
ステップS230及びステップS235は、前述の図8中ステップS40及びステップS45と同様であり、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、高周波回路131に制御信号を出力して、上記ステップS220又はステップS230において設定された送信出力により、装置アンテナ110からの電波の出力を開始(既に電波を出力している場合には継続)し、LED125に制御信号を出力して点灯(既に点灯している場合には継続)させる。
ステップS240は、前述の図8中ステップS50と同様であり、制御回路180は、通信領域Ac内の収納領域40に収納された書類ファイル50の無線タグ回路素子ToからタグIDを取得したか否かを判定し、タグIDを取得しなかった場合には、判定が満たされずに本ルーチンを終了する。一方、タグIDを取得した場合には、判定が満たされてステップS245に移り、棚卸情報登録部184において、無線タグ回路素子Toから取得したタグIDを、特定された収納領域40の情報と関連付けてサーバ300のID・収納領域管理データベース320に登録する。
ステップS250は、前述の図8中ステップS56と同様であり、制御回路180は、現在の収納領域40におけるID無取得経過時間t1のカウントを0にリセットし、再度カウントを開始する。そして、本ルーチンを終了する。
なお、上記において、電波出力判定・制御部183において実行されるステップS210及びステップS220の手順は、装置アンテナからの送信出力を制御する出力制御手段を構成し、電波出力判定・制御部183において実行されるステップS205は、特定された収納領域における棚卸しが完了したかどうかを判定する完了判定手段を構成する。また、ステップS240は、特定された収納領域における無線タグ回路素子のタグ識別情報の取得を行う識別情報取得手段を構成する。
図12は、本変形例におけるID・収納領域管理データベース320に格納されたデータ(管理テーブル)の内容の一例を表す図である。
図12に示すように、ID・収納領域管理データベース320に格納された管理テーブルには、各収納領域40ごとに、ID無取得設定時間T1、出力MAX化設定(初期値はOFF)、及び出力MAX化後設定時間T2が予め設定され登録されている。また、各収納領域40ごとに、それぞれのID無取得経過時間t1及び出力MAX化後経過時間t2が登録されている。
このような状態において、リーダ端末100で各収納領域40について棚卸しを行おうとした場合、リーダ端末100は以下のような動作を行う。すなわち、操作者が第1収納領域40について棚卸しを行おうとする場合、出力MAX化設定がONであることから、図10中ステップS25Bの判定が満たされる。そして、第1収納領域40における出力MAX化後経過時間t2は10秒であり、出力MAX化後設定時間T2以上となっていることから、図10中ステップS27の判定が満たされ、その結果、電波出力判定・制御部183が高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止し(図10中ステップS30参照)、第1収納領域40については、リーダ端末100による再度の棚卸しを行うことが防止される。
一方、操作者が第2収納領域40について棚卸しを行おうとする場合、出力MAX化設定がOFFであることから、図10中ステップS25Bの判定は満たされない。そして、第2収納領域40におけるID無取得経過時間t1は2秒であり、ID無取得設定時間T1より短い時間であることから、電波出力判定・制御部183は第2収納領域40の棚卸しは完了していないと判定する(図11中ステップS205参照)。その結果、電波出力判定・制御部183の制御により、送信出力を所定の値に設定した状態で装置アンテナ110からの電波の出力を開始する(図11中ステップS220,S230参照)。このようにして、まだ棚卸し未完了である第2収納領域40については、リーダ端末100による棚卸しを行うことが許容される。
なお、この後、ID無取得経過時間t1が8秒になると、ID無取得設定時間T1以上となることから、電波出力判定・制御部183は第2収納領域40の棚卸しが完了していると判定し(図11中ステップS205参照)、電波出力判定・制御部183の制御により、送信出力を最大値に設定した状態で装置アンテナ110からの電波の出力を開始する(図11中ステップS210,S230参照)。その結果、出力MAX化設定がONとなることから、図10中ステップS25Bの判定が満たされ、その後第2収納領域40における出力MAX化後経過時間t2が8秒となると、出力MAX化後設定時間T2以上となることから、図10中ステップS27の判定が満たされる。その結果、電波出力判定・制御部183が高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止する(図10中ステップS30参照)。
操作者が第3収納領域40について棚卸しを行おうとする場合も上記第2収納領域40の場合の動作と同様となる。
以上説明した変形例においては、ID無取得設定時間T1が経過し棚卸し完了と判定され、装置アンテナ110からの電波の出力を停止する前に、もう一度念のために最後に装置アンテナ110からの送信出力を増大してタグIDの取得を図る。これにより、棚卸し漏れの発生を確実に防止しつつ、無駄な電力消費を確実に防止し、省エネルギを図ることができる。
(3)電波出力経過時間に基づき棚卸し状態を判定する場合
本変形例は、各収納領域40におけるリーダ端末100の電波出力経過時間に基づき、当該時間が所定の値よりも長い場合には、対応する収納領域40に存在する全無線タグ回路素子ToからのタグIDの取得が完了したと見なして収納領域40の棚卸しが完了していると判定し、反対に上記時間が所定の値よりも短い場合には収納領域40の棚卸しが未完了と判定するようにしたものである。
図13は、本変形例においてリーダ端末100の制御回路180によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図8等に対応する図である。図8等と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
ステップS5〜ステップS15は前述の図8と同様である。次のステップ20Cでは、制御回路180は、棚卸情報取得部182においてサーバ300のID・収納領域管理データベース320にアクセスし、上記ステップ15で特定された収納領域40に関する棚卸し情報を取得する。本変形例では、この棚卸し情報は、特定された収納領域40に係わる無線タグ回路素子Toに対するタグIDの取得開始後、予め棚卸し作業を完了するのに必要な電波出力時間として当該収納領域40に対して設定された電波出力設定時間T3(第3期間、棚卸し完了時間)と、特定された収納領域40に係わる無線タグ回路素子Toに対するタグIDの取得開始後の経過時間である電波出力経過時間t3である。この電波出力経過時間t3のカウントは、制御回路180がその内部(又は外部)に有する図示しないタイマにより実行するようになっている。
また、上記電波出力設定時間T3は、各収納領域40に対しその大きさや収納される書類ファイル50の数(密度)等に応じてそれぞれ設定されており、ID・収納領域管理データベース320に予め登録されている。例えば、収納領域40が大きい場合には電波出力設定時間T3は対応して長い時間に設定され、収納領域40内の書類ファイル50の数(密度)が高い場合には電波出力設定時間T3は対応して長い時間に設定される。なお、棚卸しを行うたびに棚卸しが完了するまでの経過時間(電波出力経過時間t3)を記録しておき、これら過去の実績に基づき(例えば実績の平均値に対して定数倍することにより)電波出力設定時間T3を設定するようにしてもよい。
ステップS22〜ステップS24は前述の図8と同様であり、制御回路180は、現在の収納領域40が直前の収納領域40と一致するか否かを判定し、一致する場合には後述のステップS25Bに移る。一方、一致していない場合には、直前の収納領域40に係わる電波出力経過時間t3のカウントを停止し、当該カウント値をサーバ300のID・収納領域管理データベース320に登録すると共に、現在の収納領域40の収納領域情報を直前の収納領域40として登録する。
ステップS25Cでは、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、上記ステップ20Cにおいて棚卸情報取得部182で取得した棚卸し情報(電波出力経過時間t3、電波出力設定時間T3)を入力し、当該棚卸し情報に基づき、特定された収納領域40の棚卸しが完了しているか否かを判定する。この判定は、上記ステップS20Cで取得した現在の収納領域40の電波出力経過時間t3(電波出力経過時間のカウントが開始されている場合にはそのカウント分を加算した経過時間。後述のステップS46C参照)が、上記ステップS20Cで取得した上記電波出力設定時間T3以上であるか否かを判定することにより行われる。電波出力経過時間t3が電波出力設定時間T3以上である場合には棚卸しが完了しているとみなし、判定が満たされてステップ30に移る。
ステップS30〜ステップS36Cは、前述の図8と同様であり、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止し、LED125に制御信号を出力して消灯させる。また、現在の収納領域40における電波出力経過時間t3のカウントを停止し、当該カウント値を無線LAN通信部132、アンテナ201、基地局202、及び通信回線NWを介してサーバ300に送信し、ID・収納領域管理データベース320に登録する。そして、後述のステップS60に移る。
一方、先のステップS25Cにおいて、現在の収納領域40の電波出力経過時間t3が電波出力設定時間T3より短い場合には棚卸しが完了していないとみなし、判定が満たされずにステップ40に移る。
ステップS40〜ステップS55は、前述の図8と同様であり、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を開始(既に電波を出力している場合には継続)し、LED125に制御信号を出力して点灯(既に点灯している場合には継続)させる。そして、現在の収納領域40における電波出力経過時間t3のカウントを開始(既にカウントを実行している場合には継続)する。このカウントは、上記ステップS20CでID・収納領域管理データベース320から取得した電波出力経過時間t3に加算して行われる。その後、制御回路180は、通信領域Ac内の収納領域40に収納された書類ファイル50の無線タグ回路素子ToからタグIDを取得したか否かを判定し、タグIDを取得した場合には、棚卸情報登録部184において、無線タグ回路素子Toから取得したタグIDを、特定された収納領域40の情報と関連付けてサーバ300のID・収納領域管理データベース320に登録する。
ステップS60は、前述の図8と同様であり、制御回路180は、操作者が操作部130を介して棚卸し作業を終了させる指示操作を行ったか否かを判定し、終了操作が行われている場合にはこのフローを終了する。一方、終了操作が行われていない場合には、ステップS5へ戻り同様の手順を繰り返す。
なお、上記において、ID取得領域判定部181において実行されるステップS10及びステップS15の手順と、棚卸情報取得部182において実行されるステップS20Cの手順とは、特許請求の範囲各項記載の特定した収納領域に係わる棚卸し情報を取得する棚卸し情報取得手段を構成し、電波出力判定・制御部183において実行されるステップS25Cは、特定された収納領域における棚卸しが完了したかどうかを判定する完了判定手段を構成する。
図14は、本変形例におけるID・収納領域管理データベース320に格納されたデータ(管理テーブル)の内容の一例を表す図である。
図14に示すように、ID・収納領域管理データベース320に格納された管理テーブルには、各収納領域40ごとに、上記電波出力設定時間T3が予め設定され登録されており、この例では、第1、第2、第3収納領域40のそれぞれの電波出力設定時間T3は、25秒、20秒、30秒となっている。また図に示す例では、第1、第2、第3収納領域40のそれぞれの電波出力経過時間t3が、25秒、10秒、0秒の状態となっている。
このような状態において、リーダ端末100で各収納領域40について棚卸しを行おうとした場合、リーダ端末100は以下のような動作を行う。すなわち、操作者が第1収納領域40について棚卸しを行おうとする場合、第1収納領域40における電波出力経過時間t3は25秒であり、電波出力設定時間T3以上となっていることから、電波出力判定・制御部183は第1収納領域40の棚卸しは完了していると判定する(図13中ステップS25C参照)。その結果、電波出力判定・制御部183が高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を停止し(図13中ステップS30参照)、既に棚卸し済みである第1収納領域40については、リーダ端末100による再度の棚卸しを行うことが防止される。
一方、操作者が第2収納領域40について棚卸しを行おうとする場合、第2収納領域40における電波出力経過時間t3は10秒であり、電波出力設定時間T3より短い時間であることから、電波出力判定・制御部183は第2収納領域40の棚卸しは完了していないと判定する(図13中ステップS25C参照)。その結果、電波出力判定・制御部183が高周波回路131に制御信号を出力して装置アンテナ110からの電波の出力を開始し(図13中ステップS40参照)、まだ棚卸し未完了である第2収納領域40については、リーダ端末100による棚卸しを行うことが許容される。
操作者が第3収納領域40について棚卸しを行おうとする場合も上記第2収納領域40の場合の動作と同様となる。
以上説明した変形例によれば、以下の効果を奏する。すなわち、一般に棚卸しは、全ての書類ファイル50が、収納棚30のうちの本来の収納領域40にそれぞれ存在することの確認作業である。そして、通常は、各書類ファイル50のほとんどの配置が乱れることなく本来の位置にあるため、前回やそれ以前の棚卸しの実績から各収納領域毎に棚卸しに要する概ねの時間が予め想定できることが多い。そこで本変形例においては、これに対応して、各収納領域40ごとに、予め棚卸し作業の完了のために必要な時間を電波出力設定時間T3として設定しておき、リーダ端末100において、無線タグ回路素子ToからのタグIDの取得開始後、その電波出力設定時間T3を経過したかどうかを監視し、電波出力設定時間T3が経過した場合には、対応する収納領域40の棚卸しは(時間的に見て既に完了したと見なし)棚卸し完了と判定する。この結果、無駄な電力消費を確実に防止し、省エネルギを図ることができる。
(4)収納領域に応じて送信出力を設定する場合
本変形例は、各収納領域40に対し、その領域広さや書類ファイル50の配置密度に応じた装置アンテナ110からの送信出力を予め設定してデータベースに格納しておき、棚卸し時にそれらの情報に基づいて装置アンテナ110からの送信出力を決定するものである。
図15は、本変形例においてリーダ端末100の制御回路180によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図8に対応する図である。図8と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
ステップS5〜ステップS15は前述の図8と同様である。次のステップ20Dでは、制御回路180は、棚卸情報取得部182においてサーバ300のID・収納領域管理データベース320にアクセスし、上記ステップ15で特定された収納領域40に関する棚卸し情報を取得する。本変形例では、この棚卸し情報は、上記ID無取得経過時間t1、上記ID無取得設定時間T1、及び上記特定した収納領域40に対しタグIDの取得を開始するときの送信出力Pである。この送信出力Pは、各収納領域40に対し、その領域広さ及び書類ファイル50の配置密度等に応じてそれぞれ設定されており、ID・収納領域管理データベース320に予め登録されている。
ステップS21では、制御回路180は、電波出力判定・制御部183において、リーダ端末100の装置アンテナ110からの電波の送信出力を、上記ステップS20Dで取得した送信出力Pに設定する。
その後のステップS22〜ステップS60は、前述の図8と同様である。すなわち、現在の収納領域40のID無取得経過時間t1がID無取得時間T1以上である場合には棚卸しが完了しているとみなし、装置アンテナ110からの電波の出力を停止する。一方、ID無取得経過時間t1がID無取得設定時間T1より短い場合には棚卸しが完了していないとみなし、上記設定した送信出力Pにより、装置アンテナ110からの電波の出力を開始する。
なお、上記において、電波出力判定・制御部183において実行されるステップS21の手順は、装置アンテナからの送信出力を制御する出力制御手段を構成する。
図16は、本変形例におけるID・収納領域管理データベース320に格納されたデータ(管理テーブル)の内容の一例を表す図である。
図16に示すように、ID・収納領域管理データベース320に格納された管理テーブルには、各収納領域40ごとに、ID無取得経過時間t1及びID無取得時間T1と共に、上記送信出力Pが予め設定され登録されている。この例では、第1、第2、第3収納領域40のそれぞれの送信出力Pは、20dBm、17dBm、25dBmとなっている。これにより、各収納領域40に対し棚卸しを行う際、ID無取得経過時間t1がID無取得設定時間T1となるまでは、上記設定した送信出力Pにより装置アンテナ110から電波がそれぞれ出力される。
以上説明した変形例によれば、以下の効果を奏する。すなわち、一般に収納領域40の広さが広いほど、装置アンテナ110から最遠の無線タグ回路素子Toまでの距離が大きくなるため、装置アンテナ110からの送信出力をより大きくするほうがよい。また、収納領域40における書類ファイル50の配置密度が大きいほど、隣接する物品同士の距離が近くなって無線タグ回路素子To同士による通信干渉が生じやすくなるため、装置アンテナ110からの送信出力をより大きくするほうがよい。本変形例においては、これらに応じて、収納領域40の領域広さ情報や管理対象物品の配置密度情報に基づいて設定された、装置アンテナ110からの送信出力を予めID・収納領域管理データベース320に格納しておき、その情報に基づいてタグIDの取得開始時の装置アンテナ110からの送信出力を決定する。この結果、収納領域40の広さや書類ファイル50の配置密度に関係なく、最適な送信出力により棚卸しを開始することができる。この結果、リーダ端末100で確実にタグIDを取得してから、装置アンテナ110からの電波の出力を停止させることができる。
なお、本変形例では、タグIDの取得を行えなかった時間に基づき棚卸し状態を判定する前述した変形例(1)において、収納領域に応じた送信出力を設定するようにした場合を一例として説明したが、これに限られず、前述の変形例(2)又は変形例(3)の場合に収納領域に応じた送信出力を設定するようにしてもよい。
(5)その他
以上においては、操作者が棚卸しを行おうとした収納領域40が既に棚卸し済みであった場合には、装置アンテナ110からの電波の出力を停止するようにしたが、これに限られず、棚卸しを行おうとした収納領域40が既に棚卸し済みであった場合に、送信出力を低下させる(絞る)ようにしてもよい。これによっても、無駄な電力消費を防止し省エネルギ化を図ることができる。
なお、以上において、図2、図3、図4、図5等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図6、図8、図10等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
本実施形態のファイル管理システムの全体構成を表すシステム構成図である。 リーダ端末の機能構成を表す機能ブロック図である。 制御回路の機能構成を表す機能ブロック図である。 高周波回路の詳細構成を表す機能ブロック図である。 無線タグラベルに備えられた無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。 リーダ端末の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 ID・収納領域管理データベースに格納されたデータの内容の一例を表す図である。 タグIDの取得を行えなかった時間に基づき棚卸し状態を判定する変形例において、リーダ端末の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 タグIDの取得を行えなかった時間に基づき棚卸し状態を判定する変形例において、ID・収納領域管理データベースに格納されたデータの内容の一例を表す図である。 電波出力を停止する前に送信出力を増大させる変形例において、リーダ端末の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 ステップS200のID無取得時間判定処理の詳細内容を表すフローチャートである。 電波出力を停止する前に送信出力を増大させる変形例において、ID・収納領域管理データベースに格納されたデータの内容の一例を表す図である。 電波出力経過時間に基づき棚卸し状態を判定する変形例において、リーダ端末の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 電波出力経過時間に基づき棚卸し状態を判定する変形例において、ID・収納領域管理データベースに格納されたデータの内容の一例を表す図である。 収納領域に応じて送信出力を設定する変形例において、リーダ端末の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 収納領域に応じて送信出力を設定する変形例において、ID・収納領域管理データベースに格納されたデータの内容の一例を表す図である。
符号の説明
30 収納棚(収納部材)
40 収納領域
50 書類ファイル(管理対象物品)
100 リーダ端末(無線タグ通信装置)
110 装置アンテナ
125 LED(報知手段)
140 カメラ(撮像手段)
150 IC回路部
151 タグアンテナ
320 ID・収納領域管理データベース(データベース)
To 無線タグ回路素子
TS ファイル管理システム(物品管理システム)
T1 ID無取得時間(第1期間)
T2 出力MAX化後経過時間(第2期間)

Claims (10)

  1. 複数の管理対象物品にそれぞれ設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信可能なタグアンテナとを備えた複数の無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うための装置アンテナと、
    前記複数の管理対象物品を収納可能な収納部材のうち、少なくとも1つの管理対象物品をそれぞれ収納可能とする複数の収納領域の映像を撮影可能な撮像手段と、
    前記撮像手段が前記映像を撮影した前記収納領域を特定し、前記収納部材に収納された前記複数の管理対象物品の棚卸し状態に係わる棚卸し情報を格納したデータベースから、前記特定した収納領域に係わる前記棚卸し情報を取得する棚卸し情報取得手段と、
    前記棚卸し情報取得手段で取得した前記棚卸し情報に基づき、前記装置アンテナからの送信出力を制御する出力制御手段と、
    前記出力制御手段で制御された送信出力により、前記装置アンテナを介し、前記特定された前記収納領域における前記無線タグ回路素子のタグ識別情報の取得を行う識別情報取得手段と
    を有することを特徴とする無線タグ通信装置。
  2. 前記出力制御手段は、
    前記特定された前記収納領域における棚卸しが未完了か完了かに応じて、前記装置アンテナからの電波の送信の開始又は停止を切り替える
    ことを特徴とする請求項1記載の無線タグ通信装置。
  3. 前記特定された前記収納領域における棚卸しが完了したかどうかを判定する完了判定手段を有し、
    前記出力制御手段は、
    前記完了判定手段での棚卸し完了の判定結果に基づき、前記装置アンテナからの電波の送信を停止する
    ことを特徴とする請求項2記載の無線タグ通信装置。
  4. 前記完了判定手段は、
    前記特定された前記収納領域に存在する前記無線タグ回路素子より前記識別情報取得手段が所定の第1期間に新たな前記タグ識別情報の取得を行えなかった場合、前記棚卸し完了と判定する
    ことを特徴とする請求項3記載の無線タグ通信装置。
  5. 前記出力制御手段は、
    前記完了判定手段で棚卸し完了と判定された後、前記装置アンテナからの電波の送信を停止する前に所定の第2期間前記装置アンテナからの送信出力を増大させ、
    前記識別情報取得手段は、
    前記出力制御手段で増大した出力により、前記装置アンテナを介し、前記特定された前記収納領域における前記無線タグ回路素子の前記タグ識別情報の取得を行い、
    前記出力制御手段は、
    前記出力制御手段で前記装置アンテナからの送信出力を増大させた後の経過時間が前記第2期間となった場合、前記装置アンテナからの電波の送信を停止する
    ことを特徴とする請求項4記載の無線タグ通信装置。
  6. 前記完了判定手段は、
    前記特定された前記収納領域に対する前記識別情報取得手段によるタグ識別情報の取得開始後、予め棚卸し作業を完了するのに必要な時間として当該収納領域に対して設定された第3期間が経過した場合、前記棚卸し完了と判定する
    ことを特徴とする請求項3記載の無線タグ通信装置。
  7. 前記装置アンテナからの電波の送信が開始されているか停止されているかに応じて、対応する報知を行う報知手段を有する
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の無線タグ通信装置。
  8. 前記出力制御手段は、
    前記データベースから取得した、前記特定した収納領域における領域広さ情報、若しくは、前記管理対象物品の配置密度情報に応じて、前記識別情報取得手段で前記タグ識別情報の取得を開始するときの前記装置アンテナにおける開始時送信出力を設定する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の無線タグ通信装置。
  9. 情報を記憶するIC回路部と情報を送受信可能なタグアンテナとをそれぞれ備えた複数の無線タグ回路素子に対し、無線通信を行う無線タグ通信装置と、
    前記無線タグ通信装置からアクセス可能に設けられたデータベースと
    を有する物品管理システムであって、
    前記データベースは、
    収納部材に備えられた複数の収納領域に収納された複数の管理対象物品の棚卸し状態に係わる棚卸し情報を格納しており、
    前記無線タグ通信装置は、
    前記複数の管理対象物品にそれぞれ設けられた複数の前記無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うための装置アンテナと、
    前記複数の収納領域の映像を撮影可能な撮像手段と、
    前記撮像手段が前記映像を撮影した前記収納領域を特定し、前記データベースから前記特定した収納領域に係わる前記棚卸し情報を取得する棚卸し情報取得手段と、
    前記棚卸し情報取得手段で取得した前記棚卸し情報に基づき、前記装置アンテナからの送信出力を制御する出力制御手段と、
    前記出力制御手段で制御された送信出力により、前記装置アンテナを介し、前記特定された前記収納領域における前記無線タグ回路素子のタグ識別情報の取得を行う識別情報取得手段と
    を有する
    ことを特徴とする物品管理システム。
  10. 前記データベースは、
    予め棚卸し作業を完了するのに必要な時間として当該収納領域に対して設定された棚卸し完了時間を記憶しており、
    前記出力制御手段は、
    前記特定された前記収納領域に対する前記識別情報取得手段によるタグ識別情報の取得開始後、前記第3期間が経過した場合、前記装置アンテナからの電波の送信を停止する
    ことを特徴とする請求項9記載の物品管理システム。
JP2008239631A 2008-09-18 2008-09-18 無線タグ通信装置及び物品管理システム Pending JP2010070317A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008239631A JP2010070317A (ja) 2008-09-18 2008-09-18 無線タグ通信装置及び物品管理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008239631A JP2010070317A (ja) 2008-09-18 2008-09-18 無線タグ通信装置及び物品管理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010070317A true JP2010070317A (ja) 2010-04-02

Family

ID=42202473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008239631A Pending JP2010070317A (ja) 2008-09-18 2008-09-18 無線タグ通信装置及び物品管理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010070317A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011222068A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Fujitsu Ltd ライブラリ装置およびインベントリ制御方法
JP2016038875A (ja) * 2014-08-11 2016-03-22 東芝テック株式会社 Icタグ読取装置およびプログラム
JP2020530160A (ja) * 2017-08-07 2020-10-15 オムニ コンシューマー プロダクツ、エルエルシー 監視ドローンのためのシステム、方法、および装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011222068A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Fujitsu Ltd ライブラリ装置およびインベントリ制御方法
JP2016038875A (ja) * 2014-08-11 2016-03-22 東芝テック株式会社 Icタグ読取装置およびプログラム
JP2020530160A (ja) * 2017-08-07 2020-10-15 オムニ コンシューマー プロダクツ、エルエルシー 監視ドローンのためのシステム、方法、および装置
JP7339238B2 (ja) 2017-08-07 2023-09-05 オムニ コンシューマー プロダクツ、エルエルシー 監視ドローンのためのシステム、方法、および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8077041B2 (en) Real-time automatic RFID inventory control system
US20070273481A1 (en) RFID tag with programmable read range
US9000892B2 (en) Detecting RFID tag and inhibiting skimming
US8797144B2 (en) Authorizing RFID reader and inhibiting skimming
US11798392B1 (en) Environment-based RFID IC behavior
US7893834B2 (en) Power control method for mobile RFID reader and RFID reader using the same
US20110156907A1 (en) Apparatus for communicating with rfid tag and system for article management
US20080191845A1 (en) Location-Based Power Management in RFID Applications
KR20080084020A (ko) Rfid 태그의 전력 관리 장치 및 그 방법
US20080266103A1 (en) Radio frequency identification devices
US20110090063A1 (en) Apparatus and method using histogram-based techniques for avoiding overpolling
US20120161930A1 (en) Cross-read resolution method for use in a radio frequency identification system
JP2010086111A (ja) 無線タグ通信装置及び無線タグ通信方法
JP2009181532A (ja) 無線タグ通信装置、タグラベル作成装置、ラベルイメージ管理システム
US20110080265A1 (en) Rfid tag communication system and apparatus for communicating with rfid tag
JP2010070317A (ja) 無線タグ通信装置及び物品管理システム
KR100897802B1 (ko) 무선인식 리더들간의 충돌방지 방법 및 무선인식 리더
JP2009086984A (ja) 非接触通信媒体読み取り装置、および非接触通信媒体読み取り方法
JP2007312133A (ja) 無線タグ通信システムの質問器、無線タグ回路素子、及び無線タグ通信システム
JP2009199527A (ja) 探索システム
WO2007091612A1 (ja) 無線タグ通信システムの質問器
JP4868296B2 (ja) 無線タグ通信装置及び報知管理システム
JP2010134524A (ja) 非接触通信システム
JP2008287534A (ja) 無線タグ、及び質問器、並びに管理システム
US11791866B2 (en) Systems and methods for device coexistence