JP7426857B2 - 無線タグ読取装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、無線タグ読取装置及びプログラムに関する。
従来、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ等の無線タグが記憶するデータ(以下、タグデータともいう)を無線タグ読取装置で読み取ることで、当該無線タグが付された物品の在庫等を管理することが行われている。
上述の在庫管理では、多数の無線タグを一括で読み取るようなことが行われる。そのため、無線タグ読取装置には、例えばタイムスロット方式(スロットアロハ方式)等のアンチコリンジョン機能が搭載されることが一般的である。かかる無線タグ読取装置では、Queryコマンドを発行することで、交信領域内に存在する無線タグを検索(探索)してタグデータの読み取りを行う。また、無線タグ読取装置では、Query Adjustコマンドを発行することで、Queryコマンドで検索された無線タグのうち、タグデータが未読取の無線タグからタグデータの読み取りを行う。無線タグ読取装置は、上記したQueryコマンドとQuery Adjustコマンドとを順次発行することで、アンテナの交信領域内に存在する無線タグの一括読み取りを実現する。
ところで、無線タグ読取装置を移動させながら無線タグの読み取りを行うような場合、無線タグ読取装置の移動に伴い交信領域も変化することになる。この場合、QueryコマンドからQuery Adjustコマンドに不用意に切り替わると、交信領域内に入った新たな無線タグを読み取ることができず、読みこぼしが発生する可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、無線タグの読み取りを効率的に行うことが可能な無線タグ読取装置及びプログラムを提供することである。
実施形態の無線タグ読取装置は、読取手段と、制御手段と、判定手段とを備える。読取手段は、アンテナの交信領域内に存在する無線タグを検索し、検索した前記無線タグからタグデータを読み取る第1の読取動作と、前記第1の読取動作で検索された無線タグのうち前記タグデータが未読取の無線タグから前記タグデータを読み取る第2の読取動作とを実行する。制御手段は、前記第1の読取動作での前記タグデータの読取状況に基づいて、前記読取手段に前記第1の読取動作を再度実行させるか、前記第2の読取動作を実行させるかを制御する。判定手段は、前記タグデータに含まれた当該タグデータを識別するためのタグ識別子に基づいて、前記読取手段で読み取られる前記タグデータが、過去に読み取られた既存の前記タグデータと重複するか否かを判定する。また、制御手段は、前記第1の読取動作で読み取られた前記タグデータについての、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の読取動作と前記第2の読取動作との何れか一方を前記読取手段に実行させる。
図1は、実施形態に係るRFIDタグ読取装置の構成の一例を示す図である。 図2は、実施形態に係るRFIDタグ読取装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図3は、実施形態のRFIDタグ読取装置がRFIDタグの読み取りを行う際のRFIDタグの状態遷移図である。 図4は、実施形態のRFIDタグ読取装置が行う間欠読取動作を説明するための図である。 図5は、実施形態に係るRFIDタグ読取装置10の機能構成の一例を示す図である。 図6は、実施形態のRFIDタグ読取装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、実施形態に係る無線タグ読取装置及びプログラムについて説明する。以下では、無線タグの一例であるRFIDタグの読み取りを行う無線タグ読取装置について説明する。なお、以下に説明する実施形態により、この発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るRFIDタグ読取装置の構成の一例を示す図である。RFIDタグ読取装置10は、RFIDタグTGが記憶するタグデータを非接触で読み取ることが可能な無線タグ読取装置の一例である。
RFIDタグTGは、例えば商品等の物品Gに付され、図示しない記憶媒体にタグデータを記憶する。タグデータには、RFIDタグTG自身を識別可能なタグ識別子、RFIDタグTGが付された物品Gの種別を識別可能な物品識別子、CRC(Cyclic Redundancy Code)等が含まれる。
また、本実施形態のRFIDタグ読取装置10は、ハンディタイプの無線タグ読取装置であり、操作者が携帯することが可能となっている。例えば、RFIDタグ読取装置10は、操作者により物品Gが載置された棚等にむけられることで、物品Gの各々に付されたRFIDタグTGからタグデータの読み取りを行う。
次に、RFIDタグ読取装置10のハードウェア構成について説明する。図2は、RFIDタグ読取装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、RFIDタグ読取装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、記憶部14等を備えている。CPU11は、プロセッサの一例であり、RFIDタグ読取装置10の動作を統括的に制御する。ROM12は、各種プログラムを記憶する。RAM13は、各種データを展開するためのワーキングメモリとして使用される。また、RAM13は、RFIDタグTGから読み取られたタグデータを記憶するための読取バッファBFを保持する。
CPU11、ROM12、RAM13及び記憶部14は、バス等を介して接続される。ここで、CPU11、ROM12及びRAM13は、制御部100を構成する。制御部100は、CPU11がROM12や記憶部14に記憶されたプログラムに従って動作することによって、後述する処理を実行する。
記憶部14は、電源を切っても記憶情報を保持するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。記憶部14は、各種のプログラムや設定情報を記憶する。
また、制御部100には、バス等を介して、読取部15と、通信部16とが接続される。読取部15は、アンテナ151と、送信部152と、受信部153とを有する。送信部152は、アンテナ151から電波を放射させるための電力をアンテナ151に供給する。受信部153は、アンテナ151を介してRFIDタグTGから送信される電波を受信する。読取部15は、制御部100の制御の下、RFIDタグTGを読み取るための電波を放射し、当該電波を受けた無線タグが発する電波を受信することで、RFIDタグTGに記憶されたタグデータを読み取る。
通信部16は、例えばBluetooth(登録商標)や無線LAN等の無線通信規格に準拠した通信インタフェースである。通信部16は、制御部100の制御の下、携帯端末やサーバ装置等の外部装置と無線通信を行う。
また、制御部100には、バス等を介して、表示部17と、操作部18と、音声出力部19とが接続される。表示部17は、例えば液晶パネル等で形成されており、操作者に対して各種の情報を表示する。操作部18は、例えば各種操作ボタンやタッチパネル等の入力デバイスを有し、操作者による操作を受け付ける。音声出力部19は、スピーカやブザー等の音声出力装置である。音声出力部19は、制御部100の制御の下、音声を出力する。
次に、図3を用いて、RFIDタグ読取装置10が備えるRFIDタグ読取機能について説明する。なお、RFIDタグ読取装置10は、ISO18000-63(EPC global Gen2)のエアインタフェースに準拠したRFIDタグ読取機能を備えているものとする。
図3は、RFIDタグ読取装置10がRFIDタグTGの読み取りを行う際のRFIDタグTGの状態遷移図である。なお、図3では、RFIDタグTGの状態遷移のうち、主要な部分を示している。
まず、RFIDタグ読取装置10の移動等に伴い、電源OFF状態31であるRFIDタグTGがアンテナ151の交信領域に入ると、RFIDタグTGはスタンバイ状態32に遷移する。RFIDタグ読取装置10は、交信領域内に存在するRFIDタグTGに対し、Q値を含むQueryコマンドを送信する。
ここで、Queryコマンドは、アンテナ151の交信領域内に存在するRFIDタグTGを検索(探索)するためのコマンドである。RFIDタグTGがスタンバイ状態32にあるとき、RFIDタグ読取装置10からQueryコマンドを受信すると、RFIDタグTGは調停状態33に遷移する。なお、RFIDタグTGは、調停状態33にあるとき、RFIDタグ読取装置10に対し同時に応答しないように調停を行う。
また、Q値は、RFIDタグTGの読み取り単位となるタイムスロット(以下、スロットともいう)を規定するためのパラメータである。RFIDタグ読取装置10は、アンテナ151の交信領域内に存在するRFIDタグTGに対し、特定のビット(1~2Q:Qは1以上の整数)をスロットとして指定する。このような方式は、タイムスロット方式(スロットアロハ方式)のアンチコリジョンとして一般に用いられている。
RFIDタグ読取装置10は、Queryコマンドの送信後、当該Queryコマンドで設定した各スロットでRFIDタグTGを読み取るため、Query Repコマンドの送信をスロット数分繰り返す。
調停状態33のRFIDタグTGは、RFIDタグ読取装置10からQuery Repコマンド又は後述するQuery Adjustコマンドを受信すると、応答状態34に遷移する。応答状態34にあるとき、対象となるRFIDタグTGは、16ビットの乱数であるRN16を生成してRFIDタグ読取装置10に送信する。
例えば、スロットが2ビット(Q=1)であった場合、RFIDタグTGは、2ビットの乱数“00”、“01”、“10”、“11”の何れかを生成する。そして、RFIDタグTGは、生成した乱数に一致したタイミングのスロットを利用してRFIDタグ読取装置10に応答を返す。
このとき、1つのスロットに対して1つのRFIDタグTGしか応答を返さなかった場合には、RFIDタグ読取装置10は、そのRFIDタグTGのRN16を含むAckコマンドを送信する。一方、1つのスロットに対して複数のRFIDタグTGが同時に応答を返した場合には、RFIDタグ読取装置10は、コリジョンが発生したものと判断する。コリジョンが発生したRFIDタグTGでは、再度乱数を生成し、生成した乱数に一致したタイミングのスロットを利用してRFIDタグ読取装置10に応答を返す。
RFIDタグTGは、応答状態34にあるとき、RFIDタグ読取装置10から送信された、RN16を含む応答信号であるAckコマンドを受信すると、そのAckコマンドの中に、自身が送信したRN16が含まれているかを検出する。そして、RN16が含まれていることが検出されると、RFIDタグTGは承認状態35に遷移する。承認状態35にあるとき、RFIDタグTGは、自身が記憶するタグ識別子の一例であるEPC(Electronic Product Code)等を含んだタグデータを送信する。
なお、調停状態33と、応答状態34と、承認状態35とは、複数のRFIDタグTGを読み取る際に、データ読み取りの衝突を回避してそれぞれのタグデータを読み取る、いわゆるアンチコリジョンを実現するためのインベントリ処理36を構成する。
続いて、RFIDタグ読取装置10は、先のQueryコマンドで得られたRFIDタグTGの応答状況に基づいてQ値を調整する。具体的には、RFIDタグ読取装置10は、スロット数に対してRFIDタグTGからの応答が適切か、スロット数に対してRFIDタグTGからの応答が多いか、又はスロット数に対してRFIDタグTGからの応答が少ないか等の応答状況に応じてQ値を自動的に調整する。なお、Q値の自動調整は、公知の技術を用いることができる。
続いて、RFIDタグ読取装置10は、調整後のQ値を含んだQuery Adjustコマンドを送信する。Query Adjustコマンドは、先のQueryコマンドに応答したRFIDタグTGのうち、読み取りが完了したRFIDタグTG以外の未読取のRFIDタグTGへのQueryコマンドとして機能する。つまり、Query Adjustコマンドで読み取り可能なRFIDタグTGは、先行するQueryコマンドに応答したRFIDタグTGの範囲内に制限される。そのため、Query Adjustコマンドでは、Queryコマンドに応答したRFIDタグTG以外の新規のRFIDタグTGを読み取ることはできないが、Queryコマンドに応答した既存のRFIDタグTGを読み切る場合に有効となる。
RFIDタグ読取装置10は、Query Adjustコマンドの送信後、上述したQueryコマンドと同様にQuery Repコマンドを順次送信することで、RFIDタグTGからタグデータの読み取りを行う。
そして、RFIDタグ読取装置10は、所定の終了条件を満たすまで、Q値の自動調整と、Query Adjustコマンド(Query Repコマンド)の送信を繰り返し実行することで、RFIDタグTGの各々からタグデータの読み取りを行う。
Query Adjustコマンド送信の終了条件は、任意に設定することが可能である。例えば、Q値の自動調整でQ=2に設定されたこと等を条件としてもよい。また、Query Adjustコマンドの送信回数が閾値(例えば5回)に達したことを条件としてもよい。また、Q値の自動調整の中でタグ応答無しの状態が所定回数(例えば3回)続いたことを条件としてもよい。また、終了条件は、これらの条件を組み合わせたものであってもよい。
なお、RFIDタグTGは、承認状態35にあるとき、RFIDタグ読取装置10からReq_RNコマンドを受信すると、オープン状態37に遷移する。
RFIDタグTGは、オープン状態37にあるとき、RFIDタグ読取装置10からSelectコマンドを受信すると、スタンバイ状態32に遷移する。また、RFIDタグTGは、オープン状態37にあるとき、RFIDタグ読取装置10からKillコマンドを受信すると、機能停止状態39に遷移する。さらに、RFIDタグTGは、オープン状態37にあるとき、RFIDタグ読取装置10からAccessコマンドを受信すると、セキュア状態38に遷移する。
RFIDタグTGがセキュア状態38にあるとき、RFIDタグ読取装置10からSelectコマンドを受信すると、RFIDタグTGはスタンバイ状態32に遷移する。また、RFIDタグTGがセキュア状態38にあるとき、RFIDタグ読取装置10からKillコマンドを受信すると、RFIDタグTGは機能停止状態39に遷移する。そして、RFIDタグTGが機能停止状態39にあるとき、RFIDタグTGがアンテナ151の交信領域から外れると、RFIDタグTGは電源OFF状態31に遷移する。
RFIDタグ読取装置10は、RFIDタグTGと連携して上述した一連の処理、つまりQueryコマンド→Query Adjustコマンドの送信処理を行うことによって、複数のRFIDタグTGからタグデータを一括で読み取ることができる。
ところで、RFIDタグ読取装置10では、法的な制約又は温度上昇等の要因により、電波を連続して送信する期間は数秒程度に制限される。そのため、RFIDタグ読取装置10では、例えば4秒間の間電波を放射した後、所定時間の放射を休止することで、RFIDタグTGを間欠的に読み取ることが行われている。以下、電波を連続して放射する期間を「読取期間」、電波の放射を休止する期間を「休止期間」ともいう。
図4は、RFIDタグ読取装置10が行う間欠読取動作を説明するための図である。ここで、横軸は、経過時間、縦軸は、読み取り可能なRFIDタグTGの枚数を意味する。
図4に示すように、RFIDタグ読取装置10は、読取期間T1の間電波を放射した後、休止期間T2(但しT1>T2)の間電波の放射を休止する動作を繰り返し実行することで、RFIDタグTGの読み取りを間欠的に行う。
RFIDタグ読取装置10は、読取期間T1を開始したタイミングtaでQueryコマンドを送信する第1の読取動作を実行する。そのため、第1の読取動作は、読取期間T1+休止期間T2のタイミング毎に周期的に実行される。また、Query Adjustコマンドによる読取動作(以下、第2の読取動作ともいう)も、この読取期間T1内に実行される。つまり、読取期間T1において、第1の読取動作と第2の読取動作とが順次実行される。
また、タイミングtaでの読み取り可能なRFIDタグTGの枚数は、Queryコマンドに含めたQ値、つまりスロット数に応じた値となる。例えば、Queryコマンドに含めるQ値を、後述する最大値(Qmax)とした場合、読み取り可能枚数の理論値は2Qmax枚となる。
なお、実際に読み取ることが可能なRFIDタグTGの枚数は、様々な要因により理論値どおりとはならない。例えばタイムスロット方式を用いる場合、無線タグの応答のないスロットや、複数の無線タグが応答してしまうスロットも存在するため、全てのスロットで無線タグを読み取ることはできない。また、読取期間T1毎に、読み取り可能枚数も変化することになる。
また、RFIDタグ読取装置10は、タイミングtaの後、Queryコマンドに対するRFIDタグTGの応答状況に応じたタイミングtbで、最初のQuery Adjustコマンドを送信する。このとき、読み取り可能なRFIDタグTGの枚数は、Queryコマンドで読み取られたRFIDタグTG以外のRFIDタグTGの個数となるため、タイミングtaの時よりも小さくなる。さらに、RFIDタグTGの枚数は、Query Adjustコマンドが繰り返し送信される毎に減少する傾向にある。なお、Query Adjustコマンドによるタグデータの読み取りは所定の終了条件を満たすまで、又は読取期間T1が終了するタイミングtcまで継続される。
ところで、RFIDタグ読取装置10を移動させながらRFIDタグTGの読み取りを行うような場合、RFIDタグ読取装置10の移動に伴い交信領域も変化することになる。この場合、QueryコマンドからQuery Adjustコマンドに不用意に切り替わると、交信領域内に入った新たなRFIDタグTGを読み取ることができず、読みこぼしが発生する可能性がある。
そこで、本実施形態のRFIDタグ読取装置10では、上述した問題に関してRFIDタグTGの読み取りを効率的に行うための機能を備えている。以下、図5を参照して、RFIDタグ読取装置10が備える機能構成について説明する。
図5は、RFIDタグ読取装置10の機能構成の一例を示す図である。図5に示すように、RFIDタグ読取装置10は、読取処理部101と、読取結果処理部102と、読取動作制御部103と、報知処理部104とを機能部として備える。
RFIDタグ読取装置10が備える機能部の一部又は全ては、RFIDタグ読取装置10のプロセッサ(例えばCPU11)とメモリ(例えばROM12、記憶部14)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、RFIDタグ読取装置10が備える機能部の一部又は全ては、RFIDタグ読取装置10に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
読取処理部101は、読取手段の一例である。読取処理部101は、読取部15と協働することで、RFIDタグTGからタグデータの読み取りを行う。具体的には、読取処理部101は、図3で説明した一連の読取動作を行うことで、アンテナ151の交信領域にあるRFIDタグTGからタグデータを読み取る。
例えば、読取処理部101は、上述した読取期間T1の開始時にQueryコマンドを送信することで、交信領域内に存在するRFIDタグTGを検索し、検索したRFIDタグTGからタグデータを読み取る第1の読取動作を行う。また、読取処理部101は、Queryコマンドに対するRFIDタグTGの応答状況に応じて、RFIDタグTGの読み取りに係るQ値を調整する。そして、読取処理部101は、続くインベントリ処理36において、調整後のQ値を指定したQuery Adjustコマンドを送信してタグデータの読み取りを行う第2の読取動作を行う。
また、読取処理部101は、読取動作制御部103の制御の下、上述したQuery Adjustコマンドの送信に代えてQueryコマンドを再度送信することで第1の読取動作を連続して実行することもできる。つまり、読取処理部101は、インベントリ処理36において、第1の読取動作と第2の読取動作とを選択的に実行することが可能となっている。
なお、読取処理部101は、予め設定された最小値(Qmin)から最大値(Qmax)までの範囲内でQ値を調整することが可能であるとする。例えば、読取処理部101は、最初に設定するQ値の初期値としてQmaxを設定してもよい。
また、読取処理部101は、第1の読取動作で読み取ったタグデータと、第2の読取動作で読み取ったタグデータとを識別可能な状態で出力する。例えば、読取処理部101は、第1の読取動作及び第2の読取動作で読み取ったタグデータに、その読取動作を識別するための識別子(以下、動作識別子ともいう)を付加することで、何れの読取動作で読み取られたタグデータかを識別可能な状態で出力する。
読取結果処理部102は、判定手段の一例である。読取結果処理部102は、読取処理部101で読み取られたタグデータに基づき所定の処理を実行する。
具体的には、読取結果処理部102は、読取処理部101で読み取られたタグデータを読取バッファBFに登録する。その際、読取結果処理部102は、新たなタグデータが読取処理部101で読み取られる毎に、当該タグデータに含まれるタグ識別子と、読取バッファBFに登録されたタグデータのタグ識別子とを比較する。そして、読取結果処理部102は、タグ識別子が重複した場合に、読み取られたタグデータを破棄する重複チェックを実行する。これにより、同一のタグ識別子を含むタグデータが読取バッファBFに重複して登録されてしまうことを抑制することができる。
また、読取結果処理部102は、タグデータに付された動作識別子に基づき、読取処理部101で読み取られたタグデータの読取状況や重複チェックのチェック結果を動作識別子毎に導出する。例えば、読取結果処理部102は、読取処理部101で読み取られたタグデータの個数を動作識別子毎に算出する。また、例えば、読取結果処理部102は、読取処理部101で読み取られたタグデータのうち、タグ識別子が重複したタグデータ(以下、重複タグデータともいう)と、タグ識別子が重複しないタグデータ(以下、新規タグデータともいう)との比率を動作識別子毎に算出する。
また、読取結果処理部102は、外部装置からの送信指示や所定の時間間隔で、読取バッファBFに登録されたタグデータを、通信部16を介して外部装置に送信する。なお、読取結果処理部102は、同一のタグデータを重複して送信しないよう送信済のタグデータと未送信のタグデータとを分別して送信処理を行うものとする。
読取動作制御部103は、制御手段の一例である。読取動作制御部103は、読取処理部101の読取動作を制御する。具体的には、読取動作制御部103は、読取結果処理部102で導出された、第1の読取動作に係るタグデータの読取状況や重複チェックのチェック結果に基づき、読取処理部101に第1の読取動作を再度実行させるか、第2の読取動作を実行させるかを制御する。
例えば、読取動作制御部103は、読取期間T1の開始時に実行される第1の読取動作での読取状況やチェック結果に基づき、続くインベントリ処理36で第1の読取動作を再度実行させるか、第2の読取動作を実行させるかを制御する。また、例えば、読取動作制御部103は、インベントリ処理36で第1の読取動作を再度実行させた場合、その第1の読取動作での読取状況やチェック結果に基づき、引き続き第1の読取動作を実行させるか、第2の読取動作を実行させるかを制御する。なお、1度の読取期間T1内で実行される第1の読取動作に限らず、複数の読取期間T1に亘って実行された第1の読取動作の読取状況を、読取動作を選択する際の判断指標としてもよい。
読取動作の選択に係る読取状況の条件は任意に設定可能とするが、新規タグデータを容易に読み取ることができない状況の場合には、第2の読取動作が優先的に実行されるよう条件を設定することが好ましい。例えば、新規タグデータの読み取り個数や頻度が閾値以上となる場合には、第1の読取動作を実行させ、閾値未満となる場合には、第2の読取動作を実行させる条件としてもよい。また、例えば、重複タグデータの比率が新規タグデータの比率よりも小さい場合には、第1の読取動作を実行させ、重複タグデータの比率が新規タグデータの比率よりも大きい場合には、第2の読取動作を実行させる条件としてもよい。
上記例のように、新規タグデータの読み取り個数や頻度が低下してきた場合に、第2の読取動作が実行されるよう条件を設定することで、アンテナ151の交信領域内に存在するRFIDタグTGを効率的に読み取ることができる。
例えば、RFIDタグ読取装置10を静止した状態でRFIDタグTGの読み取りを行う場合、アンテナ151の交信領域は固定された状態となるため、新たなRFIDタグTGが交信領域内に入る可能性は低くなる。この場合、読取処理部101が読み取る新規タグデータの個数や頻度は読取動作を行う度に低下し、新規タグデータを容易に読み取ることができない状況となる。このような場合、Queryコマンドに応答したRFIDタグTGの範囲内で読み取りを行うQuery Adjustコマンドを用いる第2の読取動作に切り替えた方が、交信領域内に存在するRFIDタグTGの読み取り(読み切り)を効率的に行うことができる。
一方、RFIDタグ読取装置10を移動させながらRFIDタグTGの読み取りを行うような場合、RFIDタグ読取装置10の移動に伴いアンテナ151の交信領域も移動(変化)するため、新たなRFIDタグTGが交信領域内に入る可能性が高くなる。この場合、読取処理部101が読み取る新規タグデータの個数や頻度は、上述した静止した状態での読取状況よりも高くなる傾向にある。このような場合、Queryコマンドを用いる第1の読取動作を継続して行った方が、交信領域に入る新たなRFIDタグTGを読み取りの対象に含めることができるため、交信領域内に存在するRFIDタグTGの読み取りを効率的に行うことができる。
報知処理部104は、報知手段の一例である。報知処理部104は、タグデータが読み取られたことを表示部17や音声出力部19等を用いて報知を行う。
ここで、報知方法は特に問わず、種々の方法を採用することができる。例えば、報知処理部104は、タグデータを読み取ったことを表す画像やメッセージ、タグデータに含まれた物品識別子等を表示部17に表示させることで報知を行ってもよい。また、例えば、読取結果処理部102は、音声出力部19からビープ音等の音声を出力させることで報知を行ってもよい。また、RFIDタグ読取装置10がインジケータランプ等の発光部を備える場合、報知処理部104は、発光部を発光や点滅させることで報知を行ってもよい。
具体的には、報知処理部104は、読取結果処理部102の処理結果に基づき、第2の読取動作によりタグデータが読み取られる毎に報知を行う。ここで、報知処理部104は、第2の読取動作で読み取られたタグデータのうち、新規タグデータが読み取られた場合にのみ報知を行ってもよいし、重複タグデータと新規タグデータとの両方で報知を行ってもよい。
また、報知処理部104は、第1の読取動作で読み取られたタグデータについても報知を行ってもよい。この場合、報知処理部104は、新規タグデータが読み取られた場合にのみ報知を行うことが好ましい。
これにより、RFIDタグ読取装置10を操作する操作者は、報知の頻度や回数等に基づき、現在の位置でのRFIDタグTGの読み取り状況を把握することができる。例えば、操作者は、報知が行われている間はその場に留まって読み取りを継続し、報知が止んだことを条件に他の場所に移動する等、報知状況を読み取り作業を行う際の判断指標とすることができる。したがって、RFIDタグ読取装置10は、他の位置に交信領域を移動するタイミング等を操作者に認識させることができるため、RFIDタグTGの読取作業に係る利便性を向上させることができる。
また、例えば、報知処理部104は、第2の読取動作で読み取られたタグデータのうち、重複タグデータと新規タグデータとの両方で報知を行う場合、第2の読取動作が行われている間、操作者をその場に留めておくことができる。これにより、報知処理部104は、交信領域を固定した状態に留めるができるため、交信領域内に新たなRFIDタグTGが入ることを防ぐことができ、交信領域内に存在するRFIDタグTGの読み取り(読み切り)を効率的に行うことができる。
また、報知処理部104は、第2の読取動作で読み取られたタグデータの報知を行う場合、重複タグデータか新規タグデータかを識別可能な状態で報知してもよい。例えば、報知処理部104は、重複タグデータと新規タグデータとで表示色を変えたり、使用する音声の種類を変えたりすることで識別可能に報知することができる。
また、報知処理部104は、第1の読取動作で読み取られたタグデータか、第2の読取動作で読み取られたタグデータかを識別可能な状態で報知してもよい。例えば、報知処理部104は、第1の読取動作で読み取られたタグデータと第2の読取動作で読み取られたタグデータとで表示する領域や表示色を変えたり、使用する音声の種類や音程を変えたりすることで識別可能に報知することができる。
このように、読取動作やタグデータの種別に応じて報知内容や報知方法を切り替えることで、タグテータの読取状況をより詳細に操作者に報知することができるため、RFIDタグTGの読取作業に係る利便性を向上させることができる。
以下、RFIDタグ読取装置10の動作例について説明する。図6は、RFIDタグ読取装置10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、読取期間T1毎に実行されるものである。
まず、読取処理部101は、読取期間T1を計時するタイマを開始する(ステップS11)。次いで、読取処理部101は、Queryコマンドを送信することで第1の読取動作を開始する(ステップS12)。そして、読取処理部101は、Queryコマンドに応答したRFIDタグTGからタグデータの読み取りを行う(ステップS13)。
続いて、読取結果処理部102は、ステップS13で読み取られたタグデータと、読取バッファBFに登録された既存のタグデータとを比較する重複チェックを実行し(ステップS14)、ステップS15に移行する。
ここで、読取結果処理部102は、ステップS13で読み取られたタグデータが既存のタグデータと重複しない場合、そのタグデータを読取バッファBFに登録する。また、読取結果処理部102は、ステップS13で読み取られたタグデータが既存のタグデータと重複しない場合、そのタグデータを読取バッファBFに登録することなく破棄する。なお、読取結果処理部102は、ステップS13で読み取られたタグデータの読取状況や重複チェックのチェック結果を動作識別子毎に導出する。
続いて、報知処理部104は、ステップS13の読み取り結果に基づいて、タグデータの読取状況を報知する(ステップS15)。
続いて、読取処理部101は、上述した終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS16)。終了条件を満たさないと判定した場合(ステップS16;No)、読取処理部101は、計時中のタイマ値に基づき読取期間T1が終了したか否かを判定する(ステップS17)。ここで、読取期間T1が終了していないと判定した場合(ステップS17;No)、ステップS18に移行する。
続いて、読取動作制御部103は、直近の読取動作が第1の読取動作であったか否かを判定する(ステップS18)。ここで、第2の読取動作と判定した場合(ステップS18;No)、読取動作制御部103は、ステップS21に移行させることで、第2の読取動作を継続して実行させる。
また、直近の読取動作が第1の読取動作であった場合(ステップS18;Yes)、読取動作制御部103は、タグデータの読取状況及びチェック結果に基づき、第1の読取動作を実行させるか、第2の読取動作を実行させるかを決定する(ステップS19)。
ステップS19で、第1の読取動作を実行させると判定した場合(ステップS20;Yes)、読取動作制御部103は、読取処理部101にQueryコマンドを送信させ(ステップS21)、ステップS13に処理を戻す。一方、第2の読取動作を実行させると判定した場合には(ステップS20;No)、読取動作制御部103は、読取処理部101にQuery Adjustコマンドを送信させ(ステップS22)、ステップS13に処理を戻す。なお、ステップS21及びステップS22において、読取処理部101は、直近の読取動作の読取結果に基づき調整したQ値を含むコマンドを送信する。
そして、読取処理部101は、終了条件を満たすまで又は読取期間T1が終了するまでの間、タグデータの読み取りを継続し、終了条件の充足(ステップS16;Yes)又は読取期間T1が終了(ステップS17;Yes)すると、本処理を終了する。
以上のように、RFIDタグ読取装置10では、先行して実行されたアンテナ151の交信領域内に存在するRFIDタグTGを検索し、検索したRFIDタグTGからタグデータを読み取る第1の読取動作でのタグデータの読取状況に基づいて、第1の読取動作を再度実行するか、第1の読取動作で検索されたRFIDタグTGのうちタグデータが未読取のRFIDタグTGからタグデータを読み取る第2の読取動作を実行するかを制御しながらRFIDタグTGの読み取りを行う。
これにより、RFIDタグ読取装置10では、第1の読取動作と第2の読取動作とを適切なタイミングで切り替えることができるため、アンテナ151の交信領域内に存在するRFIDタグTGの読み取りを効率的に行うことができる。
上述した実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、上述した実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 RFIDタグ読取装置
101 読取処理部
102 読取結果処理部
103 読取動作制御部
104 報知処理部
特開2016-24723号公報

Claims (6)

  1. アンテナの交信領域内に存在する無線タグを検索し、検索した前記無線タグからタグデータを読み取る第1の読取動作と、前記第1の読取動作で検索された無線タグのうち前記タグデータが未読取の無線タグから前記タグデータを読み取る第2の読取動作とを実行可能な読取手段と、
    前記第1の読取動作での前記タグデータの読取状況に基づいて、前記読取手段に前記第1の読取動作を再度実行させるか、前記第2の読取動作を実行させるかを制御する制御手段と、
    前記タグデータに含まれた当該タグデータを識別するためのタグ識別子に基づいて、前記読取手段で読み取られる前記タグデータが、過去に読み取られた既存の前記タグデータと重複するか否かを判定する判定手段と、
    を備え
    前記制御手段は、前記第1の読取動作で読み取られた前記タグデータについての、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の読取動作と前記第2の読取動作との何れか一方を前記読取手段に実行させる、無線タグ読取装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1の読取動作で読み取られた前記タグデータのうち、前記判定手段で重複する又は重複しないと判定された前記タグデータの読取状況に基づいて、前記第1の読取動作と前記第2の読取動作との何れか一方を前記読取手段に実行させる請求項1に記載の無線タグ読取装置。
  3. 前記第1の読取動作及び前記第2の読取動作のうち、少なくとも前記第2の読取動作で前記タグデータが読み取られた場合に報知を行う報知手段を更に備える請求項2に記載の無線タグ読取装置。
  4. 前記報知手段は、前記判定手段の判定結果を識別可能に報知する請求項3に記載の無線タグ読取装置。
  5. 前記報知手段は、前記第1の読取動作で読み取られた前記タグデータか、前記第2の読取動作で読み取られた前記タグデータかを識別可能に報知する請求項3又は4に記載の無線タグ読取装置。
  6. 無線タグ読取装置のコンピュータを、
    アンテナの交信領域内に存在する無線タグを検索し、検索した前記無線タグからタグデータを読み取る第1の読取動作と、前記第1の読取動作で検索された無線タグのうち前記タグデータが未読取の無線タグから前記タグデータを読み取る第2の読取動作とを実行可能な読取手段と、
    前記第1の読取動作での前記タグデータの読取状況に基づいて、前記読取手段に前記第1の読取動作を再度実行させるか、前記第2の読取動作を実行させるかを制御する制御手段と、
    前記タグデータに含まれた当該タグデータを識別するためのタグ識別子に基づいて、前記読取手段で読み取られる前記タグデータが、過去に読み取られた既存の前記タグデータと重複するか否かを判定する判定手段と、
    して機能させ
    前記制御手段は、前記第1の読取動作で読み取られた前記タグデータについての、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の読取動作と前記第2の読取動作との何れか一方を前記読取手段に実行させる、プログラム。
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