JP6101064B2 - 携帯用検眼装置 - Google Patents

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Description

この発明は、手持ちで被検眼を検眼することのできる携帯用検眼装置に関する。
従来から、グリップ部を有する手持ち型検眼装置が知られている(特許文献1参照)。
かかる手持ち型検眼装置は、本体の前面に設けた左右に移動可能なアームと、このアームの先端部に設けた鼻当て部とを有し、この鼻当て部を被検者の鼻に当てて、本体を左右に移動させることで被検眼の左右を判断するようになっている。
特開平9−276225号公報
しかしながら、このような手持ち型検眼装置にあっては、被検者が寝た状態の場合、検者が足側に位置して測定する場合には問題は生じないが、被検者の頭側に位置して被検眼を測定する場合、本体の上下方向に対して被検眼の上下方向が逆になるため、被検者の左右眼や上下方向も分からなくなってしまうという問題があった。
この発明の目的は、被検者が寝た状態の場合でも、検者が被検者の足側あるいは頭側に、さらには右手側や左手側に位置して検眼しても、被検眼の上下や左右眼を識別することのできる携帯用検眼装置を提供することにある。
請求項1の発明は、被検眼を検眼する検眼部を内蔵した手持ち式の検眼部本体を備え、前記検眼部によって被検眼を検眼する携帯用検眼装置であって、
被検眼の上下方向を判別する上下判別装置と、
被検眼の左右眼を判別する左右眼判別装置とを設け
前記上下判別装置は、
被検者の額に当てるとともに検眼部本体の前面の上側と下側とに切換可能に配置される額当て部材と、この額当て部材の切換位置を検知する切換位置検知部材とを有する第1上下判別手段と、
被検眼を撮像する撮像手段と、この撮像手段が撮像した動画もしくは静止画から瞼が開く方向を検出する方向検出処理部とを有する第2上下判別手段と、
検眼部本体の前面に設けられるとともに、上下方向に向きが変えられる鼻当てパッドと、この鼻当てパッドの向きを検出する向き検出手段とを有する第3上下判別手段とのうちいずれか1つであり、
前記左右眼判別装置は、
被検眼の周囲に当てるとともに、検眼する左右眼によって向きを変えるアイピースと、このアイピースの向きを検知する向き検知部材とを有する第1左右眼判別手段と、
前記上下判別装置によって判別された上下と、眼底を撮像した眼底画像から抽出される特徴点の位置関係とから左右眼を判断する第2左右眼判別手段とのいずれかであることを特徴とする。
請求項2の発明は、被検眼を検眼する検眼部を内蔵した手持ち式の検眼部本体を備え、前記検眼部によって被検眼を検眼する携帯用検眼装置であって、
被検眼の上下方向と左右眼とを判別する判別装置を設け、
前記判別装置は、
前記検眼部本体の前面に左右方向に移動可能に且つ上下が反転されるように反転可能に取り付けられるとともに、被検者の左右眼に対応した位置に測定用の2つの貫通穴を有し、2つの貫通穴の間の位置に被検者の鼻が入る鼻当て凹部が形成されたゴーグル部と、
このゴーグル部の左右方向の位置を検知する第1,第2検知部材と、
前記ゴーグル部が反転されたとき該ゴーグル部の左右方向の位置を検知する第3,第4検知部材とを有することを特徴とする。
この発明によれば、被検者が寝た状態の場合でも、検者が被検者の足側あるいは頭側に、さらには右手側や左手側に位置して測定しても、被検眼の上下や左右眼を識別することができる。
この発明に係る携帯用眼科装置である光走査型検眼鏡の外観を示した側面図である。 図1に示す光走査型検眼鏡の平面図である。 図1に示す光走査型検眼鏡の正面図である。 光走査型検眼鏡のアイピースを回動させた状態を示した説明図である。 光走査型検眼鏡の額当て部材を回動させた状態を示した説明図である。 図1に示す光走査型検眼鏡の光走査型光学系の主要部の構成を概略的に示した光学配置図である。 図1に示す光走査型検眼鏡の制御系の構成を示したブロック図である。 アイピースと額当て部材を回動させた状態を示した説明図である。 図6に示す光走査型検眼鏡の平面図である。 光スイッチでアイピースの回動を検出する説明図である。 可変抵抗でアイピースの回動を検出する説明図である。 額当て部材の他の例を示した説明図である。 第2実施例の光走査型検眼鏡の側面図である。 第2実施例の光走査型検眼鏡の正面図である。 第2実施例の制御系の構成を示したブロック図である。 第3実施例の光走査型検眼鏡の正面図である。 ゴーグル部を断面にした第3実施例の光走査型検眼鏡の側面図である。 ゴーグル部を平断面にした第3実施例の光走査型検眼鏡の平面図である。 第3実施例の光走査型検眼鏡の制御系の構成を示したブロック図である。 ゴーグル部を右方へ移動した場合を示した説明図である。 ゴーグル部を反転させた場合を示した説明図である。 図19に示すゴーグル部を右方へ移動させた場合を示した説明図である。 第4実施例の光走査型検眼鏡を示した正面図である。 図21に示す光走査型検眼鏡の側面図である。 図21に示す光走査型検眼鏡の筐体部を右方向に移動させた状態を示した説明図である。 第5実施例の光走査型検眼鏡を示した説明図である。
以下、この発明に係る携帯用眼科装置の実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
[第1実施例]
図1ないし図3に示す携帯用の検眼装置の一つである光走査型検眼鏡1を示す。この光走査型検眼鏡1は、手持ち式の光走査型検眼鏡本体(検眼部本体)2と、光走査型検眼鏡本体2の底面に取り付けられるとともに光走査型検眼鏡本体2を支持する把手部3と、光走査型検眼鏡本体2の背面に設けられた表示部4とを備えている。
光走査型検眼鏡本体2内には眼底を走査して撮像する光走査型光学系(検眼部)100が設けられており、この光走査型光学系100で撮像された眼底像が表示部4に表示されるようになっている。
把手部3の前面3Aの上部には、撮影ボタン5が設けられており、この撮影ボタン5が押されると光走査型光学系100によって眼底像が撮像されるようになっている。
光走査型検眼鏡本体2の前面2Aには、光走査型光学系100の鏡筒(図示せず)の先端部100Aが突出している。この先端部100Aにはアイピース20が回動可能に装着されている。また、光走査型検眼鏡本体2の前面2Aには、アイピース20の外側の位置に額当て部材40が鏡筒の軸線周りに回動可能に設けられている。
[アイピース]
アイピース20は、筒状のアイピース本体21を有し、アイピース本体21の先端部の片側には、顔の側方に当接する突出部22が連続形成されている。図1ないし図3においては、被検者の右眼を測定する場合を示すものであり、アイピース20の先端部を右眼の周囲に当てるとともに突出部22を被検者の顔の右側の側面側に当てるものである。
この図示のアイピース20の状態では、被検者の左眼の眼底を撮像しようとすると、被検者の鼻側にアイピース20の突出部22が当たり、被検者の左眼の眼底を撮像することができない状態となっている。
被検者の左眼の眼底を撮像する場合には、図3Aに示すように、アイピース20を180度回動させて、被検者に向かって右側に位置させる。
アイピース20の後端には、突出部22と同じ位置側に突起23が設けられており、この突起23は光走査型検眼鏡本体2の前面2Aに設けた図示しない半円形のスリットを介して光走査型検眼鏡本体2内に進入している。光走査型検眼鏡本体2内には突起23を検出する右検出スイッチ30と左検出スイッチ31とが設けられている。
右検出スイッチ30は、アイピース20が図1ないし図3に示す位置に回動さているとき突起23を検出し、左検出スイッチ31はアイピース20が図3Aの位置に回動されたとき検出する。すなわち、被検者の右眼を撮影する場合、右検出スイッチ30がアイピース20の突起23を検出し、被検者の左眼を撮影する場合、左検出スイッチ31がアイピース20の突起23を検出する。
そして、アイピース20と左右検出スイッチ30,31とで第1左右眼判別手段が構成される。
アイピース20は、図2及や図3Aに示す位置へ回動移動させる、その位置に図示しないクリック機構により固定されるようになっている。
[額当て部材]
額当て部材40は、図1及び図3に示すように、アイピース20と同心円状の環状部材41と、この環状部材41から前方(図1において左側)へ突出するとともに所定の幅(図3において左右方向の長さ)を有する額当て部42とを有している。環状部材41の後端(図1において右端)の上部(図1において)には突起43が形成され、この突起43は、光走査型検眼鏡本体2の前面2Aに設けた半円形のスリットを介して光走査型検眼鏡本体2内に進入している。光走査型検眼鏡本体2内には、突起43を検出する上検出スイッチ45と下検出スイッチ46とが設けられている。
上検出スイッチ45は、額当て部材40が図1ないし図3に示す位置に回動されているとき突起43を検出し、下検出スイッチ46は額当て部材40が図3Bに示す位置に回動されたとき突起43を検出する。
額当て部材40は、図1や図3Bに示す位置に回動移動させると、その位置に図示しないクリック機構により固定されるようになっている。
[光走査型光学系]
光走査型光学系100は、図4に示すように、RGBのレーザ光を発光するレーザダイオード110R,110G,110Bと赤外光のレーザ光を発光する赤外レーザダイオード110Iなどとを有する射出光学系110と、射出光学系110から射出された各レーザ光を2次元方向に走査する2次元走査部材120と、対物レンズ131などを有するとともに2次元走査部材120によって走査された各レーザ光を被検眼Eの眼底Erに照射していく照射光学系130と、眼底Erで反射した反射レーザ光を受光する受光素子140R,140G,140B,140Iなどを有する受光光学系140とを有している。
受光素子140Rは赤色のレーザ光を受光し、受光素子140Gは緑色のレーザ光を受光し、受光素子140Bは青色のレーザ光を受光し、受光素子140Iは赤外レーザ光を受光する。
[制御系]
図5に光走査型検眼鏡1の制御系の構成を示したブロック図を示す。図5におて、200は上下検出スイッチ45,46及び左右検出スイッチ31,30の検出に基づいて、左右眼のどちらを撮像したかと、光走査型検眼鏡本体2の上側(図1において上側)を被検眼の上側(額側)にして撮像されたか、光走査型検眼鏡本体2の上側を被検眼の下側(あご側)にして撮像されたか否かを判断する判断処理部である。
そして、上検知スイッチ45と下検知スイッチ46と判断処理部200とで上下判別装置が構成され、上下検知スイッチ45,46と左右検知スイッチ30,31と判断処理部200とで左右眼判別装置が構成される。
また、上検知スイッチ45と下検知スイッチ46とで切換位置検知部材が構成され、この切換位置検知部材と額当て部材40とで第1上下判別手段が構成される。
201は画像構築装置であり、この画像構築装置201は、眼底Erのレーザ光による走査に同期して各受光素子140R,140G,140B,140Iの受光量に応じて眼底画像を構築していくものであり、この構築した眼底画像は画像メモリ202に記憶される。
203は画像処理部であり、この画像処理部203は、判断処理部200が判断した左右眼及び上下方向に応じて、画像メモリ202に構築された眼底画像を、光走査型検眼鏡本体2の上側を被検眼の上側にして撮像した場合の眼底画像となるように画像処理して画像メモリ204に記憶させる。
画像メモリ204に記憶された眼底画像は、光走査型検眼鏡本体2の表示部4に表示されるとともに、送信部205によって図示しないインターネットや電話回線を介して例えば診察所へ送信される。また、図示しないコネクタを把手部3の下端に接続することにより、スマートホン(図示せず)に表示させることができるようになっている。
[動 作]
次に、上記のように構成される光走査型検眼鏡1の動作について説明する。
被検者が寝た状態で被検者の頭側から右眼の眼底を撮像する場合、図6及び図7に示すように、アイピース20及び額当て部材40を回動させる。この回動により、左検出スイッチ31がアイピース20の突起23を検出し、下検出スイッチ46が額当て部材40の突起43を検出する。
そして、光走査型検眼鏡1の把手部3を手で持って額当て部材40の額当て部42を被検者の額に当て、アイピース20を被検者の右眼の周囲に当てる。このとき、アイピース20の突出部22が被検者の顔の右側の側面に当接することになる。
次に、被検眼の位置に合わせて装置のアライメントを行い、被検眼の視度に合わせてフォーカスを行う。
アライメントとフォーカスが完了したら把手部3の撮影ボタン5を押す。撮影ボタン5が押されると、光走査型光学系100の射出光学系110から発光された各レーザ光が2次元走査部材120によって被検眼Eの眼底Er上に走査されていく。
眼底Erで反射した反射レーザ光は、照射光学系130及び2次元走査部材120を介して受光光学系140に達し、受光光学系140の受光素子140R,140G,140B,140Iに受光されていく。
画像構築装置201は、2次元走査部材120によるレーザ光の走査に同期して受光光学系140の受光素子140R,140G,140B,140Iの受光量に基づいて眼底画像を構築していき、この構築された眼底画像が画像メモリ202に記憶される。
画像メモリ202には、図5に示す眼底画像Eraが構築されて記憶されることになり、眼底画像が撮像されることになる。この場合、被検者の右眼を被検者の頭側から撮像したので、乳頭像Nが眼底画像Eraの左上に形成される。
一方、図5に示す判断処理部200は、左検出スイッチ31及び下検出スイッチ46が突起23,43を検出しているので、右眼の眼底を被検者の頭側から撮像していると判断する。
画像処理部203は、判断処理部200の判断に基づいて、画像メモリ202の眼底画像Eraを、光走査型検眼鏡本体2の上側を被検眼の上側にして撮像した場合の眼底画像となるように画像処理する。すなわち、眼底画像Eraを180度回転させた画像にして画像メモリ204に記憶させる。つまり、眼底画像Eraの乳頭像N1は右側の下側に位置した眼底画像Era´にされて画像メモリ204に記憶されることになる。
画像メモリ202に記憶されている眼底画像Eraにマスクの切欠きがない場合には、眼底画像Era´に切欠きを示す切欠像Mgを加える。あるいは、「右眼」や「左眼」を示す「左」「右」の文字を眼底画像Era´に付加させる。
送信部205は、画像メモリ204に記憶された眼底画像Era´をインターネットや電話回線を介して診察所などへ送信する。また、画像メモリ204に記憶された眼底画像Era´は光走査型検眼鏡本体2の表示部4に表示される。この表示は、眼底画像Era´の上部が表示部4の上部側となるように表示される。
被検者が寝た状態で被検者の頭側から左眼の眼底を撮像する場合は、額当て部材40を図6に示す位置にしたまま、アイピース20だけを図2に示す位置へ回動させる。これにより、右検出スイッチ30がアイピース20の突起23を検出する。下検出スイッチ46は額当て部材40の突起43を検出している。
そして、上記と同様にして左眼の眼底画像が画像メモリ202に構築されていく。判断処理部200は、右検出スイッチ30がアイピース20の突起23を検出し、下検出スイッチ46が額当て部材40の突起43を検出しているので、左眼の眼底を被検者の頭側から撮像していると判断する。
画像処理部203は、判断処理部200の判断に基づいて、上記と同様に画像メモリ202に構築された眼底画像(図示せず)を180度回転させた画像にして画像メモリ204に記憶させる。
画像メモリ204に記憶される眼底画像(図示せず)は、左眼であることにより図5に示す眼底画像Era´の乳頭N1が左側の下側に位置する像となる。画像メモリ204に記憶された眼底画像は光走査型検眼鏡本体2の表示部4に表示され、また、送信部205によりインターネットや電話回線を介して診察所などへ送信されることになる。
被検者の足側から被検眼を撮像する場合、すなわち、光走査型検眼鏡本体2の上側(図1において上側)を被検眼の上側(額側)にして撮像する場合には、図1ないし図3に示す位置へ額当て部材40を回動させる。この回動により、上検出スイッチ45が額当て部材40の突起43を検出する。
また、右眼を撮像する場合には、アイピース20を図1ないし図3に示す位置へ回動させる。この回動により、右検出スイッチ30がアイピース20の突起23を検出する。
判断処理部200は、右検出スイッチ30が突起23を検出し、上検出スイッチ45が突起43を検出していることにより、右眼の眼底を被検者の足側から、すなわち、光走査型検眼鏡本体2の上側を被検眼の上側にして撮像していると判断する。画像処理部203は、判断処理部200が被検者の足側から撮像していると判断したので、画像メモリ202に構築された画像をそのまま画像メモリ204に転送することになるが、上述のように画像メモリ202に記憶されている眼底画像(図示せず)にマスクの切欠きがない場合には、眼底画像に切欠きを示す切欠像Mg(図5参照)を追加させるか、あるいは、「右眼」や「左眼」を示す「左」「右」の文字を眼底画像に付加させる。
画像メモリ204に記憶された眼底画像は、光走査型検眼鏡本体2の表示部4に表示される。また、送信部205によりインターネットや電話回線を介して診察所などへ送信されることになる。
左眼を被検者の足側から撮像する場合も上記と同様なのでその説明は省略する。
このように、判断処理部200は、左右検出スイッチ31,30及び上下検出スイッチ45,46の検出に応じて、構築(撮像)された眼底画像が左右のどちらの眼か、また、被検者の頭側から撮像されたものか否かを判断し、この判断に応じて画像処理部203が、画像メモリ202に構築された眼底画像(図示せず)を180度回転させたり、その眼底画像に「左」「右」の文字や切欠像Mgを追加したりして画像メモリ204に記憶させるので、被検者の頭側から眼底を撮像しても、また被検者の足側から眼底を撮影しても、さらに検者が被検者の右手側や左手側に位置して眼底を撮影しても、眼底の上側が表示部4の上部側となるように常に表示されるとともに、「左」「右」の文字や切欠像Mgが表示される。このため、検者は、迷わずに被検眼の上下や左右眼を識別することができることになる。
上記実施例では、アイピース20の突起23を左右検出スイッチ30,31で検出するが、この左右検出スイッチ30,31はマイクロスイッチでもよく、また、図8に示すように、フォトインタラプタHWでもよい。このフォトインタラプタHWは、相対向した発光ダイオードHWaと受光ダイオードHWbとを有し、発光ダイオードHWaと受光ダイオードHWbとの間にアイピース20に設けた遮光板25が位置したとき、受光ダイオードHWbが受光する発光ダイオードHWaの光を遮光するようにして、遮光板25を検知するようにしてもよい。
また、図9に示すように、アイピース本体21の後部の外周部にギアK1を形成し、このギアK1に噛合するギアK2を設け、このギアK2の回転を可変抵抗器250の抵抗値で求め、この抵抗値によってアイピース20の回動位置を検出してもよい。
上記実施例では、額当て部材40を軸線回りに回動させて額当て部材40の額当て部42の位置を切り替えているが、図10に示すように、リンク機構300を設けて、上下に配置した額当て部301,302をどちらか一方を光走査型検眼鏡本体2の前面2Aから突出するようにしてもよい。なお、図10において、アイピース20は省略してある。
[第2実施例]
図11及び図12は第2実施例の光走査型検眼鏡500を示す。この光走査型検眼鏡500は、第1実施例の光走査型検眼鏡1の額当て部材40を省略したものであり、この額当て部材40の替わりに図13に示すように画像メモリ210と画像処理回路(方向検出処理部)211とを設けたものである。
そして、光走査型光学系100と画像構築装置201とで撮像手段が構成される。また、撮像手段と画像処理回路211とで第2上下判別手段が構成される。
画像メモリ210は、被検者に瞬きをしてもらい、この瞬きをしたときの前眼部像もしくは眼底像を画像構築装置201で構築していき、この構築した画像を順次記憶して動画像として記憶していくものである。被検者の瞬きは、眼底を撮像する前でも後でもよい。
画像処理回路211は、画像構築装置201に記憶された動画像を基にして瞼の開く方向を検出する。この検出する方向が被検者の額側となる。この検出した方向によって、判断処理部200が被検者の頭側から撮像されたものか否かを判断する。例えば、画像メモリ202において、上から下に瞼が開くものであれば、被検者の頭側から撮像されたものと判断する。
上記のように瞬きの動きをとらえる動画によって被検眼の上下方向を判断するが、半眼の状態で撮像された静止画から、瞼で塞がっている方を上側(額側)と判定するようにしてもよい。
判断した後の動作は、第1実施例と同様なのでその動作の説明は省略する。
第2実施例では、アイピース20を用いて左右眼を判断するようにしているが、瞼の開く方向と、画像メモリ202に構築される眼底画像Eraの乳頭像Nや黄斑像(図示せず)の特徴点の位置関係や、血管の広がり方などの特徴点の位置関係から左右眼を判定するようにしてもよい。この場合、画像メモリ202に構築される眼底画像Eraから乳頭像Nの位置を求める乳頭位置検出回路(図示せず)を設ける。この乳頭位置検出回路と画像処理回路211とで第2左右眼判別手段が構成される。なお、画像処理回路211の替わりに、額当て部材40を検出する上下検出スイッチ45,46を用いてもよく、後述する鼻当てパッドの向きを検出する検出スイッチでもよい。
[第3実施例]
図14ないし図16は、第3実施例の光走査型検眼鏡600を示す。この光走査型検眼鏡600は、光走査型検眼鏡本体2と、この光走査型検眼鏡本体2の前面2Aに左右方向に移動可能に且つ鏡筒の先端部100A回りに回動可能なゴーグル部610とを備えている。
ゴーグル部610は、前面610Aに被検者の鼻を当てる凹状の鼻当て部611と、被検者の左右眼を当てる眼当て部612,613とを有している。眼当て部612,613には貫通穴612A,613Aが形成されている。
ゴーグル部610の後面610Bには、左右方向に延びた溝614が形成され、この溝614は貫通穴612A,613Aと連通している。また、溝614内には鏡筒の先端部100Aが挿入されており、この先端部100Aが溝614内に沿って相対的に移動可能となっている。
また、ゴーグル部610は、先端部100A回りに回動可能となっており、図19に示すように、反転できるようになっている。すなわち、被検者の頭側から眼底を撮像する場合に、ゴーグル部610を図19及び図20に示すように反転させる。
ゴーグル部610の後面の中央の上部には、図14及び図15に示すように磁石620が設けられている。
他方、光走査型検眼鏡本体2の前面2Aの上部には、磁石620を検知するホール素子からなる第1,第2検知部材621,622が設けられている。また、光走査型検眼鏡本体2の前面2Aの下部には、磁石620を検知するホール素子からなる第3,第4検知部材623,624が設けられている。
そして、ゴーグル部610と磁石620と第1〜第4検知部材とで、被検眼の上下方向と左右眼を判別する判別装置が構成される。
ゴーグル部610が図14に示す位置に移動しているとき、第1検知部材621がゴーグル部610の磁石620を検知し、このときゴーグル部610の貫通穴613Aに鏡筒の端部100Aが対向する。ゴーグル部610が図18に示す位置に移動しているとき、第2検知部材622がゴーグル部610の磁石620を検知し、このときゴーグル部610の貫通穴612Aに鏡筒の端部100Aが対向する。
ゴーグル部610が反転されて図19に示す位置に移動されているとき、第3検知部材623がゴーグル部610の磁石620を検知し、このときゴーグル部610の貫通穴612Aに鏡筒の端部100Aが対向する。ゴーグル部610が図20に示す位置へ移動されているとき、第4検知部材624がゴーグル部610の磁石620を検知し、このときゴーグル部610の貫通穴613Aに鏡筒の端部100Aが対向する。
そして、図17に示す判断処理部220は、第3検知部材623または第4検知部材624がゴーグル部610の磁石620を検知したとき、被検者の頭側から眼底を撮像したと判断する。また、第3検知部材623が磁石620を検知したときには左眼の眼底を撮像したと判断し、第4検知部材624が磁石620を検知したときには右眼の眼底を撮像したと判断する。
また、判断処理部220は、第1検知部材621または第2検知部材622がゴーグル部610の磁石620を検知したとき、被検者の足側から眼底を撮像したと判断するものであり、第1検知部材621が磁石620を検知したときには右眼の眼底を撮像したと判断し、第2検知部材622が磁石620を検知したときには左眼の眼底を撮像したと判断する。他の動作は、第1実施例と同様なのでその説明は省略する。
なお、ゴーグル部610は、図14と図18と図19と図20とに移動されたとき、その位置に図示しないクリック機構により固定されるようになっている。
第3実施例では、ゴーグル部610を使用して被検眼の上下方向や左右眼を判別するようにしているが、被検者の鼻に当てる鼻当てパッド(図示せず)を下向きと上向きに向きが変えられるように設け、この鼻当てパッドの向きを検知する検知部材を設け、この検知部材と、アイピース20の向きを検出する左右検出スイッチ30,31や乳頭位置検出回路などとで被検眼の上下方向や左右眼を判別するようにしてもよい。
上記の第1実施例ないし第3実施例は、いずれも光走査型検眼鏡本体2を把手部3で支持するようにしているが、この把手部3を省略して光走査型検眼鏡本体2を手で持って眼底を撮影するようにしてもよい。この場合、撮影ボタン5は光走査型検眼鏡本体2に設ける。
[第4実施例]
図21及び図22は第4実施例の光走査型検眼鏡1000を示す。この光走査型検眼鏡1000は、把手部3を設けていない光走査型検眼鏡本体2と、この光走査型検眼鏡本体2の前面2Aに左右方向に移動可能な筐体部1100とを備えている。筐体部1100の上部には撮影ボタン5が設けられている。
筐体部1100はゴーグル部1610を有しており、ゴーグル部1610は、前面1610Aに被検者の鼻を当てる凹状の鼻当て部1611と、被検者の左右眼を当てる眼当て部1612,1613とを有している。眼当て部1612,1613には貫通穴612A,613Aが形成されている。
ゴーグル部1610の後面1610Bには、左右方向に延びた溝1614が形成され、この溝1614は貫通穴612A,613Aと連通している。また、溝1614内には鏡筒の先端部100Aが挿入されており、この先端部100Aが溝1614内に沿って相対的に移動可能となっている。すなわち、筐体部1100に対して光走査型検眼鏡本体2が左右に移動可能となっている。また、筐体部1100は光走査型検眼鏡本体2に対して反転できないようになっている。
筐体部1100が図21に示す位置に移動しているとき、ゴーグル部1610の貫通穴613Aに鏡筒の端部100Aが対向する。筐体部1100が図23に示す位置に移動しているとき、ゴーグル部1610の貫通穴612Aに鏡筒の端部100Aが対向する。
この第4実施例の光走査型検眼鏡1000は、筐体部1100を持って被検眼の眼底を撮影するものであり、筐体部1100の反転が出来ないので、被検者の頭側から眼底を撮像しても、また被検者の足側から眼底を撮影しても、さらに検者が被検者の右手側や左手側に位置して眼底を撮影しても、眼底の上側が表示部4の上部側となるように常に表示されるようにすることができる。また、眼底の上下方向が分かるので、眼底画像Eraの乳頭像N(図5参照)や黄斑像(図示せず)の特徴点の位置関係や血管の広がり方などの特徴点の位置関係から左右眼を判定することができる。
[第5実施例]
図24は第5実施例の光走査型検眼鏡2000を示したものである。この光走査型検眼鏡2000は、鼻当て部1611に鼻が当てられたことを検知する接触センサS1を設けたものである。この接触センサS1の接触部S1aが鼻当て部1611内に突出しており、この接触部S1aが被検者の鼻に当てられるとゴーグル部1610内に引き込んで接触センサS1がオンするようになっている。この接触センサS1がオンすると、撮影ボタン5の操作によって眼底の撮影が可能となる。接触部S1aは下方(図24において)に付勢されており、被検者の鼻が鼻当て部1611に当てられないとき図24に示すように下方に突出するようになっている。他は、第4実施例の動作と同様なのでその説明は省略する。
上記実施例は、いずれも光走査型検眼鏡について説明したが、これに限らず他の眼科撮影装置であってもよい。
この発明は、上記実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
1 光走査型検眼鏡
2 光走査型検眼鏡本体
3 把手部
20 アイピース
30 右検出スイッチ
31 左検出スイッチ
40 額当て部材
45 上検出スイッチ
46 下検出スイッチ
100 光走査型光学系

Claims (2)

  1. 被検眼を検眼する検眼部を内蔵した手持ち式の検眼部本体を備え、前記検眼部によって被検眼を検眼する携帯用検眼装置であって、
    被検眼の上下方向を判別する上下判別装置と、
    被検眼の左右眼を判別する左右眼判別装置とを設け
    前記上下判別装置は、
    被検者の額に当てるとともに検眼部本体の前面の上側と下側とに切換可能に配置される額当て部材と、この額当て部材の切換位置を検知する切換位置検知部材とを有する第1上下判別手段と、
    被検眼を撮像する撮像手段と、この撮像手段が撮像した動画もしくは静止画から瞼が開く方向を検出する方向検出処理部とを有する第2上下判別手段と、
    検眼部本体の前面に設けられるとともに、上下方向に向きが変えられる鼻当てパッドと、この鼻当てパッドの向きを検出する向き検出手段とを有する第3上下判別手段とのうちいずれか1つであり、
    前記左右眼判別装置は、
    被検眼の周囲に当てるとともに、検眼する左右眼によって向きを変えるアイピースと、このアイピースの向きを検知する向き検知部材とを有する第1左右眼判別手段と、
    前記上下判別装置によって判別された上下と、眼底を撮像した眼底画像から抽出される特徴点の位置関係とから左右眼を判断する第2左右眼判別手段とのいずれかであることを特徴とする携帯用検眼装置。
  2. 被検眼を検眼する検眼部を内蔵した手持ち式の検眼部本体を備え、前記検眼部によって被検眼を検眼する携帯用検眼装置であって、
    被検眼の上下方向と左右眼とを判別する判別装置を設け、
    前記判別装置は、
    前記検眼部本体の前面に左右方向に移動可能に且つ上下が反転されるように反転可能に取り付けられるとともに、被検者の左右眼に対応した位置に測定用の2つの貫通穴を有し、2つの貫通穴の間の位置に被検者の鼻が入る鼻当て凹部が形成されたゴーグル部と、
    このゴーグル部の左右方向の位置を検知する第1,第2検知部材と、
    前記ゴーグル部が反転されたとき該ゴーグル部の左右方向の位置を検知する第3,第4検知部材とを有することを特徴とする携帯用検眼装置。
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