JP6701988B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

本開示は、被検眼を検査するための眼科装置に関する。
従来の眼屈折力測定装置等において、顎台にセンサが備わり、顎台に顎が載せられているか否かを検知するものが知られている(特許文献1参照)。
特開平10−216089
しかしながら、従来の装置において、被検眼の高さを調整するために顎台が上下に移動することによって、顎台センサのハーネスが断線するリスクがあった。
本開示は、従来の問題点に鑑み、顎台センサの故障リスクを低減できる眼科装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検眼を検査する眼科装置であって、被検者の顎を支持し、被検者のアイレベルを調整するために上下に駆動する顎台と、前記顎台を上下方向に駆動させる駆動部と、前記顎台に顎が載せられることによって前記顎台と前記駆動部とを一体的に下方向に沈み込ませる作動部と、前記駆動部によって駆動されない位置に設けられ、前記作動部による前記顎台および前記駆動部の沈み込みを検知する検知手段と、を備えることを特徴とする。
本実施例の外観を示す概略図である。 本実施例の制御系を示すブロック図である。 本実施例の光学系を示す概略図である。 本実施例の測定時の制御動作を示す図である。 本実施例の顎台調整時の制御動作を示す図である。 顔画像の一例を示す図である。 被検眼の3次元座標について説明する図である。 被検者の顔が傾いた時の顔画像の例を示す図である。 顎台ボタンの例を示す図である。 音声アナウンスについて説明するための図である。 顎台の構成について説明するための図である。 顎台の動作について説明するための図である。
<第1実施形態>
以下、本開示に係る眼科装置の実施形態について説明する。第1実施形態の眼科装置は、例えば、被検眼を検査する。眼科装置は、例えば、眼屈折力測定装置、角膜曲率測定装置、角膜形状測定装置、眼圧測定装置、眼軸長測定装置、眼底カメラ、OCT、SLO、超音波検眼装置等であってもよい。
眼科装置は、例えば、検眼部と、顔撮影部と、調整部と、制御部を備える。検眼部は、例えば、検査光学系、超音波測定系等を備えてもよい。顔撮影部は、例えば、被検者の顔を撮影する。顔撮影部は、例えば、少なくとも一方の被検眼を含む顔画像を取得する。
調整部は、被検眼と検眼部との相対位置を少なくとも1方向において調整する。もちろん、3次元的に調整してもよい。例えば、調整部は、被検眼に対して検眼部を左右(X)方向、上下(Y)方向、前後(Z)方向に移動させる。調整部は、例えば、駆動部を備える。もちろん、調整部は、検眼部に対して被検眼を移動させてもよい。この場合、調整部は、顔支持部(例えば、額当て、顎台など)を移動させてもよい。例えば、顔支持部が顎台を備える場合、駆動部は顎台を上下方向に駆動させてもよい。
制御部は、例えば、眼科装置の制御を司る。制御部は、例えば、調整部の駆動部の駆動を制御する。また、制御部は、画像処理等の演算を制御する演算制御部として機能してもよい。
制御部は、被検眼の3次元座標を推定する。例えば、制御部は、被検眼の3次元座標のうちの少なくとも1つの座標成分を仮定する。例えば、制御部は、予め設定された値を記憶部等から読み出し、座標成分の値とする。3次元座標のうちの少なくとも1つの座標成分とは、例えば、3次元座標の3要素のうちの少なくとも1つである。例えば、x座標、y座標、z座標のうちのいずれかであってもよい。例えば、制御部は、3次元座標のうちの少なくとも1つの座標成分を標準的な位置であると仮定する。
そして、制御部は、顔画像から被検眼の画像上の2次元座標を取得する。例えば、制御部は、顔画像から被検眼を検出し、その画素位置から被検眼の2次元座標を求めてもよい。
制御部は、仮定した1つの座標成分と、顔画像から検出した被検眼の画像上の2次元座標と、に基づいて被検眼の仮の3次元座標を算出する。そして、制御部は、被検眼の仮の3次元座標に基づいて、駆動部を制御する。
本実施形態の眼科装置は、上記のように、3次元座標のうちの少なくとも1つの座標成分を仮定し、残りの座標成分を、被検眼の顔画像から得られた2次元座標と、仮定した座標成分に基づいて算出することによって、被検眼の3次元座標を推定する。これによって、本実施形態の眼科装置は、被検眼と検眼部が離れている場合であっても、推定した3次元座標に基づいてスムーズにアライメントすることができる。
なお、制御部70は、3次元座標のうちの複数の座標成分を標準的な位置と仮定することで被検眼の3次元座標を推定してもよい。例えば、制御部70は、3次元座標のうち、x座標とz座標を標準的な位置であると仮定し、仮定したx座標およびz座標と、顔画像上から検出された被検眼のy座標から被検眼の3次元座標を推定してもよい。
なお、制御部は、1つの座標成分を仮定する場合、被検眼の標準的なz座標を3次元座標の1つの座標成分として仮定してもよい。例えば、被検者の顔が顔支持部に支持された状態において、平均的な眼のz座標の標準値をz座標として仮定する。一般的に、眼球が額に対して出ているかくぼんでいるかによるz座標の個人差は、瞳孔間距離(x座標)または眼の高さ(y座標)の個人差よりも小さい。したがって、被検者による個人差が少ないz座標を仮定することによって、被検眼の真の3次元座標に対して誤差の少ない仮の3次元座標を推定することができる。
なお、制御部は、座標成分の条件を変更し、複数回にわたって仮の3次元座標を算出してもよい。例えば、制御部は、標準値だけでなく、標準値の前後の複数の値を用いて座標成分を仮定してもよい。この場合、眼科装置は、ある仮の3次元座標に基づいて調整部を駆動させた結果、アライメントが上手くいかなかったときでも、別の仮の3次元座標に基づいてアライメントをやり直すことができる。
また、制御部は、x座標を仮定した場合と、y座標を仮定した場合と、z座標を仮定した場合のそれぞれにおいて、仮の3次元座標を算出してもよい。この場合、制御部は、それぞれの場合について算出された仮の3次元座標の1つに基づいて駆動部を制御し、検眼部のアライメントを行ってもよい。このように、本実施形態の眼科装置は、x座標とy座標とz座標をそれぞれ仮定することによって、より尤もらしい被検眼の3次元座標を得ることができる。
なお、制御部は、仮の3次元座標に基づいて、被検眼の位置が検眼部の駆動範囲内であるか否かを判定してもよい。検眼部の駆動範囲外である場合、制御部は、被検眼が検眼部の駆動範囲内に入るように顔支持部を駆動させてもよい。これによって、検眼部の駆動範囲外に被検眼が位置する場合でも検査を行える。
なお、眼科装置は、アライメント検出部をさらに備えてもよい。アライメント検出部は、例えば、被検眼と検眼部とのアライメント状態を検出する。例えば、アライメント検出部は、前眼部撮影光学系と、指標投影光学系を備える。前眼部撮影光学系は、被検眼の前眼部を撮影する。指標投影光学系は、被検眼に対してアライメント指標を投影する。例えば、アライメント検出部は、前眼部画像からアライメント指標を検出し、アライメント指標の位置からアライメント状態を検出する。
制御部は、仮の3次元座標に基づいて駆動部を駆動させる場合、アライメント検出部によるアライメント状態の検出を並行して行ってもよい。そして、検眼部を仮の3次元座標の位置に移動させるまでにアライメント状態が検出可能になった場合は、アライメント検出部によって検出されるアライメント状態に基づいて検眼部の駆動を制御してもよい。これによって、仮の3次元座標に基づく粗アライメントから、アライメント検出部の検出結果に基づく微アライメントにスムーズに移行できる。
なお、制御部は、両眼の仮の3次元座標に基づいて、被検者の顔が傾いているか否か判定してもよい。例えば、制御部は、両眼の3次元座標が所定より大きく上下方向に差がある場合、被検者の顔が傾いていると判定してもよい。制御部は、被検者の顔が傾いていると判定した場合、エラー処理を行ってもよい。エラー処理は、例えば、測定の停止、顔の乗せ方の確認を促す報知などの処理である。例えば、制御部は、表示部、スピーカ、光源等の報知部によって顔が傾いていることを検者または被検者に報知してもよい。このように、被検者の顔の傾きを直させることによって、例えば、乱視軸角度等の測定値にずれが生じることを防止できる。
なお、制御部は、顎台駆動ボタンからの出力を受け付けると、仮の3次元位置に基づいて算出した位置に顎台を駆動させてもよい。顎台駆動ボタンは、例えば、装置本体に備えられてもよいし、表示部に表示されてもよいし、装置本体と接続される外部装置に設けられてもよい。例えば、制御部は、被検眼の仮の3次元位置が検眼部の駆動範囲よりも上側にある場合は顎台の駆動方向は下方向であると判定し、仮の3次元位置が検眼部の駆動範囲よりも下側にある場合は顎台の駆動方向は上方向であると判定する。このように、制御部は、被検眼の仮の3次元位置に基づいて顎台を駆動させる方向を判定できるため、被検者が顎台の駆動方向を判断する必要が必ずしもない。なお、仮の3次元位置に基づいて顎台を動かす方向だけでなく駆動量も求まるため、制御部は、顎台を自動で適正な位置に移動できる。また、1つの駆動ボタンで上下どちらとも移動させることができるため、顎台を上方向に移動させるボタンと下方向に駆動させるボタンの2つを備えなくともよく、装置構成を簡略化できる。なお、2つのボタンが備わる場合、制御部は、被検眼の仮の3次元位置から判定した顎台の駆動方向とは異なる方向のボタンからの入力を無効にしてもよいし、どちらのボタンが押されたときでも制御部によって算出された駆動方向に顎台を駆動させるようにしてもよい。
なお、制御部は、顎台を移動させる必要があると判定した場合であっても、顎台駆動ボタンからの顎台駆動ボタンからの出力を受け付けるまで顎台を移動させずに待機してもよい。そして、制御部70は、顎台駆動ボタンからの顎台駆動ボタンからの出力を受け付けてから被検眼の仮の3次元位置が検眼部の駆動範囲に入る位置まで、自動で顎台を駆動させてもよい。これによって、顎台が不意に動き出す心配がなくなる。
なお、制御部は、顎台ボタンからの出力を継続して受け付けている場合だけ、顎台を駆動させてもよい。例えば、制御部は、顎台ボタンが押されている間だけ顎台を駆動させ、顎台駆動ボタンが押されなくなったときは、顎台の駆動を停止させてもよい。これによって、検者は、顎台と額当てなどに被検者の顔が挟まれそうになった場合に顎台駆動ボタンを離すことによって顎台の駆動を停止させることができる。
なお、制御部は、被検者の顔が顔支持部に支持されている場合は、顎台の駆動を停止させるようにしてもよい。例えば、制御部は、センサによって被検者の顔が顔支持部にあることを検知している間は、顎台を駆動させないようにしてもよい。例えば、制御部は、顎台に設けられたセンサによって被検者の顔が顎台に置かれていることを検知している場合は顎台の駆動を停止させ、センサによって被検者の顔が顎台から離れたことを検知した場合に顎台を駆動させるようにしてもよい。これによって、顎台の駆動によって被検者の顔が装置の隙間に挟まれることなどを防止することができる。なお、顎台の駆動量が所定値(例えば、5mm)よりも小さい場合は、センサの検知結果に関わらず顎台を駆動させてもよい。また、顔撮影部によって撮影された顔画像から被検者の眼が検出されるか否かによって被検者の顔が顔支持部にあるか否かを検知してもよい。
なお、顔撮影部は、非テレセン光学系であってもよいし、テレセン光学系であってもよい。顔撮影部がテレセン光学系の場合、制御部は、検眼手段の検査光軸と顔撮影部の撮影光軸のXY方向のずれ量だけオフセットして、顔画像によるアライメントを行ってもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。第2実施形態の眼科装置は、例えば、被検者の眼を検査する際に被検者または検者に対してアナウンスを行うことができる。眼科装置(例えば、眼科装置1)は、人検知器(例えば、顔撮影部90、センサ113など)と、報知部(例えば、スピーカ79)と、制御部(例えば、制御部70)を主に備える。
人検知部は、例えば、被検者の有無を検知する。人検知部は、例えば、被検者が顔支持部に顔を支持させているか否かを検知する。人検出器は、例えば、顎台に設けられた顎台センサであってもよい。例えば、顎台センサは、顎台に被検者の顎が載せられたことを検知するセンサである。人検知部の検知結果は、制御部に入力される。
報知部は、例えば、被検者または検者にアナウンスを行う。報知部は、音声出力部(例えば、スピーカ79)であってもよい。例えば、報知部は、被検者または検者に音声アナウンスを行う。音声アナウンスとしては、例えば、「顎を離してください」、「瞬きをしてください」、「目を大きく開けてください」等である。もちろん、報知部は、被検者および検者に報知するために、表示部にメッセージを表示してもよいし、表示灯を点灯させてもよい。
制御部は、報知部等の眼科装置の各部の制御を司る。例えば、制御部は、人検知器の検知結果に基づいて、被検者の有無を判定する。また制御部は、報知部を制御する。このとき、制御部は、被検者の有無の判定結果に基づいて報知部を制御してもよい。
第2実施形態の装置は、人検知器からの検出結果に基づいて報知部を制御することによって、被検者の状態に応じた適切なアナウンスを行うことができる。したがって、検者が離れた位置にいる場合であっても、被検者は、眼科装置のアナウンスに従って検査を容易に行うことができる。
なお、眼科装置は、例えば、顎台(顎台11)と、顎台駆動部(例えば、顎台駆動部12)をさらに備えてもよい。顎台は、例えば、被検者の顎を支持する。顎台駆動部は、顎台を上下方向に移動させることによって、顎台の高さを調整する。眼科装置が顎台および顎台駆動部を備える場合、制御部は、報知部によって顎台から顎を離すように被検者にアナウンスしてもよい。このとき、制御部は、人検知器からの検知結果から被検者の有無を判定し、被検者がいると判定された場合は、前記顎台から顎を離す旨のアナウンスを行ってもよい。そして、制御部は、被検者が顎台から離れることによって、人検知器によって被検者が検知されない場合、顎台を駆動させてもよい。
なお、制御部は、顎台を適正位置に駆動させるための駆動量に応じて、アナウンスの内容を変更してもよい。例えば、顎台の駆動量が所定より大きい場合に、被検者に顎台から顎を離すようにアナウンスし、駆動量が所定よりも小さい場合に、被検者の顎台に顎を載せたまま顎台を駆動させる旨のアナウンスをしてもよい。このように、駆動量の大きさに基づいて、被検者に顎台から離れるようにアナウンスするか否か判定してもよい。これによって、少しだけ顎台を調整するだけでよい場合に、わざわざ被検者に顎を外してもらうことなく検査を行える。
なお、人検知器は、例えば、顔撮影部と制御部であってもよい。顔撮影部は、例えば、左右の少なくとも一方の被検眼を含む顔画像を撮影する。例えば、制御部は、顔撮影部によって撮影された画像から被検者の眼を検出できないときは被検者が存在しないと判定し、検出できたときに被検者が存在すると判定してもよい。
なお、制御部は、被検者の検査終了後、検眼部と顎台の少なくともいずれかを初期化する前に、初期化を行う旨のアナウンスを行ってもよい。例えば、制御部は、被検者の検査が終わった後に「初期化します」というアナウンスを行ってから、検眼部および顎台などを初期位置に戻してもよい。これによって、被検者または検者が装置と接触することを防止でき、初期動作に驚くこともなくなる。
なお、制御部は、瞬きを促すためのアナウンスを行ってもよい。例えば、制御部は、「瞬きをして下さい」等の音声を報知部によって出力してもよい。また、眼科装置は、瞬き検知部をさらに備えてもよい。瞬き検知部は、例えば、前眼部カメラ等によって撮影された画像の画像処理によって瞬きを検知してもよい。例えば制御部は、瞬き検知器によって被検者の瞬きが検知されたときに被検眼の検査を開始してもよい。
<第3実施形態>
本開示に係る第3実施形態について説明する。第3実施形態の眼科装置は、顎台(例えば、顎台11)と、作動部(例えば、作動部100)と、検知部(例えば、顎載せ検知部109)を主に備える。顎台は、被検者の顎を支持する。また、顎台は、被検眼の高さ(アイレベル)を調整するために上下に駆動する。
作動部は、顎台に顎が載せられた場合に顎台を下方向に沈み込ませる。作動部は、例えば、顎台駆動部(例えば、顎台駆動部12)とは別に設けられ、顎台駆動部ごと顎台を沈み込ませる。検知部は、作動部による顎台の沈み込みを検知する。検知部は、フォトセンサ、圧力センサ、磁気センサ等の各種センサ、またはスイッチ等が用いられる。顎台が被検者の顎によって押し込まれたことを検出できればよい。例えば、顎台が押し込まれたときの圧力を圧力センサによって検知してもよい。検知部は、顎台調整時の顎台の上下動ではなく、顎台上下機構全体の沈み込みを検知する。
上記のように、顎台の沈み込みを検知することによって、被検者の顎が顎台に載せられたか否かを検知することができる。また、上記のように、顎台駆動部によって駆動しない位置に検知部を設けることによって、検知部のセンサのハーネスが顎台の駆動によって断線する可能性を低減できる。
また、検知部が額当てに設けられる場合は、センサを取り付けるスペースが少ない。また、女性は化粧がくずれるため、額当てに額を当てない可能性があるため、安全のための検出機構としては額当て側ではなく顎台に検知部を設けた方がよい。
また、上記のように、検知部を設けることによって、無人検眼時の顎台上下動による怪我のリスク回避、無人検眼時の測定トリガーへの利用等が期待される。
なお、作動部は、顎台と顎台駆動部を一体的に下方向に沈み込ませる構成とすることによって、顎台の高さを調整するための駆動機構への影響を少なくできる。
なお、作動部は、付勢部材(例えば、バネ110)を備えてもよい。付勢部材は、例えば、顎台を上方向に持ち上げるように付勢する。付勢部材は、例えば、弾性部材であってもよい。付勢部材は、例えば、被検者が顎台に顎を載せる力よりも弱い力で顎台を持ち上げる。これによって、顎台に顎が載せられていないときは、顎台は付勢部材によって上方向に持ち上げられた状態になっており、顎台に顎が載せられると、顎からの力によって下方向に押し込まれる。
なお、作動部は、顎台が沈み込む際の移動量を規制する規制部(例えば、上ストッパ106、下ストッパ107)を備えてもよい。例えば、規制部は、検知部によって検知できる移動量だけ顎台が沈み込むように顎台の沈み込みを規制する。
なお、眼科装置は、顎台を上下方向に移動可能に支持する支柱と、支柱の上下動をガイドする軸受部を備えてもよい。軸受部は、顎台駆動部によって顎台を駆動される場合に支柱の上下動をガイドするだけでなく、作動部によって顎台が移動される場合にも支柱の上下動をガイドしてもよい。これによって、作動部に上下方向のガイド部材を設けなくともよく、作動部の大型化を防ぐことができる。
<実施例>
本開示に係る眼科装置を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、眼科装置として眼屈折力測定装置を例に説明するが、角膜曲率測定装置、角膜形状測定装置、眼圧測定装置、眼軸長測定装置、眼底カメラ、OCT(optical coherence tomography)、SLO(Scanning Laser Ophthalmoscope)等の他の眼科装置にも適用可能である。
本実施例の眼科装置は、例えば、被検眼の眼屈折力を他覚的に測定する。例えば、本実施例の眼科装置は、片眼毎に測定を行ってもよいし、両眼同時に(両眼視で)測定を行う装置であってもよい。眼科装置は、例えば、検眼部と、撮影部と、駆動部と、制御部と、を主に備える。
<外観>
図1に基づいて、眼科装置の外観を説明する。図1に示すように、本実施例の眼科装置1は、検眼部2と、顔撮影部90と、駆動部4と、を主に備える。検眼部2は、被検眼を検査する。検眼部2は、例えば、被検眼の眼屈折力、角膜曲率、眼圧等を測定する光学系を備えてもよい。また、検眼部2は、被検眼の前眼部、眼底等を撮影するための光学系等を備えてもよい。本実施例では、屈折力を測定する検眼部2を例に説明する。顔撮影部90は、例えば、被検眼の顔を撮影する。顔撮影部90は、例えば、左右の被検眼のうち少なくとも一方を含む顔を撮影する。駆動部4は、例えば、検眼部2および撮影部90を基台5に対して上下左右前後方向(3次元方向)に移動させる。
さらに、本実施例の眼科装置1は、例えば、筐体6、表示部7、操作部8、顔支持部9等を備えてもよい。例えば、筐体6は、検眼部2、顔撮影部90、駆動部4等を収納する。表示部7は、例えば、被検眼の観察画像および測定結果等を表示させる。表示部7は、例えば、装置1と一体的に設けられてもよいし、装置とは別に設けられてもよい。眼科装置1は、操作部8を備えてもよい。操作部8は、装置1の各種設定、測定開始時の操作に用いられる。操作部8には、検者による各種操作指示が入力される。例えば、操作部8は、タッチパネル、ジョイスティック、マウス、キーボード、トラックボール、ボタン等の各種ヒューマンインターフェイスであってもよい。顔支持部9は、例えば、額当て10と顎台11を備えてもよい。顎台11は、顎台駆動部12の駆動によって上下方向に移動されてもよい。
<制御系>
図2に示すように、本装置1は制御部70を備える。制御部70は、本装置1の各種制御を司る。制御部70は、例えば、一般的なCPU(Central Processing Unit)71、ROM72、RAM73等を備える。例えば、ROM72には、眼科装置を制御するための眼科装置制御プログラム、初期値等が記憶されている。例えば、RAMは、各種情報を一時的に記憶する。制御部70は、検眼部2、顔撮影部90、駆動部4、表示部7、操作部8、顎台駆動部12、記憶部(例えば、不揮発性メモリ)74等と接続されている。記憶部74は、例えば、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、着脱可能なUSBフラッシュメモリ等を記憶部74として使用することができる。
<検眼部>
検眼部2は、被検眼の測定,検査,撮影などを行う。検眼部2は、例えば、被検眼の屈折力を測定する測定光学系を備えてもよい。例えば、図3に示すように、検眼部2は、測定光学系20と、固視標呈示光学系40と、指標投影光学系50と、観察光学系(撮像光学系)60と、を備えてもよい。
測定光学系20は、投影光学系(投光光学系)20aと、受光光学系20bと、を有している。投影光学系20aは、被検眼の瞳孔を介して眼底Efに光束を投影する。また、受光光学系20bは、瞳孔周辺部を介して眼底Efからの反射光束(眼底反射光)をリング状に取り出し、主に屈折力の測定に用いるリング状の眼底反射像を撮像する。
投影光学系20aは、測定光源21と、リレーレンズ22と、ホールミラー23と、対物レンズ24と、を光軸L1上に有している。光源21は、リレーレンズ22から対物レンズ24、および、瞳孔中心部を介して眼底Efにスポット状の光源像を投影する。光源21は、移動機構33によって光軸L1方向に移動される。ホールミラー23には、リレーレンズ22を介した光源21からの光束を通過させる開口が設けられている。ホールミラー23は、被検眼の瞳孔と光学的に共役な位置に配置されている。
受光光学系20bは、ホールミラー23と、対物レンズ24と、を投影光学系20aと共用する。また、受光光学系20bは、リレーレンズ26と、全反射ミラー27と、を有している。更に、受光光学系20bは、受光絞り28と、コリメータレンズ29と、リングレンズ30と、撮像素子32と、をホールミラー23の反射方向の光軸L2上に有している。撮像素子32には、エリアCCD等の二次元受光素子を用いることができる。受光絞り28、コリメータレンズ29、リングレンズ30、及び撮像素子32は、移動機構33によって、投影光学系20aの測定光源21と一体的に光軸L2方向に移動される。移動機構33によって光源21が眼底Efと光学的に共役な位置に配置される場合、受光絞り28及び撮像素子32も、眼底Efと光学的に共役な位置に配置される。
リングレンズ30は、対物レンズ24からコリメータレンズ29を介して導かれる眼底反射光を、リング状に整形するための光学素子である。リングレンズ30は、リング状のレンズ部と、遮光部と、を有している。また、受光絞り28及び撮像素子32が、眼底Efと光学的に共役な位置に配置される場合、リングレンズ30は、被検眼の瞳孔と光学的に共役な位置に配置される。撮像素子32では、リングレンズ30を介したリング状の眼底反射光(以下、リング像という)が受光される。撮像素子32は、受光したリング像の画像情報を、CPU71に出力する。その結果、CPU71では、表示部7でのリング像の表示、およびリング像に基づく屈折力の算出等が行われる。
また、図3に示すように、本実施例では、対物レンズ24と被検眼との間に、ダイクロイックミラー39が配置されている。ダイクロイックミラー39は、光源21から出射された光、および、光源21からの光に応じた眼底反射光を透過する。また、ダイクロイックミラー39は、後述の固視標呈示光学系40からの光束を被検眼に導く。更に、ダイクロイックミラー39は、後述の指標投影光学系50からの光の前眼部反射光を反射して、その前眼部反射光を観察光学系60に導く。
図3に示すように、被検眼の前方には、指標投影光学系50が配置されている。指標投影光学系50は、主に、被検眼に対する光学系の位置合わせ(アライメント)に用いられる指標を前眼部に投影する。この場合、指標投影光学系50は、被検眼に対する光学系のXY方向又はZ方向の少なくともいずれかに位置合わせ(アライメント)に用いられる指標を前眼部に投影する。なお、指標投影光学系50を用いず、前眼部画像における特徴部位を検出することによってアライメント検出を行うようにしてもよい。もちろん、指標検出と、特徴部位の検出とを併用して、アライメントを検出してもよい。
指標投影光学系50は、例えば、リング指標投影部51と、指標投影部52と、を備える。リング指標投影部51は、被検者眼Eの角膜に拡散光を投影し、リング指標(いわゆるマイヤーリング)を投影する。リング指標投影部51は、本実施例の眼科装置1では、被検者眼Eの前眼部を照明する前眼部照明としても用いられる。指標投影部52は、被検眼の角膜に平行光を投影し、無限遠指標を投影する。
視標呈示光学系40は、光源41、固視標42、リレーレンズ43、反射ミラー46の反射方向の光軸L4上に有している。固視標42は、他覚屈折力測定時に被検眼を固視させるために使用される。例えば、光源41によって固視標42が照明されることによって、被検眼に呈示される。
光源41及び固視標42は、駆動機構48によって光軸L4の方向に一体的に移動される。光源41及び固視標42の移動によって、固視標の呈示位置(呈示距離)を変更してもよい。これによって、被検眼に雲霧をかけて屈折力測定を行うことができる。
前眼撮影光学系60は、撮像レンズ61と、撮像素子62とを、ハーフミラー63の反射方向の光軸L3上に備える。撮像素子62は、被検眼の前眼部と光学的に共役な位置に配置される。撮像素子62は、リング指標投影部51によって照明される前眼部を撮像する。撮像素子62からの出力は、CPU71に入力される。その結果、撮像素子62によって撮像される被検眼の前眼部画像が、表示部7に表示される(図2参照)。また、撮像素子62では、指標投影光学系50によって被検眼の角膜に形成されるアライメント指標像(本実施例では、リング指標および無限遠指標)が撮像される。その結果、CPU71は、撮像素子62の撮像結果に基づいてアライメント指標像を検出できる。また、CPU71は、アライメント状態の適否を、アライメント指標像が検出される位置に基づいて判定できる。
<顔撮影部>
顔撮影部90は、例えば、左右の被検眼のうち少なくとも一方を含む顔を撮影するための光学系である。例えば、図3に示すように、本実施例の顔撮影部90は、例えば、撮像素子91と、撮像レンズ92を主に備える。
本実施例の顔撮影部90は、駆動部4によって検眼部2とともに移動される。もちろん、顔撮影部90は、例えば、基台5に対して固定され、移動しない構成でもよい。
なお、撮影レンズ92は、例えば、広角レンズであってもよい。広角レンズは、例えば、魚眼レンズ、円錐レンズ等である。広角レンズを備えることによって、顔撮影部90は、広い画角で被検者の顔を撮影できる。画角は例えば、87°以上である。これによって、顔撮影部90は、被検者の両眼を撮影し易い。
<制御方法>
以下、本装置1の制御動作について説明する。本装置1は、例えば、被検眼を検査するために、検眼部2と被検眼とのアライメントを全自動(フルオート)で行う。
フルオート測定のフローチャートを図4に示す。例えば、制御部70は、測定を行った後、フルオートアライメントを行い、被検眼Eと検眼部2との位置合わせを行う。その後、眼の測定を行い、もう一方の眼に検眼部2を移動させて再度フルオートアライメントを行う。アライメントが完了すると、制御部70は、被検眼の測定を行い、処理を終了する。以下、各ステップについて説明する。
{ステップS100:顎台調整}
ステップS100において、制御部70は顎台調整を行う。顎台調整についての詳細は後述する。制御部70は、顎台調整が完了すると、ステップS200に移行する。
{ステップS200:フルオートアライメント(1)}
ステップS200において、制御部70は、左右の一方の被検眼に対するフルオートアライメントを行う。例えば、制御部70は、顔撮影部90によって撮影された顔画像から被検者の眼を検出し、その方向に検眼部2を移動させる。このとき、制御部70は、前眼部観察光学系60によって撮影された被検眼の前眼部画像から、指標投影光学系50によって投影されたアライメント指標を検出してもよい。顔画像から検出された被検眼の情報に基づいて、粗アライメントが行われたところで、前眼部画像からアライメント指標を検出すると、制御部70は、アライメント指標による微アライメントを行う。例えば、制御部70は、アライメント指標の位置が所定位置となるように検眼部2を移動させ、アライメントを完了させる。
{ステップS300:測定(1)}
ステップS300において、制御部70は被検眼の検査を行う。例えば、制御部70は、測定光を被検眼の眼底に照射し、眼底によって反射された測定光の検出結果に基づいて、被検眼の眼屈折力を測定する。
{ステップS400:左右眼切換}
ステップS400において、制御部70は測定対象眼を切り換える。例えば、制御部70は、ステップS300において検査が完了した眼からもう一方の眼に検眼部2を移動させる。
{ステップS500:フルオートアライメント(2)}
ステップS500において、制御部70は検査が完了していない方の被検眼に対して、ステップS200と同様にフルオートアライメントを行う。
{ステップS600:測定(2)}
ステップS600において、制御部70は、もう一方の被検眼の検査を行う。
<3次元位置推定>
次に、撮影画像から検出された眼の位置を利用して被検眼の3次元位置を推定する手法について説明する(例えば、図7参照)。なお、以下の説明では、顎台の位置調整での適用を例として説明するが、これに限定されず、検眼部2の位置調整においても適用可能である。
図5は、本実施例の眼科装置の顎台制御についてのフローチャートである。本実施例において、制御部70は、被検者が顎台11に顔を乗せた際にアイレベルのずれ量を求め、その結果をもとに顎台11の高さを制御する。
{ステップS110:顔画像撮影}
制御部70は、顎台11に顎を乗せた状態の被検者の顔を撮影する。図6は顔撮影部90によって撮影された顔画像の一例である。顔撮影部90の撮影位置は、おおよそ左右は中央、上下はアイレベル、前後は、検者側に引いた位置である。
{ステップS120:眼検出}
制御部70は、図6に示すように、ステップS110で撮影した顔画像PICから被検眼を検出し、画像上の右被検眼の座標(x,y)、左被検眼の座標(x,y)を記憶部74等に記憶させる(図7参照)。画像から被検眼を検出する方法としては、例えば、赤外撮影による瞳孔検出、輝度値のエッジ検出等の種々の画像処理方法が挙げられる。例えば、被検者の顔を赤外撮影した場合、肌は白く写り、瞳孔は黒く写る。したがって、制御部70は、赤外撮影によって得られた赤外画像から丸くて黒い(輝度の低い)部分を瞳孔として検出してもよい。上記のような方法を用いて、制御部70は、顔画像から被検眼を検出し、その2次元位置情報を取得する。
{ステップS130:3次元位置推定}
制御部70は、ステップS120によって求められた画像中の右被検眼の座標(x,y)、左被検眼の座標(x,y)に基づいて、右被検眼の3次元座標(X,Y,Z)、左被検眼の3次元座標(X,Y,Z)を算出する。例えば、(x,y)と(X,Y,Z)の関係は、式(1)で表される。

ただし、hは定数、Iはカメラ内部パラメータで、焦点距離f,f、スキュー歪みs、光学中心の座標(c,c)とすると式(2)になる。

また、(R|T)はカメラ外部パラメータで、Rは回転成分、Tは平行移動成分で、それぞれ式(3)、(4)で表される。


式(1)より、(x,y),I,R,Tが既知のとき、未知数はh,(X,Y,Z)である。ここで、4つの未知数の中の1つを標準値であると仮定すると、未知数はh,X,Yの3つとなり、式(1)を解くことで求めることができる。
顎台11に顔を乗せた状態であれば、眼のZ座標は概ね同じ位置になり、その個人差は左右位置(つまりPD)、上下位置(顔の大きさ、顎台位置などに依存)ほどではないと考えられる。そこで、本実施例では、Zが標準値であると仮定する。式(1)を変形させて式(5)となる。


ここで、式(7),(8)で表現される行列M,Nをおく。


行列M,Nを使うと式(6)は式(9)のように表現される。

すると、式(9)よりhは式(10)で与えられる。

よって、式(9),(10)より、X,Yは式(11)で与えられる。

制御部70は、式(11)によってX,Yを求める。なお、Zの標準値は、例えば、被検者が顔を顔支持部9に支持させたときの平均的な眼の位置に設定されてもよい。なお、Zの標準値は記憶部74等に記憶され、検者によって自由に変更できるようにしてもよい。同様に、制御部70は、X,Yを導出する。
{ステップS140:アイレベルのずれ量判定}
制御部70は、被検眼の適正アイレベルからのずれ量の算出を行う。例えば、制御部70は、ステップS130で算出した被検眼の3次元座標と適正アイレベルとのずれ量を算出する。ステップS130で求めたY,Yのうち、アイレベルに対する誤差が大きい方のずれ量を、アイレベルずれ量とする。アイレベルずれ量が十分許容範囲である場合、制御部70は、測定可能なアイレベルだと判定し、顎台調整を終了する。
例えば、検眼部2を移動させて被検眼を測定できるY方向の移動範囲が+α〜−αであるとき、被検眼の推定高さが+α〜−αより狭い範囲である+β〜−βの範囲内のとき、測定可能なアイレベルだと判定する。被検眼の推定位置には誤差が含まれるため、+α〜−αより狭い範囲である+β〜−βの範囲で判定することによって、制御部70は、被検眼が確実に測定可能な移動範囲に収まる場合に測定可能なアイレベルであると判定できる。
また、制御部70は、3次元座標を推定した結果、顔が傾いていると考えられる場合はエラーとしてもよい。例えば、図8(a)のように被検者の顔が傾いている場合には、推定されたYとYの差が大きくなり、エラーとする。また、図8(b)のようにY軸周りに顔が傾いている場合は実際の眼のZ座標と標準位置Z=Zとの差が大きくなり、その結果推定されたYとYの差が大きくなる。そこで、YとYの差が大きいときは、制御部70は、顔の向きが正しくないと判定し、エラーとする。
{ステップS150:顎台駆動}
制御部70は、ステップS140において、適正アイレベルか大きい場合は、ずれ量だけ顎台11を駆動させる。制御部70は、例えば、図9に示すように、表示部7に被検者の顔を額当て10と顎台11から離すように指示する旨の表示を行ってもよい。例えば、検者は、被検者の顔を顎台11から離し、顎台ボタン120を押す。制御部70は、顎台ボタン120が押されると、算出されたずれ量に基づいて、顎台11を目標位置まで駆動させる。このように制御部70は、被検者のアイレベルを検眼部2の駆動範囲内に収まるように顎台11を駆動する。
上記のように、3次元座標の1つの座標成分を仮定することによって、1つの顔撮影部90によって1箇所で撮影した画像から被検眼の3次元位置を推定することができる。これによって、制御部70は、測定可能なアイレベルに被検眼を移動させるための顎台の調整量を算出することができる。
また、制御部70によって顎台11を動かす方向が取得されるため、検者は顎台11を動かす方向を指定しなくてもよい。また、検者は顎台11の高さが適切かどうか目視で確認しながら顎台11を上下させなくてもよく、顎台ボタン120を押すだけでよい。
また、ステレオ計測を行わなくても容易に顎台調整量を求めることができるため、カメラを複数設けてコストが上がったり、複数の位置から撮影して測定時間が増加したりすることが不要になる。また、テレセン光学系等の特殊なカメラを必ずしも用いなくてもよい。
なお、ステップS150の顎台調整において、制御部70は、顎台ボタン120を押されている間だけ、顎台を動かし、顎台ボタン120が離されると停止させるようにしてもよい。この場合、制御部70は、算出されたずれ量に基づいて顎台11を駆動させ、顎台ボタン120が押された状態で目標位置に到達すると、顎台調整を終了する。
また、ステップS150において、制御部70は、顎台に設けられたセンサ、または顔撮影部によって撮影された顔画像の眼検出結果に基づいて被検者の顔が顎台から離れたことを検知し、自動で顎台を目標の位置まで駆動させてもよい。もちろん、制御部70は、被検者の有無に関係なく、アイレベルずれ量だけ、顎台を自動で駆動させてもよい。
また、上記の制御を組み合わせてもよい。例えば、制御部70は、アイレベルずれ量が小さい場合は、顎台ボタン120が押されると目標の位置まで顎台11を駆動させ、アイレベルずれ量が大きい場合は、被検者の顔が顎台から離れたことを検知したときに顎台を目標の位置まで移動させてもよい。
なお、以上の説明において、制御部70は、顔画像から両眼を検出し、両眼の3次元位置を推定しているが、片眼のみの3次元位置を推定して顎台駆動または検眼部の駆動を行ってもよい。
なお、本実施例において、推定された3次元座標に基づいて顎台11の高さを制御しているが、検眼部2の位置制御に3次元座標の推定値が用いられてもよい。例えば、制御部70は、仮の3次元座標に基づいて検眼部2を移動させて粗アライメントを行いながら、前眼部画像のアライメント指標によるアライメント検出を行ってもよい。そして、制御部70は、アライメント指標が検出された場合は、アライメント指標に基づく微アライメントを行うようにしてもよい。制御部70は、検眼部2の駆動範囲内に被検眼が存在し、顎台11を移動させる必要がない場合でも、仮の3次元座標に基づいて検眼部2を移動させてもよい。
なお、制御部70は、x座標またはy座標を仮定してもよい。例えば、制御部70は、一般的な人の瞳孔間距離が64mmであることを用いてx座標を仮定してもよい。例えば、制御部70は、顔画像上の被検者の瞳孔間距離が64mmであると仮定して、y座標とz座標を算出してもよい。
なお、本実施例では、前眼撮影光学系60によって撮影された前眼部画像において、アライメント指標を検出することによって最終的なアライメントを行うものとしたが、これに限らない。例えば、制御部70は、前眼部画像の瞳孔位置、コントラスト、エッジ等から最終的なアライメントを行ってもよい。
<音声アナウンス>
なお、本実施例の眼科装置は、被検者または検者を誘導させる為の音声アナウンスを行うことができる。例えば、図1に示すように、眼科装置は、スピーカ79を備えている。図2に示すように、制御部70は、スピーカ79と接続される。制御部70は、スピーカ79の音声出力を制御し、音声アナウンスを行う。例えば、制御部70は、ステップS150において顎台11から一旦顔を離してもらう必要がある場合、または測定前に瞬きをして欲しい場合などにアナウンスする。音声アナウンスする場合、制御部70は、センサ113(図1,2)からの検出結果を利用してもよい。以下の説明は、センサ113からの出力に基づいて、アナウンスを行うときの一例である。
{ステップS151:人検知(1)}
本実施例の装置では、被検者の有無を判定し、音声アナウンスを行う。例えば、制御部70は、センサ113からの出力によって人の有無を判定する。制御部70は、センサ113からの出力がある場合は被検者がいると判定し、センサ113からの出力が無い場合は被検者がいないと判定する。制御部70は、被検者がいると判定した場合、図5のステップS110〜S130と同様の処理を行い、ステップS153に進む。制御部70は、被検者がいないと判定した場合はそのまま待機する。
{ステップS153:顎台調整判定}
ステップS153において、制御部70は、顎台の調整が必要か否か判定を行う。制御部70は、例えば、前述のように、被検眼の位置を推定し、顎台11の調整が必要か否か判定する。制御部70は、顎台11を移動させる必要がない場合はステップS162に進み、顎台の調整が必要であると判定した場合はステップS154に進む。
{ステップS154:顎台駆動量判定}
ステップS154において、制御部70は、顎台11の駆動量の大きさを判定する。例えば、制御部70は、顎台の駆動量が所定値よりも小さい場合はステップS160に進み、顎台11の駆動量が所定値よりも大きい場合はステップS155に進む。なお、制御部70は、駆動量の所定値は、記憶部74等に記憶され、任意に設定可能であってもよい。
{ステップS155:音声アナウンス(1)}
ステップS155において、制御部70は、顎台を駆動させる前に、顎台11から顎を離す旨の音声アナウンスを行う。例えば、制御部70は、「顎台を動かします、顎台から顎を離してください」等の音声をスピーカ79によって出力する。
{ステップS156:人検知(2)}
ステップS156において、制御部70は、ステップS151と同様に被検者の有無を判定する。これによって、被検者の顎が顎台11から離れたことが確認される。例えば、制御部70は、センサ113からの出力が数秒間途絶えた場合に、被検者の顎が顎台から離れたと判定する。制御部70は、被検者がいないと判定すると次のステップS157に進む。
{ステップS157:顎台駆動(1)}
ステップS157において、制御部70は、例えば、被検眼の推定位置に基づいて算出された顎台の駆動量だけ顎台11を動かす。なお、制御部70は、顎台11を動かす直前に、再度、顎台11を動かす旨の音声アナウンスを行ってもよい。
{ステップS158:音声アナウンス(2)}
制御部70は、顎台11の移動が完了すると、被検者に対して顎台11に顎を載せる旨の音声アナウンスを行う。例えば、制御部70は、「顎台に顎を載せてください。」等の音声を出力させる。
{ステップS159:人検知(3)}
ステップS159において、制御部70は、被検者が顎を顎台11に戻したことを検出する。制御部70は、センサ113からの出力を検出すると、ステップS110に戻る。
{ステップS160:音声アナウンス(3)}
ステップS154において顎台11の駆動量が小さいと判定された場合、制御部70は、顎が顎台11に載せられた状態で顎台11を駆動させる。制御部70は、顎台11を駆動させる前に、顎台11を駆動させる旨の音声アナウンスを行う。例えば、制御部70は、「顎台を動かします」等の音声を出力する。
{ステップS161:顎台駆動(2)}
ステップS161において、制御部70は、顎台11を駆動させる。制御部70は、適正な位置まで顎台11を駆動させると、ステップS110に戻る。
{ステップS162:音声アナウンス(4)}
ステップS162において、制御部70は、スピーカ79によって測定を開始する旨の音声アナウンスを行う。例えば、制御部70は、「測定を開始します」、「フルオートアライメントを開始します」等の音声を出力させる。
{ステップS163:フルオートアライメント}
制御部70は、被検眼に対する検眼部2のフルオートアライメントを行う。
{ステップS164:音声アナウンス(5)}
制御部70は、測定前に被検者に準備を促す音声アナウンスを行う。例えば、制御部70は、「瞬きをして下さい」、「目を大きく開けてください。」等の音声を出力してもよい。
{ステップS165:測定}
ステップS165において、制御部70は、被検眼の測定を行う。例えば、被検眼に測定光を照射し、その反射光を受光することによって被検眼の検査などを行う。
{ステップS166:音声アナウンス(6)}
制御部70は、測定を終了した旨の音声アナウンスを行う。例えば、「測定を終了しました。」等の音声アナウンスが出力される。制御部70は、顎台11から離れるように音声アナウンスを行う。例えば、「顎台から離れてください」等の音声を出力させる。制御部70は、検眼部2の位置、顎台11の位置等を初期化するためのアナウンスを行う。例えば、「初期化します」等の初期化を行う旨のアナウンスを行う。
{ステップS167:人検知(4)}
ステップS167において、制御部70は、ステップS151と同様に被検者の有無を判定する。これによって、被検者の顎が顎台11から離れたことが確認される。制御部70は、被検者がいないと判定すると次のステップS168に進む。
{ステップS168:初期化}
ステップS168において、制御部70は、装置の初期化を行う。例えば、制御部70は、検眼部2の位置と、顎台11の高さを初期位置に戻す。検眼部2の初期位置は、例えば、被検眼を少しの移動で被検眼を測定できる位置に設定される。顎台11の初期位置は、例えば、平均的なアイレベルの位置に設定される。
上記のように、本実施例の眼科装置は、検眼部2または顎台11の移動を予め検者または被検者に報知することで、被検者または被検者が装置の急な動作に驚くことを防ぐ。また、眼科装置1は、音声アナウンスを行うことによって、顎台11を大きく動かす場合に被検者の顔が顎台11と額当て10に挟まれないように顔を離してもらうことができる。本実施例のようなフルオートアライメントを行う眼科装置では、例えば、測定、初期化、顎台駆動が自動となっているため、動き出すタイミングを被検者に把握させることで、安全に測定を行うことができる。また、スピーカによる音声アナウンスを行うことで、わざわざ検者が口頭で指示する手間が省くことができる。
眼科装置によっては、検査前に被検者に瞬きをさせたほうがよい装置がある。例えば、検査時間の長い視野計、空気などが噴出される非接触式眼圧計、強い光を照射する眼底カメラ等である。このような場合、ステップS166で示したように、眼科装置1は、測定前に準備を促すアナウンスを行うことで、安定した測定を行うことができる。例えば、被検者に瞬きをさせることによって、測定中の瞬きの低減、眼の乾燥防止、余分な涙の除去などが期待できる。なお、制御部70は、涙が乾燥して輝点がぼやけていることを前眼部画像から検出した場合、瞬きをさせるようにアナウンスしてもよい。
また、眼科装置によっては、検査前に被検者に眼を大きく開けてもらう必要がある装置がある。例えば、眼屈折力測定装置、非接触式眼圧計、眼底カメラ等は、被検者の目が大きく開いていた方が安定して測定できる。このような装置で検査する場合、ステップS166で示したように、測定前に眼を大きく開ける旨の音声アナウンスをしてもよい。このとき、前眼部撮影光学系によって撮影された前眼部画像から被検眼の眼の開き具合を検出し、目があまり開いていない場合に眼を大きく開ける旨の音声アナウンスをしてもよい。このように、前眼部画像からフィードバックすることによって、目の開き具合によって必要な時だけ音声アナウンスしてもよい。
なお、測定中に片眼を閉じると、固視が安定しなかったり、眼が大きく見開かったりするため、測定中に両眼を開くようにアナウンスしてもよい。例えば、制御部70は、「両眼を開けてください。」等の音声を出力してもよい。
なお、眼底カメラ、角膜形状測定装置、眼圧計などの眼科装置の場合、強い光を照射したり、ノズルを接近させたり、空気を噴出させたり、音を照射したりすることがある。このような装置の場合、被検者が驚かないように予め次の動作を知らせるアナウンスを行ってもよい。例えば、「強い光が出ます。」、「ノズルが接近します。」、「空気が出ます」、「音が出ます」等の音声を出力してもよい。これらのアナウンスによって、被検者が驚いて顔支持部9から顔を外してしまうことを防止できる。
また、制御部70は、被検者に検査手順をアナウンスしてもよい。例えば、「装置の中をのぞいてください。緑の点滅が見えてきたら両目を大きく開き、瞬きをできるだけ我慢して、緑の点滅を見つめてください」等の音声を出力してもよい。これによって、測定手順が分からない被検者であっても、適正な検査を行える。
なお、制御部70は、検査時の注意事項をアナウンスしてもよい。例えば、制御部70は、測定中に瞬きをしないように指示する音声アナウンスを行ってもよい。例えば、「測定中はできるだけ瞬きをしないようにお願いします。」等の音声を出力してもよい。
なお、視野検査装置などの測定時間の長い装置は、制御部70は、被検者の集中力を維持するための音声アナウンスを行ってもよい。例えば、制御部70は、「固視灯がずれました」、「20%終了しました。」等の音声を出力してもよい。これによって、被検者は検査状況を把握することができ、検査に集中できる。
また、制御部70は、測定の合間に、被検者をリラックスさせるためのアナウンスを行ってもよい。例えば、「指標を見て、楽にして下さい。」という音声を出力してもよい。これによって、緊張状態の維持による被検者の負担を軽減させることができる。
なお、例えば、制御部70は、左右眼を切り換える旨の音声アナウンスを行ってもよい。例えば、上記のステップS400において、「続いて左眼を測定します」等の音声が出力されてもよい。これによって、被検者は、片眼の測定が終わった後、もう一方の眼を測定することを把握できるため、不用意に動くことがなくなり、スムーズに測定を行える。
なお、制御部70は、測定モードの切り換え時に、次にどの検査を行うのかをアナウンスしてもよい。これによって、どの検査を行っているか把握できるため、被検者不安を取り除くことができる。また、制御部70は、眼底カメラ等の撮影装置においては、シャッター音を出力してもよい。これによって、被検者が撮影されていることを把握でき、顔または眼を動かさないように意識することができる。
なお、制御部70は、被検眼が検出できない、または被検眼の測定ができないときに、測定ができない旨の音声アナウンスを行ってもよい。また、制御部70は、検者を呼ぶように被検者に指示する音声アナウンスを行ってもよい。これによって、測定時に検者が離れた位置にいたとしても、被検者は無駄にその場で待機することがなくなり、測定時間の短縮が期待できる。
なお、制御部70は、眼鏡またはコントタクトレンズを外す旨のアナウンスを測定前に行ってもよい。例えば、制御部70は、「眼鏡またはコンタクトレンズを外してください」という音声を出力させてもよい。これによって、眼鏡またはコンタクトレンズを装着した状態で検査するというミスを防ぐことができる。また、制御部70は、患者の視度が装置のフォーカス調整範囲外にある場合などは、眼鏡を装着する旨の音声アナウンスを行ってもよい。例えば、制御部70は、「眼鏡またはコンタクトレンズを装着してください。」という音声を出力してもよい。
なお、制御部70は、顔支持部9に顔を支持するときの正しいやり方を音声アナウンスしてもよい。例えば、制御部70は、「顎を奥につけるよういにして顎台に載せ、額を軽く接触させてください。」という音声アナウンスを行ってもよい。また、制御部70は、「両手は、顎台の左右両脇のグリップをそれぞれ軽く握ってい下さい」という音声を出力してもよい。これによって、被検者は、正しい姿勢で測定できる。
なお、制御部70は、測定終了後、ゆっくりと顎台から頭を引くようにアナウンスしてもよい。また、制御部70は、立ち上がる際に、顎台11および額当て10をつかまないようにアナウンスしてもよい。これによって、測定終了後に装置の破損または被検者の危険を防止できる。
また、制御部70は、測定終了後、患者に瞬きをして、眼を休めてしばらく待つように促す音声アナウンスを行ってもよい。
<顎載せ検知部>
なお、顔支持部9は、顎台11に顎が載っているか否かを検知する顎載せ検知部109を備えてもよい。例えば、顎載せ検知部109は、顎台11が被検者の顎で下方向に押し込まれたことを検知する。図11を用いて顎載せ検知部113の一例について説明する。図11は、本実施例の顔支持部9の内部構造を示す図である。顔支持部9は、例えば、額当て10、顎台11、支柱105、軸受け104、顎台駆動部12、作動ユニット100、顎載せ検知部109等を備える。
支柱105は、顎台11に固定される。支柱105は、顎台駆動部12と連結されている。支柱105は、顎台駆動部12の駆動によって上下方向に移動する。支柱105の移動によって、顎台11の高さが調整される。顎台11の高さは、支柱105に取り付けられたエンコーダ108等によって検出される。軸受部104は、支柱105が上下に駆動する際のガイドとなる。軸受部104と支柱105とは摺動可能に嵌合されている。
顎載せ検知部109は、被検者の顎によって下方向に押し込まれたときに反応するように構成される。顎載せ検知部109は、例えば、センサ113、センサ基部102、クランク板112、回転軸部111等を備える。センサ113は、フォトセンサ、磁気センサ、圧力センサ等であってもよいし、スイッチ等であってもよい。本実施例では、フォトセンサを用いる。センサ基部102は、顔支持部9の本体に固定される。センサ113は、センサ基部102に固定される。回転軸部111は、センサ基部102に固定される。クランク板112は、回転軸部111によって回転可能に支持される。クランク板112は、フォトセンサの検出光を遮光する。
作動機構100は、被検者の顎が顎台11に載ったときに顎台11を下方向に沈み込ませ、顎載せ検知部109によって検知させるための機構である。本実施例において、顎台11は、作動部100および顎台駆動部12とともに、下方向に沈み込む。作動部100は、作動基部101、ピン115、バネ110、上ストッパ106、下ストッパ107を備える。作動基部101は、顎台駆動部12に固定される。ピン115は、作動基部101に固定される。ピン115は、クランク板112の切欠き114と係合している。
上ストッパ106、下ストッパ107は、作動基部101の上下の移動範囲を制限する。例えば、作動基部101が押し込まれて1.5mm動くようにストッパが設けられる。上ストッパ106と下ストッパ107は、顔支持部9の本体に固定される。バネ110の上端はセンサ基部102に取り付けられ、下端は作動基部101に取り付けられる。バネ110は、復元力によって作動基部101を上方向に持ち上げる。
上記のような顎載せ検知部109の動作について説明する。顎台11に顎が載せられていない場合、顎台11は、バネ110によって上方向に持ち上げられ、作動基部101が上ストッパ106に接触する位置で静止する。顎台11に顎が載せられると、図12に示すように、顎台11、支柱105、作動基部101、顎台駆動部12が一体的に下に押し込まれる。作動基部101が下方向に移動することによって、作動基部101に取り付けられたピン115も下方に移動する。ピン115が下方に移動すると、クランク板112は、回転軸部111を中心に回転し、センサ113の検出光を遮蔽する。センサ113からの検出信号がなくなると、制御部70は、顎台11に顎が載せられたことを検知する。
仮に、顎台11に接触センサなどを搭載した場合は、顎台11まで接触センサのハーネスを延ばす必要がある。顎台11は、被検眼の高さを調整するために大きく(例えば、66mm程度)上下させる必要があるため、その上下の動きによってハーネスが断線する恐れがある。またセンサを顎台11に搭載するためのスペースが必要となりデザイン性が損なわれる。また、顎台11のアルコール消毒によってセンサが故障する可能性がある。
したがって、本実施例のように、顎台11ではなく、顎台駆動部12の駆動の影響のない顎台内部の位置に顎載せ検知部109が固定されることによって、ハーネス断線の可能性を低減できる。本実施例の顎載せ検知部109は、顎台の高さに関係なく、顎台全体の動きを検知するだけでよい。
顎台駆動部12による顎台11の上下とは別に、顎台11の上下機構全体を上下させることによって、ハーネス断線リスクとデザイン上の問題を回避することができる。また、検出機構を顎台上下動機構内部に設けることで、装置の大型化することを防げる。
なお、上記の顎載せ検知部109において、クランク板112をフォトセンサ113の検出用に用いたのは、顎台11の沈み込みが1.5mmと小さいため、クランク板112によってフォトセンサの遮蔽量を稼ぎ、より正確にフォトセンサの検出を行えるようするためである。しかしながら、クランク板112を用いずに、作動基部101に固定された遮蔽板によってフォトセンサの検出光を遮蔽してもよい。
また、顎台駆動部12によって支柱105が上下する場合、支柱105は軸受け104に対して摺動する。顎台11が沈み込む場合にも、支柱105は、軸受け104を摺動する。このように、顎台11の調整時の駆動と、顎載せ検知部109の検知用の駆動で同じ軸受け104を使うとこで、装置構成を簡略化できる。
1 眼科装置
2 検眼部
4 駆動部
5 基台
6 筐体
9 顔支持部
11 顎台
70 制御部
71 CPU
72 ROM
73 RAM
90 顔撮影部

Claims (3)

  1. 被検眼を検査する眼科装置であって、
    被検者の顎を支持し、被検者のアイレベルを調整するために上下に駆動する顎台と、
    前記顎台を上下方向に駆動させる駆動部と、
    前記顎台に顎が載せられることによって前記顎台と前記駆動部とを一体的に下方向に沈み込ませる作動部と、
    前記駆動部によって駆動されない位置に設けられ、前記作動部による前記顎台および前記駆動部の沈み込みを検知する検知手段と、
    を備えることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記作動部は、前記顎台を上方向に持ち上げる付勢手段を備えることを特徴とする請求項の眼科装置。
  3. 前記作動部は、前記顎台が沈み込む際の移動量を規制する規制手段を備えることを特徴とする請求項1または2の眼科装置。
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