JP7423912B2 - 眼科装置、および眼科装置制御プログラム - Google Patents

眼科装置、および眼科装置制御プログラム Download PDF

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Description

本開示は、被検眼を検査する眼科装置、および眼科装置制御プログラムに関する。
従来の眼科装置としては、例えば、眼屈折力測定装置、角膜曲率測定装置、眼圧測定装置、眼底カメラ、OCT(optical coherence tomography)、SLO(scanning laser ophthalmoscope)等が知られている。これらの眼科装置では、被検眼に対して測定部を上下左右前後方向に移動させ、被検眼に対して測定部を所定の位置にアライメントすることが一般的である。また、従来の装置において、測定を支援するためのアナウンスを行う眼科装置が知られている(特許文献1)。
特開2017-217121号公報
しかしながら、従来の眼科装置において、使用環境によってアナウンスの必要度合いが異なるため、適正なアナウンスが行えない可能性があった。例えば、アナウンスが不十分で上手く測定できない可能性があった。また、例えば、不必要なアナウンスによって測定時間が長くなる可能性があった。
本開示は、従来技術の問題点に鑑み、適正なアナウンスを行うことができる眼科装置、および眼科装置制御プログラムを提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検眼を検査する眼科装置であって、前記被検眼を検査する検眼手段と、被検者または検者にアナウンスを行うアナウンス手段と、前記アナウンス手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、眼圧測定における検査開始から検査終了までの一連のアナウンスパターンを、第1パターンと、前記第1パターンとはアナウンス内容が異なる第2パターンとで切り替え可能であり、前記第1パターンは、眼圧測定時に前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを含み、前記第2パターンは、眼圧測定時に前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを含まず、前記制御手段は、前記アナウンスパターンを前記第2パターンに切り替えた状態では、眼圧を測定する場合であっても、前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを行わないことを特徴とする。
(2) 被検眼を検査する眼科装置において実行される眼科装置制御プログラムであって、前記眼科装置のプロセッサによって実行されることで、被検者または検者にアナウンスを行うアナウンスステップと、眼圧測定における検査開始から検査終了までの一連のアナウンスパターンを、眼圧測定時に前記被検眼を検査する検眼手段から風が出る旨のアナウンスを含む第1パターンと、前記第1パターンとはアナウンス内容が異なり、眼圧測定時に前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを含まない第2パターンとで切り替える切替ステップと、前記アナウンスパターンを前記第2パターンに切り替えた状態では、眼圧を測定する場合であっても、前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを行わない前記アナウンスステップと、を前記眼科装置に実行させることを特徴とする。
本開示によれば、適正なアナウンスを行うことができる。
眼科装置の外観を示す図である。 眼科装置の内部構成を示す図である。 制御系の構成を示す図である。 アナウンス内容を示す図である。 アナウンスパターンの設定画面を示す図である。 測定画面の一例を示す図である。 ホーム画面の一例を示す図である。 言語選択ボタンを押したときのホーム画面を示す図である。 言語選択後のホーム画面を示す図である。 制御動作を示すフローチャートである。 ホーム画面の変容例を示す図である。 ホーム画面の変容例を示す図である。 ホーム画面の変容例を示す図である。
<第1実施形態>
本開示に係る第1実施形態について説明する。第1実施形態の眼科装置(例えば、眼科装置1)は、例えば、被検者の眼を検査(測定または撮影)する。眼科装置は、例えば、アナウンス部(例えば、アナウンス部89)と、制御部(例えば、制御部80)を備える。アナウンス部は、例えば、被検者または検者にアナウンスを行う。制御部は、例えば、アナウンス部を制御する。例えば、制御部は、検査開始から検査終了までの一連のアナウンスパターンを、第1パターンと、第2パターンとは異なる第2パターンとで切り替え可能である。これによって、第1実施形態の眼科装置は、被検者または検者に対して適正なアナウンスを行うことができる。もちろん、眼科装置は、2つのパターンだけでなく、3つ以上の複数のパターンからアナウンスパターンを切り替えてもよい。
なお、第1パターンと第2パターンとは、アナウンス内容が異なっていてもよい。例えば、第1パターンと第2パターンとで、アナウンス項目が異なっていてもよいし、アナウンス回数が異なっていてもよいし、アナウンスに要する時間が異なっていてもよい。例えば、第1パターンは丁寧なアナウンスであり、第2パターンは簡潔なアナウンスなどであってもよい。
例えば、第1パターンと第2パターンとは、選択言語を知らせるためのアナウンスの有無、検査を中断する旨のアナウンスの有無、検査を再開する旨のアナウンスの有無、固視を促すアナウンスの有無、検眼部(例えば、測定部100)から風が出る旨のアナウンスの有無、検眼部から光が照射される旨のアナウンスの有無などのいずれかが異なっていてもよい。
なお、制御部は、自動的に選択したアナウンスパターンに切り替えてもよいし、検者などによって選択されたアナウンスパターンに切り替えてもよい。
なお、アナウンス部は、スピーカなどの音声出力部であってもよいし、アナウンス内容を表示させる表示部であってもよい。
なお、制御部は、複数のアナウンス項目のオン・オフをそれぞれ設定してもよい。例えば、制御部は、最低2つのアナウンス項目のオン・オフを設定可能とすることで、少なくとも3つのパターンでアナウンスを切り替えてもよい。なお、制御部は、オフに設定したアナウンス内容を表示部などに表示してもよい。
なお、制御部は、予め各アナウンス項目のオン・オフが設定されたアナウンスパターンを記憶部(例えば、記憶部84)等から読み出して、アナウンスを実行してもよい。例えば、記憶部は、被検者自身が検査できるアナウンスパターン、検者の補助を必要とするアナウンスパターンなどを記憶しており、制御部はこれらのアナウンスパターンの中からアナウンスを実行してもよい。
なお、制御部は、記憶部などに記憶された眼科装置制御プログラムを実行してもよい。例えば、眼科装置制御プログラムは、アナウンスステップと、切替ステップとを含む。アナウンスステップは、被検者または検者にアナウンスを行うステップである。切替ステップは、検査開始から検査終了までの一連のアナウンスパターンを、第1パターンと第2パターンとで切り替えるステップである。
<第2実施形態>
本開示に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態の眼科装置(例えば、眼科装置1)は、例えば、被検者の眼を検査(測定または撮影)する。眼科装置は、例えば、制御部(例えば、制御部80)を備える。制御部は、例えば、検査画面(例えば、測定画面300)を表示させる前に、ホーム画面(例えば、ホーム画面410)を表示部(例えば、表示部85)に表示させる。ホーム画面は、例えば、検者または被検者の操作などを待ち受ける待ち受け画面であってもよい。検査画面は、例えば、被検眼の観察画像(例えば、観察画像301)が主画面(主に表示される画面)として表示される。また、制御部は、被検眼の検査が終了する度にホーム画面を表示部に表示させてもよい。これによって、第2実施形態の眼科装置は、容易に装置の操作を行うことができる。
なお、制御部は、言語選択ボタン(例えば、言語選択ボタン414)をホーム画面に表示させてもよい。言語選択ボタンは、例えば、眼科装置に用いられる言語を選択するためのボタンである。例えば、音声アナウンスの言語、表示部の表示言語などであってもよい。これによって、被検者または検者はホーム画面から容易に眼科装置に用いられる言語を選択することができる。つまり、容易に装置の設定を行うことができる。
なお、制御部は、モード選択ボタン(例えば、モード選択ボタン412)をホーム画面に表示させてもよい。モード選択ボタンは、例えば、検査モードを選択するためのボタンである。これによって、被検者または検者は、ホーム画面から容易に検査モードを選択することができる。
なお、制御部は、検査手順のイメージ図(例えば、イメージ図420,422,423)、または検査の注意事項(例えば、注意事項421,424)などをホーム画面に表示させてもよい。これによって、被検者または検者は、検査手順、注意事項などを検査の前に確認することができる。
なお、各種ボタンは、ウィジェットであってもよい。例えば、ウィジェットは、GUIのインタフェース部品(UIパーツ)の総称であり、コントロールとも称する。例えば、ウィジェットは、アイコン、スライダー、チェックボックス、テキストボックスなどであってもよい。
なお、制御部は、記憶部(例えば、記憶部84)などに記憶された眼科装置制御プログラムを実行してもよい。眼科装置制御プログラムは、例えば、第1表示ステップと、第2表示ステップを含む。第1表示ステップは、例えば、被検眼の観察画像が表示される検査画面を表示させる前に、ホーム画面を表示部に表示させるステップである。第2表示ステップは、例えば、被検眼の検査が終了する度にホーム画面を表示部に表示させるステップである。
<実施例>
本開示に係る眼科装置を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、眼科装置として眼圧測定装置を例に説明するが、眼屈折力測定装置、角膜曲率測定装置、角膜形状測定装置、眼軸長測定装置、眼底カメラ、OCT、またはSLO等の他の眼科装置にも適用可能である。
本実施例の眼科装置は、例えば、被検眼の眼圧を非接触にて測定する。例えば、本実施例の眼科装置は、片眼毎に測定を行ってもよいし、両眼同時に測定を行ってもよい。また、眼科装置は、左右の被検眼のうち、どちらか一方のみの測定を行ってもよい。
<外観>
図1に基づいて、眼科装置1の外観を説明する。図1に示すように、本実施例の眼科装置1は、測定部100と、アナウンス部89を備える。測定部100は、被検眼を検査する。アナウンス部89は、被検者または検者に対してアナウンスを行う。本実施例のアナウンス部89は、スピーカなどの音声出力部である。もちろん、アナウンス部89は、モニタなどの表示部であってもよい。
本実施例の眼科装置1は、さらに基台2、顔支持部3、駆動部4、表示部85、顔撮影部90等を備えてもよい。基台2は、測定部100を移動可能に支持する。顔支持部3は、被検者の顔を支持する。顔支持部は、額当て3a、顎台3b、顎台センサ3c、顎台駆動部3dなどを備える。顎台センサ3cは、顎台3bに顎が載せられているかを検知する。顎台駆動部3dは、顎台3bを上下に移動させて高さを調整する。駆動部4は、測定部100を基台2に対してXYZ方向(3次元方向)に移動させる。表示部85は、例えば、被検眼の観察画像および測定結果等を表示させる。表示部85は、例えば、装置1と一体的に設けられてもよいし、装置とは別に設けられてもよい。表示部85は、表示画面が、被検者だけでなく被検者側に向くように配置可能であってもよい。なお、表示部85は、操作部86として用いられてもよい。この場合、表示部85は、装置1の各種設定、測定開始時の操作に用いられる。表示部85には、検者または被検者による各種操作指示が入力される。なお操作部8として、ジョイスティック、マウス、キーボード、トラックボール、ボタン等の各種ヒューマンインターフェイスが用いられてもよい。顔撮影部90は、例えば、被検眼の顔を撮影する。顔撮影部90は、例えば、左右の被検眼のうち少なくとも一方を含む顔を撮影する。
<測定部>
測定部100は、被検眼の検査(測定または撮影など)を行う。測定部100は、例えば、被検眼の眼圧を測定する光学系を備える。もちろん、測定部100は、眼屈折力、角膜形状等を測定する光学系を備えてもよい。また、測定部100は、被検眼の前眼部、眼底等を撮影するための光学系等を備えてもよい。
<流体噴出部>
図2に示すように、流体噴出部200は、例えば、シリンダ201、ピストン202、ソレノイドアクチュエータ(以下、ソレノイドともいう)203、ノズル206を備える。シリンダ201とピストン202は、被検眼に噴出する空気を圧縮する空気圧縮機構として用いられる。シリンダ201は、例えば、円筒状である。ピストン202は、シリンダ201の軸方向に沿って摺動する。ピストン202は、シリンダ201内の空気圧縮室234の空気を圧縮する。本実施例のソレノイド203は、いわゆる直動ソレノイドであり、直線的に作動する。
ピストン202の移動によりシリンダ201内の空気圧縮室234で圧縮された空気は、シリンダ201の先端に連結されるチューブ(パイプでもよい)220、圧縮された空気を収容する気密室221を介して、ノズル206から被検眼Eの角膜に向けて噴出される。なお、例えば、シリンダ201は水平面(XZ面)に対して平行に配置されており、ソレノイド203の駆動によってピストン202がシリンダ201内で水平に移動されることにより空気の圧縮が行われてもよい。例えば、シリンダ201はその長手方向が水平方向と平行に配置され、シリンダ201の内面はピストン202をガイドする。このため、ピストン202の移動方向(圧縮方向)は、水平方向となる。なお、上記各構成部材は、装置本体の筐体内に設けられたステージ上にそれぞれ配置されている(図示省略)。
流体噴出部200は、例えば、ガラス板208と、ガラス板209を備えてもよい。ガラス板208は、透明であり、ノズル206を保持するとともに、観察光やアライメント光を透過させる。ガラス板209は、気密室221の後壁を構成するとともに、観察光やアライメント光を透過させる。ガラス板209の背後には、観察・アライメント光学系がその観察光軸及びアライメント光軸と、ノズル206の軸線が同軸になるように配置されている。
なお、流体噴出部200には、接触検知部250が設けられる。接触検知部250は、例えば、ノズルホルダー207が被検者と接触したことを検知する。接触検知部250は、例えば、接触センサ251を備える。接触センサ251は、例えば、電線252などによってノズルホルダー207と電気的に接続されている。
なお、流体噴出部200は、例えば、圧力センサ212、エア抜き穴213を備えてもよい。圧力センサ212は、例えば、気密室221の圧力を検出する。エア抜き穴213は、例えば、ピストン202に初速が付くまでの間の抵抗が減少され、時間的に比例的な立ち上がりの圧力変化を得ることができる。
<測定光学系>
図3は、眼科装置1の測定光学系10の概略図である。赤外照明光源30により照明された被検眼像は、ビームスプリッタ31、対物レンズ32、ダイクロイックミラー33、撮像レンズ37、及びフィルタ34を介してCCDカメラ35に結像する。すなわち、ビームスプリッタ31~CCDカメラ35までの光学系は、撮像素子を持ち、被検眼前眼部を観察するための観察光学系として用いられる。この場合、光軸L1は観察光軸として用いられる。
フィルタ34は、光源30及びアライメント用の赤外光源40の光を透過し、後述する角膜変形検出用の光源50の光及び可視光に対して不透過の特性を持つ。CCDカメラ35に結像した像は表示部85に表示される。
光源40から投影レンズ41を介して投影された赤外光はビームスプリッタ31により反射され、被検眼に正面より投影される。光源40により角膜頂点に形成された角膜輝点は、ビームスプリッタ31~フィルタ34を介してCCDカメラ35に結像し、上下左右方向のアライメント検出に利用される。すなわち、ビームスプリッタ31~CCDカメラ35までの光学系は、撮像素子を持ち、被検眼に対する上下左右方向のアライメント状態を検出するための検出光学系として用いられる。この場合、光軸L1はアライメント光軸として用いられる。なお、本実施例では、検出光学系は、前眼部を観察するための観察光学系を兼用する。
固視光学系48は、光軸L1を有し、眼Eに対して正面方向から固視標を呈示する。この場合、光軸L1は固視光軸として用いられる。固視光学系48は、例えば、可視光源(固視灯)45、投影レンズ46、ダイクロイックミラー33を有し、眼Eを正面方向に固視させるための光を眼Eに投影する。可視光源45には、LED、レーザなどの光源が用いられる。また、可視光源45には、例えば、点光源、スリット光源、リング光源などのパターン光源の他、液晶ディスプレイなどの二次元表示器が用いられる。
光源45から発せられた可視光は、投影レンズ46を通過し、ダイクロイックミラー33で反射され、対物レンズ32を通過した後、眼Eの眼底に投影される。これにより、眼Eは、正面方向の固視点を固視した状態となり、視線方向が固定される。なお、光源45から発せられた可視光は投影レンズ46及び対物レンズ32を通過することで、平行光束に変換される。
角膜変形検出光学系は、投光光学系500aと、受光光学系500bと、を含み、角膜Ecの変形状態を検出するために用いられる。各光学系500a、500bは、測定部100に配置され、駆動部4により3次元的に移動される。
投光光学系500aは、投光光軸として光軸L3を有し、眼Eの角膜Ecに向けて斜め方向から照明光を照射する。投光光学系500aは、例えば、赤外光源50、コリメータレンズ51、ビームスプリッタ52、を有する。受光光学系500bは光検出器57を有し、眼Eの角膜Ecでの照明光の反射光を受光する。受光光学系500bは、光軸L1に関して投光光学系500aと略対称的に配置されている。受光光学系500bは、例えば、レンズ53、ビームスプリッタ55、ピンホール板56、光検出器57、を有し、受光光軸として光軸L2を形成する。
光源50を出射した光はコリメータレンズ51により略平行光束とされ、ビームスプリッタ52で反射された後、後述する受光光学系70bの光軸L3と同軸(一致)となり、被検眼の角膜Ecに投光される。角膜Ecで反射した光は後述する投光光学系70aの光軸L2と同軸(一致)となり、レンズ53を通過した後、ビームスプリッタ55で反射し、ピンホール板56を通過して光検出器57に受光される。レンズ53には、光源30及び光源40の光に対して不透過の特性を持つコーティングが施される。また、角膜変形検出用の光学系は、被検眼が所定の変形状態(偏平状態)のときに光検出器57の受光量が最大になるように配置されている。
また、この角膜変形検出光学系は第1作動距離検出光学系の一部を兼ねており、第1作動距離検出光学系の投光光学系は、角膜変形検出光学系の投光光学系500aを兼用する。光源50による角膜Ecでの反射光を受光する受光光学系600bは、例えば、投光光学系500aのレンズ53、ビームスプリッタ58、集光レンズ59、位置検出素子60を有し、受光光軸として光軸L2を形成する。
光源50より投光され、角膜Ecで反射した照明光は光源50の虚像である指標像を形成する。その指標像の光は、レンズ53、ビームスプリッタ55を通過してビームスプリッタ58で反射され、集光レンズ59を通過してPSDやラインセンサ等の一次元または二次元の位置検出素子60に入射する。位置検出素子60は、被検眼E(角膜Ec)が作動距離方向(Z方向)に移動すると、光源50による指標像も位置検出素子60上を移動するため、制御回路20は位置検出素子60からの出力信号に基づいて作動距離情報を得る。なお、本実施形態の位置検出素子60からの出力信号は、作動距離方向(Z方向)のアライメント(粗調整)に利用される。第1作動距離検出光学系の受光光学系600bは後述する受光光学系70bほど倍率が大きくない。そのため、位置検出素子60のZ方向の距離検出範囲は受光素子77より広くなる。
角膜厚測定光学系は、投光光学系70aと、受光光学系70bと、固視光学系48と、を含み、被検眼Eの角膜厚を測定するために用いられる。また、投光光学系70aは、角膜変形検出光学系及び第1作動距離検出光学系の一部が兼用される。
投光光学系70aは、投光光軸として光軸L2を有し、眼Eの角膜Ecに向けて斜め方向から照明光(測定光)を照射する。投光光学系70aは、例えば、照明光源71、集光レンズ72、光制限部材73、凹レンズ74、角膜変形検出光学系と兼用されるレンズ53、を有する。照明光源71には、可視光源若しくは赤外光源(近赤外を含む)が用いられ、例えば、LED、レーザなどの光源が用いられる。集光レンズ72は、光源71から出射された光を集光する。なお、光源50及び光源71は互いに波長帯域を用いる。
光制限部材73は、投光光学系70aの光路に配置され、光源71から出射された光を制限する。光制限部材73は、角膜Ecに対して略共役な位置に配置される。光制限部材73としては、例えば、ピンホール板、スリット板などが用いられる。光制限部材73は、光源71から出射された一部の光を通過させ、他の光を遮断するアパーチャーとして用いられる。そして、投光光学系70aは、眼Eの角膜上において所定のパターン光束(例えば、スポット光束、スリット光束)を形成する。
受光光学系70bは、受光素子77を有し、眼Eの角膜表面及び裏面での照明光の反射光を受光する。受光光学系70bは、光軸L1に関して投光光学系70aと略対称に配置されている。受光光学系70bは、例えば、受光レンズ75、凹レンズ76、受光素子77、を有し、受光光軸として光軸L3を形成する。なお、図3の受光光学系70bは、眼Eに対するZ方向のアライメント状態を検出する第2作動距離検出光学系を兼用する。
受光素子77は、複数の光電変換素子を有し、角膜表面及び裏面からの反射光をそれぞれ受光する。受光素子77には、例えば、一次元ラインセンサ、二次元エリアセンサなどの光検出デバイスが用いられる。角膜厚測定光学系及び第2作動距離検出光学系の受光光学系70bは倍率を大きくして観察を行う。そのため、受光素子77のZ方向の距離検出範囲は位置検出素子60より狭くなる。
被検眼E(角膜Ec)が作動距離方向(Z方向)に移動すると、角膜Ecでの光源71の反射光も受光素子77上を移動するため、制御部80は、第2作動距離検出光学系の受光素子77からの出力信号に基づいて作動距離情報を得る。また、制御部80はこの受光素子77からの出力信号により、角膜変形状態や被検眼Eの瞬きを知り、ソレノイド203の駆動を制御する。
照明光源71から出射された光は、集光レンズ72によって集光され、光制限部材73を背後から照明する。そして、光源71からの光は、光制限部材73によって制限された後、レンズ53によって角膜Ec付近で結像(集光)される。角膜Ec付近において、例えば、ピンホール像(ピンホール板を使用の場合)、スリット像(スリット板を使用の場合)が結像される。このとき、光源71からの光は、角膜Ec上における視軸との交差部分の近傍で結像される。
投光光学系70aによって角膜Ecに照明光が投光されると、角膜Ecでの照明光の反射光は、光軸L1に関して投光光束とは対称な方向に進行する。そして、反射光は、受光レンズ75によって受光素子77上の受光面上で結像される。
なお、受光光学系500b、600b及び投光光学系70aで兼用されるレンズ53は、光源50による角膜Ecでの反射光をピンホール板56の穴の中央部に集光させ、かつ、光源71からの照明光を角膜Ec表面及び裏面で集光させる位置に配置される。
<顔撮影部>
顔撮影部90は、例えば、左右の被検眼のうち少なくとも一方を含む顔を撮影するための光学系である。例えば、図3に示すように、本実施例の顔撮影部90は、例えば、撮像素子91と、撮像レンズ92を主に備える。
顔撮影部90は、例えば、測定部100が初期位置にある場合に被検眼の両眼を撮影できる位置に設けられる。本実施例において、測定部100の初期位置は、右眼を検査し易いように測定部100の光軸L1に対して右側にずれた位置に設定される。したがって、顔撮影部90は、測定部100が右側にずれた初期位置にある状態で、被検眼の両眼を撮影できる位置に設けられる。例えば、顔撮影部90は、測定部100が初期位置にある状態で機械中心に配置される。初期位置は、例えば、瞳孔間距離の半分、つまり片眼瞳孔間距離に基づいて設定される場合、顔撮影部90は、装置本体の機械中心に対して片眼瞳孔間距離だけ左右にずれた位置に配置されてもよい。
本実施例の顔撮影部90は、駆動部4によって測定部100とともに移動される。もちろん、顔撮影部90は、例えば、基台2に対して固定され、移動しない構成でもよい。
なお、撮像レンズ92は、例えば、広角レンズであってもよい。広角レンズは、例えば、魚眼レンズ、円錐レンズ等である。広角レンズを備えることによって、顔撮影部90は、広い画角で被検者の顔を撮影できる。
<顔照明光学系>
顔照明光学系95は、被検眼の顔を照明する。顔照明光学系95は、例えば、照明光源96を備える。照明光源96は、赤外光を発する。本実施例では、検眼窓の左右の位置に照明光源96が設けられている。なお、顔照明光学系95は、アライメント用の指標光源よりも指向性の低い光源が用いられる。
<制御系>
図2に示すように、本装置1は制御部80を備える。制御部80は、本装置1の各種制御を司る。制御部80は、例えば、一般的なCPU(Central Processing Unit)81、ROM82、RAM83等を備える。例えば、ROM82には、眼科装置1を制御するための眼科装置制御プログラム、初期値等が記憶されている。例えば、RAM83は、各種情報を一時的に記憶する。制御部80は、測定部100、顔撮影部90、駆動部4、表示部85、操作部86、顎台駆動部3d、記憶部(例えば、不揮発性メモリ)84、アナウンス部89等と接続されている。記憶部84は、例えば、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、着脱可能なUSBフラッシュメモリ等を記憶部84として使用することができる。
<アナウンス>
本実施例の眼科装置1は、被検者または検者に対してアナウンスを行うことができる。例えば、制御部80は、アナウンス部89に音声を出力させることによって音声アナウンスを行う。例えば、被検眼の測定を支援するための音声を出力する。例えば、図4に示すように、アナウンス(1)~(13)を行う。例えば、アナウンス(1)は、選択した言語の確認、および顔支持部3に顔を載せる指示のアナウンスであり、例えば、「音声は日本語です。装置に顔を載せ、額を当てて下さい。」と出力される。アナウンス(2)は、顔を離す指示のアナウンスであり、例えば、「装置から顔を離して下さい。」と出力される。アナウンス(3)は、顎台の駆動を知らせるアナウンスであり、例えば、「顎台が動きます。」と出力される。アナウンス(4)は、顔を支持部に載せる指示のアナウンスであり、例えば、「装置に顔を載せ、額を当てて下さい。」と出力される。アナウンス(5)は、目を大きく開けるように指示するアナウンスであり、例えば、「瞬きして、目を大きく開けて下さい。」と出力される。アナウンス(6)は、測定開始を知らせるアナウンスであり、例えば、「測定を開始します。装置に手を置かないで下さい。」と出力される。アナウンス(7)は、固視を促すアナウンスであり、例えば、「点滅している光を見て下さい。」と出力される。アナウンス(8)は、眼圧測定の開始を知らせるアナウンスであり、例えば、「風が出ます。」と出力される。もちろん、測定手法によっては、光、または超音波などが出力される旨のアナウンスであってもよい。アナウンス(9)は、測定の終了を知らせるアナウンスであり、例えば、「測定を終了しました。」と出力される。アナウンス(10)は、初期化動作の開始を知らせるアナウンスであり、例えば、「初期化します。」と出力される。アナウンス(11)は、装置と被検者との接触を知らせるアナウンスであり、例えば、「接触を感知しましたので測定を中断します。」と出力される。アナウンス(12)は、測定再開のアナウンスであり、例えば、「測定を再開する場合は顎台に顎を載せて下さい。」と出力される。アナウンス(13)は、測定エラーを知らせるためのアナウンスであり、例えば、「測定できませんでした。」と出力される。もちろん、これらのアナウンス内容は一例であり、別の言葉であってもよい。
本実施例の記憶部84は、複数のアナウンスパターンを記憶する。制御部80は、記憶部84に記憶された複数のアナウンスパターンに応じて検査開始から検査終了までの一連のアナウンスの制御を切り替えることができる。例えば、図4に示すように、本実施例の記憶部84には、第1パターン、第2パターン、第3パターン、第4パターンの4つのアナウンスパターンが記憶されている。各アナウンスパターンは、例えば、アナウンスの内容が異なる。例えば、第1パターンは、アナウンス(1)~(13)をすべて実行するパターンである。第2パターンは、アナウンス(2)~(11),(13)を実行するパターンである。第3パターンは、アナウンス(2)~(6),(9),(10),(13)を実行するパターンである。第4パターンは、アナウンスしないパターンである。制御部80は、第1パターン~第4パターンのいずれかのアナウンスパターンでアナウンスを実行することができる。例えば、制御部80は、検者によって選択されたアナウンスパターンでアナウンスを実行する。なお、複数のアナウンス(1)~(13)のうち、オン(アナウンスする)とオフ(アナウンスしない)を検者などがそれぞれ選択したものをアナウンスパターンとして予め記憶部84などに記憶させてもよい。
例えば、制御部80は図5のようなパターン設定画面400を表示させる。例えば、検者は、パターン設定画面400で、所望のアナウンスパターンを選択する。例えば、検者によって第1パターンが選択された場合、制御部80は第1パターンを実行する。第1パターンでは、被検者が自身で眼科装置1を操作するだけで測定できるようにアナウンスが実行される。したがって、検者が眼科装置1を操作したり、被検者を補助したりする必要がほとんどない。第2パターンおよび第3パターンでは、検者の操作または補助をある程度必要とする。第4パターンでは、検者が全ての操作および補助を行う。
上記のように、本実施例の眼科装置1は、アナウンスパターンを切り替えることができるため、使用環境に応じたアナウンスを行うことができる。例えば、検診施設での集団検診で用いる場合は、第1パターンに設定しておくことで、被検者が自身で測定を行うことができるため、検者が1台の装置に付きっ切りになる必要がなくなる。例えば、検者一人が複数の眼科装置1を受け持つことで、測定時間の短縮に繋がる。また、医療施設で詳細な検査を行う場合は、第2パターン、第3パターン、または第4パターンに設定することで、検者が操作する場合に不要なアナウンスを実行させないようにできる。
また、装置の種類または国によっては検者に資格が必要となり被検者自身で測定できない場合があるため、装置の種類、または設置される国などに応じて設定を変更することができる。
<ホーム画面>
本実施例の眼科装置1において、制御部80は、表示部85にホーム画面410(基本画面、待ち受け画面)を表示する。ホーム画面410は、画面遷移の基本となる画面である。例えば、ホーム画面410は、別の画面に遷移する前の画面である。例えば、ホーム画面410は、種々の画面に遷移することができる。ホーム画面410は、測定が開始される前に表示される画面である。例えば、ホーム画面410は、装置の電源を入れた後であって、測定画面300(図6参照)の前に表示される。測定画面300は、被検者の観察画像301などが表示される画面である。観察画像301は、例えば、顔撮影部90によって撮影された被検者の顔画像301a、CCDカメラ35によって撮影された前眼部画像301bなどである。制御部80は、例えば、被検者が代わるごとに表示部85にホーム画面410を表示させる。つまり、制御部80は、測定毎にホーム画面410を表示させる。なお、ホーム画面410に観察画像301を表示させてもよい。
図7に示すように、ホーム画面410には、ID入力ボタン411、モード選択ボタン412、画面遷移ボタン413、言語選択ボタン414、設定ボタン415が表示される。ID入力ボタン411は患者IDを入力するためのボタンである。ID入力ボタン411が押されると、制御部80は、患者IDを入力するための入力画面(例えば、キーボード画面など)を表示させる。モード選択ボタン412は、両眼測定モードまたは片眼測定モードを選択するためのボタンである。両眼測定モードが選択されると、制御部80は、被検眼の両眼を測定する。例えば、制御部80は、被検眼の右眼を測定した後に左眼を測定する。片眼測定モードが選択されると、制御部80は、左右の被検眼のうち、選択された眼のみを測定し、片眼の測定が完了すると測定を終了する。
画面遷移ボタン413が押されると、制御部80は測定画面300に遷移させる。例えば、制御部80は、表示部85の表示をホーム画面410から測定画面300に切り替える。言語選択ボタン414は、アナウンス言語を選択するためのボタンである。言語選択ボタン414が押されると、制御部80は、設定可能な言語を表示させる(図8参照)。検者または被検者は、設定可能な言語のうち、所望の言語を選択する。例えば、制御部80は、選択された言語でアナウンスを行う。例えば、被検者によって日本語が選択されると(図9参照)、制御部80は、日本語の音声アナウンスをアナウンス部に出力させる。この場合、被検者は、音声アナウンスに従って簡単に測定を行うことができる。また、本実施例のように、最初に表示されているホーム画面410に言語選択ボタン414が表示されることによって、被検者自身が簡単に設定を変更することができる。例えば、集団検診などで様々な人種の被検者が測定を行う場合であっても、測定毎にホーム画面410が表示され、ホーム画面410上に言語選択ボタン414が表示されるため、被検者自身が聞き取れる言語を容易に選択することができる。したがって、わざわざ検者が被検者の使用言語を確認して設定を変更する必要がなくなる。
<制御動作>
以上のような構成を備える眼科装置1の制御動作を図10に基づいて説明する。なお、アナウンスパターンは、第1パターンが選択されているものとする。装置1の電源が入れられると、制御部80は、装置1を初期化する(ステップS1)。例えば、制御部80は、測定部100を初期位置に移動させる。例えば、制御部80は、測定部100の位置と、顎台3bの高さを初期位置に戻す。測定部100の初期位置は、例えば、被検眼を少しの移動で被検眼を測定できる位置に設定される。顎台3bの初期位置は、例えば、平均的なアイレベルの位置に設定される。初期化が完了すると、制御部80は、表示部85にホーム画面410を表示させる(ステップS2)。
ホーム画面410に設けられた言語選択ボタン414の操作によって言語が選択されると(ステップS3)、制御部80はアナウンス(1)を実行する(ステップS4)。例えば、「音声は日本語です。装置に顔を載せ、額を当てて下さい。」という音声がアナウンス部89から出力される。
被検者は、アナウンスに従って、顔支持部3に顔を載せ、額当て3aに額を付ける。制御部80は、顎台センサ3cによって顔支持部3に顔が載せられたことを検知すると、表示部85に測定画面300を表示させる(ステップS5)。このとき、測定画面300には、例えば、顔画像301aが表示される。次いで、制御部80は、アナウンス(5)を実行し(ステップS6)、例えば、「瞬きして、目を大きく開けて下さい。」という音声をアナウンス部89に出力させる。
続いて、制御部80は被検眼の検出を行う(ステップS7)。例えば、制御部80は顔撮影部90によって撮影された顔画像301aから被検眼の両眼を検出する。画像から被検眼を検出する方法としては、例えば、赤外撮影による瞳孔検出、輝度値のエッジ検出等の種々の画像処理方法が挙げられる。例えば、被検者の顔を赤外撮影した場合、肌は白く写り、瞳孔は黒く写る。したがって、制御部80は、赤外撮影によって得られた赤外画像から丸くて黒い(輝度の低い)部分を瞳孔として検出してもよい。上記のような方法を用いて、制御部80は、顔画像301aから被検眼を検出し、その2次元位置情報を取得する。
制御部80は、被検眼の検出結果に基づいて顎台3bの高さを調整してもよい。例えば、顔画像301aにおける被検眼の高さ(Y座標)が所定範囲から外れている場合、制御部80は顎台3bの高さを調整する。このとき、制御部80はアナウンス(2)を実行し(ステップS8)、「装置から顔を離して下さい。」という音声をアナウンス部89に出力させる。被検者は、アナウンスに従って、顔支持部3から顔を離す。顎台センサ3cによって顔支持部3から顔が外されたことが検知されると、制御部80はアナウンス(3)を実行し(ステップS9)、「顎台が動きます。」という音声をアナウンス部89に出力させる。そして、制御部80は顎台3bの高さを調整する(ステップS10)。例えば、制御部80は顔画像301a上の被検眼の位置に基づいて算出した駆動量だけ顎台3bを上下に移動させる。顎台調整が完了すると、制御部80はアナウンス(4)を実行し、「装置に顔を載せ、額を当てて下さい。」という音声をアナウンス部89に出力させる(ステップS11)。なお、駆動量が小さい場合は、アナウンス(2)を省略してもよい。
制御部80は眼検出の結果、顎台の調整が不要であると判定した場合、アナウンス(6)を実行し(ステップS12)、「測定を開始します。装置に手を置かないで下さい。」という音声をアナウンス部89から出力させる。そして、制御部80は測定部100のアライメントを行う(ステップS13)。例えば、制御部80は顔画像301aにおいて被検眼が検出された方向に測定部100を移動させる。例えば、制御部80は観察光学系によって撮影される前眼部画像301bに被検眼が写るまで測定部100を眼が検出された方向に移動させる。前眼部画像301bに被検眼が写ると、前眼部画像301bに写る輝点に基づいて測定部100のアライメントを行う。このとき、制御部80は、測定画面300の観察画像301を顔画像301aから前眼部画像301bに切り替える。
アライメントが完了すると、制御部80はアナウンス(7)を実行し、「点滅している光を見て下さい。」という音声をアナウンス部89に出力させる(ステップS14)。そして制御部80は、角膜厚測定光学系によって被検眼の角膜厚を測定する(ステップS15)。制御部80は、受光素子によって検出された角膜前面での反射信号と角膜裏面での反射信号との距離(ピーク間距離)を算出する。
角膜厚の測定が完了すると、制御部80はアナウンス(8)を実行し(ステップS16)、「風が出ます。」という音声をアナウンス部89から出力させる。その後、制御部80は眼圧を測定する(ステップS17)。例えば、制御部80はソレノイド203を駆動させてピストン202を移動させると、シリンダ201内の空気が圧縮され、圧縮空気がノズル206から角膜Ecに向けて吹き付けられる。角膜Ecは、圧縮空気の吹き付けにより徐々に変形し、扁平状態に達したときに光検出器57に最大光量が入射される。制御部80は、圧力センサ212からの出力信号と光検出器57からの出力信号とに基づき眼圧値を求める。そして、測定結果を表示部85に表示する。ここで、所定の測定終了条件が満たされると、被検眼の眼圧測定を完了とする。
なお、測定中に瞬き(瞼)を検出した場合に「目を大きく開けて下さい。」等のアナウンスを行ってもよい。例えば、制御部80は、顔画像または前眼部画像に基づいて瞬きを検出し、アナウンスを行ってもよい。
両眼測定モードの場合、制御部80は、測定していない方の眼に測定部100を移動させる(ステップS18)。例えば、右眼の測定を行った場合、測定部100が左眼の前方に配置されるように移動させる。その後、ステップS13~S17に基づいて左眼の眼圧を測定する。
測定が完了すると、制御部80は、アナウンス(9)を実行し(ステップS19)は、「測定を終了しました。」という音声をアナウンス部89から出力させる。そして制御部80は、測定結果のデータを出力する(ステップS20)。例えば、制御部80は、測定結果を表示部85に表示させたり、プリントアウトしたり、無線または有線で装置外部に出力したりする。
制御部80はアナウンス(10)を実行し(ステップS21)、「初期化します。」という音声をアナウンス部89に出力させる。そして、制御部80は初期化を行い(ステップS1)、表示部85にホーム画面410を表示させ(ステップS2)、次の被検者が来るまで待機する。
なお、ステップS13~ステップS17の間に、接触センサ251によってノズルホルダー207が被検者に接触したことを検知した場合(ステップS22)、制御部80は測定部100の動作を停止させる(ステップS23)。このとき、制御部80は測定部100を被検者と反対側に移動させてもよい。制御部80はアナウンス(11)を実行し(ステップS24)、「接触を感知しましたので測定を中断します。」という音声をアナウンス部89に出力させる。制御部80は測定部100の位置を初期位置に戻し(ステップS25)、アナウンス(2)を実行する(ステップS26)。その後、制御部80はアナウンス(12)を実行し(ステップS27)、「測定を再開する場合は顎台に顎を載せて下さい。」という音声をアナウンス部89に出力させる。顎台センサ3cからの入力があった場合、ステップS6に戻って再度測定を開始する。アナウンス(12)を実行してからしばらく時間が経過しても顎台センサ3cからの入力がなかった場合、制御部80はアナウンス(13)を実行し(ステップS28)、「測定できませんでした。」という音声をアナウンス部89に出力させる。制御部80はステップS20に進み、測定結果がある場合データを出力する。
なお、以上の例は、アナウンスパターンとして第1パターンが選択されたときの場合である。したがって、その他の音声パターンが選択されている場合、一部のアナウンスが省略される。例えば、第3パターンが選択されている場合、アナウンス(1),(7),(8),(11),(12)が省略される。これによって、アナウンスの回数が減り、全体の測定時間が短くなる。検者は、必要に応じて被検者に口頭で指示すればよい。
なお、以上の実施例において、制御部80はアナウンス部89による音声アナウンスを実行したが、これに限らない。例えば、制御部80は表示部85にメッセージを表示させることによってアナウンスしてもよい。
なお、ホーム画面410に、顔支持部3へ顔を載せる場合のイメージ図と注意事項を表示させてもよい。例えば、図11に示すように、制御部80は、表示部85に眼科装置1と被検者の顔のイメージ図420を表示し、額当て3aおよび顎台3bにしっかり顔を付ける旨の注意事項421を表示させる。これによって、被検者は、最初に表示されているホーム画面410のイメージ図420と注意事項421を確認することで、顔支持部3に顔を正しく載せることができる。また、図12に示すように、顔を載せた後に、眼を大きく開くイメージ図422を表示させてもよい。イメージ図422を見た被検者が眼を大きく開くことによって、測定エラーとなることを抑制できる。また、図13に示すように、眼科装置1に手または指を置かないようにする注意事項424またはイメージ図423を表示させてもよい。なお、イメージ図は動画であってもよい。また、指示は、メッセージ表示ではなく、音声アナウンスであってもよい。
1 眼科装置
2 基台
3 顔支持部
4 駆動部
80 制御部
89 アナウンス部
100 測定部
410 ホーム画面

Claims (3)

  1. 被検眼を検査する眼科装置であって、
    前記被検眼を検査する検眼手段と、
    被検者または検者にアナウンスを行うアナウンス手段と、
    前記アナウンス手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、眼圧測定における検査開始から検査終了までの一連のアナウンスパターンを、第1パターンと、前記第1パターンとはアナウンス内容が異なる第2パターンとで切り替え可能であり、
    前記第1パターンは、眼圧測定時に前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを含み、
    前記第2パターンは、眼圧測定時に前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを含まず、
    前記制御手段は、前記アナウンスパターンを前記第2パターンに切り替えた状態では、眼圧を測定する場合であっても、前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを行わないことを特徴とする眼科装置。
  2. 前記制御手段は、前記眼科装置の動作に応じて自動で前記アナウンスを出力することを特徴とする請求項1の眼科装置。
  3. 被検眼を検査する眼科装置において実行される眼科装置制御プログラムであって、前記眼科装置のプロセッサによって実行されることで、
    被検者または検者にアナウンスを行うアナウンスステップと、
    眼圧測定における検査開始から検査終了までの一連のアナウンスパターンを、眼圧測定時に前記被検眼を検査する検眼手段から風が出る旨のアナウンスを含む第1パターンと、前記第1パターンとはアナウンス内容が異なり、眼圧測定時に前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを含まない第2パターンとで切り替える切替ステップと、
    前記アナウンスパターンを前記第2パターンに切り替えた状態では、眼圧を測定する場合であっても、前記検眼手段から風が出る旨のアナウンスを行わない前記アナウンスステップと、
    を前記眼科装置に実行させることを特徴とする眼科装置制御プログラム。
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