[第1実施形態の複合検査装置の構成]
図1は本発明の第1実施形態の複合検査装置10を医者等の検者側から見た外観斜視図であり、図2は第1実施形態の複合検査装置10を被検者(患者)側から見た外観斜視図である。ここで、図中のX軸方向は被検者を基準とした左右方向[被検眼E(図4参照)の眼幅方向]であり、Y軸方向は上下方向である。また、X軸方向及びY軸方向の双方に直交するZ軸方向は、被検者に近づく前方向と被検者から遠ざかる後方向とに平行な前後方向である。なお、X軸は本発明の第2軸に相当し、Y軸は本発明の第1軸に相当し、Z軸は本発明の第3軸に相当する。
図1及び図2に示すように、複合検査装置10は、被検者ごとに異なる被検眼E(図4参照)の複数の眼特性の検査を一つの装置で実行可能な装置であり、ベース12と、顔支持部13と、二重回転軸14と、回転ユニット15と、複数種の検眼ユニット16と、操作レバー19と、タッチパネル式モニタ20と、を備える。ベース12上には、前方(被検者)側から後方(検者)側に向かって、顔支持部13と、二重回転軸14及び回転ユニット15と、操作レバー19と、が設けられている。
顔支持部13は、顎受け及び額当てを有しており、複合検査装置10による検査時に被検者の顔を所定の支持位置で支持する。
二重回転軸14は、本発明の回転軸に相当するものであり、水平方向に対して垂直(略垂直を含む、以下同じ)、すなわちY軸方向に対して平行(略平行を含む、以下同じ)な回転中心Cを中心として、回転ユニット15及びタッチパネル式モニタ20を互いに相対回転自在に保持する。
回転ユニット15は、本発明のユニット保持部に相当するものである。この回転ユニット15は、筒形状を有しており、その中心を二重回転軸14が貫通している。これにより、回転ユニット15は、二重回転軸14(回転中心C)を中心として回転自在に二重回転軸14に保持される。この回転ユニット15の上面には、複数種の検眼ユニット16のいずれかを選択的に着脱自在且つ交換自在に保持するユニット保持領域15a(図10参照)が、回転中心Cの軸周りに沿って複数設けられている(本実施形態では3つ)。その結果、回転ユニット15には、最大で3種類の検眼ユニット16を保持させることができる。
複数種の検眼ユニット16は、互いに同一形状を有しているが、互いに異なる眼特性の検査を行う。本実施形態では、被検者の被検眼E(図4参照)に対して、眼屈折力の測定(球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)及び角膜の形状測定と、角膜内皮細胞の検査と、眼圧の検査と、を行う場合を例に挙げて説明する。この場合、複数種の検眼ユニット16の中から上記各検査にそれぞれ対応した3種類の検眼ユニット16A,16B,16Cが選択され、各ユニット保持領域15aにそれぞれ保持される。
検眼ユニット16Aは、被検眼E(図4参照)の眼屈折力及び角膜形状の測定を行うオートレフケラトメータ(Auto Refract-Keratometer:KR)である。検眼ユニット16Bは、被検眼Eの角膜内皮細胞の検査を行う角膜内皮細胞検査装置(Specular microscope:SP)である。検眼ユニット16Cは、被検眼Eの眼圧の検査を行う非接触式眼圧検査装置(Non-Contact Tonometer:CT)である。
以下、検眼ユニット16A,16B,16Cをそれぞれ図面上で適宜「KR」、「SP」、及び「CT」と表示すると共に、「眼屈折力及び角膜形状の測定」を「KR検査」と略し、「角膜内皮細胞の検査」を「SP検査」と略し、「眼圧の検査」を「CT検査」と略す。
検眼ユニット16A,16B,16Cを含む互いに異なる3種類の検眼ユニット16は、回転ユニット15の各ユニット保持領域15a(図10参照)にそれぞれ着脱自在且つ交換自在に保持される。この際に、各検眼ユニット16(検眼ユニット16A,16B,16C)は、上下方向(Y軸方向)から見た場合に中心角が120°の略円弧形状を有し、回転ユニット15によって二重回転軸14(回転中心C)の軸周りに120°間隔で着脱自在且つ交換自在に保持されている。そして、各検眼ユニット16の中心角の合計は360°となり、各検眼ユニット16は回転ユニット15上において互いに当接することで、円形状を構成している。
また、各検眼ユニット16は、詳しくは後述するが、眼特性の検査(KR検査、SP検査、及びCT検査等)の種類に対応した検査光学系をそれぞれ有している。
各検眼ユニット16は各ユニット保持領域15aに対して着脱自在且つ交換自在に保持されるため、複合検査装置10で行う眼特性の検査の組み合わせは任意に変更可能である。例えば、SP検査に代えてOCT(Optical Coherence Tomography)検査を行う場合、検眼ユニット16Bに代えてOCT検査用の検眼ユニット(不図示)がユニット保持領域15aに着脱自在且つ交換自在に保持される。これにより、複合検査装置10では、最大で3種類の任意の眼特性の検査の組み合わせが可能となる。
操作レバー19は、回転ユニット15の3軸方向(XYZ軸方向)の位置調整を行う場合に操作される操作部材である。操作レバー19をXZ方向に傾倒することで、回転ユニット15は各々の方向に移動し、操作レバー19の軸に対して回転することでY方向(上下)へ移動する。また、操作レバー19の頂部には測定ボタンを有し、測定ボタンを押下することで各検眼を手動で開始することもできる。なお、操作レバー19は、ベース12とは別体に設けられていてもよい。また、操作レバー19の代わりに、操作ボタン等の各種操作部を設けてもよい。さらに、後述のタッチパネル式モニタ20で回転ユニット15の3軸方向の位置調整操作を行う場合には、操作レバー19等の操作部材を省略してもよい。
タッチパネル式モニタ20は、本発明の表示部に相当し、検眼ユニット16ごとに得られる眼特性の検査結果と、各眼特性の検査の際に被検眼E(図4参照)に対して検査部の位置を調整(アライメント)するために利用される被検眼Eの前眼部のリアルタイム動画観察像と、各眼特性の検査に係る操作を行うための操作メニューと、回転ユニット15の3軸方向の位置調整操作を行うための操作部と、を含む各種画像を表示する。このタッチパネル式モニタ20は、アーム24を介して二重回転軸14に取り付けられている。なお、タッチパネル式モニタ20以外の各種モニタを代わりに設けてもよい。
図3は、アーム24を介したタッチパネル式モニタ20の取り付け構造を説明するための複合検査装置10の斜視図であり、図4は、複合検査装置10を上面側から見た概略図である。図3及び図4に示すように、アーム24の一端は、回転中心Cに対して垂直な第1取付軸25aを介して二重回転軸14の上面に取り付けられている。一方、アーム24の他端は、回転中心Cに対して垂直な第2取付軸25bを介してタッチパネル式モニタ20に取り付けられている。これにより、回転中心Cに対して垂直な軸周りにおけるタッチパネル式モニタ20の傾き角度を任意に調整することができる。
アーム24の長さは、二重回転軸14(回転中心C)を中心とした各検眼ユニット16の半径方向の長さよりも長く形成されている。これにより、アーム24を水平に寝かせた状態にしても、回転ユニット15上に保持されている各検眼ユニット16に対するタッチパネル式モニタ20の接触が防止される。また、アーム24を介してタッチパネル式モニタ20を保持することで、検者により近い位置でタッチパネル式モニタ20を保持することができる。その結果、検者によるタッチパネル式モニタ20の画面の確認、及びタッチ操作が容易となる。
タッチパネル式モニタ20は、アーム24を介して二重回転軸14により、回転ユニット15とは独立して回転中心Cを中心に回転自在に保持される。これにより、回転中心Cを中心とし且つアーム24を半径とする円軌跡に沿って、タッチパネル式モニタ20を自由に回転させることができる(図4中の点線枠参照)。これにより、被検者に対する検者の位置を自由に変えることができるので、例えば検者が装置の側方に位置し、被検者の瞼を開く開瞼作業を行いながら、各検眼ユニット16のいずれかによる眼特性の検査を実行することができる。また、図3の配置とすれば検者は被検者の背後に位置し、開瞼や顔の固定などのサポートを行いつつタッチパネル式モニタ20にて表示内容の確認や操作を行うことができる。
図5は、回転ユニット15の一部を切り欠いた状態で示した二重回転軸14の斜視図である。図6は、図4中の6−6線に沿う二重回転軸14の断面図である。図7は、二重回転軸14の分解図である。図8は、二重回転軸14への回転ユニット15の取付構造の一例を説明するための説明図である。なお、図7以降では、図面の煩雑化を防止するために、タッチパネル式モニタ20及びアーム24等の図示を適宜省略している。
図5から図8に示すように、二重回転軸14は、回転中心Cを中心として回転する内側回転軸14aと、この内側回転軸14aの外周に回転自在に保持され且つ回転中心Cを中心として回転する外側回転軸14bと、を含んで構成される。
内側回転軸14aは、Y軸方向に延びた柱形状を有している。この内側回転軸14aの下端部は、ベース12内に設けられた軸支持部27により、回転中心Cを中心として回転自在に保持される。また、内側回転軸14aはベース12に形成された開口部12aを通ってベース12の上方側に延びている。そして、内側回転軸14aの上端部は後述の外側回転軸14bの上端部よりも上方に延びており、さらに内側回転軸14aの上端部には前述の第1取付軸25aを介してアーム24が取り付けられている。
外側回転軸14bは、Y軸方向に延びた筒形状を有しており、軸支持部27上において内側回転軸14aの外周に回転自在に保持される。これにより、外側回転軸14bは、内側回転軸14aとは別個独立に回転中心Cを中心に回転自在となる。この外側回転軸14bの外周には、回転ユニット15が相対回転不能に固定される。
ここで本実施形態では、回転ユニット15の下端部に設けられた取付軸29を、外側回転軸14bの下端部に環状に形成された環状支持部30の取付穴30aに嵌合させることにより、回転ユニット15を外側回転軸14bの外周側に相対回転不能に固定する(図7及び図8参照)。なお、回転ユニット15の固定方法については特に限定はされない。これにより、回転ユニット15は、外側回転軸14bと一体的に回転中心Cを中心として回転する。その結果、外側回転軸14bに固定された回転ユニット15と、内側回転軸14aにアーム24を介して固定されたタッチパネル式モニタ20とが、それぞれ回転中心Cを中心に独立して回転する。
回転ユニット15は、Y軸方向に延び、且つ内径が一定で外径が下方から上方に向かって次第に増加する筒形状を有している。この回転ユニット15は、既述の通り、外側回転軸14bの外周に固定(外嵌固定)される。
ベース12内には、例えばモータ及びギヤ等で構成されており、回転中心Cを中心として回転ユニット15(外側回転軸14b)を回転駆動する回転駆動部32が設けられている(図6参照)。なお、回転駆動部32による回転ユニット15の回転駆動方式は特に限定されるのではなく、公知の回転駆動方式を採用することができる。
また、ベース12内には、各検眼ユニット16を保持する回転ユニット15を、軸支持部27を介して前述の3軸方向(XYZ軸方向)に移動させるユニット移動部33が設けられている(図6参照)。なお、ユニット移動部33による回転ユニット15の移動方式についても特に限定されず、公知の移動方式を採用することができる。
回転ユニット15の上面には、中心角が120°の略円弧形のユニット保持領域15a(図10参照)が、回転中心Cの軸周りに120°間隔で3つ設けられている。各ユニット保持領域15aには、複数種の検眼ユニット16のいずれかを選択的に接続可能なインタフェース35aが設けられている(図8参照)。
インタフェース35aは、回転ユニット15及び二重回転軸14の双方の内部を通る図示しない信号回線を介して、ベース12内に設けられている制御部37(図15参照)に電気的に接続している。なお、インタフェース35aと制御部37とを電気的に接続する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。
図9及び図10は、回転ユニット15への各検眼ユニット16(検眼ユニット16A,16B,16C)の取付構造の一例を示した断面図及び斜視図である。図9及び図10に示すように、各検眼ユニット16には、各ユニット保持領域15aのインタフェース35aに接続可能なインタフェース35bが設けられている。
例えば、被検眼Eに対してKR検査、SP検査、及びCT検査を行う場合、複数種の検眼ユニット16の中から選択した3種類の検眼ユニット16(検眼ユニット16A,16B,16C)のインタフェース35bを、各ユニット保持領域15aのインタフェース35aにそれぞれ接続する。これにより、各ユニット保持領域15aにより各検眼ユニット16A,16B,16Cが個別に着脱自在且つ交換自在に保持される。
回転ユニット15に保持されている各検眼ユニット16は、前述の回転駆動部32により回転ユニット15を回転駆動することにより、被検眼Eに対向する対向位置、すなわち、被検眼Eの検査を行う位置に選択的に移動される。これにより、回転ユニット15に保持されている各検眼ユニット16を、所望の移動順序で対向位置に選択的に移動させることができる。
また、回転ユニット15に保持されている各検眼ユニット16は、インタフェース35a,35b等を介して制御部37(図15参照)と電気的に接続する。これにより、各検眼ユニット16へ給電したり、制御部37との間で各種信号及びデータの送受信を行ったりすることができる。
<KR検査用の検眼ユニットの構成>
図11は、KR検査を行う検眼ユニット16Aの構成、特に検眼ユニット16A内に設けられているKR検査用の検査光学系の概略図である。
図11に示すように、検眼ユニット16Aは、検査用光学系として、固視標投影光学系41と、観察光学系42と、眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43と、受光光学系44と、アライメント光投影系45と、を備える。
固視標投影光学系41は、被検眼Eを固視又は雲霧させるために、被検眼Eの眼底Ef(図13参照)に視標を投影する。観察光学系42は、被検眼Eの前眼部(瞳孔や虹彩)を観察する。眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43は、被検眼Eの眼屈折力を測定するために、眼屈折力測定用リング状指標としてのパターン光束を被検眼Eの眼底Efに投影する。受光光学系44は、被検眼Eの眼底Efから反射された眼屈折力測定用リング状指標像を後述の撮像素子44dに撮像させる。
アライメント光投影系45は、XY軸方向(上下左右方向)でのアライメント状態を検出するために、指標光を被検眼Eに向けて投影する。また、検眼ユニット16Aには、図示は省略するが、被検眼Eと検眼ユニット16Aとの間の作動距離を検出するための作動距離検出光学系が設けられている。ここで作動距離とは、検眼ユニット16Aを含む複数種の検眼ユニット16ごとの検査を適切に実行するために、検眼ユニット16ごとの検査光学系等の構成に応じて設定された距離であり、例えば検眼ユニット16の筐体の先端位置から被検眼Eまでの距離である。
固視標投影光学系41は、固視標光源41aと、コリメータレンズ41bと、視標板41cと、リレーレンズ41dと、ミラー41eと、ダイクロイックミラー41fと、ダイクロイックミラー41gと、対物レンズ41hと、を光軸O11上に有する。視標板41cには、被検眼Eを固視又は雲霧させるための視標が設けられている。固視標光源41a、コリメータレンズ41b、及び視標板41cは、固視標ユニット41Uを構成し、被検眼Eの調節を誘導し雲霧させるべく、固視標移動機構41Dにより光軸O11に沿って一体に移動可能とされている。なお、ダイクロイックミラー41g及び対物レンズ41hは、後述する主光軸O10上に配置されている。
固視標投影光学系41では、固視標光源41aから可視光を出射し、その可視光をコリメータレンズ41bにより平行光束とした後、視標板41cを裏面から照明する。そして、固視標投影光学系41では、視標板41cを透過した光束を、リレーレンズ41dを通した後にミラー41eにより反射し、ダイクロイックミラー41fを通過させてダイクロイックミラー41gへと進行させる。次いで、固視標投影光学系41では、ターゲット光束をダイクロイックミラー41gで検眼ユニット16Aの主光軸O10上へと反射して、対物レンズ41hを経て被検眼Eへと進行させる。
このように固視標投影光学系41は、被検眼Eに投影した固視標像を、被検者に固視目標として呈示することにより、被検者の視線を固定する。また、固視標投影光学系41は、固視標ユニット41Uを被検眼Eの遠点に移動して被検者に固視目標として注視させた状態から、更にピントが合わない位置まで固視標ユニット41Uを移動させることにより、被検眼Eを雲霧状態とする。なお、固視標ユニット41Uはバックライト付LCD(liquid crystal display)などを用いて一体化しても良い。
観察光学系42は、図示しない照明光源を有するとともに、主光軸O10上に、ハーフミラー42aと、リレーレンズ42bと、結像レンズ42cと、撮像素子42dとを有している。また、観察光学系42は、対物レンズ41h及びダイクロイックミラー41gを、前述の固視標投影光学系41と共用している。撮像素子42dは、二次元固体撮像素子であり、本実施形態ではCMOS(complementary metal oxide semiconductor)型又はCCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサが用いられる。
観察光学系42では、照明光源から出射した照明光束で被検眼Eの前眼部(瞳孔、虹彩など)を照明して、その前眼部で反射された照明光束を対物レンズ41hに入射させる。そして、観察光学系42では、反射された照明光束を、対物レンズ41h、ダイクロイックミラー41g、ハーフミラー42a、及びリレーレンズ42bを経て、結像レンズ42cにより撮像素子42dの受光面上に結像させる。
撮像素子42dは、結像レンズ42cにより結像された前眼部像を撮像して、この撮像により得られた前眼部の撮像信号を、ベース12内に設けられている後述の制御部37へ出力する。これにより、制御部37は、タッチパネル式モニタ20に前眼部の観察画像を表示させることができる。なお、アライメント完了後の眼屈折力測定時には、観察光学系42の照明光源は消灯される。
眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43は、眼屈折力測定用光源43aと、レンズ43bと、円錐プリズム43cと、リング指標板43dと、レンズ43eと、バンドパスフィルタ43fと、瞳リング43gと、穴空きプリズム43hと、ロータリープリズム43iと、を有する。また、眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43は、ダイクロイックミラー41f、ダイクロイックミラー41g、及び対物レンズ41hを、前述の固視標投影光学系41と共用する。
眼屈折力測定用光源43aと瞳リング43gとは光学的に共役な位置に配置されている。また、リング指標板43dと被検眼Eの眼底Efとは光学的に共役な位置に配置されている。さらに、眼屈折力測定用光源43a、レンズ43b、円錐プリズム43c、及びリング指標板43dは、指標ユニット43Uを構成する。この指標ユニット43Uは、指標移動機構43Dにより眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43の光軸O13に沿って一体に移動可能とされている。
眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43では、眼屈折力測定用光源43aから出射した光束をレンズ43bで平行光束とし、円錐プリズム43cを経てリング指標板43dへと進行させる。この平行光束は、リング指標板43dに形成されたリング状のパターン部分を透過して眼屈折力測定用リング状指標としてのパターン光束になる。そして、眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43では、パターン光束をレンズ43e、バンドパスフィルタ43f、及び瞳リング43gを経て穴空きプリズム43hへと進行させ、その穴空きプリズム43hの反射面により反射して、ロータリープリズム43iを経てダイクロイックミラー41fへと進行させる。
次いで、眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43では、パターン光束をダイクロイックミラー41f及びダイクロイックミラー41gで順次反射することで、パターン光束を主光軸O10上に進行させる。そして、眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43では、パターン光束を、対物レンズ41hにより被検眼Eの眼底Ef(図13参照)に結像させる。
また、対物レンズ41hの前方側に角膜形状測定用リング状指標投影光源46A,46B,46Cが設けられている。これら角膜形状測定用リング状指標投影光源46A,46B,46Cは、リングパターン47上にて主光軸O10を中心として同心状に設けられており、被検眼E(角膜Ec:図13参照)に対して角膜形状測定用リング状指標を投影する。これにより、角膜Ecに角膜形状測定用リング状指標が形成される。この角膜形状測定用リング状指標(その光束)は、被検眼Eの角膜Ecで反射されることで、前述の観察光学系42により撮像素子42d上に結像される。これにより、タッチパネル式モニタ20において、前眼部の観察画像上に角膜形状測定用リング状指標の像を重畳表示させることができる。
受光光学系44は、穴空きプリズム43hの穴部44aと、ミラー44bと、レンズ44cと、撮像素子44dと、を有している。また、受光光学系44は、対物レンズ41h、ダイクロイックミラー41g、及びダイクロイックミラー41fを前述の固視標投影光学系41と共用し、且つロータリープリズム43iを前述の眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43と共用する。
撮像素子44dは、二次元固体撮像素子であり、本実施形態ではCCD又はCMOS型のイメージセンサが用いられる。この撮像素子44dは、眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43の指標移動機構43Dにより、前述の指標ユニット43Uと連動して、受光光学系44の光軸O14に沿って移動可能とされている。
受光光学系44では、眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43によって眼底Ef(図13参照)に導かれ、かつこの眼底Efにて反射されたパターン反射光束を、対物レンズ41hにより集光し、ダイクロイックミラー41g及びダイクロイックミラー41fで順次反射して、ロータリープリズム43iへと進行させる。そして、受光光学系44では、パターン反射光束を、ロータリープリズム43iを経て穴空きプリズム43hの穴部44aへと進行させて、この穴部44aを通過させる。
次いで、受光光学系44では、穴部44aを通過したパターン反射光束を、ミラー44bによって反射し、このパターン反射光束、すなわち眼屈折力測定用リング状指標を、レンズ44cにより撮像素子44dの受光面上に結像させる。これにより、撮像素子44dは、眼屈折力測定用リング状指標を撮像して得られた撮像信号を制御部37に出力する。これにより、制御部37は、撮像素子44dから入力された撮像信号に基づいて、眼屈折力測定用リング状指標の画像を必要に応じてタッチパネル式モニタ20に表示させる。
アライメント光投影系45は、LED(light emitting diode)45aと、ピンホール45bと、レンズ45cと、を有している。また、アライメント光投影系45は、ハーフミラー42aを観察光学系42と共用し、且つダイクロイックミラー41g及び対物レンズ41hを固視標投影光学系41と共用している。
アライメント光投影系45では、LED45aからの光束を、ピンホール45bの穴部を通すことによりアライメント指標光束とし、このアライメント指標光束を、レンズ45cを経てハーフミラー42aで反射することで主光軸O10上に進行させる。そして、アライメント光投影系45では、アライメント指標光束を、ダイクロイックミラー41gを通して対物レンズ41hへと進行させ、この対物レンズ41hを経て被検眼Eの角膜Ecに向けて投影する。アライメント指標光束が被検眼Eの角膜Ecにおいて反射されることにより、観察光学系42により撮像素子42d上にアライメント指標像としての輝点像が投影される。この輝点像が、図示を略す光学系により形成されたアライメントマーク内に位置し、かつ作動距離が所定の範囲内に収まると、アライメント完了となる。これにより、被検眼Eに対して検眼ユニット16Aを自動的にアライメントすることができる。
検眼ユニット16Aは、固視標光源41aと、観察光学系42の照明光源と、眼屈折力測定用光源43aと、LED45aと、角膜形状測定用リング状指標投影光源46A,46B,46Cとの点灯制御を行うためのドライバを1又は複数有しており、ドライバには制御部37が接続されている。このため、検眼ユニット16Aでは、制御部37の制御下で、固視標光源41aと、観察光学系42の照明光源と、眼屈折力測定用光源43aと、LED45aと、角膜形状測定用リング状指標投影光源46A,46B,46Cと、が適宜点灯される。
また、検眼ユニット16Aでは、上述したように、制御部37の制御下で、固視標移動機構41Dにより固視標ユニット41Uを光軸O11に沿って一体に移動させる。さらに検眼ユニット16Aでは、指標移動機構43Dにより指標ユニット43Uを光軸O13に沿って一体に移動させると共に撮像素子44dを光軸O14に沿って移動させる。さらにまた検眼ユニット16Aでは、撮像素子42d及び撮像素子44dから出力された撮像信号を制御部37へ出力する。これらの移動機構41D,43Dは個別に駆動されて固視標ユニット41U、指標ユニット43U、撮像素子44dを個別に移動させても良いが、固視標ユニット41U、指標ユニット43U、撮像素子44dが一体で移動されるように構成されていても良い。
次に、上記構成の検眼ユニット16Aを用いて、被検眼Eの角膜Ec(図13参照)の形状と被検眼Eの眼屈折力とのKR検査を行う場合の概略的な動作について説明する。なお、検眼ユニット16Aにおける下記の動作は、制御部37の制御の下で実行される。
検眼ユニット16Aは、観察光学系42の照明光源を点灯させて、撮像素子42dの撮像により得られた撮像信号を制御部37へ出力することで、制御部37によりタッチパネル式モニタ20に前眼部(角膜Ec:図13参照)の画像を表示させる。そして、検者は、タッチパネル式モニタ20の画面内に被検眼Eの瞳孔が位置するように、タッチパネル式モニタ20に表示された操作画面又は操作レバー19を操作する。これにより、ユニット移動部33によって回転ユニット15がXY軸方向に移動され、被検眼Eに対する検眼ユニット16Aの概略アライメントが行われる。なお、概略アライメントについては、制御部37の制御の下、ユニット移動部33により自動で行ってもよい。
そして、LED45aを点灯し、前眼部画像に併せてアライメント輝点像を撮像素子42dで撮像する。
次いで、制御部37において、アライメント光投影系45及び作動距離検出光学系(図示を略す)に基づくアライメント検出を開始する。具体的には、制御部37の制御の下、ユニット移動部33を駆動して、アライメント指標像としての輝点像がアライメントマーク内に位置し、かつ作動距離が所定の範囲内に収まるように、ベース12に対して回転ユニット15を3軸方向(XYZ軸方向)にそれぞれ適宜移動させてオートアライメント(自動でのアライメントの調整)を行う。これにより、被検眼Eの角膜Ecの頂点に対する検眼ユニット16Aのオートアライメントが完了する。
オートアライメントの完了後、眼屈折力測定用リング状指標投影光学系43の角膜形状測定用リング状指標投影光源46A,46B,46Cを点灯して、角膜形状測定用リング状指標を角膜Ecに投影すると共に、撮像素子42dにより撮像された撮像信号を制御部37へ出力する。これにより、制御部37は、撮像素子42dからの撮像信号に基づく画像を必要に応じてタッチパネル式モニタ20に表示させると共に、この画像に基づいて、角膜Ecに投影された角膜形状測定用リング状指標の像から角膜Ecの形状を解析(測定)する。この角膜Ecの形状の測定の詳細については、公知であるのでその説明は省略する。
また、検眼ユニット16Aは、眼屈折力測定用光源43aを点灯して、眼屈折力測定用リング状指標を眼底Ef(図13参照)に投影すると共に、撮像素子44dにより撮像された撮像信号を制御部37へ出力する。これにより、制御部37では、視標ユニット43U、撮像素子44dの移動量と撮像素子44dの画像から眼屈折力としての球面度数、円柱度数、及び軸角度を周知の手法により解析(測定)する。
このように、検眼ユニット16A及び制御部37は、角膜形状の測定を実行すると共に、眼屈折力(光学特性)の測定を実行する。
なお、検眼ユニット16Aの検査光学系構成、オートアライメント方法、角膜形状の解析方法、及び眼屈折力の解析方法は、上記内容に限定されるものではなく、公知のオートレフケラトメータで採用されている構成及び方法を採用してもよい。
<SP検査用の検眼ユニットの構成>
図12は、SP検査を行う検眼ユニット16Bの構成、特に検眼ユニット16B内に設けられているSP検査用の検査光学系の概略図である。
図12に示すように、検眼ユニット16Bは、その内部にSP検査用の検査光学系として、前眼部観察光学系51と、撮影用照明光学系52と、撮影光学系53と、Zアライメント投影系54と、Zアライメント検出系55と、XYアライメント投影系56と、固視標投影系57と、XYアライメント検出系58と、を有している。
前眼部観察光学系51の主光軸O21(検査光軸)上には、被検眼E側から順に、ハーフミラー61と、対物レンズ62と、撮像素子63と、が設けられている。撮像素子63には、CCD型又はCMOS型のイメージセンサが用いられる。この撮像素子63は、対物レンズ62に関して、XYアライメント投影系56によって平均的な曲率の角膜Ecに投影された平行光が角膜Ecで反射することで生成される虚像と共役の位置に配置されている。なお、対物レンズ62及び撮像素子63はXYアライメント検出系58も構成する。
撮影用照明光学系52は、角膜頂点Epを通過する投光光軸O22を有する。この投光光軸O22は、主光軸O21に対してθ1(=略30度)傾斜している。ここで、θ1は20°≦θ1≦40°の範囲で変更してもよい。
撮影用照明光学系52の投光光軸O22上には、被検眼Eから離れた位置から被検眼Eに向って順に、撮影用照明光源65と、集光レンズ66と、スリット板67と、ダイクロイックミラー68と、対物レンズ69と、が設けられている。
撮影用照明光源65としては、可視光、例えば緑色光を出射するLEDが用いられる。スリット板67はスリット孔を有しており、撮影用照明光源65から入射した可視光をスリット光として出射する。なお、スリット板67と角膜Ecとは対物レンズ69に関して共役の位置となる。このスリット板67で形成されるスリット幅は、角膜Ecの表面で反射された反射光と角膜内皮からの反射光とを分離可能な幅に制限される。
Zアライメント投影系54は、ダイクロイックミラー68によって分岐される光軸O23上において、光源71、集光レンズ72、及びスリット板73を有している。光源71としては、赤外光を出射するLEDが用いられる。スリット板73と角膜Ecとは、対物レンズ69に関して共役の位置となる。ダイクロイックミラー68は、緑色光を透過し、赤外光を反射する。
撮影光学系53は、主光軸O21に関して投光光軸O22と対称となる撮影光軸O24を有している。この撮影光軸O24は角膜頂点Epを透過する。従って、投光光軸O22と撮影光軸O24とは角膜頂点Epに関し、入射光軸と反射光軸の関係にあり、撮影光軸O24は主光軸O21に対してθ1(=30度)傾斜している。なお、実際には投光光軸O22及び撮影光軸O24は角膜内皮に相当する位置で交差するように構成されている。
撮影光軸O24上には、被検眼E側から順に、対物レンズ75と、ダイクロイックミラー76と、ミラー77とが設けられている。この撮影光軸O24はミラー77で偏向されている。そして、偏向された撮影光軸O24上には、リレーレンズ78及びミラー79が設けられており、ミラー79で反射された光束は撮像素子80に結像される。
撮像素子80は、CCD又はCMOS型のイメージセンサであり、撮影光軸O24に対してθ2傾斜して設けられている。このθ2の角度は0<θ2<θ1となっている。また、撮像素子80の傾斜方向は、撮影光軸O24に対する撮影する角膜内皮面の傾斜方向と同一となる。なお、θ2の許容設置角度は、撮像素子80の受光感度、及び角光学系の解像度の特性等に基づき決定される。なお、角膜Ecと撮像素子80とは対物レンズ75に関して共役の位置となる。
ダイクロイックミラー76で反射される光の光軸O25上には、リレーレンズ84及び撮像素子85が設けられている。撮像素子85と角膜Ecとは、対物レンズ75に関して共役の位置となる。ダイクロイックミラー76は赤外光を反射し、且つ緑色光を透過する光学特性を有している。このため、光源71から射出され、且つ角膜Ecで反射された赤外光は撮像素子85へ導かれる。これらダイクロイックミラー76、リレーレンズ84、及び撮像素子85はZアライメント検出系55を構成する。
次に、XYアライメント投影系56について説明する。ハーフミラー61で分岐された光の光軸O26上には、コリメータレンズ87及びダイクロイックミラー88が設けられている。さらに、ダイクロイックミラー88により反射される反射光の光軸上には、リレーレンズ90及びXYアライメント用光源91が設けられている。XYアライメント用光源91は赤外光を射出する。ダイクロイックミラー88は、赤外光を反射し、可視光を透過する特性を有する。
ダイクロイックミラー88の通過光軸上には固視標93が設けられている。固視標93は、例えば可視光で照明された図形パターン、又は可視光を発する光源である。固視標93は、コリメータレンズ87により正視の被検眼Eが固視できる様に、無限遠光として投影される。なお、近視の被検眼が固視できる様に固視標93を有限距離に投影してもよい。ハーフミラー61、コリメータレンズ87、及び固視標93等は、固視標投影系57を構成する。
撮像素子63及び撮像素子85の各々の撮像により得られた撮像信号は、ベース12内の制御部37に出力される。制御部37は、撮像素子63及び撮像素子85の撮像信号に基づき検眼ユニット16Bのアライメントを検出し、このアライメント検出結果に基づき、ユニット移動部33を制御して回転ユニット15を3軸方向にそれぞれ適宜移動させることにより、被検眼Eに対する検眼ユニット16Bのオートアライメントを行う。また、制御部37は、撮像素子80の撮像により得られた撮像信号に基づく角膜内皮細胞の撮像画像を解析して、角膜内皮細胞の検査結果として、角膜内皮細胞の健全性を示す指標(角膜内皮細胞の大きさ、形状、及び密度等)を求める。
次に、上記構成の検眼ユニット16Bを用いて被検眼Eの角膜EcのSP検査をする際の概略的な動作について説明する。
検眼ユニット16Bでは、固視標投影系57により固視標93が被検眼Eに投影されることで、被検者の視線が固視標93に固視された状態となる。また、前眼部観察光学系51の撮像素子63により被検眼Eの前眼部の像が撮像され、この前眼部の観察像がタッチパネル式モニタ20に表示される。これにより、タッチパネル式モニタ20に前眼部の観察像が表示されていない場合、検者は、被検眼Eに対する検眼ユニット16Bの位置調整操作を行うことができる。
また、検眼ユニット16Bでは、XYアライメント用光源91から点状の検出光が出射され、角膜Ecで反射された検出光が撮像素子63で撮像され、撮像素子63により撮像された撮像信号が制御部37へ出力される。そして、制御部37は、撮像素子63からの撮像信号に基づき、撮像素子63上での検出光の受光位置と基準位置との偏差を求めた後、ユニット移動部33を制御して、前述の偏差が既定の範囲内になる様に回転ユニット15をXY軸方向に変位させて、XYアライメントを実行する。
次いで、検眼ユニット16Bでは、光源71を点灯し、角膜Ecの内皮からの反射光を撮像素子85により撮像して、この撮像素子85により撮像された撮像信号を制御部37へ出力する。そして、制御部37は、撮像素子85の撮像信号に基づき撮像素子85上での反射光の受光位置と基準位置との偏差を求めた後、ユニット移動部33を制御して、前述の偏差が既定の範囲内になる様に回転ユニット15をZ軸方向に変位させることで、Zアライメントを行う。なお、Zアライメント投影系54から射出される検出光は、スリット状であるので、撮像素子85はスリット光の幅方向に延びるラインセンサとしてもよい。これにより、3軸方向のオートアライメントが完了する。
オートアライメントの完了後、撮影用照明光源65が点灯され、スリット板67を経てスリット光となった照明光が角膜Ecに照射される。
スリット光を角膜Ecに斜めに入射させることで、角膜Ecの表面で反射される反射光と角膜内皮で反射される反射光とが分離される。角膜内皮で反射された反射光は、撮影光軸O24を経て撮像素子80に入射し、撮像素子80により撮像された撮像信号が制御部37へ出力される。制御部37は、撮像素子80からの撮像信号に基づく観察画像をタッチパネル式モニタ20に表示させると共に、この画像を解析して、角膜内皮細胞の健全性を示す診断結果(角膜内皮細胞の大きさ、形状、及び密度等)を、角膜内皮細胞の検査結果として求める。なお、具体的な解析方法については公知技術(例えば特開2014−140484号公報参照)であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
なお、検眼ユニット16Bの検査光学系構成、オートアライメント方法、及び角膜内皮細胞の解析方法については、上記内容に限定されるものではなく、公知の角膜内皮細胞検査装置で採用されている構成及び方法を採用してもよい。
<CT検査用の検眼ユニットの構成>
図13は、CT検査を行う検眼ユニット16Cの検査光学系を上方(Y軸方向)側から見た上面概略図であり、図14は、検眼ユニット16Cの検査光学系を側方(X軸方向)側から見た側面概略図である。
図13及び図14に示すように、検眼ユニット16Cは、前眼部観察光学系100と、XYアライメント指標投影光学系101と、固視標投影光学系102と、圧平検出光学系103と、Zアライメント指標投影光学系104と、Zアライメント検出光学系105と、を備える。
前眼部観察光学系100は、被検眼Eの前眼部の観察、及び被検眼Eに対する検眼ユニット16CのXY軸方向のXYアライメントを行うために設けられている。この前眼部観察光学系100には、前眼部照明光源100a(図13参照)が設けられている。また、前眼部観察光学系100の光軸O31上には、気流吹付ノズル100bと、前眼部窓ガラス100c(図14参照)と、チャンバー窓ガラス100dと、ハーフミラー100eと、ハーフミラー100gと、対物レンズ100fと、撮像素子100iと、が設けられている。
前眼部照明光源100aは、前眼部窓ガラス100cの周囲に配置されており(図13参照)、被検眼Eの前眼部を直接照明すべく複数個設けられている。気流吹付ノズル100bは、被検眼Eの前眼部に気流を吹き付けるためのノズルであり、後述する気流吹付機構107の空気圧縮室107a(図14参照)に接続している。
撮像素子100iは、CCD型又はCMOS型のイメージセンサであり、その受光面に入射した前眼部の像光を撮像して撮像信号を生成し、生成した撮像信号をベース12内の制御部37へと出力する。制御部37は、撮像素子100iから入力された撮像信号に基づき、被検眼Eの前眼部の観察像を生成してタッチパネル式モニタ20に適宜表示させる。
前眼部観察光学系100では、前眼部照明光源100a(図13参照)で被検眼Eの前眼部を照明しつつ、撮像素子100iにて被検眼Eの前眼部の像を撮像して撮像信号を生成する。被検眼Eの前眼部の像は、気流吹付ノズル100bの外側を通って、前眼部窓ガラス100c(後述するガラス板107bも含む)、チャンバー窓ガラス100d、ハーフミラー100g、及びハーフミラー100eを通過し、対物レンズ100fにより撮像素子100iの受光面上に結像される。この撮像素子100i(前眼部観察光学系100)は、前眼部の像を撮像して生成した撮像信号を制御部37(図13参照)へと出力する。制御部37は、撮像素子100iから入力された撮像信号に基づき、被検眼Eの前眼部の観察像をタッチパネル式モニタ20に表示させる。
また、前眼部観察光学系100では、後述のXYアライメント指標投影光学系101により被検眼Eに投影されたXYアライメント指標光の角膜Ecによる反射光を、撮像素子100iの受光面へと導く。具体的に、この反射光は、気流吹付ノズル100b、チャンバー窓ガラス100d、ハーフミラー100g、及びハーフミラー100eを通過して、対物レンズ100fにより撮像素子100iの受光面上に結像される。これにより、撮像素子100iの受光面上には、検眼ユニット16Cと角膜EcとのXY軸方向の位置関係に応じた位置に輝点像が形成される。これにより、撮像素子100iは、その受光面上に形成された輝点像を撮像した撮像信号を制御部37へと出力する。
そして、制御部37は、撮像素子100iから入力される撮像信号に基づき輝点像を生成して、この輝点像を前述の前眼部の観察像に重ねてタッチパネル式モニタ20に表示させる。これにより、タッチパネル式モニタ20には、被検眼Eの前眼部像と、XYアライメント指標光の輝点像と、が重畳表示される。なお、タッチパネル式モニタ20には、図示を略す画像生成手段によって生成されたアライメント補助マークも重畳表示される。
XYアライメント指標投影光学系101は、指標光を被検眼Eの角膜Ecに正面から投影する。その指標光は、XY軸方向で見た被検眼Eの前眼部(角膜Ec)に対する検眼ユニット16Cの位置の調節、いわゆるXYアライメントに用いられる。なお、指標光は、被検眼Eの角膜Ecの圧平状態の検出に用いられる。
XYアライメント指標投影光学系101は、XYアライメント用光源101aと、集光レンズ101bと、開口絞り101cと、ピンホール板101dと、ダイクロイックミラー101eと、コリメータレンズ101fと、を有する(図14参照)。また、XYアライメント指標投影光学系101は、ハーフミラー100eを前述の前眼部観察光学系100と共用している。
XYアライメント用光源101aは、赤外光を出射する。コリメータレンズ101fは、ピンホール板101dに焦点を一致させるように、XYアライメント指標投影光学系101の光路上に配置されている。このXYアライメント指標投影光学系101では、XYアライメント用光源101aから出射された赤外光が、集光レンズ101bにより集束されつつ開口絞り101cを通過して、ピンホール板101dの穴部へと導かれる。
そして、XYアライメント指標投影光学系101では、ピンホール板101dの穴部を通過した赤外光を、ダイクロイックミラー101eで反射してコリメータレンズ101fへと導き、この赤外光をコリメータレンズ101fで平行光束とした後、ハーフミラー100eへ出射する。
次いで、XYアライメント指標投影光学系101では、赤外光の平行光束をハーフミラー100eで反射することで、この平行光束を前眼部観察光学系100の光軸O31上で進行させる。これにより、赤外光の平行光束は、ハーフミラー100g及びチャンバー窓ガラス100dを透過した後、気流吹付ノズル100bの内部を通過することでXYアライメント指標光として被検眼Eに入射する。
被検眼Eに入射したXYアライメント指標光は、図示は省略するが、角膜Ecの表面で反射して輝点像を形成する。なお、開口絞り101cは、コリメータレンズ101fに関して角膜Ecの角膜頂点Epと共役な位置に設けられている。
固視標投影光学系102は、被検眼Eに固視標を投影する。この固視標投影光学系102は、固視標用光源102aとピンホール板102bとを有する(図14参照)。また、固視標投影光学系102は、ダイクロイックミラー101e及びコリメータレンズ101fをXYアライメント指標投影光学系101と共用すると共に、ハーフミラー100eを前眼部観察光学系100と共用している。
固視標用光源102aは可視光を固視標光として出射する。この固視標投影光学系102では、固視標用光源102aから出射した固視標光をピンホール板102bの穴部へと導き、そのピンホール板102bの穴部及びダイクロイックミラー101eを透過させた後、コリメータレンズ101fへ出射する。そして、固視標光は、コリメータレンズ101fにより略平行光とされてハーフミラー100eに向けて出射され、このハーフミラー100eで反射されることで前眼部観察光学系100の光軸O31上を進行する。これにより、固視標光は、ハーフミラー100g及びチャンバー窓ガラス100dを透過した後、気流吹付ノズル100bの内部を通過して被検眼Eに至る。固視標投影光学系102は、この被検眼Eに投影した固視標を、被検者に固視目標として注視させることにより、被検者の視線を固定する。
圧平検出光学系103(図14参照)は、XYアライメント指標投影光学系101により被検眼Eに投影されたXYアライメント指標光の角膜Ecによる反射光を受光して、その角膜Ecの表面の圧平状態を検出する。この圧平検出光学系103は、レンズ103aと、ピンホール板103bと、受光センサ103cと、を有すると共に、ハーフミラー100gを前述の前眼部観察光学系100と共用している。
レンズ103aは、角膜Ecの表面が平面とされた場合に、XYアライメント指標光の角膜Ecによる反射光を、ピンホール板103bの開口に集光させる。ピンホール板103bの開口は、レンズ103aの焦点位置に設けられている。
受光センサ103cは、例えば受光した光量に応じた信号を出力するフォトダイオードである。この受光センサ103cは、受光した光量に応じた受光信号を、ベース12内の制御部37に出力する。
圧平検出光学系103において、被検眼Eの角膜Ecの表面(角膜表面)で反射されたXYアライメント指標光の反射光は、気流吹付ノズル100bの内部を通り、チャンバー窓ガラス100dを透過してハーフミラー100gに至る。そして、圧平検出光学系103では、反射光の一部をハーフミラー100gで反射してレンズ103aへと進行させ、このレンズ103aで集束させた後、ピンホール板103bへと進行させる。
ここで、被検眼Eでは、気流吹付機構107により気流吹付ノズル100bから角膜Ecに向けて気流が吹き付けられることで、角膜Ecの表面が変形して徐々に平らな状態になる。そのとき、圧平検出光学系103では、角膜Ecの表面が平らな状態になった場合に、圧平検出光学系103に進行してきた反射光の全体がピンホール板103bを通して受光センサ103cに到達し、その他の状態では反射光をピンホール板103bで部分的に遮りつつ受光センサ103cに到達させる。このため、圧平検出光学系103では、受光センサ103cで受光した光量が最大となった時点を検出することにより、角膜Ecの表面が平面とされたこと(圧平)を検知することができる。これにより、圧平検出光学系103では、流体の吹き付けにより変形した角膜Ecの圧平状態を検出することができる。
Zアライメント指標投影光学系104(図13参照)は、被検眼Eの角膜Ecに対して、斜めからZ軸方向のアライメント指標光(アライメント用指標平行光束)を投影する。このZアライメント指標投影光学系104は、光軸O32上に、Zアライメント用光源104aと、集光レンズ104bと、開口絞り104cと、ピンホール板104dと、投影レンズ104eと、を備える。
Zアライメント用光源104aは、赤外光(例えば波長860nm)を出射する。開口絞り104cは、投影レンズ104eに関して角膜頂点Epと共役な位置に設けられている。投影レンズ104eは、ピンホール板104dの穴部に焦点を一致させるように配置されている。
Zアライメント指標投影光学系104では、Zアライメント用光源104aから出射された赤外光が、集光レンズ104bにより集光されつつ開口絞り104cを通過してピンホール板104dへと進行する。そして、Zアライメント指標投影光学系104では、ピンホール板104dの穴部を通過した赤外光を投影レンズ104eへと進行させ、投影レンズ104eで平行光として角膜Ecへと進行させる。この赤外光の平行光は、Zアライメント指標光として被検眼Eに入射し、角膜Ecで反射して被検眼Eの内方に位置する輝点像を形成する。
また、Zアライメント検出光学系105は、Zアライメント指標光の角膜Ecによる反射光を受光して、検眼ユニット16Cと角膜EcとのZ軸方向での位置関係を検出する。このZアライメント検出光学系105は、光軸O33上に、結像レンズ105aと、シリンドリカルレンズ105bと、受光センサ105cと、を有している。
シリンドリカルレンズ105bは、Y軸方向にパワーを有するものが用いられる。受光センサ105cは、その受光面における受光位置を検出可能なセンサであり、例えばラインセンサ又はPSD(Position Sensitive Detector)が用いられる。この受光センサ105cの受光信号は、ベース12内の制御部37へ出力される。
このようなZアライメント検出光学系105では、Zアライメント指標投影光学系104によりアライメント指標光が投影されることにより、角膜Ecの表面で反射されたアライメント指標光の反射光が結像レンズ105aへと進行する。そして、Zアライメント検出光学系105では、アライメント指標光の反射光を結像レンズ105aで集束した後、シリンドリカルレンズ105bへと進行させ、このシリンドリカルレンズ105bにより反射光をY軸方向に集光して受光センサ105c上に輝点像を形成する。
受光センサ105cは、XZ平面内においては結像レンズ105aに関して、Zアライメント指標投影光学系104により被検眼Eの内方に形成された前述の輝点像と共役な位置関係にある。また、受光センサ105cは、YZ平面内においては結像レンズ105a及びシリンドリカルレンズ105bに関して、角膜頂点Epと共役な位置関係にある。すなわち、受光センサ105cは開口絞り104cと共役関係にあるので、Y軸方向に角膜Ecがずれたとしても角膜Ecの表面における反射光は効率良く受光センサ105cに入射する。この受光センサ105cは、形成された輝点像の受光に基づく信号を、ベース12内の制御部37へと出力する。
気流吹付機構107(図14参照)は、空気圧縮室107aと、空気圧縮駆動部107dとを有する。空気圧縮駆動部107dは、図示は省略するが、空気圧縮室107a内で移動可能なピストンと、このピストンを移動させる駆動部と、を有する。そして、空気圧縮駆動部107dは、制御部37の制御下で駆動されることで、空気圧縮室107a内の空気を圧縮する。
空気圧縮室107a内には、透明なガラス板107bを介して気流吹付ノズル100bが取り付けられている(図14参照)。また、空気圧縮室107a内には、気流吹付ノズル100bと対向する位置にチャンバー窓ガラス100dが設けられている。さらに、空気圧縮室107aには、その内部の圧力を検出する圧力センサ107cが設けられている。この圧力センサ107cは、制御部37に接続されており、検出した圧力に応じた信号を制御部37へ出力する。
このような気流吹付機構107では、制御部37の制御下で、空気圧縮駆動部107dが空気圧縮室107a内の空気を圧縮することにより、気流吹付ノズル100bから被検眼Eの角膜Ecに向けて気流を吹き付けることができる。また、気流吹付機構107では、圧力センサ107cにより空気圧縮室107a内の圧力を検出することにより、気流吹付ノズル100bから気流を吹き付けた際の圧力を取得することができる。
検眼ユニット16Cは、前眼部照明光源100aと、XYアライメント用光源101aと、固視標用光源102aと、Zアライメント用光源104aとの点灯制御を行うためのドライバ(駆動機構)を1又は複数有し、ドライバに制御部37が接続されている。このため、検眼ユニット16Cでは、制御部37の制御下で、前眼部照明光源100aと、XYアライメント用光源101aと、固視標用光源102aと、Zアライメント用光源104aと、を適宜点灯させる。また、検眼ユニット16Cでは、上述したように、制御部37の制御下で、撮像素子100iにより撮像された撮像信号を制御部37へ出力する。制御部37は、撮像素子100iから入力された撮像信号に基づき画像の生成処理を行い、生成した画像をタッチパネル式モニタ20に適宜表示させる。
次に、上述した検眼ユニット16Cを用いて被検眼Eの角膜Ecの眼圧(硬さ)を検査(CT検査)する際の概略的な動作について説明する。なお、検眼ユニット16Cにおける下記の動作は、制御部37の制御下で実行される。
検眼ユニット16Cでは、前眼部観察光学系100の前眼部照明光源100aを点灯することで、被検眼Eの前眼部を照明し、撮像素子100iで撮像する。撮像素子100iは、撮像信号を制御部37へ出力する。これにより、制御部37は、前眼部の観察像をタッチパネル式モニタ20に表示させる。
また、検眼ユニット16Cでは、固視標投影光学系102の固視標用光源102aを点灯することで、固視標を被検眼Eに投影して、その被検眼Eを固視させる(すなわち被検者の視線を固定する)。さらに、検眼ユニット16Cでは、XYアライメント指標投影光学系101のXYアライメント用光源101aを点灯することで、XYアライメント指標光を角膜Ecに投影する。
そして、検眼ユニット16Cでは、角膜Ecで反射されたXYアライメント指標光の反射光を、前眼部観察光学系100の撮像素子100iと、圧平検出光学系103の受光センサ103cと、により前眼部像と共に受光する。撮像素子100iは撮像信号を制御部37へ出力する。これにより、制御部37は、XYアライメント指標光の輝点像が映りこんだ前眼部の観察像にアライメント補助マーク(不図示)を重畳してタッチパネル式モニタ20に表示させる。また、受光センサ103cは反射光を受光して受光信号を制御部37へ出力する。
さらに、検眼ユニット16Cでは、Zアライメント指標投影光学系104のZアライメント用光源104aを点灯することで、Z軸方向のアライメント用の平行光束を角膜Ecに投影する。検眼ユニット16Cでは、角膜Ecで反射された反射光を、Zアライメント検出光学系105の受光センサ105cで受光する。そして、受光センサ105cは、反射光を受光して受光信号を制御部37へ出力する。
既述の通り制御部37によって、被検眼Eの前眼部像とXYアライメント指標光の輝点像とアライメント補助マークとがタッチパネル式モニタ20に表示されると、検者は、このタッチパネル式モニタ20を見ながらタッチパネル式モニタ20に表示された操作部又は操作レバー19を操作することにより、回転ユニット15を上下左右に移動させて輝点像がタッチパネル式モニタ20の画面内に映るようにXYアライメント(概略アライメント)を行う。なお、概略アライメントは、制御部37による制御の下で自動的に行ってもよい。
また、制御部37は、前眼部観察光学系100の撮像素子100iの撮像信号から、回転ユニット15と角膜EcとのXY方向での位置関係を演算すると共に、この演算結果と、Zアライメント検出光学系105の受光センサ105cから得られる受光信号とに基づき、回転ユニット15と角膜EcとのZ軸方向の位置関係を演算する。そして、制御部37は、各位置関係の演算結果に基づき、ユニット移動部33を駆動して、ベース12に対して回転ユニット15を3軸方向に適宜移動させてオートアライメントを行う。なお、Zアライメントの状態をバーメーターなどを用いてタッチパネル式モニタ20上に表示し、この表示を基に検者が手動でZアライメントを実施しても良い。
オートアライメントが完了すると、制御部37が気流吹付機構107を作動させて、気流吹付ノズル100bから被検眼Eの角膜Ecに向けて気流を吹き付ける。これにより、被検眼Eの角膜Ecの表面が変形して徐々に平らな状態になる。角膜Ecが徐々に平らな状態になる過程において、角膜Ecの表面が平面とされた時、圧平検出光学系103の受光センサ103cでの受光量が最大となる。このため、制御部37は、検眼ユニット16Cの受光センサ103cから得られる受光信号の大きさの変化に基づいて、角膜Ecの表面が平面とされたことを判断する。すなわち、角膜Ecの圧平状態を検出することができる。なお、気流の吹付開始のトリガーは、検者がタッチパネル式モニタ20上でアライメント状態を確認した後、操作レバー19の上部にある測定ボタン(不図示)を押下することで実施しても良い。
そして、制御部37は、角膜Ecが圧平されたタイミングでの圧力センサ107cからの出力(吹き付けた気流の圧力)に基づいて、角膜Ecの眼圧を求め(眼圧値を算出し)、その算出結果をタッチパネル式モニタ20に表示させる。なお、制御部37は、気流吹付ノズル100b(気流吹付機構107)による気流の吹き付け開始時点から角膜Ecの表面が平面とされたことを検知した時点までの時間に基づいて、角膜Ecの眼圧を求めてもよい。
なお、検眼ユニット16Cの検査光学系構成、オートアライメント方法、及び眼圧(眼圧値)の演算方法については、上記内容に限定されるものではなく、公知の非接触式眼圧検査装置で採用されている構成及び方法を採用してもよい。
<制御部の構成>
図15は、ベース12内に設けられている制御部37の電気的構成を示すブロック図である。図15に示すように、制御部37は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はFPGA(field-programmable gate array)等を含む各種の演算部及び記憶部等から構成される演算回路であり、複合検査装置10の各部の動作を統括制御する。この制御部37は、不図示の記憶部等から読み出した制御プログラムを実行することで、ユニット識別部110と、順序決定部111と、回転駆動制御部112と、信号取得部113と、アライメント検出部114と、ユニット移動制御部115と、解析部116として機能する。
ユニット識別部110は、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aにそれぞれ着脱自在且つ交換自在に保持されている複数種の検眼ユニット16(検眼ユニット16A,16B,16C等)の種類を識別する。例えば、ユニット識別部110は、インタフェース35a,35b等を介して各ユニット保持領域15aにそれぞれ保持されている検眼ユニット16に個別にアクセスする。そして、ユニット識別部110は、各検眼ユニット16内の記憶部(不図示)に格納されている識別情報を取得することにより、各ユニット保持領域15aにそれぞれ保持されている検眼ユニット16の種類を識別する。そして、ユニット識別部110は、ユニット保持領域15aごとに保持されている検眼ユニット16の種類の識別結果を、回転駆動制御部112へ出力する。
なお、検眼ユニット16の種類を識別する方法は、上記方法に限られず、各種方法が選択可能である。例えば、検眼ユニット16の種類ごとに形状又は構造等を異ならせると共に、各ユニット保持領域15aに検眼ユニット16の形状又は構造等の違いを検出する検出部(不図示)を設ける。そして、ユニット識別部110は、各検出部の検出結果を取得することにより、ユニット保持領域15aごとに保持されている検眼ユニット16の種類を識別することができる。
また、例えば検者がタッチパネル式モニタ20等を用いて、各ユニット保持領域15aに保持されている検眼ユニット16の種類を入力した場合、ユニット識別部110は、タッチパネル式モニタ20等の入力結果に基づき、ユニット保持領域15aごとに保持されている検眼ユニット16の種類を識別することができる。
順序決定部111は、ユニット保持領域15aごとに保持されている3種類の検眼ユニット16(検眼ユニット16A,16B,16C等)を、前述の対向位置に移動させる移動順序である第1検査順序(本発明の検査順序に相当)を決定する。また、順序決定部111は、対向位置に移動した検眼ユニット16が、被検眼Eの両眼のうち先に検査する第1眼(右眼及び左眼の一方)と、後に検査する第2眼(右眼及び左眼の他方)とを示す第2検査順序を、上述の3種類の検眼ユニット16ごとに決定する。
図16は、順序決定部111による第1検査順序及び第2検査順序の決定を説明するための説明図である。図16に示すように、制御部37(順序決定部111)は、複合検査装置10の起動時に、前述のユニット識別部110の識別結果に基づいて、検者に対して第1検査順序及び第2検査順序の入力を促す検査順序入力画面117をタッチパネル式モニタ20に表示させる。
検査順序入力画面117には、ユニット保持領域15aごとに保持されている検眼ユニット16の種類別に検査種類欄118が表示される。例えば、各ユニット保持領域15aに検眼ユニット16A,16B,16Cが保持されている場合、検査順序入力画面117には、KR検査、SR検査、及びCT検査にそれぞれ対応する3種類の検査種類欄118が表示される。また、各検査種類欄118は、右眼検査を示す右眼検査欄(図中「R」で表示)と、左眼検査を示す左眼検査欄(図中「L」で表示)とに分割されている。
検査順序入力画面117は、各検査種類欄118の順番と、検査種類欄118ごとの右眼検査欄及び左眼検査欄の順番とを同時に指定する指定操作(タッチ操作)の入力を検者から受け付ける。これにより、順序決定部111は、検査順序入力画面117へのタッチ操作の入力結果に基づき、第1検査順序及び第2検査順序を決定することができる。なお、被検者ごとに検査項目及び左右各眼についての検査の要否を指定することもできる。
例えば、図中矢印で示したような順序でタッチ操作が行われた場合、順序決定部111は、第1検査順序をKR検査、SP検査、及びCT検査の順序で決定する。また、順序決定部111は、第2検査順序を、最初のKR検査については左眼検査及び右眼検査の順序で決定し、その次のSP検査については右眼検査及び左眼検査の順序で決定し、最後のCT検査については左眼検査及び右眼検査の順序で決定する。なお、例えばKR検査で右眼検査を行った後のSP検査において右眼検査から開始する理由は、KR検査とSP検査との間での回転ユニット15の移動量を少なくするためである。
なお、検査順序入力画面117上でタッチ操作を行う代わりに、操作レバー19を用いて第1検査順序及び第2検査順序の入力操作を行ってもよい。
図17は、順序決定部111による第1検査順序の決定の他実施形態を説明するための説明図である。図17に示すように、順序決定部111は、図中の括弧付き数字(1)〜(3)に示したように、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aを予め順序付けした領域順序に基づき、前述の第1検査順序を決定する。すなわち、順序決定部111は、検査の種類に関係なく、各検眼ユニット16をそれぞれ保持しているユニット保持領域15aの領域順序に従って、第1検査順序を決定する。
具体的に、図17に示した例では、順序決定部111は、領域順序(1)のユニット保持領域15aに保持されている検眼ユニット16C、領域順序(2)のユニット保持領域15aに保持されている検眼ユニット16B、及び領域順序(3)のユニット保持領域15aに保持されている検眼ユニット16Aの順序で、第1検査順序を決定する。なお、第2検査順序については、例えば既述の図16で説明した方法で決定する。
図15に戻って、順序決定部111は、第1検査順序の決定結果を回転駆動制御部112へ出力し、検眼ユニット16ごとの第2検査順序の決定結果をユニット移動制御部115へ出力する。
回転駆動制御部112は、ユニット識別部110から入力された識別結果と、順序決定部111から入力された第1検査順序の決定結果とに基づき、回転駆動部32を回転駆動制御して、回転ユニット15のユニット保持領域15aごとに保持されている3種類の検眼ユニット16を、第1検査順序で対向位置に選択的に移動させる。
具体的に、回転駆動制御部112は、第1検査順序において第1番目の検眼ユニット16が対向位置に移動するように、回転駆動部32を回転駆動制御して回転ユニット15を回転させる。そして、回転駆動制御部112は、第1番目の検眼ユニット16による被検眼Eの両眼の検査が完了した旨の完了操作がタッチパネル式モニタ20等でなされた場合、第1検査順序において第2番目の検眼ユニット16が対向位置に移動するように、回転駆動部32を回転駆動制御して回転ユニット15を回転させる。
次いで、回転駆動制御部112は、第2番目の検眼ユニット16による被検眼Eの両眼の検査が完了した旨の完了操作がタッチパネル式モニタ20等でなされた場合、第1検査順序において第3番目の検眼ユニット16が対向位置に移動するように、回転駆動部32を回転駆動制御して回転ユニット15を回転させる。これにより、回転ユニット15のユニット保持領域15aごとに保持されている3種類の検眼ユニット16を、第1検査順序で選択的に対向位置へ移動させることができる。なお、両眼の検査の完了は、検者が設定した既定の回数の測定(検査)が完了した場合、或いはエラーのない結果が既定回数分得られた場合に自動的に判断され、その後、自動的に第2検査順序、及び第1検査順序に従い検眼ユニット16及び回転ユニット15を移動させても良い。
信号取得部113は、対向位置にセットされている検眼ユニット16から既述の撮像信号及び受光信号等を取得して、アライメント検出部114及び解析部116の双方にそれぞれ出力する。
アライメント検出部114は、対向位置にセットされた検眼ユニット16のアライメント検出を行う。例えばアライメント検出部114は、検眼ユニット16Aが対向位置に移動した場合、信号取得部113から取得した撮像素子42dの撮像信号に基づき、被検眼Eに対する検眼ユニット16Aの3軸方向のアライメント検出を行う。
また、アライメント検出部114は、検眼ユニット16Bが対向位置にセットされた場合、信号取得部113から撮像素子85及び撮像素子63の撮像信号をそれぞれ取得する。そして、アライメント検出部114は、撮像素子85からの撮像信号に基づき、被検眼Eに対する検眼ユニット16BのZ軸方向のアライメント検出を行うと共に、撮像素子63からの撮像信号に基づき、被検眼Eに対する検眼ユニット16BのXY軸方向のアライメント検出を行う。
さらに、アライメント検出部114は、検眼ユニット16Cが対向位置にセットされた場合、信号取得部113から撮像素子100iの撮像信号及び受光センサ105cの受光信号を取得する。そして、アライメント検出部114は、撮像素子100iからの撮像信号に基づき、被検眼Eに対する検眼ユニット16CのXY軸方向のアライメント検出を行うと共に、このアライメント検出結果と受光センサ105cからの受光信号とに基づき、被検眼Eに対する検眼ユニット16CのZ軸方向のアライメント検出を行う。
このようにアライメント検出部114は、対向位置にセットされた検眼ユニット16のアライメント検出を行って、そのアライメント検出結果をユニット移動制御部115へ出力する。
ユニット移動制御部115は、新たな検眼ユニット16が対向位置にセットされるごとに、順序決定部111から入力された第2移動順序に基づき、ユニット移動部33を制御して、検眼ユニット16を被検眼Eの第1眼を検査する第1眼検査位置に移動させる。次いで、ユニット移動制御部115は、検眼ユニット16での第1眼の検査が完了した旨の完了操作がタッチパネル式モニタ20等でなされた場合、或いは既定の回数の検査の完了を検出した後、前述の第2移動順序に基づき、ユニット移動部33を制御して、検眼ユニット16を被検眼Eの第2眼を検査する第2眼検査位置に移動させる。
また、ユニット移動制御部115は、検眼ユニット16が第1眼検査位置又は第2眼検査位置に移動されるごとに、アライメント検出部114から入力されたアライメント検出結果に基づき、ユニット移動部33を制御して前述のオートアライメントを実行する。
解析部116は、信号取得部113を介して、対向位置にセットされている検眼ユニット16から出力された撮像信号及び受光信号(本発明の出力結果に相当)を取得して解析することにより、眼特性の検査結果を得る。
例えば解析部116は、検眼ユニット16Aが対向位置にセットされている場合、信号取得部113から撮像素子42d及び撮像素子44dの撮像信号をそれぞれ取得する。次いで、解析部116は、撮像素子42dの撮像信号に基づく画像から被検眼Eの角膜Ecの形状を解析すると共に、撮像素子44dの撮像信号に基づく画像から眼屈折力(球面度数、円柱度数、及び軸角度)を解析する。そして、解析部116は、前述の各画像と共に、角膜Ecの形状及び眼屈折力の検査結果をタッチパネル式モニタ20へ出力する。
また、解析部116は、検眼ユニット16Bが対向位置にセットされている場合、信号取得部113から撮像素子80の撮像信号を取得し、この撮像信号に基づく画像から角膜内皮細胞の検査結果(角膜内皮細胞の大きさ、形状、及び密度等)を解析する。そして、解析部116は、前述の画像と共に角膜内皮細胞の検査結果をタッチパネル式モニタ20へ出力する。
さらに、解析部116は、検眼ユニット16Cが対向位置にセットされている場合、信号取得部113から受光センサ103cの受光信号及び圧力センサ107cからの出力値を取得する。そして、解析部116は、受光信号の大きさの変化に基づいて角膜Ecの圧平状態を検出する。次いで、解析部116は、角膜Ecの圧平状態の検出結果と、圧力センサ107cからの出力とに基づき、角膜Ecの眼圧(眼圧値)を解析し、この眼圧の解析結果をタッチパネル式モニタ20へ出力する。
タッチパネル式モニタ20は、各検眼ユニット16により撮像された被検眼Eの各種観察画像、及び解析部116の解析により得られた各検査(KR検査、SP検査、及びCT検査等)の検査結果等を表示する。なお、必要に応じて各検査結果のデータを外部のデータベースに転送したり、内蔵又は外部プリンターに出力したりすることも可能である。
[第1実施形態の複合検査装置の作用]
次に、図18を用いて上記構成の複合検査装置10の作用(複数の眼特性の検査)について説明する。ここで、図18は、第1実施形態の複合検査装置10による複数の眼特性の検査処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、検者は、被検者に対して実施する複数の眼特性の検査に対応した検眼ユニット16を選択する。例えば本実施形態では、KR検査、SP検査、及びCT検査を行うので、検者は、複数種の検眼ユニット16の中からKR検査、SP検査、及びCT検査にそれぞれ対応した3種類の検眼ユニット16A,16B,16Cを選択する。そして、検者は、選択した検眼ユニット16A,16B,16Cを回転ユニット15の各ユニット保持領域15aにそれぞれ取り付ける(ステップS1)。これにより、各ユニット保持領域15aにそれぞれ検眼ユニット16A,16B,16Cが着脱自在且つ交換自在に保持される。
そして、検者が複合検査装置10を起動(電源ON)すると、制御部37のユニット識別部110が、インタフェース35a,35b等を介して各ユニット保持領域15aにそれぞれ保持されている検眼ユニット16A,16B,16Cからそれぞれ識別情報を取得する。これにより、ユニット識別部110は、ユニット保持領域15aごとに保持されている検眼ユニット16(検眼ユニット16A,16B,16C)の種類を識別し、この識別結果を回転駆動制御部112等に出力する(ステップS2)。
次いで、制御部37(順序決定部111)は、前述のユニット識別部110による識別結果に基づいて、既述の図16に示した検査順序入力画面117をタッチパネル式モニタ20に表示させる。これにより、検者が検査順序入力画面117上で検査順序を指定するタッチ操作を行うと、順序決定部111は、タッチ操作の入力結果に基づき第1検査順序及び第2検査順序を決定する(ステップS3)。そして、順序決定部111は、第1検査順序の決定結果を回転駆動制御部112へ出力し、検眼ユニット16ごとの第2検査順序の決定結果をユニット移動制御部115へ出力する。
なお、第1検査順序については、既述の図17で説明したように、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aを予め順序付けした領域順序に基づき決定してもよい。
第1検査順序及び第2検査順序の決定後、回転駆動制御部112は、ユニット識別部110から入力された識別結果と、順序決定部111から入力された第1検査順序の決定結果とに基づき、回転駆動部32の回転駆動制御を開始する。具体的に、回転駆動制御部112は、第1検査順序において第1番目の検眼ユニット16が対向位置に移動するように、回転駆動部32を回転駆動制御して回転ユニット15を回転させる(ステップS4,S5)。
第1番目の検眼ユニット16が対向位置に移動すると、第1番目の検眼ユニット16の各種光源、撮像素子、及び受光素子等が起動して、第1番目の検眼ユニット16が作動状態となる。そして、第1番目の検眼ユニット16から既述の撮像信号及び受光信号等が出力され、信号取得部113を介してアライメント検出部114及び解析部116へ出力される。また、制御部37は、信号取得部113から出力された被検眼Eの撮像信号に基づき、被検眼Eの各種観察画像をタッチパネル式モニタ20に表示させる。
また、ユニット移動制御部115は、順序決定部111から入力された第2検査順序の決定結果に基づきユニット移動部33を駆動して、対向位置にセットされた第1番目の検眼ユニット16を第1眼検査位置に移動させる。
被検者の顔が顔支持部13で支持された後、検者は、タッチパネル式モニタ20に被検眼Eの前眼部の像が映っていることを確認し、この前眼部の像が映っていない場合、顔支持部13の顎受けの高さ調整を行ったり、検眼ユニット16を手動操作により上下左右前後方向に粗動させたりする。次いで、検者は、操作レバー19の不図示の測定スイッチの押下操作、或いはタッチパネル式モニタ20上のタッチ操作等の検査開始操作を行う。
検者からの検査開始操作の入力を受けて、アライメント検出部114は、信号取得部113から取得した撮像信号に基づき、被検眼Eの第1眼に対する検眼ユニット16の3軸方向のアライメント検出を行い、このアライメント検出結果をユニット移動制御部115へ出力する(ステップS6)。
アライメント検出部114からのアライメント検出結果の入力を受けたユニット移動制御部115は、このアライメント検出結果に基づき、ユニット移動部33を制御して、前述のオートアライメントを実行する(ステップS7)。このオートアライメントに前後して、検者は、被検者の自力での開瞼が不十分である場合、被検者の瞼を開く開瞼作業を行う。この際に、検者は被検者の瞼まで手が届かない場合には、回転中心C(内側回転軸14a)を中心としてタッチパネル式モニタ20を回転させることにより、例えば、タッチパネル式モニタ20を複合検査装置10のX軸方向の側方位置へ移動する(図4参照)。これにより、検者は、タッチパネル式モニタ20の画面を注視しつつ、開瞼作業を行うことができる。なお、タッチパネル式モニタ20を回転させるタイミングは、オートアライメントの前後に限定されるものではなく、任意のタイミングで実行可能である。なお、特許文献1に記載のような額当てが回転する装置では、被検者が額当ての回転に合わせて移動する必要があるので、被検者の着座後の位置変更が困難となる。
オートアライメントの完了後、解析部116は、信号取得部113を介して、第1番目の検眼ユニット16から出力された撮像信号及び受光信号等を取得して解析することにより、第1番目の検査における第1眼の眼特性の検査結果を得る(ステップS8)。そして、解析部116は、この検査結果をタッチパネル式モニタ20に出力して表示させる。
そして、第1眼の眼特性の検査が既定回数完了すると、ユニット移動制御部115が前述の第2検査順序の決定結果に基づきユニット移動部33を駆動して、第1番目の検眼ユニット16を第1眼検査位置から第2眼検査位置へ移動させる(ステップS9でNO、ステップS10)。
次いで、前述のアライメント検出部114によるアライメント検出と、ユニット移動制御部115によるオートアライメントとが繰り返し実行される(ステップS6,S7)。そして、解析部116は、信号取得部113を介して、第1番目の検眼ユニット16から出力された撮像信号及び受光信号等を解析することで、第1番目の検査に対応する第2眼の眼特性の検査結果を得る(ステップS8)。以上で被検眼Eの両眼に対する第1番目の検査が完了する(ステップS9でYES)。
続けて、回転駆動制御部112は、第1検査順序に基づき第2番目の検眼ユニット16が対向位置に移動するように回転駆動部32を回転駆動制御して、回転ユニット15を回転させる(ステップS11でNO、ステップS12、及びステップS5)。そして、既述のステップS6からステップS10までの処理が繰り返し実行され、第2番目の検査に対応する被検眼Eの両眼の眼特性の検査結果が得られる。
以下同様に、全ての検査が完了するまで既述のステップS5以降の処理が繰り返し実行される(ステップS11でYES)。これにより、被検眼Eに対する3種類の眼特性の検査結果が得られる。
そして、検者は別の被検者の眼特性の検査を行う場合、この検査に対応した検眼ユニット16を回転ユニット15の各ユニット保持領域15aに取り付ける。そして、既述のステップS2以降の処理を繰り返し実行することで、別の被検者の被検眼Eに対する最大3種類の眼特性の検査結果が得られる。このように、複合検査装置10では、複数種の検眼ユニット16の中から検者が選択した任意の検眼ユニット16を、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aにそれぞれ着脱自在に保持させることができるので、被検者ごとに異なる複数の眼特性の検査を一つの装置で行うことができる。また、複数の眼特性の検査を一つの装置で行うので診察室等内の省スペース化が図られ、さらに検査ごとの被検者の移動も不要となる。
[第1実施形態の効果]
以上のように第1実施形態の複合検査装置10では、二重回転軸14により回転ユニット15及びタッチパネル式モニタ20を、それぞれ回転中心Cを中心として互いに独立して回転させることができる。これにより、回転中心C(内側回転軸14a)を中心としてタッチパネル式モニタ20のみを回転させることで、被検者に対する検者の位置(タッチパネル式モニタ20に対面する位置)を自由に変えることができる。このため、小柄な検者であっても被検者の瞼に手の届く位置で検査を行うことができるため、検者が被検者の瞼を開く開瞼作業を容易に行うことができる。二重回転軸14は、上記特許文献1に記載されているような顔支持部13を回転される機構(モータ及び駆動伝達機構等)と比較して、シンプル且つ小型の構成とすることができるので、複合検査装置10は、上記特許文献1に記載の装置と比較して、簡単な構成で開瞼作業を容易に行うことができる。また、検者の位置が被検者に対して対向する位置から側方、背後と自由に選択できるため、壁際に近づけて複合検査装置10を配置するなど検査室の状況に応じた複合検査装置10のレイアウトが可能となる。
[第2実施形態の複合検査装置]
次に、本発明の第2実施形態の複合検査装置10A(図19参照)について説明を行う。既述の図18に示したように、上記第1実施形態では、第2番目以降の検査を行う場合に、回転ユニット15を回転させて新たな検眼ユニット16を対向位置に移動させた後で、このユニット移動部33により新たな検眼ユニット16の移動を実行している。これに対して、第2実施形態の複合検査装置10Aでは、第1番目(第2番目以降でも可)の検査において被検眼Eの位置を検出した結果に基づき、これ以降の検査を行う場合には回転ユニット15の回転と移動とを同時に行う。
なお、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aに着脱自在且つ交換自在に保持されている3種類の検眼ユニット16の中で、対向位置にセットされている検眼ユニット16が本発明の第1検眼ユニットに相当し、対向位置以外にある検眼ユニット16が本発明の第2検眼ユニットに相当する。
図19は、第2実施形態の複合検査装置10Aの電気的構成を示すブロックである。なお、第2実施形態の複合検査装置10Aは、上記第1実施形態の複合検査装置10と基本的に同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。また、図19では、図面の煩雑化を防止するために、制御部37の構成を一部省略している。
図19に示すように、第2実施形態の制御部37は、第1実施形態で説明したユニット識別部110と、順序決定部111と、回転駆動制御部112と、信号取得部113と、アライメント検出部114と、ユニット移動制御部115と、解析部116との他に、作動距離取得部121と、被検眼位置検出部122と、位置決定部123として機能する。
作動距離取得部121は、メモリ125(インターネット上のサーバでも可)から、複数種の検眼ユニット16ごとの作動距離[検査機器の先端から被検眼EまでのZ軸方向の距離]を示す作動距離情報127を取得し、この作動距離情報127を後述の位置決定部123へ出力する。具体的に、作動距離取得部121は、順序決定部111から入力される第1検査順序に基づき、次に対向位置に移動される検眼ユニット16の作動距離情報127を取得して位置決定部123へ出力する。
被検眼位置検出部122は、回転ユニット15の回転に伴い第1番目の検査を行う検眼ユニット16が対向位置にセットされた後、この検眼ユニット16から出力される撮像信号等に基づき、被検眼Eの位置を検出する。例えば、被検眼位置検出部122は、被検眼Eの第1眼及び第2眼にそれぞれ対する検眼ユニット16のオートアライメント後に、所定の基準位置を基準とした被検眼Eの第1眼及び第2眼の3次元位置をそれぞれ検出する。
具体的に、被検眼位置検出部122は、アライメントを完了した検眼ユニット16の3軸方向の現在位置及び作動距離から、被検眼Eの第1眼及び第2眼の3次元位置を検出する。そして、被検眼位置検出部122は、被検眼Eの両眼の位置検出結果を位置決定部123へ出力する。
なお、被検眼E(第1眼及び第2眼)の位置を検出する方法は上記方法に特に限定されるものではなく、例えばアライメント検出部114によるアライメント検出結果を用いる等、公知の各種方法を用いることができる。
位置決定部123は、回転ユニット15を回転させて第2番目以降の検眼ユニット16(第2検眼ユニット)を対向位置に移動させる場合に作動する。この位置決定部123は、順序決定部111から入力される第1検査順序及び第2検査順序の決定結果と、作動距離取得部121から入力された作動距離情報127と、被検眼位置検出部122による被検眼E(両眼)の位置検出結果とに基づき、被検眼E(第1眼)に対する次の検眼ユニット16の3軸方向の位置を決定する。そして、位置決定部123は、次の検眼ユニット16の3軸方向の位置の決定結果をユニット移動制御部115へ出力する。
図20は、第2番目以降の検眼ユニット16を対向位置に移動させる場合に、第2実施形態のユニット移動制御部115が行う回転ユニット15の移動処理を説明するための説明図である。
図20の符号130A,130B,130Cに示すように、第2実施形態のユニット移動制御部115は、第2番目以降の検眼ユニット16が対向位置に移動される場合、この移動と同時に回転ユニット15の3軸方向の移動を行う。具体的に、ユニット移動制御部115は、回転ユニット15が回転する回転角度と、前述の位置決定部123が決定した3軸方向の位置の決定結果とに基づき、回転ユニット15の最短移動経路を求めた後、ユニット移動部33を制御して、回転ユニット15を前述の3軸方向の位置へ最短距離で移動させる。なお、図中では、回転ユニット15をZ軸方向のみに移動させているが、必要に応じてX軸方向及びY軸方向に移動させてもよい。
[第2実施形態の複合検査装置の作用]
図21は、第2実施形態の複合検査装置10Aによる複数の眼特性の検査処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS7までの処理は、既述の図18に示した第1実施形態と基本的に同じであるのでここでは具体的な説明は省略する。
図21に示すように、第1番目の検査において被検眼E(第1眼)に対する検眼ユニット16のオートアライメントが完了すると(ステップS7)、被検眼位置検出部122は、検眼ユニット16の3軸方向の現在位置と、作動距離とに基づき、被検眼Eの第1眼の位置を検出する(ステップS7A)。
次いで、既述の図18に示した第1実施形態と同様に、第1番目の検査における第1眼の眼特性の検査結果が得られた後(ステップS8)、ステップS10及びステップS7の処理が実行され、被検眼Eの第2眼に対する検眼ユニット16のオートアライメントが完了する。そして、このオートアライメントの完了後、被検眼位置検出部122による被検眼Eの第2眼の位置の検出が再び実行された後(ステップS7A)、第1番目の検査における第2眼の眼特性の検査結果が得られる(ステップS8)。
被検眼Eの両眼に対する第1番目の検査完了後(ステップS9でYES)、作動距離取得部121は、順序決定部111から入力される第1検査順序に基づき、メモリ125から第2番目の検眼ユニット16の作動距離情報127を取得する(ステップS11でNO、ステップS12、及びステップS13)。そして、作動距離取得部121は、取得した作動距離情報127を位置決定部123へ出力する。
次いで、位置決定部123は、順序決定部111からの第1検査順序及び第2検査順序の決定結果と、作動距離取得部121からの作動距離情報127と、被検眼位置検出部122による被検眼Eの位置検出結果とに基づき、被検眼Eの第1眼に対する第2番目の検眼ユニット16の3軸方向の位置を決定する(ステップS14)。この第2番目の検眼ユニット16の3軸方向の位置の決定結果は、位置決定部123からユニット移動制御部115へ出力される。
そして、回転駆動制御部112は、第1検査順序に基づき第2番目の検眼ユニット16が対向位置に移動するように、回転駆動部32を回転駆動制御して回転ユニット15を回転させる(ステップS15)。これと同時にユニット移動制御部115は、回転ユニット15が回転する回転角度と、前述の位置決定部123が決定した3軸方向の位置の決定結果とに基づき、回転ユニット15の最短移動経路を求めた後、ユニット移動部33を制御して、回転ユニット15を前述の3軸方向の位置へ最短距離で移動させる(ステップS16)。これにより、既述の図20に示したように、回転ユニット15の回転と、回転ユニット15の3軸方向の移動とが同時に行われる。なお、回転ユニット15の回転完了後に、検眼ユニット16の3軸方向の位置の確認を行い、ズレがある場合は微調整を行う。
次いで、ステップS8の処理が実行されて第2番目の検査に対応する被検眼Eの第1眼の眼特性の検査結果が得られ、さらに、ステップS10、及びステップS7からステップS9(ステップS7Aは除く)の各処理が実行されて第2番目の検査に対応する被検眼Eの第2眼の眼特性の検査結果が得られる(ステップS9でYES)。
以下同様に、全ての検査が完了するまで、ステップS6以降の処理、すなわち、回転ユニット15の回転駆動及び3軸方向の位置調整と、次の検眼ユニット16による被検眼Eの両眼の検査と、が繰り返し実行される(ステップS11でYES)。
[第2実施形態の効果]
以上のように第2実施形態の複合検査装置10Aでは、第1番目の検査で検出した被検眼Eの位置に基づき、回転ユニット15を回転して第2番目以降の検眼ユニット16を対向位置へ移動させながら、第2番目以降の検眼ユニット16の3軸方向の移動を同時に実行するので、第2番目以降の検査開始に要する時間を短縮することができる。
なお、被検眼位置検出部122による被検眼位置の検出については、第1番目の検眼ユニット16による検査時のみに限定されるものではなく、第2番目以降の検眼ユニット16による検査時においても毎回或いは定期的に実行するようにしてもよい。
[鼻への衝突回避制御]
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、各種眼特性の検査ごとに、対向位置にセットされた検眼ユニット16を第1眼検査位置から第2眼検査位置へ移動させている。この際に、検眼ユニット16が例えば検眼ユニット16Cのように被検眼Eに向かって突出した気流吹付ノズル100b(本発明の突出部に相当)を有している場合、被検者の鼻への気流吹付ノズル100bの衝突を回避する必要がある。
このため、上記各実施形態の回転駆動制御部112は、対向位置にセットされた検眼ユニット16Cを第1眼検査位置から第2眼検査位置へ移動させる場合に、回転駆動部32を回転駆動して、被検者の鼻への気流吹付ノズル100bの衝突を回避する。すなわち、回転駆動制御部112は、本発明の衝突回避制御部として機能する。
<衝突回避制御の第1例>
図22は、回転駆動制御部112による衝突回避制御の第1例を説明するための説明図である。図22に示すように、最初に回転駆動制御部112は、前述の順序決定部111が決定した第1検査順序及び第2検査順序を参照して、検眼ユニット16Cに対向している被検眼Eの第1眼が左眼及び右眼のいずれであるのかを判別する。次いで、この判別結果に基づき、回転駆動制御部112は、符号140Aに示すように、回転駆動部32を制御して、気流吹付ノズル100bが被検者の鼻から退避する方向に回転ユニット15を回転させる退避制御を行う。
そして、ユニット移動制御部115は、符号140Bに示すように、回転駆動制御部112による退避制御が開始された後、気流吹付ノズル100bが被検者の鼻から十分に退避したタイミングで、ユニット移動部33を制御して回転ユニット15をX軸方向に移動させる。これにより、回転ユニット15の中心(二重回転軸14)が、被検眼Eの第1眼に対向する位置から第2眼に対向する位置へ移動される。
一方、回転駆動制御部112は、符号140Cに示すように、回転ユニット15の回転を継続し、気流吹付ノズル100bが第2眼に対向する位置、すなわち、気流吹付ノズル100bが二重回転軸14を中心として360°回転した位置に移動するまで回転ユニット15を回転させる回転制御を行う。これにより、気流吹付ノズル100bが被検者の鼻に衝突することなく、検眼ユニット16Cが第2眼検査位置へ移動される。
<衝突回避制御の第2例>
図23は、回転駆動制御部112による衝突回避制御の第2例の退避制御を説明するための説明図である。図24は、回転駆動制御部112による衝突回避制御の第2例の回転制御を説明するための説明図である。
図23の符号150A,150Bに示すように、最初に回転駆動制御部112は、前述の第1例と同様に、検眼ユニット16Cに対向している被検眼Eの第1眼が左眼及び右眼のいずれであるのかを判別する。次いで、回転駆動制御部112は、図中の括弧付き数字(1)に示すように、回転駆動部32を制御して、回転ユニット15を第1回転方向に回転させる退避制御を行う。この第1回転方向は、気流吹付ノズル100bが被検者の鼻から退避する回転方向である。
そして、図24の符号150C,150Dに示すように、ユニット移動制御部115は、回転駆動制御部112による退避制御が開始された後、気流吹付ノズル100bが被検者の鼻から十分に退避したタイミングで、ユニット移動部33を駆動して回転ユニット15の移動を開始する。
具体的に、ユニット移動制御部115は、図中の括弧付き数字(2)に示すように、回転ユニット15(検眼ユニット16C)がZ軸方向のうちの後方向側に移動するようにユニット移動部33を制御する。次いで、ユニット移動制御部115は、図中の括弧付き数字(3)に示すように、回転ユニット15をX軸方向に移動する。これにより、符号150Eに示すように、回転ユニット15の中心(二重回転軸14)が、被検眼Eの第1眼に対向する位置から第2眼に対向する位置へ移動される。
そして、回転駆動制御部112は、図中の括弧付き数字(4)に示すように、回転駆動部32を制御して、気流吹付ノズル100bが被検者の第2眼に対向するように、回転ユニット15を第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる回転制御を行う。この回転制御が完了すると、ユニット移動制御部115は、図中の括弧付き数字(5)に示すように、ユニット移動部33を駆動して、回転ユニット15(検眼ユニット16C)を被検眼Eの第2眼に向けてZ軸方向のうちの前方向側に移動させる。これにより、気流吹付ノズル100bが被検者の鼻に衝突することなく、検眼ユニット16Cが第2眼検査位置へ移動される。
なお、気流吹付ノズル100bが被検者の鼻に衝突しないように検眼ユニット16Cを第1眼検査位置から第2眼検査位置に移動させる方法は、既述の図22から図24に示した方法に限定されるものではなく、公知の手法を用いてもよい。また、CT検査用の検眼ユニット16C以外に、被検眼Eに向けて突出した突出部を有する各種の検眼ユニット16を第1眼検査位置から第2眼検査位置に移動させる場合にも、上記方法を用いることができる。
[第3実施形態の複合検査装置]
次に、本発明の第3実施形態の複合検査装置10B(図29参照)について説明を行う。上記各実施形態では単体での検査に使用不可能な検眼ユニット16を、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aにそれぞれ着脱自在且つ交換自在に保持させる場合について説明したが、第3実施形態では、単体での検査に使用可能な手持ち式(ハンディタイプ)の検眼ユニット160(図25等参照)を各ユニット保持領域15aにそれぞれ着脱自在且つ交換自在に保持させる。
なお、第3実施形態の複合検査装置10B(図29参照)は、検眼ユニット160を用いる点を除けば、上記各実施形態の複合検査装置10,10Aと基本的に同じ構成であるので、上記第各実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
図25は、KR検査用の検眼ユニット160の正面斜視図である。図26は、SP検査用の検眼ユニット160の正面斜視図である。図27は、CT検査用の検眼ユニット160の正面斜視図である。図28は、図25から図27に示した各検眼ユニット160の背面斜視図である。
図25から図28に示すように、各検眼ユニット160は、被検者が寝ている状態でも眼特性の検査を可能にした手持ち式の検眼装置である。各検眼ユニット160は、前述の検眼ユニット16(検眼ユニット16A,16B,16C)と、ユニット本体部161と、取手部162と、タッチパネル式モニタ163と、を備える。
ユニット本体部161は、複数種の検眼ユニット16の中から選択した検眼ユニット16をその背面側から上下方向(Y軸方向)に挟み込むことにより着脱自在且つ交換自在に保持する。なお、本実施形態では検眼ユニット16とユニット本体部161とは別体であるが、両者が一体化されていてもよい。また、ユニット本体部161に、保持している検眼ユニット16を3軸方向に移動させる位置調整部(不図示)を設けてもよい。なお、この位置調整部(不図示)は、取手部162とユニット本体部161との間に設けられる。
ユニット本体部161の内部には、検眼ユニット160が単体で眼特性の検査を行うために必要な構成が設けられている。なお、この必要な構成とは、例えば既述の図15に示したユニット識別部110、信号取得部113、アライメント検出部114、ユニット移動制御部115、及び解析部116等である。
取手部162(グリップ部ともいう)は、ユニット本体部161の下部に設けられており、検眼ユニット160により単体で眼特性の検査を行う場合に検者により把持される。なお、操作キー及び操作ボタン等の各種の操作部、及び測定を開始するトリガーを発するためのボタンなどを取手部162に設けてもよい。
取手部162の内部には、検眼ユニット160の駆動源となるバッテリ(不図示)が設けられている。また、取手部162には、ユニット本体部161(検眼ユニット16)と、前述のベース12内の制御部37とを電気的に接続するインタフェース(不図示)が設けられている。
タッチパネル式モニタ163は、本発明の表示部に相当し、ユニット本体部161の背面側に取り付けられている。例えばタッチパネル式モニタ163は、不使用時においてその背面側が検者に対向する倒伏位置(図28参照)と、使用時においてその画面側が検者に対向する起立位置(不図示)との間で回転自在になるように、ユニット本体部161の背面側に取り付けられている。なお、タッチパネル式モニタ163の回転軸の方向は、図中に示した方向に限定されるものではない。このタッチパネル式モニタ163は、検眼ユニット160で眼特性の検査を行う際に得られる各種画像及び検査結果を表示する。
図29は、第3実施形態の複合検査装置10Bの外観斜視図である。この複合検査装置10Bでは、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aに互いに異なる検眼ユニット160の取手部162が着脱自在に保持される。具体的には、各ユニット保持領域15aのインタフェース35aに取手部162のインタフェース(不図示)が接続される。これにより、各検眼ユニット160とベース12内の制御部37とが電気的に接続される。
第3実施形態の制御部37は、上記各実施形態の制御部37(図15及び図19参照)と基本的に同じ構成であるが、例えばユニット本体部161内に設けられている構成(ユニット識別部110、信号取得部113、アライメント検出部114、ユニット移動制御部115、及び解析部116等)については省略してもよい。
また、図29中では図示は省略しているが、例えば上記第1実施形態と同様に、二重回転軸14の上面にアーム24を介してタッチパネル式モニタ20を設け、対向位置にセットされている検眼ユニット160で眼特性の検査を行う際に得られる各種画像をタッチパネル式モニタ20に表示させてもよい。また、タッチパネル式モニタ20を設ける代わりに、検眼ユニット160の背面側に設けられているタッチパネル式モニタ163に前述の各種画像を表示させてもよい。
[第3実施形態の効果]
このように第3実施形態の複合検査装置10Bは、複数種の手持ち式の検眼ユニット160が回転ユニット15の各ユニット保持領域15aに着脱自在且つ交換自在に保持される点を除けば、上記各実施形態と基本的に同じであるので、上記各実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第3実施形態の複合検査装置10Bでは、各検眼ユニット160を回転ユニット15から取り外すことにより単体で眼特性の検査を行うことができる。このため、複合検査装置10Bでは、据え置き型の複合検査装置と手持ち式の検査装置とを一台で兼用することができるため、両者を別個に用意する必要がなくなり、装置の購入費用及び設置スペースの双方を低減させることができる。
[第4実施形態の複合検査装置]
図30は、第4実施形態の複合検査装置10Dの概略図である。上記第1実施形態及び第2実施形態では、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aに保持されている3種類の検眼ユニット16の中心角120°であるので、各検眼ユニット16の中心角の合計は360°となり、各検眼ユニット16が円形状を構成する。
これに対して、図30に示すように、第4実施形態の複合検査装置10Dでは、個々の検眼ユニット16の中心角が120°未満であり、回転ユニット15(不図示)に保持されている3種類の検眼ユニット16の中心角の合計も360°未満となる。このため、第4実施形態の各検眼ユニット16は扇形状(ファン形状:fan-shaped)を構成する。なお、第4実施形態の複合検査装置10Dは、3種類の検眼ユニット16が円形状の代わりに扇形状を構成する点を除けば、上記第1実施形態及び第2実施形態と基本的に同じ構成であり、これら各実施形態と同様の効果を有する。
[第5実施形態の複合検査装置]
図31は、第5実施形態の複合検査装置10Dの上面図である。図32は、第5実施形態の複合検査装置10Dを被検者側から見た正面図である。上記各実施形態の複合検査装置10,10A〜10Cでは、回転ユニット15がY軸方向に平行な二重回転軸14(回転中心C)を中心として回転するが、第5実施形態では回転ユニット171がZ軸方向に平行な回転軸170を中心として回転する。なお、第5実施形態では、X軸は本発明の第2軸に相当し、Y軸は本発明の第3軸に相当し、Z軸は本発明の第1軸に相当する。
図31及び図32に示すように、第5実施形態の複合検査装置10Dは、回転軸170と、回転ユニット171と、複数種の検眼ユニット172と、を備える点を除けば、上記第1実施形態及び第2実施形態の複合検査装置10,10Aと基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
回転軸170は、Z軸方向に平行な回転中心C1を中心として、回転ユニット171を回転自在に保持する。この回転軸170の検者側の端部には、前述のアーム24を介してタッチパネル式モニタ20が取り付けられている。なお、回転軸170は、上記各実施形態と同様に二重回転軸構造であり、回転ユニット171及びタッチパネル式モニタ20を互いに相対回転自在に保持する。
回転ユニット171は、筒形状を有しており、その中心を回転軸170が貫通している。この回転ユニット171には、回転中心C1の軸周りに沿って複数(3つ)のユニット保持部171aが設けられている。各ユニット保持部171aには、複数種の検眼ユニット172のいずれかを着脱自在且つ交換自在に保持するZ軸方向に延びた保持穴が形成されている。なお、回転ユニット171は、不図示のユニット移動部により3軸方向に位置調整可能である。
複数種の検眼ユニット172は、前述の各検眼ユニット16とは外観形状が異なる点を除けば、前述の各検眼ユニット16と基本的に同じ構成である。そして、例えば被検眼Eに対してKR検査、SP検査、及びCT検査を行う場合、各ユニット保持部171aの保持穴内に、KR検査用の検眼ユニット172A、SP検査用の検眼ユニット172B、及びCT検査用の検眼ユニット172Cがそれぞれ取り付けられる。
回転ユニット171に着脱自在保持されている各検眼ユニット172は、前述の回転駆動部32により回転ユニット15を回転駆動することにより、被検眼Eに対向する対向位置、すなわち、被検眼Eの検査を行う位置に選択的に移動される。
なお、対向位置は図32中に示した位置に特定に限定されるものではなく、例えば図33に示すように、回転軸170(回転中心C1)の軸周りの任意の位置とすることができる。ここで、図33は第5実施形態での対向位置の変形例を説明するための説明図である。
第5実施形態の複合検査装置10Dの他の構成については、上記第1実施形態及び第2実施形態と基本的に同じである。このため、第5実施形態の複合検査装置10Dについても上記各実施形態と同様の効果が得られる。
[その他]
図34は、第1実施形態の複合検査装置10の変形使用例を説明するための説明図である。上記第1実施形態では、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aの全てに検眼ユニット16が保持されている。これに対して、眼特性の検査の種類が少ない場合(例えば2種類以下の場合)には、図34に示すように、一部のユニット保持領域15aに検眼ユニット16が保持されていなくともよい。なお、他の実施形態についても同様である。
上記第1実施形態では、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aに最大で3種類の検眼ユニット16を保持させることができるが、検眼ユニット16の保持数は2種類或いは4種類以上であってもよい。なお、他の実施形態についても同様である。
上記第1実施形態では、回転ユニット15の各ユニット保持領域15aにそれぞれ任意の検眼ユニット16が保持されるが、ユニット保持領域15aごとに保持する検眼ユニット16の種類(2種類以上でも可)が定められていてもよい。この場合、制御部37は、前述のユニット識別部110の識別結果に基づき、ユニット保持領域15aが予め定められた種類以外の検眼ユニット16を保持している場合、タッチパネル式モニタ20等で警告表示(エラー表示)を行ってもよい。なお、他の実施形態についても同様である。
上記第1実施形態では、被検者から回転ユニット15及び検眼ユニット16が回転する構造が視認可能になっているが、例えば対向位置にセットされた検眼ユニット16を除いて、これら回転ユニット15及び検眼ユニット16をカバーで覆ってもよい。これにより、回転中の回転ユニット15等に対する被検者の指の挿入を防ぐことができる。なお、他の実施形態についても同様である。
上記各実施形態では、回転駆動部32により回転ユニット15を回転させているが、例えば回転ユニット15の回転を検者が手動操作で行ってもよい。なお、タッチパネル式モニタ20(内側回転軸14a)の回転機構は、自動回転機構又は手動回転機構のいずれであってもよい。
上記各実施形態の複合検査装置10,10A,10B,10C,10Dは検眼ユニット16を含んで構成されているが、検眼ユニット16を除いて構成されていてもよく、すなわち、検眼ユニット16を除いた状態で提供することも可能である。
上記各実施形態では、内側回転軸14aの上面にアーム24を介してタッチパネル式モニタ20(表示部)を取り付けているが、アーム24を介さずに内側回転軸14aの上面にタッチパネル式モニタ20を直接(第1取付軸25aを介してもよい)取り付けてもよい。また、内側回転軸14aの上端が各検眼ユニット16の上面よりも上方に延びている(突出している)場合には、内側回転軸14aの延出(突出)部分の側面にタッチパネル式モニタ20を取り付けてもよく、タッチパネル式モニタ20の取付位置は特に限定されるものではない。
上記各実施形態では、本発明のユニット保持部として回転ユニット15を例に挙げて説明したが、外側回転軸14bと一体に各検眼ユニット16を回転可能に保持するユニット保持部であればその形状及び構造は特に限定されるものはない。例えば、外側回転軸14bの外周に、各検眼ユニット16を直接保持するユニット保持部(保持構造)を設けてもよい。この場合には、回転ユニット15を省略することができる。
上記各実施形態では、複合検査装置に対する検眼ユニットの装着及び交換を検者(ユーザ)が行っているが、ユーザが検眼ユニットの交換等を行うことができず、ユーザの希望に従って工場(メーカ)又はサービスマンのみが交換等を行うことが可能な仕様(構造)になっている場合も本発明を適用することができる。