JP6098487B2 - シングルドラム型巻取機のステーションモータの制御装置及び方法並びにプログラム - Google Patents

シングルドラム型巻取機のステーションモータの制御装置及び方法並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、シングルドラム型巻取機のステーションモータの制御装置及び方法に関し、詳しくは、巻取ロールがシート状材料を巻き取る巻取速度を目標巻取速度に到達させるために実施するステーションモータの制御に関する。
図9は一般的なシングルドラム型巻取機の構成を示す図である。シングルドラム型巻取機は、アンワインダ1の送出ロール2から連続的に送り出される紙(シート状材料)3をスリッタ4によって流れ方向に複数に裁断し、裁断された紙3を巻取ステーション5で個別の巻取ロール7に巻き取るように構成される。巻取ステーション5では、巻取ロール7を1つのワインダドラム6に押し付けながら、巻取ロール7のコア8をステーションモータ9によって回転駆動することによって、巻取ロール7に紙3を巻き取っていくことが行われる。なお、図示は省略するが、ワインダドラム6と送出ロール2はそれぞれにモータで回転駆動されており、それらのモータはステーションモータ9と協調制御されている。
ここで、従来行われている巻取開始時のステーションモータの制御方法について図10を参照して説明する。図10に示すグラフは、横軸が時間で、縦軸が巻取速度とステーションモータ9の回転数である。従来の制御方法によれば、停止状態から一定の加速レートで巻取速度を上昇させていくことが行われる。そして、巻取速度が所定の判定速度に達した時点で、ステーションモータ9の回転数が許容回転数を超えないかどうかの判定が行われる。このとき、許容回転数を超えないとの判定がなされた場合には、グラフ中に点線で示すように、そのまま一定の加速レートで目標巻取速度まで巻取速度を上昇させていくことが行われる。しかし、許容回転数を超えるとの判定がなされた場合には、グラフ中に実線で示すように、巻取速度を一旦一定の保持速度で保持し、ステーションモータ9の回転数が低下するのを待つことが行われる。一定の巻取速度で紙を巻き取る場合、巻取ロール7の巻径が拡大するのに伴って巻取ロール7の回転数、すなわち、ステーションモータ9の回転数はグラフ中に二点鎖線で示すように次第に低下していく。そして、再加速した場合でもステーションモータ9の回転数が許容回転数を超過しない回転数まで低下した時点で、再び一定の加速レートで巻取速度を上昇させていくことが行われる。
以上述べた従来の制御方法について、図11に示すフローチャートに基づきより詳細に説明する。従来の制御方法では、まず、事前定義として、判定速度、判定回転数、及び再加速回転数が定義される。判定速度は、ステーションモータ9の回転数が許容回転数を超えないかどうかの判定を実行するタイミングをはかるために用いる巻取速度である。判定回転数は、ステーションモータ9の回転数が許容回転数を超えないかどうかの判定に用いる回転数である。再加速回転数は、保持していた巻取速度を再び上昇させるタイミングをはかるために用いる回転数である。
ステップS101では、停止状態から加速が開始され、予め設定された加速レートで巻取速度を上昇させるようにステーションモータ9の回転数が制御される。ステップS102では、巻取速度と事前定義された判定速度との比較が行われる。巻取速度が判定速度に達するまで繰り返し比較が行われ、巻取速度が判定速度に達したらステップS103の処理が実行される。ステップS103では、ステーションモータ9のモータ回転数と事前定義された判定回転数との比較が行われる。モータ回転数が判定回転数よりも小さい場合には、以降のステップは全てスキップされ、巻取速度が目標巻取速度に到達するまでステップS101で設定された加速レートが維持される。
ステップS103の判定でモータ回転数が判定回転数以上の場合には、ステップS104の処理が行われる。ステップS104では、後述するS字制御を経て巻取速度を一定の保持速度で保持するようにモータ回転数の制御が行われる。
ここで、保持速度は以下のようにして算出される。まず、一定の加速レートで目標巻取速度まで巻取速度を上昇させたときのモータ回転数を計算する。巻取長をL(m)、目標巻取速度をV(m/min)、加速時間をT(s)、紙厚をσ(m)、巻取径をDm(m)、コア径をDs(m)、モータ回転数をN(min-1)、そしてギヤ比をGとすると、以下の3つの演算式が得られる。
L=V×T/60/2
L=π/4/σ×(Dm2−Ds2
V=π×Dm×N/G
上記の演算式により、目標巻取速度に達したときのモータ回転数を計算することができる。演算式にはパラメータとして紙厚が含まれていることから、紙厚の違いによって目標巻取速度に達したときのモータ回転数にも違いが生じることが予想される。ここで、目標巻取速度を3000m/minに設定し、目標巻取速度まで加速させた際のモータ回転数の計算結果を図12の表3に示す。表3に示す計算結果は、機械条件として許容回転数を5000min-1、コア径を110mm、ギヤ比を2.49とすることで得られた結果である。この計算結果からは、紙厚の違いによって加速途中に巻取速度の保持が必要になる場合とならない場合とがあることが分かる。具体的には、紙厚が67μm以下の場合には、モータ回転数が許容回転数を超過してしまうため加速途中に巻取り速度を保持することが必要である。許容回転数を超過しない限界の巻取速度、すなわち、保持速度は、前記の演算式により1150m/minと算出される。図12の表4には、巻取速度が1150m/minになった時のモータ回転数を紙厚ごとに計算した結果を示している。この計算結果から分かるように、巻取速度を1150m/minで一旦保持することにより、最低紙厚48μmにおいてもモータ回転数は許容回転数よりも低い値にとどめられている。
ステップS104による保持指令後は、製品へ影響を与えないように判定速度から保持速度まで滑らかに速度を可変するS字制御に入る。S字制御中の変化速度は次式から算出される。
S字制御中変化速度(m/min)=1/2×加速率(m/min/s)×S字制御時間(s)
=1/2×3000m/min/100s×10s
=150m/min
表4で示した許容回転数を超過しない限界の巻取速度1150m/minに対し、S字制御中の変化速度150m/minを考慮することで、判定速度を1000m/minと定義することができる。図12の表5には、巻取速度が1000m/minになった時のモータ回転数を紙厚ごとに計算した結果を示している。表3より、紙厚が67μm以下の場合は許容回転数を超過することが判っている。表5より、加速途中に巻取速度が判定速度である1000m/minに達した時、紙厚が67μmの場合のモータ回転数は4189.2min-1である。よって、モータ回転数が許容回転数を超過しないことを示す判定回転数を4189.2min-1と定義することができる。したがって、巻取速度が判定速度である1000m/minに達した時、モータ回転数が判定回転数である4189.2min-1以上になっていれば、巻取速度を保持速度である1150m/minに保持する。
再びフローチャートに戻り、ステップS105の処理について説明する。ステップS105では、モータ回転数と事前定義された再加速回転数との比較が行われる。モータ回転数が再加速回転数よりも大きい場合には、再びステップS104に戻って保持速度での運転が継続される。
ステップS105の判定でモータ回転数が再加速回転数以下の場合には、ステップS106の処理が行われる。ステップS106では、ステップS101で再加速が開始され、ステップS101で設定された加速レートで巻取速度を目標巻取速度まで上昇させるようにステーションモータ9の回転数が制御される。
ここで、再加速を開始するモータ回転数、すなわち、再加速点は以下のようにして算出される。図13には横軸に時間を取り縦軸に巻取速度を取ったグラフが示されている。このグラフ中のA部の面積は巻取開始から再加速点までの巻取長に相当し、B部の面積は再加速点から目標巻取速度到達時点までの巻取長に相当している。目標巻取速度到達時点の巻取長は以下の演算式から算出することができる。以下の演算式では、目標巻取速度をV(m/min)、目標巻取速度到達時の巻取径をDm(m)、モータ回転数の許容回転数をNm(min-1)、ギヤ比をG、目標巻取速度到達時の巻取長をL(m)、紙厚をσ(m)、コア径をDs(m)とする。
V=π×Dm×Nm/G
L=π/4/σ×(Dm2−Ds2
前述の機械条件と計算結果とを用いると、上記の演算式から、許容回転数で目標巻取速度到達時の巻取長は、3509.4mと算出される。図14は巻取ロール7の断面の模式図である。算出された巻取長は、図中のコア表面からロール表面までのドーナツ状の領域の面積を紙厚で除して得られる長さであり、これは図13におけるA部とB部の面積の和に相当する。
次に、保持状態から目標巻取速度まで加速した際の巻取長(図13のB部の面積)を以下の演算式から算出する。以下の演算式では、加速レートをα(m/min/s)、巻取速度をV(m/min)、加速時間をT(s)、再加速時間をT2(s)、目標巻取速度をVm(m/min)、保持速度をVs(m/min)、再加速中巻取長をL2(m)とする。
α=V/T
T2=(Vm−Vs)/α
L2=(Vm+Vs)×ΔT/60/2
前述の機械条件と計算結果とを用いると、上記の演算式から、再加速点から目標巻取速度到達時点までの巻取長は、2132.6mと算出される。巻取開始から再加速点までの巻取長(図13のA部の面積)は、図13におけるA部とB部の面積の和からB部の面積を引いたものなので、3509.4m−2132.6m=1376.8mとなる。この時点での回転数、つまり、再加速開始判定のための再加速回転数は、以下の演算式から算出することができる。以下の演算式では、再加速するまでの巻取長をL1(m)、紙厚をσ(m)、再加速点での巻取径をDm2(m)、コア径をDs(m)、再加速回転数をNj(min-1)、ギヤ比をGとする。
L1=π/4/σ×(Dm22−Ds2
V=π×Dm2×Nj/G
前述の機械条件と計算結果とを用いると、上記の演算式から、再加速を開始する判定基準となる再加速回転数は、2938.2min-1と算出される。したがって、保持速度1150m/minにて運転中にモータ回転数が2938.2min-1以下に低下したら再加速を開始し、巻取速度を目標巻取速度へ到達させる。
図15は、従来の制御方法による巻取速度とモータ回転数の各時間変化を計算し、その計算結果をグラフで表示したものである。このグラフに示す計算結果では、一定の加速レートによる加速の途中、巻取速度が判定速度である1000m/minに到達した時点において、モータ回転数は判定回転数である4189.2min-1以上になっている。このため、巻取速度は一旦一定の速度に保持され、モータ回転数が再加速回転である2938.2min-1以下に低下した時点で再加速が開始されている。
図15に示す計算結果から分かるように、従来の制御方法では、巻取ステーション5のモータ回転数が許容回転数を超過しないように、事前定義に基づく判定により、加速途中での巻取速度の保持と保持速度からの再加速とが行われる。事前定義される各パラメータは、実際に設定されている加速時間や銘柄ごとに異なる実際の紙厚に関係なく、最短加速時間と最小紙厚とを想定した最も厳しい条件にて定義されている。このため、想定と異なる加速時間で運転される場合や想定と異なる紙厚の紙を巻き取る場合には、図15に示すような非効率な運転サイクルでの運転が行われることになり、巻取開始から目標巻取速度に到達するまでの時間が長くなる。
なお、シート状材料を巻き取るモータの制御に関する先行技術としては、本発明の出願時点において下記の特許文献1が知られている。
特許第2507549号公報
以上説明したとおり、従来の制御方法には、運転サイクルが非効率になるという問題が有る。そして、それを改善することがシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御に関する一つの課題である。
本発明は、上述のような課題に鑑みなされたもので、シングルドラム型巻取機においてシート状材料の巻取速度を目標巻取速度まで速やか且つ滑らかに上昇させることのできるステーションモータの制御装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
上記目的の達成のため、本発明に係るシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御装置は、巻取ロールに巻き取られるシート状材料の巻取速度が目標巻取速度に到達するまで、設定された加速レートで巻取速度を変化させるよう前記巻取ロールを駆動するステーションモータを制御する制御回路と、前記ステーションモータの回転数が許容回転数を超過しない加速レートを現在巻取速度と現在回転数とに基づいて演算する加速レート演算回路と、加速の途中に、前記制御回路に対して設定する加速レートを前記加速レート演算回路によって演算された加速レートに切り換える加速レート切換回路とを備えることを特徴とする。
本発明に係るシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御装置においては、前記加速レート切換回路は、加速の途中に複数回、加速レートの切り換えを行うように構成されていることが好ましい。また、前記加速レート切換回路は、前記ステーションモータの回転数の増加量に基づいて加速レートの切り換えを行うように構成されていることも好ましい。
また、上記目的の達成のため、本発明に係るシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御方法は、巻取ロールに巻き取られるシート状材料の巻取速度を予め設定した加速レートで変化させるよう前記巻取ロールを駆動し、加速の途中に、前記予め設定した加速レートから新たな加速レートに切り換える手順と、前記ステーションモータの回転数が許容回転数を超過しない加速レートを現在巻取速度と現在回転数とに基づいて演算して前記新たな加速レートとして設定する手順とを実行することを特徴とする。
本発明に係るシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御方法においては、前記新たな加速レートから更新された新たな加速レートに切り換える手順をさらに実行することが好ましい。また、加速レートの切り換えは前記ステーションモータの回転数の増加量に基づいて実行されることが好ましい。
また、上記目的の達成のため、本発明に係るプログラムは、シングルドラム型巻取機のステーションモータの制御のためのプログラムであって、巻取ロールに巻き取られるシート状材料の巻取速度を予め設定した加速レートで変化させるよう前記巻取ロールを駆動し、加速の途中に、前記予め設定した加速レートから新たな加速レートに切り換える手順と、前記ステーションモータの回転数が許容回転数を超過しない加速レートを現在巻取速度と現在回転数とに基づいて演算して前記新たな加速レートとして設定する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明に係るプログラムにおいては、前記新たな加速レートから更新された新たな加速レートに切り換える手順を前記コンピュータにさらに実行させることが好ましい。また、前記コンピュータに前記ステーションモータの回転数の増加量に基づいて加速レートの切り換えを実行させることがより好ましい。
本発明によれば、巻取開始時には予め設定した加速レートで巻取速度を変化させるようにステーションモータの制御が行われるが、加速の途中で、予め設定した加速レートから新たな加速レートへの切り換えが行われる。新たな加速レートは、ステーションモータの回転数が許容回転数を超過しないように、現在巻取速度と現在回転数とに基づいて演算される。現在巻取速度と現在回転数との関係はシート状材料の厚さによって変わることから、加速レートの演算に現在巻取速度と現在回転数とを用いることによって、現在使用されているシート状材料の厚さに応じた加速レートを得ることができる。よって、本発明によれば、加速の途中により適切な加速レートへの切り替えが行われるので、シート状材料の巻取速度を目標巻取速度まで速やか且つ滑らかに上昇させることができる。
本発明が適用されるシングルドラム型巻取機の構成を示す図である。 本発明によるステーションモータの制御方法を説明する図である。 本発明の実施の形態で実行される加速レートの演算の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態で実行される加速レートの切り換えの手順を示すフローチャートである。 加速レートの演算に用いる式4の巻取長ΔLについて説明する図である。 加速レートの演算に用いる式5の巻取長ΔLについて説明する図である。 比較例による計算加速データと本発明の実施の形態による計算加速データとを示す図である。 本発明の実施の形態による巻取速度及びモータ回転数の時間変化を示すタイムチャートである。 従来のシングルドラム型巻取機の構成を示す図である。 従来のステーションモータの制御方法を説明する図である。 従来の巻取開始時のステーションモータの制御の手順を示すフローチャートである。 従来の制御方法によるモータ回転数の計算結果を示す図である。 従来の制御方法による再加速点の算出方法について説明する図である。 従来の制御方法による巻取長の算出方法について説明する図である。 従来の制御方法による巻取速度及びモータ回転数の時間変化を示すタイムチャートである。
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明が適用されるシングルドラム型巻取機の構成を示す図である。図1において従来のシングルドラム型巻取機と共通する要素には、図9で用いた符号と同一の符号を付している。それら共通要素についての説明は省略或いは簡略する。図1に示すシングルドラム型巻取機は、ステーションモータ9の回転数に応じた信号をするモータ回転数センサ10を備えている。また、ワインダドラム6を駆動するモータ11を備え、その回転数に応じた信号を出力するモータ回転数センサ12を備えている。ただし、これらのセンサ10,12やモータ11は従来のシングルドラム型巻取機にも備えられている(図9では省略)。本実施の形態では、このような構成を有するシングルドラム型巻取機のステーションモータ9を制御するプログラムロジックコントローラ(以下、制御装置という)13に本発明が適用される。
本実施の形態において制御装置13により行われる巻取開始時のステーションモータの制御方法について図2を参照して説明する。図2に示すグラフは、横軸が時間で、縦軸が巻取速度とステーションモータ9の回転数である。巻取速度はワインダドラム6の周速に一致し、これはモータ回転数センサ12の信号から計算することができる。ステーションモータ9のモータ回転数はモータ回転数センサ10の信号から計算することができる。本実施の形態の制御方法によれば、従来の制御方法と同様、停止状態から予め設定した加速レートで巻取速度を上昇させていく。しかし、グラフ中に点線に示すように、そのまま一定の加速レートで目標巻取速度まで加速させた場合、モータ回転数が許容回転数を超えてしまう可能性がある。そこで、グラフ中に実線に示すように、加速の途中で加速レートを切り換えることが行われる。切り換え後の新たな加速レートは、モータ回転数が許容回転数を超過することのない範囲の上限の加速レートに設定される。本実施の形態の制御方法によれば、この新たな加速レートは、切り換え時点における現在巻取速度と現在モータ回転数とに基づいて演算される。さらに、本実施の形態では、モータ回転数が所定量増加するごとに、その時点での現在巻取速度と現在モータ回転数とに基づき演算された新たな加速レートへの切り換えが行われる。このように加速の途中に加速レートの切り換えを行うことにより、グラフ中に二点鎖線で示すようにモータ回転数を許容回転数まで単調に増加させながら、グラフ中に実線で示すように巻取速度を目標巻取速度まで単調に増加させることができる。
以上述べた本実施の形態の制御方法について、図3及び図4に示すフローチャートに基づきより詳細に説明する。図3に示すフローチャートは加速レートの演算の手順を示し、 図4に示すフローチャートは加速レートの切り換えの手順を示している。コンピュータである制御装置13のメモリには、各フローチャートに対応するルーチンが1つのプログラムとなって記憶されている。そのプログラムが制御装置13のプロセッサにより実行されることにより、図3及び図4に示す各手順が並列に実施されて本実施の形態の制御方法が実現される。また、図3に示す手順が実施されることにより、制御装置13は加速レート演算回路として機能し、図4に示す手順が実施されることにより、制御装置13は制御回路及び加速レート切換回路として機能する。
図3に示すフローチャートのステップS11では、予め設定された加速レートが初期値として読み込まれる。ステップS12では、新たな加速レートが演算される。新たな加速レートは、現在巻取速度、目標巻取速度、目標巻取速度到達までの時間、及び巻取長の一般算出式を用いて演算される。
現在巻取速度は、以下の式1から算出することができる。以下の式1では、現在巻取速度をVs(m/min)、現在巻取径をDs(m)、現在モータ回転数をNs(min-1)、ギヤ比をGとする。
Vs=π×Ds×Ns/G ・・・式1
目標巻取速度は、以下の式2から算出することができる。以下の式2では、目標巻取速度をVm(m/min)、目標巻取速度到達時の巻取径をDm(m)、モータ回転数(許容回転数)をNm(min-1)、ギヤ比をGとする。式2は、目標巻取速度到達時にモータ回転数が許容回転数に達するとの前提にたって作成されている。
Vm=π×Dm×Nm/G ・・・式2
現在巻取速度から目標巻取速度到達までの時間は、以下の式3から算出することができる。また、現在巻取速度から目標巻取速度到達までの巻取長は、以下の式4及び式5からそれぞれ算出することができる。以下の各式では、現在巻取速度から目標巻取速度到達までの時間をΔT(s)、加速レートをα(m/min/s)、現在巻取速度から目標巻取速度到達までの巻取長をΔL(m)、紙厚をσ(m)とする。
ΔT=(Vm−Vs)/α ・・・式3
ΔL=(Vm+Vs)×ΔT/60/2 ・・・式4
ΔL=π/4/σ×(Dm2−Ds2) ・・・式5
図5には横軸に時間を取り縦軸に巻取速度を取ったグラフが示されている。このグラフ中の斜線部分の面積は現在巻取速度から目標巻取速度到達までの巻取長に相当し、式4で算出される巻取長はこれを表している。図6は巻取ロール7の断面の模式図である。式5で算出される巻取長は、図中のコア表面からロール表面までのドーナツ状の領域の面積を紙厚で除して得られる長さである。式4で算出される巻取長と式5で算出される巻取長とは一致する。
式1から式5までを組み合わせることにより、現在巻取速度と現在モータ回転数とを変数として加速レートを演算する式を得ることができる。ステップS12では、この演算式を用いて、モータ回転数センサ12の信号から計算した現在巻取速度とモータ回転数センサ10の信号から計算した現在モータ回転数とに基づき新たな加速レートを演算する。現在巻取速度と現在回転数との関係は製品の紙厚によって変わることから、加速レートの演算に現在巻取速度と現在回転数とを用いることによって、現在巻き取っている製品の紙厚に応じた加速レートを自動的に得ることができる。ステップS12で算出される加速レートは、目標巻取速度に到達した時点でモータ回転数が許容回転数に達する加速レートであり、現時点において許容回転数を超過せずに目標巻取速度に到達させることができる上限の加速レートである。
再び図3に示すフローチャートに戻って説明を続ける。次のステップS13では、巻取速度と目標巻取速度との比較が行われる。巻取速度が目標巻取速度に達するまでステップS12の処理が繰り返し実行され、そのたびに新たな加速レートが演算される。そして、巻取速度が目標巻取速度に達したら本フローチャートによる処理は終了する。
図4に示すフローチャートのステップS21では、停止状態から加速が開始され、予め設定された加速レートで巻取速度を上昇させるようにステーションモータ9の回転数が制御される。ステップS22では、前回の加速レートの切り換えからのモータ回転数の増加量と予め設定された一定回転数との比較が行われる。加速レートの切り換えが未だ行われていない場合、判定のためのモータ回転数の増加量として停止状態からの増加量が用いられる。モータ回転数の増加量が一定回転数に達するまで繰り返し比較が行われ、モータ回転数の増加量が一定回転数に達したらステップS23の処理が実行される。ステップS23では、加速レートの更新、すなわち、図3に示すフローチャートにしたがって演算された新たな加速レートへの切り換えが行われる。切り換え後は、新たな加速レートで巻取速度を上昇させるようにステーションモータ9の回転数が制御される。
そして、ステップS24では、巻取速度と目標巻取速度との比較が行われる。巻取速度が目標巻取速度に達するまでステップS22及びS23の処理が繰り返し実行され、そのたびに新たな加速レートへの切り換えが行われる。そして、巻取速度が目標巻取速度に達したら本フローチャートによる処理は終了する。
なお、加速レートの切り換えを複数回行うことには技術的な意味がある。ステップS12で実行する演算によれば、現在巻取速度及び現在モータ回転数に基づいてモータ回転数が許容回転数を超過しない加速レートを算出することができる。しかし、加速レートの計算精度は、計算に用いる現在巻取速度や現在モータ回転数の精度に依存する。現在巻取速度及び現在モータ回転数はいずれもモータ回転数センサ10,12の信号から得られる値であるため、これらセンサの検出誤差等の影響によりそれら値にも誤差が含まれている可能性がある。現在巻取速度等の誤差について考慮するならば、加速レートの切り換え後にモータ回転数が許容回転数を超過する可能性が無いとは言えないし、許容回転数に対して無駄な余裕が生じてしまう可能性もある。そこで、本実施の形態では、モータ回転数が所定回転数増加するごとに加速レートを再度更新することにより、現在巻取速度等の誤差の影響をできるだけ小さくするようにしている。
次に、本実施の形態の制御方法による効果を計算結果に基づいて説明する。まず、比較例による計算加速データを図7の表1に示す。比較例では、目標巻取速度に達するまで一定の加速レートで巻取速度を上昇させている。その結果、巻取りの終盤ではモータ回転数が許容回転数である5000.0min-1を超えることになっている。これに対し、本実施の形態の制御方法によれば、図7の表2に示す計算加速データを得られる。比較例と本実施の形態の制御方法とでは、制御ロジック以外の条件は全て等しくされている。本実施の形態の制御方法によれば、加速の途中で加速レートが30.00m/min/sから21.03m/min/sに切り換えられている。その結果、巻取速度を目標巻取速度である3000m/minまで単調に上昇させても、モータ回転数は許容回転数である5000.0min-1を超えることはない。
図8は、図7の表2に示す計算加速データをグラフで表示したものである。このグラフから分かるように、本実施の形態の制御方法によれば、モータ回転数を許容回転数まで単調に上昇させながら、巻取速度を目標巻取速度まで速やか且つ滑らかに上昇させることができる。このような効率的な運転サイクルでステーションモータ9を制御することにより、従来の制御方法に比較して巻取開始から目標巻取速度に到達するまでの時間を短くすることができ、結果として、製品の巻き取りに要する総作業時間を従来よりも短縮することが可能となる。よって、本発明によれば、加速の途中により適切な加速レートへの切り替えが行われるので、シート状材料の巻取速度を目標巻取速度まで速やか且つ滑らかに上昇させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、実施の形態ではモータ回転数が所定回転数増加するごとに加速レートの切り替えを行っているが、所定時間経過するごとに加速レートの切り替えを行ってもよい。つまり、切り換えのタイミングをモータ回転数の増加量ではなく経過時間ではかってもよい。ただし、経過時間でタイミングをはかる場合には、加速レートの大小によって切り替え回数が増減する。これに対し、モータ回転数の増加量でタイミングをはかる場合には、加速レートの大小によらず必ず所定回数の切り替えを行うことができるという利点がある。
1 アンワインダ
2 送出ロール
3 紙(シート状材料)
4 スリッタ
5 巻取ステーション
6 ワインダドラム
7 巻取ロール
8 コア
9 ステーションモータ
10 モータ回転数センサ
11 ワインダドラムのモータ
12 モータ回転数センサ
13 制御装置(プログラムロジックコントローラ)

Claims (9)

  1. 巻取ロールに巻き取られるシート状材料の巻取速度が目標巻取速度に到達するまで、設定された加速レートで巻取速度を変化させるよう前記巻取ロールを駆動するステーションモータを制御する制御回路と、
    前記ステーションモータの回転数が許容回転数を超過しない加速レートを現在巻取速度と現在回転数とに基づいて演算する加速レート演算回路と、
    加速の途中に、前記制御回路に対して設定する加速レートを前記加速レート演算回路によって演算された加速レートに切り換える加速レート切換回路と、
    を備えることを特徴とするシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御装置。
  2. 前記加速レート切換回路は、加速の途中に複数回、加速レートの切り換えを行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御装置。
  3. 前記加速レート切換回路は、前記ステーションモータの回転数の増加量に基づいて加速レートの切り換えを行うように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御装置。
  4. 巻取ロールに巻き取られるシート状材料の巻取速度を予め設定した加速レートで変化させるよう前記巻取ロールを駆動し、加速の途中に、前記予め設定した加速レートから新たな加速レートに切り換える手順と、
    ステーションモータの回転数が許容回転数を超過しない加速レートを現在巻取速度と現在回転数とに基づいて演算して前記新たな加速レートとして設定する手順と、
    を実行することを特徴とするシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御方法。
  5. 前記新たな加速レートから更新された新たな加速レートに切り換える手順をさらに実行することを特徴とする請求項4に記載のシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御方法。
  6. 加速レートの切り換えは前記ステーションモータの回転数の増加量に基づいて実行されることを特徴とする請求項4又は5に記載のシングルドラム型巻取機のステーションモータの制御方法。
  7. シングルドラム型巻取機のステーションモータの制御のためのプログラムであって、
    巻取ロールに巻き取られるシート状材料の巻取速度を予め設定した加速レートで変化させるよう前記巻取ロールを駆動し、加速の途中に、前記予め設定した加速レートから新たな加速レートに切り換える手順と、
    前記ステーションモータの回転数が許容回転数を超過しない加速レートを現在巻取速度と現在回転数とに基づいて演算して前記新たな加速レートとして設定する手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  8. 前記新たな加速レートから更新された新たな加速レートに切り換える手順を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記コンピュータに前記ステーションモータの回転数の増加量に基づいて加速レートの切り換えを実行させることを特徴とする請求項7又は8に記載のプログラム。
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