JP6098091B2 - 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、テレビ、パソコンモニタ、携帯電話等の携帯端末などに使用されるフラットパネルディスプレイや、面発光光源、照明、発光型広告体などとして、幅広い用途が期待される有機EL素子を用いた有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法に関する。
有機EL(Electro-Luminescence)素子は、広視野角、応答速度が速い、低消費電力などの利点から、ブラウン管や液晶ディスプレイに替わるフラットパネルディスプレイとして期待されている。
有機EL素子は、少なくともどちらか一方が透光性を有する二枚の電極層(陽極層と陰極層)の間に、有機発光媒体層を挟持した構造であり、両電極間に電圧を印加し電流を流すことにより有機発光媒体層で発光が生じる自発光型の表示素子である。しかし、有機EL素子は、大気中の水分や酸素の影響により劣化するといった問題がある。このため、有機EL素子を乾燥剤を内包した金属缶やガラスキャップで覆い、大気から遮断する封止方法(キャップ封止)が一般的に用いられている。
ところが、上述の中空構造によるキャップ封止では、機械的強度が弱い、大型化が困難、ガラスキャップの場合には加工コストが高くなる等のデメリットがある。このため、平板状の封止基板と有機EL素子を形成した素子基板との間を樹脂により充填する固体封止が提案されている。
キャップ封止では、金属缶やガラスキャップの内部に貼り付けた乾燥剤により封止性能が確保される。一方、固体封止においては、有機EL素子上に無機封止層を形成することで、外部から浸入した水分によるEL素子の劣化が防止される。無機封止層に要求される特性としては、透湿性が低いこと、有機EL素子へダメージを与えないために膜応力が低いこと、無機封止層自身にピンホールや、有機EL素子上の異物に由来する亀裂等が無いこと、また有機EL素子がトップエミッション型の場合には、透過率が高いことが挙げられる。
このような要求を満たすために、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)により形成したシリコン窒化物やシリコン酸窒化物を、無機封止層として用いることが試みられている。CVDにより形成した無機封止層により、所望の封止性能を得ることが可能となる。しかしながら、所望の封止性能を得るためには一般的に無機封止層を3〜5μm程度の厚みで成膜する必要があり、生産性やコストの観点から必ずしも好適とは言えない。
外部からの水分を遮断して、有機EL素子の劣化を防止する別の方法として、有機ELパネルの側面に無機封止層を形成する方法が提案されている(下記の特許文献1、2参照)。
図4は、特許文献1の電界発光素子(以下、有機EL素子30と適宜称する)の構成例を示す断面図である。有機EL素子30は、素子基板31、第一電極層32と有機発光媒体層33と第二電極層34とが順に積層されて成る有機電界発光層35、有機充填層36及び封止基板37を備えることが記載されている。さらに、有機EL素子30は、有機充填層36の側面を覆うように形成された無機封止層38を備えることが記載されている。
特許文献1の有機EL素子30では、有機充填層36の側面を覆うように形成された無機封止層38により、側面からの水分の浸入が抑制されることが記載されている。また、素子基板31に垂直な断面において、無機封止層38は有機充填層36側に凸の弓形状面とすることで、有機充填層36の膨張に伴う無機封止層38への応力を分散して無機封止層38の損傷が抑制されることが記載されている。
図5は、特許文献2の有機EL装置(以下、有機EL装置40と適宜称する)の構成例を示す断面図である。有機EL装置40は、素子基板41、有機EL素子42、有機EL素子42を覆う第一封止層43、有機充填層44及び封止基板45と、有機充填層44の側面を覆うように形成された第二封止層46とを備えることが記載されている。
特許文献2の有機EL装置40では、有機EL素子42上にプラズマCVDを用いて第一封止層43が形成されている。また、第二封止層46は特許文献1と同様に、ポリシラザン溶液を塗布することにより、有機充填層44の側面に形成される。第二封止層46は、塗布プロセスにより形成されるため、真空プロセスにより形成される第一封止層43と比べて比較的欠陥が発生しにくい。このため、有機EL装置40において、第一封止層43の膜厚が薄く、また、第一封止層43に欠陥が発生していたとしても、第二封止層46とで二重に保護することで、有機EL素子42の水分による劣化を抑制できることが記載されている。
特開2009−259690号公報 特開2011−40347号公報
特許文献1の有機EL素子30では、無機封止層38が、ポリシラザンを任意の有機溶剤で溶解し液状に調製したもの(以下、ポリシラザン溶液)を、シリンジ等の任意の膜形成装置で有機充填層36の側面と素子基板31と封止基板37とに接するように切れ目なく塗布を行なった後、乾燥及び硬化させることで形成される。しかしながら、このような方法で無機封止層38を形成する場合、ハジキが生じ、無機封止層38にピンホールが発生して、そこから水分が浸入して有機EL素子の劣化を引き起こすおそれがある。
そして、無機封止層38形成前のユニットを断裁してから、ポリシラザン溶液を有機充填層36の側面に塗布するまでの間は、有機充填層36の側面から水分が浸入し、有機充填層36内にとりこんだ水分が有機EL素子30の信頼性に影響を与えるおそれがある。
また、特許文献2の有機EL装置40では真空プロセスで第一封止層43を形成しており、生産性やコストの観点で好適ではないことに変わりはない。
さらに、特許文献1の有機EL素子30及び特許文献2の有機EL装置40は、ともにユニットを裁断したパネルの側面にポリシラザン溶液を塗布するため、生産性が低いという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、内部への水分浸入を抑制し、表示性能や信頼性の低下が抑制されるとともに、高い生産性を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法を提供することにある。
上述の課題に対し、本発明の請求項に係る発明は、絶縁基板の表面に、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程と、
封止基板の表面に、水分吸収剤と樹脂材料とからなる吸湿接着材料を閉ループ形状で塗布又は印刷する工程と、
前記封止基板の表面に、前記吸湿接着材料を取り囲み、かつ該吸湿接着材料との間に間隔をあけた閉ループ形状に、樹脂材料を塗布又は印刷する工程と、
前記吸湿接着材料にて囲まれた閉領域に、有機充填材を塗布又は滴下する工程と、
前記吸湿接着材料と前記接着材料とに囲まれた閉領域に、無機材料を含む溶液を塗布又は滴下する工程と、
無機材料を含む溶液を塗布又は滴下した後に、前記絶縁基板の前記有機エレクトロルミネッセンス素子形成面と、前記封止基板の前記有機充填材付着面とを、前記有機エレクトロルミネッセンス素子が前記有機充填材に覆われるように対向させて、前記素子基板及び前記封止基板を貼り合せる工程と、
前記無機材料を含む溶液を硬化させて無機封止層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法である。
上述の課題に対し、本発明の請求項に係る発明は、前記無機材料を含む溶液がポリシラザンを含有する溶液であり、前記ポリシラザンを含有する溶液を乾燥させることにより前記無機封止層を形成することを特徴とする。
発明の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法では、水分バリア性に優れた無機封止層の形成工程のほとんどを、素子基板と封止基板との貼り合わせ工程に含めることができる。
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子の劣化を防止し、高い表示性能や高信頼性を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルを得ることができる。また、本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネルは、高い生産性を有する。
本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネルの一構成例を示す断面図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造工程の一例を示す上面図及び断面図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造工程の一例を示す上面図及び断面図である。 特許文献1に記載された電界発光素子の構成を示す断面図である。 特許文献2に記載された有機EL装置の構成を示す断面図である。
1.有機エレクトロルミネッセンスパネルの構成
以下、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンスパネル(以下、有機ELパネルと適宜称する)の構成について、図1を用いた一実施形態に基づいて説明する。以下の一実施形態では、図1に示すトップエミッション構造を有する有機ELパネル10について説明する。しかしながら、本発明に係る有機ELパネルの構成はこれに限定されるものではない。また、本発明に係る有機ELパネルは、ボトムエミッション構造や両面発光構造を有するものとしてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る有機ELパネル10の一実施形態を示す断面図である。本発明の有機ELパネル10は、素子基板11と、素子基板11上に設けられた第一電極層12と有機発光媒体層13と第二電極層14とからなる複数の有機EL素子と、有機充填層16と、吸湿シール層18と、無機封止層19と、最外周シール層20とを備えている。
第二電極層14は、素子基板11上にパターン形成された複数の第一電極層12と、第一電極層12上に形成された複数の有機発光媒体層13とを覆うように形成される。また、第一電極層12及び有機発光媒体層13は、隔壁15によって区画され、各画素に対応した画素電極となる。有機充填層16は、第一電極層12、有機発光媒体層13及び第二電極層14からなる有機EL素子を大気と遮断するための層である。吸湿シール層18は、素子基板11と封止基板17とを固着し、有機ELパネル10内部への水分の浸透を抑制するとともに、素子基板11と封止基板17との真空貼り合せ時に、有機充填層16及び無機封止層19のダム材となる層である。無機封止層19は、吸湿シール層18の側面を被覆し、有機EL素子を外気から遮断するための保護層である。最外周シール層20は、素子基板11と封止基板17との真空貼り合せ時に、無機封止層19のダム材となる層である。
素子基板11は、例えばガラスやプラスチックフィルムなどの絶縁性を有する基板からなる。図1ではトップエミッション型の有機ELパネル10について説明しているが、有機ELパネル10が基板側から発光を取り出すボトムエミッション型の場合には、素子基板11の材料として透光性のある材料が用いられる。透光性のある素子基板11の材料としては、ガラス、石英、又はポリエーテルサルフォンもしくはポリカーボネート等のプラスチックフィルムが用いられる。
アクティブマトリックス方式の有機ELパネル10を形成する場合には、素子基板11として、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が形成された駆動用基板が用いられる。薄膜トランジスタとしては、公知の薄膜トランジスタが用いられる。薄膜トランジスタとしては、具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層、半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート電極から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの半導体層は、例えば、ポリチオフェンやポリアニリン、銅フタロシアニンやペリレン誘導体、アモルファスシリコンやポリシリコン、又は金属酸化物からなる。
薄膜トランジスタの構造は、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、ボトムゲート型、トップゲート型、コプレーナ型等である。また、素子基板11のどちらかの面に、カラーフィルタ層や光散乱層、光偏光層等が設けられていてもよい。
第一電極層12は、仕事関数の高い材料により形成されることが好ましく、ITO(インジウムスズ複合酸化物)もしくはインジウム亜鉛複合酸化物、又は亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物、金又は白金などの金属材料、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した樹脂材料等からなる。第一電極層12は、上述の材料のいずれか一種からなる単層構造であってもよく、上述の材料のいずれか一種からなる層が複数積層された積層構造であってもよい。有機ELパネル10はトップエミッション型であるため、第一電極層12として正孔注入性と反射性を備えるには、第一電極層12が銀(Ag)やアルミニウム(Al)のような金属材料の上にITO膜が積層されて構成されることが好ましい。
第一電極層12の膜厚は、有機ELパネル10の素子構成により最適値が異なるが、単層、積層にかかわらず、好ましくは10nm以上1000nm以下であり、より好ましくは、10nm以上300nm以下である。
隔壁15は、絶縁性を有する感光性材料からなる。感光性材料は、ポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよい。隔壁15は、例えばポリイミド系材料、アクリル樹脂系材料、ノボラック樹脂系材料、フルオレン系材料等からなる。また、隔壁15は、有機ELパネル10の表示品位を上げる目的で、上述の感光性材料に光遮光性材料や撥水剤を含有させた材料で形成されてもよい。さらに、隔壁15を形成後にプラズマや紫外線を照射して、隔壁15に対してインクに対する撥液性を付与してもよい。隔壁15が十分な絶縁性を有さない場合には、隔壁15を介して隣り合う第一電極層12及び有機発光媒体層13からなる画素電極に電流が流れてしまい、有機ELパネル10に表示不良が発生したり、TFTの誤作動により適正な表示ができないことがある。
隔壁15の厚みは、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。隔壁15が薄すぎると、隣接画素間でのリーク電流やショートが発生しやすくなる。また、異なる発光色を有する有機発光材料を溶媒に溶解又は分散させた有機発光インキを用いて画素ごとに塗り分けをおこなう場合、有機発光インキの混色防止の効果が得にくくなる。隔壁15が厚すぎると、有機ELパネル10の厚みが必要以上に大きくなってしまう。
有機発光媒体層13は、電圧の印加によって発光する有機発光層を含む。有機発光媒体層13は、有機発光層から成る単層構造であっても良く、有機発光層の表面に、発光効率を向上させる発光補助層を積層した積層構造であっても良い。発光補助層は、例えば正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層である。
有機発光層は、既存の蛍光発光材料や燐光発光材料、例えば、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラ−トシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリスピロなどの高分子材料、又はこれら高分子材料に前記低分子材料の分散又は共重合した材料等からなる。
正孔輸送層は、銅フタロシアニン、テトラ−tert−ブチルフタロシアニン銅等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、CuO、Cr、Mn、FeO(x〜0.1)、NiO、CoO、Pr、AgO、MoO、Bi、ZnO、TiO、SnO、ThO、V、Nb、Ta、MoO、WO、MnOなどの無機材料、その他既存の正孔輸送材料等からなる。
また、有機発光媒体層13は、有機発光層と正孔輸送層との間にインターレイヤ層が形成されたものであってもよい。インターレイヤ層は、電子ブロック層として働く層である。インターレイヤ層が有機発光層と正孔輸送層の間に形成されることにより、有機EL素子の発光寿命が向上する。トップエミッション型の有機ELパネル10では、第一電極層12上に、正孔輸送層、インターレイヤ層及び有機発光層が順に積層されて有機発光媒体層13が形成される。
インターレイヤ層は、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの芳香族アミンを含むポリマー等からなる。
電子輸送層は、2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等の電子輸送材料からなる。
電子注入層は、上述の電子輸送材料に、ナトリウムやバリウム、リチウムといった仕事関数が低いアルカリ金属、アルカリ土類金属を少量ドープした材料とからなる。
有機発光媒体層13の膜厚は、単層又は積層により形成する場合においても、1000nm以下であり、好ましくは50〜200nm程度である。
第二電極層14は、有機発光媒体層13への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質からなる。具体的に、第二電極層14は、Mg,Al,Yb等の金属単体や、安定性・導電性の高いAlやCuの有機発光媒体層13側面にBa、Ca、Liやその酸化物、フッ化物等の化合物からなる厚さ1nm程度の層を形成した金属積層体で形成される。また、有機発光媒体層13への電子注入効率と第二電極層14の安定性とを両立させるために、第二電極層14が、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素とからなる合金で形成されてもよい。このような合金としては、具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等が使用できる。
第二電極層14側から光を取り出す、いわゆるトップエミッション型の有機ELパネル10では、第二電極層14が透光性を有する材料で形成されることが好ましい。この場合、第二電極層14は、仕事関数が低いLi,Caからなる薄膜層の表面に、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物を積層した構成としてもよく、有機発光媒体層13に、仕事関数が低いLi,Caなどの金属を少量ドーピングして、ITOなどの金属酸化物を積層してもよい。
第二電極層14の厚さは、特に制限はないが、10nm以上1000nm以下程度であることが好ましい。また、第二電極層14を透光性電極層として利用する場合でCaやLiなどの金属材料を用いるときの第二電極層14の厚さは、0.1nm以上10nm以下程度であることが好ましい。
有機充填層16は、液状もしくはグリース状のシリコンオイル、フッ素オイル等からなることが好ましい。また、有機充填層16が、熱硬化型樹脂又は紫外線硬化型樹脂等の樹脂材料で形成されていてもよい。
封止基板17は、素子基板11と同様の材料を用いることができる。トップエミッション型の有機ELパネル10に用いる封止基板17は、透明な材料からなることが好ましい。また、フリットガラスの加熱のためにレーザー光を透過させる場合には、用いるレーザーの波長に対して透過性のある材料を用いる必要がある。
吸湿シール層18は、熱硬化型のエポキシ系接着剤又はアクリル系接着剤、紫外線硬化型のエポキシ系接着剤又はアクリル系接着剤等の接着剤、又はその他の接着剤に、水分吸収剤を混合させた吸湿接着材料からなる。水分吸収剤は、例えば、化学的に水分を吸着する酸化カルシウム、酸化バリウム等、又は物理的に水分を吸着するシリカゲルやゼオライト等が好ましい。これらの水分吸収剤は、単独で、もしくは二種類以上を混合して用いることができる。水分吸収剤の粒子径は、1μm以上5μm以下程度であることが好ましい。
無機封止層19は、有機EL素子を外気から保護するための保護層である。無機封止層19は、無機材料からなり、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属酸化物、フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム等の金属フッ化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化炭素などの金属窒化物、酸窒化ケイ素などの金属酸窒化物、炭化ケイ素などの金属炭化物などが用いられる。特に、無機封止層19として、水分バリア性に優れた窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素を用いることが好ましい。また、無機封止層19としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜と無機材料膜との積層膜が用いられてもよい。さらに、無機封止層19としては、高分子樹脂膜と無機材料膜とともに、アルミニウム、チタン、金などの金属膜を積層した積層膜が用いられてもよい。
最外周シール層20は、熱硬化型のエポキシ系接着剤又はアクリル系接着剤や、紫外線硬化型のエポキシ系接着剤又はアクリル系接着剤等の接着材料からなる。吸湿シール層18が熱硬化型接着剤で形成される場合には、最外周シール層20が熱硬化型接着剤で形成され、吸湿シール層18が紫外線硬化型接着剤で形成される場合には、最外周シール層20が紫外線熱硬化型接着剤で形成されることが好ましい。吸湿シール層18に用いる吸湿接着材料と、最外周シール層20に用いる接着材料とを、一度の工程で硬化することができるためである。
同様に、有機充填層16が熱硬化型樹脂で形成される場合には、吸湿シール層18及び最外周シール層20が熱硬化型接着剤で形成され、有機充填層16が紫外線硬化型樹脂で形成される場合には、吸湿シール層18及び最外周シール層20が紫外線熱硬化型接着剤で形成されることが好ましい。
2.有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法
上述した本発明に係る有機ELパネル10の製造方法を、図2(a)〜図2(j)及び図3(a)〜図3(b)を用いた一実施形態に基づいて説明する。なお、図2(a)〜図2(j)では、4枚の有機ELパネル10を同時に作製する場合の製造方法の一例を示す。
まず、素子基板11を準備する。このとき、素子基板11に対してあらかじめ加熱処理を行うことにより、素子基板11の内部あるいは表面の水分を極力低減させておくことが好ましい。また、素子基板11上に積層される材料の密着性を向上させるために、素子基板11に対して材料に応じた超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線オゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
アクティブマトリックス方式の有機ELパネル10を形成する場合には、基板上に薄膜トランジスタを形成した駆動用基板(図示せず)を素子基板11として用いる。薄膜トランジスタを形成する場合には、薄膜トランジスタ上に平坦化層を形成する。有機EL素子の下部電極(第一電極層12)は、平坦化層上に形成する。
続いて、素子基板11上に第一電極層12を形成する。第一電極層12は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などにより形成する。
基板上に薄膜トランジスタを形成した場合には、薄膜トランジスタを有機ELパネル10のスイッチング素子として機能するように、薄膜トランジスタのドレイン電極と、有機ELパネルの各画素を構成する有機EL素子の第一電極層12とを電気的に接続する。薄膜トランジスタとドレイン電極と有機ELパネルの第一電極層12との接続は、平坦化層を貫通するコンタクトホールを形成し、コンタクトホール内に形成された接続配線を介して行うことが好ましい。
第一電極層12を形成後、隣接する陽極パターンの間にフォトリソグラフィ法により隔壁15を形成する。さらに詳しくは、感光性樹脂組成物を基板に塗布し、感光性樹脂組成物を所望の形状にパターン露光し、感光性樹脂組成物を現像し、残存した感光性樹脂組成物を焼成して隔壁15を形成する。
隔壁15を形成する感光性樹脂組成物は、スピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて塗布することができる。感光性樹脂組成物のパターン露光及び現像には、従来公知の露光、現像方法を用いることができる。所望のパターンに形成した感光性樹脂組成物の焼成には、オーブン、ホットプレート等での従来公知の焼成方法を用いることができる。
隔壁15は、画素に対応した発光領域を区画するように形成する。一般的にアクティブマトリクス駆動型の表示装置は各画素に対して第一電極層12が形成され、それぞれの画素ができるだけ広い面積を占有しようとするため、第一電極層12の端部を覆うように形成される隔壁15を格子状に形成することが最も好ましい。
また、隔壁15を多段状に形成してもよい。その場合には、基板上の全面に形成されたSiOやSiNからなる絶縁性の無機膜を、フォトリソグラフィにより画素を区切る格子状に形成して1段目の隔壁15とする。そして、1段目の隔壁15上に感光性樹脂組成物からなる2段目の隔壁15をフォトリソグラフィにより形成して、2段目の隔壁15とする。
続いて、第一電極層12上に有機発光媒体層13を形成する。有機発光媒体層13は、材料に応じて、真空蒸着法や、スリットコート、スピンコート、スプレーコート、ノズルコート、フレキソ印刷、グラビア印刷、凹版オフセット印刷、凸版オフセット印刷などのコーティング法や印刷法、インクジェット法などにより形成することができる。
続いて、第二電極層14を形成する。第二電極層14は材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いて形成することができる。
次に、図2(a)〜図2(j)及び図3(a)〜図3(b)を用いて、第一電極層12、有機発光媒体層13及び第二電極層14からなる有機EL素子を設けた素子基板11と封止基板17とを貼り合わせる方法について説明する。以下の工程では、素子基板11と封止基板17とを、有機充填層16、吸湿シール層18、無機封止層19及び最外周シール層20を介して貼り合わせる。
図2(a)及び図2(b)に示すように、まず、ディスペンサもしくはスクリーン印刷により、封止基板17上に水分吸収剤が混合されたエポキシ系接着剤等の吸湿接着材料18aを閉ループ形状で塗布又は印刷する。図2(b)は、図2(a)に示す吸湿接着材料18aを設けた封止基板17のA−A’断面を示す断面図である。
図2(c)及び図2(d)に示すように、閉ループ形状で塗布又は印刷された吸湿接着材料18aにて囲まれた閉領域に、フッ素オイル等の有機充填材16aを塗布又は滴下する。図2(d)は、図2(c)に示す有機充填材16a塗布後の封止基板17のB−B’断面を示す断面図である。
図2(e)及び図2(f)に示すように、エポキシ系接着剤等の接着材料20aを、吸湿接着材料18aを取り囲み、かつ吸湿接着材料18aと少し間隔があいた位置に閉ループ形状で塗布又は印刷する。なお、接着材料20aは、吸湿接着材料18aにて囲まれた閉領域に有機充填材16aを塗布又は滴下する前に形成されてもよい。図2(f)は、図2(e)に示す接着材料20aを設けた封止基板17のC−C’断面を示す断面図である。
図2(g)及び図2(h)に示すように、封止基板17上に設けた吸湿接着材料18aと接着材料20aとに囲まれた閉領域に、無機材料溶液19aをディスペンサ等を用いて塗布又は滴下する。無機材料溶液19aとしては、アルコキシシランとパーヒドロポリシラザンを不活性有機溶剤にて溶解してなるポリシラザン溶液等が用いられ、例えばアートブリード株式会社製OlamZ又はOlamOZが好適である。図2(h)は、図2(g)に示す無機材料溶液19a塗布後の封止基板17のD−D’断面を示す断面図である。
続いて、図2(i)及び図2(j)に示すように、真空中にて、有機EL素子を形成した素子基板11と封止基板17とを貼り合せる。図2(j)は、図2(i)に示す素子基板11と封止基板17とを貼り合せたユニットのE−E’断面を示す断面図である。このとき、素子基板11の有機EL素子形成領域と封止基板17の有機充填材16a塗布領域とが対向するようにして素子基板11と封止基板17とを貼り合せる。この後、素子基板11と封止基板17とを貼り合せたユニットを大気中に取り出し、加熱又は紫外線照射を行うことにより、吸湿接着材料18a及び接着材料20aを硬化させる。これにより、吸湿シール層18及び最外周シール層20が形成される。
なお、有機EL素子を形成した素子基板11と封止基板17と吸湿シール層18とで密閉された空間に封入された有機充填材16aは、有機充填層16に該当する。有機充填材16aがシリコンオイル、フッ素オイル等の液状もしくはグリース状の材料からなる場合には、有機充填層16は吸湿シール層18形成後においても液状もしくはグリース状である。一方、有機充填材16aが紫外線硬化型樹脂もしくは熱硬化型樹脂からなる場合には、有機充填層16は固体状となる。
続いて、図3(a)に示すように、吸湿接着材料18a及び接着材料20aを硬化させたユニットを分割してパネルを得る。パネルは、図2(i)及び図2(j)に示すユニットに切れ目を入れ(スクライブ)、分割する(ブレイク)ことにより得られる。図3(b)は、図3(a)に示すパネルのF−F’断面を示す断面図である。
このようなパネルを大気中にて常温放置あるいは加熱することにより、無機封止層19を形成する。具体的には、最外周シール層20として、水蒸気透過率が比較的高いアクリル系樹脂や、樹脂に多孔質材料を添加して水蒸気透過率を高めたもの、樹脂自体に水蒸気透過率の高い官能基や共重合部位を有するものなどを用いることにより、最外周シール層20を通してポリシラザン溶液を硬化させるための水分を大気中から添加することができる。
最外周シール層20を透過した水分とポリシラザン溶液とは下記の反応を起こし、無機封止層19であるシリカ膜が吸湿シール層18と最外周シール層20との隙間を満たした状態で形成される。
Figure 0006098091
また、ポリシラザン溶液は硬化収縮のない無溶剤タイプを用いることが望ましい。
以上のようにして作製した本発明の一実施形態に係る有機ELパネル10は、素子基板11と封止基板17とに挟まれた有機充填層16の側面が、水分吸収剤を含む吸湿シール層18、水分バリア性に優れた無機封止層19とで覆われている。このため、無機封止層19が有機ELパネル10内部への水分浸入を防止し、無機封止層19に生じた小さなピンホールや亀裂等から水分が浸入した場合であっても、吸湿シール層18中の水分吸収剤が水分を化学的又は物理的に吸着する。したがって、本発明の一実施形態に係る有機ELパネル10では、水分の影響で有機EL素子の劣化が防止される。
また、本発明の一実施形態に係る有機ELパネル10の製造方法では、水分バリア性に優れた無機封止層19の形成工程のほとんどを、素子基板11と封止基板17との貼り合わせ工程に含めることができる。このため、素子基板11と封止基板17との貼り合わせ後に、パネル外周へのポリシラザン溶液等の塗布工程を設ける必要がなく、高い生産性を得ることができる。
以下、本発明の有機ELパネルを実施例及び比較例によりさらに説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない
〔実施例1〕
素子基板として、第一電極層、取り出し電極、TFT回路を保護するためのSiNx層からなる無機絶縁層、及び無機絶縁層上に形成された画素を仕切るためのポリイミドからなる隔壁が形成された基板を用いた。
第一電極層上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物からなる正孔輸送層をスピンコート法により20nm厚で形成した。
正孔輸送層上に、有機発光材料であるポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシロキシ)―1,4−フェニレンビュレン]をトルエンに溶解させた有機発光溶液をスピンコート法により塗布した。続いてトルエンを揮発させて有機発光層を、正孔輸送層と合わせて80nm厚で形成し、有機発光層と正孔輸送層とからなる有機発光媒体層13を形成した。
有機発光媒体層上に、Ba及びAlからなる金属膜を、抵抗加熱蒸着法によりそれぞれ5nm厚、100nm厚で順に形成し、第二電極層を形成した。
封止基板に、吸湿接着材料である酸化カルシウムを混合したアクリル系紫外線硬化接着剤を閉ループ形状に塗布し、さらに閉ループ形状に塗布した紫外線硬化接着剤内にフッ素オイルを塗布した。アクリル系紫外線硬化接着剤及びフッ素オイルは、ディスペンサを用いて塗布を行った。
続いて、閉ループ形状に塗布した紫外線硬化接着剤の外側に、少し間隔をおいてアクリル系紫外線硬化接着剤を閉ループ形状に塗布した。そして、吸湿接着材料である酸化カルシウムを混合したアクリル系紫外線硬化接着剤と、アクリル系紫外線硬化接着剤との間に、ポリシラザン溶液を滴下した。
真空貼り合せ機を用い、素子基板の有機EL素子形成面と封止基板のフッ素オイル塗布面とを有機EL素子がフッ素オイルに覆われるように対向させた後、素子基板と封止基板とをチャンバ圧力30Paにて貼り合せた。その後、紫外線照射装置にて、紫外線を紫外線線量5000mJ/cmで照射してアクリル系紫外線硬化接着剤を硬化させ、素子基板と封止基板とを固着させた。
アクリル系紫外線硬化接着剤を硬化させた真空貼り合せユニットにスクライブ、ブレイクを行ない、有機ELパネルを切り出した。この後、有機ELパネルに対して60℃で加熱処理を行った。
このようにして得た実施例1の有機ELパネル(画素数が960×540)を、温度60℃、相対湿度90%の環境下に1000時間保存したところ、気泡や画素欠陥の発生は見られなかった。
〔比較例1〕
吸湿接着材料である酸化カルシウム混合アクリル系紫外線硬化接着剤の代わりに、酸化カルシウムを混合しないアクリル系紫外線硬化接着剤を用いた以外は実施例1と同様にして有機ELパネルを作製した。比較例1の有機ELパネルを、温度60℃、相対湿度90%の環境下に700時間保存したところ、吸湿接着材料を硬化させた吸湿シール層18近傍の画素にてダークスポットの発生が見られた。また、保存時間が1000時間を経過した後は、隣接画素までダークスポットが拡大した。
〔比較例2〕
ポリシラザン溶液の滴下を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様にして有機ELパネルを作製した。比較例2の有機ELパネルを、温度60℃、相対湿度90%の環境下に500時間保存したところ、外部からの水の浸入と見られる欠陥(ダークエリア)が発光表示エリア角部から発生した。また、保存時間が1000時間を経過した後は、さらにダークエリアが拡大した。
10…有機EL素子(本発明)
11…素子基板
12…第一電極層
13…有機発光媒体層
14…第二電極層
15…隔壁
16…有機充填層
16a…有機充填材
17…封止基板
18…吸湿シール層
18a…吸湿接着材料
19…無機封止層
20…最外周シール層
20a…接着材料
30…有機EL素子(従来例)
31…素子基板
32…第一電極層
33…有機発光媒体層
34…第二電極層
35…有機電界発光層
36…有機充填層
37…封止基板
38…無機封止層
40…有機EL装置(従来例)
41…素子基板
42…有機EL素子
43…第一封止層
44…有機充填層
45…封止基板
46…第二封止層

Claims (2)

  1. 絶縁基板の表面に、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程と、
    封止基板の表面に、水分吸収剤と樹脂材料とからなる吸湿接着材料を閉ループ形状で塗布又は印刷する工程と、
    前記封止基板の表面に、前記吸湿接着材料を取り囲み、かつ該吸湿接着材料との間に間隔をあけた閉ループ形状に、樹脂材料を塗布又は印刷する工程と、
    前記吸湿接着材料にて囲まれた閉領域に、有機充填材を塗布又は滴下する工程と、
    前記吸湿接着材料と前記接着材料とに囲まれた閉領域に、無機材料を含む溶液を塗布又は滴下する工程と、
    無機材料を含む溶液を塗布又は滴下した後に、前記絶縁基板の前記有機エレクトロルミネッセンス素子形成面と、前記封止基板の前記有機充填材付着面とを、前記有機エレクトロルミネッセンス素子が前記有機充填材に覆われるように対向させて、前記素子基板及び前記封止基板を貼り合せる工程と、
    前記無機材料を含む溶液を硬化させて無機封止層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  2. 前記無機材料を含む溶液がポリシラザンを含有する溶液であり、前記ポリシラザンを含有する溶液を乾燥させることにより前記無機封止層を形成することを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
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