JP6097206B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
動作により演出を行う可動演出装置(M1)を備えた遊技機において、
前記可動演出装置(M1)は、
設置部(32)に配設された駆動手段(55)に連繋し、該駆動手段(55)の駆動によって第1位置および第2位置の間で往復移動する支持部材(44)と、
前記支持部材(44)に回転可能に支持され、回転軸周りに複数の意匠面(39a,40a)が設けられた可動体(30)と、
前記支持部材(44)の移動に伴って前記可動体(30)を回転させる回転機構(59)とを備え、
前記回転機構(59)により前記可動体(30)を回転することで意匠面(39a,40a)が切り替るよう構成され、
前記回転機構(59)は、
前記可動体(30)に設けられたピニオン(52)と、
前記ピニオン(52)の移動経路上に設けられて前記支持部材(44)の移動方向に延在し、前記ピニオン(52)が噛合可能なラック(60)とを備え、
前記ピニオン(52)の移動経路上に、該ピニオン(52)が前記ラック(60)と噛合しない領域が設けられていることを要旨とする。
また、支持部材と共に移動する可動体を簡単な構成で回転させることができる。
前記ピニオン(52)に設けられ、該ピニオン(52)の歯部(81)に対して軸方向に偏倚して位置する回転契機当接部(82)と、
前記ラック(60)に設けられて前記回転契機当接部(82)が当接可能な規制部(84)とを備え、
前記支持部材(44)と共に移動するピニオン(52)の前記回転契機当接部(82)が規制部(84)に当接することを契機に該ピニオン(52)の回転が開始されてラック(60)に噛合するよう構成されることを要旨とする。
上記構成によれば、ピニオンに設けた回転契機用当接部が規制部に当接することで、可動体の回転を確実に開始させることができる。
前記可動体(30)には、前記支持部材(44)の第1位置で前側を向く第1意匠面(39a)および該支持部材(44)の第2位置で前側を向く第2意匠面(40a)が設けられ、
前記支持部材(44)に対して可動体(30)を第1意匠面(39a)が前側を向く方向に回転付勢する付勢手段(58)を備えることを要旨とする。
上記構成によれば、ラックとピニオンとの噛合状態が解除された際に、可動体を第1意匠面が前側を向く姿勢に確実に戻すことができる。
前記可動体(30)は、前記支持部材(44)に吊下げ支持されると共に、該可動体(30)の下端部は、前記設置部(32)に形成されて支持部材(44)の移動方向に延在するガイド溝(37)に遊挿されていることを要旨とする。
上記構成によれば、吊下げ支持した可動体の下端部をガイド溝に遊挿したので、該可動体における移動時の挙動は画一的なものとはならず、動作の興趣を高めることができる。
遊技球が流下可能な遊技領域(21a)が前側に設けられる遊技盤(20)に、開口部(27a)から図柄表示装置(17)の表示部(17a)を前側に臨ませる枠状装飾体(27)が配設され、前記可動体(30)は、前記表示部(17a)の前側に位置するように設けられると共に、該可動体(30)は、枠状装飾体(27)の開口部縁部側の第1位置と該第1位置より開口部中央側の第2位置との間を移動するよう構成されることを要旨とする。
上記構成によれば、図柄表示装置の表示部で行われる表示演出と可動体の動作演出との組み合わせによって興趣を向上し得る。
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、全体として縦長の矩形状に構成されており、遊技者がパチンコ機10の前面に向かう姿勢でパチンコ遊技を行うことができるよう、パチンコ球の発射操作を行うための操作ハンドル16が前面右下部に設けられている。このパチンコ機10には、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤20の後側に、図柄を変動表示可能な図柄表示装置17(図1参照)が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明板(透明部材)13aを窓部に備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。また実施例では、前記図柄表示装置17としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
本実施例では、所定板厚の略矩形状に形成されたアクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材等からなる透明な平板状の板状部材21と、該板状部材21の裏側に着脱自在に取付けられる設置部材22とから前記遊技盤20が構成されている。板状部材21の表面には、略円形状に湾曲形成された案内レール23が配設され、該案内レール23によってパチンコ球が流下可能な遊技領域21aが画成されている。そして、該遊技領域21a内に、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出され、該遊技領域21a内をパチンコ球が流下して遊技が行われる。また、板状部材21の遊技領域21a内には、多数の遊技釘が植設されており、該遊技釘との接触により遊技領域21aを流下するパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成してある。なお、板状部材21をベニア板等から形成してもよい。
前記板状部材21の中央には、前後に貫通する大型の貫通孔21b(図6参照)が形成されており、該貫通孔21bに対して前後に開口する枠状の枠状装飾体(所謂センター役物)27が嵌め込まれるように着脱可能に配設される。そして、前記設置部材22の開口部22a(後述)から臨む前記図柄表示装置17の表示部17aは、枠状装飾体27における前後に開口する窓口(開口部)27aを介して板状部材21(遊技盤20)の前側に露出して、該図柄表示装置17の表示部17aで展開される図柄変動演出を前側から視認し得るようになっている。
前記設置部材22は、図4,図6に示す如く、前記板状部材21の外郭形状より僅かに小さい形状に形成された略矩形状の背面板(設置部)28と、該背面板28の外周縁部から前方に突出する画壁部29とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部29の開口前端部を板状部材21の裏面に当接させた状態で、当該板状部材21と設置部材22とがネジ止め固定される。そして、前記設置部材22において前記板状部材21との間に画成される空間に、動作により演出を行う複数の可動演出装置M1,M2,M3,M4が設置されて、設置部材22を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。前記設置部材22の背面板28には、前記枠状装飾体27の窓口27aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部22aが前後に開口するよう開設される。そして、背面板28の裏面に配設した前記図柄表示装置17の表示部17aが、前記開口部22aおよび窓口27aを介して板状部材21の前側に臨むようになっている。なお、以下の説明では、設置部材22の背面板28について、開口部22aに対する上下左右の各部位を、上板部28a,下板部28b,左板部28c,右板部28dと指称して区別する場合もある。
図5に示すように、前記設置部材22の背面板28における開口部22aの左側前面(左板部28cの前面)に、第1可動演出装置M1が配設されると共に、背面板28における開口部22aの右側前面(右板部28dの前面)に、第2可動演出装置M2が配設されている。第1可動演出装置M1および第2可動演出装置M2は、左右対称であるので、第1可動演出装置M1の構成について説明し、第2可動演出装置M2については第1可動演出装置M1と同じ部材に同一の符号を付して詳細説明は省略する。
前記第1可動演出装置M1は、前記背面板28の前面における上板部28aの左隅部から左板部28cおよび下板部28bにかけて配設されて、第1可動体30が移動自在に支持される支持基体(設置部)32を備える。この支持基体32は、上板部28aの前面に重なる駆動系取付部33と、該駆動系取付部33から下方に延在して左板部28cの前面に重なる発光取付部34と、該発光取付部34の下端に連設されて下板部28bの前面に重なるガイド部35とを備え(図7,図8参照)、これら各部33,34,35が対応する板部28a,28b,28cにネジ止め固定されている。駆動系取付部33に、レール部材36が左右方向に延在するように配設されると共に、ガイド部35には、レール部材36と平行に延在するガイド溝37が形成されており、支持基体32に対して第1可動体30は、レール部材36およびガイド溝37で案内されて背面板28の前面に沿って左右方向に往復移動自在に支持される。
前記支持基体32の前側に移動自在に支持される前記第1可動体30は、図8,図11,図12に示す如く、該第1可動体30の往復移動方向と交差する上下方向に長尺な第1意匠体39および第2意匠体40と、両意匠体39,40の間に収容された発光基板41とを備える。第1および第2意匠体39,40は、上下方向に延在する板部材と、該板部材の外周縁から板面と直交するように突出する側壁とからトレー状に形成された部材であって、両意匠体39,40の側壁の突出端同士を当接した状態でネジ止め固定することで、両意匠体39,40の間に第2収容空間S2が画成されるようになっている。
前記第1意匠体39は、全体が光透過性に構成された部材であって、裏面(第2収容空間S2に臨む面)にダイヤモンドカット等の光拡散加工が施されている。また、第1意匠体39の裏面に、該裏面の略全体を覆う透明なカバー部材46が配設されると共に、該第1意匠体39における第1意匠面39a(表面)の上下方向の中間位置に装飾部品47が配設されている。そして、第1意匠体39の第1意匠面39aにおける装飾部品47を挟む上下位置に、前記第2可動体31が夫々配設されている。また、第1可動体30の第2収容空間S2に収容されて第2意匠体40の裏面(第2収容空間S2に臨む面)に配設された発光基板41には、第1意匠体39の裏面(具体的にはカバー部材46の裏面)と対向する面に、複数のLED等の第1発光体41aが実装されており(図11参照)、該第1発光体41aを点灯することで、第1意匠体39に向けて光が照射されるよう構成される。前記カバー部材46には、ダイヤモンドカット等の光拡散加工が施されており、第1発光体41aから照射された光を、カバー部材46および第1意匠体39に施された光拡散加工によって拡散することで、該第1意匠体39の第1意匠面全体を明輝させ得るよう構成されている。
前記第2意匠体40は、全体が非光透過性に構成されると共に、図11,図12に示す如く、上下方向に離間して複数(実施例では2つ)の開口40bが表裏方向に貫通して形成されており、各開口40bは、該第2意匠体40の裏側に配設された透光性を有するレンズ体48で塞がれている。前記第1可動体30に収容された前記発光基板41における第2意匠体40の裏面と対向する面には、各レンズ体48と対応する位置に複数のLED等の第2発光体41bが実装されており、該第2発光体41bを点灯することで、各レンズ体48に向けて光が照射されるよう構成される。なお、実施例では、上下のレンズ体48,48がレンズ保持体49に一体に設けられており、該レンズ保持体49を第2意匠体40の裏面にネジ止め固定することで、各レンズ体48が対応する開口40bを塞ぐ位置に位置決めされるようになっている。
前記支持基体32の駆動系取付部33は、図13,図14に示す如く、前記上板部28aにおける左端(背面板28の左上隅)から前記背面板28に開設した開口部22aの左開口縁より右方に延在している。この駆動系取付部33に配設されて左右方向に延在する前記レール部材36に、前記支持部材44が移動自在に支持されている。この支持部材44は、図11,図12に示す如く、左右方向に長尺な矩形板状の部材であって、該支持部材44の上辺に、所定長さで第1ラック44aが設けられると共に、該支持部材44の右端部(長手方向の一端部)に、前記取着部材45を介して前記第1支持軸部42が回転可能に支持されている。具体的には、第1支持軸部42は、図8に示す如く、前記取着部材45に垂設した固定軸50に回転自在に外嵌した抜け止め部材51と、該抜け止め部材51に一体的に回転するように連結したピニオン52とから構成され、第1可動体30は、第1支持軸部42を介して支持部材44の取着部材45に回転自在に吊下げ支持されている。
前記第1支持軸部42のピニオン52に、図8に示す如く、上方に延出する円筒状のスリーブ部52aが設けられており、該スリーブ部52aに、一端が取着部材45に係合すると共に他端がピニオン52に係合する付勢手段としてのねじりコイルバネ58が巻かれており、該ねじりコイルバネ58によって第1可動体30は、常には第1姿勢となる方向に回転付勢されるようになっている。実施例では、前記ピニオン52に設けた規制片52b(図13,図14参照)が、支持部材44に設けたストッパ44bに当接することで第1可動体30が第1姿勢に保持されるよう構成されており、ねじりコイルバネ58は規制片52bをストッパ44bに当接する向きに第1可動体30を回転付勢するよう構成してある。なお、ストッパ44bに規制片52bが当接した状態で、第1可動体30の平面視において反時計方向への回転は許容されるようになっており、ピニオン52と後述する回転用ラック60との噛合作用下に、第1可動体30が第1姿勢から第2姿勢への姿勢変化が可能に構成してある。
前記支持部材44に支持された第1可動体30は、支持部材44の移動に伴って回転機構(切替機構)59により回転されて、前記第1姿勢と第2姿勢とに変化するよう構成される。回転機構59は、第1可動体30に設けた前記ピニオン52と、前記支持基体32の駆動系取付部33に設けられて該ピニオン52に噛合可能な回転用ラック(ラック)60とから構成される。回転用ラック60は、支持部材44の移動に伴って移動するピニオン52の移動経路上において、該支持部材44の移動方向(左右方向)に所定長さで延在している。具体的には、図9に示す如く、回転用ラック60は駆動系取付部33における右端に偏った位置(第1可動体30の第2位置側に偏った位置)に設けられており、前記支持部材44が第1位置から第2位置に向けて所定距離移動した後に、該回転用ラック60にピニオン52が噛合するよう構成される(図15,図16参照)。そして、回転用ラック60にピニオン52が噛合した状態で更に支持部材44が第2位置に向けて移動することで第1可動体30は、前記第1意匠体39の第1意匠面39aが前側を向く第1姿勢(図15)から第2意匠体40の第2意匠面40aが前側を向く第2姿勢(図16(b))に反転するよう構成されている。また、回転用ラック60にピニオン52が噛合した状態で支持部材44が第2位置から第1位置に向けて移動することで第1可動体30は、第2姿勢から第1姿勢に反転する。すなわち、回転用ラック60にピニオン52が噛合した状態で支持部材44が左右方向に往復移動することで、第1可動体30が所要角度範囲で正逆回転して前側を向く意匠面39a,40aが切り替わるようになっている。実施例では、第1可動体30が第1姿勢から第2姿勢に反転した位置が第2位置となっている。
前記第1可動体30に配設される各第2可動体31は、前記第1意匠体39における第1意匠面側(表面側)に、該第1可動体30の回転軸方向と交差する方向に延在する作動軸61を介して回転自在に支持されている。第2可動体31は、図7,図17に示す如く、作動軸61が配設された基部31aに、作動軸61の径方向に所定長さで延出する延出部31bを設けた砲塔を模した形状に形成されている。図10に示す如く、第2可動体31の作動軸61における第1可動体30の第2収容空間S2内に臨む軸端に作動歯車62が配設されると共に、該作動歯車62が、第2従動歯車63を介して第1可動体30に配設された連繋部材64に連繋されており、該連繋部材64の移動に伴って第2可動体31が作動軸61を中心として揺動するよう構成される。
前記連繋部材64は、図10に示す如く、前記第1可動体30の第2収容空間S2に収容されて上下方向に延在する長尺な部材であって、該連繋部材64には、上下方向に離間して一対の長孔64a,64aが形成されており、各長孔64aに、前記カバー部材46に突設された対応するガイドピン46aが摺動自在に挿通されている。すなわち、第1可動体30に対して連繋部材64は、一対のガイドピン46a,46aで案内されて長孔64a,64aの延在方向(上下方向)に移動自在に配設されている。また、連繋部材64における側面には、上下方向に離間して一対の第2ラック64b,64bが設けられており、各第2ラック64bが対応する第2可動体31に連繋する第2従動歯車63に噛合している。実施例では、上側(一方)の第2可動体31の前記作動歯車62が、1つの第2従動歯車63を介して対応する第2ラック64bに噛合すると共に、下側(他方)の第2可動体31の前記作動歯車62が、2つの第2従動歯車63を介して対応する第2ラック64bに噛合している。すなわち、連繋部材64を上下方向に往復移動することで、一対の第2可動体31,31は相互に反対方向に回転するよう構成される。実施例では、延出部31b,31bが相互に近接する収容姿勢(図5の実線位置)と、延出部31b,31bが相互に離間する延出姿勢(図5の二点鎖線位置)との間を第2可動体31,31が揺動するよう構成してある。また、第2可動体31は、収容姿勢において第1意匠体39の第1意匠面39aに全体が重なって第1意匠体39(第1可動体30)から外側方に延出しないよう構成され(図17(a)参照)、延出姿勢となることで延出部31bが第1意匠体39(第1可動体30)から外側方に延出するよう構成される(図17(b)参照)。
前記支持基体32の駆動系取付部33に、前記連繋部材64と係合可能な作動部材66が、前記支持部材44の移動方向と交差する上下方向に移動自在に支持されている。この作動部材66は、図10に示す如く、駆動系取付部33に移動自在に支持される支持部66aの下端に、支持部材44の移動方向に延在する係合片66bが設けられると共に、支持部66aには上下方向に延在するように第3ラック66cが設けられている。また、駆動系取付部33に第2駆動手段としての第2駆動モータ67が配設されると共に、該第2駆動モータ67の回転軸に連結した第2駆動歯車68が第3ラック66cと噛合するよう構成される。すなわち、第2駆動モータ67を正転および逆転するように駆動することで、作動部材66が上下方向に往復移動するよう構成される。実施例では、作動部材66は、下方の待機位置(図17(a))と、該待機位置から上方に離間する作動位置(図17(b))との間を往復移動するよう構成される。また、作動部材66の係合片66bは、図17に示す如く、前記第1可動体30の第1位置において、前記第1支持軸部42より左方、すなわち第1可動体30の第2位置側とは反対側に位置して、該作動部材66によって第1可動体30の第2位置への移動が規制されることがないよう構成してある。実施例では、連繋部材64、作動部材66、第2駆動モータ67および第2駆動歯車68から、第2可動体31,31を動作させる第2作動機構69が構成されている。
前記作動部材66の係合片66bは、待機位置において第1可動体30の往復移動方向に所定長さで延在しており、該係合片66bの延在領域に、第1姿勢となっている第1可動体30における原位置の連繋部材64の被係合片64cが臨んでいる状態では、待機位置から作動位置に移動する係合片66bが被係合片64cに下方から係合可能に構成される。すなわち、連繋部材64の被係合片64cが係合片66bの延在領域に臨んでいる範囲であれば、第1可動体30を左右方向に移動しても第2可動体31を作動部材66によって動作させ得るようになっている。また、係合片66bの延在領域の長さは、第1可動体30の第1位置と第2位置との間の移動距離より短かく設定されており、該第1可動体30が第1位置と第2位置との間を往復移動するのに伴って、連繋部材64の被係合片64cは係合片66bの延在領域および延在領域外に臨むようになっている。
前記作動部材66における係合片66bの延在領域は、第1位置から第2位置に向けて移動する第1可動体30の前記ピニオン52が前記回転用ラック60に噛合した直後の位置で、連繋部材64の被係合片64cが延在領域外に移動するよう設定される。すなわち、作動部材66により連繋部材64が第2可動体31,31を延出姿勢とする作動位置に保持されたもとで、第1位置から移動した第1可動体30が前記途中位置に達した後に、作動部材66の係合片66bと連繋部材64の被係合片64cとの係合が解除されて、前記引張りコイルバネ65の付勢作用によって連繋部材64が原位置に戻ることで第2可動体31,31が収容姿勢に変化し得るよう構成される。より具体的には、延出姿勢となっている第2可動体31が、第1可動体30の第1姿勢から第2姿勢へ向けて回転する際に他の部材と干渉するおそれのないタイミングで係合片66bに対する被係合片64cの係合が解除されるように係合片66bの延在領域が設定される。
前記支持基体32における発光取付部34の前面に、発光装置71が配設されている。この発光装置71は、発光取付部34の前面に配設した発光基板72と、該発光基板72の前面に実装された複数のLED等の発光体と、発光基板72の前側に配設されると共に、複数の明輝部73aが設けられた装飾カバー73とから構成され、発光体を点灯することで装飾カバー73の各明輝部73aが明輝するよう構成される。前記第1可動体30は、第1位置において装飾カバー73における一部の明輝部73aの前側に重なるように位置しており(図7参照)、装飾カバー73の複数の明輝部73aが明輝することで、第1位置の第1可動体30の周囲を照明し得るよう構成される。
前記設置部材22の背面板28に、前記第1可動体30の往復移動方向と交差する上下方向に第3可動体74を移動自在に備える第3可動演出装置M3が配設されている。この第3可動演出装置M3は、第3作動機構75(図18参照)によって第3可動体74を、前記枠状装飾体27における窓口27aの上縁部側(開口部縁部側)の待機位置と、該待機位置より窓口中央側の作動位置との間を往復移動するよう構成される。第3可動体74は、略円盤状に形成されており、その表面が円形の意匠面74aとして構成されると共に、該意匠面74aは光透過性に形成されている。また、第3可動体74は、左右方向に延在する軸回りに回転可能に構成されており、待機位置では前記意匠面74aが斜め下方を向く傾斜姿勢(図2参照)に保持されると共に、第3作動機構75によって待機位置から作動位置に移動されることで、意匠面74aが正面を向く姿勢(図3,図18参照)に変化するよう構成される。第3可動体74の意匠面74aには、前記第1可動体30の第2意匠面40aと共通する特徴を有する意匠が形成されており、作動位置に位置する第3可動体74に対して左右から近接する一対の第1可動体30,30が第2姿勢に変化して集合した状態で、該可動体74,30,30の意匠面74a,40a,40aによって一つの意匠が構成されるようになっている。なお、第3可動体74は、内部に発光装置を備え、該発光装置によって意匠面74aを裏側から照明し得るよう構成されている。
前記設置部材22の背面板28に、前記第1可動体30の往復移動方向と交差する上下方向に第4可動体76を移動自在に備える第4可動演出装置M4が配設されている。この第4可動演出装置M4は、第4作動機構77(図18参照)によって第4可動体76を、前記枠状装飾体27における窓口27aの下縁部側(開口部縁部側)の待機位置と、該待機位置より窓口中央側の作動位置との間を往復移動するよう構成される。また、第4可動体76は、左右方向に延在する軸回りに回転可能に構成されると共に、回転軸周りに複数(実施例では3つ)の異なる意匠面76aを備えており、第5作動機構78によって前側を向く意匠面76aを切り替え得るよう構成される。なお、図18に示す如く、第4可動体76は、前側に位置する意匠面76aが斜め上向きとなる姿勢が基準姿勢として設定されており、第4可動体76を回転して前側を向く意匠面76aを切り替えた際に、該切り替えられた意匠面76aが斜め上向きとなる基準姿勢に保持されるようになっている。また、第4可動体76の複数の意匠面76aの中の1つには、前記第1可動体30の第2意匠面40a、第3可動体74の意匠面74aおよびカバー可動体79の意匠面79aと共通する特徴を有する意匠が形成されている。第4可動体76において、他の可動体30,74,79の意匠面40a,74a,79aと特徴を共通とする意匠面76aについては、共通意匠面76aと指称する場合がある。そして、枠状装飾体27の窓口中央側に集合した第1可動体30,30、第3可動体74、カバー可動体79および第4可動体76の共通の意匠面40a,40a,74a,79a,76aによって一つの意匠が構成されるようになっている。なお、第4可動体76は、各意匠面76aに光透過部が設けられると共に、該第4可動体76の内部に発光装置を備え、該発光装置によって各意匠面76aを裏側から照明し得るよう構成される。
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記第1可動演出装置M1において、前記第1可動体30が第1位置に位置する状態(第2可動体31,31は収容姿勢となっている状態)で前記第1駆動モータ55を正転方向に回転するように駆動すると、前記第1駆動歯車53、第1従動歯車54および第1ラック44aとの噛合作用下に、第1可動体30は、レール部材36およびガイド溝37により支持部材44および第2支持軸部43が案内されて窓口中央側に向けて直線的に移動する。第1可動体30が、図15に示す中途位置に至ると、前記第1支持軸部42のピニオン52が回転用ラック60と噛合し始め、該中途位置から更に窓口中央側に向けて第1可動体30が移動するのに伴って、該ピニオン52と回転用ラック60との噛合作用下に第1可動体30が回転する(図16(a))。そして、第1駆動モータ55が予め設定された回転数(パルス数)だけ回転すると、前記制御手段により第1駆動モータ55が停止制御され、前記第1可動体30は、図16(b)に示す如く、前記枠状装飾体27における窓口27aの中央側に最も移動した第2位置において、第2意匠面40aが前側を向く第2姿勢に変化して停止する。
図19,図20は、回転機構59の別実施例を示すものであって、実施例と同一部分については同じ符号を付して説明は省略する。別実施例の回転機構59を構成するピニオン52に設けられる所定位置の歯部には、軸方向の一方(別実施例では下方)に延在する回転契機当接部82が連設されている。なお、回転契機当接部82が連設される歯部について、他の歯部81と区別する場合は第1特定歯部81aと指称する場合がある。この第1特定歯部81aは、第1可動体30が第1姿勢となっている状態で、前記駆動系取付部33と対向する位置に臨んでいる(図20参照)。また、ピニオン52には、前記第1特定歯部81aに対して第1可動体30が第1姿勢から第2姿勢に回転する方向とは逆方向に1つの歯部81を挟んだ位置に、該第1特定歯部81aと軸方向の長さが略同一の第2特定歯部81bが設けられている。図20では、第1および第2特定歯部81a,81bを他の歯部81と区別するためにハッチングを付してある。
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、第1可動体の途中位置(ピニオンと回転用ラックとの噛合が開始される位置)において、連繋部材の被係合片が作動部材における係合片の延在領域に臨むよう構成したが、図21に示す如く、第1位置から第2位置に向けて移動する第1可動体30のピニオン52が回転用ラック60に噛合する前(途中位置に達する前)に、連繋部材64の被係合片64cが延在領域外に移動するように設定してもよい。この構成によれば、作動部材66により第2可動体31を延出姿勢としたまま第1可動体30を第1位置から第2位置に向けて移動する場合に、該第1可動体30が第1姿勢から第2姿勢に向けて姿勢変化する際には、第2可動体31を確実に収容姿勢とすることができる。
(2) 実施例では、設置部材に対して支持基体を介して第1駆動モータ、第2駆動モータ、作動部材を配設するよう構成したが、設置部材に直に第1駆動モータ、第2駆動モータ、作動部材を配設する構成を採用できる。すなわち、第1駆動モータ、第2駆動モータ、作動部材を配設する設置部は、遊技盤を構成する設置部材でも、該設置部材に別途配設される支持基体であってもよい。
(3) 実施例では、第1可動演出装置(第2可動演出装置)を、枠状装飾体の窓口における側方(右または左)の縁部側に配設して左右方向に第1可動体を移動するよう構成したが、窓口における上方または下方の縁部側に配設して第1可動体を上下方向に移動する構成を採用し得る。この場合に、第1可動体の左右方向の端部に設けられる支持軸部の夫々の支持構造や回転機構とし、実施例における支持部材と第1支持軸部との支持構造や回転機構を採用することで、安定した往復移動動作および回転動作を達成し得る。そして、第1可動体を上下方向に移動する場合は、該可動体は左右方向に延在する軸周りに回転して意匠面が切り替わるようになる。
(4) 実施例では、第1可動体に2つの意匠面を設けたが、該意匠面は3つ以上であってもよく、第1位置と第2位置との間を移動する第1可動体の停止位置を制御することで、回転機構によって各意匠面が前側を向く姿勢に切り替えることができる。例えば、第1可動体に、回転軸回りに3つの意匠面を設け、第1可動体が回転構構により120°づつ回転する毎に該第1可動体の移動を停止するようにすればよい。
(5) 実施例では、第1可動体を第1姿勢に向けて付勢する手段および連繋部材を原位置に向けて付勢する手段としてバネを用いたが、ゴム等の弾性部材であってもよい。
(7) 実施例では、第1可動体に2つの第2可動体を配設したが、第2可動体の配設数は1つでも3つ以上であってもよい。また、第2可動体の動作形態は、軸を中心に揺動する形態に限らず、第1可動体に沿って姿勢を変化することなく往復移動(例えば、連繋部材の往復移動方向に平行移動)する形態であってもよい。
(8) 実施例では、駆動モータの回転を歯車とラックとを介して支持部材(可動体)や作動部材に伝えて直線的に往復移動するよう構成したが、駆動モータの回転を支持部材(可動体)や作動部材に伝える機構は、歯車とラックとを用いた機構に限定されるものでなく、リンク手段やベルト、その他各種公知の機構を採用し得る。
(9) 実施例では、駆動手段として駆動モータを用いたが、リニアアクチュエータを用いることができる。
(10) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
32 支持基体(設置部)
39a 第1意匠面(意匠面)
40a 第2意匠面(意匠面)
44 支持部材
52 ピニオン
55 第1駆動モータ(駆動手段)
59 回転機構
60 回転用ラック(ラック)
M1 第1可動演出装置(可動演出装置)
Claims (1)
- 動作により演出を行う可動演出装置を備えた遊技機において、
前記可動演出装置は、
設置部に配設された駆動手段に連繋し、該駆動手段の駆動によって第1位置および第2位置の間で往復移動する支持部材と、
前記支持部材に回転可能に支持され、回転軸周りに複数の意匠面が設けられた可動体と、
前記支持部材の移動に伴って前記可動体を回転させる回転機構とを備え、
前記回転機構により前記可動体を回転することで意匠面が切り替るよう構成され、
前記回転構機は、
前記可動体に設けられたピニオンと、
前記ピニオンの移動経路上に設けられて前記支持部材の移動方向に延在し、前記ピニオンが噛合可能なラックとを備え、
前記ピニオンの移動経路上に、該ピニオンが前記ラックと噛合しない領域が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
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