JP6096684B2 - 一体形オイルセパレータを有するエンジンヘッドカバー組立品 - Google Patents

Description

（関連特許の参照）
本出願は、２００６年１２月１日に提出された米国仮特許出願第１１／５６５，８７２号（その内容全体は参照によって本出願に組み込まれる）に関する優先権を主張する。
本発明は内燃機関用のエンジンヘッドカバーに関する。特に、本発明は、エンジン運転時にクランクケースガスからオイルを分離するための一体形オイルセパレータを有するエンジンヘッドカバーに関する。

内燃機関は一般に燃焼室（ここで、燃料と空気の混合気は１組の往復ピストンを動かすために燃焼される）及びクランクケース（この中にピストンによって駆動されるクランクシャフトが収容される）を含む。運転時に、エンジンは「ブローバイ（blow-by；燃焼室からクランクケースへのガス漏れ）」を生じるのが普通である。ブローバイにおいて燃焼ガスは燃焼室からピストン−シリンダの間隙を通過してクランクケースの中へ漏れる。このようなブローバイすなわちクランクケースガスは水分、酸性物質及び燃焼行程のその他の好ましくない副産物を含有する。

エンジンは、一般にエンジンから有害ガスを取り除くためのクランクケース換気装置（ＰＣＶ）を含んでおり、有害ガスが大気に排出されるのを防止する。ＰＶＣはクランクケースから吸気マニホールドの中へ蒸気を引き寄せるためにマニホールド真空を使用することによって大気へのガスの排出を防止する。その後蒸気は燃料／空気混合気と一緒に燃焼室の吸気マニホールドへ運ばれ、ここで燃焼される。一般に、装置内の流れすなわち循環はＰＣＶバルブによって制御される。ＰＣＶバルブはクランクケース換気装置としても汚染防止装置としても作用する。

クランクケースガスは通常非常に微細なオイルミストも含む。オイルミストはＰＣＶによってマニホールドへ運ばれる。その後オイルミストは燃料／空気混合気と一緒に燃焼室において燃焼される。その結果、オイル消費量が増大する。クランクケースガスからオイルを取り除くための既知の方法はオイルセパレータを使用するものである。クランクケースガスはオイルセパレータの中を流れる。オイルセパレータの中の局部的な高圧エリアはガスからのオイルの分離を促進する。オイルは排液装置を介して油溜めへ戻される。油溜めは一般に装置内の過剰なオイルを貯留する。

クランクケースガスからオイルを除去するために従来のオイルセパレータの設計より効率の良い改良されたオイルセパレータを提供することが依然として望まれている。また、エンジン内においてオイルセパレータが占めるパッケージ空間を小さくするために、コンパクトなサイズでかつヘッドカバーなどエンジンハウジングの一部と一体的なオイルセパレータを提供することが依然として望まれている。

本発明の１つの形態によれば、内燃機関のクランクケースを被覆するためのヘッドカバー組立品が提供される。ヘッドカバー組立品はヘッドカバー及びオイルセパレータを含む。ヘッドカバーは背中合わせの外面及び内面を有する。オイルセパレータはこれを通過するクランクケースガスからオイルを分離する。オイルセパレータはヘッドカバーの内面に沿って配置されるハウジングを有する。ハウジングはヘッドカバーと一体的な少なくとも１つの側壁を有する。側壁はヘッドカバーと一緒にオイルセパレータの内部空間を形成する。

添付図面に関連して考慮すれば本発明は以下の説明を参照することによってより良く理解できるので、本発明の利点は容易に分かるだろう。

本発明の１つの実施形態による一体オイルセパレータを有するヘッドカバー組立品の底面図である。 図１に示されるヘッドカバー組立品の一部の拡大底面図である。 図１のヘッドカバー組立品の分解底面斜視図である。 本発明の第二の実施形態によるヘッドカバー組立品の底面図である。 図４に示されるヘッドカバー組立品の一部の拡大底面図である。 図４のヘッドカバー組立品の上面斜視図である。 図４のヘッドカバー組立品の一部の拡大分解上面斜視図である。 本発明の第三の実施形態によるヘッドカバー組立品の一部の拡大分解斜視図である。 図８のヘッドカバー組立品の一部の拡大斜視図であり、オイルセパレータキャップをヘッドカバーに固定するためにタブを持つセパレータキャップの側面を示している。 図８のヘッドカバー組立品の断面図であり、キャップをヘッドカバーに固定するためにタブをロック式に受け入れるための溝を図解している。

図１〜３を参照すると、内燃機関のクランクケースを取り囲むためのヘッドカバー組立品全体が１０で示されている。ヘッドカバー組立品１０は背中合わせの外面１４及び内面１６を有するヘッドカバー１２を含む。ヘッドカバー組立品１０は、またエンジンの中のクランクケースガスからオイルを取り除くためのオイルセパレータ２０を含む。オイルセパレータ２０はヘッドカバー１２の内面１６に沿って配置されるハウジング３０を含む。ハウジング３０はヘッドカバー１２と一体的に形成される複数の側壁２２、２４,２６及び２８を有する。側壁のうち少なくとも１つ２８はヘッドカバー１２の内面１６に沿って伸び、残りの側壁２２、２４、２６はヘッドカバー１２の内面１６から外向きに伸びる。または、ハウジングの全ての側壁はヘッドカバーの内面から外向きに伸びる。スチール、アルミニウムまたは当業者には既知の任意の材料または材料の組合せからヘッドカバーを形成することができる。この材料はエンジンに関係する熱及び環境の中で使用するのに適し、かつオイルセパレータハウジングの少なくとも一部をヘッドカバーと一緒に一体的に形成することできるようにする材料である。

ヘッドカバー１２の一部は側壁２２、２４、２６、２８の間に伸びて、内部空間を形成する。プレート４０は側壁２２、２４、２６、２８と協働して、オイルセパレータ２０の内部空間を取り囲む。ヘッドカバー１２は、ボルトを用いてプレート４０を側壁２２、２４、２６、２８に固定するために少なくとも１つのネジ穴２９を有する。ハウジング３０の内部空間からガスが漏出するのを防止するために側壁２２、２４、２６、２８とプレート４０との間にガスケット（図示せず）を配置することができる。または、ハウジングは、図示される実施形態の真直側壁の代わりにヘッドカバーの内面から伸びるほぼ円筒形の側壁を持つことができる。この場合、プレートはほぼ円筒形の側壁と協働するためにほぼ円形を持つことになる。

オイルセパレータ２０のハウジング３０は入口及び出口を含む。複数の案内壁４３がヘッドカバー１２からプレート４０に向かって伸びて、経路３９を形成する。経路はハウジング３０を通過するようクランクケースガスを導く。経路３９は、クランクケースガスが経路３９を入口から出口まで流れるときクランクケースガスからのオイルの分離を促すための形状を与えられる。分離されたオイルはハウジング３０において収集されて、エンジンにおいて再利用するために油溜め（図示せず）へ再び導かれる。

ヘッドカバー組立品１１０の第二の実施形態が図４〜７に示されている。これらの図において、同様の部品は１００を加えた番号で示されている。この実施形態において、ハウジング１３０はキャップ４１、カバープレート４５及び円筒形側壁５０によって形成される。これらは集まってオイルセパレータ１２０の内部空間を形成する。特に、円筒形側壁５０はヘッドカバー１１２と一体的に形成されて、キャップをその中に受け入れるための凹部を形成する。特に、キャップ４１はヘッドカバー１１２の対応するネジ山４４と係合するためのネジ山４２を持つ環状部４０を含む。

組立時に、キャップ４１は円筒形側壁５０によって形成される凹部に挿入される。次に、キャップ４１のネジ山４２と円筒形側壁に形成される対応するネジ山４４との間をネジ係合させ、それによってキャップ４１をヘッドカバー１１２に固定するために、キャップ４１をその縦軸の周りで回転させる。円筒形側壁５０の下端部に隣接してヘッドカバー１１２に形成される位置決め面５２に接するとき、キャップ４１は完全に挿入された状態である。カバープレート４５はキャップ４１とヘッドカバー１１２との間に配置される。複数の案内壁１４３がカバープレート４５から伸びて、オイルセパレータ１２０を通過するクランクケースガスのための流路を形成する。

ヘッドカバー組立品の第三の実施形態が図８〜１１に示されている。この実施形態においては、第二の実施形態のネジ山がタブと溝の係合に置き換えられる。タブ６０はキャップ２４１の環状部２４０から外側に伸び、案内溝６２は円筒形側壁２５０に形成される。案内溝６２は円筒形側壁２５０に沿ってほぼ縦方向に伸びる。案内溝６２の一端６６からほぼ直角の方向にキー溝６８が伸びる。組立時に、ハウジング２３０のキャップ２４１は円筒形側壁２５０によって形成される凹部に挿入される。タブ６０は案内溝６２の中でキー溝６８に向かってスライドする。キャップ２４１が凹部の底の位置決め面２５２に接するとき、キャップは完全に挿入された状態である。次に、タブ６０がキー溝６８の中へスライドすることによってオイルセパレータ２２０をヘッドカバー２１２に固定するように、キャップ２４１を回転させる。または、タブと溝の係合を逆にすることができる。この場合、タブはヘッドカバーから伸び、溝はキャップに形成される。

図示される実施形態において、案内壁は迷路状に配列され、ガスが迷路に沿って流れるときクランクケースガスからのオイルの分離を促す。または、オイルセパレータをサイクロン（登録商標）型のオイルセパレータとすることができる。この場合、案内壁はハウジングの入口から出口まで伸びる螺旋形の流路を形成するコイルである。他のタイプのオイルセパレータをハウジング内部に収容できることが当業者には分かるはずである。または、オイルセパレータは、迷路型とサイクロン（登録商標）型のオイル分離配列体の組合せなど複数のタイプのオイル分離配列体を組み込むことができる。

本発明は例示的方式で説明されている。従って、使用される専門用語は限定としてではなく説明語の性質を持つことを意図している。上述の教示を考慮すれば本発明の多様な修正及び変形が可能である。従って、特許請求の範囲内で、本発明を詳細に記述された以外の形態で実施できることは明白である。

４１ キャップ
４２ ネジ山
４４ ネジ山
４５ カバープレート
５０ 円筒形側壁
１１０ ヘッドカバー組立品
１１２ ヘッドカバー
１２０ オイルセパレータ
１３０ ハウジング
１４３ 案内壁

Claims (6)

1. 内燃機関のヘッドカバー組立品であって、
   前記ヘッドカバー組立品が、
   背中合わせの外面及び内面を有するヘッドカバーと、
   そのオイルセパレータを通過するクランクケースガスからオイルを分離するためのオイルセパレータと、を備え、
   前記オイルセパレータが前記ヘッドカバーの内面に沿って配置されるハウジングを有し、前記ハウジングが、キャップ、カバープレート、及び側壁、によって形成され、前記ハウジングの前記側壁が前記ヘッドカバーと一体であり、前記側壁が前記オイルセパレータの内部空間を形成し、
   前記側壁は、前記側壁内に前記キャップを受け入れるために円筒形に形成され、
   前記キャップが、前記オイルセパレータの前記内部空間を形成するために前記側壁に取外し可能に取り付けることができ、
   前記カバープレートが、前記オイルセパレータの内部空間を前記キャップと前記カバープレートとの間に取り囲むために配置され、
   前記カバープレートが、貫通穴を備え、
   前記ヘッドカバー組立品が、前記カバープレートから前記キャップに向かって伸びて、そのオイル経路を通過するクランクケースガスからオイルを分離するオイル経路を形成する、案内壁を含み、
   前記案内壁の１つが、貫通穴を備え、
   前記案内壁が迷路的経路を形成し、オイルの分離を促し、
   前記カバープレートと案内壁とを、前記ヘッドカバーから取り外すことができる、
   ことを特徴とする、ヘッドカバー組立品。
2. 前記キャップが前記側壁面上の対応するネジ山と係合するためのネジ山を含むことを特徴とする、請求項１に記載のヘッドカバー組立品。
3. 内燃機関のヘッドカバー組立品であって、
   前記ヘッドカバー組立品が、
   背中合わせの外面及び内面を有するヘッドカバーと、
   そのオイルセパレータを通過するクランクケースガスからオイルを分離するためのオイルセパレータと、を備え、
   前記オイルセパレータが前記ヘッドカバーの内面に沿って配置されるハウジングを有し、前記ハウジングが、キャップ、カバープレート、及び側壁、によって形成され、前記ハウジングの前記側壁が前記ヘッドカバーと一体であり、前記側壁が前記オイルセパレータの内部空間を形成し、
   前記側壁が、前記側壁の中に前記キャップを受け入れるために円筒形に形成され、
   前記キャップが、前記オイルセパレータの前記内部空間を形成するために前記側壁に取外し可能に取り付けることができ、
   前記キャップ及び前記側壁がタブと溝の配列体によって相互に結合され、前記側壁に対して相対的に前記キャップを回転させて、タブとキー溝との間にロック係合を生じさせ、
   前記カバープレートが、前記オイルセパレータの内部空間を前記キャップと前記カバープレートとの間に取り囲むために配置され、
   前記カバープレートが、貫通穴を備え、
   前記ヘッドカバー組立品が、前記カバープレートから前記キャップに向かって伸びて、そのオイル経路を通過するクランクケースガスからオイルを分離するオイル経路を形成する、案内壁を含み、
   前記案内壁の１つが、貫通穴を備え、
   前記案内壁が迷路的経路を形成し、オイルの分離を促し、
   前記カバープレートと案内壁とを、前記ヘッドカバーから取り外すことができる、
   ことを特徴とする、ヘッドカバー組立品。
4. 前記タブが前記キャップから外向きに伸び、前記キー溝が前記側壁に形成されることを特徴とする、請求項３に記載のヘッドカバー組立品。
5. 前記側壁が案内溝を含み、前記キャップが前記側壁に挿入されるとき前記案内溝が前記キャップの前記タブを受け入れることを特徴とする、請求項３又は４に記載のヘッドカバー組立品。
6. 前記側壁内における前記キャップの回転によって前記タブと前記キー溝との間にロック係合が生じるように前記キー溝が前記案内溝の一端から直角に伸びることを特徴とする、請求項５に記載のヘッドカバー組立品。

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