JP6095803B2 - 親水性コーティング膜及びその製造方法、加湿エレメント並びに加湿装置 - Google Patents

親水性コーティング膜及びその製造方法、加湿エレメント並びに加湿装置 Download PDF

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Description

本発明は、加湿装置に使用される親水性コーティング膜及びその製造方法、加湿エレメント並びに加湿装置に関する。
加湿装置には、吸水性のシート材料を用いた加湿エレメントが一般に用いられている。この加湿装置では、加湿エレメントに水分を供給し、水分の蒸発作用を利用することによって空気の加湿が行われる。したがって、加湿エレメントは、加湿性能に優れていることはもちろんのこと、水に長期間曝されるため、水による劣化を防止する観点から耐水性にも優れていなければならない。また、住宅又はビル等の新築及び改築直後は、室内環境中に揮発性有機化合物(VOC:Volatail Organic Compounds)が存在することがあるため、VOC汚染によって加湿エレメントの加湿性能が低下しないことも要求される。加湿エレメントに用いられる吸水性のシート材料としては、親水性コーティング膜を形成した基材、親水処理が行われた基材等が一般に用いられている。
親水性コーティング膜は、様々な材料及び方法を用いて形成することができる。例えば、シリカを用いた親水性コーティング膜は、親水性に優れていることが一般に知られている。その一方で、揮発性有機化合物(VOC)等の汚染物質等が吸着し易い。そのため、シリカを用いた親水性コーティング膜を形成した基材を加湿エレメントにおいて使用すると、初期段階では良好な加湿性能が得られるものの、時間の経過と共に汚染物質等が吸着して親水性が低下し、十分な加湿性能が得られないという問題がある。
それを解決する方法として、シリカを用いた親水性コーティング膜を多孔質化させることにより、比表面積を増大させ、親水性コーティング膜の表面に存在する水酸基を多く露出させることが考えられる。これにより、汚染物質等が親水性コーティング膜に吸着しても、露出した水酸基が多いため、長期間にわたって親水性を維持することができると考えられている。
シリカを用いた親水性コーティング膜を多孔質化させる方法として、例えば、発泡金属表面にゾルゲル法によって得られる親水性シリカ膜(ゾルゲルシリカ)を形成することによって、発泡金属表面に親水性を付与する方法が提案されている(特許文献1参照)。ここで、ゾルゲル法とは、シリカ前駆体であるオルトケイ酸テトラエチルなどを加熱などによりゲル状態とし、酸性もしくは塩基性条件で、加水分解・重縮合反応を行わせることにより、アルコールを脱離させて、シリカなどを合成する方法である。また、別の方法として、ゾルゲル法によって得られる親水性シリカ膜(ゾルゲルシリカ)中に多孔質性のシリカゲル粒子を分散させることによって、膜の比表面積を向上させる方法が提案されている(特許文献2参照)。さらに、別の方法として、多孔質性のシリカゲル粒子を樹脂製のバインダーに分散させることによって、膜の比表面積を向上させる方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開2011−31541号公報 特開2011−111644号公報 特開平6−74500号公報
しかしながら、従来の発泡金属表面に親水性を付与する方法では、親水性コーティング膜は、凹凸の少ない平滑な膜となるため、膜の比表面積を十分に得ることができない。このため、時間の経過と共に汚染物質等が吸着して親水性が低下し易く、長期間にわたる加湿性能が得られないという問題があった。
また、従来のゾルゲルシリカ中に多孔質性のシリカゲル粒子を分散させる方法では、シリカゲル粒子の細孔内部にゾルゲルシリカが浸透するため、十分に比表面積の向上効果が得られず、長期間にわたる加湿性能が得られないという問題があった。
また、バインダー樹脂中に多孔質性のシリカゲルを分散させる方法でも、ゾルゲルシリカと同様に、シリカゲル粒子の内部にバインダー樹脂が浸透し、十分に比表面積の向上効果が得られず、長期間にわたる加湿性能が得られないという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、初期の加湿性能だけでなく、長期間にわたる加湿性能にも優れた親水性コーティング膜及びその製造方法、加湿エレメント並びに加湿装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、増粘剤を溶解した水と、多孔質性のシリカゲル粒子と、このシリカゲル粒子の平均細孔径よりも小さな平均粒径を有する親水性無機微粒子とを含むコーティング組成物を基材に塗布して乾燥させることにより、比表面積が大きい親水性コーティング膜を形成することができ、このようにして得られた親水性コーティング膜が加湿エレメントに適していることを見出した。すなわち、本発明に係る親水性コーティング膜は、多孔質性のシリカゲル粒子と、このシリカゲル粒子の平均細孔径よりも小さな平均粒径を有する親水性無機微粒子と、増粘剤とを含む親水性コーティング膜である。ここで、本明細書において「比表面積」とは、ガス吸着法(BET法)によって測定される値を意味する。
本発明によれば、初期の加湿性能だけでなく、長期間にわたる加湿性能にも優れた親水性コーティング膜及びその製造方法、並びに加湿エレメントを提供することができる。
実施の形態1の親水性コーティング膜の断面図である。 実施の形態1の親水性コーティング膜中のシリカゲル粒子1個当たりの断面図である。 実施の形態1の親水性コーティング膜の製造方法を説明するための図である。 シリカゲル粒子の平均細孔径(D)とシリカゲル粒子の比表面積(S)との関係を示した図である。 シリカゲル粒子の平均細孔径(D)と親水性無機微粒子の平均粒径(d)との比を変更させた場合のコーティング膜の比表面積(S)との関係を示した図である。 一般的なゾルゲルシリカを用いた親水性コーティング膜中のシリカゲル粒子1個当たりの断面図である。 実施の形態2に係る加湿エレメントの構成図である。 実施の形態2に係る加湿エレメントの斜視図である。 樹脂不織布製の加湿エレメント(基材)の表面の拡大図である。 発泡金属製の加湿エレメント(基材)の表面の拡大図である。 実施の形態3に係る加湿装置の断面構成図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における親水性コーティング膜の断面図を示すものである。本実施の形態の親水性コーティング膜7は、多孔質性のシリカゲル粒子3と、このシリカゲル粒子3の細孔4の平均径よりも小さな平均粒径を有する親水性無機微粒子2と、増粘剤8とを含む親水性コーティング膜である。
そして、図2は、本実施の形態の親水性コーティング膜中のシリカゲル粒子1個あたりの断面図である。シリカゲル粒子3は多孔質性があり、複数の細孔4を有する。そして、各々の細孔4の内部に細孔4の平均径よりも小さな平均粒径を有する親水性無機微粒子2を含んでいる。
図3は、本実施の形態の親水性コーティング膜の製造方法を説明するための図である。本実施の形態の親水性コーティング膜の製造方法では、第1の工程として、増粘剤8を溶解した水6と、多孔質性のシリカゲル粒子3と、シリカゲル粒子3の細孔4の平均径よりも小さな平均粒径を有する親水性無機微粒子2とを含むコーティング組成物を基材1に塗布する(図3(a)参照)。そして、第2の工程として、塗布物を乾燥させる(図3(b)参照)。
本発明のコーティング組成物で用いるシリカゲル粒子3としては、例えば、商品名「ライトスターLA−S283A」(日産化学工業株式会社製)、商品名「ライトスターLA−S203C」(日産化学工業株式会社製)、商品名「ライトスターLA−S263」(日産化学工業株式会社製)、商品名「ライトスターLA−S143AK」(日産化学工業株式会社製)、商品名「ライトスターLA−S23A」(日産化学工業株式会社製)、商品名「ライトスターLA−S20C」(日産化学工業株式会社製)、商品名「ライトスターLA−S26」(日産化学工業株式会社製)、商品名「ライトスターLA−S14K」(日産化学工業株式会社製)等を用いることができる。
シリカゲル粒子3の平均粒径は200nm以上5μm以下が好ましい。この範囲において、所望の膜厚や膜の凹凸を効果的に確保しつつ、より十分な比表面積を得ることができるからである。また、この範囲において、コーティング膜の密着性が高くなるため、シリカゲル粒子3の脱離をさらに抑制することができる。
上述した通り、本実施の形態で用いるシリカゲル粒子3は、粒子内部に細孔4を有しており、高い比表面積を有している。図4において、横軸は、シリカゲル粒子3の細孔4の平均径(D)(単位:nm)を示し、縦軸は、シリカゲル粒子3の比表面積(S)(単位:m/g)を示す。図4のグラフは、シリカゲル粒子3の細孔4の平均径(D)を変化させた場合に、下記の計算式より求められた、シリカゲル粒子3の比表面積(S)を示す。
S=6÷{シリカゲル粒子3の密度(g/cm)×D}

シリカゲル粒子3の比表面積(S)は、シリカゲル粒子3の細孔4の径の長さ(D)と反比例の関係にあり、シリカゲル粒子3の細孔4の平均径の長さ(D)が小さくなるほど、比表面積の大きさ(S)は増大する。本実施の形態で用いるシリカゲル粒子3の平均細孔径は、4nm超過100nm以下が好ましい。この範囲において、平均粒径が4nm以上の親水性無機微粒子2を用いることができ、親水性無機微粒子の凝集が発生しにくくなるため、より比表面積が大きい親水性コーティング膜を形成することができるからである。また、本実施の形態で用いる親水性無機微粒子2は、細孔径の分布のピークが単峰性のものだけではなく、細孔径の分布のピークが多峰性であっても、平均細孔径の範囲を満たすものであってもよい。
コーティング膜に用いられる親水性無機微粒子2としては、特に限定されず、例えば、シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でもシリカ微粒子は、表面に水酸基を有し、親水性が高いため好ましい。また、シリカ微粒子は、水に対して僅かに溶解するため、シリカ微粒子の表面に汚染物質が吸着しても、水との接触によって表層が徐々に溶出し、汚染物質の吸着がない新たな表面を露出させることができる。そのため、シリカ微粒子を用いることにより、親水性を長期間にわたって維持することが可能になる。
親水性無機微粒子2の平均粒径は、シリカゲル粒子3の細孔4の平均径よりも小さければ特に限定されないが、好ましくは15nm以下、より好ましくは4nm以上15nm以下である。この範囲の平均粒径を有する親水性無機微粒子2を用いることにより、コーティング組成物から形成される親水性コーティング膜の比表面積を高めることができる。
特に、上記範囲の平均粒径を有する親水性無機微粒子2は、親水性無機微粒子1個あたり約15〜30質量%に相当する表面部分が、コーティング組成物中で溶解した状態となるため、コーティング組成物を乾燥させる際にバインダーとしての役割も果たし、親水性コーティング膜7の強度をより高めることもできる。さらに、親水性無機微粒子の凝集が発生しにくくなるため、より比表面積が大きい親水性コーティング膜7を形成することができる。
図5において、横軸は、親水性コーティング膜7におけるシリカゲル粒子3の細孔4の平均径(D)と親水性無機微粒子2の平均粒径(d)の比を示し、縦軸は、コーティング膜の比表面積(S)(単位:m/g)を示す。図5のグラフは、親水性コーティング膜7におけるシリカゲル粒子3の細孔4の平均径(D)と親水性無機微粒子2の平均粒径(d)との比を変更させた場合のコーティング膜の比表面積(S)との関係を示した図である。また、図5に示した各グラフは、親水性無機微粒子2の平均粒径(d)に対して、シリカゲル粒子3の細孔4の平均径(D)が整数倍以上になった場合に、シリカゲル粒子3の細孔4の断面方向に充填される親水性無機微粒子2の数(n)を変えた場合の比表面積(S)を示したものである。親水性無機微粒子2の平均粒径が小さくなるほど、シリカゲル粒子3の細孔4の断面方向に充填される親水性無機微粒子2の数が多くなり、比表面積(S)が一層大きくなる。
親水性無機微粒子2の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.2質量%以上10質量%未満、より好ましくは0.5質量%以上8質量%以下、最も好ましくは1質量%以上5質量%以下である。この範囲において、形成される親水性コーティング膜7をより一層厚くすることができ、親水性コーティング膜7の親水性をより一層確保することができる。また、水への溶出によって親水性コーティング膜7が失われることなく、より長期間にわたって親水性を維持することができる。さらに、形成される親水性コーティング膜7にクラック等の欠陥を生じさせることがないため、基材1から親水性コーティング膜7が一層剥離しにくくなる。
親水性無機微粒子2の使用形態としては、特に限定されないが、取扱性の観点からコロイド状の親水性無機微粒子2を用いることが好ましい。コロイド状の親水性無機微粒子2は、表面の親水性が高いだけではなく、極微量ではあるが水への溶解性を有している。この溶解性により、最表面が汚染された場合にも、吸水を行うことで、表層が徐々に溶出し、汚染されていない表層を露出させ、親水性を維持することができる。このようなコロイド状の親水性無機微粒子2は、例えば、商品名「スノーテックスS」(日産化学工業株式会社製)、商品名「スノーテックスOS」(日産化学工業株式会社製)、商品名「スノーテックスUP」(日産化学工業株式会社製)、商品名「スノーテックスO」(日産化学工業株式会社製)、商品名「スノーテックスOUP」(日産化学工業株式会社製)、商品名「カタロイドSI―50」(日揮触媒化成株式会社製)、商品名「カタロイドSI―550」(日揮触媒化成株式会社製)等を用いることができる。
また、本実施の形態で用いる親水性無機微粒子2は、球状の親水性無機微粒子だけではなく、球状の親水性無機微粒子が鎖状に連結した鎖状親水性無機微粒子を用いてもよい。鎖状親水性無機微粒子を用いることで、シリカゲル粒子3の細孔4の内部に鎖状親水性無機微粒子の端部のみが侵入し、シリカゲル粒子3の内部の細孔径をほとんど変化させることなく、高い比表面積を有する膜を得ることができる。
形成される親水性コーティング膜7の表面積を高める観点から、シリカゲル粒子の平均細孔径より大きい平均粒径を有する親水性無機粒子をさらに含むことができる。具体的には、15nm超過100nm以下の平均粒径を有する親水性無機粒子をさらに含むことができる。粒径の異なる粒子を配合することにより、親水性無機微粒子2のみを用いる場合に比べて、親水性コーティング膜7の表面に凹凸構造が形成され易く、より高い比表面積を有する親水性コーティング膜7を形成することができる。
コーティング組成物に用いられる水6としては、特に限定されず、RO水(RO:Reverse Osmosis、逆浸透膜を通した不純物の少ない水)、脱イオン水、蒸留水等の純水を用いることができる。コーティング組成物における水6の含有量は、特に限定されないが、好ましくは80質量%以上99.8質量%以下、より好ましくは85質量%以上99質量%以下、最も好ましくは90質量%以上98質量%以下である。この範囲において、コーティング組成物を基材1にさらに均一に塗布しやすくなり、所望の特性を有する親水性コーティング膜7を形成しやすくすることができる。
また、シリカゲル粒子3の含有量は、親水性無機微粒子2の1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。この範囲において、シリカゲル粒子3の添加による比表面積の増大が顕著に起こるからである。また、親水性無機微粒子2がシリカゲル粒子3の表面をより効果的に被覆でき、コーティング膜7表面からシリカゲル粒子3がより一層脱離しにくくなるからである。
コーティング組成物は、基材1に対する塗布性を向上させる観点から、水溶性の増粘剤8を含んでいる。水溶性の増粘剤8を配合することにより、コーティング組成物の粘度を増加させ、コーティング組成物における微粒子の流動性を低下させ、基材1に対する塗布性及び密着性を向上させることができる。
増粘剤8としては、特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性の樹脂が挙げられ、コーティング組成物のpHに応じて適宜用いることができる。このような増粘剤8は、例えば、商品名「レオジック262L」(東亞合成社製、ポリアクリル酸ナトリウム)、商品名「HECダイセルSP600」(ダイセル社製、ヒドロキシエチルセルロース)、商品名「ジュンロンPW111」(東亞合成社製、ポリアクリル酸))等を用いることができる。
増粘剤8の含有量は、好ましくは0.05質量%以上0.25質量%以下である。この範囲において、より十分な増粘効果を得ることができ、コーティング組成物中にシリカゲル粒子3が沈降したり、コーティング組成物の塗布乾燥時の粒子成分が流出することを一層抑制し、コーティング膜の親水性をより十分に確保することができる。また、コーティング膜7中の樹脂成分が適量であるため、比表面積を確保でき、吸水等の影響により、基材1からコーティング膜7が剥離することを一層抑制できる。
基材1としては、特に限定されず、例えば、発泡樹脂、焼結多孔体、不織布等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
発泡樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を発泡剤によって発泡させた熱可塑性樹脂フォームを用いることができる。また、発泡樹脂は、表面の親水性を向上させるために、カルボン酸、ヒドロキシ基等の親水性官能基を当該樹脂に導入してもよい。発泡金属としては、チタン、銅、スズ、銀等の金属を発泡材によって、発泡させた金属多孔体を用いることができる。焼結多孔体としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を焼結成形した有機焼結体(焼結プラスチック)、金属焼結体、無機焼結体等を用いることができる。また、焼結多孔体は、表面の親水性を向上させるために、当該技術分野において公知の方法によって親水化処理を行ってもよい。不織布としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース等の樹脂から形成される不織布を用いることができる。また、不織布は、表面の親水性を向上させるために、カルボン酸、ヒドロキシ基等の親水性官能基を当該樹脂に導入してもよい。
基材1は、多孔質性のものであってもよい。この場合の基材1の平均孔径は、特に限定されないが、好ましくは50nm以上600μm以下、より好ましくは50μm以上200μm以下である。この範囲において、所望の加湿性能と水分の吸水性能を一層確保することができる。
コーティング組成物を基材1に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー塗布、ブラシ塗布、各種コーターによる塗布、浸漬塗布等が挙げられる。コーティング組成物の塗布量は、特に限定されず、作製する加湿エレメントの大きさ等に応じて適宜調整すればよい。また、所望の塗布量とするために、コーティング組成物を複数回に分けて塗布してもよい。
また、基材1の表面の濡れ性を向上させる観点から、コーティング組成物を基材1に塗布する前に、基材1にオゾン酸化、紫外線照射等の表面処理を行ってもよい。
塗布物を乾燥させる方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、塗布物を放置することで自然乾燥させ、水6を蒸発させればよい。
本方法によって形成される親水性コーティング膜7の比表面積は、200m/g以上600m/g以下、好ましくは250m/g以上500m/g以下である。この範囲において、親水性コーティング膜7の強度をより一層確保しつつ、長期間にわたる親水性を維持することができる。
図6は、一般的なゾルゲルシリカを用いた親水性コーティング膜中のシリカゲル粒子の断面図である。図6ではシリカゲル粒子3の細孔4の内部にゾルゲルシリカ5が浸透するため、十分に比表面積の向上効果が得られず、十分な加湿性能が得られない。一方で、本発明のコーティング膜7は、シリカゲル粒子3の細孔4の内部に細孔4の平均径よりも小さな平均粒径の親水性無機微粒子2を含んだ構成としているため、比表面積が大きい親水性コーティング膜7を形成することができる。
実施の形態2.
次に、上記の実施の形態1に係る親水性コーティング膜が加湿エレメントに適用された例を本発明の実施の形態2として説明する。
図7は、本実施の形態2に係る加湿エレメント14の構成図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。図8は、加湿エレメント14の斜視図である。
加湿エレメント14は、複数のシート状部材14aと櫛歯状部材14bとから構成されている。複数のシート状部材14aが、櫛歯状部材14bにそれぞれ嵌め込まれ、一定の距離をおいて離間させた状態で保持されている。シート状部材14aの材料(基材)として、上述の樹脂不織布又は発泡金属等が用いられ、その表面に親水性コーティング膜7が形成されてシート状部材14aが構成される。
図9は、親水性コーティング膜7が形成される樹脂不織布製のシート状部材(基材)の表面の拡大図である。不織布では、繊維が互いに重なりあうことで、隙間が形成され、水分を保持することができる。なお、図9において、0.2mmの数値の上の白抜き部分の長さが、「0.2mm」の長さである。
図10は、親水性コーティング膜7が形成される発泡金属製のシート状部材(基材)の表面の拡大図である。発泡金属では、金属が三次元網目構造をとることで、隙間が形成され、水分を保持することが出来る。なお、図10において、0.5mmの数値の下の白抜き部分の長さが、「0.5mm」の長さである。
実施の形態3.
図11は、本実施の形態3に係る加湿装置の断面構成図である。本実施の形態3においては、上記の実施の形態2に係る加湿エレメント14が用いられている。
筐体18は、吸込口19及び吹き出し口10を備えている。吸込口19の内側にはフィルタ16が設けられている。そして、筐体18は、その内部に、ファン15、熱交換器17、加湿エレメント14及びドレンパン11が設置されている。ファン15によって、吸込口19からフィルタ16を通じて、筐体18内部に空気が送り込まれる。送り込まれた空気は、熱交換器17及び加湿エレメント14を通じて、吹き出し口10から排出される。このとき、加湿エレメント14は、ノズル13を備えた水供給部12から水が滴下されて含水状態となっており、送り込まれた空気を加湿する。また、滴下された水は、加湿エレメント14を通じて、水滴20となって、ドレンパン11へ排出される。
以下、実施例及び比較例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。実施例及び比較例で作製した親水性コーティング膜7を用いた加湿エレメント(試験片)は、以下に示す方法によって測定及び評価を行った。
(コーティング膜の比表面積の評価)
コーティング膜の比表面積は、ガス吸着法(BET法)により算出されるコーティング処理された試験片の比表面積の値とコーティング膜形成前後の重量変化から下記の式によって評価した。
コーティング膜の比表面積(m/g)={(コーティング後の試験片の比表面積(m/g))×(コーティング後の試験片の重量(g))}÷{(コーティング後の試験片の重量(g))−(コーティング前の試験片の重量(g))
(吸水性の評価)
吸水率は、3cm×15cm×1mmの試験片の下端部3cmを水に接触させ、一定時間(10秒、30秒、60秒、600秒)吸水させた後、吸い上げ高さを測定した。
(吸水速度の評価)
吸水速度は、3cm×3cm×1mmの試験片に、50μLの水滴を1cmの高さから滴下し、その水滴が試験片に吸収されるまでの時間を測定した。
(加湿性能の評価)
加湿性能は、一定風速の風路内(温度:20℃、湿度:55%RH、風速:2.0m/秒、風量:132m/h)に設置した基材の入口側と出口側との湿度を露点計を用いて測定し、これらの絶対湿度の値から下記の式によって加湿量を算出して評価した。
加湿性能(cc/h/m)=(出口側絶対湿度(g/kg)−入口側絶対湿度(g/kg))×風量(m/h)/加湿面積(m
(耐VOC性の評価)
耐VOC性は、疎水性化合物であるα−ピネンを50質量%含有するエタノール溶液の蒸気に加湿エレメント14を一定時間暴露させた後、加湿性能を評価し、初期の加湿性能からの変化を基に、以下の3段階で評価した。この評価では、1シーズンあたりの加湿時間を2000時間とし、大気中のVOCが室内空気の目標値400μg/mで連続供給されると仮定して、5年相当及び10年相当経過時における性能評価を行った。
◎:初期の加湿性能に対する変化率が5%以下
○:初期の加湿性能に対する変化率が5%超過10%以下
×:初期の加湿性能に対する変化率が10%超過
(耐水性の評価)
耐水性は、加湿エレメント14を流水(2L/分)に一定時間(24時間、240時間、720時間、1440時間)曝し、初期の加湿性能からの変化を基に、以下の3段階で評価した。
◎:初期の加湿性能に対する加湿性能の変化率が5%以下
○:初期の加湿性能に対する加湿性能の変化率が5%超過10%以下
×:初期の加湿性能に対する加湿性能の変化率が10%超過
(実施例1)
脱イオン水に、増粘剤として0.05質量%のポリアクリル酸ナトリウム(レオジック262L、東亞合成社製)を溶解させた後に、親水性無機微粒子として平均粒径10−15nmのシリカ微粒子を含むコロイダルシリカ(スノーテックス0、日産化学社製)及びシリカゲル粒子として平均粒径0.67μmのシリカゾル(LA−S23A、細孔直径16nm、日産化学社製)を添加した後、撹拌混合することによってコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物において、親水性無機微粒子の含有量は2質量%、シリカゲル粒子の含有量は0.1質量%とした。
次に、このコーティング組成物を、多孔質基材としての不織布(ユニチカ社製ユニベックス、平均孔径63μm、1mm厚)に浸漬塗布した後、自然乾燥させることにより、親水性コーティング膜を形成させて加湿エレメントを得た。形成された親水性コーティング膜の比表面積を上記の方法によって測定したところ、比表面積は350m/gであった。
(実施例2)
脱イオン水に、増粘剤として0.05質量%のポリアクリル酸ナトリウム(レオジック262L、東亞合成社製)を溶解させた後に、親水性無機微粒子として平均粒径10−15nmのシリカ微粒子を含むコロイダルシリカ(スノーテックス0、日産化学社製)及びシリカゲル粒子として平均粒径0.29μmのシリカゾル(LA−S263、細孔直径16nm、日産化学社製)を添加した後、撹拌混合することによってコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物において、親水性無機微粒子の含有量は2質量%、シリカゲル粒子の含有量は0.1質量%とした。
次に、このコーティング組成物を、多孔質基材としての不織布(ユニチカ社製ユニベックス、平均孔径63μm、1mm厚)に浸漬塗布した後、自然乾燥させることにより、親水性コーティング膜を形成させて加湿エレメントを得た。形成された親水性コーティング膜の比表面積を上記の方法によって測定したところ、比表面積は400m/gであった。
(実施例3)
脱イオン水に、増粘剤として0.05質量%のポリアクリル酸ナトリウム(レオジック262L、東亞合成社製)を溶解させた後に、親水性無機微粒子として平均粒径10−15nmのシリカ微粒子を含むコロイダルシリカ(スノーテックス0、日産化学社製)及びシリカゲル粒子として平均粒径0.29μmのシリカゾル(LA−S263、細孔直径16nm、日産化学社製)を添加した後、撹拌混合することによってコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物において、親水性無機微粒子の含有量は2質量%、シリカゲル粒子の含有量は0.2質量%とした。
次に、このコーティング組成物を、多孔質基材としての不織布(ユニチカ社製ユニベックス、平均孔径63μm、1mm厚)に浸漬塗布した後、自然乾燥させることにより、親水性コーティング膜を形成させて加湿エレメントを得た。形成された親水性コーティング膜の比表面積を上記の方法によって測定したところ、比表面積は450m/gであった。
(実施例4)
脱イオン水に、増粘剤として0.05質量%のポリアクリル酸ナトリウム(レオジック262L、東亞合成社製)を溶解させた後に、親水性無機微粒子として平均粒径4−6nmのシリカ微粒子を含むコロイダルシリカ(スノーテックス0XS、日産化学社製)及びシリカゲル粒子として平均粒径0.29μmのシリカゾル(LA−S263、細孔直径16nm、日産化学社製)を添加した後、撹拌混合することによってコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物において、親水性無機微粒子の含有量は2質量%、シリカゲル粒子の含有量は0.2質量%とした。
次に、このコーティング組成物を、多孔質基材としての不織布(ユニチカ社製ユニベックス、平均孔径63μm、1mm厚)に浸漬塗布した後、自然乾燥させることにより、親水性コーティング膜を形成させて加湿エレメントを得た。形成された親水性コーティング膜の比表面積を上記の方法によって測定したところ、比表面積は600m/gであった。
(実施例5)
脱イオン水に、増粘剤として0.05質量%のポリアクリル酸ナトリウム(レオジック262L、東亞合成社製)を溶解させた後に、親水性無機微粒子として平均粒径40−100nmの鎖状シリカ微粒子を含むコロイダルシリカ(スノーテックスUP、日産化学社製)及びシリカゲル粒子として平均粒径0.29μmのシリカゾル(LA−S263、細孔直径16nm、日産化学社製)を添加した後、撹拌混合することによってコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物において、親水性無機微粒子の含有量は2質量%、シリカゲル粒子の含有量は0.2質量%とした。
次に、このコーティング組成物を、多孔質基材として不織布(ユニチカ社製ユニベックス、平均孔径63μm、1mm厚)に浸漬塗布した後、自然乾燥させることにより、親水性コーティング膜を形成させて加湿エレメントを得た。形成された親水性コーティング膜の比表面積を上記の方法によって測定したところ、比表面積は200m/gであった。
(比較例1)
不織布(ユニチカ社製ユニベックス、平均孔径63μm、1mm厚)を加湿エレメントとして用いた。この不織布の比表面積は0.5m/gであった。
(比較例2)
脱イオン水に、親水性無機微粒子として平均粒径12nmのシリカ微粒子を含むコロイダルシリカ(スノーテックス0、日産化学社製)を添加した後、撹拌混合することによってコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物において、親水性無機微粒子の含有量は2質量%とした。
次に、このコーティング組成物を、多孔質基材として不織布(ユニチカ社製ユニベックス、平均孔径63μm、1mm厚)に浸漬塗布した後、自然乾燥させることにより、親水性コーティング膜を形成させて加湿エレメントを得た。形成された親水性コーティング膜の比表面積を上記の方法によって測定したところ、比表面積は100m/gであった。
(比較例3)
脱イオン水に、増粘剤として0.05質量%のポリアクリル酸ナトリウム(レオジック262L、東亞合成社製)を溶解させた後に、親水性無機微粒子として平均粒径20−25nmのシリカ微粒子を含むコロイダルシリカ(スノーテックスST‐O‐40、日産化学社製)及びシリカゲル粒子として平均粒径0.29μmのシリカゾル(LA−S263、細孔直径16nm、日産化学社製)を添加した後、撹拌混合することによってコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物において、親水性無機微粒子の含有量は2質量%、シリカゲル粒子の含有量は0.1質量%とした。
次に、このコーティング組成物を、多孔質基材としての不織布(ユニチカ社製ユニベックス、平均孔径63μm、1mm厚)に浸漬塗布した後、自然乾燥させることにより、親水性コーティング膜を形成させて加湿エレメントを得た。形成された親水性コーティング膜の比表面積を上記の方法によって測定したところ、比表面積は60m/gであった。
上記の実施例及び比較例で作製した加湿エレメントについて上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
表1に示されているように、本実施形態の製造方法で作製した親水性コーティング膜を用いた実施例1〜5の加湿エレメントは、初期の加湿性能に優れているだけでなく、長期間にわたる加湿性能にも優れていた。
これに対して、不織布のみを用いた比較例1の加湿エレメントは、吸水性が低く、初期の加湿性能が十分でなかった。また、シリカゲル粒子を配合していない比較例2の加湿エレメントは、比表面積が小さく、長期間における加湿性能が劣っていた。さらに、平均粒径がシリカゲル粒子の細孔の平均径よりも大きいシリカ微粒子を用いた比較例3の加湿エレメントは、比表面積が小さく、また吸水性が低く、また初期からの加湿性能が十分でなかった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、初期の加湿性能だけでなく、長期間にわたる加湿性能にも優れた親水性コーティング膜及びその製造方法、並びに加湿エレメントを提供することができる。
1 基材、2 親水性無機微粒子、3、シリカゲル粒子、4 細孔、5 ゾルゲルシリカ、6 水、7 親水性コーティング膜、8 増粘剤、10 吹出口、11 ドレンパン、12 水供給部、13 ノズル、14 加湿エレメント、14a シート状部材、14b 櫛歯状部材、15 ファン、16 フィルタ、17 熱交換器、18 筐体、19 吸込口、20 水滴。

Claims (16)

  1. 多孔質性のシリカゲル粒子と、
    このシリカゲル粒子の平均細孔径よりも小さな平均粒径を有する親水性無機微粒子と、
    増粘剤と、を含む、親水性コーティング膜。
  2. 前記親水性無機微粒子の平均粒径が、4nm以上15nm以下である、請求項1記載の親水性コーティング膜。
  3. 前記親水性無機微粒子が、シリカ微粒子である、請求項1又は2に記載の親水性コーティング膜。
  4. 前記シリカゲル粒子の平均細孔径が、4nm超過100nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の親水性コーティング膜。
  5. 前記シリカゲル粒子の含有量が、前記親水性無機微粒子の1質量%以上10質量%未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の親水性コーティング膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の親水性コーティング膜の比表面積が、200m/g以上600m/g以下である、親水性コーティング膜。
  7. 平均粒径が15nm超過100nm以下の親水性無機粒子をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の親水性コーティング膜。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記親水性コーティング膜が表面に形成された、加湿エレメント。
  9. 請求項8に記載の加湿エレメントと、
    前記加湿エレメントに水分を供給する水供給部と、
    前記加湿エレメントに送風するファンと
    を備えた、加湿装置。
  10. 水と、増粘剤と、多孔質性のシリカゲル粒子と、このシリカゲル粒子の平均細孔径よりも小さな平均粒径を有する親水性無機微粒子とを含むコーティング組成物を基材に塗布して乾燥させる、親水性コーティング膜の製造方法。
  11. 前記親水性無機微粒子の平均粒径が、4nm以上15nm以下である、請求項10に記載の親水性コーティング膜の製造方法。
  12. 前記親水性無機微粒子が、シリカ微粒子である、請求項10又は11に記載の親水性コーティング膜の製造方法。
  13. 前記シリカゲル粒子の平均細孔径が、4nm超過100nm以下である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の親水性コーティング膜の製造方法。
  14. 平均粒径が15nm超過100nm以下の親水性無機粒子をさらに含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の親水性コーティング膜の製造方法。
  15. 前記コーティング組成物中の前記親水性無機微粒子の含有量が0.2質量%以上10.0質量%以下である、請求項10〜14のいずれか一項に記載の親水性コーティング膜の製造方法。
  16. 前記コーティング組成物中の前記増粘剤の含有量が0.05質量%以上0.25質量%以下である、請求項10〜15のいずれか一項に記載の親水性コーティング膜の製造方法。
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