JP6093662B2 - 電気掃除機の吸口体およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents

電気掃除機の吸口体およびそれを用いた電気掃除機 Download PDF

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Description

本発明は、電気掃除機の吸口体およびそれを用いた電気掃除機に関する。
従来技術として、吸込口を有する吸込具本体(吸口本体)に、被掃除面上を自由転動する起毛布ローラ体を取り付けた電気掃除機の吸込具(吸口体)において、前記起毛布ローラ体の回転方向の一方向の動きを規制し、回転方向の逆方向の動きをフリーとする制動手段を備えた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3268514号公報
しかしながら、特許文献1に記載の制動手段は、吸込具本体(吸口本体)の起毛布ローラ体周面と対向する壁面との間に形成された楔状空間と、該楔状空間内に配置されて前記起毛布ローラ体周面と前記壁面との間に介在し、該起毛布ローラ体の回転方向の一方向の動き時に該楔状空間内の奥に嵌入して該起毛布ローラ体の動きを規制する制動輪とから構成されているため、構造が複雑であった。また砂ゴミ等の侵入や糸からみにより制動輪の動きが妨げられ、起毛布ローラ体の制動機能が損なわれる恐れがあった。そのため吸込具(吸口体)後退時に、起毛布ローラ体の回転が規制され、吸込具(吸口体)後方の塵埃が集塵されなかったり、吸込具(吸口体)前進時に起毛布ローラ体が回転して、吸込口に吸引された塵埃が起毛布ローラ体の後方に出ていく恐れがあった。
本発明は、簡単な構成で、起毛布ローラ体の回転方向の一方向の動きを規制し、回転方向の逆方向の動きを許容することで、吸口体後退時の集塵性能を向上させた電気掃除機の吸口体およびそれを用いた電気掃除機を提供することを目的とする。
本発明は、清掃面と略平行な回転軸を有する第1回転清掃体と、前記第1回転清掃体を支持する吸込室と、前記第1回転清掃体の後方に、前記回転軸と平行な軸を有し、前記清掃面と接触する第2回転清掃体と、を備え、該第2回転清掃体の表面には、刷毛体もしくは弾性体を設け、該刷毛体もしくは弾性体は吸口体の一部に接触するように設けられており、前記吸口体の後進時に前記第2回転清掃体の回転動作を許容し、かつ前進時に前記第2回転清掃体の回転動作を規制するように、円周方向に傾斜して設けられていることを特徴とする。

本発明によれば、簡単な構成で、起毛布ローラ体の回転方向の一方向の動きを規制し、回転方向の逆方向の動きを許容することで、吸口体後退時の集塵性能を向上させた電気掃除機の吸口体およびそれを用いた電気掃除機を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電気掃除機の全体を示す外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る吸口体の上面図である。 本発明の実施形態に係る吸口体の下面図である。 本発明の実施形態に係る吸口体の上ケースを外した状態を示す上面図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 床面から離した状態の本発明の実施形態に係る吸口体の側面図である。 床面に接している状態の本発明の実施形態に係る吸口体の側面図である。 前進時の本発明の実施形態に係る吸口体の側面図である。 後退時の本発明の実施形態に係る吸口体の側面図である。 図2のA−A線断面図で、第2回転清掃体付近の拡大図である。
以下、本発明に係る実施形態例について適宜図面を参照して説明するが、本実施形態例は以下の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内において適宜変更して実施可能である。
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除機1の全体を示す外観斜視図である。図1に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体2と、ホース部3と、手元操作スイッチSW等が設けられた操作管4と、伸縮自在に設けられた延長管5と、吸口体6とを備えて構成されている。
掃除機本体2は、吸引力を発生させる電動送風機2a、この電動送風機2aの吸引力で集塵した塵埃を収容する集塵部2bなどを備えている。なお、本実施形態例では、いわゆるサイクロン式の電気掃除機を例に挙げて説明するが、いわゆる紙パック式の電気掃除機に適用してもよい。
ホース部3の一端は、掃除機本体2の集塵部2bと連通するように掃除機本体2の接続口2cに接続されている。また、ホース部3の他端は、操作管4の一端に接続されている。
操作管4は、手元操作スイッチSWなどを備えたグリップ4a、延長管5が接続されて掃除機本体2から給電される図示しない給電端子などを備えている。この給電端子には、延長管5の一端に設けられる図示しない通電端子が接続される。
操作管4の手元操作スイッチSWを操作することなどによって、電動送風機2aの運転の強中弱切り替えや、吸口体6に設けられた第1回転清掃体20の入り切り等が可能となっている。
延長管5は、外管5aと内管5bとを備え、外管5aの他端部に内管5bの一端部が挿入されて外管5aと内管5bとの内側に設けられた図示しない通風路が連通するように連結されて、伸縮自在に構成されている。なお、図1は、延長管5が最短の状態を図示している。
図2は、本発明の実施形態に係る吸口体6の上面図である。
図2に示すように、吸口体6は、上から見て略T字形状を呈する吸口ケース10と、吸口ケース10に連結される吸口継手13とを備えている。
吸口ケース10は、上から見て、左右方向(幅方向、後術する第1回転清掃体20の回転軸方向)に細長く形成された吸口本体11と、吸口本体11の長手方向の中央部に吸口継手13と連結される連結部12とを備えている。連結部12には、吸口本体11と吸口継手13とを連通させる流路R(図3参照)が形成されている。
吸口本体11には、前端面から左右側面にかけてバンパ11aが設けられている。バンパ11aは、ゴムやエラストマー等の弾性材料から形成されており、使用時に吸口本体11内の気密を保持するとともに、電気掃除機1(図1参照)の使用時に吸口本体11が家具等に衝突した際に、当該家具等の傷付きを防止するとともに、と吸口本体11への衝撃を吸収する緩衝材の役割を果たしている。
吸口体6は、吸口本体11の長手方向(左右方向)の中央部に発光手段70を備えている。この発光手段70は、操作管4の手元操作スイッチSWを操作することなどによって選ばれた、電動送風機2aの運転の強中弱状態(例えば強運転時には赤色、中運転時にはオレンジ色、弱運転時は緑色)を表示する。
吸口継手13は、連結部12に対して回動自在に連結される第1接続管14と、この第1接続管14に対して回動自在に連結される第2接続管15とを備えている。
第1接続管14は、図2に示す上面図において略半トラック形状を呈し、連結部12と連結される一部開口した流路を有する円筒形状の軸14aを有している。軸14aは、軸方向が吸口本体11の長手方向であって、軸14aの両端部が連結部12に形成された一対の軸受部12g(図4参照)に支持されている。また、第1接続管14は、床面(清掃面)に対して略平行な状態から略垂直な状態まで(上下方向に)回動可能となるように構成されている。すなわち、第1接続管14を吸口ケース10に対して軸14aを支点として回動させることによって、延長管5を床面に略平行な状態と略垂直な状態との間において回動させることができる。
第2接続管15は、第1接続管14に対して長手方向に(図2の紙面時計回り方向および反時計回り方向に)回動可能となるように構成されている。これにより、例えば、延長管5を床面に対して略垂直にした状態から、延長管5を床面に略平行な状態にむけて倒すことができる。
また、第2接続管15には、給電が行われる給電端子15a、15aが設けられている。なお、本実施形態例の電気掃除機1(図1参照)では、吸口体6に給電する電力を、掃除機本体2からホース部3、操作管4、延長管5を通じて供給するように構成されている。
このような吸口継手13は、例えば延長管5(図1参照)を床面に対して略垂直とした状態において、その延長管5を左右方向(長手方向)に倒すことができることで、操作管4(グリップ4a)を時計回りあるいは反時計回りにねじることで、吸口本体11を時計回りあるいは反時計回りのいずれかに略90度回転させ、吸口本体11の長手方向を移動方向にした掃除が可能である。したがって、壁際に沿って吸口体6を移動させて掃除したり、狭い隙間に吸口体6を挿入したりして掃除することが可能になる。
図3は、本発明の実施形態に係る吸口体6の下面図である。
図3に示すように、吸口体6は、略円筒形状の第1回転清掃体20、二つの略円筒形状の第2回転清掃体30を備えている。吸口ケース10(吸口本体11)には、下面(清掃面に対峙する面)に、吸込口となる開口部を有する吸込室Q2が形成されている。なお、第1回転清掃体20や第2回転清掃体の数はこれに限るものではない。
第1回転清掃体20は、吸口本体11の長手方向(左右方向)に沿って前後方向の連結部12の前側に配置され、吸口本体11に回転可能に支持されている。
また、第1回転清掃体20は、線径や密度や硬さが異なる刷毛体や弾性体などの複数種類のブラシ20a、20b、20cを備え、各ブラシ20a、20b、20cが回転軸21(図6参照)に対してらせん状に配設されている。なお、本実施形態例では、3種類のブラシ20a、20b、20cを配設した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、2種類以下であってもよく、4種類以上であってもよく、らせん状に配置されたブラシ間にゴムなどの弾性材料からなるブレード部材をらせん状に配置する構成を追加してもよく、適宜変更することができる。
第2回転清掃体30は、第1回転清掃体20の直径よりも小さな直径の部材である。第2回転清掃体30は、表面に刷毛体(起毛布)30bを有している。本実施形態では第2回転清掃体30は二つあり、吸口本体11において、第1回転清掃体20の後方で、かつ吸口本体11の長手方向(第1回転清掃体20の軸方向)の左右方向にそれぞれ配置されている。換言すると、第2回転清掃体30は、吸口本体11において、流路R(図3参照)を挟んだ両側に設けられている。例えば、一つの第2回転清掃体30は、第1回転清掃体20の直径の約二分の一の直径、第1回転清掃体20の軸方向の長さの略三分の一の長さで構成されており、吸口本体11において、二つの第2回転清掃体30を流路Rを挟んだ両側に設けることができる。
また、それぞれの第2回転清掃体30は、第1回転清掃体20の回転軸21と平行なシャフト30aを有している。このシャフト30aの外周のパイプ体30e(図6参照)の外側に微細繊維で形成されたカットパイル状の刷毛体(起毛布)30bがパイプ体30eの回転軸方向に対して螺旋状に巻かれており、この刷毛体(起毛布)30bの微細繊維はパイプ体30eに対し円周方向に傾斜している。この刷毛体(起毛布)30bは、吸口体6の一部に接触するように設けられており、吸口体6の後進時に第2回転清掃体30の回転動作を許容し、かつ前進時に前記第2回転清掃体30の回転動作を規制するように円周方向に傾斜して設けられている。パイプ体30eの両端面には、ホルダー30c、30dが固定されている。そして、このホルダー30c、30dは、巻き付けた刷毛体(起毛布)30bの端部を押さえて剥がれを防止するとともに、シャフト30aの軸受けを兼ねている。シャフト30aとパイプ体30eは略同心円で隙間を有するので、これによりパイプ体30eおよび刷毛体(起毛布)30bは、シャフト30aに回動可能に支持されている。このように、第2回転清掃体30を電動機で駆動させるのではなく、シャフト30aを介して吸口本体11に支持させ、床面との接触により回転駆動させることにより、第2回転清掃体30の構成を簡略化することができる。さらに、刷毛体(起毛布)30bの微細繊維は一方向の回転動作を許容し他方向の回転動作を規制するようにパイプ体30eに対し円周方向に傾斜しているため、吸口体6の組み立て時に誤って逆方向に取り付けることのないように、ホルダー30cと30dは、異なる色を用いる、形状を変える、などし、吸口本体11におけるホルダー30cと30dに対応する部分もそれに応じて色や形状を変えることで、左右の取り付け方向が分かり、誤って取り付けることがないようになっている。
また、ホルダー30cと30dを含む第2回転清掃体30の左右幅は、この第2回転清掃体30を取り付ける収納室の幅L1より短く構成してある。そのため第2回転清掃体30は左右に隙間を有しており、この隙間分、シャフト30aに沿って左右に移動することができる。このことにより、清掃時に床面の糸屑や髪の毛等の細長い塵埃がシャフト30aに巻き付く事を防止することができ、もしシャフト30aに巻き付いても、容易に取り除く事が出来る。
なお、吸口ケース10には、吸口ケース10の連結部12の下面にブラシ駆動スイッチ16が設けられ、ブラシ駆動スイッチ16の後方(連結部12の後端)に車輪17が設けられている。
ブラシ駆動スイッチ16は、吸口体6の下面が清掃面に接触しているか否かを検出するスイッチである。ブラシ駆動スイッチ16は、車輪16aを備え、この車輪16aがばね等の付勢手段によって常に吸口ケース10(連結部12)の下面から突出するように設けられている。そして、車輪16aが飛び出して床面と接触していないと検出されたときには、後記する回路基板50(制御基板)によって電動機40の駆動が停止される。また、車輪16aが押し込まれて床面と接触していると検出されたときには、回路基板50によって電動機40が駆動される。
車輪17は、操作管4で操作される前後動や回転操作の応力を受けて吸口体6の底面を清掃面に密着させ、これにより吸口体6の操作性能を向上する役割を有している。
図4は、吸口体6の上ケース11Bを外した状態を示す上面図である。
図4に示すように、吸口体6は、第1回転清掃体20および一対の第2回転清掃体30の上方に、第1回転清掃体20を駆動する電動機40および電動機40を制御する回路基板50を備えている。
電動機40は、吸口本体11の長手方向の一端側に取り付けられている。また、電動機40は、その出力軸40a(図5参照)が吸口本体11の長手方向と平行に配置されている。また、電動機40の出力軸40aは、長手方向の一端側に向けて延び、吸口本体11内の一端部(図示右側の端部)において、歯付きベルト40bを介して第1回転清掃体20の回転軸21(図5参照)と連結されている。
カバー部材43は、合成ゴム等の弾力性を有する絶縁部材で形成され、このカバー部材43の弾力性を利用して収容室Q1に電動機40の一端側が支持されているので、電動機40の振動が吸口ケース10に伝わり難い構造となっている。
回路基板50は、吸口本体11の長手方向の他端側に取り付けられている。また、回路基板50は、長辺が長手方向に向くようにして配置された長方形状の基板で構成され、実装面50aが鉛直方向上方を向くように吸口本体11内に配置されている。なお、実装面50aは、必ずしも鉛直方向上方を向くものに限定されず、水平方向に対して傾斜してもよく、前後方向を向くように(縦向きに)してもよい。
図5は、図2のA−A断面図である。
図5に示すように、吸口ケース10の吸口本体11は、第1回転清掃体20を覆うように下部分を形成する下ケース11A、および下ケース11Aの上部に被着された上ケース11Bを備えている。これら下ケース11A、上ケース11Bを含む吸口ケース10および前記した吸口継手13の主たる部品は、軽量で硬質の材料、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂材料で形成され、剛性が高められている。
下ケース11Aは、第1回転清掃体20が配置される吸込室Q2と、電動機40が収容される収容室Q1とを区画する隔壁11cを有している。隔壁11cは、第1回転清掃体20の表面に沿って形成される湾曲部11dと、第2回転清掃体30の表面に沿って形成される湾曲部11eとを有し、湾曲部11dと湾曲部11eとが連続して形成されている。また、湾曲部11dは、断面視において、第1回転清掃体20の略前端部まで延びている。湾曲部11eは、断面視において、第2回転清掃体30の後端部よりも後側且つシャフト30aよりも後側まで延びている。
上ケース11Bは、連結部12と一体に形成されて電動機40および回路基板50(図4参照)の上部を覆う本体部11fと、この本体部11fの外側に重ねて配置されるカバー部11gとを有している。カバー部11gは、上ケース11Bの前部および左右両端部に渡って配置されている(図2参照)。本実施形態例では、バンパ11aが、下ケース11Aと上ケース11B(カバー部11g)とで挟み込まれることで保持されている。
第1回転清掃体20は、回転軸21にブラシ20a、20b、20cを螺旋状に保持するコア部材22が外嵌されている。このように、ブラシ20a、20b、20cを螺旋状に配置することにより、第1回転清掃体20が回転したときに、床面M(図8参照)にブラシ20a、20b、20cを連続して当てることができ、第1回転清掃体20の動作時の振動を抑制することができる。
第2回転清掃体30は、シャフト30aにパイプ体30eを介して断面が略円形状の刷毛体(起毛布)30bが取り付けられ、吸口本体11において第1回転清掃体20と接触しない位置に配置されている。このように、第2回転清掃体30を第1回転清掃体20に接触しない範囲において、第1回転清掃体20と第2回転清掃体30とを最大限接近させることにより、吸口本体11の前後幅D(図2参照)を短くすることが可能になり、吸口体6の小型軽量化が可能となる。
電動機40のステータ41は、横断面(出力軸40aに直交する断面の輪郭、輪切り断面)が略小判形状を呈している。ステータ41は、一対の円弧部41aと、これらの円弧部41aをつなぐ一対の直線部41bとを備えている。なお、電動機40は、略小判形状のものに限定されるものではなく、円形状のものであってもよい。
また、電動機40は、収容室Q1において、直線部41bが鉛直方向の軸Z1に対して傾斜した姿勢、つまり一方の円弧部41aが前方上向き且つ他方の円弧部41aが後方下向きとなるように収容されている。
また、電動機40は、収容室Q1において、電動機40(ステータ41)の前端部41sが、第1回転清掃体20の後端部20sよりも前方に位置するように配置されている。これにより、第1回転清掃体20の後端部20sから後方に突出する電動機40の距離を短くでき、吸口本体11の前後幅D(図2参照)を短くすることが可能になる。
また、電動機40は、収容室Q1において、電動機40(ステータ41)の下端部41tが、第1回転清掃体20の上端部20tよりも鉛直方向の下方に位置するように配置されている。これにより、第1回転清掃体20の上端部20tから上方に突出する電動機40の距離を短くでき、吸口本体11の清掃面から高さ(最大高さ)を低くすることができる。その結果、ソファやベッドなどの高さの低い隙間に吸口本体11を挿入し易くできる。
ステータ41の内部には、アーマチュア44が回転自在に支持されている。ステータ41の内周には、界磁用の瓦状に形成された2つのマグネット45が周方向に間隔を隔てて固着されている。すなわち、本実施形態例の電動機40は、スロットの個数が7個、マグネット45が2つ設けられた2極7スロットのモータである。なお、前記したスロットの数は、7個に限られることはなく他の個数(例えば8個)に設定してもよい。
また、吸口本体11の上ケース11Bは、円弧部41aの近傍および直線部41bの近傍において、円弧部41aおよび直線部41bに略沿う形状を有している。また、吸口本体11の下ケース11Aは、第1回転清掃体20の後方において、下ケース11Aおよび上ケース11Bによって構成される収容室Q1から下方に湾曲して延びる外郭壁11hを有している。この外郭壁11hは、第2回転清掃体30の曲面(表面)に沿って延び、外郭壁11hの下端部11h1が、第2回転清掃体30のシャフト30aの略高さ位置まで下降するように延びている。
図6は、図2のB−B断面図である。
図6に示すように、回路基板50は、収容室Q1において、実装面が鉛直方向(上下方向)上向きとなるように配置されている。すなわち、回路基板50は、第1回転清掃体20の後方ではなく、第1回転清掃体20の上端部20tよりも上側に配置されている。なお、回路基板50は、図示しない位置決め手段やねじ固定によって、位置ずれしないように吸口本体11内に固定されている。また、本実施形態例では、回路基板50を水平に配置した場合を例に挙げて説明したが、回路基板50を水平方向に対して傾斜した状態で配置する構成であってもよく、回路基板50の実装面が前後方向を向くように、回路基板50を起立した状態で配置してもよい。
第2回転清掃体30は、パイプ体30eの外側に微細繊維で形成されたカットパイル状の刷毛体(起毛布)30bが螺旋状に巻かれており、この刷毛体(起毛布)30bの微細繊維はパイプ体30eに対し円周方向に傾斜している。パイプ体30eの両端面には、ホルダー30c、30dが固定されている。そして、このホルダー30c、30dは、巻き付けた起毛布30bの端部の剥がれ防止と、シャフト30aの軸受けを兼ねている。この起毛布30bの先端は、隔壁湾曲部11eの表面に接触する様な刷毛高さを有している。このため、第2回転清掃体30が回転する際、刷毛体(起毛布)30bと隔壁湾曲部11eの表面との間で、摩擦抵抗が発生するが、微細繊維がパイプ体30eに対し円周方向に傾斜しているため、回転方向W2には、摩擦抵抗が小さく自由に回転するが、回転方向W3には、摩擦抵抗が大きくほぼロック状態となる。つまり、刷毛体(起毛布)30bは、隔壁湾曲部11eに接触するように設けられており、吸口体6の後進時に第2回転清掃体30の回転方向W2への回転動作を許容し、かつ前進時に前記第2回転清掃体30の回転方向W3への回転動作を規制するように円周方向に傾斜して設けられている。
また、シャフト30aの全周方向に刷毛体(起毛布)30bを均等に巻き付けているため、吸込室Q2の気密を保持しやすく、また吸込室Q2から漏れる騒音や隙間を流れる気流により発生する騒音を小さくできる。
また第2回転清掃体30は、図3に示すように、左右に隙間を有しているが、吸口体6が床面Mに接触して清掃している時は、吸引により中央部に吸い寄せられ、流速の速い中央側の隙間を塞ぐように移動するので、漏れ騒音を抑制できる。
図7は、本発明の実施形態に係る吸口体を床面から離した状態の側面図である。
図7に示すように、吸口体6が床面Mに接触していない場合には、第1回転清掃体20の下端部20uが、第2回転清掃体30の下端部30uよりも鉛直方向の下方に位置している。また、連結部12の下面に設けられた車輪16aが突出して、ブラシ駆動スイッチ16がオフになり、第1回転清掃体20の動作が停止する。
図8は、本発明の実施形態に係る吸口体が床面に接している状態の側面図である。
図8に示すように、吸口体6が床面Mに接触すると、車輪16aが押し込まれ、ブラシ駆動スイッチ16がオンになり、第1回転清掃体20がW1方向(図示反時計回り方向)に回転する。このとき、床面Mと接触する領域のブラシ20a、20b、20cが撓むことで、ブラシ20a、20b、20cと床面Mとの接触量を十分に確保することができ、床面Mの塵埃を効果的に掻き込むことができる。
同様に、第2回転清掃体30が床面Mと接触することにより、床面Mと接触する領域の刷毛体(起毛布)30bが撓むことで、刷毛体(起毛布)30bと床面Mとの接触抵抗を十分に確保することができる。
図9は、本発明の実施形態に係る吸口体6が後退している状態の側面図である。
図9に示すように、第2回転清掃体30は、刷毛体(起毛布)30bと床面Mとの接触抵抗より刷毛体(起毛布)30bと隔壁湾曲部11eとの接触抵抗が小さいため、W3で示す回転方向に回転し、床上の塵埃DSを吸込室Q2内に導入する。導入された塵埃DSは、吸込室Q2(図6参照)から流路R(図3参照)を通じて吸口継手13の通路に運ばれ、その後、延長管5、操作管4およびホース部3を通じて掃除機本体2の集塵部2bに吸引される(図1参照)。集塵部2bによって塵埃が取り除かれた空気は、図示しないフィルタおよび電動送風機2a内を通り、掃除機本体2の外部に排出される(図1参照)。
図10は、本発明の実施形態に係る吸口体6が前進している状態の側面図である。
図10に示すように、第2回転清掃体30は、刷毛体(起毛布)30bと床面Mとの接触抵抗より刷毛体(起毛布)30bと隔壁湾曲部11eとの接触抵抗が大きいため回転せず、吸込室Q2内に吸引された塵埃が吸口本体11の後方に掃き出されるのを防止することができる。とくに第1回転清掃体20の回転によって吸込室Q2内に吸引された塵埃が後方へ弾かれ、吸口本体11の後方に飛び出ることを抑制できる。
吸引された塵埃DSは、吸込室Q2(図6参照)から流路R(図3参照)を通じて吸口継手13の通路に運ばれ、その後、延長管5、操作管4およびホース部3を通じて掃除機本体2の集塵部2bに吸引される(図1参照)。集塵部2bによって塵埃が取り除かれた空気は、図示しないフィルタおよび電動送風機2a内を通り、掃除機本体2の外部に排出される(図1参照)。
このように、本実施形態例によれば、第1回転清掃体の後方に床面Mと接する第2回転清掃体30を設けたことにより、吸口体6を後退させたときに(吸口体6を後方に引いたときに)、第2回転清掃体30が床面Mとの接触抵抗により回転することで、吸口本体11の後方の塵埃を吸込室Q2内に吸い込むことができる。
また、吸口体6を前進させたときに(吸口体6を前方へ押したときに)、第2回転清掃体30の回転が規制されるため、第1回転清掃体20によって吸込室Q2内に掻き込まれた塵埃が、吸口本体11の後方に掃き出されるのを防止することができる。
また、本実施形態例によれば、第2回転清掃体30の回転方向を規制する手段として可動部を設ける必要がないので、構造が簡単になる。また、砂ゴミ等の侵入により、規制機能が損なわれる恐れも小さい。
また、本実施形態例では、第2回転清掃体30の刷毛体(起毛布)30bの先端は、隔壁湾曲部11eの表面全体に接する様な刷毛高さを有していたが、必ずしも隔壁湾曲部11eの表面全体に接する必要ななく、例えば図11に示すように、隔壁湾曲部11eの内側に断面形状が略三角形状の突起35a、35b、35cを設け、これらの突起と刷毛体(起毛布)30bの先端が接触する様に刷毛高さを設定することにより、回転方向W2には、摩擦抵抗が小さくほぼ自由に回転するが、回転方向W3には、摩擦抵抗が大きくほぼロック状態となる。
さらに詳しく説明すると、第2回転清掃体30の回転駆動力は、刷毛体(起毛布)30bと床面Mとの摩擦力であり、第2回転清掃体30の回転制動力は、刷毛体(起毛布)30bと突起35a、35b、35cとの摩擦力である。起毛布30bの微細繊維はパイプ体30eに対し円周方向に傾斜しており、その傾斜の方向は、刷毛体(起毛布)30bが床面に接する位置にて、吸口体6の前方から後方向きである。このため、吸口体6を前進させる時は、起毛布30bと床面Mとの摩擦力すなわち第2回転清掃体30の回転駆動力は小さくなり、刷毛体(起毛布)30bと突起35a、35b、35cとの摩擦力すなわち第2回転清掃体30の回転制動力は大きくなり、第2回転清掃体30の回転は規制される。逆に吸口体6を後退させる時は、刷毛体(起毛布)30bと床面Mとの摩擦力すなわち第2回転清掃体30の回転駆動力は大きくなり、刷毛体(起毛布)30bと突起35a、35b、35cとの摩擦力すなわち第2回転清掃体30の回転制動力は小さくなり、第2回転清掃体30は回転する。
なお、本実施形態例では、第2回転清掃体30の回転方向W3時には、ほぼロック状態となると述べたが、必ずしもロックする必要はなく、吸口体6が前進している状態で第2回転清掃体30の回転が、フリーの時と比較して遅くなれば、第1回転清掃体20によって吸込室Q2内に掻き込まれた塵埃が吸口本体11の後方に掃き出されるのを防止することができる。
なお、本実施形態例では、第2回転清掃体30の表面に刷毛体(起毛布)30bを設け、刷毛体(起毛布)30bが、吸口体6の一部と接触するように設けられており、吸口体6の後退時に回転動作を許容し、かつ前進時に回転動作を規制するように円周方向に傾斜して設けたとしたが、この限りではない。簡単な構成で、回転の際、一方向の回転を規制し、他方向の回転を許容する効果を奏する部材、取付け方であれば良い。例えば、本実施形態の刷毛体(起毛布)30bを弾性体とすることでも上記効果を奏すると考えられる。
以上述べたように本形態例によれば、簡単な構成で、前進時には第2回転清掃体30がほぼ固定して床面と接触するので、前方から吸い込んだ塵埃を第2回転清掃体30より後方へ排出しにくくすることが可能で、かつ、後退時には第2回転清掃体30が回転して吸口体6の後方の塵埃を吸込室Q2へ搬送することができ、塵埃の吸い残しを抑制できる。また、本実施形態例では、第1回転清掃体と、これを回転駆動する電動機を用いる場合を説明したが、掃除機本体2の電動送風機2aによって発生する吸引力を用いて第1回転清掃体を駆動して、また第1回転清掃体がなくても同様の効果が得られる。
1 電気掃除機
2 掃除機本体
2a 電動送風機
2b 集塵部
6 吸口体
10 吸口ケース
11c、11e、11h 隔壁
20 第1回転清掃体
30 第2回転清掃体
30a 回転軸
30b 起毛布
30c、30d ホルダー
40 電動機
50 回路基板(回路基板)
35a、35b、35c 突起
M 床面(清掃面)
Q2 吸込室
Q1 収容室

Claims (5)

  1. 清掃面と略平行な回転軸を有する第1回転清掃体と、
    前記第1回転清掃体を支持する吸込室と、
    前記第1回転清掃体の後方に、前記回転軸と平行な軸を有し、前記清掃面と接触する第2回転清掃体と、を備え、
    該第2回転清掃体の表面には、刷毛体もしくは弾性体が設けられ、
    該刷毛体もしくは弾性体は吸口体の一部に接触するように設けられており、前記吸口体の後進時に前記第2回転清掃体の回転動作を許容し、かつ前進時に前記第2回転清掃体の回転動作を規制するように、円周方向に傾斜して設けられていることを特徴とする電気掃除機の吸口体。
  2. 前記刷毛体もしくは弾性体は、前記吸口体を後退させたときの回転抵抗より、前記吸口体を前進させたときの回転抵抗が大きくなるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機の吸口体。
  3. 前記刷毛体もしくは弾性体は、前記吸口体を後退させたときの回転を許容し、前記吸口体を前進させたときの回転を止めるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機の吸口体。
  4. 前記第2回転清掃体の両端は、左右で色彩又は/および形状が異なることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電気掃除機の吸口体。
  5. 吸引力を発生する電動送風機、および塵埃を集塵する集塵部を有する掃除機本体と、該掃除機本体と接続される請求項1乃至4の何れか1項に記載の電気掃除機の吸口体と、を備える電気掃除機。
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