JP6092814B2 - アンカ部材のピット枠への取付構造 - Google Patents

アンカ部材のピット枠への取付構造 Download PDF

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本発明は、基礎上に構築するピットの開口縁部に配置されるピット枠の、ピット開口とは反対側の側面に、ピット枠の長手方向に延びる係止溝が形成され、基礎上に起立する支柱に結合可能なアンカ部材が前記係止溝に収納、固定される、アンカ部材のピット枠への取付構造に関する。
上記アンカ部材を用いてピット枠を支柱に支持させるピット枠支持構造は従来公知である(下記特許文献1を参照)。
特開平10−8697号公報
ところが上記従来のピット枠支持構造では、ピット枠の製造工場又は建築現場において、ピット枠の係止溝に装入したアンカ部材を、係止溝内面に裏板を当てがった状態でボルトで係止溝に締結、固定するようにしていたので、その作業前にアンカ部材にボルトを予め螺挿しておく必要があり、そのねじ加工やボルトを取付けたり締め込んだりする作業や、係止溝内面に裏板をセットする作業等が面倒で、作業能率が悪い等の問題がある。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来構造の前記問題を簡単な構造で解決できるようにした、アンカ部材のピット枠への取付構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、基礎上に構築するピットの開口縁部に配置されるピット枠の、ピット開口とは反対側の側面に、ピット枠の長手方向に延びる係止溝が形成され、基礎上に起立する支柱に結合可能なアンカ部材が前記係止溝に収納、固定される、アンカ部材のピット枠への取付構造において、前記アンカ部材は、前記係止溝に遊隙を存して装入可能なアンカ本体と、そのアンカ本体に基部が連結される弾性部材とを備えており、前記弾性部材は、これの自由端部を前記係止溝に係合させ且つ該弾性部材を弾性変形させることで生じる弾発力により、その係止溝の内面に前記アンカ本体を圧接させることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記アンカ本体は、前記係止溝にその開放面より装入可能であり且つその装入後に係止溝内で所定角度回動して係止溝内面に係合可能な取付姿勢をとり得るよう縦長形状に形成され、前記弾性部材は、前記アンカ本体の前記係止溝への前記装入を許容し且つ該アンカ本体が前記前記取付姿勢にあるときに該係止溝の内面に前記自由端部が圧接し得る形状の板ばねで構成されることを第2の特徴とする。
また本発明は、前記第2の特徴に加えて、前記弾性部材の基部が前記アンカ本体に相対回動可能に連結されることを第3の特徴とする。
また本発明は、第1〜第3の特徴の何れかに加えて、前記ピット枠は、上壁部及び下壁部の一端相互を鉛直壁で一体に結合して横断面コ字状に形成されたチャンネル枠部を一体に備えていて、それら上壁部及び下壁部並びに鉛直壁で前記係止溝が形成され、前記上壁部及び下壁部の各内端には、前記係止溝の開口部を狭めるように互いに接近する側に延びる一対の係止爪部がそれぞれ一体に連設され、前記アンカ本体及び前記弾性部材の何れか一方が前記鉛直壁に、またその何れか他方が前記一対の係止爪部にそれぞれ圧接することを第4の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、アンカ部材のピット枠への取付けに際して、アンカ部材は、これに基部を連結した弾性部材の自由端部を係止溝に係合させ且つ弾性部材を弾性変形させるようにしてアンカ本体を係止溝に装入するだけでよく、これにより、弾性部材の弾発力でアンカ本体を係止溝の内面に圧接させることができて、アンカ本体をピット枠に摩擦連結可能となる。従って、アンカ部材は、その構造が簡素化されてコスト節減が図られるだけでなく、裏板も不要となって取扱いが頗る簡便となり、アンカ部材によるピット枠支持作業の能率向上に大いに寄与することができる。
また特に第2の特徴によれば、前記弾性部材は、これを板ばねより構成したことで、製造容易となる上、コスト節減が図られる。しかもアンカ本体は、ピット枠の係止溝にその開放面より装入可能であり且つその装入後に係止溝内で所定角度回動して係止溝内面に係合可能な取付姿勢をとり得るよう縦長形状に形成され、また弾性部材は、アンカ本体の係止溝への前記装入を許容し且つアンカ本体が係止溝内で前記取付姿勢にあるときに係止溝の内面に自由端部が圧接し得る形状に形成されるので、アンカ部材は、そのアンカ本体を係止溝に装入後、溝内で所定角度回動させるだけの簡単な操作で、ピット枠(係止溝)の所望位置に容易迅速に取付け可能となり、その取付けの際には、板ばねよりなる弾性部材の自由端部を係止溝内面に無理なく係合、圧接させることができるから、作業性が良好である。
また特に第3の特徴によれば、弾性部材の基部がアンカ本体に相対回動可能に連結されるので、アンカ本体を係止溝に装入後、溝内で所定角度回動させる際に、係止溝内面と圧接状態にある弾性部材を置き去りにして(即ち弾性部材を係止溝内でアンカ本体に追従させることなく)アンカ本体だけを回動操作すればよく、それだけアンカ本体の回動操作を無理なくスムーズに行うことができ、作業性が一層良好である。
また特に第4の特徴によれば、ピット枠に設けたチャンネル枠部の鉛直壁とこれに対向する一対の係止爪部とに、アンカ本体と弾性部材とを容易且つ的確に係合可能となるから、アンカ部材によるピット枠支持作業の作業性を更に向上させることができる。
本発明の第1実施形態を示すピットの斜視図 図1の2−2線拡大断面図 コンクリート打設前においてピット枠を支柱及びアンカ部材を介して基礎上に支持した状態を示す斜視図 図3の4−4線拡大断面図 図4の5−5線断面図 アンカ部材をピット枠に取付ける手順を説明する図であって、(A)は図5対応断面図、(B)は、(A)のB−B線断面図 (A)は本発明の第2実施形態を示す図3対応斜視図、(B)は本発明の第3実施形態を示す図3対応斜視図
本発明の実施の形態を、添付図面により以下に具体的に説明する。
先ず、図1〜図6に示す本発明の第1実施形態について説明する。図1に示すように、建物内又は建物外において、基礎B上にはコンクリートCRの打設により水平な歩行面fが形成されており、その歩行面fには溝状のピットPが凹設される。このピットPは、必要に応じて種々の用途、例えば配線用、排水用、物品収納用等の用途に用いられるものであり、そのピットPの開口縁部には、その開口縁部を体裁よく縁取るようにして開口縁部に沿って縦列する複数条のピット枠Fが配設される。尚、図1ではそのうちの1条のピット枠Fのみ示す。
図2〜図6を併せて参照して、ピット枠Fの、ピット開口Oとは反対側(即ちピット周壁と対向する側)の側面には、ピット枠Fの長手方向に延びる係止溝Cgが形成される。そして、相隣なるピット枠Fの隣接端部間が、その間に跨がるように係止溝Cgに装着されるジョイント部材(図示せず)を介して着脱可能に結合される。
ピット枠Fは、上壁部Cu及び下壁部Clの一端相互を鉛直壁Cvで一体に結合して横断面コ字状に形成されたチャンネル枠部Cと、そのチャンネル枠部Cの鉛直壁Cv外面に一体に連設されて水平に延びる、ゴムシート1付きの蓋載せ枠部Dとを少なくとも一体に備える。そして、その上壁部Cu及び下壁部Clの各内端には、係止溝Cgの開放面を狭めるように互いに接近する側に延びる上下一対の係止爪部Cuf,Clfがそれぞれ一体に連設される。
また蓋載せ枠部Dの上面には、ピットPの上端開口を塞ぐピット蓋Tが、前記ゴムシート1を介して載置、支持され、その支持状態でピット蓋Tの上面は、前記歩行面fと面一に連続して歩行面の一部を構成する。
而してチャンネル枠部Cの内側面、即ちピット開口Oと反対側の側面には、チャンネル枠部Cの前記した上壁部Cu及び下壁部Cl、上下の係止爪部Cuf,Clf並びに鉛直壁Cvにより前記係止溝Cgが形成される。尚、このような係止爪部Cuf,Clfを設ける代わりに、係止溝Cg自体を、溝幅が開放面に向かって徐々に狭くなる所謂アリ溝状に形成することも可能である。
ところでピットPをコンクリートCRの打設により成形する前の状態で、基礎B上にはピット枠Fを所定高さに固定支持するための支柱Hが立設される。そして、この支柱Hの上部に、前記係止溝Cgに装着されたアンカ部材Aを介してピット枠Fが結合、支持される。
そのアンカ部材Aは、鉛直の矩形平板状に形成されて係止溝Cgに遊隙を存して装入可能な金属製のアンカ本体Amと、そのアンカ本体Amの下端部に連設されて水平方向にのびる取付片Atと、アンカ本体Amに基部Sbが連結されると共に係止溝Cgに一対の自由端部Saが係合し得る弾性部材Sとを備えている。そして、この弾性部材Sは、これの自由端部Saを係止溝Cgの内面(図示例では溝底面、即ち鉛直壁部Cvの内面)に係合させ且つ弾性部材Sを弾性変形させることで、その係止溝Cgの内面(図示例では係止溝Cgの開放端縁、即ち係止爪部Cuf,Clfの内面)にアンカ本体Amを圧接させる弾発力を発揮し得るものであり、その弾発力でアンカ本体Amがピット枠Fの係止溝Cgの内面に摩擦連結される。また前記取付片Atの両側縁には一対の下向きフランジ部5がそれぞれ一体に連設され、その各フランジ部5の外面に前記支柱Hの上部側面が衝合し溶接される。
前記アンカ本体Amは、係止溝Cgにその開放面より装入可能であり且つその装入後に係止溝Cg内で所定角度(図示例では90度)回動して係止溝Cg内面に係合可能な取付姿勢をとり得るよう縦長の矩形状に形成される。しかもこのアンカ本体Amの外周コーナの少なくとも一部には、アンカ本体Amの係止溝Cg内での回動を無理なく許容するように円弧状の面取りが形成される。尚、図示例では、アンカ本体Am及び取付片Atを平板よりプレス成形(切り起こし)することで所定形状に成形される。
前記弾性部材Sは、アンカ本体Amの係止溝Cgへの前記装入を許容し且つアンカ本体が前記取付姿勢にあるときに係止溝Cgの内面に自由端部Saが圧接し得る帯板状の金属(例えばバネ鋼)製の板ばねで構成される。そして、その弾性部材Sは、これの長手方向中央部が前記基部Sbとされ、またその長手方向両端部が前記一対の自由端部Saとされ、更にそれら基部Sbと各自由端部Saとの間は、基部Sbから各自由端部Saに向かって徐々に立ち上るよう傾斜した隆起部Smで接続される。
尚、弾性部材Sの基部Sbをアンカ本体Amに連結する連結手段として、図示例ではそれら基部Sb及びアンカ本体Amを相対回動可能に結合するリベット12を用いたものを例示したが、その連結手段はリベット6に限定されず、種々の連結手段(例えばボルト、溶接手段、カシメ手段、接着手段等)から任意に選択可能である。
而して、前記したアンカ部材Aをピット枠Fの係止溝Cgにセットした状態で、そのアンカ本体Amと、弾性変形状態に置かれる弾性部材Sの自由端部Saとは、その何れか一方(図示例では後者Sa)がチャンネル枠部Cの鉛直壁Cv内面に、またその他方(前者Jm)が、係止溝Cgの開放端縁即ち係止爪部Cuf,Clfの各内面にそれぞれ圧接されるため、アンカ部材Aを係止溝Cgの内面に摩擦連結することができる。尚、図4の一点鎖線は、自由状態の弾性部材Sを示している。
尚、図示例とは反対に、弾性部材Sの自由端部Saを係止溝Cgの開放端縁即ち上下の係止爪部Cuf,Clfの内面に圧接させ、またアンカ本体Amをチャンネル枠部Cの鉛直壁Cvの内底面に圧接させることも可能であり、この場合には、弾性部材S一対の自由端部Saの相互間隔を、上下の係止爪部Cuf,Clf間の間隔(即ち係止溝Cgの開放面の幅)よりも十分広く設定する必要がある。
次に本第1実施形態の作用を説明する。
ピットPの構築に当たっては、先ず、ピットPの完成形態に合せて複数条のピット枠Fを互いに結合することでピット枠組立体を組立てる。この場合、縦列するピット枠F間は、図示しないジョイント部材を介して結合される。
次いで、上記のようにして組立てられたピット枠組立体を、図示しない治具を用いて基礎Bから所望のレベルに位置決め保持し、しかる後に、そのレベル調整と位置決めがなされたピット枠組立体におけるピット枠Fの任意の部位にアンカ部材Aを取付ける。その後、そのアンカ部材Aのアンカ片Atを、基礎B上に立設した支柱Hの上部に溶接等で固定することにより、ピット枠組立体がアンカ部材Aを介して支柱Hに結合、支持される。
しかる後に、コンクリートの打設、固化によりピットP付きの歩行面fを成形し、その成形と共にピット枠FがピットPの開口縁部に一体に沿設されるようにする。尚、アンカ部材Aをピット枠Fに装着する作業は、ピット枠Fを前述のように治具を用いて基礎Bから所望のレベルに位置決め保持する後でも前でもよい。
ところでアンカ部材Aをピット枠Fに装着する作業に際しては、アンカ部材Aは、アンカ本体Amに基部Sbを連結した弾性部材Sの自由端部Saを係止溝Cgの内面(図示例ではチャンネル枠部Cの鉛直壁部Cv内面)に係合させ且つその弾性部材Sを弾性変形させるようにして、アンカ本体Amを係止溝Cg内にその溝の開放面より装入すればよい。尚、この装入作業のときは、縦長のアンカ本体Amを図6実線に示すように横長姿勢として、係止溝Cgの開放面をアンカ本体Amが無理なく通過できるようにする。
そして、上記装入の後は、アンカ本体Amを係止溝Cg内で所定角度回動させて、図4,5の実線に示すような縦長姿勢として、弾性部材Sの弾発力でアンカ本体Amを係止溝Cgの内面(図示例では係止溝Cgの開放端縁即ち係止爪部Cuf,Clfの内面)に圧接させることにより、アンカ本体Amをピット枠Pの係止溝Cgの内面に摩擦連結させることができる。従って、アンカ部材Aは、その構造が簡素化されてコスト節減が図られるだけでなく、係止溝Cg内面に裏板をセットする作業も不要となって取扱いが頗る簡便となり、アンカ部材Aによるピット枠P支持作業の能率向上が図られる。
而して、弾性部材Sは、これを図示例のように板ばねより構成したことで、製造容易となりコスト節減が達成される。
また特に本実施形態においてアンカ本体Amは、ピット枠Pの係止溝Cg内に、その溝の開放面を通して弾性部材Sと共に装入可能であり且つその装入後に係止溝Cg内で所定角度(90度)回動して係止溝Cg内面に係合可能な取付姿勢をとり得るよう縦長矩形状に形成される。更に弾性部材Sは、これをアンカ本体Amと共に係止溝Cgに装入するときも或いはその装入後にアンカ本体Amを係止溝Cg内で所定角度回動させるときも、その弾性部材Sの自由端部Saが係止溝Cgの内面(図示例では鉛直壁部Cvの内面)の所望部位に圧接し得る形状に形成されるため、アンカ部材Aは、そのアンカ本体Amを簡単な操作で係止溝Cgの所望位置に組付け可能となり、その組付けの際には、弾性部材Sの自由端部Saを係止溝Cgの内面に無理なく係合、圧接させることができるから、作業性が良好である。
その上、本実施形態のように弾性部材Sの基部Sbをアンカ本体Amに相対回動可能に連結すれば、前述のようにアンカ本体Amを係止溝Cgに装入後、溝内で所定角度回動させる際に、係止溝Cg内面に対し圧接状態にある弾性部材Sを置き去りにして(即ち弾性部材Sを係止溝Cg内でアンカ本体Amに追従回動させることなく)アンカ本体Amだけを回動操作するだけでよく、それだけアンカ本体Amの回動操作を無理なくスムーズに行うことができ、作業性が一層良好となる。
尚、本実施形態とは異なり、弾性部材Sの基部Sbを仮にアンカ本体Amに相対回動不能に連結した場合には、弾性部材Sは、アンカ本体Amと共に係止溝Cgにその開放面より装入された後、係止溝Cgの内面に圧接した状態のまま、係止溝Cg内でアンカ本体Amと共に所定角度(90度)回動し、その回動の際に係止溝Cgの内面を摺接する。
また図7には、本発明の第2,第3実施形態が示される。これら実施形態では、アンカ部材Aの構造のみが第1実施形態と異なるので、その異なる構造部分だけを説明する。尚、これら第2,第3実施形態の主要な構成要素には、これと対応する第1実施形態の構成要素と同じ参照符号を付してある。
即ち、図7(A)の第2実施形態では、アンカ部材Aは、第1実施形態と同様のアンカ本体Am及び弾性部材Sと、そのアンカ本体Amの一側縁部に一体に連設されて水平方向にのびる取付片At′とを備えている。その取付片At′は、ピット枠Fの背面側から見て横断面L字状に形成されており、その取付片At′の鉛直壁部分11の外面に、前記した支柱Hの上部側面が衝合し溶接される。
また、図7(B)の第3実施形態では、アンカ部材Aは、第1実施形態と同様のアンカ本体Am及び弾性部材Sと、そのアンカ本体Amの一側縁部に一体に連設されて水平方向にのびる取付片At″とを備えている。その取付片At″は、平面視でL字状に形成されており、その取付片At″の鉛直壁部分12の外面に、前記した支柱Hの上部側面が衝合し溶接される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はその実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施の形態が可能である。
たとえば、ピット枠Fは、その断面形状が実施形態のものに限定されず、少なくともピット開口Oと反対側の側面にアンカ部材Aの係合可能な係止溝Cgを有した種々の断面形状の型枠を使用可能である。
また前記実施形態では、アンカ本体Amを係止溝Cg内で回動操作することでピット枠Fの長手方向の何れの部位からでもアンカ本体Amを係止溝Cg内にその開放面を通して装入できるようにした装入手法を示したが、本発明では、そのアンカ本体Amを係止溝Cg内で回動操作することなくピット枠Fの長手方向の端部開口から係止溝Cgに摺動させつつ嵌入させるようにしてもよい。尚、この場合には、前記実施形態とは異なり、アンカ本体Am及び弾性部材Sを係止溝Cg内にその長手方向に摺動のみ可能(即ち相対回動不能)な形状に形成してもよい。
また前記実施形態では、ピットPをコンクリートの打設により成形するものを示したが、本発明では、溝状凹部を有するダクト(ピット形成部材)を基礎上に設置することでピットを構築するものに実施可能である。
また前記実施形態では、ピット枠Fの係止溝Cg付きチャンネル枠部Cの所定部位に蓋載せ段部Dを一体に連設したものを示したが、本発明では、蓋載せ段部を省略してもよく或いは蓋載せ段部の位置を適宜変更してもよい。
また前記実施形態では、アンカ部材Aのアンカ本体Amと一体の取付片Atを支柱Hの上部の任意部位に直接支持(溶接)したものを示したが、本発明では、アンカ部材を、支柱Hの上部に高さ調節可能に装着(例えば螺合)した昇降支持体に結合して、この昇降支持体を介してアンカ部材を支柱に支持させるようにしてもよい。
A・・・・・アンカ部材
Am・・・・アンカ本体
C・・・・・チャンネル枠部
Cg・・・・係止溝
Cl・・・・下壁部
Cu・・・・上壁部
Cuf,Clf・・一対の係止爪部
Cv・・・・鉛直壁
F・・・・・ピット枠
O・・・・・ピット開口
P・・・・・ピット
S・・・・・弾性部材としての板ばね
Sa・・・・自由端部としての先部
Sb・・・・基部
Sm・・・・隆起部

Claims (4)

  1. 基礎(B)上に構築するピット(P)の開口縁部に配置されるピット枠(F)の、ピット開口(O)とは反対側の側面に、ピット枠(F)の長手方向に延びる係止溝(Cg)が形成され、基礎(B)上に起立する支柱(H)に結合可能なアンカ部材(A)が前記係止溝(Cg)に収納、固定される、アンカ部材のピット枠への取付構造において、
    前記アンカ部材(A)は、前記係止溝(Cg)に遊隙を存して装入可能なアンカ本体(Am)と、そのアンカ本体(Am)に基部(Sb)が連結される弾性部材(S)とを備えており、
    前記弾性部材(S)は、これの自由端部(Sa)を前記係止溝(Cg)に係合させ且つ該弾性部材(S)を弾性変形させることで生じる弾発力により、その係止溝(Cg)の内面に前記アンカ本体(Am)を圧接させることを特徴とする、アンカ部材のピット枠への取付構造。
  2. 前記アンカ本体(Am)は、前記係止溝(Cg)にその開放面より装入可能であり且つその装入後に係止溝(Cg)内で所定角度回動して係止溝(Cg)内面に係合可能な取付姿勢をとり得るよう縦長形状に形成され、前記弾性部材(S)は、前記アンカ本体(Am)の前記係止溝(Cg)への前記装入を許容し且つ該アンカ本体(Am)が前記取付姿勢にあるときに該係止溝(Cg)の内面に前記自由端部(Sa)が圧接し得る形状の板ばねで構成されることを特徴とする、請求項1に記載のアンカ部材のピット枠への取付構造。
  3. 前記弾性部材(S)の基部(Sb)が前記アンカ本体(Am)に相対回動可能に連結されることを特徴とする、請求項2に記載のアンカ部材のピット枠への取付構造。
  4. 前記ピット枠(F)は、上壁部(Cu)及び下壁部(Cl)の一端相互を鉛直壁(Cv)で一体に結合して横断面コ字状に形成されたチャンネル枠部(C)を一体に備えていて、それら上壁部(Cu)及び下壁部(Cl)並びに鉛直壁(Cv)で前記係止溝(Cg)が形成され、前記上壁部(Cu)及び下壁部(Cl)の各内端には、前記係止溝(Cg)の開口部を狭めるように互いに接近する側に延びる一対の係止爪部(Cuf,Clf)がそれぞれ一体に連設され、前記アンカ本体(Am)及び前記弾性部材(S)の何れか一方が前記鉛直壁(Cv)に、またその何れか他方が前記一対の係止爪部(Cuf,Clf)にそれぞれ圧接することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のアンカ部材のピット枠への取付構造。
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