JP6090705B2 - 薄膜太陽電池用ガラス板 - Google Patents

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Description

本発明は薄膜太陽電池用ガラス板に関し、特にCIS系太陽電池、CdTe系太陽電池に好適なガラス板に関する。
薄膜太陽電池、例えばCIS系太陽電池では、Cu、In、Ga、Seからなるカルコパイライト型化合物半導体、Cu(InGa)Seが光電変換膜としてガラス板上に形成される。
多元蒸着法、セレン化法等によりCu、In、Ga、Seをガラス板上に塗布して、カルコパイライト型化合物にするためには、500〜600℃程度の熱処理工程が必要になる。
CdTe系太陽電池においても、Cd、Teからなる光電変換膜がガラス基板上に形成される。この場合も、500℃〜600℃程度の熱処理工程が必要になる。
従来、CIS系太陽電池、CdTe系太陽電池等では、ガラス基板として、ソーダ石灰ガラスが用いられていた。しかし、ソーダ石灰ガラスは、高温の熱処理工程で熱変形や熱収縮が生じ易い。この問題を解決するために、現在では、高歪点ガラスを用いることが検討されている(特許文献1参照)。
特開平11−135819号公報
ところで、近年、薄膜太陽電池の薄型化が進んでおり、これに伴い、ガラス板の薄型化も進んでいる。ガラス板が薄くなると、ガラス板の表面に存在する泡(表面泡)の凸凹により、電極膜又は光電変換膜に不具合が発生し易くなる。よって、ガラス板が薄くなると、ガラス板の泡品位を高めることが重要になる。しかし、特許文献1には、清澄に関する記載がないため、特許文献1を参酌して、ガラス板の泡品位を高めることは困難である。
ソーダ石灰ガラスでは、清澄剤として芒硝が使用されている。しかし、高歪点ガラスには、SOの溶解度を下げる成分が多く含まれており、ソーダ石灰ガラスと同様に芒硝を用いても、ガラス板の泡品位を高めることが困難である。
また、高歪点ガラスは、ソーダ石灰ガラスよりも溶融温度が高い。このため、炉材に、高耐熱性の高ジルコニア含有レンガが用いられる。そして、高ジルコニア含有レンガを用いると、SOによるリボイルが発生し易くなる。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、歪点が十分に高く、泡品位が良好なガラス板を創案することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、ガラス組成とガラス特性を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 45〜75%、Al 5.0超〜25%、B 0〜15.0未満%、NaO+KO 0〜30%、MgO+CaO+SrO+BaO 1〜40%、SrO+BaO 0.2〜30%、ZrO 0.05〜15%、Fe 0.01〜0.5%、SO+As+Sb 0.01〜0.10未満%、SO 0.01〜0.10未満%、TiO+CeO 0〜0.20未満%を含有し、([Al]+10×[SO])の値が4.6〜20、質量比Fe/SOが0超〜50であり、且つ歪点が540℃以上であることを特徴とする。ここで、「NaO+KO」は、NaOとKOの合量を指す。「SrO+BaO」は、SrOとBaOの合量を指す。「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO、及びBaOの合量を指す。「SO+As+Sb」は、SO、As、及びSbの合量を指す。「As」は、価数によらず全As量をAs量に換算した値を指す。「Sb」は、価数によらず全Sb量をSb量に換算した値を指す。「TiO+CeO」は、TiOとCeOの合量を指す。なお、[]内は、明示の成分の質量%の値を指す。「Fe」は、価数によらず全Fe量をFe量に換算した値を指す。「歪点」は、ASTM C336−71に基づいて測定した値を指す。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板では、上記のようにガラス組成範囲が規制されている。このようにすれば、歪点が上昇し易くなると共に、泡品位が向上し易くなる。また104.0dPa・sにおける温度が低下し易くなる。更に周辺部材の熱膨張係数に整合させ易くなる。
また、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、歪点が540℃以上である。このようにすれば、高温で光電変換膜を成膜し易くなり、光電変換膜の結晶品位が改善されると共に、ガラス板に熱変形や熱収縮が生じ難くなる。結果として、薄膜太陽電池の光電変換効率を十分に高めることが可能になる。
第二に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、泡個数が5個/kg以下であることが好ましい。このようにすれば、泡による不良率を低減することができる。ここで、「泡個数」は、5kg以上のガラスを測定対象とし、直径0.03mm以上の内部泡をカウントして、質量当たりの個数を算出したものである。なお、内部泡の個数が多いと、表面泡の個数も多くなる。
第三に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、Al+ZrOの含有量が5.1〜30%であることが好ましい。ここで、「Al+ZrO」は、AlとZrOの合量を指す。
第四に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、ZrO+SOの含有量が0.1〜20%であることが好ましい。ここで、「ZrO+SO」は、ZrOとSOの合量を指す。
第五に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、質量比NaO/SOが10〜1000であることが好ましい。
第六に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、歪点が540〜650℃であることが好ましい。
第七に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、熱膨張係数が70〜100×10−7/℃であることが好ましい。ここで、「熱膨張係数」は、ディラトメーターにより30〜380℃における平均熱膨張係数を測定した値を指す。
第八に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、104.0dPa・sにおける温度が1200℃以下であることが好ましい。ここで、「104.0dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。
第九に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、CIS系太陽電池に用いることが好ましい。
第十に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、CdTe系太陽電池に用いることが好ましい。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 45〜75%、Al 5.0超〜25%、B 0〜15.0未満%、NaO+KO 0〜30%、MgO+CaO+SrO+BaO 1〜40%、SrO+BaO 0.2〜30%、ZrO 0.05〜15%、Fe 0.01〜0.5%、SO+As+Sb 0.01〜0.10未満%、SO 0.01〜0.10未満%、TiO+CeO 0〜0.20未満%を含有し、([Al]+10×[SO])の値が4.6〜20、質量比Fe/SOが0超〜50であることを特徴とする。上記のように、各成分の含有量を規制した理由を下記に示す。
SiOは、ガラスネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は45〜75%、好ましくは47〜65%、より好ましくは49〜60%である。SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が不当に高くなり、溶融性や成形性が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が低くなり過ぎて、薄膜太陽電池の電極膜、光電変換膜の熱膨張係数に整合させ難くなる。一方、SiOの含有量が少な過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。更に、熱膨張係数が高くなり過ぎて、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなり、結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に割れが発生し易くなる。
Alは、歪点を高める成分であると共に、耐候性、化学的耐久性を高める成分であり、更にはガラス板の表面硬度を高める成分である。Alの含有量は5.0超〜25%、好ましくは5.5〜20%、より好ましくは6〜15%、更に好ましくは6.5〜10%である。Alの含有量が多過ぎると、高温粘度が不当に高くなり、溶融性や成形性が低下し易くなる。一方、Alの含有量が少な過ぎると、歪点が低下し易くなる。なお、ガラス板の表面硬度が高いと、CIS系太陽電池のパターニングにおいて、光電変換膜を除去する工程で、ガラス板が破損し難くなる。
は、ガラスの粘度を下げることにより、溶融性や成形性を高める成分であるが、歪点を低下させる成分であり、また溶融時の成分揮発に伴い、耐火物レンガを消耗させる成分である。よって、Bは任意成分であり、その含有量は0〜15.0未満%、好ましくは0〜1.5%、より好ましくは0〜0.1未満%である。
NaO+KOは、熱膨張係数を調整する成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、NaO+KOは、CIS系太陽電池において、カルコパイライト結晶の成長に効果的な成分であり、光電変換効率を高めるために重要な成分である。NaO+KOの含有量は0〜30%であり、0.5〜19%、2〜18.0未満%、5.0超〜15%、特に8〜13.0未満%が好ましい。NaO+KOの含有量が多過ぎると、歪点が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなる。結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に熱収縮や熱変形が生じたり、割れが発生し易くなる。なお、NaO+KOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。
NaOは、熱膨張係数を調整する成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、NaOは、CIS系太陽電池において、カルコパイライト結晶の成長に効果的な成分であり、光電変換効率を高めるために重要な成分である。NaOの含有量は0〜20%、0.1〜15%、2〜12%、特に3〜9%が好ましい。NaOの含有量が多過ぎると、歪点が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなる。結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に熱収縮や熱変形が生じたり、割れが発生し易くなる。
Oは、熱膨張係数を調整する成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、KOは、CIS系太陽電池において、カルコパイライト結晶の成長に効果的な成分であり、光電変換効率を高めるために重要な成分である。しかし、KOの含有量が多過ぎると、歪点が低下し易くなり、また熱膨張係数が高くなり過ぎて、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなる。結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に熱収縮や熱変形が生じたり、割れが発生し易くなる。よって、KOの含有量は0〜15%、0.1〜10%、特に1〜10%が好ましい。
MgO+CaO+SrO+BaOは、歪点を低下させずに、高温粘度を低下させる成分である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、また原料コストが高騰する。また、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、アルカリ成分、特にNaOの拡散を抑制し易くなり、光電変換効率が低下し易くなる。一方、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が少な過ぎると、高温粘度が高くなり過ぎる。よって、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は1〜40%であり、好ましくは15〜40%、17.0超〜40%、18〜30%、特に19〜25%である。
SrO+BaOは、高温粘度を不当に上昇させずに、耐失透性を高める成分である。SrO+BaOの含有量が多過ぎると、密度の上昇に伴い、薄膜太陽電池の質量が増加し、薄膜太陽電池の固定化コストが増大する。よって、SrO+BaOの含有量は0.2〜30%であり、好ましくは5.0超〜25%、10.5超〜22%、特に12.0超〜20%である。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、MgOは、アルカリ土類酸化物の中では、ガラス板を割れ難くする効果が大きい成分である。MgOの含有量は0〜15%、0〜10%、0.01〜7.5%、0.1〜5%、特に0.5〜3%が好ましい。MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、ガラス板に成形し難くなる。
CaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、CaOは、アルカリ土類酸化物の中では、ガラス板を割れ難くする効果が大きい成分である。CaOの含有量は0〜15%、0〜10%、0.01〜7.5%、0.1〜6%、特に0.5〜5.5%が好ましい。CaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、ガラス板に成形し難くなる。
SrOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。SrOの含有量は0〜20%、0.1〜18%、1〜15%、2〜14%、4〜13%、特に6.5〜12.5%が好ましい。SrOの含有量が多過ぎると、長石族の失透結晶が析出し易くなり、また原料コストが高騰する。
BaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。BaOの含有量は0〜20%、0.1〜18%、1〜15%、2〜12%、特に3〜10%が好ましい。BaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、また原料コストが高騰する。更に、密度が増大して、支持部材のコストが高騰し易くなる。なお、BaOの含有量が少な過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性や成形性が低下し易くなる。
ZrOは、高温粘度を上げずに、歪点を高める成分である。しかし、ZrOの含有量が多過ぎると、密度が高くなり易く、またガラス板が割れ易くなり、更にはZrO系の失透結晶が析出し易くなって、ガラス板に成形し難くなる。よって、ZrOの含有量は0.05〜15%であり、0.1〜10%、0.2〜7%、1〜6.5%、特に2〜6%が好ましい。
Feは、2Fe→4FeO+Oの反応によりOガスを放出し、泡切れを促進する成分である。また、Feは、SOとの共存時は、泡中のSO分圧を低下して、SOの分解を促進する成分である。しかし、Feの含有量が多過ぎると、ガラスの熱線吸収係数が上がり過ぎて、太陽光による薄膜太陽電池の異常な温度上昇、ガラス製造窯の底部に存在する溶融ガラスの加熱が困難になる。よって、Feの含有量は0.01〜0.5%であり、0.015〜0.4%、0.02〜0.3%、0.03〜0.2%、特に0.04〜0.15%が好ましい。
SO+As+Sbは、Oガスを放出し、泡切れを促進する成分である。しかし、AsやSbは環境負荷物質であり、なるべく使用を避けた方がよい。よって、As+Sb+SOの含有量は0.01〜0.10未満%であり、0.015〜0.09%、0.018〜0.08%、0.02〜0.06%、特に0.025〜0.04%が好ましい。
SOは、2SO→2SO+Oの反応によりOガスを放出し、泡切れを促進する成分である。しかし、SOの含有量が多過ぎると、耐火物等の界面でのリボイルを助長し易くなる。よって、SOの含有量は0.01〜0.10未満%であり、0.012〜0.09%、0.014〜0.08%、0.016〜0.06%、特に0.018〜0.04%が好ましい。
Asは、As→As+Oの反応によりOガスを放出し、泡切れを促進する成分である。しかし、Asの含有量が多過ぎると、フロート法でガラス板を成形する場合に、ガラス板の表面が黒化したり、環境への負荷が高くなってしまう。よって、Asの含有量は0〜0.08%、0〜0.06%、0〜0.04%、特に0〜0.02%が好ましい。
Sbは、Sb→Sb+Oの反応によりOガスを放出し、泡切れを促進する成分である。しかし、Sbの含有量が多過ぎると、フロート法でガラス板を成形する場合に、ガラス板の表面が黒化したり、環境への負荷が高くなってしまう。よって、Sbの含有量は0〜0.08%、0〜0.06%、0〜0.04%、特に0〜0.02%が好ましい。
TiO+CeOは、ガラスを酸化側にする成分である。ガラスが酸化側になると、SOの分解温度が高くなり、SOの清澄効果を享受し難くなる。よって、TiO+CeOの含有量は0〜0.20未満%であり、0〜0.18%、0〜0.14%、0〜0.1%、特に0〜0.08%が好ましい。
TiOは、ガラスを酸化側にする成分である。ガラスが酸化側になると、SOの分解温度が高くなり、SOの清澄効果を享受し難くなる。よって、TiOの含有量は0〜0.20未満%、0〜0.18%、0〜0.14%、0〜0.1%、特に0〜0.08%が好ましい。
CeOは、ガラスを酸化側にする成分である。ガラスが酸化側になると、SOの分解温度が高くなり、SOの清澄効果を享受し難くなる。よって、CeOの含有量は0〜0.20未満%、0〜0.18%、0〜0.14%、0〜0.1%、特に0〜0.08%が好ましい。
([Al]+10×[SO])の値は、高歪点を維持しつつ、リボイルを抑制するための指標である。特に、炉材に高ジルコニア含有レンガを使用する場合に、リボイルを抑制するための指標である。([Al]+10×[SO])の値は4.6〜20であり、5〜15、5.5〜13未満、特に6.9〜10未満が好ましい。([Al]+10×[SO])の値が大き過ぎると、耐火物界面でリボイルが発生し易くなる。一方([Al]+10×[SO])の値が小さ過ぎると、高歪点を維持し難くなることに加えて、泡切れ性が低下し易くなる。
質量比Fe/SOは、FeとSOの共存下において、泡切れ性を変動させる成分比である。質量比Fe/SOは0超〜50であり、0.01〜40、0.1〜30、0.5〜20、特に1超〜10が好ましい。質量比Fe/SOが大き過ぎると、FeからのOにより泡中のSO分圧が低下することにより、SOの分解が促進されるが、SOの含有量が少なすぎるため、総体的には泡切れ性が低下してしまう。一方、質量比Fe/SOが小さ過ぎると、Feの分解による泡中のSO分圧の低下が生じ難くなり、SOの分解が促進されない。またSOの過剰により、リボイルが発生し易くなる。
上記以外にも、更に、下記の成分含有量、成分比を有することが好ましい。
Al+ZrOは、歪点を高める成分である。Al+ZrOの含有量は5.1〜30%、6.2〜25%、9.0超〜20%、特に9.8〜16.5未満%が好ましい。Al+ZrOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。一方、Al+ZrOの含有量が少な過ぎると、歪点が低下し易くなる。なお、「Al+ZrO」は、AlとZrOの合量である。
質量比NaO/SOは、SOの飽和溶解度を上げるNaOの含有量とSOの含有量の比である。質量比NaO/SOは10〜1000、40〜900、30〜800、50超〜700、特に70超〜600が好ましい。質量比NaO/SOが大き過ぎると、リボイルの発生が顕著になる。一方、質量比NaO/SOが小さ過ぎると、SOの分解が生じ難くなり、泡切れ性が低下し易くなる。
ZrO+SOは、高歪点を維持しつつ、リボイルを抑制するための指標である。特に、炉材に高ジルコニア含有レンガを使用する場合に、リボイルを抑制するための指標である。ZrO+SOの含有量は0.1〜20%、0.40超〜15%、特に0.6〜6.5未満%が好ましい。ZrO+SOの含有量が多過ぎると、高ジルコニア含有耐火物の界面でリボイルが発生し易くなる。一方、ZrO+SOの含有量が少な過ぎると、高歪点を維持し難くなることに加えて、泡切れ性が低下し易くなる。なお、「ZrO+SO」は、ZrOとSOの合量である。
LiOは、熱膨張係数を調整する成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、LiOは、NaOやKOと同様にして、CIS系太陽電池において、カルコパイライト結晶の成長に効果的な成分である。しかし、LiOは、原料コストが高いことに加えて、歪点を大幅に低下させる成分である。よって、LiOは任意成分であり、その含有量は0〜10%、0〜2%、特に0〜0.10未満%が好ましい。
は、耐失透性を高める成分、特にZrO系の失透結晶の析出を抑制する成分であり、またガラス板を割れ難くする成分である。しかし、Pの含有量が多過ぎると、ガラスが乳白色に分相し易くなる。よって、Pの含有量は0〜10%、0〜0.2%、特に0〜0.1%未満が好ましい。
ZnOは、高温粘度を低下させる成分である。ZnOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、ZnOの含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。
SnOは、清澄剤として作用する成分であるが、耐失透性を低下させる成分である。SnOの含有量は0〜1%、特に0〜0.10未満%が好ましい。
質量比FeO/Feは、SOの分解温度を最適化し、SOの清澄効果を享受し易くするガラスの酸化還元度の指標である。ここで、「Fe」は、これまでと同様、価数によらず全Fe量をFe量に換算した値である。FeOは、Fe2+のFe量をFeOに換算した値である。質量比FeO/Feは0.1〜0.8、0.2〜0.7、0.25〜0.6、特に0.3〜0.5が好ましい。
上記成分以外にも、溶解性、清澄性、成形性を高めるために、F、Clを各々1%まで添加してもよい。また、化学的耐久性を高めるために、Nb、HfO、Ta、Y、Laを各々3%まで添加してもよい。更に、色調の調整のために、上記以外の希土類酸化物、遷移金属酸化物を合量で2%まで添加してもよい。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、熱膨張係数は70〜100×10−7/℃、特に80〜90×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、薄膜太陽電池の電極膜、光電変換膜の熱膨張係数に整合させ易くなる。なお、熱膨張係数が高過ぎると、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなり、結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に割れが発生し易くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、密度は2.90g/cm以下、特に2.85g/cm以下が好ましい。このようにすれば、薄膜太陽電池の支持部材のコストを低廉化し易くなる。なお、「密度」は、周知のアルキメデス法で測定可能である。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、歪点は540℃以上であり、好ましくは550〜660℃、より好ましくは560〜650℃、更に好ましくは565〜640℃である。このようにすれば、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に熱収縮や熱変形が生じ難くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、104.0dPa・sにおける温度は1200℃以下、特に1180℃以下が好ましい。このようにすれば、低温でガラス板を成形し易くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、102.5dPa・sにおける温度は1520℃以下、特に1460℃以下が好ましい。このようにすれば、低温でガラス原料を溶解し易くなる。なお、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、液相粘度は104.0dPa・s以上、特に104.3dPa・以上が好ましい。液相粘度が低下すると、成形時にガラスが失透し易くなり、成形性が低下し易くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、泡個数は、5個/kg以下、1個/kg以下、0.5個/kg以下、特に0.1個/kg以下が好ましい。泡個数が多いと、電極膜又は光電変換膜に不具合が発生し易くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、上記のガラス組成範囲になるように、調合したガラス原料を連続溶融炉(好ましくは高ジルコニア含有レンガを使用した連続溶融炉)に投入し、ガラス原料を加熱溶融した後、得られた溶融ガラスを清澄した上で、成形装置に供給し、板状に成形、徐冷することにより、作製することができる。
ガラス板の成形方法として、フロート法、スロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法、リドロー法等を例示し得るが、安価にガラス板を大量生産する場合、フロート法を採用することが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1に、本発明の実施例(試料No.1〜5)、比較例(試料No.6〜8)を示している。
次のようにして、試料No.1〜8を作製した。まず表中のガラス組成になるように調合したガラスバッチを溶融炉(ジルコニア含有レンガを使用)に入れて、溶融した後、フロート窯に入れて、1.8mm厚の板状に成形した後、徐冷した。その後、各測定に応じて、所定の加工を行った。得られた各試料について、熱膨張係数α、密度d、歪点Ps、104.0dPa・sにおける温度、102.5dPa・sにおける温度、液相温度TL、液相粘度logηTL、泡個数を評価した。これらの結果を表1に示す。
熱膨張係数αは、ディラトメーターにより30〜380℃における平均熱膨張係数を測定した値である。なお、測定試料として、直径5.0mm、長さ20mmの円柱試料を用いた。
密度dは、公知のアルキメデス法で測定した値である。
歪点Psは、ASTM C336−71に基づいて測定した値である。
104.0dPa・sにおける温度、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。なお、104.0dPa・sにおける温度は成形温度に相当し、102.5dPa・sにおける温度は溶融温度に相当している。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、この白金ボートを温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定した値である。液相粘度logηTLは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。なお、液相温度が低い程、また液相粘度が高い程、耐失透性が向上し、成形時にガラス中に失透結晶が析出し難くなり、結果として、大型のガラス板を安価に作製し易くなる。
泡個数は、5kg以上のガラスを測定対象とし、直径0.03mm以上の内部泡をカウントして、質量当たりの個数を算出したものである。
表1から明らかなように、試料No.1〜5は、歪点が570℃以上であるため、高い耐熱性を有する。また、試料No.1〜5は、泡個数が5個/kg以下であり、薄膜太陽電池の電極膜又は光電変換膜の作製時に、歩留まり低下を抑制することができる。
一方、試料No.6〜8は、歪点が高いものの、泡個数が多過ぎるため、薄膜太陽電池の電極膜又は光電変換膜の作製時に、歩留まりが低下してしまうと考えられる。

Claims (10)

  1. ガラス組成として、質量%で、SiO 45〜75%、Al 5.0超〜25%、B 0〜1.5%、 O 0〜10%、NaO+K0.5〜30%、MgO+CaO+SrO+BaO 1〜40%、SrO+BaO 0.2〜30%、ZrO 0.05〜15%、Fe 0.01〜0.5%、SO+As+Sb 0.01〜0.10未満%、SO 0.01〜0.10未満%、TiO+CeO 0〜0.20未満%を含有し、([Al]+10×[SO])の値が4.6〜20、質量比Fe/SO超〜50であり、且つ歪点が540℃以上であることを特徴とする薄膜太陽電池用ガラス板。
  2. 泡個数が5個/kg以下であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  3. Al+ZrOの含有量が5.1〜30%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  4. ZrO+SOの含有量が0.1〜20%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  5. 質量比NaO/SOが10〜1000であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  6. 歪点が540〜650℃であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  7. 30〜380℃における平均熱膨張係数が70〜100×10−7/℃であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  8. 104.0dPa・sにおける温度が1200℃以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  9. CIS系太陽電池に用いることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  10. CdTe系太陽電池に用いることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。

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