JP2010118505A - 太陽電池用ガラス基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性が高く、且つ生産性に優れる太陽電池用ガラス基板を創案することにより、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池や色素増感型太陽電池の特性を高めること。
【解決手段】本発明の太陽電池用ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜70%、Al 0〜10%、RO(MgO+CaO+SrO+BaO) 10〜30%、R’O(NaO+KO) 5〜20%、ZrO 0〜10%含有し、歪点が560℃以上、高温粘度104.0dPa・sにおける温度が1200℃以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池用ガラス基板に関し、具体的にはカルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池または色素増感型太陽電池に好適な太陽電池用ガラス基板に関する。
近年、環境的観点から、太陽電池の需要が高まっている。単結晶シリコン、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコン太陽電池は、主に家庭用発電、商業用発電等に利用されている。その他の太陽電池として、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池、CdTe太陽電池、色素増感型太陽電池、有機薄膜太陽電池等が開発されており、これらも実用化されつつある。
カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池は、IB−IIIB−VIB族の化合物を用いた太陽電池を指し、CuInSe:CIS系、Cu(In,Ga)Se:CIGS系、Cu(In,Ga)(Se,S):CIGSS系等の光吸収層を有する太陽電池を指す(以下同様)。一般的に、これらの光吸収層は、300〜650℃に基板を加熱した状態で成膜される(特許文献1、2参照)。
色素増感型太陽電池は、Ru錯体等の有機色素を用いた太陽電池であり、この光増感色素を酸化物半導体多孔質膜に担持させて作製される。酸化物半導体多孔質膜は、透明導電膜を成膜した基板上に酸化物半導体微粒子を塗布した後、微粒子間の電子的なコンタクトの向上、透明導電膜との密着性の向上、膜強度の向上を目的として高温の熱処理工程を経る(特許文献3参照)。また、特許文献4には、酸化物半導体多孔質膜の作製に際し、可視光応答性を高めるために、400〜600℃で熱処理することが記載されている。
特開2002−217213号公報 国際公開第05/098968号パンフレット 特開2008−71749号公報 国際公開第08/072595号パンフレット 特表2003−525830号公報
従来、太陽電池の基板として、窓板ガラス(ソーダライムガラス)が使用されてきた。しかし、窓板ガラスの歪点は510℃程度である。
上記の通り、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池や色素増感型太陽電池は、特性向上を目的として、高温で熱処理される場合がある。この場合、窓板ガラスは、熱処理時または冷却時に、軟化変形し、成膜に支障をきたすおそれがある。
また、特許文献5には、耐熱性が高いガラス基板を太陽電池に用いることが記載されているが、このガラス基板は、高温粘度104.0dPa・sにおける温度が1220℃を超えているため、ガラス基板に成形し難く、ガラス基板の生産性が劣っており、結果として、ガラス基板の作製コストが高騰してしまう。
上記事情に鑑み、本発明は、耐熱性が高く、且つ生産性に優れる太陽電池用ガラス基板を創案することにより、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池や色素増感型太陽電池の特性を高めることを技術的課題とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、ガラス組成を所定範囲に規制するとともに、歪点および高温粘度10dPa・sにおける温度を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の太陽電池用ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜70%、Al 0〜10%、RO(MgO+CaO+SrO+BaO:MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量、以下同様) 10〜30%、R’O(NaO+KO:NaOとKOの合量、以下同様) 5〜20%、ZrO 0〜10%含有し、歪点が560℃以上、高温粘度104.0dPa・sにおける温度が1200℃以下であることを特徴とする。ここで、「高温粘度104.0dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。また、「歪点」は、ASTM C336−71の方法に基づいて測定した値を指す。
カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池は、まずガラス基板上にスパッタリング等により電極(例えばMo)を成膜した後、スパッタリング法、蒸着法等により光吸収層の前駆体を作製し、300〜650℃に熱処理して光吸収層を成膜する。続いて、バッファー層(例えばCdS)を化学析出法等で形成するとともに、窓層(例えばZnO)および透明導電膜(例えばITO)をスパッタリング法等で形成する。光吸収層を成膜する際、熱処理温度を高温にすると、熱拡散による粒子の再構成等を促進することができる。本発明の太陽電池用ガラス基板は、歪点が560℃以上であるため、高温で熱処理してもガラス基板が変形し難く、ガラス基板上に光吸収層を安定して成膜することができ、結果として、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池の特性を高めることができる。
色素増感型太陽電池は、まずガラス基板上に透明導電膜(例えばITO、FTO、ATO)をスパッタリング法等で成膜した後、酸化物半導体微粒子をガラス基板上に塗布し、熱処理することで酸化物半導体多孔質膜を成膜する。上記の通り、酸化物半導体多孔質膜を成膜する際の熱処理温度は600℃を超える場合もある。次に、酸化物半導体多孔質膜に色素を吸着させる。続いて、酸化物半導体多孔質膜を成膜したガラス基板と透明導電膜を成膜したガラス基板により、セルを作製し、ヨウ素レドックス等の酸化還元対を含む電解質溶液でセル内を満たす。本発明の太陽電池用ガラス基板は、歪点が560℃以上であるため、高温で熱処理温度してもガラス基板が変形し難く、ガラス基板上に酸化物半導体多孔質膜を安定して成膜することができ、結果として、色素増感型太陽電池の特性を高めることができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、高温粘度104.0dPa・sにおける温度が1200℃以下である。このようにすれば、大型のガラス基板を安定して作製することができ、結果として、ガラス基板の作製コストを低廉化することができる。
第二に、本発明の太陽電池用ガラス基板は、[RO+2R’O−Al−ZrO]の値が30%以上であることを特徴とする。
第三に、本発明の太陽電池用ガラス基板は、[2NaO+KO−Al−MgO−CaO−ZrO]の値が2%以下であることを特徴とする。
第四に、本発明の太陽電池用ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜60%、Al 4〜9%、RO(MgO+CaO+SrO+BaO) 17〜25%、MgO 0〜4%、CaO 0〜6%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、R’O(NaO+KO) 5〜15%、NaO 1〜6%、KO 3〜9%、ZrO 0〜6%含有することを特徴とする。
第五に、本発明の太陽電池用ガラス基板は、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池に用いることを特徴とする。
第六に、本発明の太陽電池用ガラス基板は、色素増感型太陽電池に用いることを特徴とする。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、ガラス組成を上記範囲に限定した理由を以下に説明する。なお、以下の%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を指す。
SiOは、ガラスネットワークを構成する成分であり、その含有量は50〜70%、好ましくは52〜60%である。SiOの含有量が50%より少ないと、歪点が低下しやすくなり、歪点が560℃未満になりやすい。一方、SiOの含有量が70%より多いと、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にあり、溶融性や成形性が低下しやすくなる。
Alは、歪点を高める成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは4〜9%である。Alの含有量が少なくなると、歪点が低下しやすくなり、歪点が560℃未満になりやすい。一方、Alの含有量が10%より多いと、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にあり、溶融性や成形性が低下しやすくなる。
ROは、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度を低下させる成分であり、その含有量は10〜30%、好ましくは15〜25%、より好ましくは17〜25%である。ROの含有量が10%より少ないと、歪点が低下する傾向にあり、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にある。一方、ROの含有量が30%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラス基板に成形し難くなる。
MgOは、歪点を高めるとともに、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度を低下させる成分であり、その含有量は0〜12%、好ましくは0〜4%である。MgOの含有量が少なくなると、歪点が低下する傾向にあり、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にある。一方、MgOの含有量が12%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラス基板に成形し難くなる。
CaOは、MgOと同様にして、歪点を高めるとともに、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度を低下させる成分であり、その含有量は0〜12%、好ましくは0〜7%、より好ましくは0〜6%である。CaOの含有量が少なくなると、歪点が低下する傾向にあり、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にある。一方、CaOの含有量が12%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラス基板に成形し難くなる。
SrOは、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度を低下させる成分であり、その含有量は0〜15%、好ましくは0〜10%である。SrOの含有量が少なくなると、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にある。一方、SrOの含有量が15%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラス基板に成形し難くなる。
BaOは、SrOと同様にして、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度を低下させる成分であり、その含有量は0〜15%、好ましくは0〜10%である。BaOの含有量が少なくなると、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にある。一方、BaOの含有量が15%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラス基板に成形し難くなる。
R’Oは、融剤として働き、溶融性を高める成分であるとともに、熱膨張係数を調整する成分であり、その含有量は5〜20%、好ましくは5〜15%である。R’Oの含有量が5%より少なくなると、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇したり、融剤としての作用が期待できなくなり、溶融性が低下して、ガラス基板を作製し難くなる。また、R’Oの含有量が5%より少ないと、熱膨張係数が低下し、ガラス基板と膜材料の熱膨張係数差が大きくなり過ぎて、ガラス基板上に膜材料を成膜し難くなる。一方、R’Oの含有量が20%より多いと、歪点が低下する傾向にある。
NaOは、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度を低下させる成分であるとともに、熱膨張係数を調整する成分であるが、歪点を下げる成分でもあり、その含有量は0〜6%、好ましくは1〜6%である。NaOの含有量が少なくなると、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にある。なお、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池の場合、NaOの含有量を1%以上にすれば、Naの拡散により、エネルギー変換効率を高めることができる。一方、NaOの含有量が6%より多いと、歪点が低下する傾向に顕著になり、歪点が560℃未満になりやすい。
Oは、NaOと同様にして、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度を低下させる成分であるとともに、熱膨張係数を調整する成分であるが、歪点を下げる成分でもあり、その含有量は0〜12%、好ましくは3〜9%である。KOの含有量が少なくなると、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にある。一方、KOの含有量が6%より多いと、歪点が低下する傾向に顕著になり、歪点が560℃未満になりやすい。
ZrOは、Alと同様にして、歪点を高める成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜6%である。ZrOの含有量が少なくなると、歪点が低下しやすくなり、歪点が560℃未満になりやすい。一方、ZrOの含有量が10%より多いと、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度が上昇する傾向にあり、溶融性や成形性が低下しやすくなる。
[RO+2R’O−Al−ZrO]の値を調整すれば、高温粘度104.0dPa・sにおける温度を調整することができる。[RO+2R’O−Al−ZrO]の値は30%以上であることが好ましい。このようにすれば、高温粘度104.0dPa・sにおける温度を低下させることができる。[2NaO+KO−Al−MgO−CaO−ZrO]の値を調整すれば、歪点を調整することができる。[2NaO+KO−Al−MgO−CaO−ZrO]の値は2%、特に1%以下であることが好ましい。このようにすれば、歪点を高めることができる。よって、[RO+2R’O−Al−ZrO]の値および[2NaO+KO−Al−MgO−CaO−ZrO]の値を所定範囲内に規制すれば、歪点を560℃以上および高温粘度104.0dPa・sにおける温度を1200℃以下にしやすくなる。ここで、AlとZrOは、歪点を高める成分であるが、高温粘度104.0dPa・sにおける温度が上昇してしまう。MgOやCaOは歪点を高め、高温粘度104.0dPa・sの温度を下げる成分である。SrOやBaOは高温粘度104.0dPa・sにおける温度を低下させる成分である。R’Oは、歪点を低下させるとともに、高温粘度104.0dPa・sにおける温度を低下させる成分である。
は、高温粘度104.0dPa・sにおける温度や溶融温度を低下させる成分であるが、歪点も下げる成分であり、その含有量は1%未満が好ましい。Bの含有量が1%より多いと、歪点が低下する傾向に顕著になり、歪点が560℃未満になりやすい。
上記成分以外にも、例えば液相温度を低下させて成形性を高めるためにY、La、Nbを各3%まで、着色剤としてFe、CoO、NiO、Cr、Ndを各2%まで、清澄剤としてSnO、SO、F、Clなどを合量で1%まで添加することができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、歪点は560℃以上であり、好ましくは570℃以上である。歪点が560℃より低いと、高温の熱処理工程でガラス基板が熱変形しやすくなる。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、高温粘度104.0dPa・sにおける温度は1200℃以下、好ましくは1170℃以下である。このようにすれば、フロート法、オーバーフローダウンドロー法、ロールアウト法等でガラス基板に成形しやすくなる。高温粘度104.0dPa・sにおける温度が1200℃より高いと、成形の際に成分揮発によって溶融ガラスが変質しやすく、また成形温度が高温になるため、成形装置への負荷が大きくなり、結果として、成形装置のライフが短くなり、ガラス基板の作製コストが高騰する。なお、高温粘度104.0dPa・sにおける温度が低過ぎると、歪点が低下する傾向があるため、高温粘度104.0dPa・sにおける温度を1050℃以上とするのが好ましい。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、熱膨張係数は75〜95×10−7/℃、特に80〜90×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、ガラス基板の熱膨張係数が、CIS等の光吸収層または酸化チタン等の酸化物半導体多孔質膜の熱膨張係数に整合し、材料間の残留応力を低減することができ、結果として、これらの材料の剥離を防止することができる。ここで、「熱膨張係数」は、直径5.0mm、長さ20mmの円柱を測定試料とし、ディラトメーターで30〜380℃の温度範囲における線熱膨張係数の平均値を指す。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、液相温度は1150℃以下、1100℃以下、特に1050℃以下が好ましい。液相温度が上昇すると、成形時にガラスが失透しやすくなり、ガラス基板の成形性が低下しやすくなる。ここで、「液相温度」は、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定した値である。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、液相粘度は104.5dPa・s以上、特に105.0dPa・s以上が好ましい。液相粘度が低下すると、成形時にガラスが失透しやすくなり、ガラス基板の成形性が低下しやすくなる。ここで、「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、種々の成形方法、例えばフロート法、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法、リドロー法、ロールアウト法、プレス法等により作製することができる。特に、フロート法は、大型のガラス基板を安価に作製することができる。フロート法を用いる場合、ガラス組成中に、清澄剤として、As、Sbを添加しないことが好ましい。このようにすれば、As、Sbがフロートバス中で還元されて、金属異物が析出する事態を防止することができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、板厚が4mm以下、3mm以下、特に2mm未満が好ましい。ガラス基板の板厚が小さい程、太陽電池を薄型化、軽量化することができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、光が入射しない側に使用する基板のみならず、光が入射する側の基板(カバーガラス)に使用してもよい。光が入射する側の基板に使用する場合、紫外線着色を防止するために、ガラス組成中にTiOを0.1〜5%添加してもよい。また、機械的強度を高めるために、ガラス基板の表面を強化処理(物理強化または化学強化)してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜9)および比較例(試料No.10、11)を示している。
次のように、表中に記載の各試料を作製した。まず、表中のガラス組成となるようにガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1550℃で4時間溶融した。なお、Feは着色剤または不純物であり、SOは清澄剤である。次に、溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して、ガラス基板に成形し、徐冷することで各試料を得た。得られた各試料について、歪点、高温粘度104.0dPa・sにおける温度、熱膨張係数、液相温度および液相粘度を測定した。その結果を表1、2に示す。
歪点は、ASTM C336−71に基づいて測定した値である。
高温粘度104.0dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法により測定した値である。
熱膨張係数は、直径5.0mm、長さ20mmの円柱を測定試料とし、ディラトメーターで30〜380℃の温度範囲における線熱膨張係数の平均値である。
液相温度は、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定した値である。液相粘度は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。なお、液相温度が低い程、また液相粘度が高い程、成形性が良好であり、大型のガラス基板を安価に作製することができる。
表1、2から明らかなように、試料No.1〜9は、歪点が560℃以上、且つ高温粘度104.0dPa・sにおける温度が1200℃以下であり、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池または色素増感型太陽電池に好適であると考えられる。一方、試料No.10は、歪点が510℃であり、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池または色素増感型太陽電池に不適であると考えられる。また、試料No.11は、高温粘度104.0dPa・sにおける温度が1260℃であり、ガラス基板の作製コストが高騰するため、カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池または色素増感型太陽電池に不適であると考えられる。

Claims (6)

  1. ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜70%、Al 0〜10%、RO(MgO+CaO+SrO+BaO) 10〜30%、R’O(NaO+KO) 5〜20%、ZrO 0〜10%含有し、歪点が560℃以上、高温粘度104.0dPa・sにおける温度が1200℃以下であることを特徴とする太陽電池用ガラス基板。
  2. [RO+2R’O−Al−ZrO]の値が30%以上であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用ガラス基板。
  3. [2NaO+KO−Al−MgO−CaO−ZrO]の値が2%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池用ガラス基板。
  4. ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜60%、Al 4〜9%、RO(MgO+CaO+SrO+BaO) 17〜25%、MgO 0〜4%、CaO 0〜6%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、R’O(NaO+KO) 5〜15%、NaO 1〜6%、KO 3〜9%、ZrO 0〜6%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。
  5. カルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池に用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。
  6. 色素増感型太陽電池に用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。

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