JP2014084237A - 薄膜太陽電池用ガラス板 - Google Patents

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真人 六車
Hironori Takase
寛典 高瀬
Junichi Izeki
淳一 井関
Hiromichi Umemura
博通 梅村
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Abstract

【課題】本発明の技術的課題は、所定のアルカリ成分を含み、且つ歪点が十分に高いガラス板を創案することにより、薄膜太陽電池の光電変換効率を向上させることである。
【解決手段】本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 1〜20%、LiO+NaO+KO 5〜20%、MgO+CaO+SrO+BaO 5〜40%、ZrO 0.1〜10%を含有し、質量比(LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)の値が0.2〜1.0であり、且つ歪点が600℃以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は薄膜太陽電池用ガラス板に関し、特にCIS系薄膜太陽電池、CdTe系薄膜太陽電池に好適なガラス板に関する。
薄膜太陽電池、例えばCIS系薄膜太陽電池では、Cu、In、Ga、Seからなるカルコパイライト型化合物半導体、Cu(InGa)Seが光電変換膜としてガラス板上に形成される。
多元蒸着法、セレン化法等によりCu、In、Ga、Seをガラス板上に塗布して、カルコパイライト型化合物にするためには、500〜600℃程度の熱処理工程が必要になる。
CdTe系薄膜太陽電池においても、Cd、Teからなる光電変換膜がガラス板上に形成される。この場合も、500℃〜600℃程度の熱処理工程が必要になる。
従来、CIS系薄膜太陽電池、CdTe系薄膜太陽電池等では、ガラス板として、ソーダ石灰ガラスが用いられていた。しかし、ソーダ石灰ガラスは、高温の熱処理工程で熱変形や熱収縮が生じ易い。この問題を解決するために、現在では、高歪点ガラスを用いることが検討されている(特許文献1参照)。
特開平11−135819号公報
ところで、ガラス板の歪点が高い程、光電変換膜を高温で成膜することが可能になり、光電変換膜の結晶品位が改善されて、薄膜太陽電池の光電変換効率が向上すると考えられる。
更に、CIS系薄膜太陽電池では、高温の熱処理工程でガラス板からアルカリ成分、特にNaOが拡散すると、カルコパイライト結晶が析出し易くなる。よって、カルコパイライト結晶の成長を促進するためには、ガラス組成中のアルカリ成分の含有量を増加させる必要がある。
しかし、ガラス組成中のアルカリ成分が多くなると、ガラス板の歪点が低下し易くなり、光電変換膜を高温で成膜し難くなる。
このため、従来のガラス板では、薄膜太陽電池の光電変換効率を十分に高めることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、所定のアルカリ成分を含み、且つ歪点が十分に高いガラス板を創案することにより、薄膜太陽電池の光電変換効率を向上させることである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、ガラス組成及びガラス特性を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 1〜20%、LiO+NaO+KO 5〜20%、MgO+CaO+SrO+BaO 5〜40%、ZrO 0.1〜10%を含有し、質量比(LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)の値が0.2〜1.0であり、且つ歪点が600℃以上であることを特徴とする。ここで、「LiO+NaO+KO」は、LiO、NaO及びKOの合量を指す。「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を指す。「歪点」は、ASTM C336−71に基づいて測定した値を指す。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、必須成分としてAlとZrOを所定量含んでいる。このようにすれば、歪点を高めることができ、結果として、アルカリ成分の添加許容量を増加させることが可能になる。
また、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、質量比(LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)の値を所定範囲に規制している。このようにすれば、歪点の低下を可及的に抑制しつつ、カルコパイライト結晶の成長を促進させることが可能になる。
更に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、歪点が600℃以上である。このようにすれば、高温で光電変換膜を成膜し易くなり、光電変換膜の結晶品位が改善されると共に、熱処理工程で、ガラス板に熱変形や熱収縮が生じ難くなる。
第二に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、更に、Bの含有量が0〜1質量%であることが好ましい。
第三に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、102.5dPa・sにおける温度が1520℃以下であることが好ましい。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法により測定した値を指す。
第四に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、CIS系薄膜太陽電池に用いることが好ましい。
第五に、本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、CdTe系薄膜太陽電池に用いることが好ましい。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 1〜20%、LiO+NaO+KO 5〜20%、MgO+CaO+SrO+BaO 5〜40%、ZrO 0.1〜10%を含有し、質量比(LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)の値が0.2〜1.0である。上記のように、各成分の含有量を規制した理由を下記に示す。
SiOは、ガラスネットワークを形成する成分である。その含有量は40〜70%、好ましくは45〜60%、より好ましくは45〜54%、更に好ましくは48〜52%である。SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が不当に高くなり、溶融性や成形性が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が低くなり過ぎて、薄膜太陽電池の電極膜、光電変換膜の熱膨張係数に整合させ難くなる。なお、本発明に係るガラス組成系では、SiOの含有量を増加させても、歪点があまり上昇しない。一方、SiOの含有量が少な過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。更に、熱膨張係数が高くなり過ぎて、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなり、結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に割れが発生し易くなる。
Alは、歪点を高める成分であると共に、耐候性、化学的耐久性を高める成分であり、更にはガラス板の表面硬度を高める成分である。Alの含有量は1〜20%、好ましくは8.0超〜18%、より好ましくは10〜17%、更に好ましくは11.0超〜16%、特に好ましくは11.5〜15.5%である。Alの含有量が多過ぎると、高温粘度が不当に高くなり、溶融性や成形性が低下し易くなる。一方、Alの含有量が少な過ぎると、歪点が低下し易くなる。なお、ガラス板の表面硬度が高いと、CIS系薄膜太陽電池のパターニングにおいて、光電変換膜を除去する工程で、ガラス板が破損し難くなる。
SiO−Alは、ガラスネットワークを構成する成分の内、主要構成成分のSiOと歪点を高める寄与が大きいAlの差である。SiO−Alが大き過ぎると、歪点が低下し易くなる。一方、SiO−Alが小さ過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、SiO−Alの含有量は28〜50%、30〜45%未満、32〜43%、特に34〜40%が好ましい。
LiO+NaO+KOは、CIS系薄膜太陽電池において、カルコパイライト結晶の成長に効果的な成分であり、光電変換効率を高めるために重要な成分である。更に、LiO+NaO+KOは、熱膨張係数を調整する成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。LiO+NaO+KOの含有量は5〜20%、好ましくは5.5〜18%、より好ましくは6〜15%、更に好ましくは7〜12%である。LiO+NaO+KOの含有量が多過ぎると、歪点が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなる。結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に熱収縮や熱変形が生じたり、割れが発生し易くなる。一方、LiO+NaO+KOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。
LiOは、カルコパイライト結晶の成長を促進する成分である。また、LiOは、熱膨張係数を調整する成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。しかし、LiOは、原料コストが高いことに加えて、歪点を大幅に低下させる成分である。よって、LiOは任意成分であり、その含有量は0〜4%未満、好ましくは0〜1%、より好ましくは0〜0.1%未満である。
NaOは、カルコパイライト結晶の成長を促進する成分である。また、NaOは、熱膨張係数を調整する成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。NaOの含有量は0.1〜20%、1〜15%、3〜12%、特に4.3超〜9%が好ましい。NaOの含有量が多過ぎると、歪点が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなる。結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に熱収縮や熱変形が生じたり、割れが発生し易くなる。
Oは、カルコパイライト結晶の成長を促進する成分である。また、KOは、熱膨張係数を調整する成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。KOの含有量は0〜15%、0.1〜10%、特に1〜7%が好ましい。しかし、KOの含有量が多過ぎると、Alを10%超含むガラス系において、KAlSiO系の失透結晶が析出し易くなる。また、KOの含有量が多過ぎると、歪点が低下し易くなり、また熱膨張係数が高くなり過ぎて、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなる。結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に熱収縮や熱変形が生じたり、割れが発生し易くなる。
MgO+CaO+SrO+BaOは、歪点を低下させずに、高温粘度を低下させる成分である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は5〜40%、好ましくは12〜37%、より好ましくは15〜35%、更に好ましくは17.0超〜32%、特に好ましくは18〜30%、最も好ましくは19〜25%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、また原料コストが高騰する。また、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、アルカリ成分、特にNaOの拡散を抑制し易くなる。一方、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が少な過ぎると、高温粘度が高くなり過ぎる。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、MgOは、アルカリ土類酸化物の中では、ガラス板を割れ難くする効果が大きい成分である。しかし、MgOは、ZrOと共存する場合に、ZrO系の失透結晶を著しく析出させることにより、液相粘度を著しく低下させる成分である。また、CaOと共存する場合に、CaMgSiO系の失透結晶を析出させ易い成分である。よって、MgOは任意成分であり、その含有量は0〜10%、0〜3.7%未満、0.01〜3%、0.02〜2%、特に0.03〜0.5%が好ましい。
CaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、CaOは、アルカリ土類酸化物の中では、ガラス板を割れ難くする効果が大きい成分である。CaOの含有量は0〜10%、0.1〜9%、1〜8%、2〜7.5%、特に3〜6%が好ましい。CaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、ガラス板に成形し難くなる。
質量比CaO/MgOは、アルカリ土類酸化物の内、高温粘度を低下させる効果が大きいMgOとCaOの比である。耐失透性の観点から見ると、ZrO系の失透結晶を特に発生させ易いMgOに対して、MgOと比較してZrO系の失透結晶を発生させ難いCaOの比である。質量比CaO/MgOの値は、ZrO系の失透結晶の析出を抑制しつつ、高温粘度を低下させるために、1超、2超、2.5超、特に3.4超が好ましい。
SrOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、SrOは、ZrOと共存する場合に、ZrO系の失透結晶を析出し難くする成分である。SrOの含有量は0〜20%、0.1〜17%、4.0超〜16%、5〜15%、7.0超〜14%、特に9.2〜13.5%が好ましい。SrOの含有量が多過ぎると、長石族の失透結晶が析出し易くなり、また原料コストが高騰する。
BaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。BaOの含有量は0〜20%、0.1〜15%、2.0超〜14%未満、2.0超〜10%未満、特に2.0超〜8%未満が好ましい。BaOの含有量が多過ぎると、バリウム長石族の失透結晶が析出し易くなり、また原料コストが高騰する。更に、密度が増大して、薄膜太陽電池の支持部材のコストが高騰し易くなる。なお、BaOの含有量が少な過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性や成形性が低下する傾向がある。
ZrOは、高温粘度を上げずに、歪点を高める成分である。ZrOの含有量は0.1〜10%、好ましくは0.5〜8%、より好ましくは1〜6.5%、更に好ましくは2〜6%である。ZrOの含有量が多過ぎると、密度が高くなり易く、またガラス板が割れ易くなり、更にはZrO系の失透結晶が析出し易くなり、ガラス板に成形し難くなる。一方、ZrOの含有量が少な過ぎると、歪点が低下し易くなる。
質量比(LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)の値は0.2〜1.0、好ましくは0.3〜0.8、0.35〜0.72、特に0.38〜0.68である。質量比(LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)の値が所定範囲外になると、歪点の維持とカルコパイライト結晶の成長を両立させることが困難になる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。なお、以下の成分の添加量は10%以下、5%以下、特に2%以下が好ましい。
は、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分であるが、歪点を低下させる成分であり、また溶融時の成分揮発に伴い、炉耐火物材料を消耗させる成分である。よって、Bは任意成分であり、その含有量は0〜4%未満、好ましくは0〜1%、より好ましくは0〜0.1%未満である。
は、耐失透性を高める成分であり、特にZrO系の失透結晶の析出を抑制する成分であり、またガラス板を割れ難くする成分である。しかし、Pの含有量が多過ぎると、ガラスが乳白色に分相し易くなる。よって、Pの含有量は0〜10%、0〜0.5%、特に0〜0.1%未満が好ましい。
ZnOは、高温粘度を低下させる成分である。ZnOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、ZnOの含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。
Feは、熱線吸収係数を上げる成分である。Feの含有量は0〜0.5%、0.001〜0.2%、0.015〜0.15%、特に0.03〜0.1%未満が好ましい。Feの含有量が多過ぎると、熱線吸収係数が上昇し過ぎて、熱線が溶解窯底部のガラス融液に到達し難くなり、ガラスを均質に溶融し難くなる。一方、Feの含有量が少な過ぎると、高価な高純度原料を使用しなければならず、ガラス板の製造コストが上昇してしまう。なお、「Fe」は、価数によらず全Fe量をFe量に換算した値を指す。
TiOは、紫外線による着色を防止すると共に、耐候性を高める成分である。しかし、TiOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透したり、ガラスが茶褐色に着色し易くなる。よって、TiOの含有量は0〜10%、特に0〜1%未満が好ましい。
SOは、清澄剤として作用する成分であり、その含有量は0〜1%、特に0.01〜1%が好ましい。なお、フロート法でガラス板を成形すると、ガラス板を大量生産し得るが、この場合、清澄剤として芒硝を用いることが好ましい。
Asは、清澄剤として作用する成分であるが、フロート法でガラス板を成形する場合、ガラスを着色させる成分であり、また環境的負荷が懸念される成分である。Asの含有量は0〜1%、特に0〜0.1%未満が好ましい。
Sbは、清澄剤として作用する成分であるが、フロート法でガラス板を成形する場合、ガラスを着色させる成分であり、また環境的負荷が懸念される成分である。Sbの含有量は0〜1%、特に0〜0.1%未満が好ましい。
SnOは、清澄剤として作用する成分であるが、耐失透性を低下させる成分である。SnOの含有量は0〜1%、特に0〜0.1%未満が好ましい。
上記成分以外にも、溶解性、清澄性、成形性を高めるために、F、Cl、CeOを合量で各々1%まで添加してもよい。また、化学的耐久性を高めるために、Nb、HfO、Ta、Y、Laを各々3%まで添加してもよい。更に、色調の調整のために、上記以外の希土類酸化物、遷移金属酸化物を合量で2%まで添加してもよい。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、密度は2.90g/cm以下、特に2.85g/cm以下が好ましい。このようにすれば、薄膜太陽電池の支持部材のコストを低廉化し易くなる。なお、「密度」は、周知のアルキメデス法で測定可能である。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、歪点は600℃以上であり、好ましくは600超〜660℃、より好ましくは605超〜650℃、更に好ましくは610超〜645℃である。このようにすれば、高温で光電変換膜を成膜し易くなり、光電変換膜の結晶品位が改善されると共に、熱処理工程で、ガラス板に熱変形や熱収縮が生じ難くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、104.0dPa・sにおける温度は1200℃以下、特に1180℃以下が好ましい。このようにすれば、低温でガラス板を成形し易くなる。ここで、「104.0dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、102.5dPa・sにおける温度は1520℃以下、特に1460℃以下が好ましい。このようにすれば、低温でガラス原料を溶解し易くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、熱膨張係数は70〜100×10−7/℃、特に80〜90×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、薄膜太陽電池の電極膜、光電変換膜の熱膨張係数に整合させ易くなる。なお、熱膨張係数が高過ぎると、ガラス板の耐熱衝撃性が低下し易くなり、結果として、薄膜太陽電池を製造する際の熱処理工程で、ガラス板に割れが発生し易くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、液相温度は1160℃以下、特に1100℃以下が好ましい。液相温度が上昇すると、成形時にガラスが失透し易くなり、成形性が低下し易くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、液相粘度は104.0dPa・s以上、特に104.3dPa・以上が好ましい。液相粘度が低下すると、成形時にガラスが失透し易くなり、成形性が低下し易くなる。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板において、ヤング率は78GPa以上、特に80GPa以上が好ましい。また、比ヤング率は、27.5GPa/(g/cm)以上、特に28GPa/(g/cm)以上が好ましい。このようにすれば、ガラス板が撓み難くなるため、搬送工程や梱包工程における取り扱いの際に、ガラス板が揺動し難くなる。ここで、「ヤング率」は、共振法で測定した値を指す。「比ヤング率」は、ヤング率を密度で除した値である。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、上記のガラス組成範囲になるように、調合したガラス原料を連続溶融炉に投入し、ガラス原料を加熱溶融した後、得られたガラス融液を脱泡した上で、成形装置に供給し、板状に成形、徐冷することにより、作製することができる。
ガラス板の成形方法としては、フロート法、スロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法、リドロー法等を例示できるが、ガラス板を大量生産する場合、フロート法を採用することが好ましい。
本発明の薄膜太陽電池用ガラス板は、化学強化処理、特にイオン交換処理が行われていないことが好ましい。薄膜太陽電池には、高温の熱処理工程が存在する。高温の熱処理工程では、強化層(圧縮応力層)が消失し、化学強化処理を行う実益が乏しくなる。また、上記と同様の理由により、風冷強化等の物理強化処理も行われていないことが好ましい。
特に、CIS系薄膜太陽電池の場合、ガラス板をイオン交換処理すると、ガラス表面のNaイオンが減少してしまい、光電変換効率が低下し易くなる。この場合は、別途、Na供給膜をガラス板に形成する方法を採用することが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜9)及び比較例(試料No.10)を示している。
次のようにして、試料No.1〜10を作製した。まず表中のガラス組成になるように調合したガラスバッチを白金坩堝に入れて、1550℃で2時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスをカーボン板上に流し出して、平板形状に成形した後、徐冷した。その後、各測定に応じて、所定の加工を行った。得られた各試料について、歪点、104.0dPa・sにおける温度、102.5dPa・sにおける温度、熱膨張係数を測定した。これらの結果を表1に示す。
歪点は、ASTM C336−71に基づいて測定した値である。
104.0dPa・sにおける温度、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。なお、104.0dPa・sにおける温度は成形温度に相当しており、102.5dPa・sにおける温度は溶融温度に相当している。
熱膨張係数は、30〜380℃における平均熱膨張係数であり、ディラトメーターで測定した値である。なお、測定試料として、直径5.0mm、長さ20mmの円柱試料を用いた。
表1から明らかなように、試料No.1〜9は、歪点が600℃以上であるため、高い耐熱性を有する。また、試料No.1〜9は、熱膨張係数が77〜89×10−7/℃であるため、薄膜太陽電池の電極膜、光電変換膜の熱膨張係数に整合させ易い。更に、試料No.1〜9は、104.0dPa・sにおける温度が1192℃以下、102.5dPa・sにおける温度が1460℃以下であるため、生産性に優れている。
一方、試料No.10は、ガラス組成が所定範囲外であるため、歪点の維持とカルコパイライト結晶の成長を両立させることが困難であると考えられる。

Claims (5)

  1. ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 1〜20%、LiO+NaO+KO 5〜20%、MgO+CaO+SrO+BaO 5〜40%、ZrO 0.1〜10%を含有し、質量比(LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)の値が0.2〜1.0であり、且つ歪点が600℃以上であることを特徴とする薄膜太陽電池用ガラス板。
  2. 更に、Bの含有量が0〜1質量%であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  3. 102.5dPa・sにおける温度が1520℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  4. CIS系薄膜太陽電池に用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
  5. CdTe系薄膜太陽電池に用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の薄膜太陽電池用ガラス板。
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