JP5648982B2 - 太陽電池用ガラス基板 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池用ガラス基板に関し、特に、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、薄膜化合物太陽電池等に好適な太陽電池用ガラス基板に関する。なお、本発明でいう「太陽電池用ガラス基板」には、太陽電池用カバーガラスと太陽電池用基材の双方が含まれる。
太陽電池は、光起電力効果を利用し、光エネルギーを直接電力に変換するデバイスである。現在、シリコン太陽電池の他、種々の化合物半導体等を素材にした太陽電池が実用化されている。一般的に、薄膜化合物太陽電池は、ガラス基板(基材)上に電極層、光電変換層、バッファ層等が形成された構造を有している。一方、単結晶、多結晶シリコン太陽電池は、樹脂等を介して、シリコン半導体をガラス基板で挟み込むような構造を有している。また、これらの太陽電池は、太陽電池素子を保護するためにカバーガラスが用いられており、例えば、薄膜化合物太陽電池では太陽電池素子の上にエチレンビニルアセテート等の樹脂を塗布した後にカバーガラスが貼り付けられる。
特開平11−298030号公報 特開2000−91601号公報
太陽電池用ガラス基板には、次の特性が要求される。
(1)ガラス基板上に形成される薄膜化合物との熱膨張差による膜の剥離などを防ぐために、周辺部材と適合する熱膨張係数を有すること
(2)薄膜化合物形成時の熱処理工程では、高温で処理することにより高品位の膜が形成できるため、このような熱処理に耐える高い耐熱性を有すること。より具体的には耐熱性の指標となるガラスの歪点が高いこと
(3)光電変換効率に悪影響を及ぼすような内部欠陥が存在しないこと、特に泡欠陥が存在しないこと
(4)太陽電池全体の重量を軽減するために、低密度であること
上記要求特性(1)〜(4)に加えて、太陽電池用ガラス基板には、電極等の正確なパターニングを行うとともに、電極等の断線やショートを防止するため、(5)ガラス基板の表面形状が優れること、つまりガラス基板の平坦性が優れることが要求される。特に、近年、ガラス基板上に形成される膜厚は、薄くなる傾向にあり、ガラス基板の平坦性に対する要求品位は高くなってきている。
ガラス基板の平坦性は、種々の要因により決定されるが、最も影響が大きい因子として、ガラス基板の成形方法が挙げられる。
ガラス基板の成形方法として、オーバーフローダウンドロー法(fusion法とも称される)、フロート法、スロットダウンドロー法等の種々の方法がある。その中でも、オーバーフローダウンドロー法は、ガラス基板を研磨しなくても、平坦性の良好なガラス基板を得ることができる。したがって、オーバーフローダウンドロー法は、優れた表面形状が要求される太陽電池用ガラス基板の成形方法として好適であると考えられる。
一方、オーバーフローダウンドロー法は、他の成形法と比較して、成形時におけるガラスの粘度が高いため、ガラスの耐失透性が悪いと、成形中に失透ブツが発生し、ガラス基板に成形できなくなる。そのため、太陽電池用ガラス基板は、(6)失透しにくいガラス組成であることが望ましい。
しかし、従来までの太陽電池用ガラス基板は、耐失透性が良好なガラスを得ることが困難であるため、オーバーフローダウンドロー法による成形を精度よく実行することができず、表面品位を向上させることができなかった。
したがって、本発明は、上記要求特性(1)〜(4)を満たすことができるとともに、表面品位を向上させることができ、且つ耐失透性が良好な太陽電池用ガラス基板を得ることを技術的課題とする。
本発明者は、鋭意努力の結果、太陽電池用ガラスにおいて、ガラスの組成範囲を、質量%でSiO 35〜65%、Al 8.2〜20%、B 0〜2%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜25%、BaO 0〜25%、NaO 0〜10%、KO 0〜10%、ZrO 0〜8%に規制し、歪点が606℃以上であり、且つ30〜380℃における熱膨張係数を50〜95×10−7/℃に設定することで上記課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。ここで、「30〜380℃における熱膨張係数」は、ディラトメーターを用いて、30〜380℃における平均熱膨張係数を測定した値を指す。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、ガラス組成範囲を厳密に規制しているため、上記要求特性(1)〜(4)を満足することができる。特に、30〜380℃における熱膨張係数を50〜95×10−7/℃に規制すれば、ガラス基板上に形成される薄膜化合物、および金属、有機系接着剤等の部材と熱膨張係数が整合しやすくなり、それらの部材の剥離を防止することができる。
一般的に、オーバーフローダウンドロー法において、ガラスの耐失透性は、例えば液相温度で1200℃以下、液相粘度で104.5dPa・s以上が要求されるが、本発明の太陽電池用ガラス基板は、ガラス組成範囲を厳密に規制しているため、耐失透性が良好であり、液相温度で1200℃以下、液相粘度で104.5dPa・s以上の特性を達成することができる。したがって、表面品位が良好なガラス基板を得ることができる。なお、本発明は、オーバーフローダウンドロー法以外の成形方法を排除するものではない。オーバーフローダウンドロー法以外の成形方法であっても、ガラスの耐失透性が良好である程、ガラス基板の製造効率が向上するため、本発明が他の成形方法(例えば、フロート法)でも有効である点は言うまでもない。
発明の太陽電池用ガラス基板は、ガラス組成として、質量%でZrOを0.001〜8%含有することが好ましい。本発明者は、鋭意努力の結果、ガラスの失透を抑制しながら耐熱性を向上させる適正なZrO含有量を見出した。ZrOの含有量を上記のように規制すれば、歪点を高くすることができるとともに、オーバーフローダウンドロー法を行うために必要な粘性を確保しやすくなる。
発明の太陽電池用ガラス基板は、ガラス組成として、質量%でBを0〜0.5%含有することが好ましい。Bの含有量を上記のように規制すれば、ガラスの溶融性が向上するとともに、ガラスの耐失透性が更に向上する。
発明の太陽電池用ガラス基板は、モル分率でAl/BaOの値が0.1〜2であることが好ましい。
発明の太陽電池用ガラス基板は、モル分率でNaO/KOの値が0〜2であることが好ましい。
発明の太陽電池用ガラス基板は、液相温度が1200℃以下および/または液相粘度が104.5dPa・s以上であることが好ましい。ここで、「液相粘度」は、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に48時間保持して、結晶の析出する温度を測定したものである。また、「液相粘度」は、上記方法で測定した液相温度におけるガラスの粘度を周知の白金引き上げ法で測定した値を指す。
発明の太陽電池用ガラス基板は、密度が3.7g/cm以下であることが好ましい。
発明の太陽電池用ガラス基板は、歪点が610℃以上であることが好ましい。ここで、「歪点」は、ASTM C336−71に準拠した方法で測定した値を指す。
発明の太陽電池用ガラス基板は、高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1650℃以下であることが好ましい。ここで、「高温粘度102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。
発明の太陽電池用ガラス基板は、薄膜化合物太陽電池に用いることが好ましい。本発明の太陽電池用ガラス基板の製造方法は、上記の太陽電池用ガラス基板の製造方法であって、ガラス基板の成形方法がオーバーフローダウンドロー法であることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法を採用すれば、表面品位が優れたガラス基板を容易に作製することができる。
以下に、上記のように組成範囲を限定した理由を詳述する。なお、以下の%表示は特に限定がある場合を除き、質量%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークフォーマーであり、その含有量は35〜65、好ましくは40〜65%、より好ましくは45〜65%、更に好ましくは48〜65%、更に好ましくは50〜60%、特に好ましくは52〜58%、最も好ましくは55〜58%である。SiOの含有量が70%より多くなると、ガラスを溶融、成形し難くなったり、熱膨張係数が小さくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数と整合し難くなったりする。一方、SiOの含有量が30%より少なくなると、熱膨張係数が大きくなり過ぎて、ガラスの耐熱衝撃性が低下したり、ガラス化が困難になったりする傾向にある。
Alは、ガラスの歪点やヤング率を高める成分であり、その含有量は8.2〜20%、好ましくは8.2〜18%、より好ましくは8.2〜15%、更に好ましくは8.2〜13%である。Alの含有量が20%より多くなると、ガラスの耐失透性が悪化するとともに、高温粘性が高くなり、ガラスの溶融性が悪化する傾向がある。Alの含有量が3%より少なくなると、熱膨張係数が大きくなり、ガラスの耐熱衝撃性が低下したり、ガラスの歪点が低下する傾向があり、太陽電池を製造する際の熱処理工程でガラス基板に割れが発生したり、熱変形や反りや熱収縮が生じやすくなる。また、ガラスの耐失透性を改善する観点から、Alの含有量を11%以下、更に10%以下、特に9.5%以下に抑えると、より的確に上記効果を享受することができる。
は、ガラスの溶融性を向上させ、ZrOに関係する失透を抑制する効果を有する成分であり、その含有量は0〜2%であり、好ましくは0.1〜2%である。Bの含有量が10%より多くなると、歪点やヤング率が低下する傾向があり、太陽電池を製造する際の熱処理工程でガラス基板に割れが発生したり、熱変形や熱収縮が生じやすくなる。更に、ガラスの歪点やヤング率を上昇させる観点から、Bの含有量を0.5%以下に低下させると、より的確に上記効果を享受することができる。
MgOは、ガラスの歪点を高め、また高温粘性を低下させる成分であり、その含有量は0〜10%、より好ましくは0〜8%、更に好ましくは0〜5%、最も好ましくは0〜3%である。MgOの含有量が10%より多くなると、熱膨張係数が高くなり過ぎたり、密度が高くなったり、耐失透性が悪化する傾向がある。
CaOは、歪点をあまり低下させることなく、高温粘性を低下させる成分であり、その含有量は0〜10%、より好ましくは0〜8%、更に好ましくは0〜5%、最も好ましくは0〜1%である。CaOの含有量が10%より多くなると、熱膨張係数が高くなり過ぎたり、密度が高くなったり、耐失透性が悪化したり傾向がある。
SrOは、耐失透性を悪化させることなく、高温粘性を低下させる成分であり、その含有量は0〜25%、好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜17%、更に好ましくは2〜15%、特に好ましくは5〜13%、最も好ましくは7〜13%である。SrOの含有量が25%より多くなると、熱膨張係数や密度が高くなり過ぎたり、ガラス組成のバランスを欠いて耐失透性が悪化する。また、ガラスの耐失透性を向上させる観点から、SrOの含有量を11%以下、更に10.5%以下にすると、上記効果をより的確に享受することができる。
BaOは、耐失透性を悪化させずに、高温粘性を低下させる成分であり、その含有量は0〜25%(好ましくは0〜20%、0〜17%、2〜17%、5〜16%、7〜15%、9〜14%、11.5〜14%)である。BaOの含有量が25%より高くなると、熱膨張係数が高くなりすぎたり、密度が高くなったり、ガラス組成のバランスを欠いて、逆に耐失透性が悪化したりする。
MgO+CaO+SrO+BaOの合量は、15〜60%とするのが好ましく、15〜28%とするのがより好ましく、17〜26%がより更に好ましく、19〜24%が特に好ましい。MgO+CaO+SrO+BaOの合量が60%を超えると、ガラスの密度や熱膨張係数が高くなる傾向があるとともに、耐失透性も悪化する傾向がある。一方、MgO+CaO+SrO+BaOの合量が15%より少ないと、ガラスの溶融性が悪化したり、熱膨張係数が小さくなりすぎる。
SrO、BaOは、他のアルカリ土類金属酸化物と比較して、ガラス組成に導入しても液相温度付近における粘性があまり低下しない。よって、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形する場合には、適正な液相粘度を得るために、これらの成分を積極的に含有させることが望ましい。さらに、ガラスの耐失透性や化学的耐久性を向上させる観点から、質量分率で(MgO+CaO)/(SrO+BaO)の値を0〜0.2(好ましくは0〜0.1、0〜0.05)に設定することが有効である。特に、上記観点から、質量分率でSrO/BaOの値を0.5〜1.2(好ましくは、0.4〜1.2、0.5〜1.1、0.6〜1.0、0.6〜0.9、0.6〜0.8)に設定することが有効である。上記設定値範囲外であると、想定した効果を最大限に享受できなくなる。
NaOは、高温粘性を低下させるとともに、熱膨張係数を調整する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜6%、更に好ましくは0〜5%である。NaOの含有量が10%より多くなると、歪点が低下したり、熱膨張係数が高くなりすぎる。また、アルカリ成分が薄膜化合物中に拡散して基板の反りを発生させたり、膜の品位を悪化させる場合がある。一方、高温粘性を低下させる効果および熱膨張係数を調整する効果を的確に享受するために、NaOを0.1%以上(好ましくは0.5%以上、1%以上)含有させることが望ましい。
Oは、高温粘性を低下させ熱膨張係数を調整する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜6%である。KOの含有量が10%より多くなると、歪点が低下したり、熱膨張係数が高くなりすぎる。また、アルカリ成分が薄膜化合物中に拡散して基板のそりを発生させたり、膜の品位を悪化させる場合がある。一方、高温粘性を低下させる効果および熱膨張係数を調整する効果を的確に享受するために、KOを0.1%以上(好ましくは0.1%以上、0.5%以上、2%以上、3%以上)含有させることが望ましい。
ZrOは、歪点やヤング率を上昇させる成分である。ZrOの含有量は0〜8%(好ましくは、0.01〜8%、0.1〜8%、0.5〜7%、1〜6%、2〜5%、2.5〜4%)である。ZrOの含有量が8%より多くなると、耐失透性が悪化し、液相粘度が低下する。
また、モル分率でAl/BaOの値を0.1〜2(好ましくは、0.3〜2、0.5〜1.5、0.7〜1.3、0.8〜1.1)に設定すると、ガラスの耐失透性を悪化させることなく、高歪点化を達成できるため、好ましい。Al/BaOのモル分率が2を超えると、耐失透性が悪化する傾向がある。Al/BaOのモル分率が0.1より小さくなると、ガラスの耐失透性が悪化するとともに、歪点が低下する傾向がある。
さらに、Al/BaOのモル分率を0.1〜2の範囲に設定して、耐失透性を抑制しつつ歪点を高くする効果は、モル分率でNaO/KOの値を0〜2(好ましくは、0.3〜1.5、0.5〜1.3、0.7〜1.1、0.8〜0.9)の範囲に調整することで、より的確に享受することができる。NaO/KOのモル分率が小さくなると、Al/BaOのモル分率を調整することによる上記効果が若干得られにくくなるため、NaO/KOのモル分率を0.3以上にすることがより好ましい。また、NaO/KOのモル分率が2を超えると、歪点が低下したり、ガラス組成のバランスを欠いて、失透が生じやすくなる。
ガラスの歪点を高く保ち、熱膨張係数を高くしすぎない観点から、質量分率で(NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)の値を0〜0.5に設定することが好ましく、0.1〜0.4に設定することがより好ましく、0.2〜0.4に設定することが更に好ましい。質量分率で(NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)の値が0.5より大きいと、上記効果を的確に享受できないおそれがある。
Feは、ガラスの透過率に影響を及ぼす成分であり、その含有量は0〜0.05%、好ましくは1ppm〜0.03%、更に好ましくは0.005〜0.02%、最も好ましくは0.005〜0.015%である。Feの含有量が多くなると、ガラスの可視域の透過率が低下しすぎて、太陽電池素子に照射される太陽光の量が低減する上に、ソラリゼーションが起こりやすくなり、その結果、太陽電池の光電変換効率が低下しやすくなる。また、Feの含有量が少なくなると、高純度のガラス原料を使用しなければならず、ガラス基板の製造コストの高騰を招く。また、Feの含有量が少なくなると、紫外域の透過率が高くなり過ぎることで、ガラス基板上に存在する樹脂の劣化を招き、太陽電池の寿命が短くなるおそれもある。
ガラスのソラリゼーション抑制効果をより効果的に発現させるためには、質量比SnO/(Fe+SnO)の値を0.9以上、好ましくは0.92以上、0.94以上、0.96以上に規制すればよい。質量比SnO/(Fe+SnO)の値が0.9未満であると、所望のソラリゼーション抑制効果が得られにくくなり、太陽電池の光電変換効率が経時的に劣化しやすくなる。
TiOは、ガラスのソラリゼーションを抑制する効果があり、0〜10%(好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜3%、更に好ましくは0.001〜1%、最も好ましくは0.005〜0.1%)含有させることができる。TiOの含有量が多くなると、ガラスの耐失透性が悪化したり、ガラスが着色したりする。
ZnOは、ガラスのヤング率を高めたり、溶融性を改善する成分であり、0〜10%(好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜3%、更に好ましくは0〜1%、最も好ましくは0〜0.5%)含有させることができる。ZnOの含有量が多くなると、ガラスの密度や熱膨張係数が高くなったりする。また、ZnOの含有量が多くなると、ガラスの耐失透性や歪点が低下する傾向にある。
Asは、ガラスの清澄剤として作用するが、ガラス組成中に多量に含有させると、ガラスがソラリゼーションしやすくなり、太陽電池の光電変換効率が経時的に劣化しやすくなるため、その含有量は0〜1%、好ましくは0〜0.8%、より好ましくは0〜0.5%、更に好ましくは0〜0.3%であり、実質的に含有しないことが最も好ましい。また、実質的にAsを含有しないガラス組成にすれば、近年の環境的要請を満たすことができる。
SnOは、ガラスの清澄剤として作用するととともに、ガラスのソラリゼーションを抑制する効果があり、その含有量は0.001〜2%、好ましくは0.005〜1.5%、より好ましくは0.01〜1%、更に好ましくは0.05〜0.5%、最も好ましくは0.05〜0.3%である。SnOの含有量が多くなると、ガラスの耐失透性が悪化する。また、SnOの含有量が少なくなると、ガラスのソラリゼーションを抑制する効果が乏しくなったり、清澄効果が低減する。なお、SnO導入源としてSnOを主成分とする原料を用いても良いが、他の原料に含まれる微量成分から含有させても差し支えない。
Sbは、ガラスの清澄剤として働く成分であり、0〜2%(好ましくは0〜1.5%、より好ましくは0〜1%、更に好ましくは0〜0.5%、最も好ましくは0〜0.1%)含有させることができる。Sbの含有量が多くなると、ガラスの密度が高くなりやすい。
ClやF等のハロゲン化物は、ガラスの清澄剤として働く成分であり、0〜1%(好ましくは0〜0.5%、より好ましくは0〜0.1%、更に好ましくは0〜0.01%、最も好ましくは0〜0.001%)含有させることができる。Clの含有量が多くなると、ガラス融液からの成分揮発が多くなり、ガラスに脈理が発生しやすくなったり、太陽電池素子の特性を劣化させるおそれがある。
NbやLa等の希土類酸化物は、ガラスのヤング率を高める成分である。しかし、希土類酸化物は、原料自体のコストが高く、また多量に含有させると耐失透性が悪化する。それ故、希土類酸化物の含有量は、3%以下、2%以下、1%以下、特に0.5%以下に制限することが望ましい。
本発明に係る太陽電池用ガラスは、上記成分以外にもガラスの特性を損なわない範囲で種々の成分を10%まで添加させることができる。
上記ガラス組成範囲において、各成分の好ましい含有範囲を任意に組み合わせて、好ましいガラス組成範囲を選択することは当然に可能であるが、その中にあって、太陽電池用ガラス基板として、より好ましいガラス組成範囲は、SiO 40〜65%、Al 8.2〜15%、B 0〜2%、MgO 0〜8%、CaO 0〜8%、SrO 0〜12.5%、BaO 0〜14%、NaO 0〜5%、KO 0〜6%、ZrO 0.01〜4%である。ガラスの組成範囲を上記のように規制すれば、耐失透性を改善できるとともに、オーバーフローダウンドロー法による成形に際し、好適な粘度特性を確保することができる。また、さらに好ましい範囲はSiO 50〜60%、Al 8.2〜10%、B 0〜2%、MgO 0〜5%、CaO 0〜5%、SrO 5〜12.5%、BaO 9〜14%、NaO 0〜5%、KO 3〜6%、ZrO 1〜4%である。ガラスの組成範囲を上記のように規制すれば、耐失透性を大幅に改善できるとともに、オーバーフローダウンドロー法による成形に際し、好適な粘度特性を確保しながらも耐熱性に優れたガラスを得ることができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、30〜380℃における熱膨張係数が50〜95×10−7/℃であり、好ましくは50〜90×10−7/℃であり、より好ましくは55〜85×10−7/℃、更に好ましくは60〜80×10−7/℃、特に好ましくは65〜80未満×10−7/℃、最も好ましくは65〜75×10−7/℃である。ガラス基板の熱膨張係数を上記範囲とすれば、薄膜化合物および金属、有機系接着剤等の部材と熱膨張係数が整合しやすくなり、それらの部材との剥離を防止することができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、液相温度は1200℃以下が好ましく、1080℃以下がより好ましく、1050℃以下が更に好ましく、1000℃以下が最も好ましい。一般的に、オーバーフローダウンドロー法は、他の成形方法と比較して、成形時のガラスの粘度が高いため、ガラスの耐失透性が悪いと、成形中に失透ブツが発生し、ガラス基板に成形できなくなるおそれがある。具体的には、液相温度が1200℃より高いと、オーバーフローダウンドロー法の適用が困難になる。それ故、液相温度が1200℃より高いと、太陽電池用ガラス基板の成形方法に不当な制約が課され、所望の表面形状のガラスを成形できなくなるおそれが生じる。なお、液相温度が低いほど、ガラスの耐失透性は良好である。一般的に、ガラスの特性改善は、何らかの特性を低下させることによって達成され、他の特性といわゆるトレードオフの関係となりやすい。ここで、粘度、密度、熱膨張係数等のガラスに要求される種々の特性を満たすためのバランスを考慮すると、ガラスの液相温度は850℃以上に設計することが目安となる。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、液相粘度は104.5dPa・s以上が好ましく、105.0dPa・s以上がより好ましく、105.5dPa・s以上が更に好ましく、105.8dPa・s以上が最も好ましい。一般的に、オーバーフローダウンドロー法は、他の成形方法と比較して、成形時のガラスの粘度が高いため、ガラスの耐失透性が悪いと、成形中に失透ブツが発生し、ガラス基板に成形できなくなるおそれがある。具体的には、液相粘度が104.5dPa・s未満であると、オーバーフローダウンドロー法の適用が困難になる。よって、液相粘度が104.5dPa・s未満であると、太陽電池用ガラスの成形方法に不当な制約が課され、所望の形状のガラスを成形できなくなるおそれが生じる。なお、液相粘度が高いほど、ガラスの耐失透性は良好である。ここで、粘度、密度、熱膨張係数等のガラスに要求される種々の特性を満たすためのバランスを考慮すると、ガラスの液相粘度は106.5dPa・s以下に設計することが目安となる。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、密度は3.7g/cm以下であることが好ましく、3.0g/cm以下であることがより好ましく、2.9g/cm以下であると更に好ましい。ガラスの密度が低ければ低いほど、ガラス基板の軽量化を図ることができ、太陽電池の軽量化に寄与することができる。密度が3.7g/cmより大きいと、太陽電池の軽量化に寄与し難くなる。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、ガラスの耐熱性の指標となる歪点が606℃以上(より好ましくは610℃以上、特に好ましくは630℃以上)であることが好ましい。歪点が高い程、ガラスの耐熱性が高くなり、薄膜化合物太陽電池等の成膜工程(例えば、ガラス基板上に透明電極を形成するための熱CVD工程)でガラス基板に熱変形や反りや熱収縮等が生じ難くなる。また、高温での成膜が可能になるため、膜品位が向上し、太陽電池の変換効率向上に寄与することができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、高温粘度102.5dPa・sにおける温度は1650℃以下が好ましく、1620℃以下がより好ましく、1600℃以下が更に好ましい。この温度が低いほど、溶融時にガラス中に存在する気泡の浮上速度が速くなるため、泡を低減し易くなり、泡品位が向上する。高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1650℃よりも高いと、溶融時にガラス中に存在する気泡の浮上速度が遅くなるため、泡を低減し難くなり、泡品位が悪化する。また、高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1650℃よりも高いと、炉体耐火物の耐久性も低下し、その結果、溶融炉等の耐久性が低下し、ガラス基板の製造コストが高騰する。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、紫外線照射前後で波長400nmにおける透過率差は2%以内、好ましくは1.5%以内、より好ましくは1%以内、更に好ましくは0.5%以内である。この透過率差が小さいほど、ガラスのソラリゼーションを抑制することができ、長期にわたって太陽電池の光電変換効率を維持できる。ここで、「透過率」は、板厚0.7mmのガラス基板を用いて、分光光度計で測定した値を指す。また、「紫外線照射前後で波長400nmにおける透過率差」とは、波長185nm(2.7mW/cm)および波長254nm(13mW/cm)の紫外線を12時間照射した場合に、波長400nmにおける透過率が変化した量を指す。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、波長400nm〜1000nmでの透過率が90%以上であることが好ましい。波長400nm〜1000nmでの透過率が90%未満であると、太陽電池の光電変換効率が低下しやすくなる。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、ガラスの比ヤング率は、25GPa/(g/cm)以上が好ましく、26GPa/(g/cm)以上がより好ましく、26.5GPa/(g/cm)以上が更に好ましい。ガラスの比ヤング率が高い程、自重によるガラス基板のたわみが低減される。その結果、ガラス基板をカセット等に収納する際、ガラス基板同士のクリアランスを狭くして収納することが可能になるため、太陽電池の生産性が向上する。なお、ヤング率は、周知の共振法で測定した値を使用する。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、板厚が3.0mm以下、2.0mm以下、1.5mm以下、0.7mm以下、0.5mm以下であることが好ましい。ガラス基板の板厚が薄い程、ガラス基板を軽量化することができ、太陽電池を軽量化することができる。また、アモルファスシリコン太陽電池の製造工程では、一般的にプラズマCVD法やスパッタリング法が採用されており、このような工程でガラス基板上に薄膜を形成する場合において、ガラス基板の板厚が薄ければ、薄膜を形成するに際し、高速加熱が可能となるため、太陽電池の製造効率を向上させることができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、未研磨の表面を有することが好ましい。ガラスの理論強度は本来非常に高いのであるが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、ガラス基板の表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥が成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。よって、ガラス基板の表面を未研磨とすれば、本来のガラス基板の機械的強度を損ない難くなり、ガラス基板が破壊し難くなる。また、ガラス基板の表面を未研磨とすれば、ガラス基板の製造工程で研磨工程を省略できるため、ガラス基板の製造コストを下げることができる。本発明の太陽電池用ガラス基板において、ガラス基板の両面全体を未研磨とすれば、ガラス基板が更に破壊し難くなる。特に、太陽電池用カバーガラスは、太陽に対向するように設置されるため、耐衝撃性等の特性を向上させるべく、未研磨の表面を有することが好ましい。また、本発明の太陽電池用ガラス基板において、ガラス基板の切断面から破壊に至る事態を防止するため、ガラス基板の切断面に面取り加工等を施してもよい。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、ガラス基板の平均表面粗さ(Ra)は、20Å以下であることが好ましく、10Å以下であることがより好ましく、7Å以下が更に好ましく、4Å以下が特に好ましく、2Å以下が最も好ましい。平均表面粗さ(Ra)が20Åより大きいと、太陽電池の製造工程において、電極等の正確なパターニングを行うことが困難となり、その結果、回路電極が断線、ショートする確率が上昇し、太陽電池の信頼性を担保し難くなる。ここで、「平均表面粗さ(Ra)」は、SEMI D7−94「FPDガラス基板の表面粗さの測定方法」に準拠した方法により測定した値を指す。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、ガラス基板の最大板厚と最小板厚の差は20μm以下であることが好ましく、10μm以下がより好ましい。ガラス基板の最大板厚と最小板厚の差が20μmより大きいと、電極等の正確なパターニングを行うことが困難となり、その結果、回路電極が断線、ショートする確率が上昇し、太陽電池の信頼性を担保し難くなる。ここで、「最大板厚と最小板厚の板厚差」は、レーザー式厚み測定装置を用いて、ガラス基板の任意の一辺に板厚方向からレーザーを走査することにより、ガラス基板の最大板厚と最小板厚を測定した上で、最大板厚の値から最小板厚の値を減じた値を指す。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、ガラス基板のうねりは、0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましく、0.03μm未満が更に好ましく、0.01μm以下が最も好ましい。さらに、理想的には、実質的にうねりが存在しないことが望ましい。うねりが0.1μmより大きいと、電極等の正確なパターニングを行うことが困難となり、その結果、回路電極が断線、ショートする確率が上昇し、太陽電池の信頼性を担保し難くなる。ここで、「うねり」は、触針式の表面形状測定装置を用いて、JIS B−0610に記載のWCA(ろ波中心線うねり)を測定した値であり、この測定は、SEMI STD D15−1296「FPDガラス基板の表面うねりの測定方法」に準拠した方法で測定し、測定時のカットオフは0.8〜8mm、ガラス基板の引き出し方向に対して垂直な方向に300mmの長さで測定したものである。
本発明の太陽電池用ガラス基板において、目標板厚に対する誤差は10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。ガラス基板の目標板厚に対する誤差が10μmより大きいと、電極等のパターニング精度が低下し、所定の条件で高品質の太陽電池を安定して製造することが困難となる。ここで、「目標板厚に対する誤差」は、目標板厚から上記方法で得られる最大板厚または最小板厚の値を減じた値の絶対値のうち、大きな方の値を指す。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、所望のガラス組成となるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入し、ガラス原料を1400〜1600℃で加熱溶融し、清澄した後、成形装置に供給した上で溶融ガラスを板状に成形し、徐冷することにより製造することができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板の成形方法として、種々の方法を採用することができる。例えば、オーバーフローダウンドロー法、フロート法、スロットダウン法、リドロー法、ロールアウト法、プレス法等の様々な成形方法を採用することができる。
本発明の太陽電池用ガラス基板は、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形すれば、未研磨で表面品位が良好なガラス基板を製造することができる。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、ガラス基板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されることにより、無研磨で表面品位が良好なガラス基板を成形できるからである。ここで、オーバーフローダウンドロー法は、溶融ガラスを耐熱性の樋状構造物の両側から溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス基板を製造する方法である。樋状構造物の構造や材質は、ガラス基板の寸法や表面品位を所望の状態とし、ガラス基板に使用できる品位を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うためにガラス基板に対してどのような方法で力を印加するものであってもよい。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラス基板に接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラス基板の端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。本発明に係る太陽電池用ガラスは、耐失透性が優れるとともに、成形に適した粘度特性を有しているため、オーバーフローダウンドロー法を精度よく実行することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1〜9は、試料No.1〜41である。
各試料は、次のようにして作製した。
まず表1〜9の組成となるように各種ガラス原料を調合した。これらの原料を、白金ポットを用いて1580℃で5.5時間溶融した。その後、溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して板状に成形し、各種の評価に供した。
このようにして作製した各試料について、密度、熱膨張係数、歪点、液相温度、液相粘度、高温粘度を測定した。
密度は、周知のアルキメデス法によって測定した。
熱膨張係数は、ディラトメーターを用いて、30〜380℃における平均熱膨張係数を測定したものである。
歪点は、ASTM C336−71に準拠した方法により測定した。
液相温度の測定は、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に48時間保持して、結晶の析出する温度を測定したものである。液相粘度は、液相温度における各ガラスの粘度を周知の白金引き上げ法で測定した。
高温粘度102.5dPa・sに相当する温度は、周知の白金球引き上げ法で測定した。
ヤング率は、共振法によって測定した。
表1〜8から明らかなように、試料No.1〜40は、密度が2.81〜3.60g/cm、熱膨張係数が67〜89×10−7/℃、歪点が603〜698℃、液相温度が950〜1200℃、液相粘度が104.5〜106.4、高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1194〜1650℃であり、太陽電池用ガラス基板として好適な特性を有していた。また、液相温度、液相粘度が上記値であるため、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を作製することができ、表面品位が良好なガラス基板を得ることができる。
表9から明らかなように、試料No.41は、ガラス組成中にNaOを12.0質量%含有しているため、歪点が510℃と低く、耐熱性が乏しかった。
以上に説明した通り、本発明の太陽電池用ガラス基板は、太陽電池用カバーガラス、太陽電池用基材として好適である。また、本発明の太陽電池用ガラス基板は、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、薄膜化合物太陽電池等に好適である。

Claims (10)

  1. ガラス組成として、質量%でSiO 35〜65%、Al 8.2〜20%、B 0〜2%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜25%、BaO 0〜25%、NaO 0〜10%、KO 0〜10%、ZrO 0〜8%を含有し、歪点が606℃以上であり、且つ30〜380℃における熱膨張係数が50〜95×10−7/℃であることを特徴とする太陽電池用ガラス基板。
  2. ガラス組成として、質量%でZrOを0.01〜8%含有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用ガラス基板。
  3. ガラス組成として、質量%でBを0〜0.5%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池用ガラス基板。
  4. モル分率でAl/BaOの値が0.1〜2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。
  5. モル分率でNaO/KOの値が0〜2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。
  6. 液相温度が1200℃以下および/または液相粘度が104.5dPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。
  7. 密度が3.7g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。
  8. 歪点が610℃以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。
  9. 高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1650℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。
  10. 薄膜化合物太陽電池に用いることを特徴する請求項1〜9のいずれかに記載の太陽電池用ガラス基板。
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