JP2008069021A - 無アルカリガラスおよびこれを用いた無アルカリガラス基板 - Google Patents

無アルカリガラスおよびこれを用いた無アルカリガラス基板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、各種要求特性を満たすことができるとともに、熱応力を低減しつつ、ガラスの生産性および各種膜材料との整合性に配慮した熱膨張係数を有し、しかも大型のガラス基板の製造に好適な粘度特性を有するTFT−LCD、特にa−Si・TFT−LCDに好適な無アルカリガラスおよびこれを用いた無アルカリガラス基板を得ることを技術課題とする。
【解決手段】本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成として、質量%でSiO2 45〜68%、Al23 12〜18%、B23 5〜15%、MgO 0〜3%、CaO 6〜20%、SrO 5〜20%、BaO 0〜5%未満、ZnO 0〜20%、ZrO2 0〜5%、TiO2 0〜5%、P25 0〜5%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)やELディスプレイ等のフラットディスプレイ基板に好適な無アルカリガラスおよびこれを用いた無アルカリガラス基板に関するものである。また、本発明は、電荷結合素子(CCD)や等倍近接型固体撮像素子(CIS)等のイメージセンサー用カバーガラス、太陽電池用基板等の電子デバイス用基板に好適な無アルカリガラスおよびこれを用いた無アルカリガラス基板に関するものである。
薄膜トランジスタ型アクティブマトリックス液晶ディスプレイ(以下、TFT−LCDと称する)等の電子デバイスは、薄型で消費電力も少ないことから、カーナビゲーション、デジタルカメラのファインダー、近年ではパソコンのモニター、テレビ等の様々な用途に使用されている。
従来から、LCD、ELディスプレイ等のフラットディスプレイ基板として、ガラスが広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。また、TFT−LCDパネルメーカーでは、大型のガラス基板(マザーガラス基板)の上に複数個分のデバイスを作製した後、デバイス毎に分割切断して製品とし、生産性の向上、コストダウンを図っている。
近年、パソコンのモニター、テレビ等のディスプレイは、画面サイズが大型化してきており、これらのデバイスを多面取りするために、従来よりも大面積のガラス基板、例えば2200×2400mmのガラス基板が要求されている。
特に、テレビ用途では、画面サイズの大型化の要求が大きいため、大型のガラス基板を効率良く生産する技術が重要となっている。なお、一般的に、テレビ用途では、アモルファスシリコンTFT−LCD(以下、a−Si・TFT−LCDと称する)が採用されている。
特開平7−277762号公報
a−Si・TFT−LCDに使用されるガラス基板には、以下のような特性が要求される。
(1)ガラス中にアルカリ金属酸化物が含有されていると、熱処理中にアルカリイオンが成膜された半導体物質中に拡散し、膜特性の劣化を招くため、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないこと。
(2)フォトエッチング工程で使用される種々の酸、アルカリ等の薬品によって劣化しないような耐薬品性を有すること。
(3)成膜、アニール等の工程における熱処理によって、熱収縮しないこと。そのため高い歪点を有すること。
また、溶融性、成形性を考慮して、この種のガラス基板には、以下のような特性も要求される。
(4)ガラス中にガラス基板として好ましくない溶融欠陥が発生しないよう、溶融性が優れていること。特に泡欠陥が存在しないこと。
(5)ガラス中に溶融、成形中に発生する異物が存在しないように、耐失透性が優れていること。
また、a−Si・TFT−LCDの製造工程は、熱処理工程が多く、急加熱と急冷却が繰り返されるため、ガラス基板にかかる熱衝撃は大きくなる。更に、ガラス基板が大型化すれば、ガラス基板に温度分布が生じやすいだけでなく、端面に微小なキズ、クラックが発生する確率が高くなり、熱処理工程でガラス基板が破壊する確率も高くなる。この問題を解決するためには、熱膨張係数差に起因する熱応力を低減することが最も有効であり、ガラス基板の熱膨張係数が小さい程、熱処理工程で発生する熱応力は小さくなる。しかし、ガラス基板の熱膨張係数を低下させるためには、ガラス材質の溶融性、成形性等のガラス基板を製造する上で重要な特性を犠牲にしなければならないため、ガラス基板の低膨張化には自ずと制約がある。一方、a−Si・TFT−LCDに用いられるガラス基板は、ガラス基板上に形成される各種膜材料等との熱膨張係数の整合性も考慮する必要がある。具体的には、ガラス基板上にはSiNxのような低膨張の酸化膜からAl、Mo等の高膨張の金属膜まで各種膜材料が形成される。ガラス基板とこれらの膜材料等の熱膨張係数が整合していないと、ガラス基板に反りが生じやすくなり、ガラス基板の破損を引き起こす原因にもなる。したがって、ガラスの熱膨張係数は、ガラスの生産性および各種膜材料との整合性を考慮した値、例えば40〜60×10-7/℃に設定するのが望ましい。
したがって、本発明は、上記要求特性(1)〜(5)を満たすことができるとともに、(6)熱応力を低減しつつ、ガラスの生産性および各種膜材料との整合性に配慮した熱膨張係数を有し、しかも(7)薄板、大型のガラス基板の製造に好適な粘度特性を有するTFT−LCD、特にa−Si・TFT−LCDに好適である無アルカリガラスおよびこれを用いた無アルカリガラス基板を得ることを技術課題とする。
本発明者らは、鋭意努力の結果、質量%でSiO2 45〜68%、Al23 12〜18%、B23 5〜15%、MgO 0〜3%、CaO 6〜20%、SrO 5〜20%、BaO 0〜5%未満、ZnO 0〜20%、ZrO2 0〜5%、TiO2 0〜5%、P25 0〜5%の範囲にガラス組成を規制し、且つ実質的にアルカリ金属酸化物を含有させないことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。ここで、「実質的にアルカリ金属酸化物を含有しない」とは、アルカリ金属酸化物の含有量が0.1質量%以下の場合を指す。
ガラス組成を上記の範囲に規制することにより、上記要求特性(1)〜(7)を満たすガラスを得ることができるとともに、これをa−Si・TFT−LCDに用いられるガラス基板に適用することができる。すなわち、本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成中にアルカリ金属酸化物(Na2O、K2O、Li2O)を実質的に含有しない。したがって、本発明の無アルカリガラスは、TFT製造工程において、熱処理中にアルカリイオンが成膜された半導体物質中に拡散し、膜特性が劣化する虞がなく、TFT−LCDの信頼性を損なうことがない。また、本発明の無アルカリガラスは、耐薬品性が良好であるため、フォトエッチング工程において使用される種々の酸、アルカリ等の薬品によって劣化し難い。さらに、本発明の無アルカリガラスは、歪点が高いため、成膜、アニール等の工程における熱処理によって、熱収縮を生じ難い。
また、本発明の無アルカリガラスは、ガラス中にガラス基板として好ましくない溶融欠陥、特に泡欠陥が発生し難く、溶融性に優れている。また、本発明の無アルカリガラスは、ガラス中に溶融、成形中に発生する異物が発生し難く、耐失透性に優れている。さらに、本発明の無アルカリガラスは、TFT−LCD、特にa−Si・TFT−LCDに好適な熱膨張係数を有している。つまり、本発明の無アルカリガラスは、熱膨張係数を適切な値、例えば40〜60×10-7/℃に調整しやすいため、熱膨張係数差に起因する熱応力を低減した上でガラスの生産性を損なうことなく、各種膜材料との整合性を図ることができる。
本発明の無アルカリガラスは、好適な粘度特性を有しているため、薄板、大型のガラス基板を安定して製造することができる。特に、本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成を上記の範囲に規制しているため、ガラスの耐失透性が良好であるとともに、ダウンドロー成形に適した粘度特性を有している。したがって、本発明の無アルカリガラスは、ダウンドロー成形に好適なガラスであり、表面精度の優れたガラス基板を安定して生産することができる。
第二に、本発明の無アルカリガラスは、実質的にAs23を含有せず、下記酸化物換算の質量%でSb23+SnO2+Cl+Fを0〜3%含有することに特徴付けられる。ここで、「As23を実質的に含有しない」とは、As23の含有量が1000ppm以下の場合を指す。また、「Sb23+SnO2+Cl+Fを0〜3%含有する」とは、Sb23、SnO2、Cl、Fのいずれか1種類または2種以上を合量で0〜3%含有することを意味している。
泡のないガラスを得るためには、ガラス化反応時から均質化溶融時にかけての温度域で清澄ガスを発生する清澄剤を選択することが重要である。つまり、ガラスの清澄は、ガラス化反応時に発生するガスを清澄ガスによってガラス融液から追い出し、更に均質化溶融時に再び発生させた清澄ガスによって残った微小な泡を大きくして浮上させて除去する。ところで、TFT−LCDに使用される無アルカリガラスは、ガラス組成中にアルカリ成分を含有していないため、ガラス融液の粘度が高く、高温で溶融が行われる。従来まで、清澄剤には幅広い温度域(1200〜1600℃程度)で清澄ガスを発生させるAs23が広く使用されてきた。しかしながら、As23は、毒性が非常に強く、ガラスの製造工程や廃ガラスの処理時等に環境を汚染する可能性があり、その使用が制限されつつある。その点、本発明の無アルカリガラスは、清澄剤としてAs23を実質的に含有しないガラスとすることができ、環境を汚染する事態を回避することができる。
第三に、本発明の無アルカリガラスは、BaOを実質的に含有しないことに特徴付けられる。ここで、「BaOを実質的に含有しない」とは、BaOの含有量が0.2%未満の場合を指す。BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中では、最もガラスの溶融性を向上させる効果が乏しく、密度を低下させにくい成分である。また、BaOは、環境負荷化学物質であるため、その含有量は制限することが好ましい。その点、本発明の無アルカリガラスは、BaOを実質的に含有しないガラスとすることもできるため、ガラスの溶融性を向上させるとともに、密度を低下させることができ、しかも環境的付加を軽減することができる。
第四に、本発明の無アルカリガラスは、MgOを実質的に含有しないことに特徴付けられる。ここで、「MgOを実質的に含有しない」とは、MgOの含有量が0.1%以下の場合を指す。
第五に、本発明の無アルカリガラスは、質量%でMgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの合量が12〜25%であることに特徴付けられる。
第六に、本発明の無アルカリガラスは、30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数が40〜60×10-7/℃であることに特徴付けられる。なお、本発明において、「30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数」は、ディラトメーターを用いて測定した値を指す。
第七に、本発明の無アルカリガラスは、歪点が600℃以上であることに特徴付けられる。本発明において、「歪点」は、ASTM C336に準拠した方法により測定した値を指す。
第八に、本発明の無アルカリガラスは、液相温度が1150℃以下であることに特徴付けられる。本発明でいう「液相温度」は、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持した後、ガラス中に結晶が析出する温度を指す。
第九に、本発明の無アルカリガラスは、102.5dPa・sに相当する温度が1530℃以下であることに特徴付けられる。なお、本発明でいう「102.5dPa・sに相当する温度」は、ガラスの溶融温度に相当する温度であり、周知の白金球引き上げ法で測定した値を指す。なお、液相温度が低いほど、ガラスの耐失透性は良好である。
第十に、本発明の無アルカリガラスは、密度が2.70g/cm3以下であることに特徴付けられる。ここで、「密度」は、周知のアルキメデス法で測定した値を指す。
第十一に、本発明の無アルカリガラスは、ヤング率が75GPa以上であることに特徴付けられる。ここで、「ヤング率」は、共振法により測定した値を指す。
第十二に、本発明の無アルカリガラスは、比ヤング率が27GPa/(g・cm-3)以上であることに特徴付けられる。ここで、「比ヤング率」は、ヤング率を密度で割ることにより算出した値を指す。
第十三に、本発明の無アルカリガラスは、80℃の10%HCl水溶液に24時間浸漬したとき、その浸食量が5μm以下であることに特徴付けられる。ここで、「80℃の10%HCl水溶液に24時間浸漬したとき、その浸食量」とは、まずガラス試料の両面を光学研磨した後、一部をマスキングしてから10%HCl水溶液の濃度に調合した80℃の薬液中で24時間浸漬した後、マスクをはずし、マスク部分と浸食部分の段差を表面粗さ計で測定した値を指す。
第十四に、本発明の無アルカリガラスは、20℃の130バッファードフッ酸(以下、BHFと称する)溶液に30分間浸漬したとき、その浸食量が2μm以下であることに特徴付けられる。ここで、「130BHF溶液に20℃30分間浸漬したとき、その浸食量」とは、20℃の130BHF溶液(NH4HF2:4.6質量%,NH4F:36質量%)を用いて、30分間の処理条件で測定した値を指し、サンプル作製条件は、まず各ガラス試料の両面を光学研磨した後、一部をマスキングしてから上記濃度に調合した20℃の薬液中で30分間浸漬した後、マスクをはずし、マスク部分と浸食部分の段差を表面粗さ計で測定した値を指す。
第十五に、本発明の無アルカリガラス基板は、上記いずれかに記載の無アルカリガラスにより構成されていることに特徴付けられる。
第十六に、本発明の無アルカリガラス基板は、ダウンドロー法で成形されることに特徴付けられる。
第十七に、本発明の無アルカリガラス基板は、ガラス基板の面積が0.1m2以上であることに特徴付けられる。
第十八に、本発明の無アルカリガラス基板は、ディスプレイに用いることに特徴付けられる。
第十九に、本発明の無アルカリガラス基板は、LCDに用いることに特徴付けられる。
第二十に、本発明の無アルカリガラス基板は、a−Si・TFT−LCDに用いることに特徴付けられる。
以下に、上記のようにガラス組成範囲を限定した理由を詳述する。なお、以下の%表示は、特に限定がある場合を除き、質量%表示を指す。
SiO2は、ガラスのネットワークを形成する成分であり、その含有量は45〜68%であり、好ましくは48〜62%、より好ましくは50〜60%、更に好ましくは52〜58%である。SiO2の含有量が45%より少ないと、歪点が低下しやすく、耐薬品性、特に耐酸性が悪化する傾向があることに加えて、密度が高くなりやすい。一方、SiO2の含有量が68%より多いと、高温粘度が高くなり、溶融性が悪化しやすいとともに、ガラス中に失透異物(クリストバライト)の欠陥が生じやすくなる。
Al23は、歪点を高める効果があるとともに、ガラスのヤング率を向上させる成分であり、その含有量は12〜18%であり、好ましくは13〜16.5%、より好ましくは14〜16%である。Al23の含有量が12%より少ないと、歪点を高める効果が乏しくなり、またヤング率が低下する傾向がある。一方、Al23の含有量が18%より多いと、液相温度が高くなり、失透しやすくなる。
23は融剤として働き、粘性を下げ、溶融性を改善する効果があるとともに、液相温度を低下させる成分であり、その含有量は5〜15%であり、好ましくは6〜13%、より好ましくは7〜12%である。B23の含有量が5%より少ないと、融剤としての働きが不十分となるとともに、耐BHF性が悪化しやすくなる。更に、B23の含有量が5%より少ないと、失透しやすくなるため、液相温度が上昇する傾向がある。また、B23の含有量が15%より多いと、ガラスの歪点が低下し、耐熱性が低下するとともに、耐酸性が悪化する虞がある。更に、B23の含有量が15%より多いと、ヤング率が低下し、比ヤング率が低下する傾向がある。
MgOは、ヤング率を上昇させつつ、歪点を高め、高温粘度を下げ、ガラスの溶融性を改善する成分であるとともに、アルカリ土類金属酸化物の中では最も密度を下げる効果がある成分である。しかし、MgOを多く含有させると失透しやすくなることに加えて、MgOはBHFと反応して生成物を形成し、その生成物がガラス基板表面の素子上に固着または付着して、ガラス基板を白濁させる虞があるため、その含有量には制限がある。したがって、MgOの含有量は0〜3%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%、更に好ましくは0〜0.5%である。特に、MgOを実質的に含有しないガラスとすれば、ガラスの耐失透性を顕著に向上させることができ、ダウンドロー法で安定してガラス基板を成形することができる。
CaOは、ヤング率を上昇させ、歪点を低下させることなく、高温粘度を下げる成分であり、その含有量は6〜20%であり、好ましくは7〜16.5%、より好ましくは8〜16%、更に好ましくは9〜15%である。本発明に係るガラス組成系は、溶融し難く、泡がガラス内に残存しやすいため、結果的にガラス基板に泡不良が多く発生する。泡不良を低減させるためには、その溶融性を高めることが重要である。本発明に係るガラス組成系において、SiO2を減少させると、溶融性を高めることができるが、その一方で、耐酸性が極端に低下することに加えて、ガラスの密度、熱膨張係数が増大するため好ましくない。このような観点から、本発明の無アルカリガラスは、ガラスの溶融性を高める目的のため、CaOを6%以上含有している。一方、CaOの含有量が20%より多くなると、ガラスの耐BHF性が悪化し、ガラス基板表面が浸食されやすくなることに加えて、反応生成物がガラス基板表面に付着してガラスを白濁させ、更には密度や熱膨張係数が高くなり過ぎる。
SrOは、ガラスの耐薬品性を向上させ、歪点を低下させることなく、高温粘度を低下させ、ガラスの溶融性を改善する成分であり、その含有量は5〜20%であり、好ましくは6〜18%、より好ましくは7〜17%、更に好ましくは8〜15%である。SrOの含有量が20%より多くなると、ガラスの密度や熱膨張係数が上昇したり、失透しやすくなる。
BaOは、ガラスの耐薬品性、耐失透性を向上させ、ガラスの溶融性を改善させる成分であるが、BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中では、最もガラスの溶融性を向上させる効果が乏しく、密度を低下させにくい成分である。それ故、ガラスの溶融性を向上させるとともに、密度を低下させるためには、アルカリ土類金属酸化物の総量に占めるBaOの含有量を低下させることが望ましい。また、BaOは、環境負荷化学物質であるため、その含有量は制限することが好ましい。具体的には、BaOの含有量は0〜5%未満、好ましくは0〜2%未満、より好ましくは0〜1%未満、更に好ましくは0.5%以下、実質的に含有しないことが最も好ましい。BaOの含有量が5%以上であると、耐失透性が悪化し、ガラスの密度や熱膨張係数が上昇しやすくなるとともに、環境に及ぼす負荷が大きくなる。
ZnOは、ガラスの耐BHF性を改善するとともに、溶融性を改善する成分である。しかし、多量に含有させるとガラスが失透しやすくなったり、歪点が低下したりするため好ましくない。したがって、ZnOの含有量は0〜20%、好ましくは0〜10%、より好ましくは0.1〜5%以下、最も好ましくは1〜2%である。
アルカリ土類金属酸化物は、混合して含有させることにより、ガラスの失透温度を効果的に下げ、すなわちガラス中に結晶異物を生じさせ難くすることができ、ガラスの溶融性、成形性を改善する効果が得られる。しかしながら、これらの成分を多く含有させると、ガラスの密度が上昇してガラス基板の軽量化が図り難くなる。したがって、これらの合量、つまりMgO+CaO+SrO+BaO+ZnOは、12〜25%とするのが好ましい。ただし、既述の理由により、BaOおよびMgOは、実質的に含有しないことが望ましい。
ZrO2は、ガラスの耐薬品性、特に耐酸性を改善し、ヤング率を向上させる成分であり、その含有量は0〜5%であり、好ましくは0〜2%未満、より好ましくは0〜1%、更に好ましくは0〜0.5%未満、最も好ましくは0〜0.3%である。ZrO2の含有量が5%より多くなると、液相温度が上昇し、ジルコンの失透異物が発生しやすくなる。
TiO2は、ガラスの耐薬品性、特に耐酸性を改善し、且つ高温粘度を下げて溶融性を改善する成分であり、その含有量は0〜5%であり、好ましくは0〜2%未満、より好ましくは0〜1%、更に好ましくは0〜0.5%未満、最も好ましくは0〜0.3%である。TiO2の含有量が5%を超えると、ガラスが着色し、その透過率が低下するため、ディスプレイ用途に使用し難くなる。
25は、ガラスの耐失透性を向上させる成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜3%であり、より好ましくは0〜1%、更に好ましくは0〜0.5%未満、最も好ましくは0〜0.3%である。P25の含有量が5%より多いと、ガラス中に分相、乳白が起こることに加えて、耐酸性が著しく悪化する。
本発明の無アルカリガラスは、上記成分以外にも、種々の成分を添加することが可能であり、例えばY23、Nb25、La23を5%まで含有させることができる。これらの成分は歪点、ヤング率等を高める働きがあるが、その含有量が5%より多いと、密度が増大する傾向がある。特に、ヤング率を向上させる観点から、Y23を0.1%以上含有させるのが好ましい。
上述の通り、ガラスの清澄剤として、As23が広く使用されてきたが、本発明の無アルカリガラスは、環境的観点からAs23を実質的に含有しないものとすることができる。
本発明の無アルカリガラスにおいては、清澄剤としてSnO2を使用するのが好ましく、その含有量は0〜2%が好ましく、0〜0.5%がより好ましく、0〜0.3%が更に好ましい。SnO2は、高温域で生じるSnイオンの価数変化により多数の清澄ガスを発生させることができる。一般的に、無アルカリガラスは、ガラスの融点がアルカリ金属酸化物を含有するガラスよりも高い。それ故、SnO2は、無アルカリガラスの清澄剤として好適に使用することができる。一方、SnO2の含有量が2%より多いと、ガラスの耐失透性が低下する虞がある。
F、Clのハロゲンは、ガラスの融剤として添加されるが、同時に清澄剤としての機能も有する。ただし、ガラス溶融時に発生する揮発物に毒性があることから、その使用量を低減するのが好ましく、実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「F、Clのハロゲンを実質的に含有しない」とは、不純物成分として原料等から混入してくる量以外に含まないという意味であり、具体的にはガラス組成内において、F、Clのハロゲンが500ppm以下の場合を指す。
さらに、本発明の無アルカリガラスは、清澄剤としてSb23を使用することもできる。Sb23は、低温域で多量の清澄ガスを発生する清澄剤であり、上記のSnO2、ハロゲン等の清澄剤と併用することで清澄効果を高めることができる。また、本発明の無アルカリガラスは、溶融性に優れており、低温で溶融することができるため、Sb23を単独で清澄剤として使用することもできる。一方、環境的観点から、清澄剤としてSb23を実質的に含有しないことが好ましい。Sb23は、As23に比べ、その毒性は低いものの、環境負荷物質であるため、環境的観点から使用を制限するのが好ましい。「Sb23を実質的に含有しない」とは、Sb23の含有量が1000ppm以下の場合を指す。
本発明の無アルカリガラスにおいては、清澄剤として、実質的にAs23を含有せず、かつSb23+SnO2+Cl+Fを0〜3%の範囲とすることが好ましい。Sb23+SnO2+Cl+Fは、0〜2%であることがより好ましく、0〜1%であることが更に好ましい。Sb23+SnO2+Cl+Fが3%より多いと、ガラスの耐失透性が低下する傾向がある。
なお、本発明の特徴となるガラス特性が損なわれない限り、C、Al、Si等の金属粉末あるいはSO3を清澄剤として使用することができる。また、CeO2、Fe23等も清澄剤として使用することができる。
上記組成範囲において、各成分の好ましい範囲を任意に組み合わせて、好ましい組成範囲を選択することは当然可能であるが、その中にあって、無アルカリガラスとして、より好ましい組成範囲は、質量%でSiO2 48〜62%、Al23 13〜16.5%、B23 6〜13%、MgO 0〜3%、CaO 7〜16.5%、SrO 6〜18%、BaO 0〜1%未満、ZnO 0〜10%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 17〜22%、ZrO2 0〜2%未満、TiO2 0〜2%未満、P25 0〜3%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないガラスが挙げられる。ガラスの組成範囲を上記に規制すれば、薄板、大型のガラス基板を安定して製造することができるとともに、熱膨張係数をより適正な値、例えば45〜56×10-7/℃に規制することができる。
無アルカリガラスの更に好ましい態様として、質量%でSiO2 50〜60%、Al23 14〜16%、B23 7〜12%、MgO 0〜1%、CaO 8〜16%、SrO 7〜17%、ZnO 0.1〜5%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 18〜21%、ZrO2 0〜1%、TiO2 0〜1%、P25 0〜1%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物、BaO、As23、ハロゲンおよびSb23を含有しないガラスが挙げられる。ガラスの組成範囲を上記に規制すれば、ガラスの溶融性を大幅に改善できるとともに、環境に配慮したガラスを得ることができる。
本発明の無アルカリガラスは、30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数が40〜60×10-7/℃であり、好ましくは42〜58×10-7/℃、より好ましくは45〜56×10-7/℃、更に好ましくは47〜55×10-7/℃である。熱膨張係数が40×10-7/℃より小さいと、周辺材料(有機材料や金属、具体的にはSiNxのような低膨張の酸化膜からAl、Moなどの高膨張の金属膜)と熱膨張係数を整合し難くなり、その結果、ガラス基板が反り、ガラス基板の破損を引き起こす原因ともなる。熱膨張係数が60×10-7/℃より大きいと、TFT−LCDの製造工程でガラス基板の破損確率が高くなる。また、TFT−LCDの製造工程は、熱処理工程が多く、ガラス基板は急加熱と急冷が繰り返されるため、ガラス基板への熱衝撃はより一層大きくなることから、TFT−LCD用途において、ガラス基板の耐熱衝撃性も重要な要求課題である。ガラス基板の端面には、面取り加工を行ったとしても微細な傷やクラックが存在しており、熱による引張り応力が傷やクラックに集中して働くと、時としてガラス基板が割れることがある。ガラス基板が破損すれば、製造ラインの稼働率を下げるだけでなく、破損の際に生じた微細なガラス粉がガラス基板上に付着し、断線不良やパターニング不良等を引き起こす虞がある。さらに、ガラス基板は大型化の傾向にあり、ガラス基板が大型化すれば、ガラス基板に温度差がつきやすくなるだけでなく、端面に微少なキズ、クラックが発生する確率も高くなり、熱工程中にガラス基板が破壊する確率が高くなる。この問題を解決する最も根本的かつ有効な方法は、熱膨張差から生じる熱応力を減らすこと、つまりガラスの熱膨張係数を小さくすることである。具体的には、ガラスの熱膨張係数を40〜60×10-7/℃とすれば、ガラスの溶融性および他の部材との熱膨張係数の整合性を損なうことなく、上記問題点を有効に解消することができる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、液相温度は1150℃以下が好ましく、1100℃以下がより好ましく、1050℃以下が更に好ましく、1030℃以下が最も好ましい。一般的に、ダウンドロー法は、他の成形方法と比較してガラス成形時の粘度が高いため、ガラスの耐失透性が悪いと、成形中に失透ブツが発生し、ガラス基板に成形できなくなる虞がある。具体的には、少なくとも液相温度が1150℃より高いと、ダウンドロー法による成形が困難となる。また、液相温度が1150℃以下であると、フロート法等の成形方法でも、成形中に失透ブツが発生することなく、大型のガラス基板を効率良く製造することができる。
本発明の無アルカリガラスは、SnO2を清澄剤として含有し、且つガラス組成として、SnO2が0.2質量%となるように、SnO2を添加したとき、得られるガラスの液相温度は1160℃以下であることが好ましく、1110℃以下であることがより好ましい。ガラス中に泡等の内部欠陥があれば、光の透過を妨げるため、ディスプレイ用ガラス基板としては致命的な欠陥となる。一般的に、ガラス基板が大型化するにつれて、泡が残存する確率が高くなり、泡により欠陥不良となる確率が高くなり、ガラス基板の生産性が低下する。ガラス中に含まれる泡を低減する方法には、清澄剤を使用する方法と、高温粘度を低くする方法がある。前者の方法において、この種の無アルカリガラスの清澄剤として、As23が最も効果的であるが、As23は環境負荷化学物質であることから、その使用を低減する必要がある。そこで、環境的観点から、As23の代替清澄剤としてSnO2の導入が検討されているが、SnO2は結晶性異物(失透)の原因になりやすく、これがガラス基板の内部欠陥となる虞がある。したがって、SnO2に対して失透が生じにくいガラスであれば、清澄剤としてSnO2を導入したとしても、それに起因する失透が生じ難いため、ガラス基板の製造効率の向上および環境的配慮の両立を図ることができ、非常に有効であると考えられる。その上、ガラスの製造工程では、Sn電極がガラス中に溶出する事態もある程度想定されるため、SnO2に対して失透が生じにくいガラスは、更に有利となる。そこで、本発明の無アルカリガラスでは、ガラス組成中のSnO2含有量を0.2%としたとき、得られるガラスの液相温度を1150℃以下であれば、上記効果を最大限に享受することができる。一方、ガラス組成中のSnO2含有量を0.2%としたとき、得られるガラスの液相温度が1150℃より高ければ、上記効果を享受し難くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、102.5dPa・sに相当するガラス融液の温度は、1530℃以下が好ましく、1500℃以下がより好ましく、1450℃以下が更に好ましく、1400℃以下が最も好ましい。ガラスを高温で長時間溶融することでガラス中の泡や異物等の内部欠陥を低減することができるが、高温での溶融はガラス溶融窯への負担を増加させる。例えば、窯に使用されているアルミナやジルコニア等の耐火物は、高温になればなる程、ガラス融液によって激しく浸食され、これに付随して窯のライフサイクルも短くなる。また、高温で使用可能な部材は限られるため、使用される全ての部材が割高になる。さらに、窯の内部を常に高温に保つためのランニングコストは低温で溶融するガラスに比べて高くなる等、高温での溶融はガラスを生産する上で不利なものであるため、低温で溶融することができる無アルカリガラスが求められている。そこで、本発明の無アルカリガラスでは、高温粘度102.5dPa・sに相当するガラス融液の温度を1530℃以下であれば、上記効果を的確に享受できる。一方、高温粘度102.5dPa・sに相当するガラス融液の温度が1530℃より高いと、上記効果を享受し難くなる。
本発明の無アルカリガラスは、歪点が好ましくは600℃以上であり、より好ましくは610℃以上であり、更に好ましくは620℃以上、特に好ましくは640℃以上、最も好ましくは650℃以上である。ガラス基板の耐熱性が更に低いと、ガラス基板の変形、反り等が生じる虞がある。また、成膜工程等のTFT−LCDの製造工程でガラス基板が熱収縮してパターンずれを起こさないようにするためにも、耐熱性に優れたガラスが要求されている。さらに、TFT−LCDの製造工程、特に多結晶シリコンTFT−LCD(以下、p−Si・TFT−LCDと称する)の製造工程では、ガラス基板が高温で熱処理される。ガラス基板の耐熱性が低いと、p−Si・TFT−LCDの製造工程中で、ガラス基板が400〜600℃の高温にさらされた際、熱収縮と呼ばれる微小な寸法収縮が生じ、これがTFTの画素ピッチのずれを惹起して表示不良の原因となる虞がある。そこで、本発明の無アルカリガラスでは、歪点を600℃以上であれば、上記問題は生じ難い。一方、歪点が600℃未満であれば、上記問題が深刻となる。
本発明の無アルカリガラスは、密度が好ましくは2.70g/cm3以下であり、より好ましくは2.68g/cm3以下、更に好ましくは2.66g/cm3以下である。ガラスの密度が低ければ低いほど、ガラス基板の軽量化を図ることができ、TFT−LCDの軽量化に寄与することができる。しかし、無アルカリガラスにおいて、ガラスを低密度化すれば、ガラスの粘度が上昇し、溶融性が悪化するとともに、失透傾向が増大し成形性も悪化する傾向がある。例えば、石英ガラスは、密度が2.2g/cm3と低いが、非常に高温で溶融しなければならず、且つ失透性にも劣るため、ダウンドロー法による成形が困難であり、無欠陥の大面積のガラス基板を溶融するには不適切である。このような観点から、本発明の無アルカリガラスの密度は、ガラスの軽量化と生産性を両立させる適切な範囲、具体的には2.55〜2.70g/cm3とするのが好ましい。
本発明の無アルカリガラスにおいて、ヤング率は、75GPa以上が好ましく、78GPa/g・cm-3以上がより好ましく、80GPa/g・cm-3以上が更に好ましい。ヤング率を75GPa/g・cm-3以上とすれば、大型で薄板のガラス基板であっても問題が生じない程度のたわみ量に抑えることができる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、比ヤング率(ヤング率を密度で割った値)は、27GPa/g・cm-3以上が好ましく、28GPa/g・cm-3以上がより好ましく、29GPa/g・cm-3以上が更に好ましい。比ヤング率を27GPa/g・cm-3以上とすれば、大型で薄板のガラス基板であっても問題が生じない程度のたわみ量に抑えることができる。
本発明の無アルカリガラスは、80℃の10%HCl水溶液に24時間浸漬したとき、その浸食量が5μm以下および/または80℃の10%HCl水溶液に3時間浸漬したとき、目視による表面観察で白濁、荒れが認められないことが好ましい。また、本発明の無アルカリガラスは、20℃の130BHF溶液に30分間浸漬したとき、その浸食量が2μm以下および/または20℃の63BHF(HF:6質量%,NH4F:30質量%)溶液に30分間浸漬したとき、目視による表面観察で白濁、荒れが認められないことが好ましい。TFT−LCD用ガラス基板の表面には、透明導電膜、絶縁膜、半導体膜、金属膜等が成膜され、しかもフォトリソグラフィーエッチング(フォトエッチング)によって種々の回路やパターンが形成される。また、これらの成膜、フォトエッチング工程において、ガラス基板には、種々の熱処理や薬品処理が施される。一般的に、TFTアレイプロセスでは、成膜工程→レジストパターン形成→エッチング工程→レジスト剥離工程の一連のプロセスが繰り返される。その際、エッチング液として、Al、Mo系膜のエッチングにはリン酸系溶液、ITO系膜のエッチングには王水(HCl+HNO3)系溶液、SiNx、SiO2膜等のエッチングにはBHF溶液等の多種多様の薬液が使用され、それらは低コスト化を考慮して、使い捨てではなく、循環の液系フローとなっている。ガラスの耐薬品性が低いと、エッチングの際、薬液とガラス基板との反応生成物が、循環の液系フローのフィルターを詰まらせたり、不均質エッチングによってガラス表面に白濁が生じ、あるいはエッチング液の成分が変化することによって、エッチングレートが不安定になる等の様々な問題を引き起こす可能性がある。特に、BHFに代表されるフッ酸系の薬液はガラス基板を強く浸食するため、上記のような問題が発生しやすく、ガラス基板は耐BHF性に優れていることが要求されている。つまり、ガラスの薬液に対する浸食量が小さいことは、薬液の汚染や反応生成物による工程中のフィルターの詰まりを防止する観点から非常に重要である。また、ガラス基板の耐薬品性は、薬液に対する浸食量が小さいだけでなく、外観変化を引き起こさないことも重要である。薬液処理によってガラスの外観が白濁や荒れなどの変化を起こさないことは、光の透過率が重要なTFT−LCD等のディスプレイ用ガラス基板として非常に重要な特性である。この浸食量と外観変化の評価結果は、特に耐BHF性について必ずしも一致せず、例えば同じ浸食量を示すガラスであっても、その組成によって薬品処理後に外観変化を引き起こしたり、引き起こさなかったりする場合がある。その点、本発明の無アルカリガラスによれば、80℃の10%HCl水溶液に24時間浸漬したとき、その浸食量が5μm以下であり、且つ80℃の10%HCl水溶液に3時間浸漬したとき、目視による表面観察で白濁、荒れが生じないものとすることができるため、上記問題点を確実に解消することができる。特に、本発明の無アルカリガラスにおいて、20℃の130BHF溶液に30分間浸漬したとき、その浸食量が2μm以下、且つ20℃の63BHF溶液に30分間浸漬したとき、目視による表面観察で白濁、荒れが認められないものであれば、上記問題点を確実に解消することができる。
本発明の無アルカリガラスは、ガラス基板として使用することが好ましい。本発明の無アルカリガラスは、種々の成形方法を採用することができるが、本発明の無アルカリガラスの耐失透性が優れ、且つ適切な粘度特性を有するため、良好にガラス基板に成形することができ、これをLCD等のディスプレイに適用することができる。
本発明の無アルカリガラス基板は、ダウンドロー法で成形することが好ましい。ダウンドロー法でガラスを成形すれば、ガラス基板を効率良く製造することができるとともに、ガラス基板の表面品位を向上させることができる。本発明の無アルカリガラス基板は、所望のガラス組成となるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入し、ガラス原料を加熱溶融し、清澄した後、成形装置に供給した上で溶融ガラスをダウンドロー法で板状に成形し、徐冷することにより製造することができる。
ダウンドロー法には、スロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法等の各種の成形方法がある。特に、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形すれば、未研磨で表面品位が良好なガラス基板を製造することができる。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、ガラス基板の表面となるべき面は桶状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されることにより、無研磨で表面品位が良好なガラス基板を成形できるからである。ここで、オーバーフローダウンドロー法は、溶融状態のガラスを耐熱性の桶状構造物の両側から溢れさせて、溢れた溶融ガラスを桶状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス基板を製造する方法である。桶状構造物の構造や材質は、ガラス基板の寸法や表面精度を所望の状態とし、TFT−LCD用ガラス基板に使用できる品位を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うためにガラス基板に対してどのような方法で力を印加するものであってもよい。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラス基板に接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラス基板の端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。本発明の無アルカリガラスは、耐失透性が優れるとともに、成形に適した粘度特性を有しているため、オーバーフローダウンドロー法による成形を精度よく実行することができる。
本発明の無アルカリガラス基板の製造方法として、ダウンドロー法以外にも、種々の方法を採用することができる。例えば、フロート法、リドロー法、ロールアウト法等の様々な成形方法を採用することができる。特に、フロート法でガラスを成形すれば、大型のガラス基板を安価に製造することができる。
ガラス基板は、大型化の傾向にあるが、ガラス基板の面積が大きくなると、ガラス基板中に失透物が発現する確率が高くなり、ガラス基板の良品率が急激に低下する。その点、本発明の無アルカリガラス基板は、耐失透性が良好であるため、大型のガラス基板を作製する上で有利である。例えば、ガラス基板の面積が0.1m2以上(具体的には、320mm×420mm以上のサイズ)、0.5m2以上(具体的には、630mm×830mm以上のサイズ)、1.0m2以上(具体的には、950mm×1150mm以上のサイズ)、2.3m2以上(具体的には、1400mm×1700mm以上のサイズ)、3.5m2以上(具体的には、1750mm×2050mm以上のサイズ)、更には4.8m2以上(具体的には、2100mm×2300mm以上のサイズ)と大型化するほど有利になる。ディスプレイの画面サイズでいえば、ガラス基板のサイズは、32インチ以上が好ましく、36インチ以上がより好ましく、40インチ以上が更に好ましい。
本発明の無アルカリガラスは、ダウンドロー法に好適な粘度特性を有するとともに、耐失透性が優れていることから、ガラス基板の板厚が0.8mm以下(好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下、更に好ましくは0.4mm以下)であっても、製造効率を低下させることなく、ガラス基板を成形することができる。また、本発明の無アルカリガラス基板は、板厚を薄くしても、従来のガラス基板に比べて、ガラス基板のたわみ量を小さくすることができるため、ガラス基板をカセットの棚へ出し入れする際の破損等を防止しやすくなる。なお、ガラス基板の板厚を薄くすれば、ディスプレイの軽量化を図ることができる。
本発明の無アルカリガラス基板は、LCD等のディスプレイ、特にa−Si・TFT−LCDに使用することが好ましい。本発明の無アルカリガラス基板は、LCD用ガラス基板に求められる既述の特性(1)〜(7)を満足できるため、上記用途に好適に使用可能である。本発明の無アルカリガラスは、耐失透性が優れるとともに、ダウンドロー成形に好適な粘度特性を有するため、大型および/または薄板のガラス基板を効率よく生産することができるとともに、近年のガラス基板の大型化の要求を満たすことができ、テレビ用途のガラス基板に好適に使用することができる。
また、本発明の無アルカリガラス基板は、p−Si・TFT−LCDにも使用可能である。近年のTFT−LCD分野の開発方向として、大画面化以外に、高精細化、高速応答化、高開口率化等の高性能化があり、具体的には、p−Si・TFT−LCDの開発が盛んに行われている。従来までのp−Si・TFT−LCDでは、その製造工程温度が800℃以上と非常に高かったため、耐熱性が高い石英ガラス基板以外のガラス基板を用いることができなかった。しかし、開発の進展により、現在、製造工程温度が400〜600℃まで低下しており、それに付随してa−Si・TFT−LCDと同様に、p−Si・TFT−LCDのガラス基板として、無アルカリガラス基板が用いられるようになってきた。本発明の無アルカリガラス基板は、このようなp−Si・TFT−LCD用ガラス基板に求められる特性も充足できるため、本用途にも好適に使用可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
表1〜6は、本発明の無アルカリガラスの実施例(試料No.1〜31)および比較例(試料No.A)を示している。
まず表中の組成となるようにガラス原料を調合したバッチを白金坩堝に入れ、1550℃で24時間溶融した後、カーボン板上に流し出して板状に成形した。このようにして得られたガラス試料について、密度、熱膨張係数、歪点、徐冷点、軟化点、高温粘度、ヤング率、比ヤング率、耐失透性(液相温度、液相粘度)、耐薬品性(耐BHF性、耐HCl性)の各種特性を測定した。その結果を表1〜6に示す。
Figure 2008069021
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密度は、周知のアルキメデス法によって測定した。
熱膨張係数は、ディラトメーターを用いて、30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数を測定した。
歪点、徐冷点は、ASTM C336に準拠した方法により測定した。なお、歪点が高いほど、ガラスの耐熱性が高い。
軟化点は、ASTM C338に準拠した方法により測定した。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・sに相当する各温度は、周知の白金球引き上げ法で測定した。
ヤング率は、共振法により測定した。比ヤング率は、ヤング率を密度で割ることにより算出した。
液相温度は、各ガラス試料を粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、ガラス中に結晶が析出する温度を測定したものである。
耐BHF性および耐HCl性は、次の方法で評価した。サンプル作製条件は、まず各ガラス試料の両面を光学研磨した後、一部をマスキングしてから所定の濃度に調合した薬液中で、所定の温度で所定の時間浸漬した。薬液処理後、マスクをはずし、マスク部分と浸食部分の段差を表面粗さ計で測定し、その値を浸食量とした。薬液および処理条件は、耐BHF性の浸食量は、130BHF溶液を用いて20℃、30分間の処理条件で測定し、その浸食量が1μm未満の場合を「○」とし、1μm以上の場合を「×」とした。耐HCl性は、10質量%塩酸水溶液を用いて80℃、24時間の処理条件で測定し、その浸食量が2.5μm未満の場合を「○」とし、2.5μm以上の場合を「×」とした。
外観評価における薬液および処理条件は、耐BHF性が63BHF溶液を用いて、20℃、30分間の処理条件で行い、耐HCl性が10質量%塩酸水溶液を用いて80℃、3時間の処理条件で行った。ガラス表面を目視で観察し、ガラス表面に白濁、荒れ、クラックが生じていないものを「○」とし、ガラス表面が白濁したり、荒れたり、クラックが入っているものは「×」とした。
実施例であるNo.1〜31の各ガラス試料は、アルカリ金属酸化物を含有せず、密度が2.68g/cm3以下、熱膨張係数が40〜56×10-7/℃であり、歪点が626℃以上であった。また、比ヤング率が29GPa/g・cm-3以上であった。さらに、これらの各試料は、高温粘度102.5dPa・sに相当する温度が1434℃以下であるため低温で溶融することができ、ガラス基板の生産性も優れていると判断できる。したがって、実施例の各試料は、TFT−LCD用ガラス基板として好適であると考えられる。一方、比較例Aのガラス試料は、BaOが5.0質量%と多く含まれるため、密度が2.75g/cm3と高くなっていることがわかる。
さらに、実施例であるNo.1および13のガラス試料を試験溶融炉で溶融し、オーバーフローダウンドロー法で成形することにより、基板サイズ900mm×1100mm、厚み0.5mmのディスプレイ用ガラス基板を作製した。その結果、このガラス基板の反りは0.05%以下、うねり(WCA)は0.1μm以下、表面粗さ(Ry)は50Å以下(カットオフλc:9μm)であり、表面精度が優れており、LCD用ガラス基板として適したものであった。なお、オーバーフローダウンドロー法による成形において、引っ張りローラーの速度、冷却ローラーの速度、加熱装置の温度分布、ガラス融液の温度、ガラスの流量、板引き速度、攪拌スターラーの回転数等を適宜調整することによりガラス基板の表面品位を調節した。ここで、「反り」は、ガラス基板を光学定盤上に置き、JIS B−7524に記載のすきまゲージを用いて測定したものである。「うねり」は、触針式の表面形状測定装置を用いて、JIS B−0610に記載のWCA(ろ波中心線うねり)を測定した値であり、この測定は、SEMI STD D15−1296「FPDガラス基板の表面うねりの測定方法」に準拠した方法で測定し、測定時のカットオフは0.8〜8mm、ガラス基板の引き出し方向に対して垂直な方向に300mmの長さで測定したものである。「平均表面粗さ(Ry)」は、SEMI D7−94「FPDガラス基板の表面粗さの測定方法」に準拠した方法により測定した値である。また、実施例の試料No.1および13のガラスの液相粘度は、ともに105.0dPa・sであった。「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を指し、ガラスの粘度は周知のファイバーエロンゲーション法や白金球引き上げ法で測定した値を指す。なお、ガラスの液相粘度が高いほど、耐失透性が優れ、成形性が優れているといえる。
したがって、本発明の無アルカリガラスは、LCDやELディスプレイ等のフラットディスプレイ基板に好適である。また、本発明の無アルカリガラスは、電荷結合素子(CCD)や等倍近接型固体撮像素子(CIS)等のイメージセンサー用カバーガラス、太陽電池用基板等の電子デバイス用基板に好適である。

Claims (20)

  1. ガラス組成として、質量%でSiO2 45〜68%、Al23 12〜18%、B23 5〜15%、MgO 0〜3%、CaO 6〜20%、SrO 5〜20%、BaO 0〜5%未満、ZnO 0〜20%、ZrO2 0〜5%、TiO2 0〜5%、P25 0〜5%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことを特徴とする無アルカリガラス。
  2. 実質的にAs23を含有せず、下記酸化物換算の質量%でSb23+SnO2+Cl+Fを0〜3%含有することを特徴とする請求項1に記載の無アルカリガラス。
  3. 実質的にBaOを含有しないことを特徴とする請求項1または2に記載の無アルカリガラス。
  4. 実質的にMgOを含有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  5. 質量%でMgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの合量が12〜25%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  6. 30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数が40〜60×10-7/℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  7. 歪点が600℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  8. 液相温度が1150℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  9. 102.5dPa・sに相当する温度が1530℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  10. 密度が2.70g/cm3以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  11. ヤング率が75GPa以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  12. 比ヤング率が27GPa/(g・cm-3)以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  13. 80℃の10%HCl水溶液に24時間浸漬したとき、その浸食量が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  14. 20℃の130バッファードフッ酸溶液に30分間浸漬したとき、その浸食量が2μm以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の無アルカリガラスにより構成されていることを特徴とする無アルカリガラス基板。
  16. ダウンドロー法で成形されることを特徴とする請求項15に記載の無アルカリガラス基板。
  17. ガラス基板の面積が0.1m2以上であることを特徴とする請求項15または16に記載の無アルカリガラス基板。
  18. ディスプレイに用いることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の無アルカリガラス基板。
  19. ディスプレイが液晶ディスプレイであることを特徴とする請求項18に記載の無アルカリガラス基板。
  20. ディスプレイがアモルファスシリコンTFT液晶ディスプレイであることを特徴とする請求項18に記載の無アルカリガラス基板。
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