JP2022014937A - アルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法 - Google Patents

アルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラスバッチの溶解時にシリカ未溶解や溶融分離が生じ難く、リボイルが起こり難いアルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法を創案する。【解決手段】本発明のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法は、原料を調合して、ガラスバッチを作製した後、得られたガラスバッチを溶融、清澄、成形して、アルカリ土類アルミノシリケートガラスを製造する方法において、アルカリ土類アルミノシリケートガラス中のアルカリ金属酸化物の含有量が0.01~1質量%であり、アルカリ金属酸化物の導入原料にアルカリ長石原料を用いることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法に関し、特に液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの基板に用いるアルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法に関する。
液晶ディスプレイ等の基板には、無アルカリガラス板、つまり無アルカリのアルカリ土類アルミノケイ酸ガラス板が使用されている。
近年、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの基板に対して、デバイスに悪影響を及ぼさない程度のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO)を許容することにより、ガラス板の生産性を高める試みが検討されている。
特開2006-265001号公報 特開2012-148959号公報
例えば、特許文献1には、ガラス組成中に0.03質量%以上0.1質量%未満のアルカリ金属酸化物を含有させて、ガラスの塩基性度を上げることにより、溶融時に融液へのSO溶解度を向上させて、清澄剤としてのSOの泡抑制効果を高めつつ、清澄反応後のリボイル泡の発生を抑制することが開示されている。
アルカリ炭酸塩に代表されるアルカリ塩の多くは、ガラスバッチのガラス化反応の初期に融解又は反応するため、アルカリ塩を含むガラスバッチの溶融では、溶融初期に形成される融液はアルカリ成分が多くなる。よって、アルカリ塩を導入したガラスバッチのガラス化反応の初期に形成される融液は塩基性度が高くなり過ぎて、SOを過剰に取り込むことになる。その後、塩基性度が低いSiOやAlのような難溶性成分が初期融液に融解したり、反応したりする。その際にアルカリ金属に富んだ初期融液は塩基性度が高く、その後に形成されるSiOやAlを多く含む融液との塩基性度の差が大きいため、硫黄成分がリボイルし、泡欠陥が引き起こされる。
特許文献2には、Alの導入原料として、不純物であるNaOを0.1~0.6質量%の範囲で含むアルミナを用いることにより、清澄効果を高めることが開示されている。
しかし、このアルミナに含まれるNaOは、ガラスバッチの混合後もアルミナ近傍に存在するため、シリカ原料との反応に寄与し難い。よって、特許文献2に記載のアルミナを導入しても、シリカ未溶解による溶融分離の抑制効果が不十分であり、ひいてはリボイルの抑制も不十分である。
そこで、本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、ガラスバッチの溶解時にシリカ未溶解や溶融分離が生じ難く、リボイルが起こり難いアルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法を創案することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、アルカリ土類アルミノケイ酸ガラスのアルカリ金属酸化物の導入原料にアルカリ長石原料を用いることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法は、原料を調合して、ガラスバッチを作製した後、得られたガラスバッチを溶融、清澄、成形して、アルカリ土類アルミノシリケートガラスを製造する方法において、アルカリ土類アルミノシリケートガラス中のアルカリ金属酸化物の含有量が0.01~1質量%であり、アルカリ金属酸化物の導入原料にアルカリ長石原料を用いることを特徴とする。ここで、「アルカリ長石原料」とは、正長石(KAlSi)、曹長石(NaAlSi)のようにアルカリ成分を含む長石や準長石、少なくとも一部にアルカリ成分を含む長石や準長石の固溶体やそれらの混合物である。なお、「アルカリ長石原料」は、アルカリ成分を含む以外にも、石英、灰長石のような不純物を含んでいてもよい。
ディスプレイ用基板に用いるアルカリ土類アルミノケイ酸ガラスにおいて、アルカリ金属酸化物の導入原料には、従来から、アルカリ炭酸塩、アルカリ硝酸塩、アルカリ硫酸塩、アルカリハロゲン化物等のアルカリ塩が用いられてきた。アルカリ塩の多くは、分解温度や反応温度がアルカリ長石原料の融点よりも低いため、ガラスバッチのガラス化反応の際に他の原料よりも早く融液を形成し、またガラスバッチの成分と反応する。アルカリ成分を含む融液は塩基性度が高くなる。アルカリ塩を導入する場合、バッチ反応の初期にアルカリ成分を含む融液が形成される。その後、低塩基性度成分の融解や融液の対流、撹拌により融液の塩基性度は均質化される。アルカリ塩を導入する場合、溶融初期に形成される融液の硫黄溶解度が過剰に高まり、その後のガラス化反応の進行と共に、硫黄溶解度が低下することから、融液がリボイルし易くなる。上記のように、アルミナ原料に不純物として含まれるアルカリ成分は、アルミナが難溶性であるため、アルミナ中のアルカリ成分は他原料、特にシリカ原料との接触頻度が低く、シリカ未溶解による溶融分離の抑制に寄与し難い。
しかし、本発明では、アルカリ金属酸化物の導入原料としてアルカリ長石原料を用いることにより、ガラスバッチの溶解時の溶融分離を抑制し、融液中の硫黄溶存量の局所差を低減させて、リボイルを抑制することができる。
アルカリ金属酸化物の導入原料としてアルカリ長石原料を用いる理由を以下に詳述する。アルカリ長石原料の融解温度は、難溶性原料であるSiOやAlよりも低く、アルカリ塩の融解温度や反応温度より高い。よって、アルカリ長石原料を使用することで、アルカリ塩を使用した場合と比較して、アルカリ含有融液の形成を遅らせることができる。初期に形成される融液のアルカリ含有量を低減すると、初期に形成される融液の塩基性度が低下するため、初期に形成される融液への硫黄の溶存量の増加を抑制することができる。また、アルカリ長石原料の融液がアルカリ金属酸化物、SiO、Alの混合融液となることから、アルカリ塩を使用した場合に形成されるアルカリ塩やアルカリ金属酸化物の融液と比較して、アルカリ土類アルミノシリケートガラスの組成に近く、融液の均質性を改善することができる。更に、難溶性原料であるシリカ原料の使用量を低減し得るため、シリカ未溶解による溶融分離を抑制することができる。以上のことから、アルカリ金属酸化物をアルカリ長石原料から導入すると、初期に形成される融液の塩基性度の増加を抑制しつつ、均質な融液を形成し得るため、リボイルを顕著に抑制することができる。
アルカリ長石原料には、上記の通り、ディスプレイの特性を劣化させるアルカリ成分を含んでいる。例えば、アルカリ長石原料として曹長石を用いる場合、曹長石中の約12質量%のNaOがガラス組成に導入される。アルカリ長石原料として正長石を用いる場合、正長石中の約17質量%のKOがガラス組成に導入される。しかし、アルカリ長石原料以外に、シリカ原料やアルミナ原料を併用すると、アルカリ土類アルミノシリケートガラスの中のアルカリ金属酸化物の含有量を0.01~1質量%に規制することができる。なお、本発明者の調査によると、アルカリ土類アルミノケイ酸ガラス中のアルカリ金属酸化物の含有量が1質量%以下であれば、ディスプレイの特性をあまり劣化させないため、許容可能である。
また、本発明のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法は、アルカリ土類アルミノシリケートガラス中の硫黄含有量がSOとして0.1~100質量ppmであることが好ましい。
また、本発明のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法は、アルカリ土類アルミノシリケートガラス中のBの含有量が15質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法は、アルカリ土類アルミノシリケートガラス中のアルカリ土類金属酸化物の合量(MgO+CaO+SrO+BaO)が1~40質量%であることが好ましい。
また、本発明のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法は、アルカリ土類アルミノシリケートガラスをディスプレイの基板に用いることが好ましい。
本発明のアルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法は、原料を調合して、ガラスバッチを作製した後、得られたガラスバッチを溶融、清澄、成形して、アルカリ土類アルミノシリケートガラスを製造する方法において、アルカリ土類アルミノシリケートガラス中のアルカリ金属酸化物の含有量が0.01~1質量%であり、アルカリ金属酸化物の導入原料にアルカリ長石原料を用いることを特徴とする。以下、本発明のアルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法を詳述する。
まず、所望のガラス組成、ガラス特性になるように、各成分の導入源となる原料を調合、混合してガラスバッチを作製する。必要に応じて、原料として、ガラスカレットを用いてもよい。なお、ガラスカレットとは、ガラス製造工程等で排出されるガラス屑である。
本発明では、アルカリ長石原料を含む原料を調合し、アルカリ導入原料の全部又は一部にアルカリ長石原料を用い、好ましくはガラス組成中のアルカリ含有量の過半数がアルカリ長石原料で導入されており、より好ましくはガラス組成中のアルカリ含有量の80質量%以上がアルカリ長石原料で導入されている。アルカリ長石原料の溶解によりアルカリアルミノシリケートの融液が形成される。アルカリアルミノシリケートの融液は、難溶性のSiOやAlを融液状態で含むため、融液の均質性を高めることができる。一方、アルカリ導入原料としてアルカリ塩を使用すると、アルカリを含む高塩基性度の初期融液が形成される。その後、融液に溶解するシリカ(SiO)のような低塩基性度成分との塩基性度の差が大きくなり、リボイルを引き起こし易くなる。
アルカリ導入原料としてアルカリ長石原料を使用した場合とアルカリ塩を使用した場合とを比較すると、アルカリ長石原料を使用した方が、初期融液に含まれるアルカリ成分が少なく、塩基性度は低い。そして、その後に融解するアルカリ長石原料はシリカよりも塩基性度は高い。よって、初期融液とアルカリ長石原料成分の塩基性度の差は小さくなり、リボイルを引き起こし難くなる。
原料の内、シリカの導入原料は難溶性であり、アルカリ土類酸化物の導入原料、酸化ホウ素の導入原料、アルカリ金属酸化物の導入原料は易溶性である。アルカリ土類酸化物は、融点が低く、密度が高いため、溶融工程の初期段階で融液化し、沈み込み易い。その一方で、シリカは、融点が高く、密度が低いため、相対的に浮上し易い。そこで、アルカリ金属酸化物の導入原料としてアルカリ長石原料を使用すると、シリカの未溶解を低減し得るため、溶融分離の程度を低減することができる。
本発明のアルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法において、ガラス組成として、下記酸化物換算の質量%で、SiO 50~70%、Al 10~25%、B 0~15%、LiO+NaO+KO 0.01~1%、MgO 0~8%、CaO 3~10%、MgO+CaO+SrO+BaO 1~40%を含有するように、原料を調合、混合して、ガラスバッチを作製することが好ましい。上記のようにガラス組成を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を指す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する成分である。SiOの含有量は、好ましくは50~70%、54~68%、56~66%、特に58~64%である。SiOの含有量が少な過ぎると、密度が高くなり過ぎると共に、耐酸性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
Alは、ガラスの骨格を形成する成分であり、また歪点やヤング率を高める成分であり、更に分相を抑制する成分である。Alの含有量は、好ましくは10~25%、特に15~22%である。Alの含有量が少な過ぎると、歪点、ヤング率が低下し易くなり、またガラスが分相し易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、ムライト、アノーサイト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
は、溶融性を高めると共に、耐失透性を高める成分である。Bの含有量は、好ましくは0~15%、0.1~6%、0.3~3%、特に0.5~2.3%である。Bの含有量が少な過ぎると、溶融性や耐失透性が低下し易くなり、またフッ酸系の薬液に対する耐性が低下し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ヤング率や歪点が低下し易くなる。
アルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO)は、溶融温度や成形温度を低下させると共に、シリカ未溶解による溶融分離を低減させるために必須の成分である。しかし、アルカリ金属酸化物の含有量が多過ぎると、ディスプレイの性能に悪影響が生じる。よって、LiO+NaO+KOの含有量(LiO、NaO及びKOの合量)は、好ましくは0.01~1%、0.02~0.75%、0.03~0.5%、特に0.04~0.5%である。なお、本発明では、アルカリ金属酸化物は主にアルカリ長石原料により導入されるが、アルカリ長石原料以外の原料によりアルカリ金属酸化物を導入してもよい。例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の原料からアルカリ金属酸化物を導入してもよく、他原料の不純物としてアルカリ金属酸化物を導入してもよい。
MgOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を顕著に高める成分である。MgOの含有量は、好ましくは0~8%、1~7%、2~6%、特に2.5~6%である。MgOの含有量が少な過ぎると、溶融性やヤング率が低下し易くなる。一方、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなると共に、歪点が低下し易くなる。
CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。また、アルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。CaOの含有量は、好ましくは3~10%、4~10%、特に5~9%である。CaOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり易い。
SrOとBaOは、耐失透性を高める成分であるが、溶融分離を助長する成分である。更に歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、液相温度の上昇を抑制する成分である。SrOの含有量は、好ましくは0~8%、0.1~7%、特に0.5~6%である。BaOの含有量は、好ましくは0~20%、0.1~18%、1~17%、3~16%、特に5~15%である。SrOの含有量が多過ぎると、ストロンチウムシリケート系の失透結晶が析出し易くなって、耐失透性が低下し易くなる。BaOの含有量が多過ぎると、密度が高くなり過ぎると共に、溶融性が低下し易くなる。またBaOを含む失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
アルカリ土類酸化物は、高温粘度を低下させる成分である。アルカリ土類酸化物の合量(MgO+CaO+SrO+BaO)は、好ましくは1~40%、5~30%、特に10~25%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。一方、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が少な過ぎると、ガラスバッチを溶解させるためのエネルギー消費量が多くなり、ガラスの製造コストが高くなり過ぎる。
SnOは、清澄剤として作用する成分であり、その含有量は、好ましくは0~1%、0.1~0.5%、特に0.2~0.4%である。SnOの含有量が多過ぎると、失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
ZrOは、失透を引き起こし易い成分である。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.2%未満であり、不可避な不純物量を除きZrOを含まないことが特に好ましい。
SOは、SOガスのリボイルによる泡不良を発生させる成分である。SOの含有量が多過ぎると、SOガスのリボイルによる泡不良が発生し易くなる。なお、低硫黄成分の原料を使用して、SOの含有量を低減することもできるが、製造コストの高騰を引き起こす。よって、SOの含有量は、好ましくは0.1~100質量ppm、0.5~50質量ppm、特に1~10質量ppmである。
上記成分以外にも、他の成分、例えばZnO、P、F、Cl、Mo等の成分を添加してもよい。なお、上記成分以外の他の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で10%以下、特に5%以下が好ましい。
本発明に係るアルカリ土類アルミノケイ酸ガラスにおいて、歪点は、好ましくは650℃以上、700℃以上、特に730~850℃が好ましい。歪点が低過ぎると、ディスプレイの製造工程における熱処理でガラス板が熱収縮し易くなる。一方、歪点が高過ぎると、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。なお、「歪点」は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。
本発明に係るアルカリ土類アルミノケイ酸ガラスにおいて、102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1530~1680℃、より好ましくは1550~1650℃、特に好ましくは1580~1630℃である。102.5dPa・sにおける温度が低過ぎると、ガラス板の成形時にガラス板の変形を制御し難くなる。一方、102.5dPa・sにおける温度が高過ぎると、溶融性が低下して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。なお、「102.5dPa・sにおける温度」は、周知の白金球引き上げ法で測定可能である。
次いで、調合工程後に、得られたガラスバッチを溶融炉に投入する。溶融炉へのガラスバッチの投入は、通常、スクリューチャージャー等の原料フィーダーにより連続的に行われるが、断続的に行ってもよい。
溶融炉内へ投入されたガラスバッチは、バーナー等の燃焼雰囲気や溶融炉の内部に設置された電極等により加熱されて、融液になる。
続いて、得られた融液は、清澄工程、攪拌工程、供給工程を経た後、成形装置に投入するために徐々に冷却される。
その後、融液は、成形装置に供給されて、所定の肉厚、表面品位を有するように板状に成形された後、所定サイズに切断されて、ガラス製品(ガラス板)になる。成形方法として、オーバーフローダウンドロー法、フロート法等を採用することができる。特に、オーバーフローダウンドロー法は、未研磨で表面平滑なガラス板を作製し得るため、好ましい。
このようにして作製されたガラス板は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の基板として好適に使用される。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、試料No.1、2を示している。
Figure 2022014937000001
次にようにして、各試料を作製した。表中のガラス組成になるように、原料を調合して、ガラス100gに相当するガラスバッチを作製した。なお、アルカリ金属酸化物の導入原料には、表中の原料を用いた。「(アルカリ長石原料由来のアルカリ金属)/(ガラス中のアルカリ金属)」はガラス中のアルカリ金属酸化物の質量%に対するアルカリ長石原料由来のアルカリ金属酸化物の質量%の比である。なお、アルカリ土類金属酸化物の導入原料以外の原料は、全く同じものを用いた。得られたガラスバッチを略円錐台形状の白金合金るつぼに投入し、1200℃1時間保持し、1600℃に昇温し2時間溶融した後、急冷した。その後、ガラスをるつぼから剥離し、上面の直径55mm、下面の直径25mm、高さ25mmの略円錐台形状のガラス試料を得た後、上面から5mm、21mmの断面の組成をXRFで分析した。「シリカ上下差」、「アルカリ土類酸化物上下差」、「SO上下差」は、それぞれ上面から21mmの分析値から上面から5mmの分析値を差し引いた値である。泡数密度は、上面から5mmから21mmの間のガラスを屈折率整合液に浸漬し泡数を数えて、泡数密度を求めたものである。
表から分かるように、アルカリ金属酸化物をアルカリ長石原料から導入した場合は、アルカリ炭酸塩を用いた場合よりも、シリカ上下差、アルカリ土類酸化物の上下差、SOの上下差それぞれの絶対値が何れも小さく、泡数密度が小さかった。

Claims (5)

  1. 原料を調合して、ガラスバッチを作製した後、得られたガラスバッチを溶融、清澄、成形して、アルカリ土類アルミノシリケートガラスを製造する方法において、
    アルカリ土類アルミノシリケートガラス中のアルカリ金属酸化物の含有量が0.01~1質量%であり、アルカリ金属酸化物の導入原料にアルカリ長石原料を用いる、アルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法。
  2. アルカリ土類アルミノシリケートガラス中の硫黄含有量がSOとして0.1~100質量ppmである、請求項1に記載のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法。
  3. アルカリ土類アルミノシリケートガラス中のBの含有量が15質量%以下である、請求項1又は2に記載のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法。
  4. アルカリ土類アルミノシリケートガラス中のアルカリ土類金属酸化物の合量(MgO+CaO+SrO+BaO)が1~40質量%である、請求項1~3の何れかに記載のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法。
  5. アルカリ土類アルミノシリケートガラスをディスプレイの基板に用いる、請求項1~4の何れかに記載のアルカリ土類アルミノシリケートガラスの製造方法。
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