JP6090019B2 - 回転電機ステータの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機ステータの製造方法に係り、特に、コイルを固定する固定部材を有する回転電機ステータの製造方法に関する。
回転電機に用いられるステータは、径方向に放射状に延びると共に軸方向に貫通した複数のスロットを設けたステータコアと、スロット内に挿入されたコイルとから構成される。複数のスロットにコイルを挿入して巻回する方法には、集中巻、分布巻、波巻等が用いられるが、ステータコアの軸方向端面におけるコイルと、ステータコアとの間にギャップが設けられることがある。このギャップは、巻線加工や、コイルとステータコアとの組付け時に、巻回されるコイルに加わるストレスの緩和、絶縁性能の確保、コイルに対しステータコアが食い込むことの防止のために設けられる。
特許文献1には、回転電機のステータにおけるステータコアとコイルの間に設けられるギャップに挿入されるコイル固定部材を開示する。このコイル固定部材は、ステータコアの径方向の外側から挿入され、周方向の一方側でコイルの周方向位置ずれを規制するくさび状の第一固定部材と、第一固定部材の周方向の他方側に径方向の内側から挿入される第二固定部材とで構成される。
特開2009−207334号公報
特許文献1のコイル固定部材は、二つの部品で構成されているので、組付け作業性が低く、部品費や組付け費が増加する。また、二つの部品の間の寸法精度によってはガタが生じ、ステータコアに対してコイルを完全には固定できず、振動等により、場合によってはコイル固定部材が脱落する恐れが生じる。
本発明の目的は、ステータコアに対してコイルをしっかり固定でき、コストを低減できる回転電機ステータの製造方法を提供することである。
本発明に係る回転電機ステータの製造方法は、内周に沿って複数配置されるスロットを有する円環状のステータコア、及び、複数のスロットの配置位置に合わせコイルが挿入される大きさの幅を有する貫通溝が形成された平板状部材であって加圧加熱が行われていない初期状態では貫通溝の縁部が平坦面部から段付で盛り上がっている熱可塑樹脂製のコイル固定部材を準備し、貫通溝をスロットに合わせ、縁部がステータコアから見て外側を向くように、コイル固定部材をステータコアの軸方向端面に配置し、ステータコイルのスロット及びこれに合わせたコイル固定部材の貫通溝にコイルを挿入し、コイル固定部材の縁部を局部的に加圧加熱し、縁部を軟化させて流動化させてスロットの内壁面とコイルの外形との間の隙間に押し込んで侵入させ、縁部が平坦面化して消失した後に加圧を外し、加熱を停止して冷却して固化させる密着処理を行い、コイル固定部材から突き出るコイルをコイル固定部材に沿わせて所定の形状に曲げ成形し、複数のコイルを所定の配置方法に従って複数のスロットに巻回してステータを製造することを特徴とする。
本発明に係る回転電機ステータの製造方法において、ステータコアの内壁面またはコイルの外形の少なくとも一方に、コイル固定部材を構成する樹脂が入り込む凹凸部が設けられることが好ましい。
本発明に係る回転電機ステータの製造方法において、ステータコアは、所定形状のスロットが成形された磁性体薄板を複数枚積層されて構成され、コイル固定部材が配置される側の所定の枚数の磁性体薄板に成形されたスロットの形状は、他の磁性体薄板に成形されたスロットよりも周方向に沿った開口幅が大きいことが好ましい。
本発明に係る回転電機ステータの製造方法において、ステータコアは、所定形状のスロットが成形された磁性体薄板を複数枚積層されて構成され、コイル固定部材が配置される側から数えて、第1の所定の枚数の後の第2の所定枚数の磁性体薄板に成形されたスロットの形状は、第1の所定の枚数の磁性体薄板および第2の枚数の後の他の磁性体薄板に成形されたスロットよりも周方向に沿った開口幅が大きいことが好ましい。
本発明に係る回転電機ステータの製造方法において、コイルは、コイル固定部材の内壁面に密着する部分の軸方向に垂直な面の断面積が、他の部分の軸方向に垂直な面の断面積よりも小さいことが好ましい。
本発明に係る回転電機ステータの製造方法において、コイルは、導体セグメントで構成されていることが好ましい。
本発明に係る回転電機ステータの製造方法において、コイルは、所定のスロット間隔を空けた複数のスロットに渡って配置される分布巻コイルであることが好ましい。
本発明に係る回転電機ステータの製造方法において、コイル固定部材は、ステータコアのスロットに対応する貫通溝を有する複数の分割固定部材を複数組み合わせ熱溶融処理によって互いに接続固定されることが好ましい。
本発明に係る回転電機ステータ及びその製造方法によれば、樹脂製のコイル固定部材が、コイルに密着し、一部はステータコアのスロットの内壁面とコイルの外形との間の隙間に侵入するので、ステータコアに対してコイルをしっかり固定できる。また、特許文献1に比べ、一部品でコイル固定が行えるので、コストを低減できる。
本発明の実施の形態の回転電機ステータの一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態の回転電機ステータにおけるコイル固定部材とステータコアとコイルの関係を示す平面図である。 本発明の実施の形態の回転電機ステータにおける1つのスロットの断面図である。 本発明の実施の形態の回転電機ステータの製造方法の手順を示すフローチャートである。 1つのスロットにおける断面図を用いて、図4の手順の進み方を示す図である。(a)は、コイル固定部材配置後にコイル挿入が行われた状態を示し、(b)は、密着処理の状態を示し、(c)は、曲げ成形の状態を示す図である。 密着処理の他の例を示す図である。(a),(b)はステータコアの磁性体薄板の形状を変更する例、(c)はコイルの外形の一部を変更する例である。 本発明の実施の形態の回転電機ステータにおいて、コイル固定部材が分割されている例を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、コイルが導体セグメントで構成されるものを説明するが、その形状は、スロットへ真っ直ぐな状態で挿入でき、またはスロットから真っ直ぐな状態で突き出すことができるものであればよい。例えば、予めU字形状に成形された導体セグメントでもよく、真っ直ぐな1本の導体線をそのまま導体セグメントとしてもよい。コイルの巻線方法として分布巻を述べるが、導体線をスロットに挿入後曲げ成形してコイルとする巻線方法であればよい。
以下で述べる寸法、形状、材質は説明のための例示であって、回転電機ステータの仕様に応じ適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、回転電機ステータ10の一部を示す斜視図である。回転電機ステータ10は、車両に搭載される三相同期型のモータ・ジェネレータに用いられる固定子である。以下では、回転電機ステータ10を、特に断らない限り、ステータ10と呼ぶ。図1は、ステータ10の内周側からステータ10の軸方向の他方端側のコイルエンド部を見た図である。ステータ10は、ステータコア12と、コイル30と、コイル固定部材40を含んで構成される。
ステータコア12は、内周側に複数配置されるティース13と、隣接するティース13の間の空隙であるスロット14を複数含む円環状の磁性体部品である。かかるステータコア12は、ティース13およびスロット14を含む所定の形状に成形された円環状の磁性体薄板16を複数積層したものが用いられる。磁性体薄板16としては、電磁鋼板を用いることができる。磁性体薄板16の積層体に代えて、磁性粉末を所定の形状に一体化成形したものを用いることもできる。
コイル30は、適当な絶縁被覆が行われた導体線を所定の形状に曲げ成形し、これを、予め定められた配置方法で、周方向に沿って所定のスロット間隔だけ離れた複数のスロット14の間に渡って配置し、ステータ10における三相巻線を形成するものである。図1では、予め定めた配置方法として、分布巻が示されている。なお、図1に、ステータ10における軸方向、径方向、周方向を示した。軸方向については、一方端側と他方端側を示した。
コイル30に用いられる絶縁被覆付きの導体線としては、断面形状が矩形の平角線を用いる。平角線を用いることで、スロット14内のコイル占積率の向上を図ることができる。平角線に代えて、断面が円形、楕円形のものを用いてもよい。コイル30としては、複数の導体セグメントで構成されるセグメントコイルを用いる。導体セグメントは、所定の長さの導体線を、必要に応じて所定の形状に曲げ加工したものである。導体セグメントとしては、周方向に沿って所定のスロット間隔だけ離れた複数のスロット14の間に渡って配置するために、1本の導体線を予めU字形やV字形に成形したU字形導体セグメントやV字形導体セグメントを用いることができる。
U字形導体セグメントの場合で説明すると、U字形の両脚部となる真っ直ぐな導体部が、ステータコア12において周方向に所定のスロット間隔だけ離れた2つのスロット14にそれぞれ挿入される。両脚部を結ぶU字形の部分は、ステータコア12の軸方向の一方端側に突き出して、一方端側のコイルエンド部となる。2つのスロット14にそれぞれ挿入された脚部に相当する真っ直ぐな2つの導体部は、ステータコア12の軸方向の他方端側にそれぞれ突き出すので、これを適当に曲げ成形してその先端部を接続端部とする。他の導体セグメントも同様にステータコア12の軸方向の他方端側で適当に曲げ加工されて接続端部が形成される。接続端部等は、ステータコア12の他方端側のコイルエンド部となる。そこで、同相のコイルを構成する複数の導体セグメントの接続端部同士を溶接等の適当な接続方法で順次電気的に接続することで、分布巻のコイル30を形成することができる。
図1では、コイル30のスロット14内に挿入された導体部32が真っ直ぐな形状として図示されている。図1では、1つのスロット14に、この真っ直ぐな導体部32が径方向に沿って一本ずつ合計で4本配置される。スロット14の周方向に沿った開口幅Wは、スロット14内の導体部32の周方向に沿った外形寸法WSCよりも大きく設定されるので、スロット14の内壁面と導体部32の外形との間には隙間20が形成される。なお、WとWSCの関係は、後述する図5に示される。
コイル固定部材40は、ステータコア12とほぼ同じ形状を有する樹脂製部材である。樹脂としては、加熱によって軟化し塑性流動化し、加熱を止めて冷却することで固化する熱可塑性樹脂を用いる。熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、PMMA(アクリル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PA(ナイロン/ポリアミド)、PC(ポリカーボネイト)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶ポリマー)、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、エラストマー等を用いることができる。
コイル固定部材40と、ステータコア12と、ステータコア12のスロット14内における導体部32の関係を図2に示す。図2は、図1に示すステータ10の上面図に相当するが、コイル30については、コイル固定部材40の上面で切断し、スロット14内の4本の導体部32a,32b,32c,32dが示されるようにした。
図2に示すようにコイル固定部材40は、ステータコア12の複数のスロット14の配置位置に合わせて形成された複数の貫通溝42を有する。コイル固定部材40がステータコア12と相違するのは、形状について、ステータコア12の外径よりも小さな外径を有すること、貫通溝42の溝幅がステータコアのスロット14の開口幅よりも狭いことである。材質的には、ステータコア12が磁性体であるのに対し、コイル固定部材40は、樹脂で形成される絶縁体である。
再び図1に戻り、コイル固定部材40は、単なる平板でなく、貫通溝42の内壁面がコイル30の外形に密着し、さらにスロット14の内壁面とスロット14内の導体部32の外形との間の隙間20に侵入している。図3に、その様子の詳細を示す。
図3は、1つのスロット14の断面図である。ステータコア12の内周側に突き出す部分であるティース13は磁性体薄板16の積層体で、2つのティース13の間の空隙であるスロット14には、コイル固定部材40の貫通溝42を介してコイル30の導体部32が挿入される。挿入方向は、ステータコア12の軸方向の一方端側から他方端側に向かって行われる。
コイル固定部材40は、平坦面部44と、貫通溝42の内壁面がコイル30の外形に密着した密着部46と、さらにスロット14の内壁面とコイル30の外形との間の隙間20に侵入している侵入部48を含んで構成される。
コイル30は、スロット14に挿入され、コイル固定部材40の侵入部48のところで隙間20がなくなって侵入部48の樹脂によってティース13に固定される導体部32と、コイル固定部材40の密着部46によって固定保持され、平坦面部44に沿うように曲げられる曲げ部34と、曲げ部34から立ち上がってコイル固定部材40から離れる段部36を含んで構成される。
このように、コイル固定部材40が、コイル30に密着する密着部46と、スロット14の内壁面と導体部32の外形との間の隙間20に侵入する侵入部48を有するものとなっているのは、コイル固定部材40が熱可塑性樹脂で構成され、加圧加熱によって軟化して流動化し、コイル30に密着し、さらに一部が隙間20に侵入し、その後固化することができるからである。
上記構成の作用、特に、コイル固定部材40が軟化して流動化し、その後固化することでコイル30に密着し、さらに一部が隙間20に侵入することについて、図4と図5を用いて詳細に説明する。
図4は、ステータ製造方法の手順を示すフローチャートである。図5は、図4の手順の内容を示す図である。図5(a)は、図4のS14のコイル固定部材配置後にコイル挿入が行われた状態を示し、図5(b)は、図4のS16の密着処理の状態を示し、図5(c)は、図4のS18の曲げ成形の状態を示す図である。
ステータ10を製造する手順の最初は、ステータコア12を準備する(S10)。ここでは、ティース13およびスロット14を含む所定の形状に成形された円環状の磁性体薄板16を複数積層して形成されたステータコア12が準備される。
次に、コイル固定部材40をステータコア12の軸方向端面に配置する(S12)。次に、コイル30を、コイル固定部材40の貫通溝42に挿入する(S14)。
図5(a)は、S12によってステータコア12の軸方向端面にコイル固定部材40が配置され、コイル固定部材40の貫通溝42にコイル31が挿入された様子が示される。コイル31は、曲げ成形前の真っ直ぐな導体線である。コイル30が複数の導体セグメントで構成されるセグメントコイルであるので、この真っ直ぐな導体線であるコイル31は、導体セグメントの脚部に相当する。ここでのコイル固定部材40は、初期状態の形状のままである。初期状態のコイル固定部材40は、貫通溝42は、その縁部41が平坦面部44よりも盛り上がった形状を有する。つまり、初期状態のコイル固定部材40は、平坦面部44から段付で縁部41があり、その縁部41で貫通溝42が囲まれている。初期状態のコイル固定部材40の貫通溝42の開口幅は、コイル30の外形寸法WSCよりもやや大きめに設定される。やや大きめとは、これにより、コイル30を貫通溝42に挿入したときにコイル30に損傷を与えない程度である。かかる初期形状のコイル固定部材40は、熱可塑性樹脂を用いて所定の形状に成形したものを用いることができる。
図5(a)に示すように、スロット14の開口幅の寸法をWとし、コイル31の外形寸法をWSCとすると、スロット14の内壁面とコイル31の外形との間の隙間20の寸法は、(W−WSC)である。コイル31がスロット14のちょうど中央に配置されると、コイル31の両側に生じる隙間20のそれぞれの寸法は、(W−WSC)/2である。コイル31の外形寸法WSCは、スロット14に挿入するときに周方向となる寸法である。平角線の場合は、矩形断面を形成する2辺の長さ寸法のうち、スロット14に挿入されるときに周方向となる辺の寸法になる。
なお、コイル固定部材40を配置する前に、コイル固定部材40が接触するステータコア12の上面、スロット14の内壁面、コイル30の表面に、適当な接着剤を予め塗布しておいてもよい。
再び図4に戻り、次に密着処理が行われる(S16)。密着処理は、コイル固定部材40を加圧しながら加熱して熱溶融させることで行われる。ここで熱溶融とは、コイル固定部材40の材料である熱可塑性樹脂の軟化温度以上に加熱して、熱可塑性樹脂を流動化させることをいう。熱溶融状態にする箇所は、コイル固定部材40の貫通溝42の近辺のみでよい。したがって、図5(a)で説明した縁部41の部分を局部的に加熱することで、縁部41の部分を軟化させ、流動化した樹脂をコイル31に密着させ、さらにその一部を隙間20に侵入させる密着処理を行うことができる。加熱と共に縁部41の部分を局部的に加圧することで、段付となっている縁部41を軟化させると共に、隙間20の中に押し込んで侵入させることがより容易となる。
図5(b)には、S16によって、コイル固定部材40の縁部41の箇所が局部的に加熱加圧され、縁部41の部分を軟化させ、流動化した樹脂をコイル31に密着させ、さらにその一部を隙間20に侵入させる様子が示される。図5(b)には、局部的な加熱加圧が行われることを下向きの矢印で示した。矢印のように、縁部41の箇所を局部的に加熱加圧するために、縁部41の上面の面積よりやや広めの面積の押付面を有する治具を用いることができる。治具にはヒータを内蔵し、押付力を発生する加圧源を接続したものを用いることができる。加圧源としては、押付バネや圧縮気体等を用いることができる。この加熱加圧により、図5(a)で説明した段付の縁部41が流動化して平坦面化し、これにより、コイル固定部材40に、コイル31に密着する密着部46と、隙間20に侵入した侵入部48が形成される。段付の縁部41が消失した後に、加圧を外し、加熱を停止して冷却を行うことで、流動化した樹脂は固化する。これによって、密着部46においてコイル31は樹脂によってティース13の上面に強固に固定され、侵入部48においてコイル31はティース13の内壁面に強固に固定される。
再び図4に戻り、次にコイルの曲げ成形が行われる(S18)。曲げ成形は、コイル固定部材40に密着固定されて貫通溝42から突き出るコイル31について、コイル固定部材40の平坦面部44に沿うように曲げ、さらに、平坦面部44から立ち上げてコイル固定部材40から離れるように曲げることで行われる。
図5(c)は図3と同じ図であるが、曲げ成形されたコイル30が示される。図3で述べたように、コイル30は、スロット14に挿入され、コイル固定部材40の侵入部48の樹脂によってティース13に固定される導体部32と、コイル固定部材40の密着部46によって固定保持され、平坦面部44に沿うように曲げられる曲げ部34と、曲げ部34から立ち上がってコイル固定部材40から離れる段部36を含んで構成される。
再び図4に戻り、複数のコイル30を所定の配置方法に従って複数のスロット14に巻回した後、コイルの端部をそれぞれ接続する(S20)。これによって、複数のコイル30をコイル固定部材40に固定したステータ10が得られる(S22)。
上記では、密着処理として、初期状態のコイル固定部材40の貫通溝42の開口幅をコイル30の外形寸法WSCよりもやや大きめに設定し、その貫通溝42にコイル31をそのまま挿入し、コイル固定部材40の軟化、流動化、固化によってコイル31の外形と貫通溝42の内壁面とが密着し、一部が隙間に侵入するものとした。ここで、ティース13の内壁面に凹凸部を形成し、またはコイル31の外形に凹凸部を形成することで、軟化、流動化した樹脂が、凹凸部に入り込んで接触面積を増やし、あるいは楔状となって、これが固化することで、コイル31の固定をより強固にすることができる。
図6は、そのような例を示す図である。ここで、図6(a),(b)は、ステータコア12の磁性体薄板の形状を変更してティース13の内壁面に凹凸部を形成する例、図6(c)はコイル31の外形の一部を変更して、コイル31の外形に凹凸部を形成する例である。これらの図は、図3、図5と同様に、1つのスロット14についての断面図である。
図6(a)において、ステータコア12のティース13は、コイル固定部材40が配置される側から数えて1枚目と2枚目の2枚の磁性体薄板16aに成形されたスロット14の周方向に沿った開口幅Waは、他の磁性体薄板16に成形されたスロット14の周方向に沿った開口幅Wよりも大きい。これによって、ティース13の内壁面の軸方向に沿って凹凸部が形成される。すなわち、軟化、流動化して固化したときのコイル固定部材50は、この2枚の磁性体薄板16aに対応する部分が、図3、図5(c)の場合に比べ、周方向に沿って広くなる。これにより、コイル固定部材50にコイル31がよりしっかりと固定される。なお、磁性体薄板16aの枚数は、2枚以外であっても構わない。
図6(b)において、ステータコア12のティース13は、コイル固定部材40が配置される側から数えて、2枚目、3枚目、4枚目の3枚の磁性体薄板16aに成形されたスロット14の周方向に沿った開口幅Waは、他の磁性体薄板16に成形されたスロット14の周方向に沿った開口幅Wよりも大きい。これによって、ティース13の内壁面の軸方向に沿って凹凸部が形成される。すなわち、軟化、流動化して固化したときのコイル固定部材60は、この3枚の磁性体薄板16aに対応する部分64が、図3、図5(c)の場合に比べ、周方向に沿って広い。したがって、相対的に、その上の1枚目の磁性体薄板16に対応する部分64に対して楔状に張り出す状態となる。これにより、コイル固定部材60にコイル31がよりしっかりと固定される。なお、磁性体薄板16aの枚数は、3枚以外であってもよく、その配置位置は、コイル固定部材40が配置される側から数えて2枚目以外であっても構わない。
図6(c)において、コイル33は、コイル固定部材70の内壁面に密着する部分の外形寸法Wbが、他の部分の外形寸法WSCよりも小さい。すなわち、コイル固定部材70の内壁面に密着する部分の軸方向に垂直な面の断面積が、他の部分の軸方向に垂直な面の断面積よりも小さい。これによって、コイル33の形状について、軸方向に沿って凹凸部が形成される。これによって、軟化、流動化して固化したときのコイル固定部材70は、コイル33が細くなってその外形寸法がWbとなっている箇所に対応する部分72が、コイル33に向かって楔状に張り出す状態となる。これにより、コイル固定部材70にコイル33がよりしっかりと固定される。
上記構成のステータ10は、以下の作用効果を奏する。すなわち、コイル固定部材が一部品で構成され、コイル固定のためのワニスや樹脂モールドが不要になる。また、絶縁材料を用いる場合にも、その絶縁仕様等を緩和することができ、また、絶縁材料の使用を簡素化することができる。これらにより、ステータ製造の生産性が向上し、コストを低減できる。
また、コイルがコイル固定部材にしっかり固定されて動かないので、コイルの絶縁被覆や電気的接合部へ損傷を与えない。また、ステータコアとコイルとの間の絶縁隙間が確実に保たれる。また、コイル固定部材を配置するときにもコイルとコイル固定部材の貫通溝との間に隙間があるので、コイルの貫通溝への挿入の際に、コイルに損傷を与えない。これらにより、ステータ10の絶縁信頼性が向上する。
上記で、コイル固定部材40は、円環状形状を一体物で成形されるものとしたが、周方向に分割されて構成されるものであっても構わない。図7は、そのような構造例を示す図である。
図7は、図2に対応する上面図である。コイル固定部材90は、ステータコア12のスロットに対応する貫通溝を有する複数の分割固定部材92を複数組み合わせ、熱溶融処理によって互いに接続固定される分割コイル固定部材である。図7には、分割固定部材92を互いに接続する接続箇所94が示される。熱溶融処理としては、図4の密着処理で説明したように、分割固定部材92を構成する熱可塑性樹脂を加熱し、軟化、流動化させて、接続箇所94において隣接する分割固定部材92同士を一体化し、その後冷却する処理である。加熱と共に、接続箇所94を加圧してもよい。分割固定部材92の接続のための熱溶融処理を、図4の密着処理と同時に行うものとしてもよい。
分割固定部材を一体化した後は、一体物で成形されたコイル固定部材を用いるステータ10と同様の作用効果を奏する。
10 (回転電機)ステータ、12 ステータコア、13 ティース、14 スロット、16,16a 磁性体薄板、20 隙間、30,31,33 コイル、32,32a,32b,32c,32d 導体部、34 曲げ部、36 段部、40,50,60,70,90 コイル固定部材、41 縁部、42 貫通溝、44 平坦面部、46 密着部、48 侵入部、64,72 部分、92 分割固定部材、94 接続箇所。

Claims (8)

  1. 内周に沿って複数配置されるスロットを有する円環状のステータコア、及び、複数のスロットの配置位置に合わせコイルが挿入される大きさの幅を有する貫通溝が形成された平板状部材であって加圧加熱が行われていない初期状態では貫通溝の縁部が平坦面部から段付で盛り上がっている熱可塑樹脂製のコイル固定部材を準備し、
    貫通溝をスロットに合わせ、縁部がステータコアから見て外側を向くように、コイル固定部材をステータコアの軸方向端面に配置し、
    ステータコイルのスロット及びこれに合わせたコイル固定部材の貫通溝にコイルを挿入し、
    コイル固定部材の縁部を局部的に加圧加熱し、縁部を軟化させて流動化させてスロットの内壁面とコイルの外形との間の隙間に押し込んで侵入させ、
    縁部が平坦面化して消失した後に加圧を外し、加熱を停止して冷却して固化させる密着処理を行い、
    コイル固定部材から突き出るコイルをコイル固定部材に沿わせて所定の形状に曲げ成形し、
    複数のコイルを所定の配置方法に従って複数のスロットに巻回してステータを製造することを特徴とする回転電機ステータの製造方法
  2. 請求項1に記載の回転電機ステータの製造方法において、
    ステータコアの内壁面またはコイルの外形の少なくとも一方に、コイル固定部材を構成する樹脂が入り込む凹凸部が設けられていることを特徴とする回転電機ステータの製造方法
  3. 請求項2に記載の回転電機ステータの製造方法において、
    準備されたステータコアは、
    所定形状のスロットが成形された磁性体薄板を複数枚積層されて構成され、
    コイル固定部材が配置される側の所定の枚数の磁性体薄板に成形されたスロットの形状は、他の磁性体薄板に成形されたスロットよりも周方向に沿った開口幅が大きいことを特徴とする回転電機ステータの製造方法
  4. 請求項2に記載の回転電機ステータの製造方法において、
    準備されたステータコアは、
    所定形状のスロットが成形された磁性体薄板を複数枚積層されて構成され、
    コイル固定部材が配置される側から数えて、第1の所定の枚数の後の第2の所定枚数の磁性体薄板に成形されたスロットの形状は、第1の所定の枚数の磁性体薄板および第2の枚数の後の他の磁性体薄板に成形されたスロットよりも周方向に沿った開口幅が大きいことを特徴とする回転電機ステータの製造方法
  5. 請求項2に記載の回転電機ステータの製造方法において、
    コイルは、
    コイル固定部材の内壁面に密着する部分の軸方向に垂直な面の断面積が、他の部分の軸方向に垂直な面の断面積よりも小さいことを特徴とする回転電機ステータの製造方法
  6. 請求項1に記載の回転電機ステータの製造方法において、
    コイルは、導体セグメントで構成されていることを特徴とする回転電機ステータの製造方法
  7. 請求項1に記載の回転電機ステータの製造方法において、
    コイルは、所定のスロット間隔を空けた複数のスロットに渡って配置される分布巻コイルであることを特徴とする回転電機ステータの製造方法
  8. 請求項1に記載の回転電機ステータの製造方法において、
    コイル固定部材は、ステータコアのスロットに対応する貫通溝を有する複数の分割固定部材を複数組み合わせ熱溶融処理によって互いに接続固定されることを特徴とする回転電機ステータの製造方法
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