JP6088927B2 - タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの外表面に接する成形面の排気孔にベントプラグを装着したタイヤ加硫金型と、それを用いたタイヤの製造方法とに関する。
タイヤの加硫成形に用いられるタイヤ加硫金型では、タイヤの外表面に接する成形面に多数の排気孔が設けられ、タイヤと成形面との間の余分な空気を外部に排出するようにしている。また、スピューと呼ばれるゴム突起の形成を低減するために、排気孔に装着されるベントプラグが公知である。特許文献1〜3には、筒状のハウジングに挿入されたステムをスプリングが付勢することで開状態となり、そのステムをタイヤの外表面が押し下げることで閉状態となるベントプラグが開示されている。
ところで、成形面の一部、例えばタイヤのトレッドの接地端近傍の所謂トレッドショルダーやサイドウォールに相当する部位には、ブラダーの膨張によって拡張変形される未加硫タイヤの外表面が成形面に対して法線方向から押し当たらない領域がある。その領域では、成形面に沿って流れる未加硫ゴムがステムに側方から接近するため、まだ完全に押し下げられていないステムがハウジング内で傾いて排気路の入口が広がり、ハウジング内へのゴムの流入により排気路が閉塞されることがあった。このようなゴム噛みが発生すると、もはや排気は不可能となり、そのベントプラグは機能不全に陥る。
特開平2−214616号公報 特開平9−141660号公報 特開2011−116012号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴム噛みによるベントプラグの機能不全を防いで排気性能を長時間維持できるタイヤ加硫金型と、それを用いたタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係るタイヤ加硫金型は、キャビティにセットされたタイヤの外表面に接する成形面と、前記成形面で開口する排気孔に装着されたベントプラグとを備えるタイヤ加硫金型において、前記ベントプラグが、排気路を内部に有する筒状のハウジングと、前記ハウジングに挿入され、前記排気路を開閉する弁体となるステムと、前記排気路を開放するように前記ステムを前記キャビティに向けて付勢する付勢部材とを備え、前記ステムが、前記ハウジングの軸方向に延びる柱状の胴部と、前記ハウジングの開口部の内面に接することにより前記排気路を閉鎖する頭部とを有し、前記排気孔の開口中心を通る前記成形面の法線に対して前記ハウジングの中心軸が傾斜しているものである。
この金型では、上記の如く成型面の法線に対してハウジングが傾斜しているため、成形面に沿って流れる未加硫ゴムがステムに真横から押し当たりにくい。その結果、ステムがハウジング内で傾くことにより排気路の入口が広がる現象が抑えられ、ゴム噛みによるベントプラグの機能不全の発生を防いで、排気性能を長時間維持できる。特に、ステムの頭部を未加硫ゴムの流れと相対する向きに傾斜させた場合には、成形面に沿って流れるゴムがステムを押し下げるように作用するため、ゴム噛みの発生を効果的に防止できる。
本発明に係るタイヤ加硫金型の第1の態様では、前記ハウジングの中心軸を含む平面で切断した断面で見たときに、前記ハウジングの一方の外縁が前記成形面から陥没し、前記ハウジングの他方の外縁が前記成形面から突出している。ハウジングの外縁が成形面から陥没した箇所では、その陥没箇所に未加硫ゴムが流れ込んで排気路に空気を送り込むように作用するため、排気性能を高めるうえで都合がよい。また、ハウジングの外縁が成形面から突出した箇所では、その突出に対応した窪みがタイヤ表面に形成されるため、タイヤの転がり抵抗やノイズの悪化を抑制するうえで都合がよい。
本発明に係るタイヤ加硫金型の第2の態様では、前記ハウジングの中心軸を含む平面で切断した断面で見たときに、前記ハウジングの両方の外縁が前記成形面から突出している、または、前記ハウジングの一方の外縁が前記成形面に合致し且つ前記ハウジングの他方の外縁が前記成形面から突出している。タイヤ表面に凸部が形成されると、その局所的な圧縮変形によるロスや騒音の発生によって転がり抵抗やノイズが悪化する傾向にあり、特にタイヤの接地面ではその傾向が顕著である。これに対し、上記の構成によれば、ベントプラグに起因した凸部がタイヤ表面に形成されないため、タイヤの転がり抵抗やノイズの悪化を効果的に抑制できる。
本発明に係るタイヤ加硫金型の第3の態様では、前記ハウジングの中心軸を含む平面で切断した断面で見たときに、前記ハウジングの両方の外縁が前記成形面から陥没している、または、前記ハウジングの一方の外縁が前記成形面から陥没し且つ前記ハウジングの他方の外縁が前記成形面に合致している。この場合、ベントプラグが全体的に成形面から陥没した構造となり、その陥没箇所に未加硫ゴムが流れ込んで排気路に空気を送り込むように作用するため、排気性能を高めるうえで都合がよい。
この金型では、前記排気孔の開口中心を通る前記成形面の法線に対して、前記ハウジングの中心軸が2〜30度の角度で傾斜する構造が実用的である。傾斜角度が2度未満であると、ゴム噛みを防止する効果が小さくなる傾向にあり、傾斜角度が30度を超えても、それ以上の改善効果は見られない。また、傾斜角度が30度を超える場合には、排気孔の加工やベントプラグの装着に関して施工が難しくなるとともに、タイヤ表面に形成される凹凸が大きくなるために使い勝手が悪い。
前記成形面から陥没又は突出した前記ハウジングの外縁と前記成形面との間隔が、前記ハウジングの軸方向に測定して2mm以内であるものが好ましい。これにより、ベントプラグに起因してタイヤ表面に形成される凹凸が大きくなり過ぎることを防いで、タイヤ外観への影響を抑制できる。また、タイヤ表面に形成される凸部の大きさが抑えられるため、タイヤの転がり抵抗やノイズの悪化を抑制するうえで都合がよい。
前記ステムの頭部が、前記キャビティに向かって拡径する円錐台状に形成され、前記ハウジングの開口部の内面が、前記キャビティに向かって拡径するテーパ面で形成されているものが好ましい。かかる構成によれば、排気路が閉鎖される状態において、ハウジングの開口部に対するステムの頭部の相対位置が的確に定まる。
この金型では、前記排気路が閉鎖される状態にて、前記ステムの頭部の頂面が、前記ハウジングの開口部の頂面と面一に配置される、または、前記ハウジングの開口部の頂面に対して凹んでいるものが好ましい。かかる構成では、排気路が開放される状態において、ハウジングからのステムの突出が比較的小さくなる。その結果、未加硫ゴムがステムをハウジング内で傾けることにより排気路の入口が広がる現象が抑えられ、ゴム噛みによるベントプラグの機能不全を効果的に防止できる。
本発明に係るタイヤの製造方法は、上述したタイヤ加硫金型のキャビティに未加硫タイヤをセットし、その未加硫タイヤに加熱加圧を施して加硫を行う工程を含むものである。かかる方法によれば、上述のようにゴム噛みによるベントプラグの機能不全を防ぎ、排気性能を高めて残留空気の発生を抑えられるため、良好なタイヤ外観を得ることができる。
本発明に係るタイヤ加硫金型の一例を概略的に示す縦断面図 ハウジングの中心軸を含む平面で切断したベントプラグの断面図 図2のベントプラグの閉状態を示す断面図 本発明の別実施形態におけるベントプラグを示す断面図 本発明の別実施形態におけるベントプラグを示す断面図 本発明の別実施形態におけるベントプラグを示す断面図
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、タイヤ子午線断面に沿ったタイヤ加硫金型10の断面を示しており、図2,3は、その要部を拡大して示している。
図1に示すように、タイヤ加硫金型10は、キャビティ15にセットされたタイヤTの外表面に接する成形面1を備える。成形面1には、加硫成形時にタイヤと成形面1との間の余分な空気を排出するために、金型10の内部(キャビティ15)と外部とを連通させる多数の排気孔16が設けられている。図2,3に拡大して示すように、その成形面1で開口する排気孔16にベントプラグ2が装着されている。排気孔16は円形の開口を有しており、法線NLは、その排気孔16の開口中心16Cを通る成形面1の法線である。
成形面1の素材としては、アルミニウム材が例示される。このアルミニウム材は、純アルミ系の素材のみならずアルミニウム合金を含む概念であり、例えばAl−Cu系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系、Al−Mn系、Al−Si系が挙げられる。後述するハウジング3とステム4は、それぞれステンレスやS45Cに代表される鋼材からなることが好ましく、これらは同種金属でもよいが異種金属でも構わない。
本実施形態の金型10は、タイヤのトレッド部を成形するトレッド型部11と、タイヤのサイドウォール部を成形するサイド型部12,13と、タイヤのビード部が嵌合されるビードリング14とを備える。図示を省略しているが、トレッド型部11の内面には、タイヤのトレッド面に溝を形成するための凸状の骨部が設けられている。図1では、トレッド型部11の内面で開口する1つの排気孔16と、サイド型部13の内面で開口する1つの排気孔16を描いているが、実際には、トレッド型部11やサイド型部12の内面で開口する多数の排気孔16が設けられている。
図2に示すように、ベントプラグ2は、排気路21を内部に有する筒状のハウジング3と、ハウジング3に挿入され、排気路21を開閉する弁体となるステム4と、排気路21を開放するようにステム4をキャビティ15に向けて付勢する付勢部材5とを備える。排気孔16に嵌入されたハウジング3は、成形面1に対して固定されている。ハウジング3の開口部31の頂面31aは、キャビティ15に面する。ハウジング3の下端部32には、貫通孔32aと、内鍔状の支持部32bとが形成されている。
ステム4は、ハウジング3の軸方向に延びる柱状の胴部41と、ハウジング3の開口部31の内面に接することにより排気路21を閉鎖する頭部42とを有する。胴部41の下端には、貫通孔32aより大径のストッパー43が形成され、これによりステム4がハウジング3から抜け出ない。ストッパー43は、スリット44を閉じるように弾性変形させることで、貫通孔32aを通過できる。開口部31の頂面31aと頭部42の頂面42aとは、それぞれ平面により形成されている。付勢部材5は、円柱状の胴部41を取り囲み、頭部42と支持部32bとの間に介在してステム4を付勢する。
図2では排気路21が開放されており、ベントプラグ2は開状態にある。ベントプラグ2が開状態にある間は、タイヤの外表面が成形面1に接近する動作に伴って、キャビティ15内の空気が排気路21を介して金型10の外部へ排出される。この排気路21は、ハウジング3の開口部31とステム4の頭部42との間、付勢部材5が取り囲むステム4の胴部41とハウジング3との間、ステム4の胴部41と貫通孔32aとの間に形成される。排気路21の入口は、開口部31の内面と頭部42の側面との間でリング状に開口する。成形面1に接するタイヤの外表面によりステム4が押し下げられると、図3のように排気路21の入口が閉じて閉鎖され、ベントプラグ2は閉状態となる。
この金型10では、図2,3に示すように、排気孔16の開口中心16Cを通る成形面1の法線NLに対してハウジング3の中心軸3Aが傾斜している。ハウジング3は、法線NLに対して傾斜して延びる排気孔16に沿って嵌入されている。かかる構成によれば、成形面1に沿って流れる未加硫ゴムがステム4に真横から押し当たりにくい。その結果、ステム4がハウジング3内で傾くことにより排気路21の入口が広がる現象が抑えられ、ゴム噛みによるベントプラグ2の機能不全の発生を防いで、排気性能を長時間維持できる。
図2,3に示した排気孔16は、タイヤの外表面が法線方向から押し当たりにくい部位(例えばタイヤのトレッドの接地端近傍の所謂トレッドショルダーやサイドウォールに相当する部位)に含まれ、未加硫ゴムが成形面1に沿って図の右側へ流れる領域に設けられている。それを想定して、このベントプラグ2では、ステム4の頭部42を未加硫ゴムの流れと相対する向き(即ち、図の左側)に傾斜させている。かかる構成によれば、成形面1に沿って流れる未加硫ゴムがステム4を押し下げるように作用するため、ゴム噛みの発生を効果的に防止できる。
本発明者の知見によれば、一般的な加硫成形において、トレッドではタイヤ幅方向の中央から両外側へ向かって未加硫ゴムが流れる傾向にあり、サイドウォールではタイヤ最大幅位置付近からタイヤ径方向の両側へ向かって未加硫ゴムが流れる傾向にあることが分かっている。更に、偏平率が60%未満のタイヤでは、トレッドでのゴム流れの影響が強く、偏平率が60%を超える断面形状が丸いタイヤでは、サイドウォールでのゴム流れの影響が強い傾向にあることも分かっている。
このため、図1のように、トレッドの接地端近傍で開口する排気孔16では、キャビティ15に向かってトレッド中央側にハウジング3を傾けることが好ましく、サイドウォールのタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側で開口する排気孔16では、キャビティ15に向かってタイヤ径方向外側にハウジング3を傾けることが好ましい。また、サイドウォールのタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向外側で開口する排気孔16(不図示)では、キャビティ15に向かってタイヤ径方向内側にハウジング3を傾けることが好ましい。
図1では、トレッド型部11の内面に開口する排気孔16において、ハウジング3がキャビティ15に向かってトレッド中央側に傾いている。また、サイド型部13の内面では、タイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側で開口する排気孔16において、ハウジング3がキャビティ15に向かってタイヤ径方向外側に傾いている。図示していないが、タイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向外側で開口する排気孔であれば、既述のようにハウジングをキャビティに向かってタイヤ径方向内側に傾けることが好適である。サイド型部12においても、これと同様である。
図2,3のように、ハウジング3の中心軸3Aを含む平面で切断した断面で見ると、ハウジング3の一方の外縁33aが成形面1から陥没し、ハウジング3の他方の外縁33bが成形面1から突出している。外縁33a,33bは、当該断面においてハウジング3の外周面と頂面31aとが交わる箇所である。ステム4を押し下げた状態であっても、ゴムは流れ込まないが空気が通過しうる微小隙間が開口部31に存在するため、外縁33a周辺の陥没箇所に未加硫ゴムが流れ込んだ際には、排気路21に空気を送り込むように作用し、排気性能を長時間維持できる。また、外縁33b周辺の突出に対応した窪みがタイヤ表面に形成されるため、タイヤの転がり抵抗やノイズの悪化を抑制するのに都合がよい。
有用な微小隙間を開口部31に形成するうえで、開口部31の内面、及び、それに接触する頭部42の側面は、それぞれ算術平均粗さRaが0.8μm以上且つ2.6μm未満となる表面粗さを有することが好ましい。これが0.8μm以上であることにより、開口部31と頭部42との接触界面に形成される微小隙間を空気が通過しやすくなり、これが2.6μm未満であることにより、その微小隙間へのゴムの流入を適切に防止できる。ゴム噛みを抑制するうえで、これらの算術平均粗さRaは1.2〜1.8μmであることがより好ましい。算術平均粗さRaはJIS B0601:2001に規定され、その評価の方式及び手順はJIS B0633:2001の規定に準拠する。
この金型10では、実用上、成形面1の法線NLに対して、ハウジング3の中心軸3Aが2〜30度の角度で傾斜することが好ましい。即ち、傾斜角度θは2度以上が好ましく、5度以上がより好ましく、10度以上が更に好ましい。また、傾斜角度θは30度以下が好ましく、20度以下がより好ましく、15度以下が更に好ましい。
成形面1から陥没したハウジング3の外縁33aと成形面1との間隔Da、及び、成形面1から突出したハウジング3の外縁33bと成形面1との間隔Dbは、それぞれ2mm以内であることが好ましく、2mm未満であることがより好ましい。間隔Da,Dbは、いずれもハウジング3の軸方向に測定される。また、間隔Da,Dbは、例えば0.3mm以上に設定される。
成形面1は、タイヤの外表面に沿って湾曲したプロファイル(輪郭)を有しており、図3では、排気孔16を通る湾曲プロファイル1aを破線で描いている。この金型10では、図3のような排気路21が閉鎖される状態にて、頭部42の頂面42aとステム4の中心軸(ハウジング3の中心軸3Aと一致)との交点45が、成形面1の湾曲プロファイル1aよりもキャビティ15側に配置されている。これにより、ベントプラグ2に起因してタイヤ表面に形成される凸部が減少し、タイヤの転がり抵抗やノイズの悪化を抑制するうえで都合がよい。
上述した交点45は、湾曲プロファイル1a上に配置されていてもよいし、或いは湾曲プロファイル1aよりも排気孔16側に配置されていても構わない(図5参照)。図2,3に示したような、一方の外縁33aが成形面1から陥没し、他方の外縁33bが成形面1から突出する形態においては、間隔Dcが1mm以内であることが好ましく、0.5mm以内であることがより好ましい。間隔Dcは、ハウジング3の軸方向に測定される交点45と湾曲プロファイル1aとの間隔である。
図2のような排気路21が開放される状態では、ステム4の頭部42の頂面42aが、少なくともその一部を湾曲プロファイル1aよりも排気孔16側に配置させていることが好ましい。それにより、成形面1に沿って流れる未加硫ゴムが、ステム4の頭部42に対して側方からではなく頂面42a側から接しやすくなり、未加硫ゴムがステム4を押し下げる作用を促進しうるため、ゴム噛みを防止するうえで有利である。
本実施形態では、ステム4の頭部42が、キャビティ15に向かって拡径する円錐台状に形成され、ハウジング3の開口部31の内面が、キャビティ15に向かって拡径するテーパ面で形成されている。排気路21が閉鎖される状態では、頭部42の側面が開口部31の内面に面接触する。かかる構成によれば、ハウジング3の開口部31に対するステム4の頭部42の相対位置が的確に定まる。
本実施形態では、排気路21が閉鎖される状態にて、ステム4の頭部42の頂面42aが、ハウジング3の開口部31の頂面31aと面一に配置されているが、頂面42aが頂面31aに対して凹んでいても構わない。かかる構成では、図2のように排気路21が開放される状態において、ハウジング3からのステム4の突出が比較的小さくなるため、ゴム噛みによるベントプラグの機能不全を防ぐうえで都合がよい。但し、これに限られるものではなく、頂面42aが頂面31aから突出していても構わない。
図4〜6に示す実施形態は、以下に説明する構成の他は、前述の実施形態と同様の構成であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、前述の実施形態で説明した部材と同一の部材には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図4は、ハウジング3の中心軸3Aを含む平面で切断した断面で見たときに、ハウジング3の両方の外縁33a,33bが成形面1から突出している例である。かかる構成によれば、ベントプラグ2に起因した凸部がタイヤ表面に形成されないため、タイヤの転がり抵抗やノイズの悪化を効果的に抑制できる。かかる形態において、間隔Daは、例えば0〜0.2mmであり、間隔Dbは、例えば0.3〜1.3mmである。間隔Daが0mmであれば、ハウジング3の一方の外縁33aが成形面1に合致し、ハウジング3の他方の外縁33bが成形面1から突出した構造となる。
図5は、ハウジング3の中心軸3Aを含む平面で切断した断面で見たときに、ハウジング3の両方の外縁33a,33bが成形面1から陥没している例である。加硫成形時には、その陥没箇所に未加硫ゴムが流れ込んで排気路21に空気を送り込むように作用するため、排気性能を高めるうえで都合がよい。かかる形態において、間隔Daは、例えば0.3〜1.3mmであり、間隔Dbは、例えば0〜0.2mmである。間隔Dbが0mmであれば、ハウジング3の一方の外縁33aが成形面1から陥没し、ハウジング3の他方の外縁33bが成形面1に合致した構造となる。
図6のように、キャビティ15に向かって凸となる向きに湾曲する箇所に装着されるベントプラグ2においても、ハウジング3の中心軸3Aを法線NLに対して傾斜させることが可能である。但し、ゴム噛みによる機能不全を起こしやすいのは、前掲のようなキャビティ15に向かって凹となる向きに湾曲する箇所に装着されるベントプラグ2であるため、そのようなベントプラグ2に上記の如き傾斜構造を適用することが効果的である。
前述の実施形態では、タイヤ子午線断面に沿った金型10の断面において、ハウジング3が上記の如く傾斜する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、ブロックなどの陸部を形成するための凹部の底面のコーナーでは、未加硫ゴムが骨部に向かって流れる傾向にあるため、そのコーナーに設けられるベントプラグにおいては、ハウジングの開口部から下端部に向かって骨部に近付くよう、成型面の法線に対してハウジングの中心軸を傾斜させてもよい。
この金型10を用いたタイヤの製造方法は、金型10のキャビティ15に未加硫タイヤをセットし、その未加硫タイヤに加熱加圧を施して加硫を行う工程を含む。タイヤは、ブラダーと呼ばれるゴムバッグの膨張によって拡張変形し、その外表面が成形面1に押し当たる。その過程で、タイヤと成形面1との間の空気は、ベントプラグ2の排気路21を通じて外部に排出される。このとき、排気孔16内の空間を吸引機により吸引し、排気性能を高めてもよい。
上述したタイヤ加硫金型は、排気孔とそれに装着されるベントプラグを上記の如く構成したこと以外は、通常のタイヤ加硫金型と同等であり、従来公知の形状や材質、機構などが何れも本発明に採用することができる。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。前述の実施形態では、トレッド型部と一対のサイド型部とを備えた金型構造であったが、本発明は、これに限定されず、例えばトレッド型部の中央部で上下に二分割された金型構造にも適用できる。また、前述の実施形態では、付勢部材がコイルバネであったが、これに代えて皿バネや板バネなどを利用しても構わない。
1 成形面
2 ベントプラグ
3 ハウジング
3A 中心軸
4 ステム
5 付勢部材
10 タイヤ加硫金型
15 キャビティ
16 排気孔
21 排気路
31 開口部
33a 一方の外縁
33b 他方の外縁
41 胴部
42 頭部

Claims (8)

  1. キャビティにセットされたタイヤの外表面に接する成形面と、前記成形面で開口する排気孔に装着されたベントプラグとを備えるタイヤ加硫金型において、
    前記ベントプラグが、排気路を内部に有する筒状のハウジングと、前記ハウジングに挿入され、前記排気路を開閉する弁体となるステムと、前記排気路を開放するように前記ステムを前記キャビティに向けて付勢する付勢部材とを備え、
    前記ステムが、前記ハウジングの軸方向に延びる柱状の胴部と、前記ハウジングの開口部の内面に接することにより前記排気路を閉鎖する頭部とを有し、
    前記排気孔の開口中心を通る前記成形面の法線に対して前記ハウジングの中心軸が傾斜していて、
    前記ハウジングの中心軸を含む平面で切断した断面で見たときに、前記ハウジングの一方の外縁が前記成形面から陥没し、前記ハウジングの他方の外縁が前記成形面から突出していることを特徴とするタイヤ加硫金型。
  2. キャビティにセットされたタイヤの外表面に接する成形面と、前記成形面で開口する排気孔に装着されたベントプラグとを備えるタイヤ加硫金型において、
    前記ベントプラグが、排気路を内部に有する筒状のハウジングと、前記ハウジングに挿入され、前記排気路を開閉する弁体となるステムと、前記排気路を開放するように前記ステムを前記キャビティに向けて付勢する付勢部材とを備え、
    前記ステムが、前記ハウジングの軸方向に延びる柱状の胴部と、前記ハウジングの開口部の内面に接することにより前記排気路を閉鎖する頭部とを有し、
    前記排気孔の開口中心を通る前記成形面の法線に対して前記ハウジングの中心軸が傾斜していて、
    前記ハウジングの中心軸を含む平面で切断した断面で見たときに、前記ハウジングの両方の外縁が前記成形面から突出している、または、前記ハウジングの一方の外縁が前記成形面に合致し且つ前記ハウジングの他方の外縁が前記成形面から突出していることを特徴とするタイヤ加硫金型。
  3. キャビティにセットされたタイヤの外表面に接する成形面と、前記成形面で開口する排気孔に装着されたベントプラグとを備えるタイヤ加硫金型において、
    前記ベントプラグが、排気路を内部に有する筒状のハウジングと、前記ハウジングに挿入され、前記排気路を開閉する弁体となるステムと、前記排気路を開放するように前記ステムを前記キャビティに向けて付勢する付勢部材とを備え、
    前記ステムが、前記ハウジングの軸方向に延びる柱状の胴部と、前記ハウジングの開口部の内面に接することにより前記排気路を閉鎖する頭部とを有し、
    前記排気孔の開口中心を通る前記成形面の法線に対して前記ハウジングの中心軸が傾斜していて、
    前記ハウジングの中心軸を含む平面で切断した断面で見たときに、前記ハウジングの両方の外縁が前記成形面から陥没している、または、前記ハウジングの一方の外縁が前記成形面から陥没し且つ前記ハウジングの他方の外縁が前記成形面に合致していることを特徴とするタイヤ加硫金型。
  4. 前記排気孔の開口中心を通る前記成形面の法線に対して、前記ハウジングの中心軸が2〜30度の角度で傾斜する請求項1〜3いずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  5. 前記成形面から陥没又は突出した前記ハウジングの外縁と前記成形面との間隔が、前記ハウジングの軸方向に測定して2mm以内である請求項1〜4いずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  6. 前記ステムの頭部が、前記キャビティに向かって拡径する円錐台状に形成され、前記ハウジングの開口部の内面が、前記キャビティに向かって拡径するテーパ面で形成されている請求項1〜5いずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  7. 前記排気路が閉鎖される状態にて、前記ステムの頭部の頂面が、前記ハウジングの開口部の頂面と面一に配置される、または、前記ハウジングの開口部の頂面に対して凹んでいる請求項1〜6いずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載のタイヤ加硫金型のキャビティに未加硫タイヤをセットし、その未加硫タイヤに加熱加圧を施して加硫を行う工程を含むタイヤの製造方法。
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