JP6059103B2 - タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6059103B2
JP6059103B2 JP2013148406A JP2013148406A JP6059103B2 JP 6059103 B2 JP6059103 B2 JP 6059103B2 JP 2013148406 A JP2013148406 A JP 2013148406A JP 2013148406 A JP2013148406 A JP 2013148406A JP 6059103 B2 JP6059103 B2 JP 6059103B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
housing
stem
cavity
vulcanization mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013148406A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015020297A (ja
Inventor
将明 小原
将明 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2013148406A priority Critical patent/JP6059103B2/ja
Priority to CN201420115505.8U priority patent/CN203765845U/zh
Publication of JP2015020297A publication Critical patent/JP2015020297A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6059103B2 publication Critical patent/JP6059103B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/10Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor with incorporated venting means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/0601Vulcanising tyres; Vulcanising presses for tyres
    • B29D30/0606Vulcanising moulds not integral with vulcanising presses
    • B29D2030/0607Constructional features of the moulds
    • B29D2030/0617Venting devices, e.g. vent plugs or inserts

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、タイヤの外表面に接する成形面の排気孔にベントプラグを装着したタイヤ加硫金型と、それを用いたタイヤの製造方法とに関する。
タイヤの加硫成形に用いられるタイヤ加硫金型では、タイヤの外表面に接する成形面に多数の排気孔が設けられ、タイヤと成形面との間の余分な空気を外部に排出するようにしている。また、スピューと呼ばれるゴム突起の形成を低減するために、排気孔に装着されるベントプラグが公知である。特許文献1〜3には、筒状のハウジングに挿入されたステムをスプリングが付勢することで開状態となり、そのステムをタイヤの外表面が押し下げることで閉状態となるベントプラグが開示されている。
ところで、成形面の一部、例えばタイヤのトレッドの接地端近傍の所謂トレッドショルダーやサイドウォールに相当する部位には、ブラダーの膨張によって拡張変形される未加硫タイヤの外表面が成形面に対して法線方向から押し当たらない領域がある。その領域では、成形面に沿って流れる未加硫ゴムがステムに側方から接近するため、まだ完全に押し下げられていないステムがハウジング内で傾いて排気路の入口が広がり、ハウジング内へのゴムの流入により排気路が閉塞されることがあった。このようなゴム噛みが発生すると、もはや排気は不可能となり、そのベントプラグは機能不全に陥る。
特開平2−214616号公報 特開平9−141660号公報 特開2011−116012号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴム噛みによるベントプラグの機能不全を防いで排気性能を長時間維持できるタイヤ加硫金型と、それを用いたタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係るタイヤ加硫金型は、キャビティにセットされたタイヤの外表面に接する成形面と、前記成形面で開口する排気孔に装着されたベントプラグとを備えるタイヤ加硫金型において、前記ベントプラグが、排気路を内部に有する筒状のハウジングと、前記ハウジングに挿入されたステムとを備え、前記ステムが、前記ハウジングの軸方向に延びる柱状の胴部と、前記胴部の先端に設けられた頭部とを有し、前記頭部が、前記キャビティに面する頂面と、前記ハウジングの開口部の内面に対向する側面とを有し、前記ハウジングの開口部の内面と前記ステムの頭部の側面との間に充填物を部分的に介在させることにより、前記開口部の頂面から前記頭部の頂面が突出した前記ステムを前記ハウジングに固定する接着部と、前記キャビティから前記排気路への通気を許容する隙間部とが設けられているものである。
この金型では、接着部によってステムがハウジングに固定されているため、未加硫ゴムが側方から接近してもステムがハウジング内で傾かず、排気路の入口が広がらない。それでいて、キャビティから排気路への通気は、充填物が介在しない隙間部によって許容される。その結果、ゴム噛みによるベントプラグの機能不全を防いで、排気性能を長時間維持することができる。また、未加硫ゴムが隙間部に流入したとしても、接着部をなす充填物によって進行が食い止められるとともに、加硫成形を終えて脱型されるタイヤに流入ゴムが付着して除去されるため、その後も隙間部を通じた排気が可能となる。
前記ステムの頭部が、前記キャビティに向かって拡径する円錐台状に形成され、前記ハウジングの開口部の内面が、前記キャビティに向かって拡径するテーパ面で形成されているものが好ましい。この場合、成形したタイヤの外表面に残される流入ゴムが、外方に向かって小径となるゴムバリとして形成されるため、タイヤの外観品質の悪化が抑制される。また、ハウジングに対するステムの軸方向位置に応じて、ハウジングの開口部の内面とステムの頭部の側面との間隔が変化するため、所望の間隔を有する隙間部を簡便に設定できる。
前記隙間部の間隔が0.1mm以上であることにより、未加硫ゴムが隙間部に流入しやすくなるものの、流入ゴムの厚みを相応に確保できる。その結果、隙間部内で流入ゴムが千切れて残留することを防ぎ、タイヤの脱型に付随して隙間部から流入ゴムを円滑に除去できる。また、前記隙間部の間隔が0.3mm以下であることにより、タイヤに付着した流入ゴムの厚みが大きくなり過ぎることを防いで、タイヤの外観品質の悪化を軽減できる。
この金型では、前記ベントプラグが、前記ステムを前記キャビティに向けて付勢する付勢部材を備えるものでもよい。この金型に用いられるベントプラグは、上記のような付勢部材を具備しても構わないから、ハウジングとステムを備える従来の開閉式ベントプラグを利用して構成することも可能である。また、付勢部材がステムを付勢することにより排気路が開放される構造であれば、ハウジングの開口部の内面とステムの頭部の側面との間に充填物を挟み込みやすくなるため、接着部を設けるときの作業性に優れる。
前記ハウジングの開口部の内面の周長に対する前記接着部の長さの割合が30〜70%であるものが好ましい。この割合が30%以上であることにより、ステムをハウジングに比較的堅固に固定できるとともに、隙間部に流入した未加硫ゴムの進行を充填物で食い止めやすくなる。また、この割合が70%以下であることにより、隙間部の長さを確保してキャビティから排気路への通気を促し、排気性能を良好に維持できる。
前記ステムの頭部の直径が3mm以下であるものが好ましく、これにより未加硫ゴムの隙間部への流入を抑えられる。即ち、この直径が3mmを超える場合には、ステムの頭部の外周に沿った排気路の入口が長くなり、未加硫ゴムが隙間部へ流入しやすい傾向にある。一方、排気性能を維持するうえで、前記ステムの頭部の直径は1mm以上であることが好ましい。
本発明に係るタイヤの製造方法は、上述したタイヤ加硫金型のキャビティに未加硫タイヤをセットし、その未加硫タイヤに加熱加圧を施して加硫を行う工程を含むものである。かかる方法によれば、上述のようにゴム噛みによるベントプラグの機能不全を防ぎ、排気性能を高めて残留空気の発生を抑えられるため、良好なタイヤ外観を得ることができる。
本発明に係るタイヤ加硫金型の一例を概略的に示す縦断面図 ハウジングの中心軸を含む平面で切断したベントプラグの断面図 図2のハウジングの開口部を軸方向から見た図 未加硫タイヤの外表面がベントプラグに接近する様子を示す断面図 未加硫タイヤの外表面が成形面に接した様子を示す断面図 加硫成形を終えたタイヤを脱型する様子を示す断面図
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、タイヤ子午線断面に沿ったタイヤ加硫金型10の断面を示しており、図2は、その要部を拡大して示している。
図1に示すように、タイヤ加硫金型10は、キャビティ15にセットされたタイヤTの外表面に接する成形面1を備える。成形面1には、加硫成形時にタイヤと成形面1との間の余分な空気を排出するために、金型10の内部(キャビティ15)と外部とを連通させる多数の排気孔16が設けられている。図2に拡大して示すように、その成形面1で開口する排気孔16にベントプラグ2が装着されている。
成形面1の素材としては、アルミニウム材が例示される。このアルミニウム材は、純アルミ系の素材のみならずアルミニウム合金を含む概念であり、例えばAl−Cu系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系、Al−Mn系、Al−Si系が挙げられる。後述するハウジング3とステム4は、それぞれステンレスやS45Cに代表される鋼材からなることが好ましく、これらは同種金属でもよいが異種金属でも構わない。
本実施形態の金型10は、タイヤのトレッド部を成形するトレッド型部11と、タイヤのサイドウォール部を成形するサイド型部12,13と、タイヤのビード部が嵌合されるビードリング14とを備える。図示を省略しているが、トレッド型部11の内面には、タイヤのトレッド面に溝を形成するための凸状の骨部が設けられている。図1では、トレッド型部11の内面で開口する1つの排気孔16と、サイド型部13の内面で開口する1つの排気孔16を描いているが、実際には、トレッド型部11やサイド型部12,13の内面で開口する多数の排気孔16が設けられている。
図2に示すように、ベントプラグ2は、排気路21を内部に有する筒状のハウジング3と、ハウジング3に挿入されたステム4とを備える。ハウジング3は、円孔である排気孔16に嵌入され、成形面1に対して固定されている。ハウジング3の開口部31の頂面31aは、キャビティ15に面する。開口部31の頂面31aと頭部42の頂面42aとは、それぞれ平面により形成されている。ハウジング3の下端部32には、貫通孔32aと、内鍔状の支持部32bとが形成されている。
ステム4は、ハウジング3の軸方向に延びる柱状の胴部41と、胴部41の先端に設けられた頭部42とを有する。頭部42は、胴部41と一体的に設けられ、胴部41のキャビティ15側の先端を径方向に膨出させてなる。また、頭部42は、キャビティ15に面する頂面42aと、ハウジング3の開口部31の内面31bに対向する側面42bとを有している。胴部41の下端には、貫通孔32aより大径のストッパー43が形成され、これによりステム4がハウジング3から抜け出ない。ストッパー43は、スリット44を閉じるように弾性変形させることで、貫通孔32aを通過できる。
排気路21は、ハウジング3の開口部31とステム4の頭部42との間、ハウジング3の本体とステム4の胴部41との間、貫通孔32aと胴部41との間に形成される。ハウジング3の開口とステム4の頭部42は、それぞれ軸方向から見て円形をなしており、排気路21の入口は、開口部31の内面31bと頭部42の側面42bとの間でリング状に設けられている。但し、開口部31と頭部42との間に形成された排気路21の一部は、後述する充填物6によって閉塞されている。
図2,3のように、ハウジング3の開口部31の内面31bとステム4の頭部42の側面42bとの間には、充填物6を部分的に介在させており、それによってステム4をハウジング3に固定する接着部71と、キャビティ15から排気路21への通気を許容する隙間部72とが設けられている。ステム4は、開口部31の頂面31aから頭部42の頂面42aを突出させている。隙間部72は、内面31bから側面42bを離して設けられ、これを通じて排気路21がキャビティ15に連通する。したがって、接着部71では通気が妨げられるものの、隙間部72を通じて排気が可能となる。
開口部31の内面31bと頭部42の側面42bとの間に充填され、それによりステム4をハウジング3に固定できるものであれば、充填物6は特に限定されない。具体的には、充填物6としてゴムや樹脂、金属、有機物などを使用できるが、ゴムやプラスチック、シリコンなどの弾性材料であれば、内面31bと側面42bとでの挟み込みが容易となるため、使い勝手に優れる。充填物6は、排気性能を阻害しない限り、内面31bと側面42bとの間のみならず、それよりも奥側に介在してもよい。例えば、充填物6としての硬化樹脂を流し込んで接着部71を設ける際に、その樹脂が内面31bよりも奥側に流れ込む場合があるとしても、それにより排気性能が阻害されなければ構わない。
加硫成形時には、図4のように、成形面1に沿って流れる未加硫ゴムがステム4に側方から接近しても、ハウジング3に固定されているステム4がハウジング3内で傾くことなく、排気路21の入口は広がらない。未加硫タイヤの外表面が成形面1に接近する動作に伴って、キャビティ15内の空気は排気孔16を通じて金型10の外部へ排出される。このとき、キャビティ15から排気路21への通気は、隙間部72によって許容される。その結果、ゴム噛みによるベントプラグ2の機能不全を防いで、排気性能を長時間維持することができる。
未加硫タイヤの外表面が成形面1に接する段階では、図5のように未加硫ゴムが隙間部72に流入したとしても、接着部71をなす充填物6によって進行が食い止められ、隙間部72に流入してなる流入ゴムFRが奥側まで(例えば付勢部材5の位置まで)到達することを防止できる。そして、加硫成形を終えたタイヤが脱型される際には、図6のように流入ゴムFRがタイヤTに付着して隙間部72から除去されるため、その後も隙間部72を通じた排気が可能となる。
ベントプラグ2は、ゴム噛みによる機能不全を防いで排気性能を長時間維持できることから、未加硫タイヤの外表面が法線方向から押し当たりにくい部位に設けられた排気孔16への装着が特に有効である。当該部位としては、例えば、タイヤのトレッドの接地端近傍の所謂トレッドショルダーやサイドウォールに相当する部位が挙げられる。
ステム4は、開口部31の頂面31aから頭部42の頂面42aを突出させており、その状態でハウジング3に固定されている。所謂スプリングベントを利用して構成されるベントプラグ2においては、充填物6により接着部71を設けるうえで、かかる構造が有用である。また、タイヤ表面に形成される凸部を減少して転がり抵抗やノイズの悪化を抑えるうえでも、この構造は好都合である。頂面31aを基準とした頂面42aの突出量Pは、例えば0.2〜0.3mmに設定される。開口部31の頂面31aは成形面1に対して僅かに凹んでいるが、これに限定されない。
本実施形態では、開口部31の頂面31aと頭部42の頂面42aとが互いに平行になっているが、これに限られるものではなく、頂面31aに対して頂面42aが傾斜する状態で、ステム4がハウジング3に固定されていても構わない。その場合において、頂面42aが頂面31aまたは内面31bに接触すると、隙間部72の間隔がゼロになる箇所が部分的に形成されるものの、それらの接触は点状であるため流入ゴムが千切れる心配は小さく、上述した効果を享受できる。
本実施形態では、ステム4の頭部42が、キャビティ15に向かって拡径する円錐台状に形成され、ハウジング3の開口部31の内面31bが、キャビティ15に向かって拡径するテーパ面で形成されている。かかる構成によれば、成形後のタイヤの外表面に付着した流入ゴムFRが、外方に向かって小径となるバリとして形成されるため、タイヤの外観品質の悪化が抑制される。また、ハウジング3に対するステム4の軸方向位置に応じて内面31bと側面42bとの間隔が変化するため、所望の間隔を有する隙間部72を簡便に設定できる。
隙間部72の間隔D7(図4参照)は、好ましくは0.1〜0.3mm、より好ましくは0.2〜0.3mmに設定される。間隔D7が0.1mm未満であると、未加硫ゴムの隙間部72への流入を幾分か抑制できるものの、流入ゴムが隙間部72内で千切れて残留しやすくなり、排気を阻害する恐れがある。これに対し、間隔D7が0.1mm以上であれば、流入ゴムの千切れを防ぎやすくなり、0.2mm以上だとより効果的である。また、間隔D7を0.3mm以下にして未加硫ゴムの流入量を制限することで、流入ゴムによるタイヤ外観の品質悪化を抑えられる。
流入ゴムの隙間部72での残留を抑制する観点から、内面31b及び側面42bの一方または両方の算術平均粗さRaは、0.8μm以上且つ2.6μm未満が好ましく、1.2〜1.8μmがより好ましい。これが0.8μm以上であることで、隙間部72に流入したゴムの密着性が低下し、タイヤの脱型時に流入ゴムを除去しやすい。また、これが2.6μm未満であることで、隙間部72に流入したゴムの凹凸が均一化され、応力集中により千切れの起点となるゴムの薄肉部分の形成を抑えて、凹凸による流入ゴムの除去抵抗を軽減できる。算術平均粗さRaはJIS B0601:2001に規定され、その評価の方式及び手順はJIS B0633:2001の規定に準拠する。
流入ゴムとの密着を抑制する観点から、内面31b及び側面42bの一方または両方には、タフトライド処理やガス軟窒化処理、高周波焼き入れなどによる表面処理を施すことが好ましい。表面処理が施された部分は、好ましくはマイクロビッカース硬さがHmV350〜650の範囲内となる表面硬度を有し、より好ましくはマイクロビッカース硬さがHmV500以上となる表面硬度を有する。マイクロビッカース硬さは、JIS Z2244:2009の規定に準拠して測定される。
本実施形態のベントプラグ2は、ステム4をキャビティ15に向けて付勢する付勢部材5を備える。但し、接着部71により固定されているため、ステム4は変位しない。付勢部材5は、胴部41を取り囲み、頭部42と支持部32bとの間に介在するコイルバネであり、ベントプラグ2は所謂スプリングベントを利用して構成されている。即ち、充填物6によって接着部71が設けられていなければ、ステム4が排気路21を開閉する弁体として機能し、付勢部材5がステム4を付勢することで排気路21が開放されるとともに、側面42bが内面31bに接することで排気路21が閉鎖される構造になっている。
図3のように、内面31bはハウジング3の中心軸3A周りにリング状をなし、その周方向に沿って充填物6が部分的に(本実施形態では略半周に)配置されている。排気性能を良好に維持しながら、隙間部72に流入した未加硫ゴムの進行を充填物6で食い止めるうえで、内面31bの周長L31に対する、その周長L31に沿った接着部71の長さL71の割合L71/L31は30〜70%が好ましく、40〜60%がより好ましい。この関係は、ハウジング3の軸方向に直交する平面で切断した断面で見て、例えば内面31bを構成するテーパ面の軸方向中央(図3の一点鎖線の位置)において満たされる。
本発明者の知見によれば、排気路21の入口の周方向長さが長くなるほど、未加硫ゴムが流入しやすい傾向にあることが分かっている。かかる観点に加えて、未加硫ゴムの粘性なども勘案すると、軸方向から見て円形をなす頭部42の直径D4は3mm以下であることが好ましく、それによって未加硫ゴムの隙間部72への流入を適度に抑えることができる。また、排気性能を維持するうえで、直径D4は1mm以上であることが好ましい。
前述の実施形態では、周方向に連続して延びる充填物6によって、1つの接着部71を設けた例を示したが、周方向に断続的に充填物を配置することで、複数の接着部71を設けることも可能である。接着部71の数や大きさは特に限定されないが、隙間部72による通気を確保する観点から、接着部71は周方向の1〜3箇所に設けられることが好ましい。
この金型10を用いたタイヤの製造方法は、金型10のキャビティ15に未加硫タイヤをセットし、その未加硫タイヤに加熱加圧を施して加硫を行う工程を含む。タイヤは、ブラダーと呼ばれるゴムバッグの膨張によって拡張変形し、その外表面が成形面1に押し当たる。その過程で、タイヤと成形面1との間の空気は、ベントプラグ2の排気路21を通じて外部に排出される。このとき、排気孔16内の空間を吸引機により吸引し、排気性能を高めてもよい。
上述したタイヤ加硫金型は、排気孔とそれに装着されるベントプラグを上記の如く構成したこと以外は、通常のタイヤ加硫金型と同等であり、従来公知の形状や材質、機構などが何れも本発明に採用することができる。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。前述の実施形態では、トレッド型部と一対のサイド型部とを備えた金型構造であったが、本発明は、これに限定されず、例えばトレッド型部の中央部で上下に二分割された金型構造にも適用できる。また、前述の実施形態では、付勢部材がコイルバネであったが、これに代えて皿バネや板バネなどを利用しても構わない。
1 成形面
2 ベントプラグ
3 ハウジング
4 ステム
5 付勢部材
6 充填物
10 タイヤ加硫金型
15 キャビティ
16 排気孔
21 排気路
31 開口部
31a 開口部の頂面
31b 開口部の内面
41 胴部
42 頭部
42a 頭部の頂面
42b 頭部の側面
71 接着部
72 隙間部

Claims (7)

  1. キャビティにセットされたタイヤの外表面に接する成形面と、前記成形面で開口する排気孔に装着されたベントプラグとを備えるタイヤ加硫金型において、
    前記ベントプラグが、排気路を内部に有する筒状のハウジングと、前記ハウジングに挿入されたステムとを備え、
    前記ステムが、前記ハウジングの軸方向に延びる柱状の胴部と、前記胴部の先端に設けられた頭部とを有し、
    前記頭部が、前記キャビティに面する頂面と、前記ハウジングの開口部の内面に対向する側面とを有し、
    前記ハウジングの開口部の内面と前記ステムの頭部の側面との間に充填物を部分的に介在させることにより、前記開口部の頂面から前記頭部の頂面が突出した前記ステムを前記ハウジングに固定する接着部と、前記キャビティから前記排気路への通気を許容する隙間部とが設けられていることを特徴とするタイヤ加硫金型。
  2. 前記ステムの頭部が、前記キャビティに向かって拡径する円錐台状に形成され、前記ハウジングの開口部の内面が、前記キャビティに向かって拡径するテーパ面で形成されている請求項1に記載のタイヤ加硫金型。
  3. 前記隙間部の間隔が0.1〜0.3mmである請求項1又は2に記載のタイヤ加硫金型。
  4. 前記ベントプラグが、前記ステムを前記キャビティに向けて付勢する付勢部材を備える請求項1〜3いずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  5. 前記ハウジングの開口部の内面の周長に対する前記接着部の長さの割合が30〜70%である請求項1〜4いずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  6. 前記ステムの頭部の直径が3mm以下である請求項1〜5いずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載のタイヤ加硫金型のキャビティに未加硫タイヤをセットし、その未加硫タイヤに加熱加圧を施して加硫を行う工程を含むタイヤの製造方法。
JP2013148406A 2013-07-17 2013-07-17 タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法 Active JP6059103B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013148406A JP6059103B2 (ja) 2013-07-17 2013-07-17 タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法
CN201420115505.8U CN203765845U (zh) 2013-07-17 2014-03-13 轮胎硫化金属模具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013148406A JP6059103B2 (ja) 2013-07-17 2013-07-17 タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015020297A JP2015020297A (ja) 2015-02-02
JP6059103B2 true JP6059103B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=51283084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013148406A Active JP6059103B2 (ja) 2013-07-17 2013-07-17 タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6059103B2 (ja)
CN (1) CN203765845U (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6527396B2 (ja) * 2015-06-16 2019-06-05 住友ゴム工業株式会社 タイヤ成形金型用のベントプラグ、並びにそれを用いたタイヤ成形金型及びタイヤ製造方法
KR101934566B1 (ko) 2018-02-27 2019-01-11 주식회사 에스텍 타이어 가류금형용 벤트장치
JP7288386B2 (ja) * 2019-10-17 2023-06-07 Toyo Tire株式会社 タイヤ製造装置及びビードリング
JP7060030B2 (ja) * 2020-03-04 2022-04-26 横浜ゴム株式会社 タイヤ加硫用モールドの製造方法およびメンテナンス方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60112405A (ja) * 1983-11-25 1985-06-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム成形品加硫用金型
JP2003245923A (ja) * 2002-02-25 2003-09-02 Bridgestone Corp ゴム成型品加硫モールド
JP2004291615A (ja) * 2003-03-11 2004-10-21 Goda Tekkosho:Kk 金型エア抜き構造
JP2007062017A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ成形用金型、タイヤ成形用金型のベントホールに使用するプラグ、及びこのタイヤ成形用金型を用いて製造したタイヤ
JP5340109B2 (ja) * 2009-10-26 2013-11-13 東洋ゴム工業株式会社 タイヤモールド及びタイヤ製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015020297A (ja) 2015-02-02
CN203765845U (zh) 2014-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6706492B2 (ja) タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法
JP6059103B2 (ja) タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法
CN109719870B (zh) 轮胎硫化模具以及轮胎制造方法
JP6087237B2 (ja) タイヤ加硫金型の製造方法
JP2019099146A (ja) タイヤにセンサを取り付けるためのコンテナ構造、及びタイヤ一体型コンテナ構造の製造方法
US7833461B2 (en) Process for molding noise-attenuating protuberances on an internal surface of a tire
JP6088927B2 (ja) タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法
JP6088921B2 (ja) タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法
JP2007056923A (ja) 樹脂製歯車用素材の製造法および樹脂製歯車の製造法
JP2010173614A (ja) プレキュアトレッド及びそれを用いた更生タイヤ
JP6309325B2 (ja) 金型及び空気入りタイヤの製造方法
JP2015051611A (ja) タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法
JP2005028589A (ja) タイヤ成形用金型、タイヤ成形用金型のベントホールに使用するプラグ、及びこのタイヤ成形用金型を用いて製造したタイヤ
JP6087089B2 (ja) タイヤ加硫金型用ベントピース、タイヤ加硫金型及びタイヤ製造方法
JP2020066212A (ja) ベントプラグ、タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法
JP7083700B2 (ja) タイヤ加硫金型及び空気入りタイヤの製造方法
JP6629585B2 (ja) タイヤ加硫成型金型
JP2006275143A (ja) 密封装置及びシール部材の製造方法
JP2019123147A (ja) タイヤ加硫金型及びベントプラグ
JP2005161717A (ja) タイヤ成形用金型、タイヤ成形用金型のベントホールに使用するプラグ、及びこのタイヤ成形用金型を用いて製造したタイヤ
JP6397263B2 (ja) ベントピース
JP2020066180A (ja) ベントプラグ、タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法
JP6259431B2 (ja) 自転車チューブ及びその製造方法
US20200001559A1 (en) Vent sleeve for tire vulcanization mold and tire vulcanization mold
JP2011173380A (ja) 成形型及び当該成形型を用いた筒型防振装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6059103

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250