JP6259431B2 - 自転車チューブ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は自転車チューブ及びその製造方法に関するもので、具体的には自転車に装着される既存の環状チューブではない、交換修理が容易な有端チューブに関するものである。
自転車は1組2本の車輪20を備え、各車輪はホイール22とタイヤ24とを備え、各タイヤ24には地面に対して緩衝効果のあるチューブ28が内在する。チューブ28は、ゴムの材質で形成され、バルブ30から圧縮空気が注入されることで、一区間で分離されない一体のドーナツ構造に膨らむ。しかし、このようなチューブ28においては、図1に示されているように一区間から分離されることができない一体型のドーナツ構造を成しているため、ゴムの成型過程でその製造が容易ではないという欠点がある。また、一体型であるその構造的弱点により、チューブ28を自転車に装着することが容易ではない。さらに、自転車に装着されたチューブ28が破れて内部の空気が漏れる場合、自転車のホイールからチューブ28を分離して 補修する場合、ホイールを装着している自転車のフレームを一々分離してからチューブを補修しなければならないため、その作業が非常に複雑であるという欠点がある。なお、図1において、22aはハブ、22bはリム、22cはスポーク、22dは溝ラインを示す。
これを解決するため、特許文献1〜3に示すように、環状ではなく、有端の自転車チューブが提案されているが、確実に製造でき、問題なく使用できるようにした有端の自転車チューブの提供は困難であると言わざるを得なかった。
特に、本願出願人は、特許文献4に示される有端の自転車チューブの開発に着手したが、その実施に際しては、乗り心地の改善と耐久性の向上の観点から、解決すべき課題が残されていることを知見した。
具体的に説明すると、有端の自転車チューブをタイヤ内に配置してホイールに装着して走行すると、自転車チューブの端部同士に隙間が生じる場合があり、この隙間の発生によって乗り心地が低下する。特に、特許文献1のように、湾曲した端面を有する場合、その傾向が顕著に現れる。特許文献2〜4のように、自転車チューブの両端に平面的な円盤状をなす突き合わせ面を備えた場合には、走行時の隙間の発生は抑制されるが、自転車チューブの空気圧が低下すると、乗り心地が低下する。そのため、この種の自転車チューブでは高い空気圧(たとえば0.2〜0.4kgf/cm2=196.13〜392.36hPa)を保つことが望ましいが、適正な空気圧を維持して長く使用(たとえば5000km走行)すると、耐久性が低下する。特に、特許文献4の図3に記載されたように、突き合わせ面を形成するために、ゴムキャップ等の端部閉鎖部を接着する構造を採用した場合、この接着部分にエア漏れが生じるなどの問題が生じる場合がある。そこで、特許文献4の図9に示されたように、一端が開放された筒状部の他端に、突き合わせ面を構成する底部が継ぎ目なく一体成形された閉鎖チューブを用いることによって、エア漏れの発生は抑制され得る。ところが、長時間の使用によって、閉鎖チューブの底部付近から閉鎖チューブが破裂するなどの課題が生じることが、本発明者によって知見された。
アメリカ特許明細書080223497号 特開2010-100270号公報 特開昭59-206205号公報 特開2014-008960号公報
本発明は、乗り心地の改善と耐久性の向上を図ることができる有端の自転車チューブ及びその製造方法を提供することを目的とする。
前述のとおり、本発明者は、長時間の使用によって、閉鎖チューブの筒状部と底部との境における角部領域に力が集中するため、この角部領域から閉鎖チューブが破裂するおそれがあることを知見した。
これを解決する手段として、閉鎖チューブの厚みを大きくして強度を向上させることを検討した。ここで、筒状部は、本体チューブの厚みと略同じ厚みとすることが好ましいと考えられるため、底部の厚みだけを大きくすることを試みた。ところが、底部の厚みを大きくすると、底部付近からの閉鎖チューブの破裂は緩和されるものの十分な結果を得ることができないことに加えて、乗り心地が低下するという弊害が生じることが知見された。
ここで、自転車の走行状態から検討し直すと、自転車チューブが接地した状態では、接地した部分に対して、チューブの空気圧に加えて、自転車及び運転者の荷重が加わり、チューブは車輪の半径方向に変形している。この変形は、例えば1日4kmを走行するとして1年で約70〜80万回の変形と復帰とが繰り返されることになり、5000kmを走行すると約250万回の変形と復帰とが繰り返される。
チューブの筒状部分では、接地した部分が横長に変形するだけであるが、有端の自転車チューブの両端の突き合わせ箇所では、底部全体の形状が変形する。その結果、底部全体の形状変化が、チューブの耐久性と乗り心地とに大きな影響を及ぼすと考えられる。
そこで、本発明者は、底部全体を一枚の板状として全体の厚みを大きくして剛性を高めるのではなく、閉鎖チューブの筒状部と底部との境における角部領域に、環状厚肉部を形成することによって、底部の構造を、例えて言えば枠に膜を張った構造のようになすことによって、チューブの耐久性と乗り心地の改善を図ることができることを知見して、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、開口した端部を両端に備えた本体チューブと、前記本体チューブの前記端部を閉ざす端部閉鎖手段とを備え、前記端部閉鎖手段は、平面的な円盤状をなす突き合わせ面を備え、前記両端の突き合わせ面を対向させた状態でリムに装着される自転車チューブにおいて、次の手段を備えたものを提供する。即ち、前記端部閉鎖手段のうち、前記本体チューブの両端の少なくともいずれか一方の端部閉鎖手段は、閉鎖チューブによって構成される。前記閉鎖チューブは、一端が開放された筒状部と、前記筒状部の他端を閉ざす底部とを備えた有底筒状をなしている。前記筒状部の開口された一端が、前記本体チューブの前記端部に接続されており、前記底部の外側の面が、前記突き合わせ面を構成する。そして、前記閉鎖チューブの前記筒状部と前記底部との境における角部領域は環状厚肉部を備え、前記環状厚肉部は、前記筒状部の軸方向から見て環状をなし、その厚みが前記筒状部の厚み及び前記底部の厚みよりも大きいことを特徴とする。
前記筒状部は、筒本体と、前記本体チューブの前記端部に接続された接続部とを備え、前記閉鎖チューブは、前記底部と前記筒本体と前記接続部とを備えた一体成型品から構成することができる。
前記閉鎖チューブは、前記本体チューブの一方の前記端部に接着された第1閉鎖チューブと、前記本体チューブの他方の前記端部に接着された第2閉鎖チューブとを備え、前記底部は、前記第1閉鎖チューブと前記第2閉鎖チューブとのそれぞれの最先端を構成するものとすることができる。前記底部よりも先端には他の部材が存在せず、リムに装着され空気が入れられた際、前記第1閉鎖チューブ及び前記第2閉鎖チューブの前記底部の前記突き合わせ面同士が当接する。これによって、前記第1閉鎖チューブ及び前記第2閉鎖チューブの前記最先端同士が一致し、且つ、前記筒本体の内面側と外面側とには他の部材が存在しないように構成されたものとして実施することができる。
また、前記筒状部の外径は、前記本体チューブの外径と等しいか、これよりも小さなものとして実施することができる。前記環状厚肉部の内面形状は、内側に突出する凸曲面、外側に突出する凹曲面、傾斜面のいずれか一種を構成しているものとして実施することができる。
本発明は、乗り心地の改善と耐久性の向上を図ることができる有端の自転車チューブ及びその製造方法を提供することができたものである。
従来のトーナツ形自転車チューブを示した分解斜視図。 (a)は本発明の実施の形態に係る自転車チューブの側面図、(b)は同自転車チューブの本体チューブ、第1閉鎖チューブ及び第2閉鎖チューブを分割した側面図。 同自転車チューブとリムとの装着過程を示した側面面。 (a)は同自転車チューブの拡大断面図、(b)は同自転車チューブにおける閉鎖チューブの要部拡大断面図。 (a)は同自転車チューブにおける閉鎖チューブの他の実施形態を示す要部拡大断面図。(b)はさらに他の実施形態を示す要部拡大断面図。(c)はまたさらに他の実施形態を示す要部拡大断面図。 本発明の実施の形態に係る自転車チューブの第1閉鎖チューブ及び第2閉鎖チューブの製造工程を示すもので、(a)前工程の断面図、(b)後工程の断面図。
以下、添付した図面を参照しつつ本発明の望ましい実施の形態を詳しく説明する。
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を持つ。以下、特定の実施の形態を図面に例示して、詳しく説明するとする。但し、これは本発明を特定の実施形態に限定するのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、近似物から代替物を含んだものであると理解すべきである。各図面の説明に際しては、参照符号を似たような構成要素に対して使用した。
第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されるが、上記構成要素は上記用語によって限定されて理解されるべきではない。上記の用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的として使用される。例えば、本発明の権利から除外されない範囲で、第1構成要素は第2構成要素として命名されてもよし、同じく第2構成要素も第1構成要素として命名される可能性もある。
本出願で使用した用語は、特定した実施形態を説明するためにのみ使用されたのであり、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は文脈上明確に異なることを意味しない限り、複数の表現も含む。本出願で“含む”或いは“有する”等の用語は、明細書上記載された特徴、数字、工程、動作、構成要素、部分品或いはこれらを組み合わせたのが存在することを指定するのであって、一つ或いはそれ以上のほかの特徴または数字、工程、動作、構成要素、部分品或いはこれらを組み合わせた存在もしくは付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
特別の定義が無い限り、技術的或いは科学的用語を含んでここで使用される全ての用語は、本発明に属する技術分野で通常の知識を持つ者により一般的に理解される事項と同じ意味を持つものである。一般的に使用されて、辞典に定義されているのと同じ用語は、関連技術の文脈上持つ意味と一致する意味を持つことと解釈されるべきである。本出願で明確に定義しない限り、異常な或いは過度に形式的な意味として解釈されるべきではない。
(全体構造について)
本発明の実施の形態に係る自転車チューブは、長さ方向に長い形状のチューブであって、両部の末端が円形状を維持するようになされた有端のチューブであり、チューブ交換の際に、リムを分離しなくても交換が容易で、自転車リムから別の工具を使用しなくても組み立て及び解体が便利に行なうことができるものである。
この有端のチューブの使用に際しては、内部にエアを注入するため、チューブの両端側を閉鎖し密閉空間を形成する。
図2、図3及び4に示すように、本発明の実施の形態に係る有端の自転車チューブ(以下、一文字チューブ15という)は、両端が開口した本体チューブ11と、本体チューブ11の端部を閉ざす端部閉鎖手段とを備える。端部閉鎖手段は、一端が開口した有底筒状の第1閉鎖チューブ12と第2閉鎖チューブ13とから構成されている。第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13の開口端は、本体チューブ11の開口した両端のそれぞれに接続されることにより、両端が閉鎖された有端の一文字チューブ15が構成されている。
(本体チューブの概要)
本体チューブ11は、筒状の軸方向に連続したチューブを、所定の長さに切断して形成される。この本体チューブ11は、完成した一文字チューブ15の長さよりも、第1閉鎖チューブ12と第2閉鎖チューブ13の約合計長さだけ短いものである。
たとえば、第1閉鎖チューブ12と第2閉鎖チューブ13がそれぞれ約10cmであるとすると、本体チューブ11は完成した一文字チューブ15の長さより約20cm短いものとする。
この本体チューブ11は、中空の内部空間を持つ略直線状のものである。本体チューブ11は、端部を持たないドーナツ状等の環状体ではなく、両端を有するものであればよく、予め円弧状に形成されたC字状のものであってもよい。
より詳しくは、直線状又は曲線状の未加硫のチューブを、直線状の型内に入れて直線状の加硫後のチューブを得るようにしてもよく、これを従来の環状の型内に入れて有端のC字状等に形成された曲線状の加硫後のチューブを得るようにしてもよい。この本体チューブ11の加硫処理は、第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13との接続後に行ってもよく、接続前に行っておいてもよい。
(閉鎖チューブの概要)
第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13は、一端のみが開口され、所定の長さを持ち、中空部に内部空間を構成する有底筒状をなす。
第1閉鎖チューブ12は、本体チューブ11の両端のうち、何れか一方の端部に接着などによって接続される。そして、第2閉鎖チューブ13は、本体チューブ11の両端のうち、何れか他方の端部に接着などによって接続される。
この例では、上記本体チューブ11と第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13は、それぞれ直線状のものであり、本体チューブ11の両端に対して第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13を接着することによって、直線状の有端の一文字チューブ15が構成される。ただし、本体チューブ11、第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13の少なくとも1つが曲線状のものであってもよい。
このように、両端が閉鎖された一文字チューブ15は、リム22bの固定溝に沿って組み付けることによって、有端の一文字チューブ15は丸いチューブになり自転車に定着される。
(閉鎖チューブの特徴的構成)
次に、第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13の特徴的構成について詳しく説明する。なお、この実施の形態では、第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13は同一構造のものが用いられるため、以下の説明ではこれらを併せて閉鎖チューブ31と呼んで説明する。
閉鎖チューブ31は、筒状部33と、筒状部33の一端を閉ざす底部32とが継ぎ目なく一体に形成された有底筒状をなす成型品から構成されている。筒状部33は、一端側の筒本体34と、他端側の接続部35とを備え、接続部35の端部は閉じられることなく開放されている。この筒状部33の接続部35は、本体チューブ11の開放された端部内に挿入されて、接着により接続されている。
底部32の外側の面が、平面的な円盤状をなす突き合わせ面36構成しており、リム22bへの組み付け時に第1閉鎖チューブ12と第2閉鎖チューブ13とが対向した状態で、底部32の突き合わせ面36同士が合致する。
底部32と筒状部33との境における角部領域37は、環状厚肉部38を備える。従来の筒状部33は、特許文献4の図9に示されたように、均一な厚みを備え、角部領域にあっても、その厚みは底部や筒状部と同一であった。本発明にあっては、その厚みが他の部分(底部32及び筒状部33)よりも大きな環状厚肉部38を備える。本発明において、厚みとは、閉鎖チューブ31の内面の任意の点を計測点とし、この計測点からの最も近い外面までの距離(言うなれば計測点から外面までの最短距離)を言う。この環状厚肉部38は、筒状部33の軸方向から見て環状をなすように、周方向に連続して形成されている。従って、筒状部33の軸方向から見て略円形をなす底部32は、その外周が厚みの大きな環状厚肉部38によって規制されており、言わば、厚みの大きな枠の内側に厚みの小さな膜が張られた構造をなす。
その結果、リム22bへ組み付けられエアが圧入された際には、底部32は円形に膨らみ、底部32が筒状部33の軸方向の外側に太鼓腹状に張り出そうとして、対向する突き合わせ面36同士が(特にその中央部同士が)密着する。
さらに走行時にはタイヤの回転によって当該部分が接地する。すると、タイヤの軸方向に荷重をうけて、環状厚肉部38は横長の楕円形に変形するが、対向する底部32の中央部同士はさらに太鼓腹状に張り出そうとして、対向する突き合わせ面36の中央部同士が、より大きな力によって密着させられ、これによって乗り心地の良さは維持される。
そして、接地状態が解除されると元の円形に復帰する。
この変形と復帰が自転車の走行中は繰り返されることになるが、前述のように、底部32の外周が厚みの大きな環状厚肉部38によって規制されており、言わば、厚みの大きな枠の内側に厚みの小さな膜が張られた構造をなす。そのため、底部32の変形と復帰が円滑に行われると共に、圧力の集中する角部領域37が環状厚肉部38とされていることにより他の部分よりも強度が高くなっている結果、全体としての耐久性が向上する。
環状厚肉部38の具体的な形状は、図4(b)に示すように内面に張り出した凸曲面として実施することができる。また図5(a)に示すように傾斜した平面(斜面)として実施することができる。また図5(b)に示すように外面に張り出した凹曲面として実施することもできる。この3種の形態のうち、凸曲面の場合には、環状厚肉部38の厚みを大きくするのに有利である。凹曲面の場合には、環状厚肉部38の厚みを大きくするのには比較的不利であるが、圧力集中の抑制の点からは最も有利である。傾斜した平面(斜面)の場合には、上記2種の折衷となるが、端部に小さなアールを設けることで圧力集中の抑制効果を高めることもできる。
また、上記いずれの場合でも、図5(c)に代表として示すように、外側に小さなアールを形成して実施することもできる。
なお、両端部同士が一致するためには、底部32の形状は円形が最も好ましいが、平面状の底部32の大部分同士が当接するものであれば、円形に近い多数の辺を有する多角形など実質的に円形であればよい。
環状厚肉部38の肉厚は、底部32及び筒本体34の肉厚よりも0.3〜6mm程度、より好ましくは0.5〜3mm程度大きいことが望ましいが、適度な弾性変形をなすことができ適度な強度を有することを条件に適宜変更することができる。
底部32と筒本体34との肉厚は、同じであってもよく、わずかに異なるものであってもよい。但し、底部32の肉厚をあまりに大きくすると、上述の変形が困難となり素材に無理が生じるため、0.5〜4mm程度が好ましいが、ゴム素材の特性により4mmを超えるものであってもよい。
底部32と筒本体34との肉厚は、本体チューブ11の肉厚と同一であってもよいが、本体チューブ11より大きいか又は小さいものであってもよい。底部32と筒本体34との肉厚を、0.5〜4mm程度、本体チューブ11の肉厚よりも大きくすることによって、底部32と筒本体34の強度を増すことができる。なお、4mmを超えるなど極端に大きくすると、上述の変形が生じ難くなるおそれがあるが、ゴム素材の特性により4mmを超えるものであってもよい。底部32、筒本体34及び接続部35の肉厚は均一なものであってもよいが、部分的に変化させてもかまわない。
筒本体34と接続部35とは、同一の外径であってもよいが、接続部35の方をわずかに小さくする方が、本体チューブ11との接合工程を容易に行うことができ、接合部分の肉厚が極端に大きくなることを防止することができる。
(製造方法)
本発明の実施の形態に係る一文字チューブ15は、種々の方法によって製造され得るが、例えば次の各工程によって製造され得る。
(本体チューブ11の押出し工程)
この工程は、従来の環状の自転車チューブの製造と基本的に同一であり、押し出し成形された長さ方向に連続する生ゴム製のチューブの端部を順次所定の長さに切断するものである。これによって、両端が開口され、中空部の内部空間を構成した本体チューブ11が造られる。なお、この段階の本体チューブ11のゴムは未加硫の状態である。
(バルブ30の取付工程)
なお、チューブ内に空気を注入するバルブ30(図3にのみ図示)は、本体チューブ11が最も望ましいが、第1閉鎖チューブ12、第2閉鎖チューブ13に取り付けるようにしてもよい。また、その取り付け工程は、従来の環状の自転車チューブの製造と基本的に同一であり、上記の本体チューブ11の押出し工程に際して定法により行えばよい。具体的には、シート状のバルブベース(加硫品)にバルブ金具を設けたバブル部材が予め用意される。他方、未加硫の本体チューブ11に対しては小穴が形成される。小穴とバルブ金具の穴とを位置合わせして、バルブベースが本体チューブ11に接着剤によって接着される。
なお、この段階では、本体チューブ11に対して、第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13が接続されていないが、これらを接続した後にバルブを取り付けるようにしてもよい。
(閉鎖チューブ31の製造工程)
有底の筒状体として底部32と筒状部33とを一体に形成する。
具体的には、閉鎖チューブ31の断面円形の有底筒状の成型用雌型61内に、生ゴム等の成型原料60を注入し(図6(a))、円柱状の成型用雄型62を挿入して、成型原料60を雌雄の型61、62の間の空間に広げて、成型すると共に金型内で加熱し加硫して型から取り出す。これにより、断面円形の筒状部33と、その一端を閉ざす底部32とが一体に形成された加硫済みの閉鎖チューブ31が完成する。
なお、実施に際しては、成型後の閉鎖チューブ31を型内から取り出す易くするために、割型としたり、成型用雌型61に僅かなテーパを設けたりして実施することも望ましい。
(接続工程)
成型後の閉鎖チューブ31は、接続部35がバフ研磨などで粗面に加工され、接着剤が塗布されて本体チューブ11の端部内に挿入され、コロがけなどで加圧されて接着される。
(最終加硫工程)
両端に閉鎖チューブ31が接着された本体チューブ11は、環状のチューブの成形用の金型内に入れられて加熱され加硫される。なお、環状のチューブ内にはスペーサが配置される。このスペーサの両側に、閉鎖チューブ31(第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13)の底部32が配置されることによって、両底部32同士が直接接触しない状態で加熱される。この最終加硫工程で、未加硫の本体チューブ11の外周面は、金型の内周面に沿って変形して加硫が完了する。そのため、閉鎖チューブ31の外周面を金型の内周面と隙間なく当接するように加硫成型しておくことによって、本体チューブ11の外径が金型の内径よりも少し小さな場合であっても、完成した一文字チューブ15は、本体チューブ11と閉鎖チューブ31との外周面が段差なく繋がった状態に仕上がることになる。
以上、本発明を上記の実施の形態と図面に則して説明したが、本発明はこれによって制限されてはならないし、本発明に属する技術分野では通常の知識を持つ者によって、本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等の範囲内で、多様な修正及び変更が可能なのは言うまでもない。
また、本発明では、本体チューブ11、第1閉鎖チューブ12、第2閉鎖チューブ13の3本から1本の自転車チューブを製造するものであるため、その材料取りを工夫することによって、複数の全長を有する自転車チューブを製造する際、用意すべき各チューブ11、12、13の長さを少なくすることができる。例えば、第1閉鎖チューブ12と第2閉鎖チューブ13との長さは一定にしておき、本体チューブ11の長さを変更するようにしてもよい。反対に、本体チューブ11の長さを一定にして、第1閉鎖チューブ12と第2閉鎖チューブ13とについて長さが異なるものを複数種類用意してもよい。また、第1閉鎖チューブ12と第2閉鎖チューブ13とは、長さが同じものであってもよく、長さの異なるものであってもよい。なお、第1閉鎖チューブ12と第2閉鎖チューブ13との一方は上述の構造を備えたものとし、他方には先行技術文献に示されるなどした他の構造の端部閉鎖手段を採るものであっても実施することは不可能ではなく、その場合、少なくとも一方の端部の耐久性や乗り心地は改善することができる。
最後に、本発明の理解を高めるために、実施例と比較例とを示すが、本発明はこの実施例に限定して理解されるべきではない。
実施例
表1に示す実施例1と2の自転車チューブを作成し、ドラムテストにて走行耐久試験を行った。実施例1と2とは実質的に同一であり、以下の説明では、実施例1と2とを区別する必要のある場合を除き、両者を実施例と言う。
実施例は、全長約197cmの自転車チューブで、本体チューブ11の両端に、第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13が接続されたものである。第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13は同一の形状をなす閉鎖チューブ31であり、底部32及び筒本体34の厚みが2mm、接続部35の厚みが1mmの有底筒状の一体成型品である。底部32は直径25mmの正面視円形をなし、筒本体34の軸方向長さは30mm、接続部35の軸方向長さは17mmである。角部領域37は、外側にはアールが形成されておらず、内側には凹曲面のアールが形成されたもので、環状厚肉部38の厚みは2.67mmである。本体チューブ11の厚みは1mmである。実施例は、前述の製造方法に従い製造されたもので、完成後、自転車のリム及びタイヤに装着し、実施例1では空気圧3.5kg/cm2のエアを注入し、実施例2では空気圧1.5kg/cm2のエアを注入し、自転車の車輪とした。
比較例
表1に示す比較例1と2の自転車チューブを作成し、ドラムテストにて走行耐久試験を行った。比較例1と2とは実質的に同一であり、以下の説明では、比較例1と2とを区別する必要のある場合を除き、両者を比較例と言う。
比較例は、全長約197cmの自転車チューブで、本体チューブ11の両端に、第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13が接続されたものである。第1閉鎖チューブ12及び第2閉鎖チューブ13は同一の形状をなす閉鎖チューブ31であり、角部領域37は、外側及び内側にはアールが形成されておらず、環状厚肉部38の厚みが2mmである点を除いて実施例と同一であり、比較例1と2では共に空気圧3.5kg/cm2のエアを注入し、自転車の車輪とした。
走行耐久試験は、回転ドラムに対して、自由回転状態の実施例及び比較例の車輪を60kgの荷重で圧接させて行い、時速40kmの条件下で、5000km以上の走行距離を目標に試験を行った。その結果を表1に示す。
実施例1では5568km、実施例2では5744kmで試験を中止し、チューブの状態を確認したが、いずれもチューブには異常が発見されなかった。
比較例1では2832km、比較例2では2920kmでエア漏れが生じ、その時点で試験を中止した。
以上、本発明の実施例は、比較例に比して少なくとも2倍に近い耐久性を示すことが確認され、その実用性の高さが実証された。
Figure 0006259431
11 本体チューブ
12 第1閉鎖チューブ
13 第2閉鎖チューブ
15 文字チューブ
22b リム
24 タイヤ
30 バルブ
31 閉鎖チューブ
32 底部
33 筒状部
34 筒本体
35 接続部
36 突き合わせ面
37 角部領域
38 環状厚肉部
60 成型原料
61 成型用雌型
62 成型用雄型

Claims (4)

  1. 開口した端部を両端に備えた本体チューブと、前記本体チューブの前記端部を閉ざす端部閉鎖手段とを備え、
    前記端部閉鎖手段は、少なくとも外側が平面状の突き合わせ面を備え、
    前記両端の突き合わせ面を対向させた状態でリムに装着される自転車チューブにおいて、
    前記端部閉鎖手段のうち、前記本体チューブの両端の少なくともいずれか一方の端部閉鎖手段は、閉鎖チューブによって構成され、
    前記閉鎖チューブは、一端が開放された筒状部と、前記筒状部の他端を閉ざす底部とを備えた有底筒状をなし、
    前記筒状部の開口された一端が、前記本体チューブの前記端部に接続されており、
    前記底部の外側の面が、前記突き合わせ面を構成しており、
    前記閉鎖チューブの前記筒状部と前記底部との境における角部領域は、環状厚肉部を備え、
    前記環状厚肉部は、前記筒状部の軸方向から見て環状をなし、その厚みが前記筒状部の厚み及び前記底部の厚みよりも大きいことを特徴とする自転車チューブ。
  2. 前記筒状部は、筒本体と、前記本体チューブの前記端部に接続された接続部とを備え、
    前記閉鎖チューブは、前記底部と前記筒本体と前記接続部とを備えた一体成型品であり、
    前記閉鎖チューブは、前記本体チューブの一方の前記端部に接着された第1閉鎖チューブと、前記本体チューブの他方の前記端部に接着された第2閉鎖チューブとを備え、
    前記底部は、前記第1閉鎖チューブと前記第2閉鎖チューブとのそれぞれの最先端を構成し、前記底部よりも先端には他の部材が存在せず、
    リムに装着され空気が入れられた際、前記第1閉鎖チューブ及び前記第2閉鎖チューブの前記底部の前記突き合わせ面同士が当接することによって、前記第1閉鎖チューブ及び前記第2閉鎖チューブの前記最先端同士が一致し、且つ、前記筒本体の内面側と外面側とには他の部材が存在しないように構成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車チューブ。
  3. 前記底部の前記突き合わせ面は円盤状をなすことを特徴とする請求項1記載の自転車チューブ。
  4. 前記環状厚肉部の内面形状は、内側に突出する凸曲面、外側に突出する凹曲面、傾斜面のいずれか一種を構成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自転車チューブ。
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