JP6087765B2 - 基板処理装置、洗浄用治具、洗浄用治具セット、および洗浄方法 - Google Patents
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Description
本発明は、基板処理装置、洗浄用治具、洗浄用治具セット、および洗浄方法に関するものである。
従来より、基板の製造工程において、薬液を用いた薬液処理および純水を用いたリンス処理などの基板の表面処理を行ってから乾燥処理を行う基板処理装置が使用されている。このような基板処理装置としては、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の装置と、複数枚の基板を一括して処理するバッチ式の装置とが用いられている。
枚葉式の基板処理装置は、通常、回転する基板の表面に薬液を供給しての薬液処理、純水を供給してのリンス処理を行った後、基板を高速回転させて振り切り乾燥を行う。このとき、飛散した処理液の大半はスピンチャックを取り囲むカップの内壁に着液して流下し排液されるが、処理液の一部は、カップ外に飛散して付着、或いはカップの内壁に飛散したものの流下せずそのまま付着する場合がある。
カップ内外に付着した処理液は、乾燥するとパーティクルとなり、基板を汚染する原因となる。このため、通常、所定枚数(典型的には、所定ロット)の基板を処理する毎に、カップ内外を洗浄する洗浄処理が行われる。このような枚葉式の基板処理装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示される基板処理装置は、基板を略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持された基板の上面に処理液を供給するノズルと、スピンチャックの周囲を取り囲んで基板から飛散した処理液を受け止めるカップと、を備えている。
特許文献1に開示される基板処理装置では、基板を保持していない状態で回転するスピンチャックのうちスピンベース部分(円形の板状部分)に洗浄液を供給して、回転の遠心力によってスピンベースから洗浄液が飛散する。洗浄液はカップおよびその周囲に飛散し、これらの飛散箇所を洗浄する。
しかしながら、特許文献1の態様では、スピンベース上に供給された洗浄液が回転の遠心力によってスピンベースの端縁より測方に飛散するため、洗浄液を一時的に貯留した後に一気に飛散させるなど洗浄液の飛散勢いを制御することは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、洗浄液の飛散勢いを調節可能な、基板処理装置、洗浄用治具、洗浄用治具セット、および洗浄方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、(a)基板を水平姿勢で保持する基板保持手段と、前記基板保持手段を回転する回転手段と、前記基板保持手段の上方から洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記基板保持手段の周囲を取り囲むカップと、を有する処理ユニットと、(b)平面視で前記基板に対応した外形サイズを有し、前記基板保持手段によって着脱自在に保持可能な洗浄用治具であって、液受け部と、前記洗浄液供給手段から供給される前記洗浄液を受け入れて前記液受け部に供給する供給口と、当該洗浄用治具の外周側に沿って設けられ、前記液受け部に受けた前記洗浄液を吐出する複数の吐出口と、を有する洗浄用治具と、を備え、前記複数の吐出口のそれぞれの吐出軸は、前記回転手段による回転の遠心方向から傾いて各吐出口の回転接線の前方側に指向していることを特徴とする基板処理装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記洗浄用治具は、前記液受け部の底面において、中心側から外周側に向けて上方に傾斜する傾斜面を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、前記基板保持手段は、基板の外周端を把持する複数のチャック部材を備え、前記洗浄用治具の外周端が前記複数のチャック部材によって把持されたとき、前記洗浄用治具の前記複数の吐出口が、前記複数のチャック部材とは異なる高さ位置に配されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、処理ユニットの基板保持手段に着脱自在に装着され回転された状態で、洗浄液を供給されることによって、前記処理ユニットの内部を洗浄する洗浄用治具であって、前記洗浄液を供給される供給口と、前記供給口から供給される前記洗浄液を受ける液受け部と、当該洗浄用治具の外周側に沿って設けられ、前記液受け部に受けた前記洗浄液を吐出する複数の吐出口と、を有し、前記複数の吐出口のそれぞれの吐出軸は、前記回転の遠心方向から傾いて各吐出口の回転接線の前方側に指向していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の洗浄用治具であって、前記液受け部の底面において、中心側から外周側に向けて上方に傾斜する傾斜面を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、それぞれが請求項5に記載の洗浄用治具に該当する複数の洗浄用治具のセットであって、前記複数の洗浄用治具におけるそれぞれの前記傾斜面の傾斜角度が互いに異なることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の処理ユニットと、請求項6に記載の洗浄用治具セットと、を備え、前記洗浄液供給手段は、前記複数の洗浄用治具から選択されて前記基板保持手段に着脱自在に保持された1の洗浄用治具に洗浄液を供給し、前記回転手段による回転によって前記1の洗浄用治具から前記洗浄液が吐出されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、所定の基板保持手段によって基板を水平姿勢で保持して回転させつつ前記基板に所定の処理を行う処理ユニットについて、前記処理ユニットのうち前記基板保持手段の周囲に存在する所定部位を洗浄する方法であって、(A)前記所定の処理が行われていない期間に、前記基板に代えて、液受け部を有する所定の洗浄用治具を前記基板保持手段に装着して保持させる装着工程と、(B)前記洗浄用治具の所定の供給口を介して前記液受け部に洗浄液を供給する供給工程と、(C)前記基板保持手段とともに前記洗浄用治具を回転させる回転工程と、(D)前記回転を減速させる減速工程と、を備え、前記洗浄用治具は、前記液受け部に連通して、前記洗浄用治具の外周側に沿って形成された複数の吐出口を有しているとともに、前記複数の吐出口のそれぞれの吐出軸は、前記回転工程における回転の遠心方向から傾いて各吐出口の回転接線の前方側に指向しており、前記液受け部内における前記洗浄液自身の回転慣性によって、前記減速工程において、前記洗浄液が前記複数の吐出口から前記所定部位側に向けて噴出することを特徴とする洗浄方法である。
請求項1〜請求項3および請求項7に記載の基板処理装置は、基板を水平姿勢で保持する基板保持手段と、前記基板保持手段を回転する回転手段と、前記基板保持手段の上方から洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記基板保持手段の周囲を取り囲むカップと、を有する処理ユニットと、平面視で前記基板に対応した外形サイズを有し基板保持手段によって着脱自在に保持可能な洗浄用治具とを備える。
請求項1〜請求項8に記載の洗浄用治具は、液受け部と、洗浄液供給手段から供給される洗浄液を受け入れて液受け部に供給する供給口と、洗浄用治具の外周側に沿って設けられ、液受け部に受けた洗浄液を吐出する複数の吐出口と、を有する。また、複数の吐出口のそれぞれの吐出軸は、回転手段による回転の遠心方向から傾いて各吐出口の回転接線の前方側に指向している。
回転する洗浄用治具の供給口に純水を供給すると、その純水は洗浄用治具の底面に着液した後、遠心力によって中心から外周へと向けて流れる。このとき、洗浄用治具の底面に着液した直後の純水は回転する方向の速度成分を有していない。その一方、中心近傍に供給されて外周へと向けて流れる純水は、回転する洗浄用治具の底面との摩擦によって徐々に洗浄用治具の回転方向の速度成分をも有するようになる。このため、洗浄用治具の中心から外周へと向けて流れる純水は、通常、洗浄用治具の遠心方向に沿って直線的には流れず、洗浄用治具の底面にて遠心方向から湾曲するような軌跡を描きつつ流れる。特に、洗浄用治具の回転速度を減速する場合には、純水自身の回転慣性によって生じる回転の速度が洗浄用治具の回転速度に比べ大きくなり、液受け部の内部を流動する純水が回転接線の前方へ指向する。
このように、洗浄用治具の複数の吐出口が有する指向性と、洗浄用治具の回転を減速した場合に液受け部の内部を流動する純水の指向性とが対応する。このため、回転開始から当該回転の減速開始までの一定期間に洗浄用治具の液受け部に供給された純水は、その一部が複数の吐出口から吐出されつつも、残りは液受け部の外周側に貯留される。他方、回転速度を減速する期間では、液受け部内の純水の指向性と洗浄用治具に設けられた吐出口の指向性とが対応していることに起因して、上記貯留された純水が複数の吐出口から勢いよく噴出する。この結果、減速工程において、特に強力に各部(洗浄用治具の周囲)を洗浄することができる。
特に、請求項6および請求項7に記載の発明では、それぞれの傾斜面の傾斜角度が互いに異なる複数の洗浄用治具によって洗浄用治具セットが構成される。また、請求項7では、複数の洗浄用治具から選択されて基板保持手段に着脱自在に保持された1の洗浄用治具に洗浄液供給手段が洗浄液を供給し、回転手段による回転によって上記1の洗浄用治具から洗浄液が吐出される。このため、選択する洗浄用治具の傾斜面(水平面からの傾斜)に応じた傾斜角度で純水を吐出することが可能となり、より高精度な洗浄を実現できる。
以下、各実施形態について詳述する。
<1 実施形態>
<1.1 基板処理装置1の構成>
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳細に説明する。
<1.1 基板処理装置1の構成>
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、基板を順次に処理可能な枚葉の処理ユニットUTの上面図である。また、図2は、処理ユニットUTの縦断面図である。この処理ユニットUTは、半導体の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理ユニットであり、円形のシリコンの基板Wに薬液処理および純水等を用いたリンス処理を行ってから乾燥処理を行う。より具体的には、基板Wに、SC1液、DHF液、SC2液等の薬液を供給して基板Wの表面を洗浄する薬液処理をした後、純水WT、アルコール等のリンス液を基板Wの表面に供給して基板Wの表面に残存する薬液を除去するリンス処理を行い、最後に基板Wの乾燥処理を行う。なお、図1はスピンチャック20に基板Wが保持されていない状態を示し、図2はスピンチャック20に基板Wが保持されている状態を示している。
基板処理装置1は、少なくとも1つの処理ユニットと搬送ロボット(図示せず)とを有する装置であり、搬送ロボットによって未処理の基板Wを処理ユニットに搬送し、該処理ユニットにて基板処理を行った後、処理後の基板Wを次処理の処理部へと搬送する。基板処理装置1の有する処理ユニットはいくつであっても構わないが、以下では、その1の処理ユニットUTについて詳述する。
処理ユニットUTは、チャンバー10内に、主たる要素として基板Wを水平姿勢(法線が鉛直方向に沿う姿勢)に保持するスピンチャック20と、スピンチャック20に保持された基板Wの上面に処理液を供給するための上面処理液ノズル30と、スピンチャック20の周囲を取り囲む処理カップ40と、を備える。また、チャンバー10内における処理カップ40の周囲には、チャンバー10の内側空間を上下に仕切る仕切板15が設けられている。なお、本明細書において、処理液は、薬液、リンス液、および洗浄液(後述する洗浄モードMD2において利用する液体)を含む総称である。
チャンバー10は、鉛直方向に沿う側壁11、側壁11によって囲まれた空間の上側を閉塞する天井壁12および下側を閉塞する床壁13を備える。側壁11、天井壁12および床壁13によって囲まれた空間が基板Wの処理空間となる。また、チャンバー10の側壁11の一部には、チャンバー10に対して基板Wを搬出入するための搬出入口およびその搬出入口を開閉するシャッターが設けられている(いずれも図示省略)。
チャンバー10の天井壁12には、処理ユニットUTが設置されているクリーンルーム内の空気をさらに清浄化してチャンバー10内の処理空間に供給するためのファンフィルタユニット(FFU)14が取り付けられている。ファンフィルタユニット14は、クリーンルーム内の空気を取り込んでチャンバー10内に送り出すためのファンおよびフィルタ(例えばHEPAフィルタ)を備えており、チャンバー10内の処理空間に清浄空気のダウンフローを形成する。ファンフィルタユニット14から供給された清浄空気を均一に分散するために、多数の吹出し孔を穿設したパンチングプレートを天井壁12の直下に設けるようにしても良い。
スピンチャック20(基板保持手段)は、鉛直方向に沿って延びる回転軸24の上端に水平姿勢で固定された円板形状のスピンベース21と、スピンベース21の下方に配置されて回転軸24を回転させるスピンモータ22と、スピンモータ22の周囲を取り囲む筒状のカバー部材23と、を備える。円板形状のスピンベース21の外径は、スピンチャック20に保持される円形の基板Wの径よりも若干大きい。よって、スピンベース21は、保持すべき基板Wの下面の全面と対向する保持面21aを有している。
スピンベース21の保持面21aの周縁部には複数(本実施形態では4個)のチャック部材26が立設されている。複数のチャック部材26は、円形の基板Wの外周円に対応する円周上に沿って均等な間隔をあけて(本実施形態のように4個のチャック部材26であれば90°間隔にて)配置されている。複数のチャック部材26は、スピンベース21内に収容された図示省略のリンク機構によって、スピンベース21の軸心CXを中心に基板Wの半径方向に連動して移動することが可能である。リンク機構が各チャック部材26を軸心CXに近づく方向に移動させると、複数のチャック部材26のそれぞれを基板Wの端縁に当接させて基板Wを把持することにより、当該基板Wをスピンベース21の上方で保持面21aに近接しつつも保持面21aから所定の間隔空間を開けた水平姿勢にて保持することができる(図2参照)。また、リンク機構が各チャック部材26を軸心CXから遠ざかる方向に移動させると、複数のチャック部材26のそれぞれを基板Wの端縁から離間させて把持を解除することができる。
スピンモータ22を覆うカバー部材23は、その下端がチャンバー10の床壁13に固定され、上端がスピンベース21の直下にまで到達している。カバー部材23の上端部には、カバー部材23から外方へほぼ水平に張り出し、さらに下方に屈曲して延びる鍔状部材25が設けられている。複数のチャック部材26による把持によってスピンチャック20が基板Wを保持した状態にて、スピンモータ22(回転手段)が回転軸24を回転させることにより、基板Wの中心を通る鉛直方向に沿った軸心CXまわりに基板Wを回転させることができる。なお、スピンモータ22の駆動は制御部9によって制御される。
上面処理液ノズル30は、ノズルアーム32の先端に吐出ヘッド31を取り付けて構成されている。ノズルアーム32の基端側はノズル基台33に固定して連結されている。ノズル基台33は図示を省略するモータによって鉛直方向に沿った軸のまわりで回動可能とされている。ノズル基台33が回動することにより、上面処理液ノズル30の吐出ヘッド31はスピンチャック20の上方の処理位置と処理カップ40よりも外側の待機位置との間で水平面内の円弧状の軌跡に沿って移動する。上面処理液ノズル30には、複数種の処理液(少なくとも純水を含む)が供給されるように構成されている。処理位置にて上面処理液ノズル30の吐出ヘッド31から吐出された処理液はスピンチャック20に保持された基板Wの上面に着液する。また、ノズル基台33の回動によって、上面処理液ノズル30はスピンベース21の保持面21aの上方にて揺動可能とされている。上面処理液ノズル30は、後述する洗浄モードMD2において洗浄液を供給する洗浄液供給手段としても機能する。
一方、回転軸24の内側を挿通するようにして鉛直方向に沿って下面処理液ノズル28が設けられている。下面処理液ノズル28の上端開口は、スピンチャック20に保持された基板Wの下面中央に対向する位置に形成されている。下面処理液ノズル28にも複数種の処理液が供給されるように構成されている。下面処理液ノズル28から吐出された処理液はスピンチャック20に保持された基板Wの下面に着液する。
また、チャンバー10には、上面処理液ノズル30とは別に二流体ノズル60が設けられている。二流体ノズル60は、純水などの処理液と加圧した気体とを混合して液滴を生成し、その液滴と気体との混合流体を基板Wに噴射する処理ノズルである。二流体ノズル60は、ノズルアーム62の先端に図示省略の液体ヘッドを取り付けるとともに、ノズルアーム62から分岐するように設けられた支持部材に気体ヘッド64を取り付けて構成されている。ノズルアーム62の基端側はノズル基台63に固定して連結されている。ノズル基台63は図示を省略するモータによって鉛直方向に沿った軸のまわりで回動可能とされている。ノズル基台63が回動することにより、二流体ノズル60はスピンチャック20の上方の処理位置と処理カップ40よりも外側の待機位置との間で水平方向に沿って円弧状に移動する。液体ヘッドには純水などの処理液が供給され、気体ヘッド64には加圧された不活性ガス(本実施形態では窒素ガス(N2))が供給される。処理位置にて二流体ノズル60から噴出された処理液の混合流体はスピンチャック20に保持された基板Wの上面に吹き付けられる。
スピンチャック20を取り囲む処理カップ40は、互いに独立して昇降可能な複数のカップ、すなわち内カップ41、中カップ42および外カップ43を備えている。内カップ41は、スピンチャック20の周囲を取り囲み、スピンチャック20に保持された基板Wの中心を通る軸心CXに対してほぼ回転対称となる形状を有している。この内カップ41は、平面視円環状の底部44と、底部44の内周縁から上方に立ち上がる円筒状の内壁部45と、底部44の外周縁から上方に立ち上がる円筒状の外壁部46と、内壁部45と外壁部46との間から立ち上がり、上端部が滑らかな円弧を描きつつ中心側(スピンチャック20に保持される基板Wの軸心CXに近づく方向)斜め上方に延びる第1案内部47と、第1案内部47と外壁部46との間から上方に立ち上がる円筒状の中壁部48とを一体的に備えている。
内壁部45は、内カップ41が最も上昇された状態で、カバー部材23と鍔状部材25との間に適当な隙間を保って収容されるような長さに形成されている(図8)。中壁部48は、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、中カップ42の後述する第2案内部52と処理液分離壁53との間に適当な隙間を保って収容されるような長さに形成されている。
第1案内部47は、滑らかな円弧を描きつつ中心側(基板Wの軸心CXに近づく方向)斜め上方に延びる上端部47bを有している。また、内壁部45と第1案内部47との間は、使用済みの処理液を集めて廃棄するための廃棄溝49とされている。第1案内部47と中壁部48との間は、使用済みの処理液を集めて回収するための円環状の内側回収溝50とされている。さらに、中壁部48と外壁部46との間は、内側回収溝50とは種類の異なる処理液を集めて回収するための円環状の外側回収溝51とされている。
廃棄溝49には、この廃棄溝49に集められた処理液を排出するとともに、廃棄溝49内を強制的に排気するための図示省略の排気液機構が接続されている。排気液機構は、例えば、廃棄溝49の周方向に沿って等間隔で4つ設けられている。また、内側回収溝50および外側回収溝51には、内側回収溝50および外側回収溝51にそれぞれ集められた処理液を処理ユニットUTの外部に設けられた回収タンクに回収するための回収機構(いずれも図示省略)が接続されている。なお、内側回収溝50および外側回収溝51の底部は、水平方向に対して微少角度だけ傾斜しており、その最も低くなる位置に回収機構が接続されている。これにより、内側回収溝50および外側回収溝51に流れ込んだ処理液が円滑に回収される。
中カップ42は、スピンチャック20の周囲を取り囲み、スピンチャック20に保持された基板Wの中心を通る軸心CXに対してほぼ回転対称となる形状を有している。この中カップ42は、第2案内部52と、この第2案内部52に連結された円筒状の処理液分離壁53とを一体的に備えている。
第2案内部52は、内カップ41の第1案内部47の外側において、第1案内部47の下端部と同軸円筒状をなす下端部52aと、下端部52aの上端から滑らかな円弧を描きつつ中心側(基板Wの軸心CXに近づく方向)斜め上方に延びる上端部52bと、上端部52bの先端部を下方に折り返して形成される折返し部52cとを有している。下端部52aは、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、第1案内部47と中壁部48との間に適当な隙間を保って内側回収溝50内に収容される。また、上端部52bは、内カップ41の第1案内部47の上端部47bと上下方向に重なるように設けられ、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、第1案内部47の上端部47bに対してごく微小な間隔を保って近接する。さらに、上端部52bの先端を下方に折り返して形成される折返し部52cは、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、折返し部52cが第1案内部47の上端部47bの先端と水平方向に重なるような長さとされている。
また、第2案内部52の上端部52bは、下方ほど肉厚が厚くなるように形成されており、処理液分離壁53は上端部52bの下端外周縁部から下方に延びるように設けられた円筒形状を有している。処理液分離壁53は、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、中壁部48と外カップ43との間に適当な隙間を保って外側回収溝51内に収容される。
外カップ43は、中カップ42の第2案内部52の外側において、スピンチャック20の周囲を取り囲み、スピンチャック20に保持された基板Wの中心を通る軸心CXに対してほぼ回転対称となる形状を有している。この外カップ43は、第3案内部としての機能を有する。外カップ43は、第2案内部52の下端部52aと同軸円筒状をなす下端部43aと、下端部43aの上端から滑らかな円弧を描きつつ中心側(基板Wの軸心CXに近づく方向)斜め上方に延びる上端部43bと、上端部43bの先端部を下方に折り返して形成される折返し部43cとを有している。
下端部43aは、内カップ41と外カップ43とが最も近接した状態で、中カップ42の処理液分離壁53と内カップ41の外壁部46との間に適当な隙間を保って外側回収溝51内に収容される。また、上端部43bは、中カップ42の第2案内部52と上下方向に重なるように設けられ、中カップ42と外カップ43とが最も近接した状態で、第2案内部52の上端部52bに対してごく微小な間隔を保って近接する。さらに、上端部43bの先端部を下方に折り返して形成される折返し部43cは、中カップ42と外カップ43とが最も近接した状態で、折返し部43cが第2案内部52の折返し部52cと水平方向に重なるように形成されている。
また、内カップ41、中カップ42および外カップ43は互いに独立して昇降可能とされている。すなわち、内カップ41、中カップ42および外カップ43のそれぞれには個別に昇降機構(図示省略)が設けられており、それによって別個独立して昇降される。このような昇降機構としては、例えばボールネジ機構やエアシリンダなどの種々の機構を採用することができる。
仕切板15は、処理カップ40の周囲においてチャンバー10の内側空間を上下に仕切るように設けられている。仕切板15は、処理カップ40を取り囲む1枚の板状部材であっても良いし、複数の板状部材をつなぎ合わせたものであっても良い。また、仕切板15には、厚さ方向に貫通する貫通孔や切り欠きが形成されていても良く、本実施形態では上面処理液ノズル30および二流体ノズル60のノズル基台33,63を支持するための支持軸を通すための貫通穴が形成されている。
仕切板15の外周端はチャンバー10の側壁11に連結されている。また、仕切板15の処理カップ40を取り囲む端縁部は外カップ43の外径よりも大きな径の円形形状となるように形成されている。よって、仕切板15が外カップ43の昇降の障害となることはない。
また、チャンバー10の側壁11の一部であって、床壁13の近傍には排気ダクト18が設けられている。排気ダクト18は図示省略の排気機構に連通接続されている。ファンフィルタユニット14から供給されてチャンバー10内を流下した清浄空気のうち、処理カップ40と仕切板15との間を通過した空気は排気ダクト18から装置外に排出される。
また、基板処理装置1は、後述する洗浄モードMD2(図9)の際に利用される洗浄用治具80を備える。図3は洗浄用治具80の模式図であり、図4(a)は洗浄用治具80の縦断面図であり、図4(b)は洗浄用治具80の横断面図である。
洗浄用治具80は、基板処理装置1内の図示しない搬送ロボットにより搬送される治具であり、後述する基板処理モードMD1(図5)のときには基板処理装置1のうち処理を実行するチャンバー10の外部(例えば、基板処理装置1が有する複数のチャンバー10のうちそのタイミングで基板処理に使用されていない空きチャンバー10や、洗浄用治具80を配置するための棚部など)に配され、後述する洗浄モードMD2(図9)のときには処理を実行するチャンバー10内のスピンチャック20にて保持回転される(図10〜図13)。また、本実施形態では1つの洗浄用治具80を備える基板処理装置1について説明し、複数の洗浄用治具からなる洗浄用治具セットを備える基板処理装置については後述する<2 変形例>にて詳細に説明する。
洗浄用治具80は、平面視で基板Wに対応した外形サイズ(本実施形態では、上面視で基板Wと略同一の円形)を有する底板84と、底板84の上面を覆うようにドーム状に配設された中空のカバー部85とを有し、スピンチャック20によって着脱自在に保持可能な治具である。底板84の上面とカバー部85の内壁とによって囲まれた中空部が液受け部81として機能する。カバー部85の頂部には液受け部81に連通する供給口82が形成され、上面処理液ノズル30から該供給口82に供給された洗浄液は液受け部81に液受けされる。また、洗浄用治具80の外周側(カバー部85の側面)には液受け部81に液受けされた洗浄液を外部に吐出する複数の吐出口83が設けられる。
円板形状の底板84の外周端は鍔部84aを構成する。鍔部84aは、底板84のうち上記カバー部85によって覆われない外周部分であり、基板処理装置1の処理対象基板Wと略同一の厚みを有している。このため、基板Wと同様に、複数のチャック部材26のそれぞれを洗浄用治具80の鍔部84aに当接させて洗浄用治具80を把持することが可能である。また、複数のチャック部材26の各々を洗浄用治具80の鍔部84aから離間させて把持を解除することもできる。
なお、チャック部材26による洗浄用治具80の保持方法は上記に限定されるものではない。洗浄用治具80が鍔部84aを備えない構成であっても、複数のチャック部材26のそれぞれを洗浄用治具80の側面に当接させて洗浄用治具80を把持する方法など、種々の方法を採用できる。
後述する洗浄モードMD2では、スピンチャック20によって洗浄用治具80を水平姿勢に保持し軸心CX周りに回転した状態で、洗浄用治具80の上方開口である供給口82より洗浄液を供給することで、洗浄用治具80の外周側に沿って設けられ液受け部81に連通した複数の吐出口83より洗浄液を吐出することができる(図16)。この結果、スピンチャック20の周囲に存在する所定部位(例えば、側壁11、仕切板15、処理カップ40など)は、洗浄用治具80より飛散された洗浄液によって洗浄される。
洗浄用治具80は、液受け部81の底面において、中心側から外周側に向けて上方に傾斜する傾斜面81aを有する。このため、回転される洗浄用治具80に供給された洗浄液は、回転の遠心力によって内側から外側に流動し(傾斜面81aに沿って流動し)、吐出口83より斜め上方に吐出される。これにより、処理カップ40の内壁面を有効に洗浄することができる。
洗浄用治具80の複数の吐出口83は、該治具がスピンチャック20に保持された状態で、複数のチャック部材26より高い位置に配される(図10〜図13)。このように複数の吐出口83がチャック部材26とは異なる高さ位置に配されるため、洗浄用治具80に供給され複数の吐出口83より吐出される純水はチャック部材26に衝突することなく周囲に飛散される。したがって、洗浄対象箇所に精度よく純水を飛散させることができる。
複数の吐出口83のそれぞれの吐出軸83a(略円柱形状たる吐出口83の中心軸)は、スピンモータ22による回転の遠心方向から傾いて各吐出口の回転接線の前方側に指向している(図4(b))。このような構成となっている理由については後述する。なお、図4(b)では、図が煩雑になるのを防ぐ目的で、1つの吐出口83についてのみ吐出軸83aを表現している。
また、基板処理装置1は、上記の各構成要素で構成された処理ユニットUTおよび搬送ロボットを制御する制御部9を有している。制御部9のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部9は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクなどを備えて構成される。
制御部9の記憶部(磁気ディスクなど)には、処理ユニットUTにおける複数の基板処理モードが予め設定されており、制御部9のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって上記複数のモードのうちの1つを選択して実行させることで、基板処理装置1の各動作機構が制御される。
<1.2 基板処理装置1の動作>
次に、処理ユニットUTの各動作態様(各モード)について説明する。
次に、処理ユニットUTの各動作態様(各モード)について説明する。
本実施形態の基板処理装置1は、処理ユニットUTのモードとして、複数のモードのうちのデフォルトモードとして設定される基板処理モードMD1(図5)と、所定の条件が満足されたときに例外的ないしは臨時的に選択される洗浄モードMD2(図9)とを有する。基板処理装置1の制御部9には上記2つのモードとは異なるモードがさらに追加設定されていて、当該追加モードも選択可能とされていても構わないが、本実施形態では、特に上記2つのモードのみを設定している場合について説明する。
<1.2.1 基板処理モードMD1>
図5は、処理ユニットUTにおける基板処理モードMD1の手順を示すフローチャートである。以下、図5を参照しつつ基板処理モードMD1について説明する。
図5は、処理ユニットUTにおける基板処理モードMD1の手順を示すフローチャートである。以下、図5を参照しつつ基板処理モードMD1について説明する。
まず、処理対象となる基板Wが図示しない搬送ロボットによってチャンバー10内に搬入される(ステップST1)。4つのチャック部材26が駆動され、基板Wがスピンチャック20に把持される(ステップST2)。スピンモータ22が回転軸24を回転させることにより、基板Wの中心を通り鉛直方向に沿った軸心CXまわりに基板Wが回転される(ステップST3)。
次に、上面処理液ノズル30のノズルアーム32を回動させて吐出ヘッド31をスピンベース21の上方(例えば、軸心CXの上方)に移動させ、スピンチャック20にて回転される基板Wの上面に薬液を供給する。基板Wの上面に供給された薬液は、遠心力によって、回転する基板Wの上面全体に拡がる。これにより、基板Wの薬液処理が進行する(ステップST4)。そして、薬液は、回転する基板Wの端部より周囲に飛散する。
この飛散する薬液を回収する目的で、ステップST4では、例えば外カップ43のみが上昇し、外カップ43の上端部43bと中カップ42の第2案内部52の上端部52bとの間に、スピンチャック20に保持された基板Wの周囲を取り囲む開口OPaが形成される(図6)。その結果、回転する基板Wの端縁部から飛散した薬液(図6に点線矢印で示す)は外カップ43の上端部43bによって受け止められ、外カップ43の内面を伝って流下し、外側回収溝51に回収される。所定時間経過後(或いは、所定量の薬液供給後)、薬液の供給は停止される。
次に、スピンチャック20にて回転される基板Wの上面に上面処理液ノズル30より純水(リンス液)を供給する。基板Wの上面に供給された純水は、遠心力によって、回転する基板Wの上面全体に拡がる。これにより、基板Wの上面に残存していた薬液が流されるリンス処理が進行する(ステップST5)。そして、純水および純水に流される薬液は、回転する基板Wの端部より周囲に飛散する。
ステップST5においては、例えば、内カップ41、中カップ42および外カップ43の全てが上昇し、スピンチャック20に保持された基板Wの周囲に、内カップ41の第1案内部47によって取り囲まれる開口OPcが形成される(図7)。その結果、回転する基板Wの端縁部から飛散した純水および薬液(図7に点線矢印で示す)は内カップ41によって受け止められ、第1案内部47の内壁を伝って流下し、廃棄溝49から排出される。なお、純水を薬液とは別経路にて回収する場合には、中カップ42および外カップ43を上昇させ、中カップ42の第2案内部52の上端部52bと内カップ41の第1案内部47の上端部47bとの間に、スピンチャック20に保持された基板Wの周囲を取り囲む開口OPbを形成するようにしても良い(図8)。所定時間経過後(或いは、所定量の純水供給後)、純水の供給が停止される。
そして、基板処理レシピにて定められる薬液処理が全て実行されるまで、ステップST4とステップST5とが交互に繰り返される(ステップST6)。例えば、3種類の薬液処理がレシピにて設定される場合には、各薬液について、薬液処理(ステップST4)とリンス処理(ステップST5)とが実行される。
薬液処理およびリンス処理が完了すると、基板Wの乾燥処理が実行される(ステップST7)。乾燥処理を行うときには、内カップ41、中カップ42および外カップ43の全てが下降し、内カップ41の第1案内部47の上端部47b、中カップ42の第2案内部52の上端部52bおよび外カップ43の上端部43bのいずれもがスピンチャック20に保持された基板Wよりも下方に位置する。この状態にて基板Wがスピンチャック20とともに高速回転され、基板Wに付着していた液滴(薬液の液滴や水滴)が遠心力によって振り切られ、乾燥処理が行われる。
この後、基板Wの回転を停止し(ステップST8)、4つのチャック部材26が駆動され基板Wがスピンチャック20から解放されて(ステップST9)、図示しない搬送ロボットによって基板Wがチャンバー10外に搬出される(ステップST10)。
以上説明したように、基板処理モードMD1では、薬液および純水(リンス液)を基板Wに供給して表面処理を行う。回転する基板Wから飛散した薬液および純水の大半は処理カップ40によって回収され排液されるものの、処理液がカップ外に飛散することや処理カップ40に飛散した処理液が排液されることなく付着して残存することがある。
このように、処理カップ40の内外に付着した処理液は、乾燥するとパーティクルなどを発生し処理対象基板Wに対する汚染源となるおそれがある。このため、本実施形態の基板処理装置1では、後述する洗浄モードMD2(図9)を実行して、処理カップ40の内外を洗浄する。
<1.2.2 洗浄モードMD2>
洗浄モードMD2は、チャンバー10内に基板Wが存在するタイミングで実行される既述の基板処理モードMD1とは異なり、チャンバー10内に基板Wが存在せず基板処理が行われないタイミング(例えば、ロット処理の間隔)で実行されるモードである。洗浄モードMD2は、
(1) 「枚数基準」、すなわち基板処理モードMD1で所定枚数の基板処理を実行した場合、
(2) 「時間基準」、すなわち基板処理モードMD1で基板処理装置1を所定時間稼働した場合、
(3) 「支障原因発生基準」、たとえばセンサ(図示せず)によって処理カップ40の内外に付着物を検知した場合のように、実際に高精度の基板処理を持続することについての支障が発生したことを検知した場合、
など、所定の条件が満足された場合に、例外的ないしは臨時的に選択されるモードであり、該条件は予め制御部9に設定されている。
洗浄モードMD2は、チャンバー10内に基板Wが存在するタイミングで実行される既述の基板処理モードMD1とは異なり、チャンバー10内に基板Wが存在せず基板処理が行われないタイミング(例えば、ロット処理の間隔)で実行されるモードである。洗浄モードMD2は、
(1) 「枚数基準」、すなわち基板処理モードMD1で所定枚数の基板処理を実行した場合、
(2) 「時間基準」、すなわち基板処理モードMD1で基板処理装置1を所定時間稼働した場合、
(3) 「支障原因発生基準」、たとえばセンサ(図示せず)によって処理カップ40の内外に付着物を検知した場合のように、実際に高精度の基板処理を持続することについての支障が発生したことを検知した場合、
など、所定の条件が満足された場合に、例外的ないしは臨時的に選択されるモードであり、該条件は予め制御部9に設定されている。
「枚数基準」では処理を行った基板の枚数を尺度として周期的に洗浄モードMD2が実行され、また「時間基準」では時間を尺度として周期的に洗浄モードMD2が実行されるから、それらの尺度(枚数や時間)で見たときには、洗浄モードMD2が周期的に実行されることになる。これに対して「支障原因発生基準」では、そのような支障原因が周期的に発生するとは限らないから、洗浄モードMD2が非周期的に実行される場合が多い。
図9は、本実施形態の基板処理装置1における洗浄モードMD2の手順を示すフローチャートである。以下、図9を参照しつつ洗浄モードMD2について説明する。
まず、図示しない搬送ロボットによって洗浄用治具80をチャンバー10内に搬入し、スピンチャック20に該洗浄用治具80を装着する(ステップST11:装着工程)。
そして、仕切板15および側壁11の洗浄処理を行う(ステップST12〜ST13)。
洗浄用治具80はスピンチャック20に保持された状態でスピンモータ22によって軸心CXのまわりに回転される(ステップST12:回転工程)。このとき、スピンチャック20の周囲に位置する内カップ41、中カップ42および外カップ43はいずれも最も下方にまで下降し、処理カップ40の上端(上端部47b、上端部52bおよび上端部43b)が洗浄用治具80の複数の吐出口83よりも低い状態とされている。
洗浄用治具80を回転させた状態で、吐出ヘッド31から洗浄用治具80の供給口82を介して液受け部81に純水を供給する(ステップST13:供給工程)。
回転する洗浄用治具80の供給口82に純水を供給すると、該純水は洗浄用治具80の内部空間たる液受け部81に着液し、回転の遠心力によって液受け部81の内側から外周に向かって流動する。また、既述の通り、液受け部81の底面には中心側から外周側に向けて上方に傾斜する傾斜面81aが設けられている。このため、ステップST13において、純水は傾斜面81aに沿って流動し複数の吐出口83から斜め上方に向けて飛散される。洗浄用治具80の吐出口83よりも処理カップ40の上端の方が低くなっているので、図10に示すように、回転する洗浄用治具80から飛散した純水は仕切板15の上面およびチャンバー10の側壁11に降り注ぐこととなる。洗浄用治具80から飛散した純水が降り注ぐことにより、仕切板15の上面およびチャンバー10の側壁11が洗浄される。
次に、処理カップ40の洗浄処理を行う(ステップST14〜ステップST16)。
処理カップ40は、互いに独立して昇降可能な内カップ41、中カップ42および外カップ43を備えており、これら内カップ41、中カップ42および外カップ43の内側面が案内部として機能する。すなわち、処理カップ40には高さ方向に沿って複数の案内部が設けられている。カップ内洗浄を行うときには、スピンチャック20に保持される洗浄用治具80の周囲において外カップ43、中カップ42および内カップ41が順次に上昇する。
外カップ43の内側を洗浄するときには、図11に示すように、外カップ43のみが上昇する(ステップST14)。これにより、外カップ43の上端部43bが洗浄用治具80の複数の吐出口83よりも高くなり、外カップ43の上端部43bと中カップ42の上端部52bとの間に、洗浄用治具80の複数の吐出口83の周囲を取り囲む開口OPaが形成される。
ステップST13から吐出ヘッド31は回転状態の洗浄用治具80に対して純水を供給し続けているので、供給された純水は洗浄用治具の回転に伴う遠心力によって複数の吐出口83から外カップ43の内側に向けて飛散する。この結果、洗浄用治具80の複数の吐出口83から飛散した純水は、外カップ43の内側面と同時に中カップ42の上面にも降り注ぎ、外カップ43の内側面および中カップ42の上面が洗浄されることとなる。
また、中カップ42の内側を洗浄するときには、図12に示すように、外カップ43および中カップ42が上昇し、内カップ41のみが下降した状態となる(ステップST15)。これにより、外カップ43の上端部43bおよび中カップ42の上端部52bが洗浄用治具80の複数の吐出口83よりも高くなり、中カップ42の上端部52bと内カップ41の上端部47bとの間に、洗浄用治具80の複数の吐出口83の周囲を取り囲む開口OPbが形成される。
ステップST13から吐出ヘッド31は回転状態の洗浄用治具80に対して純水を供給し続けているので、供給された純水は洗浄用治具の回転に伴う遠心力によって複数の吐出口83から中カップ42の内側に向けて飛散する。この結果、洗浄用治具80の複数の吐出口83から飛散した純水は、中カップ42の内側面と同時に内カップ41の上面にも降り注ぎ、中カップ42の内側面および内カップ41の上面が洗浄されることとなる。
また、内カップ41の内側を洗浄するときには、図13に示すように、外カップ43、中カップ42および内カップ41の全てが上昇する(ステップST16)。これにより、外カップ43の上端部43b、中カップ42の上端部52bおよび内カップ41の上端部47bの全てが洗浄用治具80の複数の吐出口83よりも高くなり、内カップ41の第1案内部47が洗浄用治具80の複数の吐出口83と同じ高さにてその周囲を取り囲む開口OPcが形成される。
ステップST13から吐出ヘッド31は回転状態の洗浄用治具80に対して純水を供給し続けているので、供給された純水は洗浄用治具の回転に伴う遠心力によって複数の吐出口83から内カップ41の内側に向けて飛散する。この結果、洗浄用治具80の複数の吐出口83から飛散した純水は、内カップ41の内側面(第1案内部)に降り注ぎ、内カップ41の内側面が洗浄されることとなる。
このように、ステップST14〜ステップST16では、内カップ41、中カップ42および外カップ43をそれぞれ昇降することで、各カップの内側面によって形成される3つの案内部のそれぞれが洗浄用治具80の複数の吐出口83の周囲に位置するようにして各案内部を洗浄する。
以上のようにして処理カップ40の内側の洗浄処理が終了した後、乾燥処理を行う(ステップST17〜ステップST22)。
乾燥処理を行うときには、まず、上面処理液ノズル30からの純水の供給が停止されるとともに、スピンモータ22による洗浄用治具80の回転が停止する(ステップST17)。
内カップ41、中カップ42および外カップ43の全てが最も下方にまで下降し、処理カップ40の上端(上端部47b、上端部52bおよび上端部43b)がスピンベース21の保持面21aよりも低くなる(ステップST18)。
この状態にて、洗浄用治具80はスピンモータ22の駆動によって軸心CXのまわりに高速回転される(ステップST19)。洗浄用治具80が高速回転されることにより、チャンバー10内に渦状の気流が形成される。この洗浄用治具80の回転にともなって生じた気流が吹き付けられることにより、洗浄用治具80、処理カップ40の上面、仕切板15の上面、およびチャンバー10の側壁11が乾燥される。
また、洗浄用治具80の回転と併せて、二流体ノズル60から処理カップ40の上面に不活性ガス(本実施形態では、窒素)の吹き付けを行う(ステップST20)。洗浄用治具80の回転によって生じた気流に加えて、二流体ノズル60から不活性ガスを吹き付けることにより、洗浄用治具80、処理カップ40の上面、仕切板15の上面、およびチャンバー10の側壁11の乾燥効率を高めることができる。
二流体ノズル60からの窒素の吹き付けが停止され、乾燥処理が終了すると、スピンベース21の回転も停止される(ステップST21)。
そして、洗浄用治具80がスピンチャック20から解放されて、搬送ロボット(図示せず)によってチャンバー10の外部に搬出される(ステップST22)。
以上、洗浄モードMD2の全体の流れについて説明した。以下では、洗浄モードMD2のうち、特にステップST12〜ステップST16における各部の動作についてさらに詳述する。図14は、ステップST12〜ステップST16における、各部の動作を示したタイムチャートである。時刻t0〜時刻t12は、時間の経過を示す指標である。
時刻t0〜時刻t3は、各カップが下降した状態で洗浄用治具80から洗浄液が飛散され、仕切板15および側壁11の洗浄処理が実行される期間である(図9のステップST12〜ステップST13、図10)。
時刻t3〜時刻t6は、外カップ43が上昇し中カップ42および内カップ41が下降した状態で洗浄用治具80から洗浄液が飛散され、外カップ43内側の洗浄処理が実行される期間である(図9のステップST14、図11)。
時刻t6〜時刻t9は、外カップ43および中カップ42が上昇し内カップ41が下降した状態で洗浄用治具80から洗浄液が飛散され、中カップ42内側の洗浄処理が実行される期間である(図9のステップST15、図12)。
時刻t9〜時刻t12は、各カップが上昇した状態で洗浄用治具80から洗浄液が飛散され、内カップ41内側の洗浄処理が実行される期間である(図9のステップST16、図13)。
また、本実施形態の洗浄モードMD2は、洗浄用治具80の回転工程として、各部の洗浄の序盤において洗浄用治具80の回転を加速する加速工程(時刻t0〜時刻t1、時刻t3〜時刻t4、時刻t6〜時刻t7、時刻t9〜時刻t10)と、各部の洗浄の中盤において洗浄用治具80を所定速度で回転する定速工程(時刻t1〜時刻t2、時刻t4〜時刻t5、時刻t7〜時刻t8、時刻t10〜時刻t11)と、各部の洗浄の終盤において洗浄用治具80の回転を減速する減速工程(時刻t2〜時刻t3、時刻t5〜時刻t6、時刻t8〜時刻t9、時刻t11〜時刻t12)と、を有する。
既述の通り、回転する洗浄用治具80の供給口82に吐出ヘッド31から純水を供給すると、その純水は洗浄用治具80の底面に着液した後、遠心力によって中心から外周へと向けて流れる。このとき、吐出ヘッド31から供給され洗浄用治具80の底面に着液した直後の純水は回転する方向の速度成分を有していない。その一方、中心近傍に供給されて外周へと向けて流れる純水は、回転する洗浄用治具80の底面との摩擦によって徐々に洗浄用治具80の回転方向の速度成分をも有するようになる。その結果、洗浄用治具80の中心から外周へと向けて流れる純水は、通常、洗浄用治具80の遠心方向に沿って直線的には流れず、洗浄用治具80の底面にて遠心方向から湾曲するような軌跡を描きつつ流れる。
図15の矢印AR1にて示す純水の軌跡は、加速工程における、洗浄用治具80の底面に対する純水の相対運動の軌跡である。
また、図15の矢印AR2にて示す純水の軌跡は、減速工程における、洗浄用治具80の底面に対する純水の相対運動の軌跡である。矢印AR2が矢印AR1と異なり回転接線の前方向(図15で示す反時計回り方向)に指向しているのは、純水自身の回転慣性によって生じる回転の速度が、洗浄用治具80の減速する回転速度に比べ大きいことに起因する。
既述の通り、洗浄用治具80の複数の吐出口83のそれぞれの吐出軸83a(略円柱形状たる吐出口83の中心軸)は、スピンモータ22による回転の遠心方向から傾いて各吐出口の回転接線の前方側に指向している。また、この指向性は、上記矢印AR2と対応している。
このため、加速工程および定速工程では、洗浄用治具80の液受け部81に供給された純水WTの一部が複数の吐出口83から吐出されつつも、純水WTの残りは液受け部81内部の外周側に貯留される(図16(a))。他方、減速工程では、液受け部81内の純水WTの指向性と洗浄用治具80に設けられた吐出口83の指向性とが対応していることに起因して、上記貯留された純水WTが複数の吐出口83から勢いよく噴出する(図16(b))。この結果、減速工程(時刻t2〜時刻t3、時刻t5〜時刻t6、時刻t8〜時刻t9、時刻t11〜時刻t12)において、特に強力に各部(洗浄用治具80の周囲)を洗浄することができる。既述の通り、減速工程において純水が矢印AR2方向に流動するのは純水自身の回転慣性によるものであるので、減速工程による回転速度の減速が急減速(例えば、急停止)であれば上記回転慣性を十分に働かせることができ、より勢いよく純水を噴出することができる。
図14に示すように、本実施形態の洗浄モードMD2は、仕切板15および側壁11の洗浄処理期間(時刻t0〜時刻t3)、外カップ43の内側の洗浄処理期間(時刻t3〜時刻t6)、中カップ42の内側の洗浄処理期間(時刻t6〜時刻t9)、および内カップ41の内側の洗浄処理期間(時刻t9〜時刻t12)の、いずれの期間においても減速工程を有する。このため、これら洗浄対象部位の全てにおいて、上述した洗浄治具80による純水の強力噴射(強力洗浄)を実行し、有効に洗浄できる。
また、スピンチャック20や上面処理液ノズル30などチャンバー10内の各要素は、いずれも本来は基板Wに対して表面処理を行うために使用するものであって、基板W以外のものを洗浄することを目的として設けられたものではない。そして、本実施形態では、洗浄用治具80を設け、該洗浄用治具80とチャンバー10内の各要素(スピンチャック20など)とを利用することで洗浄モードMD2を実行する。このように、本来は基板処理に利用される各部を洗浄モードMD2の実行にも利用するため、チャンバー10内の洗浄に利用する目的で新たに洗浄ノズル等の大型部材を設ける必要がなく、処理ユニットUTの大型化を抑止できる。
<2 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、基板処理モードMD1および洗浄モードMD2で使用する洗浄液を純水としていたが、これに限定されるものではなく、薬液を純水で希釈した液を洗浄液として用いるようにしても良い。また、上記実施形態においては、洗浄モードMD2で使用する気体を窒素としていたが、これに限定されるものではなく、種々の気体を利用することができる。基板処理の観点から、この気体は不活性ガスであれば望ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、基板処理モードMD1および洗浄モードMD2で使用する洗浄液を純水としていたが、これに限定されるものではなく、薬液を純水で希釈した液を洗浄液として用いるようにしても良い。また、上記実施形態においては、洗浄モードMD2で使用する気体を窒素としていたが、これに限定されるものではなく、種々の気体を利用することができる。基板処理の観点から、この気体は不活性ガスであれば望ましい。
また、上述した2つのモードは処理モードの一例にすぎず、例えば、下面処理液ノズル28より基板Wの下面に処理液を供給するモードなど、他のモードを採用してもよい。
また、基板処理装置1における各部(上面処理液ノズル30、チャック部材26など)の個数や、各部の配置については自由に設計変更可能な事項である。
また、上記実施形態の洗浄モードMD2では、洗浄用治具80を回転する回転工程を開始した後、洗浄用治具80への純水の供給を行う供給工程を開始する態様(図9)について説明したがこれに限られるものでない。回転工程と供給工程とは同時に開始する態様であっても構わないし、供給工程を開始した後回転工程を開始する態様であっても構わない。これらの工程の開始時点の先後は問わず、スピンチャック20に装着され回転される洗浄用治具80に純水が供給されている状態で、洗浄用治具80の回転速度を減速すれば、洗浄用治具80の複数の吐出口83の指向性を利用した上記強力洗浄を実現することができる。
また、上記実施形態では、仕切板15および側壁11の洗浄処理期間(時刻t0〜時刻t3)、外カップ43の内側の洗浄処理期間(時刻t3〜時刻6)、中カップ42の内側の洗浄処理期間(時刻t6〜時刻t9)、および内カップ41の内側の洗浄処理期間(時刻t9〜時刻t12)の、いずれの部位の洗浄期間においても減速工程を有する態様(図14)について説明したが、これに限られるものではない。強力洗浄を実行する部位が一部である場合(例えば、仕切板15および側壁11の洗浄にのみ強力洗浄を行う場合)には、当該部位でのみ減速工程を有し、他の部位(各カップ)では減速工程を有しない態様であっても構わない(図17)。このように、どのタイミングで減速工程を行うかを処理レシピに応じて制御部9で制御することで、洗浄用治具80からの純水の飛散勢いを時間経過に沿って調節することができる。
また、上記実施形態では、基板処理装置1が1つの洗浄用治具80を備える態様について説明したが、基板処理装置1が複数の洗浄用治具80のセット(以下、「洗浄用治具セット」という)を備える態様であっても構わない。特に、それぞれの傾斜面81aの傾斜角度が互いに異なる複数の洗浄用治具80で構成される洗浄用治具セットを有し、その1の洗浄用治具80を選択してスピンチャック20に装着し洗浄モードMD2を実行する基板処理装置においては、選択する洗浄用治具80の傾斜面81a(水平面からの傾斜)に応じた傾斜角度で純水を吐出することが可能となり、より高精度な洗浄を実現できる。
また、上記各実施形態では、処理カップ40として互いに独立して昇降可能な内カップ41、中カップ42および外カップ43を備えていたが、3つのカップが一体に構成されて昇降するものであっても良い。3つのカップが高さ方向に沿って多段に一体に積層されている場合には、それぞれのカップが順次にスピンベース21の保持面21aを取り囲むように昇降移動するようにすれば良い。さらに、処理カップ40はスピンベース21を取り囲む1段のカップのみを備えるものであっても良い。
また、基板処理装置1によって処理対象となる基板は半導体基板に限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板など種々の基板であっても良い。
また、上記各実施形態では、洗浄モードMD2の最中に上面処理液ノズル30より供給される純水の単位時間あたりの供給量を可変としない態様について説明したが、該供給量を可変に調節する態様であったも構わない。
以上、実施形態およびその変形例に係る基板処理装置について説明したが、これらは本発明に好ましい実施形態の例であって、本発明の実施の範囲を限定するものではない。本発明は、その発明の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 基板処理装置
9 制御部
10 チャンバー
20 スピンチャック
21 スピンベース
22 スピンモータ
26 チャック部材
30 上面処理液ノズル
31 吐出ヘッド
32 ノズルアーム
33 ノズル基台
40 処理カップ
41 内カップ
42 中カップ
43 外カップ
80 洗浄用治具
81 液受け部
81a 傾斜面
82 供給口
83 吐出口
83a 吐出軸
CX 軸心
MD1 基板処理モード
MD2 洗浄モード
OPa,OPb,OPc 開口
UT 処理ユニット
9 制御部
10 チャンバー
20 スピンチャック
21 スピンベース
22 スピンモータ
26 チャック部材
30 上面処理液ノズル
31 吐出ヘッド
32 ノズルアーム
33 ノズル基台
40 処理カップ
41 内カップ
42 中カップ
43 外カップ
80 洗浄用治具
81 液受け部
81a 傾斜面
82 供給口
83 吐出口
83a 吐出軸
CX 軸心
MD1 基板処理モード
MD2 洗浄モード
OPa,OPb,OPc 開口
UT 処理ユニット
Claims (8)
- (a) 基板を水平姿勢で保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段を回転する回転手段と、
前記基板保持手段の上方から洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
前記基板保持手段の周囲を取り囲むカップと、
を有する処理ユニットと、
(b) 平面視で前記基板に対応した外形サイズを有し、前記基板保持手段によって着脱自在に保持可能な洗浄用治具であって、
液受け部と、
前記洗浄液供給手段から供給される前記洗浄液を受け入れて前記液受け部に供給する供給口と、
当該洗浄用治具の外周側に沿って設けられ、前記液受け部に受けた前記洗浄液を吐出する複数の吐出口と、
を有する洗浄用治具と、
を備え、
前記複数の吐出口のそれぞれの吐出軸は、前記回転手段による回転の遠心方向から傾いて各吐出口の回転接線の前方側に指向していることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記洗浄用治具は、前記液受け部の底面において、中心側から外周側に向けて上方に傾斜する傾斜面を有することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、
前記基板保持手段は、基板の外周端を把持する複数のチャック部材を備え、
前記洗浄用治具の外周端が前記複数のチャック部材によって把持されたとき、前記洗浄用治具の前記複数の吐出口が、前記複数のチャック部材とは異なる高さ位置に配されることを特徴とする基板処理装置。 - 処理ユニットの基板保持手段に着脱自在に装着され回転された状態で、洗浄液を供給されることによって、前記処理ユニットの内部を洗浄する洗浄用治具であって、
前記洗浄液を供給される供給口と、
前記供給口から供給される前記洗浄液を受ける液受け部と、
当該洗浄用治具の外周側に沿って設けられ、前記液受け部に受けた前記洗浄液を吐出する複数の吐出口と、
を有し、
前記複数の吐出口のそれぞれの吐出軸は、前記回転の遠心方向から傾いて各吐出口の回転接線の前方側に指向していることを特徴とする洗浄用治具。 - 請求項4に記載の洗浄用治具であって、
前記液受け部の底面において、中心側から外周側に向けて上方に傾斜する傾斜面を有することを特徴とする洗浄用治具。 - それぞれが請求項5に記載の洗浄用治具に該当する複数の洗浄用治具のセットであって、
前記複数の洗浄用治具におけるそれぞれの前記傾斜面の傾斜角度が互いに異なることを特徴とする洗浄用治具セット。 - 請求項1に記載の処理ユニットと、
請求項6に記載の洗浄用治具セットと、
を備え、
前記洗浄液供給手段は、前記複数の洗浄用治具から選択されて前記基板保持手段に着脱自在に保持された1の洗浄用治具に洗浄液を供給し、
前記回転手段による回転によって前記1の洗浄用治具から前記洗浄液が吐出されることを特徴とする基板処理装置。 - 所定の基板保持手段によって基板を水平姿勢で保持して回転させつつ前記基板に所定の処理を行う処理ユニットについて、前記処理ユニットのうち前記基板保持手段の周囲に存在する所定部位を洗浄する方法であって、
(A) 前記所定の処理が行われていない期間に、前記基板に代えて、液受け部を有する所定の洗浄用治具を前記基板保持手段に装着して保持させる装着工程と、
(B) 前記洗浄用治具の所定の供給口を介して前記液受け部に洗浄液を供給する供給工程と、
(C) 前記基板保持手段とともに前記洗浄用治具を回転させる回転工程と、
(D) 前記回転を減速させる減速工程と、
を備え、
前記洗浄用治具は、前記液受け部に連通して、前記洗浄用治具の外周側に沿って形成された複数の吐出口を有しているとともに、
前記複数の吐出口のそれぞれの吐出軸は、前記回転工程における回転の遠心方向から傾いて各吐出口の回転接線の前方側に指向しており、
前記液受け部内における前記洗浄液自身の回転慣性によって、前記減速工程において、前記洗浄液が前記複数の吐出口から前記所定部位側に向けて噴出することを特徴とする洗浄方法。
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