JP6087027B1 - 湾曲付き硬性内視鏡 - Google Patents

Abstract

湾曲付き硬性内視鏡１は、硬質な挿入部２と、軟性の湾曲部１２と、湾曲部１２を湾曲操作するアングルレバー１４，１５が設けられた操作部３と、操作部３を保持するときに使用者の指が挿入される指掛溝２２を備え、操作部３の長手軸Ｘ回りに指掛溝が回動自在にアングルレバー１４，１５よりも挿入部２側の操作部３に設けられた指掛保持部１７と、を具備する。

Description

本発明は、腹腔鏡下外科手術等に用いられるような挿入部が硬質の湾曲付き硬性内視鏡に関する。

近年、医療分野および工業用分野においては、体腔内部や装置内部を観察するための内視鏡システムが広く利用されている。

特に、医療用分野においては、口腔や肛門等の器官開口から挿入部を挿入して、食道，胃，大腸等の消化器管内部の観察や各種処置を施す用途に適した軟性内視鏡のほか、腹部などの体表に開けた孔から挿入部を挿入して腹腔内部の観察や手術等の処置を施す用途に適した外科用内視鏡としての湾曲付き硬性内視鏡など、各種の形態のものが実用化されている。

そのなかでも、内視鏡下外科手術に用いられる湾曲付き硬性内視鏡は、例えば、日本国特開２０１２−４５３２６号公報に開示されるように、硬質な挿入部を備え、この挿入部の先端側に設けられた湾曲部を湾曲操作するアングルノブが操作部に設けられている。

しかしながら、日本国特開２０１２−４５３２６号公報に開示されるような従来の湾曲付き硬性内視鏡では、操作部を誰にでも把持し易い形状としているが、その反面、ある所定の姿勢で操作部を把持したときの保持性の改善が要望されていた。

具体的に、例えば、腹腔鏡手術で使われる湾曲付き硬性内視鏡を水平方向に横から把持したい場合、使用者の手首に負担が掛からないように手の甲を上向きにして操作部を把持すると、腹腔内視鏡の自重を支える親指に大きな負荷が加わり、長時間の手術時の疲労度の軽減が要求されていた。

そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、操作部の保持性が向上し、長時間の手術時の使用者の疲労度を軽減できる湾曲付き硬性内視鏡を提供することを目的とする。

本発明における一態様の湾曲付き硬性内視鏡は、硬質な挿入部と、前記挿入部の先端部分に設けられた軟性の湾曲部と、前記挿入部に連設され、前記湾曲部を湾曲操作するアングルレバーが設けられた操作部と、前記操作部を保持するときに使用者の指が挿入される指掛部を備え、前記操作部の長手軸回りに前記指掛部が回動自在に前記アングルレバーよりも前記挿入部側の前記操作部に設けられた指掛保持部と、を具備する

上記の本発明によれば、操作部の保持性が向上し、長時間の手術時の使用者の疲労度を軽減できる湾曲付き硬性内視鏡を提供できる。

本発明の一態様の内視鏡装置の全体構成を示す斜視図 同、内視鏡装置の構成を示す側面図 同、指掛保持部を操作部への装着状態を説明するための分解斜視図 同、指掛保持部が設けられる操作部の先端部分の部分断面図 同、第１の変形例の内視鏡装置の構成を示す側面図 同、第２の変形例の内視鏡装置の構成を示す側面図 同、第３の変形例の内視鏡装置の構成を示す側面図

以下、本発明である腹腔内視鏡としての内視鏡装置について説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。

先ず、図面に基づいて本発明の一態様の湾曲付き硬性内視鏡を説明する。図１は湾曲付き硬性内視鏡である内視鏡装置の全体構成を示す斜視図、図２は内視鏡装置の構成を示す側面図、図３は指掛保持部を操作部への装着状態を説明するための分解斜視図、図４は指掛保持部が設けられる操作部の先端部分の部分断面図、図５は第１の変形例の内視鏡装置の構成を示す側面図、図６は第２の変形例の内視鏡装置の構成を示す側面図、図７は第３の変形例の内視鏡装置の構成を示す側面図である。

図１に示すように、湾曲付き硬性内視鏡としての内視鏡装置１は、長尺な挿入部２と、この挿入部２の基端と連設された操作部３と、図示しない光源装置に接続するライトガイドコネクタ４と、図示しないビデオシステムセンターに接続するビデオコネクタ５と、を有して主に構成されている。

なお、内視鏡装置１は、操作部３とライトガイドコネクタ４とが軟性ケーブルとしてのユニバーサルケーブル６を介して接続されており、ライトガイドコネクタ４とビデオコネクタ５とが通信ケーブル７を介して接続されている。

挿入部２には、主にステンレスなど金属性部材から形成された先端部１１、柔軟な湾曲部１２およびステンレスなど金属管の硬性管１３が先端側から順に連設されている。この挿入部２は、体内に挿入する部分となっており、内部に図示しないケーブルおよびライトガイドなどが組み込まれている。

操作部３には、湾曲部１２を遠隔操作するアングルレバー１４，１５と、光源装置、ビデオシステムセンターなどを操作するための各種スイッチ１６（図２参照）と、使用者の指を入れて掛ける指掛保持部１７と、が備えられている。

アングルレバー１４，１５は、挿入部２の湾曲部１２を上下左右の４方向の全周方向に操作可能な湾曲操作手段である。

なお、湾曲部１２は、上下２方向のみに湾曲する構成としてもよい。その場合、アングルレバー１４が湾曲部１２を遠隔操作するものとなり、アングルレバー１５に相当するレバー部材が湾曲部１２の湾曲状態を固定する固定レバーとなる。

以上に説明の本実施の形態の内視鏡装置１は、湾曲部１２以外の大部分の挿入部２が硬質となっている腹腔鏡下外科手術に用いられる所謂硬性鏡としての湾曲付き硬性内視鏡である。

ここで、本実施の形態の内視鏡装置１に設けられた指掛保持部１７の構成について以下に詳しく説明する。
図３に示すように、指掛保持部１７は、使用者の手の指、図２の２点鎖線で示すような状態のように、例えば薬指が挿入される指掛溝として、ここではリング状の指掛部２２と、操作部３の長手軸Ｘ回りに回動自在に装着される環状の装着部２１と、を有して構成されている。

この指掛保持部１７は、操作部３の先端部分に設けられたリング回動軸を構成する断面真円状の回動保持部３１に装着部２１が外挿して装着される。

このとき、指掛保持部１７の装着部２１は、回動保持部３１の基端側に形成された径方向に突出する膨出部３２の先端面と当接するまで回動保持部３１の先端側から装着される。

そして、装着部２１の先端面に当接するように中央に孔部が形成された円板リング状のオサエ部材３５が回動保持部３１に、ここでは２つのビス３９によって固定される。なお、オサエ部材３５の孔部には、挿入部２に接続される口金部３３が挿通される。

このオサエ部材３５は、先端側に凹部３６が形成されており、２つのビス３９がそれぞれ挿通される、ここでは中心点対称の２箇所に穿孔された挿通孔３７が形成されている。

そして、２つのビス３９は、オサエ部材３５の各挿通孔３７を介して、回動保持部３１に先端面に形成されたビス孔３４と螺合される。こうして、オサエ部材３５が回動保持部３１に固定される
なお、オサエ部材３５の凹部３６には、ビス３９が露出しないように、円板リング状の化粧カバー３８が接着される。この化粧カバー３８にも、中央に挿入部２に接続される口金部３３が挿通される孔部が形成されている。

このように、指掛保持部１７の装着部２１は、先端側がオサエ部材３５に当接し、基端側が膨出部３２に当接して、回動保持部３１から外れないように操作部３の先端部分に、操作部３の長手軸Ｘ回りに回動自在に装着される。

以上のように構成された内視鏡装置１は、たとえば腹腔鏡下外科手術時には、挿入部２が患者に穿刺されたトロッカなどを介して腹腔内に導入される。

このとき、内視鏡装置１を水平方向に横から把持する場合、使用者が図２の２点鎖線で示したように手の指、例えば薬指を指掛保持部１７の指掛部２２に挿入して、操作部３を把持することができる。

そのため、使用者は、手の甲を上向きにして操作部を把持しても、指掛保持部１７の指掛部２２に手の指が挿入されていることで、内視鏡装置１の自重を支える親指への負荷が軽減され、長時間の手術時の疲労度が軽減される。

即ち、内視鏡装置１は、指掛保持部１７の指掛部２２に挿入した手の指が引っ掛かるため、使用者が操作部３を把持している手を広げても、鉛直下方に落下することなく姿勢が保持される。

さらに、指掛保持部１７は、操作部３の長手軸Ｘ回りに回動自在であるため、使用者が把持し易い所望の回動位置に可変することができる。

以上により、本実施の形態の内視鏡装置１は、操作部３の保持性が向上し、長時間の手術時の使用者の疲労度を格段に軽減することができる。

なお、図４に示すように、指掛保持部１７の装着部２１の内周面に回動保持部３１の外周面との摩擦抵抗を増大させて、操作部３の長手軸Ｘ回りの動作力量を調整する抵抗部材である複数、ここでは３つのＯリング４１を設けるとよい。

これにより、指掛保持部１７は、使用者によって動かされた所望の回動位置から容易にずれ難くなり、その回動位置を維持する保持性が向上する。

なお、抵抗部材は、Ｏリング４１に限定されることなく、ゴム管などの摩擦抵抗を増大させる各種構成を採用してもよい。

また、指掛保持部１７の装着部２１は、先端側がオサエ部材３５に設けられた水密保持部材としてのＯリング４２と、基端側が膨出部３２に当接する水密保持部材としてのＯリング４３と、によって、回動しても内部を水密保持する構成となっている。

なお、水密保持部材は、Ｏリング４２，４３に限定されることなく、各種シール構造を採用してもよい。

これにより、内視鏡装置１は、使用前後に指掛保持部１７を操作部３から外して洗浄、消毒、滅菌などをする必要なく、指掛保持部１７が操作部３に装着された状態のまま洗浄、消毒、滅菌などが行える構成とすることができる。

（第１の変形例）
図５に示すように、使用者が２点鎖線で示すように複数の指、ここでは２本の指として例えば薬指および中指を挿入できるように指掛保持部１７の指掛部２２を操作部３の長手軸Ｘ方向に広げた横長な形状としてもよい。

このような構成とすることで、内視鏡装置１は、上述の各種作用効果に加え、指掛保持部１７の指掛部２２に使用者の１本の指を挿入した状態よりも、２本以上の指を挿入した状態により、操作部３が指回りに回転（チルト）することなく確実に操作部３の姿勢を保持することができる。

（第２の変形例）
図６に示すように、指掛保持部１７の指掛部２２は、リング状に限定されることなく、基端方向であるアングルレバー１４，１５方向に壁部を有するような横Ｕ字状としてもよい。ここでの指掛溝としての指掛部２２は、リング状とは異なり、内視鏡装置１の先端側から例えば薬指を容易に導入することができるように先端側が開口している。

なお、指掛部２２は、薬指が引っ掛かり、アングルレバー１４，１５を操作する親指と人差し指に力が入り易くすると共に、例えば、薬指と中指によって指掛部２２の壁部を挟み込むことで、操作部３の保持性を確保するために、アングルレバー１４，１５方向の基端側に壁部が設けられる。

（第３の変形例）
図７に示すように、主に指掛保持部１７の指掛部２２の位置とは反対側となる操作部３の各種スイッチ１６とアングルレバー１４との間に使用者の親指を引掛けて保持するフック部１８を設けてもよい。

即ち、指掛保持部１７の指掛部２２に挿入される使用者の指、ここでは薬指などに対して、操作部３を挟み込んで把持する他の指、ここでは使用者の親指が位置する側にフック部１８が設けられている。

これにより、内視鏡装置１は、保持部１７の指掛部２２に使用者の例えば薬指が挿入され、フック部１８に使用者の親指が基端側から当接するように引掛けられることで、より保持性を向上させることができる。

上述の実施の形態に記載した発明は、その実施の形態および変形例に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。

例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。

本出願は、２０１５年３月３１日に日本国に出願された特願２０１５−０７３０８４号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の内容は、本願明細書、請求の範囲、および図面に引用されたものである。

Claims (7)

1. 硬質な挿入部と、
   前記挿入部の先端部分に設けられた軟性の湾曲部と、
   前記挿入部に連設され、前記湾曲部を湾曲操作するアングルレバーが設けられた操作部と、
   前記操作部を保持するときに使用者の指が挿入される指掛部を備え、前記操作部の長手軸回りに前記指掛部が回動自在に前記アングルレバーよりも前記挿入部側の前記操作部に設けられた指掛保持部と、
   を具備することを特徴とする湾曲付き硬性内視鏡。
2. 前記指掛保持部の前記長手軸回りの動作力量を調整する抵抗部材が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の湾曲付き硬性内視鏡。
3. 前記指掛保持部と前記操作部とを水密保持する水密保持部材が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の湾曲付き硬性内視鏡。
4. 前記指掛部は、リング状に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の湾曲付き硬性内視鏡。
5. 前記指掛部は、使用者の複数の指が挿入自在に前記操作部の前記長手軸方向に横長な前記リング状に形成されている特徴とする請求項４に記載の湾曲付き硬性内視鏡。
6. 前記指掛部は、先端側が開口した横Ｕ字形状に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の湾曲付き硬性内視鏡。
7. 前記操作部に設けられ、前記指掛部に挿入される使用者の指に対して、前記操作部を挟み込んで把持する他の指が位置する側にフック部を有していることを特徴とする請求項１に記載の湾曲付き硬性内視鏡。

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