JP6086600B2 - オーリング用組成物およびオーリング - Google Patents
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Description
半導体分野、液晶分野において使用されるエッチング装置の封止材を成形するのに好適な封止材用組成物が開示されている(特許文献1)。
また、半導体製造装置用シールとして、フッ素系エラストマー100重量部に対して、シリカ1〜50重量部、有機過酸化物1〜10重量部からなり、かつ、該半導体製造装置用シール100重量部に対して、金属元素を1重量部以下、および、カーボンブラックを1重量部以下にし、かつ、該半導体製造装置用シールがボイドフリーである組成物が開示されている(特許文献2)。
さらに、近年は、ウェハーの大型化に伴いプラズマエッチング装置の大型化が進み、また連続処理プロセスのためのマルチチャンバーシステム等も開発されている。
このような近年のドライエッチング装置を用いたエッチング工程において、プラズマ出力に伴う高い耐熱性が要求されている。
特に上記多価アリル化合物がトリアリルイソシアヌレートであることを特徴とする。
図1(b)に示す白色異物は、740、1150、1200、2300cm−1付近に吸収が見られた。これらのピークは白色異物が生成していない表面には見られないピークであり、明らかに白色異物に由来しているものと考えられる。第3級ブトキシ基の骨格対称振動に近いその他のピークを考慮して、白色異物は加硫剤、特に過酸化物由来のピークと考えられ、解重合が進行して、これら加硫剤類が分解して表面に析出したものと考えられる。
パーフルオロオレフィンは、以下の式(I)で表される。
なお、フルオロオレフィンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの重合比は、フルオロオレフィンが50〜95モル%、パーフルオロアルキルビニルエーテルが5〜50モル%であることが好ましい。また、ゴム弾性体であればよい。
ポリテトラフルオロエチレン粉末は、デュポン社商品名のテフロンや類似構造のフッ素樹脂を粉砕した微粉末であり、その平均粒子径は0.2〜50μmが好ましい。
有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ビス(2,4−ジクロルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等を挙げることができる。
これらの中で、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが物性・加硫特性が優れるとの理由で好ましい。
また、加硫助剤として、トリアリルイソシアヌレートなどの多価アリル化合物や水酸基含有多価アリル化合物あるいは多価ビニル化合物を用いて加硫することもでき、この方法は特にオーリングの硬さが要求される場合に好ましい加硫方法である。
多価アリル化合物を配合することにより、熱および過酸化物、または重合体の分岐オレフィン部の付加反応による耐熱加硫が容易になる。
ポリテトラフルオロエチレン粉末が5質量部未満ではゴム硬度が得られず、20質量部をこえるとパーフルオロ重合体との混練りが困難になる。
疎水性酸化ケイ素粉末が1質量部未満では粘着特性が劣るようになり、10質量部をこえると生地粘度が上昇し混練り困難となる。
多価アリル化合物の配合が5質量部未満では架橋が不十分となり、10質量部をこえるとロール滑りのため混練り困難となる。
フルオロオレフィンとパーフルオロメチルビニルエーテルとから誘導された繰り返し単位を含有し、過酸化物加硫できるパーフルオロ重合体として、ダイキン工業社製商品名 GA−15(表1において、パーフルオロ重合体で表す)100質量部に、ポリテトラフルオロエチレン粉末(平均粒子径10μm)を10質量部と、疎水性酸化ケイ素粉末(日本アエロジル社商品名 AEROSIL R972)(表1において、疎水性シリカとして表す)を5質量部と、過酸化物パーヘキサ2.5B(日油株式会社製)を2.0質量部と、トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製)を5質量部とをそれぞれ秤量し、ゴムロールミルを用いて混合し、加硫金型に入れ、150℃、10分間の一次加硫および180℃、4時間の二次加硫を施して、内径が24.99mm、外径が32.05mm、太さが3.53mmのオーリング(JIS B2401 P-26)を作製した。
ゴム硬度はアスカー微小硬度計にて25℃で測定した。初期値および熱劣化後の引張強さ、伸び、引張応力はJIS B2401の方法により測定した。熱劣化後のゴム硬度変化は(熱劣化後の値−初期値)であり、引張強さ変化率および伸び変化率は[((熱劣化後の値−初期値)/初期値)×100]である。密度はJIS K6268の方法により測定した。圧縮永久ひずみは[(初期厚さ−試験後の厚さ)/(初期厚さ−スペーサー厚さ)×100]である。測定結果を表1に示す。
評価方法:#240サンドペーパーにて表面を研磨した2枚のアルミ板で供試オーリングを研磨面間に挟み、厚さが2.62mmのスペーサーを用いて約25%圧縮を行なう。この状態で150℃x90時間保持した後、室温まで放冷して開放し、1mm/minの速度で2枚のアルミ板を剥離して、引張応力のピーク値を測定し、剥離力(単位、N)とする。
ポリテトラフルオロエチレン粉末および疎水性シリカの配合量を表1に示す配合量に変更する以外は、実施例1と同様にしてオーリング(JIS B2401 P-26)を作製した。
ポリテトラフルオロエチレン粉末および疎水性シリカの配合量を表1に示す配合量に変更する以外は、実施例1と同様にしてオーリング(JIS B2401 P-26)を作製した。親水性酸化ケイ素粉末は、日本アエロジル社商品名 AEROSIL 130(表1において、親水性シリカとして表す)を用いた。
比較例3は、ゴムロールミルを用いて混合するときにゴム生地の粘度が上昇して混練りができなかった。また、比較例5は、ゴムロールミルを用いて混合するときにゴム生地がロール滑りを生じて混練りができなかった。そのため、比較例3および比較例5はオーリングの作製ができなかった。
Claims (4)
- パーフルオロ重合体100質量部と、ポリテトラフルオロエチレン粉末5〜20質量部と、酸化ケイ素1〜10質量部と、加硫剤とを配合してなるドライエッチング装置に用いられるオーリング用組成物であって、
前記パーフルオロ重合体がフルオロオレフィンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとからそれぞれ誘導される繰り返し単位を含有し、ビニリデンフルオライドから誘導される繰り返し単位を含有しないパーフルオロ重合体であり、
前記酸化ケイ素が粒子表面に疎水性基を有する酸化ケイ素粉末であり、
前記加硫剤が有機過酸化物と多価アリル化合物とを含み、該多価アリル化合物が少なくとも前記パーフルオロ重合体100質量部に対して5〜10質量部配合されており、該オーリング用組成物を成形してなるオーリングを200℃の温度にて70時間熱劣化させた後に、オーリング表面に白色異物が生成しないことを特徴とするオーリング用組成物。 - 前記多価アリル化合物がトリアリルイソシアヌレートであることを特徴とする請求項1記載のオーリング用組成物。
- 前記ドライエッチング装置がリモートプラズマを用いるドライエッチング装置であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のオーリング用組成物。
- オーリング用組成物を成形してなるドライエッチング装置に用いられるオーリングであって、前記オーリング用組成物が請求項1から請求項3のいずれか1項記載のオーリング用組成物であることを特徴とするオーリング。
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