JP5275943B2 - フッ素ゴム組成物及びゴム部材 - Google Patents

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本発明はフッ素ゴム組成物に関し、詳しくは、極めて着香しにくく、かつ、耐熱性および耐薬品性に優れ、特に食品の製造機器や製造ラインに使用するゴム部材として有用なフッ素ゴム組成物、並びに、該フッ素ゴム組成物を加硫成形してなるゴム部材に関する。
現行の食品の製造機器、製造ラインにおいて、使用頻度の高いゴム材料としては、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ビニリデンフルオライド系ゴム(FKM)、ビニルメチルシリコーンゴム(VMQ)などがある。
これらのゴム材料は、食品の製造機器や製造ライン中での適用箇所に応じて、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、コストなどを考慮しながら使い分けられている。これらのゴム材料による具体的な部材としては、例えば、Oリング、ガスケット、パッキンなどのシール材が挙げられる。
ところで、食品の製造機器や製造ラインで使用されるシール材等のゴム部材に、食品或いはその原料などの匂いの成分が付着すると、該匂いの成分がゴム部材を介して後の製品(食品)に移行し、該製品の価値を著しく低下させるという問題がある。このため、シール材等を洗浄する洗浄工程を設けたり、また、シール材等の洗浄中に製品製造のための別の製造ラインを設置したりするなどの対策が必要となり、製品(食品)の生産コストが増大する。さらに、シール材等の洗浄を効果的に行うためには洗浄時間を延長することが必要になり、このような場合には製品の生産効率が更に低下するため、生産コストの一層の増大化を招くことになる。
また、シール材等の洗浄工程では、アルカリ洗浄、酸洗浄、高温スチームによる洗浄などが施されるため、シール材等には低着香性だけでなく、耐熱性、耐薬品性が求められる。
現状のシール材において、着香の問題に対処したものとして、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体(FFKM)を用いた製品、ゴムにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を被覆した製品、PTFEからなる製品が知られている。しかし、FFKMはコストが非常に高いという問題があり、また、ゴムにPTFEを被覆した製品は、PTFEのクリープ、ゴムとPTFEの剥離などが生じることがあり、また、PTFEは弾性が少ないことやクリープによってシール性を維持できなくなるなどの技術的問題を抱えている。従って、コスト及び性能面の両方において満足できる低着香性のシール材が求められている。
このような要求に応えるものとして、特許文献1〜3には、フッ素ゴムにガラス充填剤および/または真球状無孔質シリカ(非晶質二酸化ケイ素)充填剤を配合したフッ素ゴム組成物、フッ素ゴムに窒化ホウ素充填剤を配合してなるフッ素ゴム組成物、フッ素ゴムに表面改質されていてもよい真球状無孔質シリカ(非晶質二酸化ケイ素)充填材と、微粉末フッ素樹脂充填剤、有機過酸化物加硫剤及び共架橋剤を配合したフッ素ゴム組成物等が提案され、これらのフッ素ゴム組成物であればFFKMよりも低価格で、非着香性、耐熱性および耐薬品性に優れるシール材が得られると謳われている。
特開2005−306931号公報 特開2006−160898号公報 特開2007−154043号公報
ところで、前記の「着香」には、食品或いはその原料などの匂い成分がゴム部材に付着する着香(I)と、該匂い成分がゴム部材を介して後の製品(食品)に移行する着香(II)の二種類がある。しかしながら、本発明者等の研究の結果、特許文献1〜3のゴム組成物は、いずれの着香においても十分満足できる低着香性のレベルに達していないことが分かった。
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、その解決しようとする課題は、極めて良好な低着香性を有する、耐熱性および耐薬品性に優れるシール材等を実現できるフッ素ゴム組成物及び該フッ素ゴム組成物を用いたゴム部材(例えばシール材等)を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、フッ素ゴムに、フッ素系界面活性剤を配合して得られるゴム組成物が極めて着香しにくいゴム組成物となり、かかるゴム組成物を加硫成形して得られるゴム部材は非常に優れた低着香性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)フッ素ゴムおよびフッ素系界面活性剤を含むフッ素ゴム組成物。
(2)上記(1)記載のフッ素ゴム組成物を加硫成形してなるゴム部材。
(3)食品製造機器用又は食品製造ライン用である、上記(2)記載のゴム部材。
本発明のフッ素ゴム組成物によれば、加硫成形により、極めて高いレベルの低着香性を有し、かつ、耐熱性及び耐薬品性に優れるゴム部材を得ることができる。従って、これを食品製造機器・食品製造ラインのシール材に適用することにより、匂い成分の移行の極めて低い製品(食品)を極めて効率よく製造することができる。また、付着した微量の匂い成分を除去する洗浄操作の頻度を著しく低減でき、かつ、洗浄操作によるシール材の劣化が小さいため、シール材の交換なしに、長期間、食品製造機器・食品製造ラインを連続稼動できる。
なお、本発明でいう「食品」とは「飲料」を含む概念である。また、「食品製造機器」とは単一の独立した機器だけでなく、食品製造ラインの一部に組み込まれた装置(機器)も含む概念である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明のフッ素ゴム組成物は、フッ素ゴム、およびフッ素系界面活性剤を含む。
フッ素ゴムとしては、フッ素原子を含有するゴム状物質であれば特に制限なく使用でき、2種類以上のものを混合して使用してもよく、例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム(FKM)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体(FEPM)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体(FFKM)およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。すなわち、より詳細には、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体などが例示される。中でも、成形性、シール材等に成形した際のシール性、及びシール材に好適な強度などの観点から、ビニリデンフルオライド系ゴム(FKM)が好適に使用される。
本発明において、フッ素ゴムは、通常の重合手段によって製造することができ、その手段は特に制限されない。また、市販品を使用することができる。
後述の比較例に示されるように、フッ素ゴムに架橋剤と共架橋剤を配合して得られるフッ素ゴム組成物はある程度良好な低着香性を示すが、フッ素ゴムに架橋剤と共架橋剤とともにフッ素系界面活性剤を配合することで、低着香性が著しく向上して、高度の低着香性を示すフッ素ゴム組成物を実現できる。
本発明で使用するフッ素系界面活性剤は、特に限定されず、各種コーティング材料や成形材料等に、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として使用されている公知のフッ素原子を含有する界面活性剤を制限なく使用でき、カチオン性、アニオン性、ノニオン性のいずれも使用できるが、ノニオン性が好ましい。中でも、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤が好ましく、具体例としては、たとえば、パーフルオロブチルスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基含有オリゴマーなどが挙げられ、これらはいずれかを単独で使用するか、あるいは、2種以上併用して用いられる。これらの中でも、低着香性の点から、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親水性基・親油性基含有オリゴマーが好ましく、加硫への影響の点から、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマーが、特に好ましい。
本発明において、フッ素系界面活性剤は特に限定されず、市販品をそのまま使用することができる。例えば、DIC社製の「メガファック」、住友スリーエム社製の「ノベック」、ダイキン工業社製の「ユニダイン」、ネオス社製の「フタージェント」として入手することができる。パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマーとしては、メガファックF−480SF、F−487、F−489、F−172D、F−178RM、ESM−1等が挙げられ、パーフルオロアルキル基・親水性基・親油性基含有オリゴマーとしては、メガファックF−470、R−08、F−471、F−472SF、F−474、F−475、R−30、F−477、F−479、MCF−350SF等が挙げられる。
本発明のフッ素ゴム組成物において、フッ素系界面活性剤の含有量は、フッ素ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは1.0〜8質量部である。フッ素系界面活性剤の含有量が0.1質量部未満では、低着香性の顕著な改善効果が得られないおそれがあり、また30質量部を超えると、フッ素系界面活性剤の配合による低着香性の改善効果が頭打ちになるだけでなく、ロール加工性や圧縮永久ひずみが悪化する傾向となり、好ましくない。
本発明のフッ素ゴム組成物には、硬度調整や強度確保のために、本発明の効果を損なわない範囲で充填剤を配合することができる。特に、PTFEはフッ素ゴム組成物に対する補強効果が大きく、PTFEを配合したフッ素ゴム組成物の加硫成形物は、圧縮永久ひずみおよび耐薬品性に優れているため、本発明組成物に対して、好適に配合できる。また、PTFEを配合することにより、加硫成形物は用途に適した硬度(例えば、シール材用途の場合、ショアA55〜A90(瞬間値)程度)の対応が可能になる。
前記PTFEは、任意の形態のものを使用できるが、フッ素ゴム組成物の均質性、および成形性を得る観点から、微粉末が好ましい。また、微粉末の場合、フッ素ゴム組成物の加硫成形物への補強効果が得られ、強度や圧縮永久ひずみが向上する傾向にある。PTFE微粉末の平均粒径は、好ましくは0.05〜200μmであり、より好ましくは1〜100μmであり、さらに好ましくは3〜30μmである。なお、平均粒径は次の方法で測定される。
測定対象物(粒状物)を水またはエタノールなどの有機液体に投入し、35kHz〜40kHz程度の超音波を付与した状態にて約2分間分散処理して得た分散液を用い、かつその場合の粒状物の量は該分散液のレーザ透過率(入射光量に対する出力光量の比)が70%〜95%となる量とし、次いで該分散液について、マイクロトラック粒度分析計にかけてレーザー光の散乱により個々の粒状物の粒径(D1、D2、D3、…)、および各粒径ごとの存在個数(N1、N2、N3、…)を計測する(個々の粒状物の粒径(D)は、マイクロトラック粒度分析計によれば種々の形状の粒状物ごとに球相当径が自動的に測定される。)。視野内に存在する個々の粒子の個数(N)と各粒径(D)とから、下記式(1)にて平均粒径を算出する。
平均粒径=(ΣND3/ΣN)1/3(1)
本発明のゴム組成物において、PTFEの含有量は、フッ素ゴム100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは10〜90質量部、さらに好ましくは20〜80質量部である。PTFEの含有量が1質量部未満である場合、硬度調整を所望した場合、硬度変化が小さい傾向にある。また100質量部を超えると、ロール加工性が悪くなるとともに、組成物を加硫成形して得られるゴム製品(ゴム部材)の圧縮永久ひずみも悪くなり、また、一般的なシール材に必要な伸び(100%以上)を維持できなくなる。
本発明のフッ素ゴム組成物には、通常、フッ素ゴムの加硫(架橋)処理に使用される公知の架橋剤、共架橋剤などが配合され、加硫(架橋)処理して使用され得る。加硫系としては、例えば、過酸化物加硫、ポリオール加硫、アミン加硫などが例示されるが、用いる加硫系、加硫方法は特に限定されず、加硫方法として知られている公知の加硫系(例えば、公知のフッ素ゴムの加硫系)、加硫方法を使用することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、老化防止剤、安定化剤、可塑剤、架橋助剤などの各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。これら架橋剤、共架橋剤、添加剤等は、常法に従って適当量を配合すればよい。
本発明のフッ素ゴム組成物を、従来公知のインタミックス、ニーダ、バンバリーミキサ等の混練機、オープンロール又は二軸混練押出機等を用いて混練した後、適当な形に予備成形し、射出成形機、圧縮成形機、加熱プレス機又は押出成形機等を用いて所望の形状に成形してゴム部材を得ることができる。
混練及び成形の条件は特に限定されないが、混練は例えばJIS K6299を参考にして実施すればよい。
また、加硫成形においては、本発明では過酸化物加硫を含むので、例えば140℃〜200℃で2分間〜30分間の一次加硫を施した後、必要に応じて150〜230℃で1時間〜24時間の二次加硫を施すというような条件で行うのが好ましい。
例えば、パッキンなどのリング状のシール材を得る場合は、フッ素ゴム組成物を調製後、それをロールにて圧延し(予備成形)、紐状に切断し、ついで、この紐状のゴム組成物をリング状の金型に入れ、加熱プレス(一次加硫)することで、リング状のシール材を作製することができ、このリング状のシール材を電気炉等に入れ、熱処理(二次加硫)を行うことで最終製品とする。
本発明のフッ素ゴム組成物は極めて着香しにくいため、食品製造機器、食品製造ラインの部品として使用されるシール材、ガスケット、ダイヤフラム等の種々のゴム部材(ゴム製品)に好適に使用できる。特に、高いレベルの低着香性を示すため、低着香性が長期間持続する低着香性シール材を実現できる。なお、シール材とする場合、その形状は、Oリング、Dリング、Uパッキン、Yパッキン、リップシール(軸シール)などその目的に応じて従来公知の形状より適宜選ばれる。またシール材の大きさも特に限定はなく、目的に応じて適宜選ばれる。
以下、実施例と比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜4)
<ゴム試料の調製>
下記表1、2に記載の配合をオープンロールでJIS K6299を参考として混練し、フッ素ゴム組成物とした(表1、2中の数値は質量部である)。フッ素ゴム組成物を165℃、10分間でプレス加硫成形(一次加硫)し、200℃、4時間のオーブン加硫(二次加硫)を行い、ゴム試料を調製した。
Figure 0005275943
Figure 0005275943
表1、2中、「ダイエルG−902」はビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、ルブロンL−5(PTFE微粉末)の平均粒径は5μm、フルオンL169J(PTFE微粉末)の平均粒径は17μm、ダイニオンTF9207(PTFE微粉末)の平均粒径は4μmである。
実施例1〜6及び比較例1〜4のゴム試料について以下の試験を行った。
<物性評価試験>
a)常態物性(デュロメータ硬さ、引張強さ、伸び、100%引張応力)
硬さについては、JIS K 6253:1997により、タイプAデュロメータ試験機でゴム試料について瞬間値を測定した。引張強さ、伸び、100%引張応力については、JIS K 6251により、ダンベル状3号形としたゴム試料を測定した。
b)圧縮永久歪試験
圧縮永久歪率は、JIS K 6262により、大形試験片としたゴム試料を圧縮率25%で圧縮し、200℃で70時間放置後、ひずみを取り除き規定時間後に試験片の厚さを測定して求めた。
<官能試験による着香評価>
a)試験方法
1)りんご果汁入り飲料「なっちゃん!ダブルりんご」(「なっちゃん」はサントリーホールディングス(株)の登録商標)500mlをビーカーに入れた。
2)ゴム試料(25×45×2t(mm))をその中に24時間浸漬した。
3)ゴム試料を取り出した。
4)ゴム試料を精製水1L(室温)で5分間洗浄した。
5)ゴム試料を2%NaOH水溶液1L(80℃)で5分間洗浄した。
6)ゴム試料を精製水1L(室温)で5分間洗浄した。
7)ゴム試料を2%硝酸水溶液1L(80℃)で5分間洗浄した。
8)ゴム試料を精製水1L(室温)で5分間洗浄した。
9)ゴム試料を1000ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液1L(80℃)で5分間洗浄した。
10)ゴム試料を精製水1L(室温)で5分間洗浄した。
11)ゴム試料を取り出し、水分を除去してから、袋に入れた。
12)ゴム試料の臭気を確認した。
13)ゴム試料を精製水100mlに浸漬し、10分間煮沸した。
14)煮沸した精製水を放冷した。
15)冷却後、精製水の臭気を確認した。
16)以上の各洗浄工程の順序、洗浄液、および温度について下記表3にまとめて示した。
Figure 0005275943
b)対照試験および評価の指標
下記の表6の配合をオープンロールで混練し、165℃、20分間でプレス加硫成形し、170℃、1時間のオーブン加硫を行って、エチレンプロピレンゴム(EPDM)の試料(25×45×2t(mm))を調製し、このEPDM試料を用いたことの他は、上記実施例及び比較例と同じ手順に従い、同様に官能試験による着香評価を行い、試料の臭気、精製水の臭気を確認した。
このときの臭気の度合いを試料、煮沸した水ともに5とし、何も操作をしなかったEPDMの試料を0、何ら処理していない精製水を0とし、実施例1〜6及び比較例1〜4の試料につき、0〜5の6段階でヒト臭覚による官能評価を行った。各評価は7〜10人で実施し、平均を取って下記表4及び5に示した。なお、表4、5には物性評価試験の結果も示した。
Figure 0005275943
Figure 0005275943
Figure 0005275943
実施例1〜6、比較例1〜4のフッ素ゴム組成物の常態物性、圧縮永久歪率は、通常のフッ素ゴムのものと同等であり、調製したゴム試料は良好な物性を有していた。
官能試験の評価結果は、実施例1〜6においては、5としたEPDMの臭気の度合いに対して、ゴム試料、精製水とも1.0未満であり、本発明のフッ素ゴム組成物により優れた低着香性を示すゴム部材及びシール材が得られることが示された。
このように、本発明の低着香性フッ素ゴム組成物は、耐熱性及び耐薬品性に優れる低着香性のゴム部材を与え得る。従って、種々の用途に好適に使用することができ、中でも、食品製造機器・食品製造ラインにおけるシール材として、特に好適に使用することができる。なお、食品製造機器・食品製造ラインは、具体的には、例えば、スクリューコンベアー、ロータリーバルブ、モーノポンプ、ヘンシェルミキサー、計量充填機、遠心分離機又はサニタリータンク、清涼飲料水ボトリングシステム等が挙げられる。
本発明の低着香性フッ素ゴム組成物は、下水処理施設やトイレ関連機器、水関連機器等への使用も期待できる。

Claims (3)

  1. フッ素ゴムおよびフッ素系界面活性剤を含むフッ素ゴム組成物を加硫成形してなる、食品製造機器用又は食品製造ライン用のゴム部材
  2. フッ素ゴムがビニリデンフルオライド系ゴム(FKM)である、請求項1に記載のゴム部材。
  3. フッ素ゴム組成物が、フッ素ゴム100質量部に対して1〜100質量部のポリテトラフルオロエチレンをさらに含むものである、請求項1または2に記載のゴム部材。
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