JP3145357B2 - 封止材用組成物および封止材 - Google Patents

封止材用組成物および封止材

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JP3145357B2
JP3145357B2 JP27452998A JP27452998A JP3145357B2 JP 3145357 B2 JP3145357 B2 JP 3145357B2 JP 27452998 A JP27452998 A JP 27452998A JP 27452998 A JP27452998 A JP 27452998A JP 3145357 B2 JP3145357 B2 JP 3145357B2
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準作 毛利
正康 友田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は封止材用組成物およ
び封止材に関し、特に半導体分野、液晶分野において使
用されるエッチング装置の封止材を成形するのに好適な
封止材用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの微細化や高集積化およ
び液晶表示装置の大型化や高精細化などに伴い、微細化
や高精細化のキーテクノロジーの一つとなるドライエッ
チングは、微細線幅の加工技術として、また液晶表示装
置の薄膜トランジスターの加工技術として、ウエットエ
ッチング技術に代わりますます重要となってきている。
ドライエッチングは、大別して導入したガスに高周波電
界を印加して発生するプラズマ中の活性粒子の化学反応
のみを利用した反応性プラズマエッチング、電界により
加速されたイオンによるスパッタ作用のみを利用した無
反応性イオンエッチング、この両者を組合わせた反応性
スパッタエッチングなどに分類される。また、これに伴
い、エッチング装置は、プラズマエッチング装置、反応
性イオンエッチング装置、反応性イオンビームエッチン
グ装置、スパッタエッチング装置、イオンビームエッチ
ング装置などが開発されている。また、連続処理プロセ
スのためのマルチチャンバーシステムも開発されてい
る。このようなエッチング装置を用いたエッチング工程
において、重金属イオンなどによるVthシフト、リー
ク、コンタクト抵抗増や、Al配線のコロージョン、ポリ
マー付着などによるコンタミネーションが半導体デバイ
スや液晶基板の品質を低下させる原因の一つとなってい
る。また、製品歩留まりも低下させている。このため半
導体デバイスや液晶基板の品質を維持するために定期的
に装置の点検補修が行なわれている。従来、この点検補
修の時期はエッチング装置に用いられているゲートバル
ブシールや周辺シール材などの封止材により定められる
ことが多かった。すなわち、封止材から溶出または発生
ダストからの金属イオンが製品歩留まりに大きく影響し
ていた。この傾向は、より減圧度が要求されるイオンエ
ッチング装置において顕著となる。
【0003】従来の封止材用組成物として、テトラフル
オロエチレンとパーフルオロメチルパーフルオロビニル
エーテルおよび硬化部位単量体からなる共重合体(特公
平 4-81609号公報)、少なくとも 1種のエチレン性不飽
和化合物およびフルオロビニルエーテルを含む共重合体
(特公平 5-63482号公報)などが知られている。また、
溶出または発生ダストからの金属イオン分を抑えること
のできる封止材用組成物として、フルオロオレフィンと
パーフルオロアルキルビニルエーテルとからそれぞれ誘
導された繰り返し単位を主成分とする弗素系弾性体に、
弗素系樹脂微粉末を 5〜50重量%配合してなる封止材用
組成物(特再平 9-808239号公報)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなパーフルオロアルキルビニルエーテル系重合体や含
弗素エラストマーは、炭化水素系エラストマーよりも、
耐熱性、耐油性、耐溶剤性、耐食性、耐薬品性、耐候
性、耐酸化性等において優れているが、パーフルオロア
ルキルビニルエーテル系重合体単独を成型したOリング
や周辺シール材などの封止材を上述のエッチング装置に
使用すると強度的に問題が発生する。一方、カーボンブ
ラックを配合することにより強度を改善することは可能
であるが、封止材が導電性でありプラズマエッチング装
置などの場合は反応によりフッ素化を受け細かいダスト
になったり、クラックが入ってしまうなどの問題が生じ
る。そこで、次にシリカ粉や硫酸バリウムを充填材とす
る封止材が検討されたが、バリウムイオンの溶出や発生
ダストがバリウムイオンであったりするため有害とな
り、エッチング装置の点検補修の時期が極めて短くな
り、半導体デバイスや液晶基板の製品歩留まりが向上し
ないという問題があった。
【0005】また、弗素系弾性体に、弗素系樹脂微粉末
を 5〜50重量%配合して金属溶出分を抑えた封止材用組
成物を成形してなる封止材は、プラズマエッチング装置
などにおいて、次のような問題がある。すなわち、プラ
ズマエッチング装置において、CF4、O2共存下等にお
ける高周波電界下の反応チャンバー用封止材として使用
すると、主鎖分子崩壊により揮発しやすくなり重量減少
が大きくなる。
【0006】また、カーボンブラック等を配合していな
いため、強度や伸度が不足して、封止材装着時にねじれ
によるクラックトラブルと、スライド使用時による表面
荒れなどによるシール不良が生じるという問題があっ
た。さらに、例えば大口径のOリングなどにあっては、
強度不足になり、施工性が悪くなるなどの問題があっ
た。
【0007】また、エッチング装置の高性能化に伴い高
エネルギーの環境下におかれた封止材が、その初期特性
を維持できないという問題があった。
【0008】本発明はこのような課題に対処するために
なされたものである。すなわち、本発明は、高エネルギ
ーの環境下においても初期特性を維持し、バリウムイオ
ンなどエッチング装置に好ましくない影響を与える溶出
または発生ダストからの金属イオン分を極めて少なくす
るとともに、より優れた強度を有し施工性に優れた封止
材およびその封止材用組成物を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るドライエッ
チング装置に用いられる封止材用組成物は、少なくとも
パーフルオロ重合体を含む弗素系弾性体 100重量部と、
弗素系樹脂微粉末 5〜50 重量部と、酸化ケイ素、酸化
アルミニウムおよび酸化チタンから選ばれた少なくとも
一つの配合材 3〜 50 重量部とを配合してなるドライエ
ッチング装置に用いられる封止材用組成物であって、上
記配合材の平均粒径が 0.1〜30μm であり、上記組成物
を加硫後の引張り強さが、上記配合材を配合しない加硫
物の引張り強さより 10 %以上向上しており、上記組成
物を加硫後の引張り強さと破断伸びとの積である抗張積
の値が、17×103%・kgf/cm2以上であり、かつ上記引張
り強さが 90kgf/cm2以上であり、上記組成物を加硫後の
溶出または発生ダストからの金属イオン分が、ケイ素、
アルミニウムおよびチタンを除いて実質的に検出されな
いことを特徴とする。
【0010】また、上記少なくともパーフルオロ重合体
を含む弗素系弾性体は、フルオロオレフィンとパーフル
オロアルキルビニルエーテルとからそれぞれ誘導される
繰り返し単位を有するパーフルオロ重合体 60 〜100 重
量%と、該パーフルオロ重合体を除いた弗素系重合体 4
0 〜0 重量%とを混合してなることを特徴とする。
【0011】また、上記少なくともパーフルオロ重合体
を含む弗素系弾性体は、有機過酸化物と多価アリル化合
物とを用いて加硫された弗素系弾性体であることを特徴
とする。
【0012】上記組成物を加硫後の発生ダストとは、上
記組成物を加硫して得られる封止材から発生あるいは脱
落する発塵するダストをいう。
【0013】また、実質的に検出されないとは、後述す
る方法で測定される溶出金属イオン分が 8ppb 以下であ
ることをいう。
【0014】本発明に係るドライエッチング装置に用い
られる封止材は、上述の弗素系弾性体を主成分とする封
止材用組成物を成形してなる封止材であることを特徴と
する。
【0015】エッチング装置用封止材の場合、ケイ素、
アルミニウム、チタンなどの金属酸化物は、封止材に含
まれていてもエッチング工程に悪影響を与えないことが
わかった。これらの金属類が、各種チャンバーの材質や
ウェハー、配線などに使用されている材料であるためと
考えられる。さらにこれら金属酸化物を封止材用組成物
に配合すると、封止材の強度が向上することがわかっ
た。本発明はこのような知見に基づきなされたもので、
本発明の封止材用組成物は、ケイ素、アルミニウムおよ
びチタンを除いて、他の金属イオン分が実質的に検出さ
れなく、かつより優れた強度、例えば上記配合材を配合
しない加硫物に比較して、加硫後の引張り強さが 10 %
以上向上している封止材を得ることができる。さらに重
要なことは、過酷な場所において使用される封止材はケ
ミカルエッチングの他、ねじれ、固着などにより不均一
なひずみを受け機械的疲労が大きくクラックなどが生じ
やすい。そのため、引張り強さの向上と同時にひずみを
吸収できる伸びが必要である。本発明者達は、いわゆる
引張り強さと破断伸びとの積である抗張積の値が、17×
103%・kgf/cm2以上であり、かつ引張り強さが 90kgf/c
m2以上であれば使用耐久性に優れた封止材が得られるこ
とを見い出した。
【0016】また、フルオロオレフィンとパーフルオロ
アルキルビニルエーテルとからそれぞれ誘導される繰り
返し単位を有するパーフルオロ重合体に、このパーフル
オロ重合体を除いた弗素系重合体を配合して使用するこ
とにより、さらに弗素系樹脂微粉末と、酸化ケイ素、酸
化アルミニウムおよび酸化チタンから選ばれた少なくと
も一つの配合材とを配合することにより、封止材として
の強度および伸びが向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の封止材用組成物に係る弗
素系弾性体は、フルオロオレフィンとパーフルオロアル
キルビニルエーテルとからそれぞれ誘導される繰り返し
単位を有するパーフルオロ重合体を主成分とするが、フ
ルオロオレフィンから誘導された繰り返し単位とは、以
下の式(I)で表される。
【化1】 ここで、R1、R2、R3またはR4は、水素、弗素、塩
素、アルキル基、弗化アルキル基、弗化アルコキシル基
の中から選ばれ、少なくとも弗素または弗化アルキル基
の一つを含む。これらのなかでR1、R2、R3およびR4
が全て弗素であるテトラフルオロエチレンがエッチング
装置用封止材を形成するのに特に好ましい。
【0018】また、パーフルオロアルキルビニルエーテ
ルから誘導された繰り返し単位とは、以下の式(II)
で表される。
【化2】 ここで、R5は、炭素数 1〜6 のパーフルオロアルキル
基、アルキル基、パーフルオロアルキルエーテル基、シ
アノパーフルオロアルキル基である。なお、フルオロオ
レフィンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの重
合比は、フルオロオレフィンが 50 〜 95 モル%、パー
フルオロアルキルビニルエーテルが 5〜50 モル%であ
ることが好ましい。また、ゴム弾性体であればよい。
【0019】パーフルオロ重合体の具体的な例を、以下
に例示する。
【化3】 これらの中で、架橋部分として、 の構造を単独または併用して所定量含み、いわゆる過酸
化物加硫ができる共重合体であることが好ましい。ま
た、付加タイプとして、ビニル基、アリル基であっても
よい。さらに上記
【0020】本発明に係るパーフルオロ重合体以外の弗
素系重合体を例示すれば、−CH2CF2−単位を 5〜 8
0 モル%含む弗素系多元共重合体、テトラフルオロエチ
レン−プロピレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン
−エチレン共重合体、フルオロアルキル基置換シリコー
ン重合体、グラフトまたはブロックセグメント含有熱可
塑性弗素系重合体、−CF(CF3)CF2O−で示され
る繰返し単位を有する重合体、−CF2CF2CF2O−
で示される繰返し単位を有する重合体、−CF2CF2
および−CH(OR1)CH2−からなるセグメントを有
する弗素系重合体(R1は、炭素数 1〜4 のアルキル、
ハロゲン化アルキル基を表す。)、−CF2CF2−およ
び−CH(CH3)CH2−からなる、−CH2CH2−お
よび−CF2C(CF3)F−からなる多元共重合体等を
例示することができる。これら弗素系重合体は、単独で
あるいは混合物として用いることができる。
【0021】少なくともパーフルオロ重合体を含む弗素
系弾性体は、フルオロオレフィンとパーフルオロアルキ
ルビニルエーテルとからそれぞれ誘導される繰り返し単
位を有するパーフルオロ重合体 60 〜100 重量%と、こ
のパーフルオロ重合体を除いた弗素系重合体 40 〜0 重
量%とを混合してなることが好ましい。すなわち、弗素
系弾性体は、フルオロオレフィンとパーフルオロアルキ
ルビニルエーテルとから誘導された繰り返し単位のみか
ら構成されていてもよい。この場合、加硫後の溶出また
は発生ダストからの金属イオン分を特に少なくすること
ができる。
【0022】本発明に係る酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ムおよび酸化チタンから選ばれた少なくとも一つの配合
材は、封止材用組成物に配合され、加硫後の引張り強さ
を向上させる機能を有する。これら配合材は微粉末とし
て配合することが好ましく、平均粒径として 0.1μm 〜
30 μm 程度であることが好ましい。なお、酸化ケイ素
は、鉄イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、
カリウムイオンなどの不純物の多い天然鉱物から得られ
るものや、硫酸バリウムなどの併用によるバリウムイオ
ンの溶出分が多くみられる従来の製法から得られるもの
とは異なり、完全合成品のSiO2微粉末が好ましい。
配合材の配合割合は加硫後の弾性体全体に対し 3〜 50
重量部、好ましくは 5〜 30 重量部の範囲である。この
範囲内で封止材としての引張り強さと抗張積の値を向上
させることができる。
【0023】封止材用組成物に配合できる弗素系樹脂微
粉末は、分子構造中に弗素を含む高分子体の微粉末であ
って、金属含有量が極めて少ないものが好ましい。また
微粉末の平均粒子径は 0.2〜 50 μm が好ましい。具体
的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル系との
共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプ
ロピレンとの共重合体、エチレンとテトラフルオロエチ
レンとの共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリ
弗化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレ
ンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体、テトラ
フルオロエチレンとビニリデンフルオライドとヘキサフ
ルオロエチレンとの共重合体、テフロン(デュポン社商
標)AFや類似構造の弗素系樹脂を粉砕した微粉末であ
ることが好ましい。これら弗素系樹脂は、電磁波に対し
て架橋型、崩壊型を問わない。また、高周波特性に対し
て発熱の要因となる欠陥分子構造を避ける場合などでは
パーフルオロ樹脂粉末が好ましい。
【0024】弗素系樹脂微粉末の配合割合は加硫後の弾
性体全体に対し 5〜50重量部、好ましくは 10〜 30 重
量部の範囲である。この範囲内で封止材としての弾性や
硬さを維持すると共に、ケイ素、アルミニウムおよびチ
タンを除いて金属イオンの溶出を抑えることができる。
これら微粉末が配合された上述の弗素系弾性体を加硫す
ることによりその強度を高めることができるとともに、
有害金属の溶出や発生ダストからの金属イオンによりエ
ッチング装置内を汚染することがないので、半導体デバ
イスや液晶基板の製品歩留まりを向上させることができ
るとともに耐久性が向上する。
【0025】このような弗素系弾性体の加硫方法は熱や
酸化還元系の存在で容易にパーオキシラジカルを生成す
る有機過酸化物による加硫が好ましい。また、ジクミル
パーオキサイドやベンゾイルパーオキサイドなどの有機
過酸化物などを加硫助剤とし、トリアリルイソシアヌレ
ートなどの多価アリル化合物や水酸基含有多価アリル化
合物あるいは多価ビニル化合物を加硫剤として用いて弗
素系弾性体を加硫することもでき、この方法は特に封止
材の硬さが要求される場合に好ましい加硫方法である。
【0026】多価アリル化合物としては、ジアリル、ト
リアリル、テトラアリル基を、多価ビニル化合物として
は、ジビニル、トリビニル、テトラビニル基をそれぞれ
含む化合物であり、また、水素原子を弗素で置換されて
いる弗素置換化合物であってよい。これら多価アリル化
合物あるいは多価ビニル化合物は単独または併用するこ
とができる。これらのなかで特にハロゲン置換して耐熱
性を向上させるものが好ましい。多価アリル化合物ある
いは多価ビニル化合物を配合することにより、熱および
過酸化物、またはポリマーの分岐オレフィン部の付加反
応による耐熱架橋が容易になる。また、熱可塑性弗素共
重合体の分子架橋にも都合がよい。酸化亜鉛、酸化鉛な
どを併用すると耐熱性が向上する。
【0027】本発明の封止材用組成物において、加硫後
の溶出または発生ダストからの金属イオン分とは、表面
を超純水にて洗浄した試料を 50 %の弗化水素酸水溶液
に 24 ℃で 72 時間浸漬後、その浸漬液の 0.6倍液に含
まれる金属イオン分をいう。具体的には表面積が約14cm
2程度の封止材を 50 %の弗化水素酸水溶液 1kgに 24℃
で 72 時間浸漬し、その浸漬液 600g を分取して測定し
た場合、その中に含まれる金属イオン分をいう。加硫後
の溶出金属イオン分がケイ素、アルミニウムおよびチタ
ンを除いてそれぞれ 8ppb 以下であることが好ましく、
さらに好ましくはバリウム、カルシウム、クロム、銅、
鉄、マグネシウム、ナトリウム、鉛がそれぞれ 1ppb 以
下であることが好ましい。溶出金属イオン分を 8ppb 以
下に抑えることにより、発生ダスト中での金属イオン分
を抑えることができる。
【0028】なお、加硫条件としては、一次加硫が 150
〜170 ℃の加硫温度で 5〜 30 分の加硫時間、二次加硫
が 170〜250 ℃の加硫温度で 4〜 48 時間の加硫時間が
好適である。特に省エネルギーの観点では、 170〜200
℃の加硫温度で 2〜5 時間が好ましい。加硫後のケイ
素、アルミニウムおよびチタンを除いた溶出または発生
ダストからの金属イオン分を少なく抑えた封止材を用い
ることにより、エッチング装置の稼動期間を延長するこ
とができ、また、半導体デバイスや液晶基板の品質を向
上させることができる。
【0029】なお、本発明の封止材用組成物は、溶出ま
たは発生ダストからの金属イオン分を抑えることが必要
な半導体分野、液晶分野等の製造装置用封止材に使用す
ることができる。例えば、エッチング装置、真空蒸着装
置を挙げることができる。これらの中でも特にエッチン
グ装置用封止材に使用することが好ましい。エッチング
装置としては、プラズマエッチング装置、反応性イオン
エッチング装置、反応性イオンビームエッチング装置、
スパッタエッチング装置、イオンビームエッチング装置
などに好適に使用することができる。
【0030】本発明の封止材は上述の封止材用組成物を
成形してなり、特に、プラズマエッチング装置、イオン
エッチング装置などに使用することのできるゲートバル
ブシールおよび周辺シールに好適に使用することができ
る。また、シールの形状としては、Oリング状、角リン
グ状、異径リング状、シールパッキン状、リップシール
状の形状を挙げることができる。
【0031】
【実施例】実施例1 フルオロオレフィンとパーフルオロアルキルビニルエー
テルとから誘導された繰り返し単位を主成分とする弗素
系弾性体として、ダイエルパーフロGA−05(ダイキ
ン工業株式会社製商品名) 100重量部に、ポリテトラフ
ルオロエチレン(平均粒子径 10 μm )を 15 重量部
と、酸化ケイ素粉末(平均粒子径 10 μm)を 5重量部
と、過酸化物パーヘキサ2.5Bを 2.5重量部と、トリ
アリルイソシアヌレートを 2重量部とをそれぞれ秤量
し、ゴムロールミルを用いて混合し、加硫金型に入れ、
150 ℃ 10 分間の一次加硫および180 ℃ 4時間の二次加
硫を施して、縦 150mm×横 150mm×厚さ 2mmの大きさの
シート状のテストピースを得た。
【0032】以下に示す方法によって、得られたテスト
ピースをセラミック刃物でカットして表面積14.2cm2
大きさの試験片とし、その溶出金属イオン分を測定し
た。 1)ポリエチレン容器に封止材を入れ、超純水にて 3回
振動させながら洗浄を行ない、その後 5%の弗化水素酸
水溶液中にて 1回振動させながら洗浄を行ない、再度超
純水にて 1回振動させながら洗浄する。 2)この表面を洗浄した封止材を 1リットルのポリエチ
レン容器に入れ、 50 %の弗化水素酸水溶液 1kgに 24
℃で 72 時間浸漬する。 3)封止材を浸漬後の弗化水素酸水溶液を600gを分取し
て、この分取液を 46 倍に濃縮し、白金皿にて水浴上で
蒸発乾固し、0.1 規定濃度の硝酸 13 mlを添加して測定
試料とした。 4)この測定試料を誘導結合型プラズマ(ICP)発光
分析機器にて金属イオン分を測定した。測定結果を表1
に示す。
【0033】また、JIS K 6251による引張り
試験を行ない、加硫後の引張り強さと伸びをを測定し、
これらより抗張積の値を得た。測定結果を表1に示す。
【0034】実施例2 酸化ケイ素粉末を酸化アルミニウム粉末(平均粒子径 2
5μm ) 10 重量部に変更する以外は実施例1と同一の
条件方法で試験片を得た。得られた試験片を実施例1と
同一の方法で評価した。測定結果を表1に示す。
【0035】実施例3 酸化ケイ素粉末を酸化チタン粉末(平均粒子径 10μm
) 5重量部に変更する以外は実施例1と同一の条件方
法で試験片を得た。得られた試験片を実施例1と同一の
方法で評価した。測定結果を表1に示す。
【0036】実施例4 酸化ケイ素粉末 5重量部および酸化チタン粉末 3重量部
を併用する以外は実施例1と同一の条件方法で試験片を
得た。得られた試験片を実施例1と同一の方法で評価し
た。測定結果を表1に示す。
【0037】実施例5 フルオロオレフィンとパーフルオロアルキルビニルエー
テルとから誘導された繰り返し単位を主成分とする弗素
系弾性体として、ダイエルパーフロGA−05(ダイキ
ン工業株式会社製商品名)を 60 重量部と、ダイエルパ
ーフロG−902(ダイキン工業株式会社製商品名)を
40 重量部と、ポリテトラフルオロエチレン(平均粒子
径 10 μm )を 15 重量部と、酸化ケイ素粉末を 5重量
部と、酸化チタン粉末を 3重量部と、過酸化物パーヘキ
サ2.5Bを 2.5重量部と、トリアリルイソシアヌレー
トを 2重量部とをそれぞれ秤量し、ゴムロールミルを用
いて混合し、加硫金型に入れ、実施例1と同一の条件方
法で試験片を得た。得られた試験片を実施例1と同一の
方法で評価した。測定結果を表1に示す。
【0038】比較例1 酸化ケイ素粉末を使用しない以外は実施例1と同一の条
件方法で試験片を得た。得られた試験片を実施例1と同
一の方法で評価した。測定結果を表1に示す。
【0039】比較例2 弗素系弾性体として、ダイエルパーフロGA−65(ダ
イキン工業株式会社製商品名)そのままを用いて、ダイ
キン工業社技術資料で示された条件に準じて試験片を得
た。すなわち、150 ℃ 10 分間の一次加硫および180 ℃
4時間の二次加硫を施して試験片を得た。得られた試験
片を実施例1と同一の方法で評価した。測定結果を表1
に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示すように、各実施例は溶出金属イ
オン分が全て検出限界以下であり、また引張り強さが 9
0kgf/cm2以上、抗張積の値が、17×103%・kgf/cm2以上
であった。
【0042】実施例6 実施例4の封止材用組成物を用いて、AS568−38
5で示されるOリングを作製した。得られたOリングを
アッシング装置のチャンバーゲート部に使用したとこ
ろ、比較例2で示される弗素系弾性体に硫酸バリウムと
シリカ微粉末を配合した封止材用組成物から作られた同
サイズのOリングを使用した場合よりも、ホワイトダス
トの発生期間が 3倍以上に伸びた。
【0043】実施例7 ポリテトラフルオロエチレン(平均粒子径 10 μm )を
25 重量部配合する以外は、実施例1と同一の封止材用
組成物を用いて、AS568−385で示されるOリン
グを作製し、その耐久性を調べたところ、明らかにクラ
ック寿命が伸び補強効果が認められた。具体的には、シ
リコンウエハーの処理枚数が従来の 4000枚から 10000
枚以上に生産性が向上した。
【0044】
【発明の効果】本発明の封止材用組成物は、少なくとも
パーフルオロ重合体を含む弗素系弾性体 100重量部と、
弗素系樹脂微粉末 5〜 50 重量部と、酸化ケイ素、酸化
アルミニウムおよび酸化チタンから選ばれた少なくとも
一つの配合材 3〜 50 重量部とを配合してなるので、有
害金属イオン分を抑えることができ、また、加硫後の引
張り強さおよび抗張積値の向上を達成することができ、
実用的に信頼できる封止材が得られる。
【0045】また、加硫後の引張り強さが、配合材を配
合しない加硫物の引張り強さより 10 %以上向上してい
るので、大口径状のOリングなどの封止材に用いても強
度が優れ、若干のねじれがあっても耐クラック性に優れ
ている。特に、引張り強さが 90kgf/cm2以上で、抗張積
の値が、17×103%・kgf/cm2以上であるので、上記特性
がより向上する。
【0046】また、封止材用組成物の加硫後の最終製品
からの溶出または発生ダストからの金属イオン分が、ケ
イ素、アルミニウムおよびチタンを除いて実質的に検出
されないので、エッチング装置に好適に用いられる。
【0047】パーフルオロ重合体を含む弗素系弾性体
が、パーフルオロ重合体 60 〜100 重量%と、弗素系重
合体 40 〜0 重量%とを混合してなるので、強度と材料
コストとのバランスのとれた封止材用組成物が得られ
る。
【0048】本発明の封止材は、上述の封止材用組成物
を形成してなるので、有害な溶出または発生ダストから
の金属イオン分を抑えることができ、また、加硫後の引
張り強さを向上させることができる。その結果、半導体
分野や液晶分野などにおけるエッチング装置に好ましく
用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−165980(JP,A) 特開 平2−206667(JP,A) 特開 昭62−192443(JP,A) 特開 平7−97563(JP,A) 特開 平4−359060(JP,A) 特開 平3−177481(JP,A) 国際公開97/8239(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/10 C08K 3/22 C08K 3/34 - 3/36 C08L 27/12 - 27/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともパーフルオロ重合体を含む弗
    素系弾性体 100重量部と、弗素系樹脂微粉末 5〜 50 重
    量部と、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび酸化チタ
    ンから選ばれた少なくとも一つの配合材 3〜 50 重量部
    とを配合してなるドライエッチング装置に用いられる封
    止材用組成物であって、 前記配合材の平均粒径が 0.1〜30μm であり、前記組成
    物を加硫後の引張り強さが、前記配合材を配合しない加
    硫物の引張り強さより 10 %以上向上しており、前記組
    成物を加硫後の引張り強さと破断伸びとの積である抗張
    積の値が、17×103%・kgf/cm2以上であり、かつ前記引
    張り強さが 90kgf/cm2以上であり、前記組成物を加硫後
    の溶出または発生ダストからの金属イオン分が、ケイ
    素、アルミニウムおよびチタンを除いて実質的に検出さ
    れないことを特徴とする封止材用組成物。
  2. 【請求項2】 前記少なくともパーフルオロ重合体を含
    む弗素系弾性体は、フルオロオレフィンとパーフルオロ
    アルキルビニルエーテルとからそれぞれ誘導される繰り
    返し単位を有するパーフルオロ重合体 60 〜100 重量%
    と、該パーフルオロ重合体を除いた弗素系重合体 40 〜
    0 重量%とを混合してなることを特徴とする請求項1記
    載の封止材用組成物。
  3. 【請求項3】 前記少なくともパーフルオロ重合体を含
    む弗素系弾性体は、有機過酸化物と多価アリル化合物と
    を用いて加硫された弗素系弾性体であることを特徴とす
    る請求項1記載の封止材用組成物。
  4. 【請求項4】 弗素系弾性体を主成分とする封止材用組
    成物を成形してなるドライエッチング装置に用いられる
    封止材であって、前記封止材用組成物は、請求項1、請
    求項2または請求項3記載の封止材用組成物であること
    を特徴とするドライエッチング装置に用いられる封止
    材。
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