JP6086041B2 - 車両用エンジン回転数表示装置及び車両用エンジン回転数表示装置の制御方法 - Google Patents
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エンジン回転数信号は、エンジン回転の微小な変動やエンジン回転数センサの検出のばらつきも反映されて変動しているので、このエンジン回転数信号の変動をそのままエンジン回転数表示器に表示させると、エンジン回転数の表示が微小に変動し続けることになり、視認性が悪化するという問題が生じる。
そこで、このような視認性悪化を防止するために、エンジン回転数センサから出力されたエンジン回転数信号に対するエンジン回転数表示器の表示の応答性を敢えて低下させることが提案されている。
そこで、変速時においては、エンジン回転数表示器の表示の応答性を非変速時よりも上昇させることが提案されている。
一方、解放状態においては、ロックアップクラッチが解放されており、エンジンはタービンと機械的に連結されていないので、自動変速機のギア比の変更に伴ってトルクコンバータのタービンの回転数が変化しても、エンジン回転数はタービン回転数に敏速に追随せず、不安定且つ緩慢に変化する。
このように構成された本発明においては、車両の運転状態がロックアップ領域に含まれておらず、且つ、自動変速機の変速制御が行われているときに、エンジン回転数強制変化手段は、エンジン回転数を自動変速機の変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させ、応答性上昇手段は、エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に対するエンジン回転数表示手段の表示の応答性を、自動変速機の変速制御が行われていないときよりも上昇させるので、ドライバは、車両の運転状態がロックアップ領域に含まれていないときでも、変速時におけるエンジン回転数の鋭い変化を、エンジン回転数表示手段の表示の変化から視覚により感じ取ることができる。
このように構成された本発明においては、エンジン回転数強制変化手段は、ロックアップクラッチをロックアップ制御手段により締結制御させることにより、エンジン回転数を変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させるので、自動変速機の変速制御に伴ってトルクコンバータのタービンの回転数が変化したときに、ロックアップクラッチを介してタービンと連結されたエンジンの回転数を、タービン回転数に追随するように敏速に変化させることができ、これにより、変速時におけるエンジン回転数の鋭い変化を違和感なくエンジン回転数表示手段に表示させることができる。
このように構成された本発明においては、エンジン回転数強制変化手段は、ロックアップクラッチをロックアップ制御手段によってスリップ締結させることにより、エンジン回転数を変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させるので、自動変速機の変速時において、自動変速機の変速機構に供給される油圧の変動等によりトルクコンバータのタービン回転数が変動した場合においても、そのタービン回転数の変動をロックアップクラッチのスリップにより吸収させることができる。これにより、エンジン回転数強制変化手段がエンジン回転数を変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させるときに、エンジン回転数が不安定に変化することを抑制することができ、ドライバが違和感を感じることを防止することができる。
このように構成された本発明においては、エンジン回転数強制変化手段は、自動変速機の変速動作のフェーズがイナーシャフェーズであるときに、ロックアップ制御手段によりロックアップクラッチを締結制御させるので、ロックアップクラッチの締結制御が行われる期間を、エンジン回転数の敏速な変化が期待されるイナーシャフェーズに限定することができる。即ち、オイルポンプがロックアップクラッチに締結制御油圧を供給する期間を、ロックアップクラッチの締結制御の必要性が高い期間に限定することができるので、エンジン回転数強制変化手段がロックアップクラッチをロックアップ制御手段により締結制御させることに起因するオイルポンプの大型化を回避することができる。
また、応答性上昇手段は、自動変速機の変速動作のフェーズがイナーシャフェーズであるときに、エンジン回転数表示手段の表示の応答性を上昇させるので、エンジン回転数の敏速な変化が期待されるイナーシャフェーズにおいて、エンジン回転数表示手段の表示の応答性を高くすることができ、これにより、変速時におけるエンジン回転数の変化が際立つように、エンジン回転数をエンジン回転数表示手段に表示させることができる。
このように構成された本発明においては、手動変速操作手段に対して自動変速機の変速操作が行われたときに、エンジン回転数強制変化手段はロックアップ制御手段によりロックアップクラッチを締結制御させ、応答性上昇手段はエンジン回転数表示手段の表示の応答性を上昇させるので、自動変速機の変速によるエンジン回転数の変化がエンジン回転数表示手段に表示されることをドライバが期待しているときに、変速後の目標回転数に向かって強制的に変化するエンジン回転数を、高い応答性により変化が際立つようにエンジン回転数表示手段に表示させることができる。
まず、図1により、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両について説明する。図1は、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両の概略ブロック図である。
また、車両1には、トルクコンバータ16の出力軸の回転数(タービン回転数)を検出するタービン回転数センサ32、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセルポジションセンサ34、車両1の速度を検出する車速センサ36、自動変速機4にアップ変速を指令するためのマニュアル操作を受け付けるシフトアップスイッチ38、自動変速機4にダウン変速を指令するためのマニュアル操作を受け付けるシフトダウンスイッチ40、及び、自動変速機4を操作するためのセレクターのレンジを検出するレンジセンサ42が搭載されている。これらのセンサやスイッチから出力された信号は、コントロールユニット44に入力される。コントロールユニット44は、入力された信号に基づき、自動変速機4の変速機構18及びロックアップクラッチ24、エンジン2、オルタネータ12、エアコン14等を制御する。さらに、コントロールユニット44は、タコメータ制御部30がタコメータ28による表示を制御するときに参照する信号を、タコメータ制御部30に出力する。このコントロールユニット44は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
図3は、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両1のアップ変速時におけるエンジン回転数の変化と、エンジン回転数に対する応答性を変化させた場合にタコメータ28に表示されるエンジン回転数の変化を示す線図である。
この図3に示すように、タコメータ制御部30は、応答性フラグがONであるときには、応答性フラグがOFFであるときよりもタコメータ28の応答性を高くする。即ち、タコメータ制御部30は、応答性フラグがONであるとき、タコメータ28の指針を、応答性フラグがOFFであるときよりもエンジン回転数の変化に敏速に追随するように動作させる。
図4は、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置がロックアップクラッチの締結制御を行うロックアップ領域を、車速とアクセル開度とをパラメータとして示したマップである。この図4のマップにおいて、横軸は車速を示し、縦軸はアクセル開度を示している。
例えば、コントロールユニット44は、図4のマップにおいて、車速とアクセル開度とに対応する座標位置が点Aの位置であった場合には、車両1の現在の運転状態がロックアップクラッチ24の締結制御を行うロックアップ領域に含まれていないと判定し、車速とアクセル開度とに対応する座標位置が点Bの位置であった場合には、車両1の現在の運転状態がロックアップクラッチ24の締結制御を行うロックアップ領域に含まれていると判定する。
図5は、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置が行う表示制御処理のフローチャートである。また、図6は、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両1のアップ変速時におけるエンジン回転数及びタービン回転数の変化と、車両用エンジン回転数表示装置により設定される応答性フラグの変化とを示すタイミングチャートである。この図6において、横軸は時間を示し、縦軸は、エンジン回転数(実線及び破線)及びタービン回転数(一点鎖線)と、応答性フラグのON/OFFとを示している。
その結果、車両1が走行中ではない(車速が5km/h未満である)場合、自動変速機4の変速時におけるエンジン回転数の変化量が小さいので、タコメータ28の表示の応答性を上昇させる必要性は低いと考えられる。そこで、コントロールユニット44は、以降の処理をスキップし、ステップS1に戻る。
その結果、自動変速機4の変速制御が実行中ではない場合、エンジン回転数の変化速度が低いので、タコメータ28の表示の応答性を上昇させる必要性は低いと考えられる。そこで、コントロールユニット44は、以降の処理をスキップし、ステップS1に戻る。
例えば、アップ変速時には、図6に示すように、コントロールユニット44は、タービン回転数センサ32により検出されたタービン回転数が減少した場合にイナーシャフェーズであると判定する。
例えば、アップ変速時には、図6に示すように、コントロールユニット44は、タービン回転数センサ32により検出されたタービン回転数が減少から増加に転じた場合に、イナーシャフェーズが終了したと判定する。
その結果、イナーシャフェーズの終了後所定時間が経過していない場合、コントロールユニット44は、所定時間が経過するまでステップS9を繰り返す。
その後、コントロールユニット44は、ステップS1に戻る。
まず、図7により、本発明の実施形態の第1変形例による車両用エンジン回転数表示装置が行う表示制御処理について説明する。
図7は、本発明の実施形態の第1変形例による車両用エンジン回転数表示装置が行う表示制御処理のフローチャートである。
一方、変速制御が終了した場合、ステップS38に進み、コントロールユニット44は、ステップS37において変速制御が終了したと判定してから所定時間T1(例えば180msec)が経過したか否かを判定する。
図8は、本発明の実施形態の第2変形例による車両用エンジン回転数表示装置が行う表示制御処理のフローチャートである。
また、ステップS59において、コントロールユニット44がタコメータ制御部30の応答性フラグをOFFに設定した後、ステップS60において、エンジン2に駆動される補機類の制御を終了する。
図9は、本発明の実施形態の第3変形例による車両用エンジン回転数表示装置が行う表示制御処理のフローチャートである。
また、ステップS79において、コントロールユニット44がタコメータ制御部30の応答性フラグをOFFに設定した後、ステップS80において、エンジン2のトルクの制御を終了する。
また、コントロールユニット44及びタコメータ制御部30は、自動変速機4の変速動作のフェーズがイナーシャフェーズであるときに、タコメータ28の表示の応答性を上昇させるので、エンジン回転数の敏速な変化が期待されるイナーシャフェーズにおいて、タコメータ28の表示の応答性を高くすることができ、これにより、変速時におけるエンジン回転数の変化が際立つように、エンジン回転数をタコメータ28に表示させることができる。
2 エンジン
4 自動変速機
6 デファレンシャルギア
8 駆動輪
10 バッテリ
12 オルタネータ
14 エアコン
16 トルクコンバータ
18 変速機構
20 オイルポンプ
22 トーラス
24 ロックアップクラッチ
26 エンジン回転数センサ
28 タコメータ
30 タコメータ制御部
32 タービン回転数センサ
34 アクセルポジションセンサ
36 車速センサ
38 シフトアップスイッチ
40 シフトダウンスイッチ
42 レンジセンサ
44 コントロールユニット
Claims (6)
- エンジンと、このエンジンに連結されたロックアップクラッチ付のトルクコンバータを備えた自動変速機と、この自動変速機を制御する自動変速機制御手段と、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、この運転状態検出手段により検出された車両の運転状態が、上記ロックアップクラッチの締結制御を行うロックアップ領域に含まれているか否かを判定するロックアップ領域判定手段と、このロックアップ領域判定手段により、上記車両の運転状態がロックアップ領域に含まれていると判定されたとき、上記ロックアップクラッチの締結制御を行うロックアップ制御手段とを有する車両のエンジン回転数を表示する車両用エンジン回転数表示装置であって、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
エンジン回転数を表示するエンジン回転数表示手段と、
上記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に基づき、上記エンジン回転数表示手段による表示を制御する表示制御手段と、を有し、
上記表示制御手段は、
上記ロックアップ領域判定手段により上記車両の運転状態がロックアップ領域に含まれていないと判定され、且つ、上記自動変速機制御手段により上記自動変速機の変速制御が行われているときに、エンジン回転数を、上記自動変速機の変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させるエンジン回転数強制変化手段と、
上記ロックアップ領域判定手段により上記車両の運転状態がロックアップ領域に含まれていないと判定され、且つ、上記自動変速機制御手段により上記自動変速機の変速制御が行われているときに、上記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に対する上記エンジン回転数表示手段の表示の応答性を、上記自動変速機の変速制御が行われていないときよりも上昇させる応答性上昇手段と、
を備えることを特徴とする車両用エンジン回転数表示装置。 - 上記エンジン回転数強制変化手段は、エンジン回転数を上記変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させるように、上記ロックアップクラッチを上記ロックアップ制御手段により締結制御させる請求項1に記載の車両用エンジン回転数表示装置。
- 上記エンジン回転数強制変化手段は、エンジン回転数を上記変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させるように、上記ロックアップクラッチを上記ロックアップ制御手段によりスリップ締結させる請求項2に記載の車両用エンジン回転数表示装置。
- 上記車両用エンジン回転数表示装置は、エンジンにより駆動され上記ロックアップクラッチに締結制御油圧を供給するオイルポンプを備えた上記自動変速機を有する車両のエンジン回転数を表示するものであって、
上記表示制御手段は、上記自動変速機制御手段により上記自動変速機の変速制御が行われているときに、上記自動変速機の変速動作のフェーズがイナーシャフェーズであるか否かを判定するイナーシャフェーズ判定手段を有し、
上記エンジン回転数強制変化手段は、上記イナーシャフェーズ判定手段により、上記自動変速機の変速動作のフェーズがイナーシャフェーズであると判定されたときに、エンジン回転数を上記変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させるように、上記ロックアップ制御手段により上記ロックアップクラッチを締結制御させ、
上記応答性上昇手段は、上記イナーシャフェーズ判定手段により、上記自動変速機の変速動作のフェーズがイナーシャフェーズであると判定されたときに、上記エンジン回転数表示手段の表示の応答性を上昇させる請求項2又は3に記載の車両用エンジン回転数表示装置。 - 上記車両用エンジン回転数表示装置は、ドライバが上記自動変速機の変速操作を行うための手動変速操作手段を有する車両のエンジン回転数を表示するものであって、
上記エンジン回転数強制変化手段は、上記手動変速操作手段に対して上記自動変速機の変速操作が行われたときに、エンジン回転数を上記変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させるように、上記ロックアップクラッチを上記ロックアップ制御手段により締結制御させ、
上記応答性上昇手段は、上記手動変速操作手段に対して上記自動変速機の変速操作が行われたときに、上記エンジン回転数表示手段の表示の応答性を上昇させる請求項2乃至4の何れか1項に記載の車両用エンジン回転数表示装置。 - エンジンと、このエンジンに連結されたロックアップクラッチ付のトルクコンバータを備えた自動変速機と、この自動変速機を制御する自動変速機制御手段と、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、この運転状態検出手段により検出された車両の運転状態が、上記ロックアップクラッチの締結制御を行うロックアップ領域に含まれているか否かを判定するロックアップ領域判定手段と、このロックアップ領域判定手段により、上記車両の運転状態がロックアップ領域に含まれていると判定されたとき、上記ロックアップクラッチの締結制御を行うロックアップ制御手段とを有する車両用エンジン回転数表示装置の制御方法であって、
エンジン回転数を検出するステップと、
上記検出されたエンジン回転数に基づき、上記エンジン回転数表示装置による表示を制御するステップと、を有し、
上記エンジン回転数表示装置による表示を制御するステップは、
上記ロックアップ領域判定手段により上記車両の運転状態がロックアップ領域に含まれていないと判定され、且つ、上記自動変速機制御手段により上記自動変速機の変速制御が行われているときに、エンジン回転数を、上記自動変速機の変速後の目標回転数に向かって強制的に変化させるステップと、
上記ロックアップ領域判定手段により上記車両の運転状態がロックアップ領域に含まれていないと判定され、且つ、上記自動変速機制御手段により上記自動変速機の変速制御が行われているときに、上記検出されたエンジン回転数に対する上記エンジン回転数表示装置の表示の応答性を、上記自動変速機の変速制御が行われていないときよりも上昇させるステップと、
を有することを特徴とする車両用エンジン回転数表示装置の制御方法。
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