JP6086040B2 - 車両用エンジン回転数表示装置及び車両用エンジン回転数表示装置の制御方法 - Google Patents
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Description
エンジン回転数信号は、エンジン回転の微小な変動やエンジン回転数センサの検出のばらつきも反映されて変動しているので、このエンジン回転数信号の変動をそのままエンジン回転数表示器に表示させると、エンジン回転数の表示が微小に変動し続けることになり、視認性が悪化するという問題が生じる。
そこで、このような視認性悪化を防止するために、エンジン回転数センサから出力されたエンジン回転数信号に対するエンジン回転数表示器の表示の応答性を敢えて低下させることが提案されている。
また、上述した特許文献2の装置は、所定の変速指令があったときにタコメータの表示応答性を上昇させるものであり、変速指令による変速開始時から変速終了時までの全期間にわたりタコメータの表示応答性を上昇させる。すなわち、変速によりエンジン回転数が変化する期間以外の期間においても表示応答性が上昇するので、変速によるエンジン回転数の変化が際立たないという問題が生じる。
従って、これらの従来の装置では、変速時における鋭い変化が際立つようにエンジン回転数をエンジン回転数表示器に表示させることが困難である。
このように構成された本発明においては、応答性上昇手段は、自動変速機の変速制御が開始された後、軸回転数検出手段により検出された所定軸の回転数が、自動変速機の変速後の目標回転数に向かう第1方向に変化した場合に、検出されたエンジン回転数に対するエンジン回転数表示手段の表示の応答性を、自動変速機の変速制御が行われていないときよりも上昇させるので、自動変速機の変速時においてエンジン回転数が変化する期間におけるエンジン回転数表示手段の表示の応答性を、自動変速機の変速制御が行われていないときの応答性と比較して高くすることができ、これにより、変速時におけるエンジン回転数の変化が際立つように、エンジン回転数をエンジン回転数表示手段に表示させることができる。これにより、ドライバは、変速時におけるエンジン回転数の鋭い変化を、エンジン回転数表示手段の表示の変化から視覚により感じ取ることができる。
また、応答性復帰手段は、エンジン回転数表示手段の表示の応答性が上昇した後、所定軸の回転数が、第1方向とは逆方向の第2方向に変化した場合に、エンジン回転数表示手段の表示の応答性を上昇前の応答性に復帰させ、応答性上昇抑制手段は、エンジン回転数表示手段の表示の応答性が上昇前の応答性に復帰した後、自動変速機の変速制御が終了していないと判定されている場合、エンジン回転数表示手段の表示の応答性の上昇を抑制するので、自動変速機の変速制御中に所定軸の回転数が増減した場合においても、エンジン回転数表示手段の表示の応答性が頻繁に変更されることを抑制でき、これにより、ドライバが違和感を感じることを防止できる。
このように構成された本発明においては、応答性上昇抑制手段は、エンジン回転数表示手段の表示の応答性が上昇前の応答性に復帰した後、自動変速機の変速制御が終了していないと判定されている場合、応答性上昇手段によるエンジン回転数表示手段の表示の応答性の上昇を禁止するので、自動変速機の変速制御中に所定軸の回転数が増減した場合においても、エンジン回転数表示手段の表示の応答性が頻繁に変更されることを防止でき、これにより、ドライバが違和感を感じることを確実に防止できる。
まず、図1により、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両について説明する。図1は、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両の概略ブロック図である。
また、車両1には、トルクコンバータ16の出力軸の回転数(タービン回転数)を検出するタービン回転数センサ32、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルポジションセンサ34、車両1の速度を検出する車速センサ36、自動変速機4にアップ変速を指令するためのマニュアル操作を受け付けるシフトアップスイッチ38、自動変速機4にダウン変速を指令するためのマニュアル操作を受け付けるシフトダウンスイッチ40、及び、自動変速機4を操作するためのセレクターのレンジを検出するレンジセンサ42が搭載されている。これらのセンサやスイッチから出力された信号は、コントロールユニット44に入力される。コントロールユニット44は、入力された信号に基づき、自動変速機4の変速機構18及びロックアップクラッチ24、エンジン2、オルタネータ12、エアコン14等を制御する。さらに、コントロールユニット44は、タコメータ制御部30がタコメータ28による表示を制御するときに参照する信号を、タコメータ制御部30に出力する。このコントロールユニット44は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
図3は、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両1のアップ変速時におけるエンジン回転数の変化と、エンジン回転数に対する応答性を変化させた場合にタコメータ28に表示されるエンジン回転数の変化を示す線図である。
この図3に示すように、タコメータ制御部30は、応答性フラグがONであるときには、応答性フラグがOFFであるときよりもタコメータ28の応答性を高くする。即ち、タコメータ制御部30は、応答性フラグがONであるとき、タコメータ28の指針を、応答性フラグがOFFであるときよりもエンジン回転数の変化に敏速に追随するように動作させる。
図4は、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置が行う表示制御処理のフローチャートであり、図5は、本発明の実施形態による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両1のアップ変速時におけるエンジン回転数及びタービン回転数の変化と、車両用エンジン回転数表示装置により設定される応答性フラグの変化とを示すタイミングチャートである。この図5において、横軸は時間を示し、縦軸は、エンジン回転数(実線)及びタービン回転数(一点鎖線)と、応答性フラグのON/OFFとを示している。
その結果、車両1が走行中ではない(車速が5km/h未満である)場合、自動変速機4の変速時におけるエンジン回転数の変化量が小さいので、タコメータ28の表示の応答性を上昇させる必要性は低いと考えられる。そこで、コントロールユニット44は、以降の処理をスキップし、ステップS1に戻る。
その結果、自動変速機4の変速制御が実行中ではない場合、エンジン回転数の変化速度が低いので、タコメータ28の表示の応答性を上昇させる必要性は低いと考えられる。そこで、コントロールユニット44は、以降の処理をスキップし、ステップS1に戻る。
例えば、アップ変速時には、図5においてP1により示すように、コントロールユニット44は、エンジン回転数センサ26により検出されたエンジン回転数が減少した場合に、エンジン回転数が変速方向に変化したと判定する。
例えば、アップ変速時には、図5においてP2により示すように、コントロールユニット44は、エンジン回転数センサ26により検出されたエンジン回転数が増加した場合に、自動変速機4の変速後の目標回転数に向かう変速方向のエンジン回転数の変化が終了したと判定する。
その結果、自動変速機4の変速後の目標回転数に向かう変速方向のエンジン回転数の変化が終了した後、所定時間T1が経過していない場合、コントロールユニット44は、所定時間が経過するまでステップS7を繰り返す。
例えば、図5に示すように、ステップS8においてタコメータ制御部30の応答性フラグがOFFにされた後、エンジン回転数が自動変速機4の変速後の目標回転数に向かう変速方向に変化していても、コントロールユニット44は、タコメータ制御部30の応答性フラグを再度ONに設定しない。即ち、ステップS8において、タコメータ28の表示の応答性が上昇前の応答性に復帰した後、自動変速機4の変速制御が終了するまでの間、タコメータ制御部30がタコメータ28の表示の応答性を再度上昇させることは禁止される。
まず、図6により、変形例のタコメータ制御部30によるタコメータ28の表示制御について説明する。図6は、本発明の実施形態の変形例による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両のアップ変速時におけるエンジン回転数の変化と、エンジン回転数に対する応答性を変化させた場合にタコメータに表示されるエンジン回転数の変化を示す線図である。
図6に示すように、タコメータ制御部30は、応答性フラグが高であるときにタコメータ28の応答性が最も高く、応答性フラグが低であるときにタコメータ28の応答性が最も低く、応答性フラグが中であるときにタコメータ28の応答性が高と低の中間になるようにする。即ち、タコメータ制御部30は、応答性フラグが高、中、低の順に、タコメータ28の指針をエンジン回転数の変化に敏速に追随するように動作させる。
図7は、本発明の実施形態の変形例による車両用エンジン回転数表示装置が行う表示制御処理のフローチャートであり、図8は、本発明の実施形態の変形例による車両用エンジン回転数表示装置を搭載した車両のアップ変速時におけるエンジン回転数及びタービン回転数の変化と、車両用エンジン回転数表示装置により設定されるフラグの変化とを示すタイミングチャートである。この図8において、横軸は時間を示し、縦軸は、エンジン回転数(実線)及びタービン回転数(一点鎖線)と、応答性フラグの低/中/高とを示している。
例えば、アップ変速時には、図8においてP2により示すように、コントロールユニット44は、エンジン回転数センサ26により検出されたエンジン回転数が増加した場合に、自動変速機4の変速後の目標回転数に向かう変速方向のエンジン回転数の変化が終了したと判定する。
その結果、自動変速機4の変速後の目標回転数に向かう変速方向のエンジン回転数の変化が終了した後、所定時間T1が経過していない場合、コントロールユニット44は、所定時間が経過するまでステップS17を繰り返す。
例えば、アップ変速時には、図8においてP3により示すように、コントロールユニット44は、エンジン回転数センサ26により検出されたエンジン回転数が減少している場合に、エンジン回転数が変速方向に変化していると判定する。
また、コントロールユニット44及びタコメータ制御部30は、タコメータ28の表示の応答性が上昇した後、エンジン回転数が、変速方向とは逆方向に変化した場合に、タコメータ28の表示の応答性を上昇前の応答性に復帰させ、さらに、タコメータ28の表示の応答性が上昇前の応答性に復帰した後、自動変速機4の変速制御が終了していないと判定されている場合、タコメータ28の表示の応答性の上昇を抑制するので、自動変速機4の変速制御中にエンジン回転数が増減した場合においても、タコメータ28の表示の応答性が頻繁に変更されることを抑制でき、これにより、ドライバが違和感を感じることを防止できる。
2 エンジン
4 自動変速機
6 デファレンシャルギア
8 駆動輪
10 バッテリ
12 オルタネータ
14 エアコン
16 トルクコンバータ
18 変速機構
20 オイルポンプ
22 トーラス
24 ロックアップクラッチ
26 エンジン回転数センサ
28 タコメータ
30 タコメータ制御部
32 タービン回転数センサ
34 アクセルポジションセンサ
36 車速センサ
38 シフトアップスイッチ
40 シフトダウンスイッチ
42 レンジセンサ
44 コントロールユニット
Claims (3)
- エンジンと、このエンジンに連結されたトルクコンバータを備えた自動変速機と、この自動変速機を制御する自動変速機制御手段と、を有する車両のエンジン回転数を表示する車両用エンジン回転数表示装置であって、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
エンジン回転数を表示するエンジン回転数表示手段と、
上記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に基づき、上記エンジン回転数表示手段による表示を制御する表示制御手段と、
上記自動変速機の変速により回転数が変化する所定軸の回転数を検出する軸回転数検出手段と、を有し、
上記表示制御手段は、
上記自動変速機制御手段による上記自動変速機の変速制御が終了したか否かを判定する変速終了判定手段と、
上記自動変速機制御手段により上記自動変速機の変速制御が開始された後、上記軸回転数検出手段により検出された所定軸の回転数が、上記自動変速機の変速後の目標回転数に向かう第1方向に変化した場合に、上記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に対する上記エンジン回転数表示手段の表示の応答性を、上記自動変速機の変速制御が行われていないときよりも上昇させる応答性上昇手段と、
上記応答性上昇手段が上記エンジン回転数表示手段の表示の応答性を上昇させているときに、上記軸回転数検出手段により検出された所定軸の回転数が、上記第1方向とは逆方向の第2方向に変化した場合に、上記エンジン回転数表示手段の表示の応答性を、上記応答性上昇手段により上昇する前の応答性に復帰させる応答性復帰手段と、
上記応答性復帰手段により上記エンジン回転数表示手段の表示の応答性が復帰した後、上記変速終了判定手段により、上記自動変速機制御手段による上記自動変速機の変速制御が終了していないと判定されている場合、上記応答性上昇手段による上記エンジン回転数表示手段の表示の応答性の上昇を抑制する応答性上昇抑制手段と、
を備えることを特徴とする車両用エンジン回転数表示装置。 - 上記応答性上昇抑制手段は、上記応答性上昇手段による上記エンジン回転数表示手段の表示の応答性の上昇を禁止する請求項1に記載の車両用エンジン回転数表示装置。
- エンジンと、このエンジンに連結されたトルクコンバータを備えた自動変速機と、この自動変速機を制御する自動変速機制御手段と、を有する車両用エンジン回転数表示装置の制御方法であって、
エンジン回転数を検出するステップと、
上記検出されたエンジン回転数に基づき、上記エンジン回転数表示装置による表示を制御するステップと、
上記自動変速機の変速により回転数が変化する所定軸の回転数を検出するステップと、を有し、
上記エンジン回転数表示装置による表示を制御するステップは、
上記自動変速機制御手段による上記自動変速機の変速制御が終了したか否かを判定する変速終了判定ステップと、
上記自動変速機制御手段により上記自動変速機の変速制御が開始された後、上記検出された所定軸の回転数が、上記自動変速機の変速後の目標回転数に向かう第1方向に変化した場合に、上記検出されたエンジン回転数に対する上記エンジン回転数表示装置の表示の応答性を、上記自動変速機の変速制御が行われていないときよりも上昇させるステップと、
上記エンジン回転数表示装置の表示の応答性を上昇させているときに、上記検出された所定軸の回転数が、上記第1方向とは逆方向の第2方向に変化した場合に、上記エンジン回転数表示装置の表示の応答性を、上記上昇する前の応答性に復帰させるステップと、
上記エンジン回転数表示装置の表示の応答性が復帰した後、上記自動変速機制御手段による上記自動変速機の変速制御が終了していないと判定されている場合、上記エンジン回転数表示装置の表示の応答性の上昇を抑制するステップと、
を有することを特徴とする車両用エンジン回転数表示装置の制御方法。
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