ところで、水分を嫌う製品を取り扱うために厳しい湿度管理が行われるドライクリーンルームなどでは、低露点の空気を供給することが求められる。そこで、上述した調湿装置では、図13に示すように、蒸発器となる吸着熱交換器において冷媒の蒸発温度を低くすることにより、供給空気(出口空気)の露点を低くすることができる。しかしながら、冷媒の蒸発温度を低くすると、冷媒回路において蒸発温度と凝縮温度の差が大きくなるので、冷凍サイクルのCOP(成績係数)が低下するという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸着剤が設けられた熱交換器を有する調湿装置において、COPの低下を抑制しつつ、供給空気(除湿空気)の露点を低下させることにある。
第1の発明は、圧縮機構(22,22a,22b)と吸着剤が設けられて空気が通過する2つの吸着熱交換部とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(21,21a,21b)と、該冷媒回路(21,21a,21b)における冷媒の循環方向を切り換えて、上記各吸着熱交換部で冷媒の凝縮動作と蒸発動作を交互に行わせる切換機構(23,23a,23b)とを備え、蒸発動作を行う上記吸着熱交換部を通過する際に除湿された空気を室内へ供給する除湿装置を対象としている。そして、上記各吸着熱交換部は、蒸発動作時に、空気流れの入口側から出口側に向かって冷媒の蒸発温度が段階的に低くなるように構成されているものである。
上記第1の発明では、切換機構(23,23a,23b)によって冷媒回路(21,21a,21b)の冷媒の循環方向が切り換わることで、2つの吸着熱交換部が凝縮器と蒸発器とに交互に切り換わる。蒸発器となった吸着熱交換部では、通過する空気に含まれる水分が吸着剤に吸着されて空気が除湿され、室内へ供給される。凝縮器となった吸着熱交換部では、加熱された吸着剤が空気へ水分を放出して再生する。
蒸発器となった吸着熱交換部では、冷媒の蒸発温度が空気の入口側から段階的に低くなっているので、空気の出口側の蒸発温度を空気が必要な露点になるように設定することにより、吸着熱交換部の全体の蒸発温度を一定に低くすることなく、必要な露点の空気を室内へ供給することが可能である。
また、第1の発明は、上記冷媒回路は、それぞれ、圧縮機構(22a,22b)と吸着剤が設けられた2つの吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う複数の冷媒回路(21a,21b)である。そして、上記切換機構(23a,23b)は、上記各冷媒回路(21a,21b)における冷媒の循環方向を切り換えて該冷媒回路の上記2つの吸着熱交換器で冷媒の凝縮動作と蒸発動作を交互に行わせるものである。また、上記複数の冷媒回路(21a,21b)は、上記吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)の蒸発動作時の冷媒の蒸発温度が互いに異なるように構成されている。そして、上記各吸着熱交換部は、上記複数の冷媒回路(21a,21b)の各一の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)が一組となって構成されると共に、蒸発動作時に空気が上記一組となった複数の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を冷媒の蒸発温度の高い吸着熱交換器(24a,26a)から順に通過するように構成されているものである。
上記第1の発明では、例えば2つの冷媒回路(21a,21b)を備えている場合、一方の冷媒回路(21a)の蒸発温度が他方の冷媒回路(21b)の蒸発温度よりも高くなっており、蒸発温度の高い側の吸着熱交換器(24a,26a)から蒸発温度の低い側の吸着熱交換器(24b,26b)の順に空気が通過する。この場合、蒸発温度が最も低い冷媒回路(21b)の蒸発温度を空気が必要な露点になるように設定することにより、吸着熱交換部の全体の蒸発温度を一定に低くすることなく、必要な露点の空気を室内へ供給することが可能である。
第2の発明は、圧縮機構(22,22a,22b)と吸着剤が設けられて空気が通過する2つの吸着熱交換部とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(21,21a,21b)と、該冷媒回路(21,21a,21b)における冷媒の循環方向を切り換えて、上記各吸着熱交換部で冷媒の凝縮動作と蒸発動作を交互に行わせる切換機構(23,23a,23b)とを備え、蒸発動作を行う上記吸着熱交換部を通過する際に除湿された空気を室内へ供給する除湿装置を対象としている。そして、上記各吸着熱交換部は、蒸発動作時に、空気流れの入口側から出口側に向かって冷媒の蒸発温度が段階的に低くなるように構成されているものである。
また、第2の発明は、上記冷媒回路(21)は、吸着剤が設けられた2つの吸着熱交換器(24a,26a)を有し、一端が上記圧縮機構(22)の吐出側に他端が該圧縮機構(22)における圧縮途中の中間圧部分に接続された第1回路(2a)と、吸着剤が設けられた2つの吸着熱交換器(24b,26b)を有し、一端が上記圧縮機構(22)の吐出側に他端が該圧縮機構(22)の吸入側に接続された第2回路(2b)とを備えている。そして、上記切換機構(23a,23b)は、上記第1回路(2a)および第2回路(2b)の冷媒の循環方向を切り換えて上記各回路(2a,2b)の上記2つの吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)で冷媒の凝縮動作と蒸発動作を交互に行わせるものである。また、上記冷媒回路(21)は、上記第2回路(2b)における吸着熱交換器(24b,26b)の蒸発動作時の冷媒の蒸発温度が上記第1回路(2a)における吸着熱交換器(24a,26a)の蒸発動作時の冷媒の蒸発温度よりも低くなるように構成されている。そして、上記各吸着熱交換部は、上記第1回路(2a)および第2回路(2b)の各一の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)が一組となって構成されると共に、蒸発動作時に空気が上記第1回路(2a)の吸着熱交換器(24a,26a)、上記第2回路(2b)の吸着熱交換器(24b,26b)の順に通過するように構成されているものである。
上記第2の発明では、切換機構(23a,23b)によって第1回路(2a)および第2回路(2b)のそれぞれの冷媒の循環方向が切り換わることで、各回路(2a,2b)において2つの吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)が凝縮器と蒸発器とに交互に切り換わる。空気は、蒸発温度の高い側の第1回路(2a)の吸着熱交換器(24a,26a)から蒸発温度の低い側の第2回路(2b)の吸着熱交換器(24b,26b)へ通過して室内へ供給される。この場合、蒸発温度が低い第2回路(2b)の蒸発温度を空気が必要な露点になるように設定することにより、吸着熱交換部の全体の蒸発温度を一定に低くすることなく、必要な露点の空気を室内へ供給することが可能である。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記各吸着熱交換部は、凝縮動作時に空気が上記一組となった複数の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を順に通過するように構成されている。そして、上記複数の冷媒回路(21a,21b)のうち、凝縮動作を行う上記吸着熱交換部において空気が最後に通過する上記吸着熱交換器(24a,26a)が接続された冷媒回路(21a)は、上記圧縮機構(22a)の吐出側と上記吸着熱交換器(24a,26a)との間に接続され、凝縮動作を行う上記吸着熱交換部の上記複数の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を通過する空気が該通過前に冷媒と熱交換する加熱熱交換器(27)を有しているものである。
上記第3の発明では、加熱熱交換器(27)で加熱された空気が凝縮器の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)へ流れるので、その吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)における吸着剤の再生能力が高くなる。そのため、蒸発器となった吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)では吸着剤の吸着能力が高くなり、空気の必要な露点をより確保しやすくなる。
第4の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、上記各吸着熱交換部が、凝縮動作時に、冷媒の蒸発温度の高い側から低い側に向かって冷媒の凝縮温度が段階的に高くなるように構成されているものである。
上記第4の発明では、吸着熱交換部において凝縮温度が高い部分は吸着剤の再生能力が高い。そのため、蒸発器となった吸着熱交換部では、蒸発温度の最も低い側において吸着剤が最も再生しているので通過する空気の水分がより吸着剤に吸着される。つまり、蒸発器となった吸着熱交換部では蒸発温度の低い側において吸着剤の吸着能力が増加する。
第5の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、上記各吸着熱交換部が、空気流れの向きが蒸発動作時と凝縮動作時とで反対となるように構成されているものである。
上記第5の発明に係る吸着熱交換部は、蒸発器として機能する場合には空気の出口側(蒸発温度が最も低い側)であった部分が、凝縮器として機能する場合には空気の入口側となる。凝縮器となった吸着熱交換部では、空気の入口側を通過する空気が最も水分を含んでいないので、吸着剤から空気へ水分を放出しやすくなる。つまり、凝縮器となった吸着熱交換部では空気の入口側が最も吸着剤の再生能力が高くなる。その結果、蒸発器となった吸着熱交換部では蒸発温度の低い側(空気の出口側)において吸着剤の吸着能力が増加する。
以上説明したように、本発明によれば、蒸発動作時の吸着熱交換部において空気流れの入口側から出口側に向かって冷媒の蒸発温度が段階的に低くなるように構成したため、吸着熱交換部の全体において蒸発温度を一定に低くすることなく、必要な露点の空気(除湿空気)を室内へ供給することが可能である。吸着熱交換部の全体において蒸発温度を一定に低くしなくてもよいため、冷凍サイクルにおける蒸発温度と凝縮温度の差が大きくなるのを抑制することができる。そのため、圧縮機構(22,22a,22b)の入力が高くなるのを抑えることができ、冷凍サイクルのCOP(成績係数)の低下を抑制することができる。
また、吸着熱交換部では吸着剤に吸着される水分量には限界があるところ、仮に空気の出口側と同様に入口側も蒸発温度を低くした場合、吸着剤による吸着動作だけでは冷媒の冷熱を使い切れず、余った冷熱が空気の温度を低下させることに使われてしまう。つまり、蒸発器における冷熱が空気の潜熱処理だけでなく空気の顕熱処理に使われてしまう。ところが、本発明では、吸着熱交換部の空気の入口側では蒸発温度を低くしないため、むやみに顕熱処理を行って圧縮機構(22,22a,22b)の入力が高くなるのを抑えることができる。
また、吸着熱交換部に流入する空気(即ち、空気の入口側を流れる空気)は除湿される前であるため多くの水分を含んでいる。したがって、上述したように仮に空気の出口側と同様に入口側も蒸発温度を低くした場合、空気の温度が低下して結露が生じやすくなる。ところが、本発明では、吸着熱交換部の空気の入口側では蒸発温度を低くしないため、そのような結露の発生を抑制することもできる。
第3の発明によれば、複数の冷媒回路(21a,21b)のうち、凝縮動作を行う吸着熱交換部において空気が最後に通過する吸着熱交換器(24a,26a)が接続された冷媒回路(21a)において、圧縮機構(22a)の吐出側と吸着熱交換器(24a,26a)との間に加熱熱交換器(27)を設け、該加熱熱交換器(27)を通過した後の空気を凝縮動作を行う複数の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)へ順に通過させるようにしたため、その吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)における吸着剤の再生能力を高めることができる。その結果、蒸発器となった吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)では吸着剤の吸着能力が高くなり、空気を必要な露点までより確実に低下させることができる。
また、空気が最後に通過する凝縮器の吸着熱交換器(24a,26a)では、通過する空気が上流側の吸着熱交換器(24b,26b)で既に加熱されて昇温しているため、空気を昇温するための必要熱量が少なくてすむ。そのため、空気が最後に通過する凝縮器の吸着熱交換器(24a,26a)が接続された冷媒回路(21a)では、余剰の熱量が発生し、その熱量を加熱熱交換器(27)に用いることにより、加熱熱交換器(27)で空気を十分に加熱して昇温させることが可能である。これによって、凝縮器の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を通過する前の空気を効果的に昇温させることができる。したがって、凝縮器の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)における再生能力を効果的に高めることができ、その結果、蒸発器の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)における吸着能力を効果的に高めることができる。
第4の発明によれば、吸着熱交換部において冷媒の蒸発温度の高い側から低い側に向かって冷媒の凝縮温度が段階的に高くなるように構成したため、蒸発器となった吸着熱交換部において蒸発温度の低い側の吸着剤の吸着能力を増加させることが可能である。その結果、蒸発器となった吸着熱交換部では、空気の出口側において水分がより多く吸着されて空気を必要な露点まで確実に低下させることができる。
第5の発明によれば、吸着熱交換部において空気流れの向きを蒸発動作時と凝縮動作時とで反対となるように構成したため、蒸発器となった吸着熱交換部では蒸発温度の低い側(空気の出口側)において吸着剤の吸着能力を増加させることができる。その結果、蒸発器となった吸着熱交換部では、空気の出口側において水分がより多く吸着されて空気を必要な露点まで確実に低下させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態は、室内(S)の湿度を調節する調湿装置(10)に関するものである。本実施形態において、湿度調整の対象となる室内(S)は、低露点空気が求められるリチウム電池の製造ラインに設けられるドライクリーンルームであり、調湿装置(10)は、室外空気(OA)を除湿して低露点の空気とし、この空気を給気(SA)として室内へ供給するように構成されている。
図1に示すように、調湿装置(10)は、室外と室内とを接続する給気通路(40)と、該給気通路(40)の中途部と室外とを接続する排気通路(50)とを備えている。この給気通路(40)と排気通路(50)によって空気通路が構成され、該空気通路には、第1除湿ユニット(60)と第2除湿ユニット(20)とが、室外空気の入口側から順に配置されている。2つの除湿ユニット(60,20)の詳細な構成については後述するが、第1除湿ユニット(60)は、後述する冷媒回路(70a)に接続された外気冷却熱交換器(61)を有して冷却除湿を行う(図2参照)。一方、第2除湿ユニット(20)は、本発明に係る除湿装置を構成しており、後述する2つの冷媒回路(21a,21b)に接続された吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を有して吸着除湿を行う(図3参照)。
給気通路(40)は、流入端が室外に開口する一方、流出端が室内において開口している。給気通路(40)には、第1除湿ユニット(60)と、第2除湿ユニット(20)と、空気を室内へ搬送するための給気ファン(63)と、再熱熱交換器(64)とが、流入端から流出端に向かって順に設けられている。給気通路(40)は、室外空気(OA)を取り込み、第1除湿ユニット(60)および第2除湿ユニット(20)において除湿して給気(SA)として室内へ供給する。
排気通路(50)は、流入端が給気通路(40)の第1除湿ユニット(60)と第2除湿ユニット(20)との間に接続される一方、流出端が室外において開口している。排気通路(50)には、第2除湿ユニット(20)と、空気を室外へ放出するための排気ファン(66)とが設けられている。排気通路(50)は、給気通路(40)の一部の室外空気(OA)を取り込み、第2除湿ユニット(20)において吸着剤を再生させて排気(EA)として室外へ排出する。
〈第1除湿ユニットの構成〉
図2に示すように、第1除湿ユニット(60)は、1つの閉回路を冷媒が循環する一元冷凍サイクル式の冷媒回路(70a)を備えている。
冷媒回路(70a)には、圧縮機構(80)が接続されている。圧縮機構(80)は、ロータリー式、スイング式、スクロール式等の回転式流体機械である。圧縮機構(80)は、インバータ回路によって運転周波数が調節される可変容量式に構成されている。ここで説明した圧縮機構(80)の構成は、後述する第2除湿ユニット(20)の圧縮機構(22a,22b)についても同様である。
圧縮機構(80)の吐出側は、第1吐出ライン(71)と第2吐出ライン(72)とに分岐している。第1吐出ライン(71)には、上流側から下流側に向かって順に、再熱熱交換器(64)、および第1膨張弁(82)が接続されている。第2吐出ライン(72)には、上流側から下流側に向かって順に、凝縮圧力調整熱交換器(83)と第2膨張弁(84)とが接続されている。凝縮圧力調整熱交換器(83)の近傍には、室外空気を送風する室外ファン(85)が設けられている。
圧縮機構(80)の吸入側は、第1吸入ライン(73)と第2吸入ライン(74)とに分岐している。第1吸入ライン(73)には、外気冷却熱交換器(61)が接続されている。第2吸入ライン(74)には、上流側から下流側に向かって順に、第3膨張弁(87)と蒸発圧力調整熱交換器(88)とが接続されている。蒸発圧力調整熱交換器(88)の近傍には、室外空気を送風する室外ファン(89)が設けられている。
各吐出ライン(71,72)の流出端と各吸入ライン(73,74)の流入端との間には、1本の合流管(75)が接続されている。合流管(75)には、気液分離器(79)が設けられる。気液分離器(79)の気相部には、インジェクション管(76)の流入端が接続している。インジェクション管(76)の流出端は、圧縮機構(80)の吸入管に接続している。インジェクション管(76)には、第4膨張弁(91)が設けられる。
再熱熱交換器(64)および凝縮圧力調整熱交換器(83)は、冷媒が空気へ放熱して凝縮する凝縮器を構成する。外気冷却熱交換器(61)および蒸発圧力調整熱交換器(88)は、冷媒が空気から吸熱して蒸発する蒸発器を構成する。上述した各膨張弁(82,84,87,91)は、例えば電子膨張弁であり、冷媒の圧力を調整する減圧機構を構成している。
外気冷却熱交換器(61)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器によって構成され、室外空気を冷却して除湿する。外気冷却熱交換器(61)の近傍には、ドレンパン(62)が設けられている(図1参照)。ドレンパン(62)は、例えば、外気冷却熱交換器(61)の下方に設けられて上面が開口する容器によって構成され、外気冷却熱交換器(61)で凝縮した水を回収する。
〈第2除湿ユニットの構成〉
図3に示すように、上記第2除湿ユニット(20)は、2つの冷媒回路(21a,21b)を備えている。第1冷媒回路(21a)は、圧縮機構(22a)と、四方切換弁(23a)と、第1吸着熱交換器(24a)と、膨張弁(25a)と、第3吸着熱交換器(26a)とが接続されて閉回路を構成している。第2冷媒回路(21b)は、圧縮機構(22b)と、切換機構である四方切換弁(23b)と、第2吸着熱交換器(24b)と、膨張弁(25b)と、第4吸着熱交換器(26b)とが接続されて閉回路を構成している。各冷媒回路(21a,21b)は、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うように構成されている。
各吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器の表面に高分子収着剤やB型シリカゲル等の吸着剤を担持させることによって形成されている。第1冷媒回路(21a)の四方切換弁(23a)は、第4ポートが圧縮機構(22a)の吐出側と、第2ポートが圧縮機構(22a)の吸入側と、第3ポートが第1吸着熱交換器(24a)の端部と、第1ポートが第3吸着熱交換器(26a)の端部とそれぞれ接続されている。第2冷媒回路(21b)の四方切換弁(23b)は、第4ポートが圧縮機構(22b)の吐出側と、第2ポートが圧縮機構(22b)の吸入側と、第3ポートが第2吸着熱交換器(24b)の端部と、第1ポートが第4吸着熱交換器(26b)の端部とそれぞれ接続されている。各四方切換弁(23a,23b)は、第1ポートと第2ポートとが連通し且つ第3ポートと第4ポートとが連通する第1状態(図3(A)の状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通し且つ第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(図3(B)の状態)とに切換可能に構成されている。
各四方切換弁(23a,23b)が第1状態に切り換わると、第1吸着熱交換器(24a)と第2吸着熱交換器(24b)が凝縮器として機能する一方、第3吸着熱交換器(26a)と第4吸着熱交換器(26b)が蒸発器として機能する。各四方切換弁(23a,23b)が第2状態に切り換わると、第1吸着熱交換器(24a)と第2吸着熱交換器(24b)が蒸発器として機能する一方、第3吸着熱交換器(26a)と第4吸着熱交換器(26b)が凝縮器として機能する。つまり、四方切換弁(23a,23b)は、各冷媒回路(21a,21b)の冷媒の循環方向を切り換えて、各冷媒回路(21a,21b)に設けられた2つの吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)で冷媒の凝縮動作と蒸発動作とを交互に行わせる切換機構を構成している。
第2除湿ユニット(20)では、2つの冷媒回路(21a,21b)の各一の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)が一組となって吸着熱交換部を構成している。具体的には、同時に凝縮器または蒸発器となる第1吸着熱交換器(24a)と第2吸着熱交換器(24b)が一組となって吸着熱交換部を構成し、同時に凝縮器または蒸発器となる第3吸着熱交換器(26a)と第4吸着熱交換器(26b)が一組となって吸着熱交換部を構成する。
第1冷媒回路(21a)と第2冷媒回路(21b)とは、冷媒の蒸発温度が異なるように構成されている。具体的に、第2冷媒回路(21b)において蒸発器となる吸着熱交換器(24b,26b)の冷媒の蒸発温度は、第1冷媒回路(21a)において蒸発器となる吸着熱交換器(24a,26a)の冷媒の蒸発温度よりも低く設定されている。また、第1冷媒回路(21a)と第2冷媒回路(21b)とは、冷媒の凝縮温度が異なるように構成されている。具体的に、第2冷媒回路(21b)において凝縮器となる吸着熱交換器(24b,26b)の冷媒の凝縮温度は、第1冷媒回路(21a)において凝縮器となる吸着熱交換器(24a,26a)の冷媒の凝縮温度よりも高く設定されている。
第2除湿ユニット(20)では、蒸発器となる一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を給気通路(40)の室外空気(OA)が処理空気として通過し、該処理空気に含まれる水分が吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)の吸着剤に吸着されて処理空気が除湿される。また、第2除湿ユニット(20)では、凝縮器となる一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を排気通路(50)の室外空気(OA)が再生空気として通過し、吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)の吸着剤から水分が再生空気に放出されて該吸着剤が再生される。つまり、第2除湿ユニット(20)では、図4(A)、(B)に示すように、一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)が凝縮器と蒸発器とに交互に切り換わることに伴って、給気通路(40)の室外空気(OA)が蒸発器の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)に流れ排気通路(50)の室外空気(OA)が凝縮器の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)に流れるように、給気通路(40)および排気通路(50)の空気流れが切り換えられる。なお、図4(A)は図3(A)に示す状態に相当する空気流れを示し、図4(B)は図3(B)に示す状態に相当する空気流れを示す。
そして、蒸発器となる一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)では、蒸発温度の高い第1冷媒回路(21a)の吸着熱交換器(24a,26a)から蒸発温度の低い第2冷媒回路(21b)の吸着熱交換器(24b,26b)の順に処理空気が通過するように構成される。つまり、一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)で構成される各吸着熱交換部は、蒸発器となるとき(蒸発動作時)に、空気流れの入口側から出口側に向かって冷媒の蒸発温度が段階的に低くなるように構成されている。
また、凝縮器となる一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)では、凝縮温度の高い第2冷媒回路(21b)の吸着熱交換器(24b,26b)から凝縮温度の低い第1冷媒回路(21a)の吸着熱交換器(24a,26a)の順に再生空気が通過するように構成される。そして、各吸着熱交換部は、凝縮器となるとき(凝縮動作時)に、冷媒の蒸発温度の高い側から低い側に向かって冷媒の凝縮温度が段階的に高くなるように構成されている。さらに、各吸着熱交換部は、空気流れの向きが蒸発動作時と凝縮動作時とで反対となるように構成されている。
なお、本実施形態では、第1および第2除湿ユニット(60,20)は、それぞれ除湿の好適な温度範囲が異なるように構成されている。具体的には、第1除湿ユニット(60)の外気冷却熱交換器(61)による冷却除湿は露点が約8℃以上の温度範囲で、第2除湿ユニット(20)の吸着熱交換器(22,24)による吸着除湿は露点が約10℃〜−20℃の温度範囲で用いるのに適するように構成されている。
〈センサ、コントローラ〉
調湿装置(10)には、各種センサと、該各種センサからの検出値に基づいて各種制御を行う制御部(100)とが設けられている。
図1に示すように、給気通路(40)には、空気の温度を検出する第1〜第3空気温度センサ(11〜13)と湿度センサ(14)とが設けられている。第1空気温度センサ(11)は、外気冷却熱交換器(61)の下流側に設けられて外気冷却熱交換器(61)を通過した空気の温度を検出する。第2空気温度センサ(12)および湿度センサ(14)は、第2除湿ユニット(20)の下流側に設けられ、蒸発器として機能する吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を通過した空気の温度と相対湿度とをそれぞれ検出する。第3空気温度センサ(13)は、再熱熱交換器(64)の下流側に設けられ、再熱熱交換器(64)を通過した空気の温度を検出する。なお、図2に示すように、第1除湿ユニット(60)の冷媒回路(70a)には、該冷媒回路(70a)の高圧圧力(凝縮圧力)を検出する高圧圧力センサ(95)と、低圧圧力(蒸発圧力)を検出する低圧圧力センサ(96)とが設けられている。
制御部(100)は、上述した各種のセンサの検出値や、ユーザーによって入力される各種の設定値に基づいて、各冷媒回路(70a,21a,21b)における圧縮機構(80,22a,22b)の運転周波数、各膨張弁(82,84,87,91,25a,25b)の開度、各ファン(63,66)および各室外ファン(85,89)の送風量等を制御する。
−運転動作−
調湿装置(10)の運転動作について説明する。
〈第1除湿ユニットにおける動作〉
調湿装置(10)の運転時には、第1除湿ユニット(60)の冷媒回路(70a)において冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。このとき、第1膨張弁(82)および第4膨張弁(91)の開度は適宜調節され、第2膨張弁(84)と第3膨張弁(87)とが全閉状態となる。また、室外ファン(85)と室外ファン(89)とが停止状態となる。
圧縮機構(80)で圧縮された冷媒は、第1吐出ライン(71)に送られ、再熱熱交換器(64)を流れる。再熱熱交換器(64)では、冷媒が空気へ放熱して凝縮する。再熱熱交換器(64)で凝縮した冷媒は、第1膨張弁(82)で低圧まで減圧されて気液分離器(79)を通過し、第1吸入ライン(73)に送られる。なお、第1膨張弁(82)の開度は、圧縮機構(80)の吸入側の冷媒の過熱度によって制御される。
第1吸入ライン(73)に送られた冷媒は、外気冷却熱交換器(61)を流れる。外気冷却熱交換器(61)では、冷媒が空気から吸熱して蒸発する。外気冷却熱交換器(61)で蒸発した冷媒は、圧縮機構(80)に吸入されて圧縮される。
第1除湿ユニット(60)の冷媒回路(70a)では、調湿装置(10)の運転条件に応じて、以下のような制御動作が適宜実行される。
調湿装置(10)の運転時には、凝縮器(即ち、再熱熱交換器(64))の必要能力Qcと、蒸発器(即ち、外気冷却熱交換器(61))の必要能力Qeとが、第1空気温度センサ(11)と第3空気温度センサ(13)との検出温度に基づいて算出される。
凝縮器側の必要能力Qcが、蒸発器側の必要能力Qeよりも大きい場合、高圧圧力センサ(95)で検出された凝縮圧力が、必要能力Qcに基づいて決定される目標凝縮圧力に到達するように、圧縮機構(80)の運転周波数が調節される。これにより、凝縮圧力を速やかに目標凝縮圧力に到達させて、必要能力Qcを確保できる。
一方、凝縮圧力が目標値に至るように圧縮機構(80)を制御した場合、蒸発圧力が目標蒸発圧力を上回り、蒸発器側の必要能力Qeが不足してしまうことがある。そこで、このような場合には、第2膨張弁(84)を所定の開度で開放させる。第2膨張弁(84)が開かれると、圧縮機構(80)の吐出側の冷媒は、第1吐出ライン(71)と第2吐出ライン(72)との双方を流れ、凝縮圧力調整熱交換器(83)においても冷媒が凝縮する。すると、圧縮機構(80)は、凝縮圧力を目標凝縮圧力に維持するように、運転周波数が大きくなる。その結果、蒸発圧力を低下させて目標の蒸発圧力に近づけることができる。
また、蒸発器側の必要能力Qeが、凝縮器側の必要能力Qcよりも大きい場合、低圧圧力センサ(96)で検出された蒸発圧力が、必要能力Qeに基づいて決定される目標蒸発圧力に到達するように、圧縮機構(80)の運転周波数が調節される。これにより、蒸発圧力を速やかに目標蒸発圧力に到達させて、必要能力Qeを確保できる。
一方、蒸発圧力が目標値に至るように圧縮機構(80)を制御した場合、凝縮圧力が目標凝縮圧力を下回り、凝縮器側の必要能力Qcが不足してしまうことがある。そこで、このような場合には、第3膨張弁(87)を所定の開度で開放させる。第3膨張弁(87)が開かれると、圧縮機構(80)の吸入側の冷媒は、第1吸入ライン(73)と第2吸入ライン(74)との双方を流れ、蒸発圧力調整熱交換器(88)においても冷媒が蒸発する。すると、圧縮機構(80)は、蒸発圧力を目標蒸発圧力に維持するように、運転周波数が大きくなる。その結果、凝縮圧力を上昇させて目標の凝縮圧力に近づけることができる。
室外空気(OA)が給気通路(40)に流入する。この空気は、比較的高温高湿の空気である。給気通路(40)を流れる空気は、第1除湿ユニット(60)の外気冷却熱交換器(61)を通過し、該外気冷却熱交換器(61)の内部を流れる冷媒回路(70a)の冷媒によって冷却される。冷却時に空気中から発生した凝縮水は、ドレンパン(62)に回収される。第1動作中には、外気冷却熱交換器(61)で冷却および除湿された空気は、除湿側吸着熱交換器となっている第2吸着熱交換器(24)を通過する。
〈第2除湿ユニットにおける動作〉
第2除湿ユニット(20)の動作について図5も参照しながら説明する。なお、図5では、a1点〜a4点が第1冷媒回路(21a)について示し、b1点〜b4点が第2冷媒回路(21b)について示す。
第2除湿ユニット(20)には、第1除湿ユニット(60)の外気冷却熱交換器(61)で冷却および除湿された給気通路(40)の室外空気(OA)の一部が再生空気として残りが処理空気として第2除湿ユニット(20)に流れる。外気冷却熱交換器(61)では、冷却時に空気中から発生した凝縮水がドレンパン(62)に回収される。
調湿装置(10)の運転時には、第2除湿ユニット(20)の2つの冷媒回路(21a,21b)において冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。具体的には、圧縮機構(22a,22b)が運転され、膨張弁(25a,25b)が所定開度に制御され、四方切換弁(23a,23b)が所定時間おきに(例えば270秒間隔で)第1状態と第2状態とに交互に切り換えられる。
先ず、基本的な動作について説明する。各四方切換弁(23a,23b)が第1状態に切り換えられると、各圧縮機構(22a,22b)で圧縮された冷媒(図5に示すa2点、b2点)は、それぞれ、第1吸着熱交換器(24a)および第2吸着熱交換器(24b)に流れる。第1吸着熱交換器(24a)および第2吸着熱交換器(24b)では、冷媒によって吸着剤が加熱され、吸着剤中の水分が再生空気へ放出される再生動作が行われる。第1吸着熱交換器(24a)および第2吸着熱交換器(24b)で放熱して凝縮した冷媒(図5に示すa3点、b3点)は、それぞれ、膨張弁(25a,25b)で減圧された後、第3吸着熱交換器(26a)および第4吸着熱交換器(26b)に流れる(図5に示すa4点、b4点)。第3吸着熱交換器(26a)および第4吸着熱交換器(26b)では、処理空気に含まれる水分が吸着剤に吸着される吸着動作が行われ、その際に生じる吸着熱が冷媒に付与される。これにより、処理空気が除湿される。第3吸着熱交換器(26a)および第4吸着熱交換器(26b)で吸熱して蒸発した冷媒(図5に示すa1点、b1点)は、それぞれ、圧縮機構(22a,22b)に吸入される。
各四方切換弁(23a,23b)が第2状態に切り換えられると、各圧縮機構(22a,22b)で圧縮された冷媒(図5に示すa2点、b2点)は、それぞれ、第3吸着熱交換器(26a)および第4吸着熱交換器(26b)に流れる。第3吸着熱交換器(26a)および第4吸着熱交換器(26b)では、冷媒によって吸着剤が加熱され、吸着剤中の水分が再生空気へ放出される再生動作が行われる。第3吸着熱交換器(26a)および第4吸着熱交換器(26b)で放熱して凝縮した冷媒(図5に示すa3点、b3点)は、それぞれ、膨張弁(25a,25b)で減圧された後、第1吸着熱交換器(24a)および第2吸着熱交換器(24b)に流れる(図5に示すa4点、b4点)。第1吸着熱交換器(24a)および第2吸着熱交換器(24b)では、処理空気に含まれる水分が吸着剤に吸着される吸着動作が行われ、その際に生じる吸着熱が冷媒に付与される。これにより、処理空気が除湿される。第1吸着熱交換器(24a)および第2吸着熱交換器(24b)で吸熱して蒸発した冷媒(図5に示すa1点、b1点)は、それぞれ、圧縮機構(22a,22b)に吸入される。
以上のように、第2除湿ユニット(20)で除湿された処理空気は、引き続き給気通路(40)を流れ、再熱熱交換器(64)で温度が調整された後、給気(SA)として室内へ供給される。なお、室内(S)の空気の一部は、排気(EA)として室外へ排出される。一方、第2除湿ユニット(20)を通過した排気通路(50)の再生空気は、排気(EA)として室外へ排出される。
また、上記動作において、圧縮機構(22a,22b)は、制御部(100)により、吸着動作を行う吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を通過した空気の湿度が所望の湿度となるように、運転周波数が制御される。具体的には、第2空気温度センサ(12)と湿度センサ(14)とによって吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を通過した空気の温度T(℃)と相対湿度RH(%RH)とが検出され、制御部(100)に入力される。制御部(100)は、入力された温度Tと相対湿度RHとに基づいて、絶対湿度X(g/kg(DA))を算出する。そして、制御部(100)は、算出された絶対湿度Xが所望の湿度以下となるように、圧縮機(21)の運転周波数を制御する。これにより、室内(S)には、所望の絶対湿度以下(露点以下)の空気が供給されることとなる。
次に、一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)における空気の温度および絶対湿度について図6を参照しながら説明する。
蒸発器となる一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)では、蒸発温度の高い第1冷媒回路(21a)の吸着熱交換器(24a,26a)から蒸発温度の低い第2冷媒回路(21b)の吸着熱交換器(24b,26b)の順に処理空気が流れる。このとき、第1冷媒回路(21a)の吸着熱交換器(24a,26a)では、蒸発温度が高いため、冷媒による冷熱が優先的に処理空気の潜熱処理(吸着剤の吸着動作)に使われ、残った冷熱が処理空気の顕熱処理(温度変化)に使われる。そのため、第1冷媒回路(21a)の吸着熱交換器(24a,26a)では、処理空気の絶対湿度は大きく低下するが(図6(B)参照)、処理空気の温度はあまり低下しない(図6(A)参照)。次に、第2冷媒回路(21b)の吸着熱交換器(24b,26b)では、処理空気に含まれる水分の量は少なくなっているものの、蒸発温度が低いため、吸着動作を行わせて処理空気の絶対湿度を所定の絶対湿度まで低下させることができる(図6(B)参照)。
凝縮器となる一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)では、凝縮温度の高い第2冷媒回路(21b)の吸着熱交換器(24b,26b)から凝縮温度の低い第1冷媒回路(21a)の吸着熱交換器(24a,26a)の順に再生空気が流れる。このとき、第2冷媒回路(21b)の吸着熱交換器(24b,26b)では、凝縮温度が高いものの、吸着剤に含まれる水分の量が少ないため、冷媒による温熱は再生空気の潜熱処理(吸着剤の再生動作)にはあまり使われずに殆どが処理空気の顕熱処理(温度変化)に使われる。そのため、第2冷媒回路(21b)の吸着熱交換器(24b,26b)では、再生空気の絶対湿度はあまり上昇しないが(図6(B)参照)、再生空気の温度は大きく上昇する(図6(A)参照)。次に、第1冷媒回路(21a)の吸着熱交換器(24a,26a)では、凝縮温度は低いが、吸着剤に含まれる水分の量が多いため、再生動作が促されて再生空気の絶対湿度が大きく上昇する(図6(B)参照)。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、蒸発動作時の吸着熱交換部(一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b))において空気流れの入口側から出口側に向かって冷媒の蒸発温度が段階的に低くなるように構成したため、吸着熱交換部の全体において蒸発温度を一定に低くしなくても、空気の露点(絶対湿度)を必要な値まで低下させることが可能である。吸着熱交換部の全体において蒸発温度を一定に低くしなくてもよいため、冷凍サイクルにおける蒸発温度と凝縮温度の差が大きくなるのを抑制することができる。そのため、圧縮機構(22a,22b)の入力が高くなるのを抑えることができ、冷凍サイクルのCOP(成績係数)の低下を抑制することができる。
また、吸着熱交換部では吸着剤に吸着される水分量には限界があるところ、仮に空気の出口側と同様に入口側も蒸発温度を低くした場合、その空気の入口側(図13に示すX領域)において、吸着剤による吸着動作(潜熱処理)だけでは冷媒の冷熱を使い切れず、余った冷熱が空気の温度を低下させること(顕熱処理)に使われてしまう。つまり、蒸発器における冷熱が空気の潜熱処理だけでなく空気の顕熱処理にも使われてしまう。ところが、本実施形態では、吸着熱交換部の空気の入口側(第1冷媒回路(21a)の吸着熱交換器(24a,26a))では蒸発温度を低くしないため、むやみに顕熱処理を行って圧縮機構(22a,22b)の入力が高くなるのを抑えることができる。
また、吸着熱交換部に流入する処理空気(即ち、空気の入口側を流れる空気)は除湿される前であるため多くの水分を含んでいる。したがって、上述したように仮に空気の出口側と同様に入口側も蒸発温度を低くした場合、空気の絶対湿度だけでなく温度も低下するため、空気の温度がその露点まで低下するおそれがある。そうすると、結露が生じやすくなる。ところが、本実施形態では、吸着熱交換部の空気の入口側では蒸発温度を低くしないため、空気の温度がその露点まで低下することを防止でき、結露の発生を抑制することもできる。
また、本実施形態によれば、吸着熱交換部(一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b))において冷媒の蒸発温度の高い側から低い側に向かって冷媒の凝縮温度が段階的に高くなるように構成した。吸着熱交換部において凝縮温度が高い部分は吸着剤の再生能力が高い。そのため、蒸発器となった吸着熱交換部では、蒸発温度の最も低い側において吸着剤が最も再生している(乾燥している)ので通過する処理空気の水分がより吸着剤に吸着される。つまり、蒸発器となった吸着熱交換部では蒸発温度の低い側において吸着剤の吸着能力が増加する。その結果、蒸発器となった吸着熱交換部では、空気の出口側において水分がより多く吸着されて空気の露点を必要な値まで確実に低下させることができる。
また、本実施形態によれば、吸着熱交換部(一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b))において空気流れの向きを蒸発動作時と凝縮動作時とで反対となるように構成した。吸着熱交換部において、蒸発器として機能する場合には空気の出口側(蒸発温度が最も低い側)であった部分が、凝縮器として機能する場合には空気の入口側となる。凝縮器となった吸着熱交換部では、空気の入口側を通過する空気が最も水分を含んでいないので、空気の入口側において再生動作が促進される。つまり、凝縮器となった吸着熱交換部において空気の入口側の吸着剤の再生能力が高くなる。その結果、蒸発器となった吸着熱交換部では蒸発温度の低い側(空気の出口側)において吸着剤の吸着能力が増加する。その結果、蒸発器となった吸着熱交換部では、空気の出口側において水分がより確実に吸着されて空気の露点を必要な値まで確実に低下させることができる。
−実施形態1の変形例−
本変形例は、図7に示すように、上記実施形態1の第2除湿ユニット(20)において加熱熱交換器(27)を追加するようにしたものである。加熱熱交換器(27)は、2つの冷媒回路(21a,21b)のうち、凝縮器となる吸着熱交換部において再生空気が最後に通過する第1吸着熱交換器(24a)および第3吸着熱交換器(26a)が接続された第1冷媒回路(21a)に設けられている。加熱熱交換器(27)は、第1冷媒回路(21a)において、圧縮機構(22a)の吐出側と四方切換弁(23a)の第4ポートとの間に接続され、冷媒と再生空気とが熱交換を行うように構成されている。
そして、本変形例では、再生空気が、先ず加熱熱交換器(27)を通過し、その後、凝縮器となる吸着熱交換部(一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b))を順に通過する。加熱熱交換器(27)では、再生空気が圧縮機構(22a)の圧縮冷媒と熱交換して加熱される。この変形例では、加熱された再生空気が第2冷媒回路(21b)の吸着熱交換器(24b,26b)に流れるため、該吸着熱交換器(24b,26b)における吸着剤の再生動作を促進することができる。そのため、蒸発器となった第2冷媒回路(21b)の吸着熱交換器(24b,26b)において吸着剤の吸着動作を促進することができ、その結果、処理空気の露点を必要な値までより確実に低下させることができる。
また、再生空気が最後に通過する吸着熱交換器(24a,26a)では、通過する再生空気が上流側の吸着熱交換器(24b,26b)で既に加熱されて昇温しているため、再生空気を昇温するための必要熱量が少なくてすむ。そのため、再生空気が最後に通過する吸着熱交換器(24a,26a)が接続された第1冷媒回路(21a)では、余剰の熱量が発生し、その熱量を加熱熱交換器(27)に用いることにより、加熱熱交換器(27)で再生空気を十分に加熱して昇温させることが可能になる。これによって、凝縮器となる吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)を通過する前の再生空気を効果的に昇温させることができる。したがって、凝縮器となる吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)における再生能力を効果的に高めることができ、その結果、蒸発器となる吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)における吸着能力を効果的に高めることができる。
《実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態は、図8に示すように、上記実施形態1の第2除湿ユニット(20)の構成を変更したものである。
本実施形態の第2除湿ユニット(20)は、1つの冷媒回路(21)を備えている。冷媒回路(21)は、圧縮機構(22)と、2つの四方切換弁(23a,23b)と、4つの吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)と、2つの膨張弁(25a,25b)とを備えている。
第1の四方切換弁(23a)は、第4ポートが圧縮機構(22)の吐出側と、第2ポートが圧縮機構(22)における圧縮途中の中間圧部分(いわゆる中間ポート)と、第3ポートが第1吸着熱交換器(24a)と、第1ポートが第3吸着熱交換器(26a)とそれぞれ接続されている。第2の四方切換弁(23b)は、第4ポートが圧縮機構(22)の吐出側と、第2ポートが圧縮機構(22)の吸入側と、第3ポートが第2吸着熱交換器(24b)と、第1ポートが第4吸着熱交換器(26b)とそれぞれ接続されている。第1吸着熱交換器(24a)および第3吸着熱交換器(26a)の間および第2吸着熱交換器(24b)および第4吸着熱交換器(26b)の間にはそれぞれ膨張弁(25a,25b)が接続されている。冷媒回路(21)では、第1の四方切換弁(23a)と第1吸着熱交換器(24a)と第3吸着熱交換器(26a)と膨張弁(25a)が第1回路(2a)を構成し、第2の四方切換弁(23b)と第2吸着熱交換器(24b)と第4吸着熱交換器(26b)と膨張弁(25b)が第2回路(2b)を構成する。つまり、第1回路(2a)の一端は圧縮機構(22)の吐出側に接続され、他端は該圧縮機構(22)における圧縮途中の中間圧部分に接続されている。第2回路(2b)の一端は圧縮機構(22)の吐出側に接続され、他端は該圧縮機構(22)の吸入側に接続されている。
各四方切換弁(23a,23b)は、第1ポートと第2ポートとが連通し且つ第3ポートと第4ポートとが連通する第1状態(図8(A)の状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通し且つ第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(図8(B)の状態)とに切換可能に構成されている。各四方切換弁(23a,23b)が第1状態に切り換わると、第1吸着熱交換器(24a)と第2吸着熱交換器(24b)が凝縮器として機能する一方、第3吸着熱交換器(26a)と第4吸着熱交換器(26b)が蒸発器として機能する。各四方切換弁(23a,23b)が第2状態に切り換わると、第1吸着熱交換器(24a)と第2吸着熱交換器(24b)が蒸発器として機能する一方、第3吸着熱交換器(26a)と第4吸着熱交換器(26b)が凝縮器として機能する。つまり、四方切換弁(23a,23b)は、各回路(2a,2b)の冷媒の循環方向を切り換えて、各回路(2a,2b)に設けられた2つの吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)で冷媒の凝縮動作と蒸発動作とを交互に行わせる切換機構を構成している。
本実施形態の第2除湿ユニット(20)では、第1回路(2a)および第2回路(2b)のの各一の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)が一組となって吸着熱交換部を構成している。具体的には、同時に凝縮器または蒸発器となる第1吸着熱交換器(24a)と第2吸着熱交換器(24b)が一組となって吸着熱交換部を構成し、同時に凝縮器または蒸発器となる第3吸着熱交換器(26a)と第4吸着熱交換器(26b)が一組となって吸着熱交換部を構成する。
第1回路(2a)と第2回路(2b)とは、冷媒の凝縮温度は同じであるが、冷媒の蒸発温度が異なるように構成されている。具体的に、第2回路(2b)において蒸発器となる吸着熱交換器(24b,26b)の冷媒の蒸発温度は、第1回路(2a)において蒸発器となる吸着熱交換器(24a,26a)の冷媒の蒸発温度よりも低く設定されている。
そして、蒸発器となる一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)では、上記実施形態1と同様、蒸発温度の高い第1回路(2a)の吸着熱交換器(24a,26a)から蒸発温度の低い第2回路(2b)の吸着熱交換器(24b,26b)の順に処理空気が通過するように構成される。つまり、一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)で構成される各吸着熱交換部は、蒸発器となるとき(蒸発動作時)に、空気流れの入口側から出口側に向かって冷媒の蒸発温度が段階的に低くなるように構成されている。また、一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)で構成される各吸着熱交換部は、上記実施形態1と同様、空気流れの向きが蒸発動作時と凝縮動作時とで反対となるように構成されている。
本実施形態の第2除湿ユニット(20)では、第1回路(2a)および第2回路(2b)において冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。そして、上記実施形態1と同様、各四方切換弁(23a,23b)が所定時間おきに(例えば270秒間隔で)第1状態と第2状態とに交互に切り換えられる。
各四方切換弁(23a,23b)が第1状態に切り換えられると、圧縮機構(22)で圧縮された冷媒(図9に示すa4点)は、一部が第1吸着熱交換器(24a)に流れ残りが第2吸着熱交換器(24b)に流れる。第1吸着熱交換器(24a)および第2吸着熱交換器(24b)では、冷媒によって吸着剤が加熱され、吸着剤中の水分が再生空気へ放出される再生動作が行われる。第1吸着熱交換器(24a)で放熱して凝縮した冷媒(図9に示すa5点)は、膨張弁(25a)で減圧された後、第3吸着熱交換器(26a)に流れる(図9に示すa6点)。一方、第2吸着熱交換器(24b)で放熱して凝縮した冷媒(図9に示すa5点)は、膨張弁(25b)で減圧された後、第4吸着熱交換器(26b)に流れる(図9に示すa7点)。第3吸着熱交換器(26a)および第4吸着熱交換器(26b)では、処理空気に含まれる水分が吸着剤に吸着される吸着動作が行われ、その際に生じる吸着熱が冷媒に付与される。これにより、処理空気が除湿される。第3吸着熱交換器(26a)で吸熱して蒸発した冷媒は、圧縮機構(22)において圧縮途中の冷媒(図9に示すa2点)と合流して中間圧冷媒となる(図9に示すa3点)。第4吸着熱交換器(26b)で吸熱して蒸発した冷媒(図9に示すa1点)は、圧縮機構(22)に吸入される。
各四方切換弁(23a,23b)が第2状態に切り換えられると、圧縮機構(22)で圧縮された冷媒(図9に示すa4点)は、一部が第3吸着熱交換器(26a)に流れ残りが第4吸着熱交換器(26b)に流れる。第3吸着熱交換器(26a)および第4吸着熱交換器(26b)では、冷媒によって吸着剤が加熱され、吸着剤中の水分が再生空気へ放出される再生動作が行われる。第3吸着熱交換器(26a)で放熱して凝縮した冷媒(図9に示すa5点)は、膨張弁(25a)で減圧された後、第1吸着熱交換器(24a)に流れる(図9に示すa6点)。一方、第4吸着熱交換器(26b)で放熱して凝縮した冷媒(図9に示すa5点)は、膨張弁(25b)で減圧された後、第2吸着熱交換器(24b)に流れる(図9に示すa7点)。第1吸着熱交換器(24a)および第2吸着熱交換器(24b)では、処理空気に含まれる水分が吸着剤に吸着される吸着動作が行われ、その際に生じる吸着熱が冷媒に付与される。これにより、処理空気が除湿される。第1吸着熱交換器(24a)で吸熱して蒸発した冷媒は、圧縮機構(22)において圧縮途中の冷媒(図9に示すa2点)と合流して中間圧冷媒となる(図9に示すa3点)。第2吸着熱交換器(24b)で吸熱して蒸発した冷媒(図9に示すa1点)は、圧縮機構(22)に吸入される。
本実施形態の第2除湿ユニット(20)においても、基本的には上記実施形態1と同様、一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)における空気の温度および絶対湿度は図10に示すように変化する。つまり、蒸発器となる一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b)では、第1回路(2a)の吸着熱交換器(24a,26a)において処理空気の絶対湿度は大きく低下するが(図10(B)参照)、処理空気の温度はあまり低下しない(図10(A)参照)。次に、第2回路(2b)の吸着熱交換器(24b,26b)では、処理空気に含まれる水分の量は少なくなっているものの、蒸発温度が低いため、吸着動作を行わせて処理空気の絶対湿度を所定の絶対湿度まで低下させることができる(図10(B)参照)。
本実施形態では、吸着熱交換部(一組の吸着熱交換器(24a,24b,26a,26b))において冷媒の蒸発温度の高い側から低い側に向かって冷媒の凝縮温度が段階的に高くなるように構成したことによる作用効果以外は、上記実施形態1に係る作用効果と同様である。
《実施形態の参考技術》
実施形態の参考技術について説明する。本参考技術は、図11に示すように、上記実施形態1の第2除湿ユニット(20)の構成を変更したものである。
本参考技術の第2除湿ユニット(20)は、1つの冷媒回路(21)を備えている。冷媒回路(21)は、圧縮機構(22)と、四方切換弁(23)と、2つの吸着熱交換器(24,26)と、膨張機構である膨張弁(25)とが接続されて、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
四方切換弁(23)は、第4ポートが圧縮機構(22)の吐出側と、第2ポートが圧縮機構(22)の吸入側と、第3ポートが第1吸着熱交換器(24)と、第1ポートが第2吸着熱交換器(26)とそれぞれ接続されている。2つの吸着熱交換器(24,26)の間には膨張弁(25)が設けられている。四方切換弁(23)は、第1ポートと第2ポートとが連通し且つ第3ポートと第4ポートとが連通する第1状態(図11(A)の状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通し且つ第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(図11(B)の状態)とに切換可能に構成されている。四方切換弁(23)が第1状態に切り換わると、第1吸着熱交換器(24)が凝縮器として機能する一方、第2吸着熱交換器(26)が蒸発器として機能する。四方切換弁(23)が第2状態に切り換わると、第1吸着熱交換器(24)が蒸発器として機能する一方、第2吸着熱交換器(26)が凝縮器として機能する。つまり、四方切換弁(23)は、冷媒回路(21)の冷媒の循環方向を切り換えて、2つの吸着熱交換器(24,26)で冷媒の凝縮動作と蒸発動作とを交互に行わせる切換機構を構成している。本参考技術の第2除湿ユニット(20)では、第1吸着熱交換器(24)および第2吸着熱交換器(26)のそれぞれが吸着熱交換部を構成する。
そして、本参考技術の冷媒回路(21)では、冷媒として非共沸混合冷媒が用いられている。また、各吸着熱交換器(24,26)は、蒸発動作時に、冷媒の出口側から入口側へ向かって処理空気が通過するように構成されている(図11参照)。つまり、各吸着熱交換器(24,26)では蒸発動作時に空気流れと冷媒流れとがいわゆる対向流となる。そのため、図12に示すように、蒸発器となる吸着熱交換器(24,26)では冷媒流れの出口側から入口側に向かって蒸発温度が段階的に低くなり、凝縮器となる吸着熱交換器(24,26)では冷媒流れの入口側から出口側に向かって凝縮温度が段階的に低くなる。そして、蒸発器となる吸着熱交換器(24,26)では、上記実施形態1と同様、蒸発温度の高い側から蒸発温度の低い側の順に処理空気が通過する。つまり、各吸着熱交換部は、蒸発器となるとき(蒸発動作時)に、空気流れの入口側から出口側に向かって冷媒の蒸発温度が段階的に低くなる。また、凝縮器となる吸着熱交換器(24,26)では、凝縮温度の低い側から凝縮温度の高い側の順に再生空気が通過する。そして、各吸着熱交換部では、凝縮器となるとき(凝縮動作時)に、冷媒の蒸発温度の高い側から低い側に向かって冷媒の凝縮温度が段階的に低くなる。さらに、各吸着熱交換部は、上記実施形態1と同様、空気流れの向きが蒸発動作時と凝縮動作時とで反対となるように構成されている。
以上の構成により、本参考技術では、各吸着熱交換部において冷媒の蒸発温度の高い側から低い側に向かって冷媒の凝縮温度が段階的に高くなるように構成したことによる作用効果以外は、上記実施形態1と同様の作用効果を奏する。
《その他の実施形態》
例えば、上記実施形態1では、第2除湿ユニット(20)の各吸着熱交換部について、凝縮器となるとき(凝縮動作時)に、冷媒の蒸発温度の高い側から低い側に向かって冷媒の凝縮温度が段階的に低くなるように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、第2除湿ユニット(20)の各吸着熱交換部について、空気流れの向きが蒸発動作時と凝縮動作時とで同じとなるように構成してもよい。