以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《参考技術1》
参考技術1について説明する。本参考技術の空気調和装置は、室内の顕熱負荷と潜熱負荷の両方を処理するものである。この空気調和装置は、冷媒回路(10)を備えており、この冷媒回路(10)で冷媒を循環させて蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
図1及び図2に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と四方切換弁(50)と電動膨張弁(40)とが1つずつ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)と吸着熱交換器(30)とが1つずつ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)及び吸着熱交換器(30)が利用側熱交換器をそれぞれ構成している。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が四方切換弁(50)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(50)の第2のポートにそれぞれ接続されている。この冷媒回路(10)では、四方切換弁(50)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(21)と電動膨張弁(40)と吸着熱交換器(30)と室内熱交換器(22)とが配置されている。
また、冷媒回路(10)には、電磁弁(60)とキャピラリチューブ(43)とが設けられている。電磁弁(60)は、吸着熱交換器(30)と室内熱交換器(22)の間に設けられている。キャピラリチューブ(43)は、その一端が電磁弁(60)と吸着熱交換器(30)の間に、その他端が電磁弁(60)と室内熱交換器(22)の間にそれぞれ接続されている。
室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び吸着熱交換器(30)は、何れも伝熱管と多数のフィンとで構成されたクロスフィン形のフィン・アンド・チューブ熱交換器である。このうち、吸着熱交換器(30)では、そのフィンの表面に吸着材が担持されている。この吸着材としては、ゼオライトやシリカゲル等が用いられる。一方、室外熱交換器(21)及び室内熱交換器(22)は、それぞれのフィンの表面に吸着材が担持されておらず、空気と冷媒の熱交換だけを行う。このように、室内熱交換器(22)は、空気と冷媒の熱交換だけを行う空気熱交換器を構成している。
上記四方切換弁(50)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図2に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本参考技術の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図1を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、吸着熱交換器(30)が蒸発器となる吸着動作と、吸着熱交換器(30)が凝縮器となる再生動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)及び吸着熱交換器(30)へ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)で冷却された空気が室内へ連続的に供給される一方、吸着熱交換器(30)で除湿された空気が室内へ間欠的に供給される。
吸着動作中は、図1(A)に示すように、電磁弁(60)が開放され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮した後に電動膨張弁(40)で減圧され、その後、吸着熱交換器(30)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この吸着動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。また、吸着熱交換器(30)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。吸着熱交換器(30)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
再生動作中は、図1(B)に示すように、電磁弁(60)が閉鎖され、電動膨張弁(40)が全開に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)と吸着熱交換器(30)を順に通過する間に凝縮し、その後、キャピラリチューブ(43)で減圧されてから室内熱交換器(22)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この再生動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。また、吸着熱交換器(30)では、冷媒によって吸着材が加熱されて再生され、吸着材から脱離した水分が室内空気に付与される。吸着熱交換器(30)から脱離した水分は、室内空気と共に室外へ排出される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図2を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、四方切換弁(50)が第2状態に設定され、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、吸着熱交換器(30)が蒸発器となる吸着動作と、吸着熱交換器(30)が凝縮器となる再生動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)及び吸着熱交換器(30)へ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)で加熱された空気が室内へ連続的に供給される一方、吸着熱交換器(30)で加湿された空気が室内へ間欠的に供給される。
吸着動作中は、図2(A)に示すように、電磁弁(60)が閉鎖され、電動膨張弁(40)が全開に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮した後にキャピラリチューブ(43)で減圧され、その後、吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この吸着動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。また、吸着熱交換器(30)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。吸着熱交換器(30)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
再生動作中は、図2(B)に示すように、電磁弁(60)が開放され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)と吸着熱交換器(30)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室外熱交換器(21)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この再生動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。また、吸着熱交換器(30)では、冷媒によって吸着材が加熱されて再生され、吸着材から脱離した水分が室内空気に付与される。吸着熱交換器(30)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
−参考技術1の効果−
本参考技術では、冷媒回路(10)に利用側熱交換器として吸着熱交換器(30)を設け、この吸着熱交換器(30)を通過させることによって空気の絶対湿度を調節している。つまり、従来のように空気中の水分を凝縮させて空気を除湿するのではなく、空気中の水分を吸着材に吸着させて空気を除湿している。このため、従来のように冷凍サイクルの冷媒蒸発温度を空気の露点温度よりも低く設定する必要が無く、冷媒蒸発温度を空気の露点温度以上に設定しても空気の除湿が可能となる。
従って、本参考技術によれば、空気を除湿する際に冷凍サイクルの冷媒蒸発温度を従来よりも高く設定することができ、冷凍サイクルの高低圧差を縮小することができる。この結果、圧縮機(20)の消費電力を削減することが可能となり、冷凍サイクルのCOPを向上させることができる。
また、本参考技術では、再生動作の対象である吸着熱交換器(30)から水分が脱離し、この吸着熱交換器(30)を通過する空気に脱離した水分が付与される。そして、吸着熱交換器(30)を通過する際に加湿された空気を室内へ供給することで、室内の加湿が可能となる。つまり、空気中の水分を凝縮させる従来の空気調和装置では室内の除湿のみが可能で加湿を行うことができなかったが、本参考技術の空気調和装置では、吸着熱交換器(30)で加湿された空気を室内へ供給することで室内の加湿も可能となる。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記参考技術1の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図3及び図4に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)とが1つずつ設けられ、四方切換弁(51,52)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)と吸着熱交換器(30)とが1つずつ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)及び吸着熱交換器(30)が利用側熱交換器をそれぞれ構成している。室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び吸着熱交換器(30)は、それぞれ上記参考技術1のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が第1四方切換弁(51)の第1のポートに、その吸入側が第1四方切換弁(51)の第2のポートにそれぞれ接続されている。第1四方切換弁(51)は、その第3のポートが第2四方切換弁(52)の第1のポートに、その第4のポートが吸着熱交換器(30)を介して第2四方切換弁(52)の第2のポートにぞれぞれ接続されている。この冷媒回路(10)では、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(21)と電動膨張弁(40)と室内熱交換器(22)とが配置されている。
上記第1四方切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図3(A)及び図4(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図3(B)及び図4(B)に示す状態)とに切り換わる。一方、上記第2四方切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図3(A)及び図4(B)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図3(B)及び図4(A)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図3を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、吸着熱交換器(30)が蒸発器となる吸着動作と、吸着熱交換器(30)が凝縮器となる再生動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)及び吸着熱交換器(30)へ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)で冷却された空気が室内へ連続的に供給される一方、吸着熱交換器(30)で除湿された空気が室内へ間欠的に供給される。
吸着動作中は、図3(A)に示すように、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)がそれぞれ第1状態に設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮した後に電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室内熱交換器(22)と吸着熱交換器(30)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この吸着動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。また、吸着熱交換器(30)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。吸着熱交換器(30)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
再生動作中は、図3(B)に示すように、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)がそれぞれ第2状態に設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室内熱交換器(22)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この再生動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。また、吸着熱交換器(30)では、冷媒によって吸着材が加熱されて再生され、吸着材から脱離した水分が室内空気に付与される。吸着熱交換器(30)から脱離した水分は、室内空気と共に室外へ排出される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図4を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、吸着熱交換器(30)が蒸発器となる吸着動作と、吸着熱交換器(30)が凝縮器となる再生動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)及び吸着熱交換器(30)へ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)で加熱された空気が室内へ連続的に供給される一方、吸着熱交換器(30)で加湿された空気が室内へ間欠的に供給される。
吸着動作中は、図4(A)に示すように、第1四方切換弁(51)が第1状態に、第2四方切換弁(52)が第2状態にそれぞれ設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮した後に電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)と吸着熱交換器(30)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この吸着動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。また、吸着熱交換器(30)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。吸着熱交換器(30)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
再生動作中は、図2(B)に示すように、第1四方切換弁(51)が第2状態に、第2四方切換弁(52)が第1状態にそれぞれ設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、吸着熱交換器(30)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室外熱交換器(21)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この再生動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。また、吸着熱交換器(30)では、冷媒によって吸着材が加熱されて再生され、吸着材から脱離した水分が室内空気に付与される。吸着熱交換器(30)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果に加え、次のような効果が得られる。つまり、本実施形態において、除湿冷房運転の第2動作と加湿暖房運転の第2動作では、圧縮機(20)から吐出された冷媒が最初に吸着熱交換器(30)へ導入される。このため、最も高温の冷媒を吸着熱交換器へ導入して吸着材の加熱に利用でき、吸着材の温度を充分に上昇させて吸着材の再生を確実に行うことができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記参考技術1の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図3及び図4に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)と四方切換弁(50)とが1つずつ設けられ、電磁弁(61,62)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)と吸着熱交換器(30)とが1つずつ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)及び吸着熱交換器(30)が利用側熱交換器をそれぞれ構成している。室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び吸着熱交換器(30)は、それぞれ上記参考技術1のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が四方切換弁(50)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(50)の第2のポートにそれぞれ接続されている。この冷媒回路(10)では、四方切換弁(50)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(21)と電動膨張弁(40)と第1電磁弁(61)と室内熱交換器(22)とが配置されている。吸着熱交換器(30)は、その一端が室内熱交換器(22)と四方切換弁(50)の間に、その他端が第2電磁弁(62)を介して電動膨張弁(40)と第1電磁弁(61)の間にそれぞれ接続されている。
上記四方切換弁(50)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図5に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図6に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図5を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節されて、室外熱交換器(21)が凝縮器となる。また、吸着熱交換器(30)が蒸発器となって室内熱交換器(22)が休止する第1動作と、室内熱交換器(22)が蒸発器となって吸着熱交換器(30)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給される。また、除湿冷房運転において、第1動作中には吸着熱交換器(30)だけに室内空気が供給され、第2動作中には吸着熱交換器(30)と室内熱交換器(22)の両方に室内空気が供給される。そして、吸着熱交換器(30)を通過した空気と室内熱交換器(22)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、吸着熱交換器(30)についての吸着動作が行われる。第1動作中は、図5(A)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、吸着熱交換器(30)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、室内熱交換器(22)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。吸着熱交換器(30)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。吸着熱交換器(30)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
第2動作では、吸着熱交換器(30)についての再生動作が行われる。第2動作中は、図5(B)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室内熱交換器(22)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、吸着熱交換器(30)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。吸着熱交換器(30)では、絶対湿度の比較的低い室内空気が吸着材と接触し、該吸着材から水分が脱離する。吸着熱交換器(30)から脱離した水分は、室内空気と共に室外へ排出される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図6を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、四方切換弁(50)が第2状態に設定され、室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、吸着熱交換器(30)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が休止する第1動作と、室内熱交換器(22)が凝縮器となって吸着熱交換器(30)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給される。また、加湿暖房運転において、第1動作中には吸着熱交換器(30)だけに室内空気が供給され、第2動作中には吸着熱交換器(30)と室内熱交換器(22)の両方に室内空気が供給される。そして、吸着熱交換器(30)を通過した空気と室内熱交換器(22)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、吸着熱交換器(30)についての再生動作が行われる。第1動作中は、図6(A)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、吸着熱交換器(30)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、室内熱交換器(22)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。吸着熱交換器(30)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が室内空気に付与される。吸着熱交換器(30)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
第2動作では、吸着熱交換器(30)についての吸着動作が行われる。第2動作中は、図6(B)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、吸着熱交換器(30)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。吸着熱交換器(30)では、室内空気が吸着材と接触し、この室内空気中の水分が吸着材に吸着される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
−実施形態2の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果と同様の効果が得られる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記参考技術1の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図7及び図8に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)とが1つずつ設けられ、四方切換弁(51,52)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、1つの室外熱交換器(21)と2つの吸着熱交換器(31,32)とが設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)が利用側熱交換器をそれぞれ構成している。つまり、本実施形態の冷媒回路(10)に利用側熱交換器として設けられているのは、2つの吸着熱交換器(31,32)だけである。尚、室外熱交換器(21)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記参考技術1のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が第1四方切換弁(51)の第1のポートに、その吸入側が第1四方切換弁(51)の第2のポートにそれぞれ接続されている。第1四方切換弁(51)は、その第3のポートが室外熱交換器(21)を介して第2四方切換弁(52)の第1のポートに、その第4のポートが第2四方切換弁(52)の第2のポートにぞれぞれ接続されている。この冷媒回路(10)では、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と電動膨張弁(40)と第2吸着熱交換器(32)とが配置されている。
上記第1四方切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図7に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図8に示す状態)とに切り換わる。一方、上記第2四方切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図7(A)及び図8(B)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図7(B)及び図8(A)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図7を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、第1四方切換弁(51)が第1状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(21)が凝縮器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図7(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから第2吸着熱交換器(32)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、室内空気と共に室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
また、この第1動作は、第1吸着熱交換器(31)の吸着材が飽和状態になった後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第1吸着熱交換器(31)で吸着熱が発生しないため、第1吸着熱交換器(31)で室内空気が冷却され、この冷却された室内空気が室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図7(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから第1吸着熱交換器(31)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、室内空気と共に室外へ排出される。
また、この第2動作は、第2吸着熱交換器(32)の吸着材が飽和状態になった後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第2吸着熱交換器(32)で吸着熱が発生しないため、第2吸着熱交換器(32)で室内空気が冷却され、この冷却された室内空気が室内へ送り返される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図8を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、第1四方切換弁(51)が第2状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)で冷却された空気が室内へ連続的に供給される一方、第1吸着熱交換器(31)で除湿された空気と第2吸着熱交換器(32)で除湿された空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図8(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定され。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第2吸着熱交換器(32)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
また、この第1動作は、第1吸着熱交換器(31)の再生が完了した後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第1吸着熱交換器(31)からの水分の脱離は行われないため、第1吸着熱交換器(31)で室内空気が加熱され、この加熱された室内空気が室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図8(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第1吸着熱交換器(31)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
また、この第2動作は、第2吸着熱交換器(32)の再生が完了した後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第2吸着熱交換器(32)からの水分の脱離は行われないため、第2吸着熱交換器(32)で室内空気が加熱され、この加熱された室内空気が室内へ送り返される。
−実施形態3の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果に加え、次のような効果が得られる。つまり、本実施形態では、2つの吸着熱交換器(31,32)の一方についての吸着動作と他方についての再生動作とを同時に並行して行っている。従って、本実施形態によれば、吸着動作の対象である吸着熱交換器(31,32)又は再生動作の対象である吸着熱交換器(31,32)を通過した空気を室内へ供給することで、湿度や温度の調節調節された空気を室内へ連続的に供給することが可能となる。
《参考技術2》
参考技術2について説明する。本参考技術の空気調和装置は、上記参考技術1の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図9及び図10に示すように、上記冷媒回路(10)には、1つの圧縮機(20)と2つの電動膨張弁(41,42)と1つの四方切換弁(50)とが設けられている。また、冷媒回路(10)には、1つの室外熱交換器(21)と2つの吸着熱交換器(31,32)とが設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)が利用側熱交換器をそれぞれ構成している。つまり、本参考技術の冷媒回路(10)に利用側熱交換器として設けられているのは、2つの吸着熱交換器(31,32)だけである。尚、室外熱交換器(21)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記参考技術1のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が四方切換弁(50)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(50)の第2のポートにそれぞれ接続されている。この冷媒回路(10)では、四方切換弁(50)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と第1電動膨張弁(41)と室外熱交換器(21)と第2電動膨張弁(42)と第2吸着熱交換器(32)とが配置されている。
上記四方切換弁(50)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図9(A)及び図10(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図9(B)及び図10(B)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本参考技術の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図9を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、室外熱交換器(21)が凝縮器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図9(A)に示すように、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、第1電動膨張弁(41)が全開状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に凝縮し、その後、第2電動膨張弁(42)で減圧されてから第2吸着熱交換器(32)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
また、この第1動作は、第1吸着熱交換器(31)の吸着材が飽和状態になった後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第1吸着熱交換器(31)で吸着熱が発生しないため、第1吸着熱交換器(31)で室内空気が冷却され、この冷却された室内空気が室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図9(B)に示すように、四方切換弁(50)が第2状態に設定され、第1電動膨張弁(41)の開度が適宜調節され、第2電動膨張弁(42)が全開状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に凝縮し、その後、第1電動膨張弁(41)で減圧されてから第1吸着熱交換器(31)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
また、この第2動作は、第2吸着熱交換器(32)の吸着材が飽和状態になった後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第2吸着熱交換器(32)で吸着熱が発生しないため、第2吸着熱交換器(32)で室内空気が冷却され、この冷却された室内空気が室内へ送り返される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図10を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図10(A)に示すように、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、第1電動膨張弁(41)の開度が適宜調節され、第2電動膨張弁(42)が全開状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮した後に第1電動膨張弁(41)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
また、この第1動作は、第1吸着熱交換器(31)の再生が完了した後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第1吸着熱交換器(31)からの水分の脱離は行われないため、第1吸着熱交換器(31)で室内空気が加熱され、この加熱された室内空気が室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図10(B)に示すように、四方切換弁(50)が第2状態に設定され、第1電動膨張弁(41)が全開状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
また、この第2動作は、第2吸着熱交換器(32)の再生が完了した後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第2吸着熱交換器(32)からの水分の脱離は行われないため、第2吸着熱交換器(32)で室内空気が加熱され、この加熱された室内空気が室内へ送り返される。
−参考技術2の効果−
本参考技術によれば、上記実施形態3で得られる効果と同様の効果が得られる。
《発明の実施形態4》
本発明の実施形態4について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記参考技術1の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図11及び図12に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)と四方切換弁(50)とが1つずつ設けられ、電磁弁(61,62)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、1つの室外熱交換器(21)と2つの吸着熱交換器(31,32)とが設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)が利用側熱交換器をそれぞれ構成している。つまり、本実施形態の冷媒回路(10)に利用側熱交換器として設けられているのは、2つの吸着熱交換器(31,32)だけである。尚、室外熱交換器(21)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記参考技術1のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が四方切換弁(50)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(50)の第2のポートにそれぞれ接続されている。四方切換弁(50)の第3のポートは、室外熱交換器(21)の一端に接続されている。室外熱交換器(21)の他端は、電動膨張弁(40)を介して第1電磁弁(61)の一端と第2電磁弁(62)の一端とにそれぞれ接続されている。第1電磁弁(61)の他端は第1吸着熱交換器(31)の一端に、第2電磁弁(62)の他端は第2吸着熱交換器(32)の一端にそれぞれ接続されている。第1吸着熱交換器(31)の他端と第2吸着熱交換器(32)の他端とは、何れも四方切換弁(50)の第4のポートに接続されている。
上記四方切換弁(50)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図11に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図12に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図11を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節されて、室外熱交換器(21)が凝縮器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第1動作中は、図11(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第1吸着熱交換器(31)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、絶対湿度の比較的低い室内空気が吸着材と接触し、該吸着材から水分が脱離する。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
また、この第1動作は、第1吸着熱交換器(31)の吸着材が飽和状態になった後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第1吸着熱交換器(31)で吸着熱が発生しないため、第1吸着熱交換器(31)で室内空気が冷却され、この冷却された室内空気が室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図11(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第2吸着熱交換器(32)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、絶対湿度の比較的低い室内空気が吸着材と接触し、該吸着材から水分が脱離する。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
また、この第2動作は、第2吸着熱交換器(32)の吸着材が飽和状態になった後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第2吸着熱交換器(32)で吸着熱が発生しないため、第2吸着熱交換器(32)で室内空気が冷却され、この冷却された室内空気が室内へ送り返される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図12を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、四方切換弁(50)が第2状態に設定されて電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図12(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気が吸着材と接触し、この室内空気中の水分が吸着材に吸着される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
また、この第1動作は、第1吸着熱交換器(31)の再生が完了した後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第1吸着熱交換器(31)からの水分の脱離は行われないため、第1吸着熱交換器(31)で室内空気が加熱され、この加熱された室内空気が室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図12(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気が吸着材と接触し、この室内空気中の水分が吸着材に吸着される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
また、この第2動作は、第2吸着熱交換器(32)の再生が完了した後も所定の時間に亘って継続される。その場合は、第2吸着熱交換器(32)からの水分の脱離は行われないため、第2吸着熱交換器(32)で室内空気が加熱され、この加熱された室内空気が室内へ送り返される。
−実施形態4の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果に加え、次のような効果が得られる。つまり、本実施形態において、除湿冷房運転中や加湿暖房運転中における第1動作と第2動作の切り換えは、2つの電磁弁(61,62)を開閉することによって行われる。このような第1動作と第2動作の切り換えは、比較的短い時間間隔(例えば5〜10分間隔)で頻繁に行われる。従って、本実施形態によれば、第1動作と第2動作の切り換えに比較的耐久性の高い電磁弁(61,62)を利用することができ、空気調和装置の信頼性を確保することができる。
《発明の参考技術3》
参考技術3について説明する。本参考技術の空気調和装置は、上記参考技術1の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図13及び図14に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)と四方切換弁(50)とが1つずつ設けられ、電磁弁(61,62)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、1つの室内熱交換器(22)と2つの吸着熱交換器(31,32)とが設けられている。
この冷媒回路(10)では、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とがそれぞれ利用側熱交換器を構成している。また、この冷媒回路(10)では、第1吸着熱交換器(31)が熱源側熱交換器を兼ねている。尚、室内熱交換器(22)及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記参考技術1のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が四方切換弁(50)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(50)の第2のポートにそれぞれ接続されている。この冷媒回路(10)では、四方切換弁(50)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と電動膨張弁(40)と第1電磁弁(61)と室内熱交換器(22)とが配置されている。第2吸着熱交換器(32)は、その一端が室内熱交換器(22)と四方切換弁(50)の間に、その他端が第2電磁弁(62)を介して電動膨張弁(40)と第1電磁弁(61)の間にそれぞれ接続されている。
上記四方切換弁(50)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図13(A)(B)及び図14(C)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図13(C)及び図14(A)(B)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本参考技術の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図13を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、第1動作と第2動作と第3動作とが順に繰り返し行われる。第1動作では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となり、室内熱交換器(22)が休止する。第2動作では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となり、第2吸着熱交換器(32)が休止する。第3動作では、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となり、室内熱交換器(22)が休止する。
更に、除湿冷房運転中には、第1吸着熱交換器(31)へ室外空気が供給される。また、除湿冷房運転において、第1動作中及び第3動作中には第2吸着熱交換器(32)だけに室内空気が供給され、第2動作中には室内熱交換器(22)だけに室内空気が供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図13(A)に示すように、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第2吸着熱交換器(32)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、室内熱交換器(22)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第1動作中において、第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。また、第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)が熱源側熱交換器として機能する。第2動作中は、図13(B)に示すように、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室内熱交換器(22)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。この第2動作中には、第1吸着熱交換器(31)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。
第3動作では、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作と第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作とが並行して行われる。第3動作中は、図13(C)に示すように、四方切換弁(50)が第2状態に設定され、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第1吸着熱交換器(31)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、室内熱交換器(22)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第3動作中において、第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された空気は、室内へ供給される。また、第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図14を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、第1動作と第2動作と第3動作とが順に繰り返し行われる。第1動作では、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となり、室内熱交換器(22)が休止する。第2動作では、室内熱交換器(22)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となり、第2吸着熱交換器(32)が休止する。第3動作では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となり、室内熱交換器(22)が休止する。
更に、加湿暖房運転中には、第1吸着熱交換器(31)へ室外空気が供給される。また、除湿冷房運転において、第1動作中及び第3動作中には第2吸着熱交換器(32)だけに室内空気が供給され、第2動作中には室内熱交換器(22)だけに室内空気が供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第1動作中は、図14(A)に示すように、四方切換弁(50)が第2状態に設定され、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第1吸着熱交換器(31)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、室内熱交換器(22)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第1動作中において、第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。また、第1吸着熱交換器(31)では、室外空気中の水分が吸着材に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室外空気は、室外へ排出される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)が熱源側熱交換器として機能する。第2動作中は、図14(B)に示すように、四方切換弁(50)が第2状態に設定され、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第1吸着熱交換器(31)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。そして、第2動作中には、第1吸着熱交換器(31)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。
第3動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第3動作中は、図14(C)に示すように、四方切換弁(50)が第1状態に設定され、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第2吸着熱交換器(32)で蒸発してから圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、室内熱交換器(22)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第3動作中において、第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された空気は、室内へ供給される。また、第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた空気は、室外へ排出される。
−参考技術3の効果−
本参考技術によれば、上記参考技術1で得られる効果と同様の効果が得られる。
《発明の実施形態5》
本発明の実施形態5について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記参考技術1の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図15及び図16に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)とが1つずつ設けられ、四方切換弁(51,52)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)とが1つずつ設けられ、吸着熱交換器(31,32)が2つ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とが利用側熱交換器をそれぞれ構成している。尚、室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記参考技術1のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が第1四方切換弁(51)の第1のポートに、その吸入側が第1四方切換弁(51)の第2のポートにそれぞれ接続されている。室外熱交換器(21)は、その一端が第1四方切換弁(51)の第3のポートに、他端が第2四方切換弁(52)の第1のポートにそれぞれ接続されている。室内熱交換器(22)は、その一端が第1四方切換弁(51)の第4のポートに、他端が第2四方切換弁(52)の第2のポートにそれぞれ接続されている。この冷媒回路(10)では、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と電動膨張弁(40)と第2吸着熱交換器(32)とが配置されている。
上記第1四方切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図15に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図16に示す状態)とに切り換わる。一方、上記第2四方切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図15(A)及び図16(B)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図15(B)及び図16(A)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図15を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、第1四方切換弁(51)が第1状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図15(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に凝縮し、電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図15(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に凝縮し、電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第1吸着熱交換器(31)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図16を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、第1四方切換弁(51)が第2状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図16(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に凝縮し、電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第2吸着熱交換器(32)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図16(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に凝縮し、続いて電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第1吸着熱交換器(31)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が室内空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
−実施形態5の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果に加え、次のような効果が得られる。
本実施形態の空気調和装置をいわゆるセパレート型に構成した場合でも、その設置作業の工数が増大するのを回避できる。つまり、圧縮機(20)と第1四方切換弁(51)と室外熱交換器(21)を室外側のユニットに収納し、第1及び第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(22)と第2四方切換弁(52)と電動膨張弁(40)とを室内側のユニットに収納する構成を採用すれば、室外側のユニットと室内側のユニットを2本の連絡配管で接続するだけでよいことになる。従って、本実施形態によれば、室外側のユニットと室内側のユニットを接続するための連絡配管が増加するのを回避でき、設置作業の工数を一般的な空調機と同じにすることができる。
−実施形態5の変形例−
本実施形態の空気調和装置では、冷媒回路(10)にブリッジ回路(70)を設けてもよい。
図17及び図18に示すように、上記ブリッジ回路(70)は、4つの逆止弁(71〜74)をブリッジ状に接続したものである。ブリッジ回路(70)では、第1逆止弁(71)の流入側が第2逆止弁(72)の流出側に、第2逆止弁(72)の流入側が第3逆止弁(73)の流入側に、第3逆止弁(73)の流出側が第4逆止弁(74)の流入側に、第4逆止弁(74)の流出側が第1逆止弁(71)の流出側にそれぞれ接続されている。
本変形例の冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が第2四方切換弁(52)の第1のポートにブリッジ回路(70)を介して接続され、室内熱交換器(22)が第2四方切換弁(52)の第2のポートにブリッジ回路(70)を介して接続されている。具体的に、ブリッジ回路(70)では、第1逆止弁(71)と第2逆止弁(72)の間に室外熱交換器(21)が、第1逆止弁(71)と第4逆止弁(74)の間に接続され第2四方切換弁(52)の第1のポートがそれぞれ接続されている。また、ブリッジ回路(70)では、第2逆止弁(72)と第3逆止弁(73)の間に第2四方切換弁(52)の第2のポートが接続され、第3逆止弁(73)と第4逆止弁(74)の間に室内熱交換器(22)がそれぞれ接続されている。
上記冷媒回路(10)では、除湿冷房運転の第1動作と第2動作、及び加湿暖房運転の第1動作と第2動作のそれぞれにおいて、ブリッジ回路(70)の設けられない場合と同様に冷媒が循環する。
除湿冷房運転の第1動作では、図17(A)に示すように、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)がそれぞれ第1状態に設定される。そして、室外熱交換器(21)から流出した冷媒が第1逆止弁(71)を通って第1吸着熱交換器(31)へ流入し、第2吸着熱交換器(32)から流出した冷媒が第3逆止弁(73)を通って室内熱交換器(22)へ流入する。一方、除湿冷房運転の第2動作では、図17(B)に示すように、第1四方切換弁(51)が第1状態に、第2四方切換弁(52)が第2状態にそれぞれ設定される。そして、室外熱交換器(21)から流出した冷媒が第1逆止弁(71)を通って第2吸着熱交換器(32)へ流入し、第1吸着熱交換器(31)から流出した冷媒が第3逆止弁(73)を通って室内熱交換器(22)へ流入する。
加湿暖房運転の第1動作では、図18(A)に示すように、第1四方切換弁(51)が第2状態に、第2四方切換弁(52)が第1状態にそれぞれ設定される。そして、室内熱交換器(22)から流出した冷媒が第4逆止弁(74)を通って第1吸着熱交換器(31)へ流入し、第2吸着熱交換器(32)から流出した冷媒が第2逆止弁(72)を通って室外熱交換器(21)へ流入する。一方、加湿暖房運転の第2動作では、図18(B)に示すように、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)がそれぞれ第2状態に設定される。そして、室内熱交換器(22)から流出した冷媒が第4逆止弁(74)を通って第2吸着熱交換器(32)へ流入し、第1吸着熱交換器(31)から流出した冷媒が第2逆止弁(72)を通って室外熱交換器(21)へ流入する。
上述のように、本変形例の冷媒回路(10)には、ブリッジ回路(70)が設けられている。このため、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)では、それぞれの第1のポートが常に高圧側となり、それぞれの第2のポートが常に低圧側となる。従って、本変形例によれば、常に高圧側となるべきポートと常に低圧側となるべきポートとを1つずつ備えるパイロット型の四方切換弁を用いることが可能となる。
《発明の実施形態6》
本発明の実施形態6について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態5の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図19及び図20に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)が1つ設けられ、電動膨張弁(41,42)と四方切換弁(51,52)が2つずつ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)とが1つずつ設けられ、吸着熱交換器(31,32)が2つ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とが利用側熱交換器をそれぞれ構成している。尚、室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記実施形態5のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が第1四方切換弁(51)の第1のポートに、その吸入側が第1四方切換弁(51)の第2のポートにそれぞれ接続されている。室外熱交換器(21)は、その一端が第1四方切換弁(51)の第3のポートに、その他端が第2四方切換弁(52)の第1のポートにそれぞれ接続されている。第2四方切換弁(52)の第2のポートは、第1四方切換弁(51)の第4のポートに接続されている。この冷媒回路(10)では、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と第1電動膨張弁(41)と室内熱交換器(22)と第2電動膨張弁(42)と第2吸着熱交換器(32)とが配置されている。
上記第1四方切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図19に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図20に示す状態)とに切り換わる。一方、上記第2四方切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図19(A)及び図20(B)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図19(B)及び図20(A)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図19を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、第1四方切換弁(51)が第1状態に設定されると共に第1及び第2電動膨張弁(41,42)の開度がそれぞれ適宜調節され、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図19(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に凝縮し、続いて第1電動膨張弁(41)で減圧されてから室内熱交換器(22)で蒸発し、更に第2電動膨張弁(42)で減圧されてから第2吸着熱交換器(32)で蒸発し、その後、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図19(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に凝縮し、続いて第2電動膨張弁(42)で減圧されてから室内熱交換器(22)で蒸発し、更に第1電動膨張弁(41)で減圧されてから第1吸着熱交換器(31)で蒸発し、その後、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、除湿冷房運転中には、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気と第2動作中の第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図20を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、第1四方切換弁(51)が第2状態に設定されると共に第1及び第2電動膨張弁(41,42)の開度がそれぞれ適宜調節され、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図20(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから第1電動膨張弁(41)で減圧され、続いて室内熱交換器(22)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、更に第2吸着熱交換器(32)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に蒸発し、その後、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図20(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、続いて室内熱交換器(22)で凝縮してから第1電動膨張弁(41)で減圧され、更に第1吸着熱交換器(31)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に蒸発し、その後、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気と第2動作中の第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
−実施形態6の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果に加え、次のような効果が得られる。つまり、本実施形態において、除湿冷房運転中には、蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)での冷媒蒸発温度を室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度よりも低く設定できる。このため、吸着熱交換器(31,32)で生じた吸着熱を冷媒によって確実に奪うことができ、吸着熱交換器(31,32)に吸着される水分量を増大させることができる。また、本実施形態において、加湿暖房運転中には、凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)での冷媒凝縮温度を室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度よりも高く設定できる。このため、吸着熱交換器(31,32)に設けられた吸着材の温度を充分に上昇させることができ、吸着材の再生を確実に行うことができる。
《発明の実施形態7》
本発明の実施形態7について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態5の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図21及び図22に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)が1つずつ設けられ、四方切換弁(51,52)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)とが1つずつ設けられ、吸着熱交換器(31,32)が2つ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とが利用側熱交換器をそれぞれ構成している。尚、室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記実施形態5のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が第1四方切換弁(51)の第1のポートに、その吸入側が第1四方切換弁(51)の第2のポートにそれぞれ接続されている。第1吸着熱交換器(31)は、その一端が第1四方切換弁(51)の第3のポートに、その他端が第2四方切換弁(52)の第1のポートにそれぞれ接続されている。第2吸着熱交換器(32)は、その一端が第1四方切換弁(51)の第4のポートに、その他端が第2四方切換弁(52)の第2のポートにそれぞれ接続されている。この冷媒回路(10)では、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(21)と電動膨張弁(40)と室内熱交換器(22)とが配置されている。
上記第1四方切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図21(A)及び図22(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図21(B)及び図22(B)に示す状態)とに切り換わる。一方、上記第2四方切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図21(A)及び図22(B)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図21(B)及び図22(A)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図21を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図21(A)に示すように、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)がそれぞれ第1状態に設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に凝縮し、続いて電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室内熱交換器(22)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図21(B)に示すように、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)がそれぞれ第2状態に設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に凝縮し、続いて電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室内熱交換器(22)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、除湿冷房運転中には、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気と第2動作中の第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図22を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図22(A)に示すように、第1四方切換弁(51)が第1状態に、第2四方切換弁(52)が第2状態にそれぞれ設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に凝縮し、続いて電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図22(B)に示すように、第1四方切換弁(51)が第2状態に、第2四方切換弁(52)が第1状態にそれぞれ設定され、電動膨張弁(40)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に凝縮し、続いて電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気と第2動作中の第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
−実施形態7の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果に加え、次のような効果が得られる。つまり、本実施形態において、凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)へ圧縮機(20)から吐出された冷媒が最初に導入される。このため、最も高温の冷媒を吸着熱交換器へ導入して吸着材の加熱に利用でき、吸着材の温度を充分に上昇させて吸着材の再生を確実に行うことができる。
《発明の実施形態8》
本発明の実施形態8について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態5の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図23及び図24に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)が1つ設けられ、電動膨張弁(41,42)と四方切換弁(51,52)が2つずつ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)とが1つずつ設けられ、吸着熱交換器(31,32)が2つ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とが利用側熱交換器をそれぞれ構成している。尚、室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記実施形態5のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が第1四方切換弁(51)の第1のポートに、その吸入側が第1四方切換弁(51)の第2のポートにそれぞれ接続されている。第2四方切換弁(52)は、その第1のポートが第1四方切換弁(51)の第3のポートに、その第2のポートが第1四方切換弁(51)の第4のポートにそれぞれ接続されている。冷媒回路(10)では、第1四方切換弁(51)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(21)と第1電動膨張弁(41)と室内熱交換器(22)とが配置されている。また、冷媒回路(10)では、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と第2電動膨張弁(42)と第2吸着熱交換器(32)とが配置されている。
上記冷媒回路(10)では、第1四方切換弁(51)の第3のポートから第4のポートへ至る部分が第1回路(11)を、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ至る部分が第2回路(12)をそれぞれ構成している。そして、冷媒回路(10)では、第1回路(11)に対して第2回路(12)が第2四方切換弁(52)を介して接続され、第1回路(11)と第2回路(12)とが互いに並列に配置されている。
上記第1四方切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図23に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図24に示す状態)とに切り換わる。一方、上記第2四方切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図23(A)及び図24(B)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図23(B)及び図24(A)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図23を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、第1四方切換弁(51)が第1状態に設定されると共に第1電動膨張弁(41)の開度が適宜調節され、第1回路(11)では室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。つまり、圧縮機(20)から吐出されて第1回路(11)へ流入した冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから第1電動膨張弁(41)で減圧され、室内熱交換器(22)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
また、除湿冷房運転中には、第2回路(12)で第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2回路(12)で第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図23(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出されて第2回路(12)へ流入した冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第2吸着熱交換器(32)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図23(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出されて第2回路(12)へ流入した冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第1吸着熱交換器(31)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、除湿冷房運転中には、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気と第2動作中の第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図24を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、第1四方切換弁(51)が第2状態に設定されると共に第1電動膨張弁(41)の開度が適宜調節され、第1回路(11)では室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。つまり、圧縮機(20)から吐出されて第1回路(11)へ流入した冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮してから第1電動膨張弁(41)で減圧され、室外熱交換器(21)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
また、加湿暖房運転中には、第2回路(12)で第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2回路(12)で第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図24(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出されて第2回路(12)へ流入した冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第2吸着熱交換器(32)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図24(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出されて第2回路(12)へ流入した冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第1吸着熱交換器(31)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気と第2動作中の第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
−実施形態8の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果に加え、次のような効果が得られる。
先ず、本実施形態の冷媒回路(10)では、第1回路(11)と第2回路(12)が互いに並列接続されている。このため、第1回路(11)に設けられた第1電動膨張弁(41)の開度制御は、第1回路(11)の出口側における冷媒の過熱度が一定となるように行えばよい。また、第2回路(12)に設けられた第2電動膨張弁(42)の開度制御は、第2回路(12)の出口側における冷媒の過熱度が一定となるように行えばよい。つまり、第1電動膨張弁(41)の制御は第1回路(11)における冷媒の状態だけを考慮して行えばよく、第2電動膨張弁(42)の制御は第2回路(12)における冷媒の状態だけを考慮して行えばよいこととなる。従って、本実施形態によれば、空気調和装置の運転制御を簡素化することができる。
次に、本実施形態の冷媒回路(10)において、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)では、それぞれの第1のポートが常に高圧側となり、それぞれの第2のポートが常に低圧側となる。従って、本変形例によれば、常に高圧側となるべきポートと常に低圧側となるべきポートとを1つずつ備えるパイロット型の四方切換弁を用いることが可能となる。
《発明の実施形態9》
本発明の実施形態9について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態5の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図25及び図26に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)が1つ設けられ、電動膨張弁(41,42)と四方切換弁(51,52)が2つずつ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)とが1つずつ設けられ、吸着熱交換器(31,32)が2つ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とが利用側熱交換器をそれぞれ構成している。尚、室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記実施形態5のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が第1四方切換弁(51)の第1のポートと第2四方切換弁(52)の第2のポートの両方に接続され、その吸入側が第1四方切換弁(51)の第2のポートと第2四方切換弁(52)の第2のポートの両方に接続されている。冷媒回路(10)では、第1四方切換弁(51)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(21)と第1電動膨張弁(41)と室内熱交換器(22)とが配置されている。また、冷媒回路(10)では、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と第2電動膨張弁(42)と第2吸着熱交換器(32)とが配置されている。
上記冷媒回路(10)では、第1四方切換弁(51)の第3のポートから第4のポートへ至る部分が第1回路(11)を、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ至る部分が第2回路(12)をそれぞれ構成している。そして、冷媒回路(10)では、第1回路(11)が第1四方切換弁(51)を介して圧縮機(20)に、第2回路(12)が第2四方切換弁(52)を介して圧縮機(20)にそれぞれ接続され、第1回路(11)と第2回路(12)とが互いに並列に配置されている。
上記第1四方切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図25に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図26に示す状態)とに切り換わる。一方、上記第2四方切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図25(A)及び図26(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図25(B)及び図26(B)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図25を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、第1四方切換弁(51)が第1状態に設定されると共に第1電動膨張弁(41)の開度が適宜調節され、第1回路(11)では室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。つまり、圧縮機(20)から吐出されて第1回路(11)へ流入した冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから第1電動膨張弁(41)で減圧され、室内熱交換器(22)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
また、除湿冷房運転中には、第2回路(12)で第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2回路(12)で第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図25(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出されて第2回路(12)へ流入した冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第2吸着熱交換器(32)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図25(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出されて第2回路(12)へ流入した冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第1吸着熱交換器(31)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、除湿冷房運転中には、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気と第2動作中の第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図26を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、第1四方切換弁(51)が第2状態に設定されると共に第1電動膨張弁(41)の開度が適宜調節され、第1回路(11)では室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。つまり、圧縮機(20)から吐出されて第1回路(11)へ流入した冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮してから第1電動膨張弁(41)で減圧され、室外熱交換器(21)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
また、加湿暖房運転中には、第2回路(12)で第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2回路(12)で第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図26(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出されて第2回路(12)へ流入した冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第2吸着熱交換器(32)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図26(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出されて第2回路(12)へ流入した冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第1吸着熱交換器(31)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気と第2動作中の第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
−実施形態9の効果−
本実施形態によれば、上記実施形態8で得られる効果と同様の効果が得られる。
《発明の実施形態10》
本発明の実施形態10について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態5の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図27及び図28に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と気液分離器(23)が1つずつ設けられ、電動膨張弁(41,42)と四方切換弁(51,52)が2つずつ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)とが1つずつ設けられ、吸着熱交換器(31,32)が2つ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とが利用側熱交換器をそれぞれ構成している。尚、室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記実施形態5のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が第1四方切換弁(51)の第1のポートに、その吸入側が第1四方切換弁(51)の第2のポートにそれぞれ接続されている。冷媒回路(10)では、第1四方切換弁(51)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(21)と気液分離器(23)と第1電動膨張弁(41)と室内熱交換器(22)とが配置されている。第2四方切換弁(52)は、その第1のポートが気液分離器(23)のガス側の出口に、その第2のポートが第1四方切換弁(51)の第4のポートにそれぞれ接続されている。冷媒回路(10)では、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と第2電動膨張弁(42)と第2吸着熱交換器(32)とが配置されている。
上記第1四方切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図27に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図28に示す状態)とに切り換わる。一方、上記第2四方切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図27(A)及び図28(B)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図27(B)及び図28(A)に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図27を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、第1四方切換弁(51)が第1状態に設定されると共に第1電動膨張弁(41)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、その一部が室外熱交換器(21)で凝縮した後に気液分離器(23)へ流入し、液冷媒とガス冷媒に分離される。そして、気液分離器(23)から流出した液冷媒は、第1電動膨張弁(41)で減圧されてから室内熱交換器(22)で蒸発し、その後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
また、除湿冷房運転中には、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における除湿冷房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図27(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、気液分離器(23)から流出したガス冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第2吸着熱交換器(32)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図27(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、気液分離器(23)から流出したガス冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、第1吸着熱交換器(31)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、除湿冷房運転中には、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気と第2動作中の第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図28を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、第1四方切換弁(51)が第2状態に設定されると共に第1電動膨張弁(41)の開度が適宜調節され、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)側と第2四方切換弁(52)側の二手に分流される。そして、室内熱交換器(22)側へ流入した冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮してから第1電動膨張弁(41)で減圧され、その後に気液分離器(23)へ流入する。
また、加湿暖房運転中には、第2回路(12)で第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態5における加湿暖房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図28(A)に示すように、第2四方切換弁(52)が第2状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、第2四方切換弁(52)側へ流入した冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、その後、第2吸着熱交換器(32)で蒸発してから気液分離器(23)へ流入し、室内熱交換器(22)からの冷媒と合流する。気液分離器(23)から流出した冷媒は、室外熱交換器(21)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図28(B)に示すように、第2四方切換弁(52)が第1状態に設定され、第2電動膨張弁(42)の開度が適宜調節される。この状態で、第2四方切換弁(52)側へ流入した冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、その後、第1吸着熱交換器(31)で蒸発してから気液分離器(23)へ流入し、室内熱交換器(22)からの冷媒と合流する。気液分離器(23)から流出した冷媒は、室外熱交換器(21)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
そして、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気と第2動作中の第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
−実施形態10の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果に加え、次のような効果が得られる。
先ず、本実施形態の空気調和装置をいわゆるセパレート型に構成した場合には、その設置作業の工数が増大するのを回避できる。つまり、圧縮機(20)と第1四方切換弁(51)と室外熱交換器(21)を室外側のユニットに収納し、第1及び第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(22)と第2四方切換弁(52)と第1及び第2電動膨張弁(41,42)と気液分離器(23)とを室内側のユニットに収納する構成を採用すれば、室外側のユニットと室内側のユニットを2本の連絡配管で接続するだけでよいことになる。従って、本実施形態によれば、室外側のユニットと室内側のユニットを接続するための連絡配管が増加するのを回避でき、設置作業の工数を一般的な空調機と同じにすることができる。
次に、本実施形態の除湿冷房運転時には、室外熱交換器(21)から流出した冷媒を気液分離器(23)で液冷媒とガス冷媒に分離し、分離されたガス冷媒だけを凝縮器となる吸着熱交換器(31,32)へ供給している。従って、本実施形態によれば、凝縮器となる吸着熱交換器(31,32)での吸着材に対する加熱量を充分に確保でき、吸着材の再生を確実に行うことができる。
−実施形態10の変形例−
本実施形態の冷媒回路(10)では、図29及び図30に示すように、室外熱交換器(21)と第1吸着熱交換器(31)の位置を入れ替えると共に、室内熱交換器(22)と第2吸着熱交換器(32)の位置を入れ替えてもよい。
具体的に、本変形例の冷媒回路(10)では、第1四方切換弁(51)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と気液分離器(23)と第1電動膨張弁(41)と第2吸着熱交換器(32)とが配置される。また、この冷媒回路(10)では、第2四方切換弁(52)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(21)と第2電動膨張弁(42)と室内熱交換器(22)とが配置されている。
除湿冷房運転の第1動作では、図29(A)に示すように、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)がそれぞれ第1状態に設定され、第1電動膨張弁(41)及び第2電動膨張弁(42)の開度がそれぞれ適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから気液分離器(23)へ流入する。気液分離器(23)から流出した液冷媒は、第1電動膨張弁(41)で減圧されてから第2吸着熱交換器(32)で蒸発し、その後、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。一方、気液分離器(23)から流出したガス冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、室内熱交換器(22)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
除湿冷房運転の第2動作では、図29(B)に示すように、第1四方切換弁(51)及び第2四方切換弁(52)がそれぞれ第2状態に設定され、第1電動膨張弁(41)及び第2電動膨張弁(42)の開度がそれぞれ適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、その一部が第2吸着熱交換器(32)へ流入し、残りが室外熱交換器(21)へ流入する。第2吸着熱交換器(32)へ流入した冷媒は、その第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第1電動膨張弁(41)で減圧され、その後に気液分離器(23)へ流入する。室外熱交換器(21)へ流入した冷媒は、その室外熱交換器(21)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、その後に室内熱交換器(22)で蒸発してから気液分離器(23)へ流入する。気液分離器(23)から流出した冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
加湿暖房運転の第1動作では、図30(A)に示すように、第1四方切換弁(51)が第1状態に、第2四方切換弁(52)が第2状態にそれぞれ設定され、第1電動膨張弁(41)及び第2電動膨張弁(42)の開度がそれぞれ適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから気液分離器(23)へ流入する。気液分離器(23)から流出した液冷媒は、第1電動膨張弁(41)で減圧されてから第2吸着熱交換器(32)で蒸発し、その後、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。一方、気液分離器(23)から流出したガス冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、室外熱交換器(21)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
加湿暖房運転の第2動作では、図30(B)に示すように、第1四方切換弁(51)が第2状態に、第2四方切換弁(52)が第1状態にそれぞれ設定され、第1電動膨張弁(41)及び第2電動膨張弁(42)の開度がそれぞれ適宜調節される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、その一部が第2吸着熱交換器(32)へ流入し、残りが室内熱交換器(22)へ流入する。第2吸着熱交換器(32)へ流入した冷媒は、その第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから第1電動膨張弁(41)で減圧され、その後に気液分離器(23)へ流入する。室内熱交換器(22)へ流入した冷媒は、その室内熱交換器(22)で凝縮してから第2電動膨張弁(42)で減圧され、その後に室外熱交換器(21)で蒸発してから気液分離器(23)へ流入する。気液分離器(23)から流出した冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で蒸発した後に圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。
《発明の実施形態11》
本発明の実施形態11について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態5の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図31及び図32に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)と四方切換弁(50)とが1つずつ設けられ、電磁弁(61,62)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)とが1つずつ設けられ、吸着熱交換器(31,32)が2つ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とが利用側熱交換器をそれぞれ構成している。尚、室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記実施形態5のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が第1吸着熱交換器(31)の一端と第2吸着熱交換器(32)の一端とに、その吸入側が四方切換弁(50)の第2のポートにそれぞれ接続されている。第1吸着熱交換器(31)の他端は第1電磁弁(61)を介して、第2吸着熱交換器(32)の他端は第2電磁弁(62)を介して、それぞれ四方切換弁(50)の第1のポートに接続されている。冷媒回路(10)では、四方切換弁(50)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(21)と電動膨張弁(40)と室内熱交換器(22)とが配置されている。
上記四方切換弁(50)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図31に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図32に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図31を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、四方切換弁(50)が第1状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図31(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室内熱交換器(22)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図31(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室内熱交換器(22)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図31を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、四方切換弁(50)が第2状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)へ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図32(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室外熱交換器(21)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図32(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室外熱交換器(21)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
−実施形態11の効果−
本実施形態によれば、上記参考技術1で得られる効果に加え、次のような効果が得られる。つまり、本実施形態において、除湿冷房運転中や加湿暖房運転中における第1動作と第2動作の切り換えは、2つの電磁弁(61,62)を開閉することによって行われる。このような第1動作と第2動作の切り換えは、比較的短い時間間隔(例えば5〜10分間隔)で頻繁に行われる。従って、本実施形態によれば、第1動作と第2動作の切り換えに比較的耐久性の高い電磁弁(61,62)を利用することができ、空気調和装置の信頼性を容易に確保することができる。
《発明の実施形態12》
本発明の実施形態12について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態5の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図33及び図34に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)と四方切換弁(50)とが1つずつ設けられ、電磁弁(61,62)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)とが1つずつ設けられ、吸着熱交換器(31,32)が2つ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とが利用側熱交換器をそれぞれ構成している。尚、室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記実施形態5のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が四方切換弁(50)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(50)の第2のポートにそれぞれ接続されている。第1吸着熱交換器(31)の一端と第2吸着熱交換器(32)の一端とは、それぞれ四方切換弁(50)の第4のポートに接続されている。第1吸着熱交換器(31)の他端は第1電磁弁(61)を介して、第2吸着熱交換器(32)の他端は第2電磁弁(62)を介して、それぞれ室内熱交換器(22)の一端に接続されている。室内熱交換器(22)の他端は電動膨張弁(40)を介して室外熱交換器(21)の一端に接続され、室外熱交換器(21)の他端は四方切換弁(50)の第3のポートに接続されている。
上記四方切換弁(50)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図33に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図34に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図33を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、四方切換弁(50)が第1状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とへ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第1動作中は、図33(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室内熱交換器(22)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、絶対湿度の比較的低い室内空気が吸着材と接触し、該吸着材から水分が脱離する。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第2動作中は、図33(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室内熱交換器(22)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、絶対湿度の比較的低い室内空気が吸着材と接触し、該吸着材から水分が脱離する。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図34を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、四方切換弁(50)が第2状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とへ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図34(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室外熱交換器(21)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気が吸着材と接触し、この室内空気中の水分が吸着材に吸着される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図34(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室外熱交換器(21)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気が吸着材と接触し、この室内空気中の水分が吸着材に吸着される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
−実施形態12の効果−
本実施形態によれば、上記実施形態11で得られる効果と同様の効果が得られる。
−実施形態12の変形例1−
本実施形態の空気調和装置では、図35に示すように、冷媒回路(10)にバイパス通路(13)を設けてもよい。このバイパス通路(13)は、その一端が室内熱交換器(22)に、その他端が四方切換弁(50)の第4のポートにそれぞれ接続される。また、バイパス通路(13)には、第3電磁弁(63)が設けられる。室内の除湿や加湿が不要な場合は、第1電磁弁(61)及び第2電磁弁(62)を閉鎖して第3電磁弁(63)を開放し、第1吸着熱交換器(31)と第2吸着熱交換器(32)の両方を休止させる。そして、冷房運転中には室内熱交換器(22)で冷却された空気だけを室内へ供給し、暖房運転中には室内熱交換器(22)で加熱された空気だけを室内へ供給する。
−実施形態12の変形例2−
本実施形態の空気調和装置では、図36及び図37に示すように、冷媒回路(10)における室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)の位置を入れ替えてもよい。つまり、本変形例の冷媒回路(10)において、室内熱交換器(22)は、その一端が四方切換弁(50)の第3のポートに、その他端が電動膨張弁(40)を介して室外熱交換器(21)の一端にそれぞれ接続される。また、室外熱交換器(21)の他端は、第1電磁弁(61)と第2電磁弁(62)の両方に接続される。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図36を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、四方切換弁(50)が第2状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とへ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図36(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室内熱交換器(22)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気と共に室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気が吸着材と接触し、この室内空気中の水分が吸着材に吸着される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図36(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。圧縮機(20)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)と室外熱交換器(21)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室内熱交換器(22)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気が吸着材と接触し、この室内空気中の水分が吸着材に吸着される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気と共に室外へ排出される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図37を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、四方切換弁(50)が第1状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
更に、加湿暖房運転中には、室外熱交換器(21)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とへ室内空気が供給される。そして、室内熱交換器(22)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第1動作中は、図37(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、絶対湿度の比較的低い室内空気が吸着材と接触し、該吸着材から脱離した水分が室内空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第2動作中は、図37(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、室外熱交換器(21)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(21)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第1吸着熱交換器(31)では、絶対湿度の比較的低い室内空気が吸着材と接触し、該吸着材から脱離した水分が室内空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
《発明の実施形態13》
本発明の実施形態13について説明する。本実施形態の空気調和装置は、上記実施形態12の空気調和装置において冷媒回路(10)の構成を変更したものである。
図38及び図39に示すように、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と電動膨張弁(40)と四方切換弁(50)とが1つずつ設けられ、電磁弁(61,62)が2つ設けられている。また、冷媒回路(10)には、室外熱交換器(21)と室内熱交換器(22)とが1つずつ設けられ、吸着熱交換器(31,32)が2つ設けられている。この冷媒回路(10)では、室外熱交換器(21)が熱源側熱交換器を、室内熱交換器(22)と第1及び第2吸着熱交換器(31,32)とが利用側熱交換器をそれぞれ構成している。尚、室外熱交換器(21)、室内熱交換器(22)、及び各吸着熱交換器(31,32)は、それぞれ上記実施形態12のものと同様に構成されている。
上記冷媒回路(10)の構成について説明する。圧縮機(20)は、その吐出側が四方切換弁(50)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(50)の第2のポートにそれぞれ接続されている。四方切換弁(50)の第3のポートは、室外熱交換器(21)の一端に接続されている。室外熱交換器(21)の他端は、電動膨張弁(40)を介して第1吸着熱交換器(31)の一端と第2吸着熱交換器(32)の一端とに接続されている。第1吸着熱交換器(31)の他端は第1電磁弁(61)を介して、第2吸着熱交換器(32)の他端は第2電磁弁(62)を介して、それぞれ室内熱交換器(22)の一端に接続されている。室内熱交換器(22)の他端は、四方切換弁(50)の第4のポートに接続されている。
上記四方切換弁(50)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図38に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図39に示す状態)とに切り換わる。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置では、除湿冷房運転と加湿暖房運転とが行われる。
〈除湿冷房運転〉
除湿冷房運転中の動作について、図38を参照しながら説明する。
除湿冷房運転中には、四方切換弁(50)が第1状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2回路(12)で第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態12における除湿冷房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態12における除湿冷房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第1動作中は、図38(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第1吸着熱交換器(31)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第2動作中は、図38(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21)で凝縮してから電動膨張弁(40)で減圧され、その後、第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(22)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
そして、除湿冷房運転中には、室内熱交換器(22)で冷却された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気と第2動作中の第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
〈加湿暖房運転〉
加湿暖房運転中の動作について、図39を参照しながら説明する。
加湿暖房運転中には、四方切換弁(50)が第2状態に設定されると共に電動膨張弁(40)の開度が適宜調節され、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2回路(12)で第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
尚、第1動作中の空気の流れは、上記実施形態12における加湿暖房運転の第1動作中の流れと同じである。また、第2動作中の空気の流れは、上記実施形態12における加湿暖房運転の第2動作中の流れと同じである。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図39(A)に示すように、第1電磁弁(61)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室外熱交換器(21)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(62)によって遮断される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図39(B)に示すように、第1電磁弁(61)が閉鎖され、第2電磁弁(62)が開放される。圧縮機(20)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(22)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に凝縮し、その後、電動膨張弁(40)で減圧されてから室外熱交換器(21)で蒸発し、圧縮機(20)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(61)によって遮断される。
そして、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)で加熱された室内空気が室内へ供給されると共に、第1動作中の第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気と第2動作中の第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気とが交互に室内へ供給される。
−実施形態13の効果−
本実施形態によれば、上記実施形態11で得られる効果と同様の効果が得られる。
《その他の参考技術と実施形態》
上記参考技術又は実施形態の空気調和装置は、次のような構成のものであってもよい。
−参考技術の変形例−
上記参考技術1の空気調和装置では、図40,図41に示すように、キャピラリチューブ(43)及び電磁弁(60)に代えて電動膨張弁(80)を設けてもよい。冷媒回路(10)において、この電動膨張弁(80)は、室内熱交換器(22)と吸着熱交換器(30)の間に配置される。
図40に示すように、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、吸着熱交換器(30)は、2つの電動膨張弁(40,80)の開度を調節することによって、蒸発器になる状態と凝縮器になる状態とに切り換わる。
吸着熱交換器(30)と室内熱交換器(22)が蒸発器になっている状態において、電動膨張弁(80)で冷媒をやや減圧すれば、吸着熱交換器(30)での冷媒蒸発温度に比べて室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度が低く設定される。そして、室内熱交換器(22)における冷媒の吸熱量と、吸着熱交換器(30)における冷媒の吸熱量とのバランスが調節される。一方、室外熱交換器(21)と吸着熱交換器(30)が凝縮器になっている状態において、電動膨張弁(40)で冷媒をやや減圧すれば、室外熱交換器(21)での冷媒凝縮温度に比べて吸着熱交換器(30)での冷媒凝縮温度が低く設定される。そして、室外熱交換器(21)における冷媒の放熱量と、吸着熱交換器(30)における冷媒の放熱量とのバランスが調節される。
このように、除湿冷房運転中には、蒸発器となっている吸着熱交換器(30)と室内熱交換器(22)における冷媒の吸熱量をそれぞれ調節でき、凝縮器となっている吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)における冷媒の放熱量をそれぞれ調節できる。従って、本変形例の空気調和装置では、冷房能力と除湿能力のバランスを変更することができる。
図41に示すように、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、吸着熱交換器(30)は、2つの電動膨張弁(40,80)の開度を調節することによって、蒸発器になる状態と凝縮器になる状態とに切り換わる。
吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)が蒸発器になっている状態において、電動膨張弁(40)で冷媒をやや減圧すれば、吸着熱交換器(30)での冷媒蒸発温度に比べて室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度が低く設定される。そして、室外熱交換器(21)における冷媒の吸熱量と、吸着熱交換器(30)における冷媒の吸熱量とのバランスが調節される。一方、室内熱交換器(22)と吸着熱交換器(30)が凝縮器になっている状態において、電動膨張弁(80)で冷媒をやや減圧すれば、室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度に比べて吸着熱交換器(30)での冷媒凝縮温度が低く設定される。そして、室内熱交換器(22)における冷媒の放熱量と、吸着熱交換器(30)における冷媒の放熱量とのバランスが調節される。
このように、加湿暖房運転中には、凝縮器となっている吸着熱交換器(30)と室内熱交換器(22)における冷媒の放熱量をそれぞれ調節でき、蒸発器となっている吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)における冷媒の吸熱量をそれぞれ調節できる。従って、本変形例の空気調和装置では、暖房能力と加湿能力のバランスを変更することができる。
−実施形態の第1変形例−
上記実施形態5の空気調和装置では、図42,図43に示すように、2つの補助電動膨張弁(81,82)を冷媒回路(10)に追加してもよい。冷媒回路(10)において、第1補助電動膨張弁(81)は、第2四方切換弁(52)の第1のポートと室外熱交換器(21)の間に配置される。また、第2補助電動膨張弁(82)は、第2四方切換弁(52)の第2のポートと室内熱交換器(22)の間に配置される。
図42に示すように、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、冷媒回路(10)では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。同図は、第1動作中の状態を示している。
例えば、第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(22)が蒸発器になっている状態において、第2補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧すれば、第2吸着熱交換器(32)での冷媒蒸発温度に比べて室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度が低く設定される。第2吸着熱交換器(32)に代わって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる状態でも、第2補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧することにより、第2吸着熱交換器(32)での冷媒蒸発温度に比べて室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度が低く設定される。
また、室外熱交換器(21)と第1吸着熱交換器(31)が凝縮器になっている状態において、第1補助電動膨張弁(81)で冷媒をやや減圧すれば、室外熱交換器(21)での冷媒凝縮温度に比べて第1吸着熱交換器(31)での冷媒凝縮温度が低く設定される。第1吸着熱交換器(31)に代わって第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となる状態でも、第1補助電動膨張弁(81)で冷媒をやや減圧することにより、室外熱交換器(21)での冷媒凝縮温度に比べて第2吸着熱交換器(32)での冷媒凝縮温度が低く設定される。
このように、除湿冷房運転中には、蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)と室内熱交換器(22)について、それぞれにおける冷媒蒸発温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の吸熱量が調節可能となる。また、凝縮器となっている吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)について、それぞれにおける冷媒凝縮温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の放熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、冷房能力と除湿能力のバランスを変更することができる。
図43に示すように、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、冷媒回路(10)では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。同図は、第1動作中の状態を示している。
例えば、第2吸着熱交換器(32)と室外熱交換器(21)が蒸発器になっている状態において、第1補助電動膨張弁(81)で冷媒をやや減圧すれば、第2吸着熱交換器(32)での冷媒蒸発温度に比べて室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度が低く設定される。第2吸着熱交換器(32)に代わって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる状態でも、第1補助電動膨張弁(81)で冷媒をやや減圧することにより、第1吸着熱交換器(31)での冷媒蒸発温度に比べて室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度が低く設定される。
また、室内熱交換器(22)と第1吸着熱交換器(31)が凝縮器になっている状態において、第2補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧すれば、室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度に比べて第1吸着熱交換器(31)での冷媒凝縮温度が低く設定される。第1吸着熱交換器(31)に代わって第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となる状態でも、第2補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧することにより、室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度に比べて第2吸着熱交換器(32)での冷媒凝縮温度が低く設定される。
このように、加湿暖房運転中には、凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)と室内熱交換器(22)について、それぞれにおける冷媒凝縮温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の放熱量が調節可能となる。また、蒸発器となっている吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)について、それぞれにおける冷媒蒸発温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の吸熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、暖房能力と加湿能力のバランスを変更することができる。
−実施形態の第2変形例−
上記実施形態7の空気調和装置では、図44,図45に示すように、2つの補助電動膨張弁(81,82)を冷媒回路(10)に追加してもよい。冷媒回路(10)において、第1補助電動膨張弁(81)は、第2四方切換弁(52)の第1のポートと第1吸着熱交換器(31)の間に配置されている。また、第2補助電動膨張弁(82)は、第2四方切換弁(52)の第2のポートと第2吸着熱交換器(32)の間に配置されている。
図44に示すように、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、冷媒回路(10)では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。同図は、第1動作中の状態を示している。
例えば、室内熱交換器(22)と第2吸着熱交換器(32)が蒸発器になっている状態において、第2補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧すれば、室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度に比べて第2吸着熱交換器(32)での冷媒蒸発温度が低く設定される。第2吸着熱交換器(32)に代わって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる状態では、第1補助電動膨張弁(81)で冷媒をやや減圧することにより、室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度に比べて第1吸着熱交換器(31)での冷媒蒸発温度が低く設定される。
また、第1吸着熱交換器(31)と室外熱交換器(21)が凝縮器になっている状態において、第1補助電動膨張弁(81)で冷媒をやや減圧すれば、第1吸着熱交換器(31)での冷媒凝縮温度に比べて室外熱交換器(21)での冷媒凝縮温度が低く設定される。第1吸着熱交換器(31)に代わって第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となる状態では、第2補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧することにより、第2吸着熱交換器(32)での冷媒凝縮温度に比べて室外熱交換器(21)での冷媒凝縮温度が低く設定される。
このように、除湿冷房運転中には、蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)と室内熱交換器(22)について、それぞれにおける冷媒蒸発温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の吸熱量が調節可能となる。また、凝縮器となっている吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)について、それぞれにおける冷媒凝縮温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の放熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、冷房能力と除湿能力のバランスを変更することができる。
図45に示すように、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、冷媒回路(10)では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。同図は、第1動作中の状態を示している。
例えば、室外熱交換器(21)と第2吸着熱交換器(32)が蒸発器になっている状態において、第2補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧すれば、室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度に比べて第2吸着熱交換器(32)での冷媒蒸発温度が低く設定される。第2吸着熱交換器(32)に代わって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる状態では、第1補助電動膨張弁(81)で冷媒をやや減圧することにより、室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度に比べて第1吸着熱交換器(31)での冷媒蒸発温度が低く設定される。
また、第1吸着熱交換器(31)と室内熱交換器(22)が凝縮器になっている状態において、第1補助電動膨張弁(81)で冷媒をやや減圧すれば、第1吸着熱交換器(31)での冷媒凝縮温度に比べて室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度が低く設定される。第1吸着熱交換器(31)に代わって第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となる状態では、第2補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧することにより、第2吸着熱交換器(32)での冷媒凝縮温度に比べて室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度が低く設定される。
このように、加湿暖房運転中には、凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)と室内熱交換器(22)について、それぞれにおける冷媒凝縮温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の放熱量が調節可能となる。また、蒸発器となっている吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)について、それぞれにおける冷媒蒸発温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の吸熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、暖房能力と加湿能力のバランスを変更することができる。
−実施形態の第3変形例−
上記実施形態9の空気調和装置では、冷媒回路(10)に一つの補助電動膨張弁を追加してもよい。
例えば、図46,図47に示すように、冷媒回路(10)における圧縮機(20)の吸入側と第1四方切換弁(51)の間に補助電動膨張弁(82)を配置してもよい。
図46に示すように、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、冷媒回路(10)では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。同図は、第1動作中の状態を示している。
第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(22)が蒸発器になっている状態において、補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧すれば、第2吸着熱交換器(32)での冷媒蒸発温度に比べて室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度が高く設定される。第2吸着熱交換器(32)に代わって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる状態でも、補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧することにより、第1吸着熱交換器(31)での冷媒蒸発温度に比べて室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度が高く設定される。
このように、除湿冷房運転中には、蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)と室内熱交換器(22)について、それぞれにおける冷媒蒸発温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の吸熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、冷房能力と除湿能力のバランスを変更することができる。
図47に示すように、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、冷媒回路(10)では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。同図は、第1動作中の状態を示している。
室外熱交換器(21)と第2吸着熱交換器(32)が蒸発器になっている状態において、補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧すれば、第2吸着熱交換器(32)での冷媒蒸発温度に比べて室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度が高く設定される。第2吸着熱交換器(32)に代わって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる状態でも、補助電動膨張弁(82)で冷媒をやや減圧することにより、第1吸着熱交換器(31)での冷媒蒸発温度に比べて室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度が高く設定される。
このように、加湿暖房運転中には、蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)と室内熱交換器(22)について、それぞれにおける冷媒蒸発温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の吸熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、冷凍サイクルにおける冷媒の吸熱量と吸着熱交換器(30)の水分吸着量とを調節でき、結果的に暖房能力と加湿能力のバランスを変更することができる。
また、図48に示すように、冷媒回路(10)における圧縮機(20)の吸入側と第2四方切換弁(52)の間に補助電動膨張弁(81)を配置してもよい。室内熱交換器(22)が蒸発器になっている状態で補助電動膨張弁(81)により冷媒をやや減圧すると、室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度に比べて、蒸発器となっている方の吸着熱交換器(31,32)における冷媒蒸発温度が高く設定される。また、室外熱交換器(21)が蒸発器になっている状態で補助電動膨張弁(81)により冷媒をやや減圧すると、室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度に比べて、蒸発器となっている方の吸着熱交換器(31,32)における冷媒蒸発温度が高く設定される。
−実施形態の第4変形例−
上記実施形態9の空気調和装置では、冷媒回路(10)に二つの補助電動膨張弁(81,82)を追加してもよい。
図49に示すように、冷媒回路(10)では、圧縮機(20)の吸入側と第2四方切換弁(52)の間に第1補助電動膨張弁(81)が配置され、圧縮機(20)の吸入側と第1四方切換弁(51)の間に第2補助電動膨張弁(82)が配置されている。このように冷媒回路(10)に二つの補助電動膨張弁(81,82)を追加すると、吸着熱交換器(31,32)での冷媒蒸発温度を、室外熱交換器(21)又は室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度に比べて高く設定することと低く設定することの両方が可能となる。
例えば、室内熱交換器(22)が蒸発器になっているとする。この状態で第1補助電動膨張弁(81)の開度を第2補助電動膨張弁(82)の開度に比べて大きく設定した場合、蒸発器となっている方の吸着熱交換器(31,32)における冷媒蒸発温度は、室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度に比べて低く設定される。逆に、この状態で第1補助電動膨張弁(81)の開度を第2補助電動膨張弁(82)の開度に比べて小さく設定した場合は、蒸発器となっている方の吸着熱交換器(31,32)における冷媒蒸発温度は、室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度に比べて高く設定される。
また、室外熱交換器(21)が蒸発器になっているとする。この状態で第1補助電動膨張弁(81)の開度を第2補助電動膨張弁(82)の開度に比べて大きく設定した場合、蒸発器となっている方の吸着熱交換器(31,32)における冷媒蒸発温度は、室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度に比べて低く設定される。逆に、この状態で第1補助電動膨張弁(81)の開度を第2補助電動膨張弁(82)の開度に比べて小さく設定した場合は、蒸発器となっている方の吸着熱交換器(31,32)における冷媒蒸発温度は、室外熱交換器(21)での冷媒蒸発温度に比べて高く設定される。
−実施形態の第5変形例−
上記第4変形例の空気調和装置では、図50に示すように、更に第3補助電動膨張弁(83)及び第4補助電動膨張弁(84)を冷媒回路(10)に追加してもよい。冷媒回路(10)において、第3補助電動膨張弁(83)は、圧縮機(20)の吐出側と第2四方切換弁(52)の間に配置される。一方、第4補助電動膨張弁(84)は、圧縮機(20)の吐出側と第1四方切換弁(51)の間に配置される。
本変形例のように冷媒回路(10)に第3補助電動膨張弁(83)及び第4補助電動膨張弁(84)を追加すると、吸着熱交換器(31,32)での冷媒凝縮温度を、室外熱交換器(21)又は室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度に比べて高く設定することと低く設定することの両方が可能となる。つまり、第3補助電動膨張弁(83)の開度を第4補助電動膨張弁(84)の開度に比べて大きく設定した場合は、吸着熱交換器(31,32)での冷媒凝縮温度が、室外熱交換器(21)又は室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度に比べて高く設定される。逆に、第3補助電動膨張弁(83)の開度を第4補助電動膨張弁(84)の開度に比べて小さく設定した場合は、吸着熱交換器(31,32)での冷媒凝縮温度が、室外熱交換器(21)又は室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度に比べて低く設定される。
本変形例の空気調和装置において、除湿冷房運転中には、凝縮器となっている吸着熱交換器(30)と室外熱交換器(21)について、それぞれにおける冷媒凝縮温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の放熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、冷凍サイクルにおける冷媒の放熱量と吸着熱交換器(30)の再生量とを調節でき、結果的に冷房能力と除湿能力のバランスを変更することができる。
また、本変形例の空気調和装置において、加湿暖房運転中には、凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)と室内熱交換器(22)について、それぞれにおける冷媒凝縮温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の放熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、暖房能力と加湿能力のバランスを変更することができる。
−実施形態の第6変形例−
上記実施形態13の空気調和装置では、図51,図52に示すように、電動膨張弁(80)を冷媒回路(10)に追加してもよい。冷媒回路(10)において、電動膨張弁(80)は、第1電磁弁(61)及び第2電磁弁(62)と室内熱交換器(22)の間に配置されている。
図51に示すように、除湿冷房運転中には、室外熱交換器(21)が凝縮器となって室内熱交換器(22)が蒸発器となる。また、冷媒回路(10)では、第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。同図は、第1動作中の状態を示している。
例えば、第1吸着熱交換器(31)と室内熱交換器(22)が蒸発器になっている状態において、電動膨張弁(80)で冷媒をやや減圧すれば、第1吸着熱交換器(31)での冷媒蒸発温度に比べて室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度が低く設定される。第1吸着熱交換器(31)に代わって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる状態でも、電動膨張弁(80)で冷媒をやや減圧することにより、第2吸着熱交換器(32)での冷媒蒸発温度に比べて室内熱交換器(22)での冷媒蒸発温度が低く設定される。
このように、除湿冷房運転中には、蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)と室内熱交換器(22)について、それぞれにおける冷媒蒸発温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の吸熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、冷房能力と除湿能力のバランスを変更することができる。
図52に示すように、加湿暖房運転中には、室内熱交換器(22)が凝縮器となって室外熱交換器(21)が蒸発器となる。また、冷媒回路(10)では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2回路(12)で第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。同図は、第1動作中の状態を示している。
例えば、室内熱交換器(22)と第1吸着熱交換器(31)が凝縮器になっている状態において、電動膨張弁(80)で冷媒をやや減圧すれば、室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度に比べて第1吸着熱交換器(31)での冷媒凝縮温度が低く設定される。第1吸着熱交換器(31)に代わって第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となる状態でも、電動膨張弁(80)で冷媒をやや減圧することにより、室内熱交換器(22)での冷媒凝縮温度に比べて第2吸着熱交換器(32)での冷媒凝縮温度が低く設定される。
このように、加湿暖房運転中には、凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)と室内熱交換器(22)について、それぞれにおける冷媒凝縮温度を異なる値に設定することで、それぞれにおける冷媒の放熱量が調節可能となる。従って、本変形例の空気調和装置では、暖房能力と加湿能力のバランスを変更することができる。