JP2011012882A - 調湿装置 - Google Patents

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【課題】吸着剤を空気と接触させる吸着ユニットが接続された熱媒体回路を備えた調湿装置において、各吸着ユニットにおいて構成部材の温度の変化により生じる熱ロスを低減させる。
【解決手段】調湿装置(10)では、第1及び第2の吸着ユニット(51,52)が、共に、熱媒体回路(50)に互いに並列に接続されると共に、空気の流通方向に並設された複数の吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)を備えている。そして、第1の吸着ユニット(51)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b)の数と、第2の吸着ユニット(52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(52a,52b)の数とは、変更手段(56,57,58,59)により変更可能となっている。
【選択図】図4

Description

本発明は、吸着剤を空気と接触させる吸着ユニットを備えた調湿装置に関するものである。
従来より、吸着剤を空気と接触させる吸着ユニットを備えた調湿装置が知られている。例えば特許文献1には、この種の調湿装置が記載されている。
具体的に、特許文献1に記載された調湿装置では、2つ吸着熱交換器が設けられている。各吸着熱交換器はそれぞれ吸着ユニットを構成している。この調湿装置では、第1吸着熱交換器で第1空気を除湿して第2吸着熱交換器で第2空気を加湿する動作と、第2吸着熱交換器で第1空気を除湿して第1吸着熱交換器で第2空気を加湿する動作とが交互に行われ、第1空気と第2空気との一方が給気ファンによって室内へ供給され、他方が排気ファンによって室外へ排出される。この調湿装置では、室内の湿度調節に伴って、室内の換気も行われる。
特開2007−10216号公報
ところで、この種の調湿装置では、吸着剤に吸着と再生とを交互に行わせるために、吸着剤の加熱と冷却が交互に行われる。湿度を調節するためには、吸着剤だけを加熱し又は冷却するのが理想だが、実際には、吸着剤だけでなく、吸着ユニットの構成部材を加熱し又は冷却しなければならない。一方、吸着ユニットの構成部材には、ある程度の熱容量がある。このため、吸着剤の温度を変化させる際に、吸着ユニットの構成部材の温度を変化させるために温熱や冷熱が消費されてしまう。従って、吸着ユニットの構成部材の温度を変化させるのに必要な温熱や冷熱が熱ロスとなる。
ここで、従来の調湿装置では、各吸着ユニットが1つの吸着熱交換器により構成されている。このため、各吸着ユニット全体の温度が常に変化する。調湿負荷が高い場合には、各吸着ユニット全体の温度を変化させることによって、室内の調湿負荷に応じた調湿能力が発揮される。しかし、調湿負荷が低い場合に、各吸着ユニットにおいて温度を変化させる領域を減らすことができないので、室内の調湿負荷に対して調湿能力が余るおそれがある。そして、熱ロスが発生する各吸着ユニットにおいて、温度が変化する領域を減らすことができないので、室内の調湿負荷に対して調湿能力が余る分だけ余計に熱ロスが生じるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸着剤を空気と接触させる吸着ユニットが接続された熱媒体回路を備えた調湿装置において、各吸着ユニットにおいて構成部材の温度の変化により生じる熱ロスを低減させることにある。
第1の発明は、それぞれが吸着剤を有して該吸着剤を空気と接触させる第1及び第2の吸着ユニット(51,52)が接続され、該第1及び第2の吸着ユニット(51,52)の一方を熱媒体により加熱して他方を熱媒体により冷却する熱媒体回路(50)を備え、上記第1の吸着ユニット(51)を加熱し且つ上記第2の吸着ユニット(52)を冷却する第1動作と、上記第1の吸着ユニット(51)を冷却し且つ上記第2の吸着ユニット(52)を加熱する第2動作とを交互に繰り返し行い、加熱されている吸着ユニット(51,52)により加湿された空気と、冷却されている吸着ユニット(51,52)により除湿された空気の一方を室内へ供給して他方を室外へ排出する調湿装置(10)を対象とする。そして、この調湿装置(10)は、上記第1及び第2の吸着ユニット(51,52)のそれぞれは、上記熱媒体回路(50)において互いに並列に接続され且つ空気の流通方向に重なるように配置された複数の吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)を備える一方、上記第1の吸着ユニット(51)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b)の数と、上記第2の吸着ユニット(52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(52a,52b)の数とを変更する変更手段(56,57,58,59)を備えている。
第1の発明では、第1及び第2の吸着ユニット(51,52)のそれぞれが、熱媒体回路(50)に互いに並列に接続されると共に、空気の流通方向に重なるように配置された複数の吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)を備えている。各吸着ユニット(51,52)は、熱媒体により加熱されて空気を加湿する状態と、熱媒体により冷却されて空気を除湿する状態との間で交互に切り換えられる。ここで、各吸着ユニット(51,52)では、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が多いほど、加熱又は冷却中の吸着剤と空気との接触面積が多くなり、調湿装置(10)が発揮する調湿能力が高くなる。しかし、その反面、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が多いほど、熱媒体により温度が変化する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の構成部材の質量が大きくなるので、該構成部材の温度の変化により生じる熱ロスが多くなる。この第1の発明では、各吸着ユニット(51,52)では、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が、変更手段(56,57,58,59)により変更可能である。このため、室内の調湿負荷が低い場合に、上記熱ロスが少なくなるように、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を変更手段(56,57,58,59)により減らすことが可能である。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記第1及び第2の吸着ユニット(51,52)のそれぞれは、同じ数の吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)を備え、上記第1の吸着ユニット(51)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b)の数と、上記第2の吸着ユニット(52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(52a,52b)の数とが常に同じになるように、上記変更手段(56,57,58,59)を制御する制御手段(60)を備えている。
第2の発明では、第1の吸着ユニット(51)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b)の数と、第2の吸着ユニット(52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(52a,52b)の数とが常に同じになる。従って、第1動作と第2動作のそれぞれにおいて、熱媒体により加熱される吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数と、熱媒体により冷却される吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数とが常に同じになる。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記熱媒体回路(50)には、吸入した熱媒体を吐出する搬送装置(53)が接続され、上記搬送装置(53)は、その運転容量が所定の制御範囲内で変更可能に構成される一方、上記搬送装置(53)の運転容量を上記制御範囲の最低容量に設定しても、室内の調湿負荷に対して上記調湿装置(10)が発揮する調湿能力が余る場合に、上記各吸着ユニット(51,52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減少するように上記変更手段(56,57,58,59)を制御する制御手段(60)を備えている。
第3の発明では、各吸着ユニット(51,52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を減らす前の状態において、搬送装置(53)の運転容量を最低容量に設定しても、室内の調湿負荷に対して調湿装置(10)が発揮する調湿能力が余る場合に、各吸着ユニット(51,52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされる。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1つの発明において、加熱されている吸着ユニット(51,52)により加湿された空気を室内へ供給して、冷却されている吸着ユニット(51,52)により除湿された空気を室外へ排出する加湿運転を行う一方、上記変更手段(56,57,58,59)は、上記各吸着ユニット(51,52)において、空気の流通方向の上流側の吸着熱交換器(51a,52a)に熱媒体が流通することを禁止することによって、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51b,52b)の数を減少させる。
第4の発明では、各吸着ユニット(51,52)において、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を減らす場合に、空気の流通方向の上流側の吸着熱交換器(51a,52a)に熱媒体が流通することが禁止される。このため、加湿運転中に、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされている状態では、空気を加湿する吸着熱交換器(51b,52b)が空気の流通方向の下流側に位置している。従って、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51b,52b)により加湿された空気が、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51a,52a)を通過しない。
第5の発明は、上記第1乃至第3の何れか1つの発明において、加熱されている吸着ユニット(51,52)により加湿された空気を室外へ排出して、冷却されている吸着ユニット(51,52)により除湿された空気を室内へ供給する除湿運転を行う一方、上記変更手段(56,57,58,59)は、上記各吸着ユニット(51,52)において、空気の流通方向の下流側の吸着熱交換器(51b,52b)に熱媒体が流通することを禁止することによって、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,52a)の数を減少させる。
第5の発明では、各吸着ユニット(51,52)において、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を減らす場合に、空気の流通方向の下流側の吸着熱交換器(51b,52b)に熱媒体が流通することが禁止される。このため、除湿運転中に、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされている状態では、空気を除湿する吸着熱交換器(51a,52a)が空気の流通方向の上流側に位置している。従って、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,52a)により除湿された空気が、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)を通過する。
本発明では、各吸着ユニット(51,52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を変更する変更手段(56,57,58,59)が設けられているので、室内の調湿負荷が低い場合に、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を変更手段(56,57,58,59)により減らすことが可能である。このため、室内の調湿負荷が低い場合に、各吸着ユニット(51,52)において構成部材の温度の変化により生じる熱ロスを低減させることが可能である。
また、上記第2の発明では、第1動作と第2動作のそれぞれにおいて、熱媒体により加熱される吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数と、熱媒体により冷却される吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数とが常に同じになるようにしている。このため、第1動作と第2動作のそれぞれにおいて、加熱側の吸着ユニット(51,52)における熱媒体の放熱量と、冷却側の吸着ユニット(51,52)における熱媒体の吸熱量と差が比較的小さくなる。従って、片方の吸着ユニット(51,52)において熱媒体の放熱量又は吸熱量が空気の湿度調節量に対して余ることを抑制することができるので、消費エネルギーを低減させることができる。
また、上記第3の発明では、各吸着ユニット(51,52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を減らす前の状態において、搬送装置(53)の運転容量を最低容量に設定しても、室内の調湿負荷に対して調湿装置(10)が発揮する調湿能力が余る場合に、各吸着ユニット(51,52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされる。このため、室内の調湿負荷に対して調湿能力が不足することを回避しつつ、各吸着ユニット(51,52)で生じる熱ロスを低減させることが可能である。
また、上記第4の発明では、加湿運転中に、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされている状態では、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51b,52b)により加湿された空気が、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51a,52a)を通過しないようにしている。ここで、加湿された空気が熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)を通過する場合は、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51a,52a)に、加湿された空気の水分が付着する。その結果、室内へ供給される水分が減少してしまう。それに対して、この第4の発明では、加湿された空気が、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51a,52a)を通過しない。このため、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51b,52b)により加湿された空気中の水分をほとんど減らすことなく室内へ供給することができる。
また、上記第5の発明では、除湿運転中に、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされている状態では、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,52a)により除湿された空気が、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)を通過するようにしている。ここで、除湿される前の空気が熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)を通過する場合は、比較的多くの水分を含む空気が、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)を通過する。このため、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)に付着する水分量が多くなり、多くのドレン水が発生するおそれがある。それに対して、この第5の発明では、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)に、除湿された空気が通過する。このため、熱媒体が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)におけるドレン水の発生を抑制することができる。
図1は、前面側から見た調湿装置をケーシングの一部を省略して示す斜視図である。 図2は、調湿装置の一部を省略して示す概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図3は、冷媒回路の構成を示す配管系統図であって、(A)は第1動作を示すものであり、(B)は第2動作を示すものである。 図4は、吸着ユニットの斜視図である。 図5は、弁制御動作の流れを示すフローチャートである。 図6は、第1除湿動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図7は、第2除湿動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図8は、第1加湿動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図9は、第2加湿動作における空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図10は、実施形態の変形例の冷媒回路の構成を示す配管系統図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る調湿装置(10)の一例である。本実施形態の調湿装置(10)は、室内の換気を行いながら室内の湿度調節を行うように構成されている。
〈調湿装置の構成〉
まず、調湿装置(10)の全体構成について図1及び図2を参照しながら説明する。調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、図3に示す冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)には、吸着剤を有して該吸着剤を空気と接触させる第1の吸着ユニット(51)、吸着剤を有して該吸着剤を空気と接触させる第2の吸着ユニット(52)、搬送装置(53)を構成する圧縮機(53)、四路切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。冷媒回路(50)の詳細は後述する。
ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。図1に示すケーシング(11)では、左手前の側面(即ち、前面)が前面パネル部(12)となり、右奥の側面(即ち、背面)が背面パネル部(13)となり、右手前の側面が第1側面パネル部(14)となり、左奥の側面が第2側面パネル部(15)となっている。
ケーシング(11)には、外気吸込口(24)と、内気吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。外気吸込口(24)及び内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)に開口している。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に配置されている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に配置されている。給気口(22)は、第1側面パネル部(14)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、第2側面パネル部(15)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)と、第1仕切板(74)と、第2仕切板(75)とが設けられている。これらの仕切板(71〜75)は、何れもケーシング(11)の底板に立設されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をおいて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。
第1仕切板(74)及び第2仕切板(75)は、第1側面パネル部(14)及び第2側面パネル部(15)と平行な姿勢で設置されている。第1仕切板(74)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を右側から塞ぐように、第1側面パネル部(14)から所定の間隔をおいて配置されている。第2仕切板(75)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左側から塞ぐように、第2側面パネル部(15)から所定の間隔をおいて配置されている。
中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間に配置されている。中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)から下流側仕切板(72)に亘って設けられ、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左右に区画している。
ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下2つの空間に仕切られており、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。
内気側通路(32)は、内気吸込口(23)に接続するダクトを介して室内と連通している。内気側通路(32)には、内気側フィルタ(27)と内気湿度センサ(96a)と内気温度センサ(96b)とが設置されている。内気湿度センサ(96a)は、内気側通路(32)を通過する室内空気の湿度を計測する。内気温度センサ(96b)は、内気側通路(32)を通過する室内空気の温度を計測する。
一方、外気側通路(34)は、外気吸込口(24)に接続するダクトを介して室外と連通している。外気側通路(34)には、外気側フィルタ(28)と外気湿度センサ(97a)と外気温度センサ(97b)とが設置されている。外気湿度センサ(97a)は、外気側通路(34)を通過する室外空気の湿度を計測する。外気温度センサ(97b)は、外気側通路(34)を通過する室外空気の温度を計測する。
ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1の吸着ユニット(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2の吸着ユニット(52)が収容されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
各吸着ユニット(51,52)は、2つの吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)により構成されている。第1及び第2の吸着ユニット(51,52)は、同じ数の吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)により構成されている。なお、各吸着ユニット(51,52)が、3つ以上の吸着熱交換器により構成されていてもよい。
各吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものである。図4に示すように、各吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)は、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。各吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)は、長方形板状に形成された多数の伝熱フィン(61)と、この伝熱フィン(61)を貫通する銅製の伝熱管(62)とを備えている。なお、吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲルなどを用いることができる。
各吸着ユニット(51,52)では、2つの吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)が所定の間隔を隔てて並設されている。2つの吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)は互いに重なり合うように配置されている。各吸着ユニット(51,52)の形状は、全体として扁平な直方体状となっている。各吸着ユニット(51,52)は、その前面側及び背面側が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に立設されている。各吸着ユニット(51,52)では、2つの吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)が、空気の流通方向に並んだ状態になる。各吸着ユニット(51,52)では、上流側仕切板(71)側の吸着熱交換器が上流側吸着熱交換器(51a,52a)を構成し、下流側仕切板(72)側の吸着熱交換器が下流側吸着熱交換器(51b,52b)を構成する。
ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパ(41〜44)が4つ設けられている。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられている。また、上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられている。
下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパ(45〜48)が4つ設けられている。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられている。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられている。
ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。給気ファン(26)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を給気口(22)へ吹き出す。排気ファン(25)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を排気口(21)へ吹き出す。また、給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、風量が変更可能に構成されている。
給気ファン室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四路切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四路切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
ケーシング(11)内において、第1仕切板(74)と第1側面パネル部(14)の間の空間は、第1バイパス通路(81)を構成している。第1バイパス通路(81)の始端は、外気側通路(34)だけに連通しており、内気側通路(32)からは遮断されている。第1バイパス通路(81)の終端は、仕切板(78)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び給気ファン室(36)から区画されている。仕切板(78)のうち給気ファン室(36)に臨む部分には、第1バイパス用ダンパ(83)が設けられている。
ケーシング(11)内において、第2仕切板(75)と第2側面パネル部(15)の間の空間は、第2バイパス通路(82)を構成している。第2バイパス通路(82)の始端は、内気側通路(32)だけに連通しており、外気側通路(34)からは遮断されている。第2バイパス通路(82)の終端は、仕切板(79)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び排気ファン室(35)から区画されている。仕切板(79)のうち排気ファン室(35)に臨む部分には、第2バイパス用ダンパ(84)が設けられている。
なお、図2の右側面図及び左側面図では、第1バイパス通路(81)、第2バイパス通路(82)、第1バイパス用ダンパ(83)、及び第2バイパス用ダンパ(84)の図示を省略している。
〈冷媒回路の構成〉
図3に示すように、冷媒回路(50)は、熱媒体として冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(50)には、第1の吸着ユニット(51)、第2の吸着ユニット(52)、圧縮機(53)、四路切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられている。冷媒回路(50)は、第1及び第2の吸着ユニット(51,52)の一方を冷媒により加熱して他方を冷媒により冷却する熱媒体回路(50)を構成している。冷媒回路(50)は、冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
冷媒回路(50)では、圧縮機(53)の吐出側が四路切換弁(54)の第1のポートに、圧縮機(53)の吸入側が四路切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(50)では、第1の吸着ユニット(51)と電動膨張弁(55)と第2の吸着ユニット(52)とが、四路切換弁(54)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に接続されている。
圧縮機(53)は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、該圧縮機構を駆動する電動機とが1つのケーシングに収容された全密閉型の圧縮機である。圧縮機(53)の電動機には、電動機へ供給される交流の周波数を調節するインバータが接続されている。圧縮機(53)の運転周波数(運転容量)は、インバータによって所定の制御範囲内で変更可能となっている。
第1の吸着ユニット(51)は、第1上流側吸着熱交換器(51a)と第1下流側吸着熱交換器(51b)により構成されている。冷媒回路(50)では、第1上流側吸着熱交換器(51a)と第1下流側吸着熱交換器(51b)が並列に接続されている。第1上流側吸着熱交換器(51a)は、第1上流側分岐配管(65)に設けられている。第1下流側吸着熱交換器(51b)は、第1下流側分岐配管(66)に設けられている。第1上流側分岐配管(65)には、第1上流側吸着熱交換器(51a)の一端側に第1開閉弁(56)が設けられ、第1上流側吸着熱交換器(51a)の他端側に第2開閉弁(57)が設けられている。
第2の吸着ユニット(52)は、第2上流側吸着熱交換器(52a)と第2下流側吸着熱交換器(52b)により構成されている。冷媒回路(50)では、第2上流側吸着熱交換器(52a)と第2下流側吸着熱交換器(52b)が並列に接続されている。第2上流側吸着熱交換器(52a)は、第2上流側分岐配管(67)に設けられている。第2下流側吸着熱交換器(52b)は、第2下流側分岐配管(68)に設けられている。第2上流側分岐配管(67)には、第2上流側吸着熱交換器(52a)の一端側に第3開閉弁(58)が設けられ、第2上流側吸着熱交換器(52a)の他端側に第4開閉弁(59)が設けられている。
本実施形態では、第1開閉弁(56)及び第2開閉弁(57)が閉鎖されると、第1の吸着ユニット(51)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b)の数が減少し、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)が閉鎖されると、第2の吸着ユニット(52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(52a,52b)の数が減少する。第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)は、第1の吸着ユニット(51)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b)の数と、第2の吸着ユニット(52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(52a,52b)の数とをそれぞれ変更する変更手段(56,57,58,59)を構成している。
四路切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図3(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図3(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第1状態に設定されると、第1の吸着ユニット(51)を高圧冷媒が流れて第2の吸着ユニット(52)を低圧冷媒が流れる動作が行われ、四路切換弁(54)が第2状態に設定されると、第1の吸着ユニット(51)を低圧冷媒が流れて第2の吸着ユニット(52)を高圧冷媒が流れる動作が行われる。冷媒回路(50)では、これらの2つの動作が交互に行われる。
冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吐出側と四路切換弁(54)の第1のポートとを繋ぐ配管には、高圧圧力センサ(91)と吐出管温度センサ(93)とが取り付けられている。高圧圧力センサ(91)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の圧力を計測する。吐出管温度センサ(93)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の温度を計測する。
また、冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吸入側と四路切換弁(54)の第2のポートとを繋ぐ配管には、低圧圧力センサ(92)と吸入管温度センサ(94)とが取り付けられている。低圧圧力センサ(92)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の圧力を計測する。吸入管温度センサ(94)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の温度を計測する。
〈コントローラの構成〉
本実施形態の調湿装置(10)には、調湿装置(10)の運転を制御すると共に、上記変更手段(56,57,58,59)を制御するコントローラ(60)が設けられている。コントローラ(60)は制御手段(60)を構成している。
コントローラ(60)には、内気湿度センサ(96a)、内気温度センサ(96b)、外気湿度センサ(97a)、外気温度センサ(97b)、及び冷媒回路(50)に設けられた各センサ(91,92,…)が接続されている。コントローラ(60)には、これらの接続されたセンサの計測値が入力される。また、コントローラ(60)には、例えばリモコンによってユーザーが設定した設定湿度及び設置温度が入力される。
コントローラ(60)は、内気湿度センサ(96a)の計測値及び内気温度センサ(96b)の計測値を用いて、室内空気(RA)の絶対湿度を算出する。また、コントローラ(60)は、外気湿度センサ(97a)の計測値及び外気温度センサ(97b)の計測値を用いて、室外空気(OA)の絶対湿度を算出する。また、コントローラ(60)は、設定湿度及び設置温度を用いて、目標絶対湿度を算出する。
コントローラ(60)は、室外空気(OA)の絶対湿度Ho、室内空気(RA)の絶対湿度Hi、及び目標絶対湿度Htに基づいて、室内の絶対湿度が目標絶対湿度に近づくように、圧縮機(53)の運転容量が決定される。コントローラ(60)は、圧縮機(53)の運転容量を変更することによって、調湿装置(10)の調湿能力を調節する。コントローラ(60)は、加湿運転中は加湿能力を調節し、除湿運転中は除湿能力を調節する。
コントローラ(60)が圧縮機(53)の運転周波数を増大させると、各吸着ユニット(51,52)を通過する冷媒の流量が増加するため、各吸着ユニット(51,52)の吸着能力および再生能力が増大し、加湿能力又は除湿能力が増大する。逆に、コントローラ(60)が圧縮機(53)の運転周波数を減少させると、各吸着ユニット(51,52)を通過する冷媒の流量が減少するため、除湿能力又は加湿能力が低下する。
また、本実施形態のコントローラ(60)は、第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)の全てを開状態に設定するか、第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)の全てを閉状態に設定するかを判断して、第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)に指令を出力する弁制御動作を行う。弁制御動作は、図5に示すフローチャートに従って行われる。
なお、コントローラ(60)には、各吸着ユニット(51,52)において2つの吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)に冷媒が流通している状態で圧縮機(53)の運転周波数が最低周波数(例えば、30Hz)に設定された場合に調湿装置(10)が発揮する調湿能力として、最低能力が予め設定されている。
ステップ1(ST1)では、コントローラ(60)が、室外空気(OA)の絶対湿度Ho、室内空気(RA)の絶対湿度Hi、及び目標絶対湿度Htを算出する。
ステップ2(ST2)では、コントローラ(60)が、室内空気(RA)の絶対湿度Hiを目標絶対湿度Htに調節するために必要となる調湿能力として、必要能力(加湿運転中であれば必要加湿能力、除湿運転中であれば必要除湿能力)を算出する。必要能力は、室外空気(OA)の絶対湿度Ho、室内空気(RA)の絶対湿度Hi、及び目標絶対湿度Htを用いて算出される。
ステップ3(ST3)では、コントローラ(60)が、必要能力と最低能力との比較を行う。コントローラ(60)は、必要能力が最低能力を下回る場合にはステップ4(ST4)に移行し、必要能力が最低能力以上となる場合にはステップ5(ST5)に移行する。
ステップ4(ST4)では、コントローラ(60)が、 第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)にそれぞれ閉指令を出力する。第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)は、開状態になっていれば、閉状態に切り換えられる。
ステップ5(ST5)では、コントローラ(60)が、 第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)にそれぞれ開指令を出力する。第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)は、閉状態になっていれば、開状態に切り換えられる。
コントローラ(60)では、第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)に開指令又は閉指令を出力すると、弁制御動作が終了する。コントローラ(60)は、弁制御動作の終了時点からの時間をタイマにより計測し、タイマの計測時間が所定の時間(X秒)に達すると、再び弁制御動作を実行する。
なお、コントローラ(60)は、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされている状態(必要能力が最低能力を下回る状態)でも、室外空気(OA)の絶対湿度Ho、室内空気(RA)の絶対湿度Hi、及び目標絶対湿度Htに基づいて、室内の絶対湿度が目標絶対湿度に近づくように、圧縮機(53)の運転容量が決定される。このため、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を減らすことができない場合に比べて圧縮機(53)が最低周波数に設定される時間を短縮できるので、圧縮機(53)の騒音を低減させることができる。
本実施形態では、コントローラ(60)が、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を減らす前の状態において、圧縮機(53)の運転容量を上記制御範囲の最低容量に設定した場合に調湿装置(10)が発揮する調湿能力を最低能力として、室内の調湿負荷に対して必要な必要能力が最低能力を下回る場合に、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を減らす。つまり、コントローラ(60)は、圧縮機(53)の運転容量を最低容量に設定しても、室内の調湿負荷に対して調湿装置(10)が発揮する調湿能力が余る場合に、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を減らす。
なお、必要能力と最低能力とを比較するのではなく、室内の調湿負荷に対して必要な圧縮機(53)の運転周波数を必要周波数として算出し、該必要周波数と最低周波数を比較してもよい。必要周波数は、室内空気(RA)の絶対湿度Hiを目標絶対湿度Htに調節するために必要な圧縮機(53)の運転周波数であり、室外空気(OA)の絶対湿度Ho、室内空気(RA)の絶対湿度Hi、及び目標絶対湿度Htを用いて算出される。コントローラ(60)は、必要周波数が最低周波数を下回る場合にはステップ4(ST4)に移行し、必要周波数が最低周波数以上となる場合にはステップ5(ST5)に移行する。
また、本実施形態では、コントローラ(60)が、第1開閉弁(56)及び第2開閉弁(57)を閉鎖する場合は、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)を閉鎖する。つまり、コントローラ(60)は、第1の吸着ユニット(51)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b)の数と、第2の吸着ユニット(52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(52a,52b)の数とが常に同じになるように、第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)を制御する。
また、本実施形態では、上流側吸着熱交換器(51a,52a)に冷媒が流通することを禁止することによって、冷媒が流通する吸着熱交換器(51b,52b)の数が減らされる。このため、後述する加湿運転中に、冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされている状態では、空気を加湿する吸着熱交換器(51b,52b)が空気の流通方向の下流側に位置している。
また、本実施形態では、上流側吸着熱交換器(51a,52a)に冷媒が流通することを禁止する場合に、該上流側吸着熱交換器(51a,52a)の一端側と他端側の両方の開閉弁(56,57,58,59)が閉鎖される。このため、冷媒が流通しない上流側吸着熱交換器(51a,52a)に冷媒が溜まることを防止することができる。
−運転動作−
調湿装置(10)の運転動作について説明する。調湿装置(10)は、除湿運転と加湿運転とバイパス換気運転とを選択的に行う。
除湿運転中や加湿運転中の調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節してから供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。一方、バイパス換気運転中の調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)をそのまま供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)をそのまま排出空気(EA)として室外へ排出する。
〈除湿運転〉
除湿運転中の調湿装置(10)では、後述する第1除湿動作(第1動作)と第2除湿動作(第2動作)が所定の時間間隔(3分間隔)で交互に繰り返される。つまり、除湿運転での2つの動作の1回毎の動作時間Δtは3分に設定されている。この除湿運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
除湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれる。
先ず、第1除湿動作について説明する。図6に示すように、第1除湿動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、第1除湿動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第1状態に設定され、第1の吸着ユニット(51)の吸着熱交換器(51a,51b)が凝縮器となって第2の吸着ユニット(52)の吸着熱交換器(52a,52b)が蒸発器となる。
外気吸込口(24)から外気側通路(34)へ導入された第1空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、第2の吸着ユニット(52)を通過する。第2の吸着ユニット(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2の吸着ユニット(52)で除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気口(22)を通って給気ファン室(36)から室内へ供給される。
一方、内気吸込口(23)から内気側通路(32)へ導入された第2空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、第1の吸着ユニット(51)を通過する。第1の吸着ユニット(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1の吸着ユニット(51)で水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気口(21)を通って排気ファン室(35)から室外へ排出される。
次に、第2除湿動作について説明する。図7に示すように、第2除湿動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、第2除湿動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第2状態に設定され、第1の吸着ユニット(51)の吸着熱交換器(51a,51b)が蒸発器となって第2の吸着ユニット(52)の吸着熱交換器(52a,52b)が凝縮器となる。
外気吸込口(24)から外気側通路(34)へ導入された第1空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、第1の吸着ユニット(51)を通過する。第1の吸着ユニット(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1の吸着ユニット(51)で除湿された第1空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気口(22)を通って給気ファン室(36)から室内へ供給される。
一方、内気吸込口(23)から内気側通路(32)へ導入された第2空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、第2の吸着ユニット(52)を通過する。第2の吸着ユニット(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2の吸着ユニット(52)で水分を付与された第2空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気口(21)を通って排気ファン室(35)から室外へ排出される。
〈加湿運転〉
加湿運転中の調湿装置(10)では、後述する第1加湿動作(第1動作)と第2加湿動作(第2動作)が所定の時間間隔(4分間隔)で交互に繰り返される。つまり、加湿運転での2つの動作の1回毎の動作時間Δtは4分に設定されている。この加湿運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
加湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれる。
先ず、第1加湿動作について説明する。図8に示すように、第1加湿動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、第1加湿動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第1状態に設定され、第1の吸着ユニット(51)が凝縮器となって第2の吸着ユニット(52)が蒸発器となる。
内気吸込口(23)から内気側通路(32)へ導入された第1空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、第2の吸着ユニット(52)を通過する。第2の吸着ユニット(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2の吸着ユニット(52)で水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気口(21)を通って排気ファン室(35)から室外へ排出される。
一方、外気吸込口(24)から外気側通路(34)へ導入された第2空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、第1の吸着ユニット(51)を通過する。第1の吸着ユニット(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1の吸着ユニット(51)で加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気口(22)を通って給気ファン室(36)から室内へ供給される。
次に、第2加湿動作について説明する。図9に示すように、第2加湿動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、第2加湿動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第2状態に設定され、第1の吸着ユニット(51)が蒸発器となって第2の吸着ユニット(52)が凝縮器となる。
内気吸込口(23)から内気側通路(32)へ導入された第1空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、第1の吸着ユニット(51)を通過する。第1の吸着ユニット(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1の吸着ユニット(51)で水分を奪われた第1空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気口(21)を通って排気ファン室(35)から室外へ排出される。
一方、外気吸込口(24)から外気側通路(34)へ導入された第2空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、第2の吸着ユニット(52)を通過する。第2の吸着ユニット(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2の吸着ユニット(52)で加湿された第2空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気口(22)を通って給気ファン室(36)から室内へ供給される。
〈バイパス換気運転〉
バイパス換気運転中における調湿装置(10)の動作について説明する。なお、空気の流れを示す図面は省略する。
バイパス換気運転中の調湿装置(10)では、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1排気側ダンパ(47)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、バイパス換気運転中において、冷媒回路(50)の圧縮機(53)は停止状態となる。
バイパス換気運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ取り込まれる。外気吸込口(24)を通って外気側通路(34)へ流入した室外空気は、第1バイパス通路(81)から第1バイパス用ダンパ(83)を通って給気ファン室(36)へ流入し、その後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
また、バイパス換気運転中の調湿装置(10)では、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ取り込まれる。内気吸込口(23)を通って内気側通路(32)へ流入した室内空気は、第2バイパス通路(82)から第2バイパス用ダンパ(84)を通って排気ファン室(35)へ流入し、その後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、室内の調湿負荷が低い場合に、冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が変更手段(56,57,58,59)により減らされる。従って、調湿負荷が低い場合に、各吸着ユニット(51,52)の構成部材の温度の変化により生じる熱ロスを低減させることが可能である。
また、本実施形態では、第1動作と第2動作のそれぞれにおいて、冷媒により加熱される吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数と、冷媒により冷却される吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数とが常に同じになるようにしている。このため、第1動作と第2動作のそれぞれにおいて、加熱側の吸着ユニット(51,52)における冷媒の放熱量と、冷却側の吸着ユニット(51,52)における冷媒の吸熱量と差が比較的小さくなる。従って、片方の吸着ユニット(51,52)において冷媒の放熱量又は吸熱量が空気の湿度調節量に対して余ることを抑制することができるので、消費エネルギーを低減させることができる。
また、本実施形態では、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数を減らす前の状態において、圧縮機(53)の運転容量を最低容量に設定しても、室内の調湿負荷に対して調湿装置(10)が発揮する調湿能力が余る場合に、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされる。このため、室内の調湿負荷に対して調湿能力が不足することを回避しつつ、各吸着ユニット(51,52)で生じる熱ロスを低減させることが可能である。
また、本実施形態では、加湿運転中に、冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされている状態では、冷媒が流通する吸着熱交換器(51b,52b)により加湿された空気が、冷媒が流通していない吸着熱交換器(51a,52a)を通過しない。このため、冷媒が流通する吸着熱交換器(51b,52b)により加湿された空気中の水分をほとんど減らすことなく室内へ供給することができる。
−実施形態の変形例−
実施形態の変形例について説明する。この変形例では、変更手段(56,57,58,59)が、各吸着ユニット(51,52)において、下流側吸着熱交換器(51b,52b)に冷媒が流通することを禁止することによって、冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,52a)の数を減少させる。
具体的に、図10に示すように、第1下流側分岐配管(66)に第1開閉弁(56)及び第2開閉弁(57)が設けられている。第1開閉弁(56)は、第1下流側吸着熱交換器(51b)の一端側に設けられ、第2開閉弁(57)は第1下流側吸着熱交換器(51b)の他端側に設けられている。また、第2下流側分岐配管(68)に第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)が設けられている。第3開閉弁(58)は、第2下流側吸着熱交換器(52b)の一端側に設けられ、第4開閉弁(59)は第2下流側吸着熱交換器(52b)の他端側に設けられている。
この変形例では、除湿運転中に、冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減らされている状態では、冷媒が流通する吸着熱交換器(51a,52a)により除湿された空気が、冷媒が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)を通過する。このため、冷媒が流通していない吸着熱交換器(51b,52b)におけるドレン水の発生を抑制することができる。
なお、第1上流側分岐配管(65)、第1下流側分岐配管(66)、第2上流側分岐配管(67)及び第2下流側分岐配管(68)のそれぞれにおいて、吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の一端側と他端側にそれぞれ開閉弁を設けてもよい。その場合、加湿運転中に、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51b,52b)の数を減らす場合は、上流側吸着熱交換器(51a,52a)に冷媒が流通することを禁止し、除湿運転中に、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器(51b,52b)の数を減らす場合は、下流側吸着熱交換器(51b,52b)に冷媒が流通することを禁止する。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、冷媒回路(50)において、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高くなる超臨界サイクルを行ってもよい。その場合、第1の吸着ユニット(51)各吸着熱交換器(51a,51b)及び第2の吸着ユニット(52)の各吸着熱交換器(52a,52b)は、その一方がガスクーラとして動作し、他方が蒸発器として動作する。
また、上記実施形態について、第1の吸着ユニット(51)及び第2の吸着ユニット(52)に対して冷水や温水を供給することで、吸着剤の加熱や冷却を行ってもよい。この場合には、冷水や温水を吸着熱交換器へ供給するための管路が、熱媒体として水が流れる熱媒体回路(50)を構成している。
また、上記実施形態において、各吸着ユニット(51,52)において冷媒が流通する吸着熱交換器が1つになる状態で圧縮機(53)の運転周波数が最高周波数に設定された場合に調湿装置(10)が発揮する調湿能力を判定能力として、該判定能力を上記必要能力と比較することによって、第1開閉弁(56)、第2開閉弁(57)、第3開閉弁(58)及び第4開閉弁(59)に開指令を出力するか閉指令を出力するかを判断してもよい。この場合、必要能力が判定能力以下の場合には、閉指令が出力され、必要能力が判定能力を上回る場合には、開指令が出力される。
また、上記実施形態において、吸着剤としては、シリカゲルやゼオライト等の主に水蒸気の吸着を行う材料だけでなく、水蒸気の吸着と吸収の両方を行う材料(例えば、有機高分子材料)を用いてもよい。吸湿性を有する有機高分子材料では、分子中に親水性の極性基を有する複数の高分子主鎖が互いに架橋されており、互いに架橋された複数の高分子主鎖が三次元構造体を形成している。水蒸気の吸着と吸収の両方を行う吸着剤は、水蒸気を捕捉(即ち、吸湿)することによって膨潤する。この吸着剤が吸湿することによって膨潤するメカニズムは、以下のようなものと推測される。つまり、この吸着剤が吸湿する際には、親水性の極性基の周りに水蒸気が吸着され、親水性の極性基と水蒸気が反応することで生じた電気的な力が高分子主鎖に作用し、その結果、高分子主鎖が変形する。そして、変形した高分子主鎖同士の隙間へ水蒸気が毛細管力によって取り込まれ、水蒸気が入り込むことによって複数の高分子主鎖からなる三次元構造体が膨らみ、その結果、吸着剤の体積が増加する。このように、この吸着剤では、水蒸気が吸着剤に吸着される現象と、水蒸気が吸着剤に吸収される現象の両方が起こる。つまり、この吸着剤には、水蒸気が収着される。また、この吸着剤に捕捉された水蒸気は、互いに架橋された複数の高分子主鎖からなる三次元構造体の表面だけでなく、その内部にまで入り込む。その結果、この吸着剤には、表面に水蒸気を吸着するだけのゼオライト等に比べ、多量の水蒸気が捕捉される。また、この吸着剤は、水蒸気を放出(即ち、放湿)することによって収縮する。つまり、この吸着剤が放湿する際には、高分子主鎖同士の隙間に捕捉された水の量が減少してゆき、複数の高分子主鎖で構成された三次元構造体の形状が元に戻ってゆくため、吸着剤の体積が減少する。なお、水蒸気の吸着と吸収の両方を行う吸着剤として用いられる材料は、吸湿することによって膨潤して放湿することによって収縮するものであれば上述した材料に限定されず、例えば吸湿性を有するイオン交換樹脂であってもよい。
なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、吸着剤を空気と接触させる吸着ユニットを備えた調湿装置について有用である。
10 調湿装置
50 冷媒回路(熱媒体回路)
51 第1の吸着ユニット
51a 第1上流側吸着熱交換器
51b 第1下流側吸着熱交換器
52 第2の吸着ユニット
52a 第2上流側吸着熱交換器
52b 第2下流側吸着熱交換器
53 圧縮機(搬送装置)
56 第1開閉弁(変更手段)
57 第2開閉弁(変更手段)
58 第3開閉弁(変更手段)
59 第4開閉弁(変更手段)
60 コントローラ(制御手段)

Claims (5)

  1. それぞれが吸着剤を有して該吸着剤を空気と接触させる第1及び第2の吸着ユニット(51,52)が接続され、該第1及び第2の吸着ユニット(51,52)の一方を熱媒体により加熱して他方を熱媒体により冷却する熱媒体回路(50)を備え、
    上記第1の吸着ユニット(51)を加熱し且つ上記第2の吸着ユニット(52)を冷却する第1動作と、上記第1の吸着ユニット(51)を冷却し且つ上記第2の吸着ユニット(52)を加熱する第2動作とを交互に繰り返し行い、
    加熱されている吸着ユニット(51,52)により加湿された空気と、冷却されている吸着ユニット(51,52)により除湿された空気の一方を室内へ供給して他方を室外へ排出する調湿装置であって、
    上記第1及び第2の吸着ユニット(51,52)のそれぞれは、上記熱媒体回路(50)において互いに並列に接続され且つ空気の流通方向に重なるように配置された複数の吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)を備える一方、
    上記第1の吸着ユニット(51)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b)の数と、上記第2の吸着ユニット(52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(52a,52b)の数とを変更する変更手段(56,57,58,59)を備えていることを特徴とする調湿装置。
  2. 請求項1において、
    上記第1及び第2の吸着ユニット(51,52)のそれぞれは、同じ数の吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)を備え、
    上記第1の吸着ユニット(51)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b)の数と、上記第2の吸着ユニット(52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(52a,52b)の数とが常に同じになるように、上記変更手段(56,57,58,59)を制御する制御手段(60)を備えていることを特徴とする調湿装置。
  3. 請求項1において、
    上記熱媒体回路(50)には、吸入した熱媒体を吐出する搬送装置(53)が接続され、
    上記搬送装置(53)は、その運転容量が所定の制御範囲内で変更可能に構成される一方、
    上記搬送装置(53)の運転容量を上記制御範囲の最低容量に設定しても、室内の調湿負荷に対して上記調湿装置(10)が発揮する調湿能力が余る場合に、上記各吸着ユニット(51,52)において熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,51b,52a,52b)の数が減少するように上記変更手段(56,57,58,59)を制御する制御手段(60)を備えていることを特徴とする調湿装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    加熱されている吸着ユニット(51,52)により加湿された空気を室内へ供給して、冷却されている吸着ユニット(51,52)により除湿された空気を室外へ排出する加湿運転を行う一方、
    上記変更手段(56,57,58,59)は、上記各吸着ユニット(51,52)において、空気の流通方向の上流側の吸着熱交換器(51a,52a)に熱媒体が流通することを禁止することによって、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51b,52b)の数を減少させることを特徴とする調湿装置。
  5. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    加熱されている吸着ユニット(51,52)により加湿された空気を室外へ排出して、冷却されている吸着ユニット(51,52)により除湿された空気を室内へ供給する除湿運転を行う一方、
    上記変更手段(56,57,58,59)は、上記各吸着ユニット(51,52)において、空気の流通方向の下流側の吸着熱交換器(51b,52b)に熱媒体が流通することを禁止することによって、熱媒体が流通する吸着熱交換器(51a,52a)の数を減少させることを特徴とする調湿装置。
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