JP6085232B2 - 遊技機 - Google Patents
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遊技球が流下可能な遊技領域(20a)を前面に有する遊技盤(20)と、この遊技盤(20)の後側に配置された図柄表示装置(18)と、遊技盤(20)に配設され、図柄表示装置(18)の表示部(18a)が内側に臨む窓口(40a)を画成する枠状装飾体(40)と、この枠状装飾体(40)の下枠部(50)内周に設けられ、遊技領域(20a)から受け入れた遊技球を転動させるステージ(56)とを備えた遊技機において、
前記ステージ(56)に設けられ、入射した光を拡散可能な第1の光拡散部(77)が形成されると共に該第1の光拡散部(77)を介して光が透過可能に構成されて、遊技球を転動可能な第1の転動面(72)と、
前記ステージ(56)に前記第1の転動面(72)より後側でかつ上方に延在するように設けられ、光が透過可能に構成されると共に遊技球を転動可能な第2の転動面(78)と、
前記第2の転動面(78)の下側に該第2の転動面(78)から離間するように設けられ、入射した光を前記第1の光拡散部(77)と異なる態様で拡散可能な第2の光拡散部(90)と、
前記第2の光拡散部(90)より下側に配設され、前記第1の転動面(72)と、第2の光拡散部(90)を介して第2の転動面(78)とを発光可能な発光手段(64)とを備え、
前記第1の転動面(72)、前記第2の転動面(78)および前記第2の光拡散部(90)は、左右の外側部側において第1および第2の転動面(72,78)に対して第2の光拡散部(90)が最も近づくと共に中央部において当該第1および第2の転動面(72,78)に対して第2の光拡散部(90)が最も離間するよう左右の延在方向における離間間隔が変化するよう形成されたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、発光手段から光を照射することで、第1の転動面と第2の転動面との夫々を、その光拡散態様の違いにより異なる態様で発光装飾することができる。また、第1の光拡散部が第1の転動面に形成されるのに対し、第2の光拡散部が第2の転動面から離間して配設されて、第2の光拡散部で拡散された光が第2の転動面を照明する構成であるから、第1の転動面と第2の転動面との発光装飾の態様の違いを際立たせることができる。また、第1の転動面より上方に延在する第2の転動面と比べて、第1の転動面と発光手段との距離が近いので、第1の光拡散部に加えて第2の光拡散部で光を拡散するよう構成することで、第1の転動面の照明むらをより抑えることができる。
前記第2の光拡散部(90)は、前記第1の転動面(72)および前記第2の転動面(78)の下側に位置得るよう設けられ、
前記第1の転動面(72)には、前記第1の光拡散部(77)および前記第2の光拡散部(90)の内の両方の光拡散部(77,90)に入射した光が透過するよう構成され、
前記第2の転動面(78)には、前記第1の光拡散部(77)および前記第2の光拡散部(90)の内で第2の光拡散部(90)に入射した光が透過するよう構成されたことを要旨とする。
前記枠状装飾体(40)には、前記遊技領域(20a)に開口する球入口(58a)から取り込んだ遊技球を前記ステージ(56)の左右方向一側部に開口する球出口(58b)を介して前記転動面(72,78)に導くワープ通路(58)が設けられ、
前記転動面(72,78)におけるステージ(56)の左右方向一側部側の領域と該転動面(72,78)におけるステージ(56)の左右方向他側部側の領域とに対応して一対の前記発光手段(64,64)が配設され、
前記下枠部(50)の前面には、前記転動面(72,78)の左右方向一側部側に対応する前記発光手段(64)の前側に前記下枠飾り部(66)が配設されると共に、前記転動面(72,78)の左右方向他側部側に対応する前記発光手段(64)の前側を被覆する別の下枠飾り部(68)が配設されたことを要旨とする。
この構成によれば、転動面の左右方向一側部側に対応する発光手段の前側に下枠飾り部が配設されると共に、転動面の左右方向他側部側に対応する発光手段の前側を別の下枠飾り部で被覆する構成であるから、下枠部の前面の装飾態様を変化させることができる。
前記ステージ(56)には、該ステージ(56)の中央部側で前記第1の転動面(72)および前記第2の転動面(78)の両方に連なる共通転動面(82,84)が、前記ワープ通路(58)の球出口(58b)に連なる左右方向一側部と左右方向他側部との夫々に設けられ、
前記共通転動面(82,84)には、前記第1の光拡散部と同じ光拡散処理が施されたことを要旨とする。
この構成によれば、ステージ全体として効果的に発光演出を行い得る。
前記発光手段(64)の前側を覆うよう設けられて光が通過可能な通光部(67)が形成された飾り部(66)を備え、
前記発光手段(64)は、前記飾り部(66)の通光部(67)の後側を横切って該通光部(67)を上下に区分するように配設された発光基板(64a)と、前記第1および第2の転動面(72,78)に向けて光を照射可能な第1の発光体(64b)と、前記通光部(67)に向けて光を照射可能な第2の発光体(64c)とを備え、
前記発光基板(64a)における前記第1および第2の転動面(72,78)を向く面に前記第1の発光体(64b)が配設されると共に、当該発光基板(64a)における第1および第2の転動面(72,78)と反対側を向く面に前記第2の発光体(64c)が配設され、
前記飾り部(66)の通光部(67)において前記発光基板(64a)より上側の領域を、前記第1および第2の転動面(72,78)に向けて照射された前記第1の発光体(64b)の光で間接的に照らし、当該飾り部(66)の通光部(67)において発光基板(64a)より下側の領域を、当該通光部(67)に向けて照射された前記第2の発光体(64c)の光で直接的に照らすよう構成されたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、飾り部に形成された通光部を発光手段の光により発光装飾することができる。また、通光部において発光基板より上側領域から発光基板の上面の第1の発光体から転動面に向けて照射した光が漏れ、通光部において発光基板より下側領域が発光基板の下面の第2の発光体から前方に照射した光によって照らされる。すなわち、通光部の上下で発光装飾の態様を大きく変えることができる。
請求項4に係る発明では、
前記発光手段(64)の前側を覆うよう設けられて光が通過可能な通光部(67)が形成された飾り部(66)を備え、
前記発光手段(64)は、前記飾り部(66)の通光部(67)の後側を横切って該通光部(67)を上下に区分するように配設された発光基板(64a)と、前記第1および第2の転動面(72,78)に向けて光を照射可能な第1の発光体(64b)と、前記通光部(67)に向けて光を照射可能な第2の発光体(64c)とを備え、
前記発光基板(64a)における前記第1および第2の転動面(72,78)を向く面に前記第1の発光体(64b)が配設されると共に、当該発光基板(64a)における第1および第2の転動面(72,78)と反対側を向く面に前記第2の発光体(64c)が配設され、
前記飾り部(66)の通光部(67)において前記発光基板(64a)より上側の領域を、前記第1および第2の転動面(72,78)に向けて照射された前記第1の発光体(64b)の光で間接的に照らすと共に当該通光部(67)に向けて照射された前記第2の発光体(64c9の光で直接的に照らし、当該飾り部(66)の通光部(67)において発光基板(64a)より下側の領域を、当該通光部(67)に向けて照射された前記第2の発光体(64c)の光で直接的に照らすよう構成されたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、通光部の上下で発光装飾の態様を大きく変えることができる。
前記発光手段(64)を構成する発光基板(64a)は、前記下枠部(50)の後面に左右に離間して設けられた一対の係止部(94,95)の間に保持されて左右方向および上下方向に位置決めされると共に、下枠部(50)と該下枠部(50)の後側に配設されて前記第2の転動面(78)の後縁から上方に突出する後壁部(60)との間に保持されて前後方向に位置決めされることを要旨とする。
この構成によれば、発光手段の発光基板の取り付けにネジを用いてないので、発光基板や下枠部にネジ止めのためのスペースが不要になり、発光手段の配設に要するスペースをコンパクトにできる。
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置18(図3参照)が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記図柄表示装置18としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成してもよい。なお、球受け皿については、上下2枚の球受け皿14,15を備えるものに限らず、1枚の球受け皿のみを設ける構成であってもよい。
図2に示すように、前記遊技盤20は、所定板厚の略矩形状に形成された木材板の表面に、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を貼付けて装飾した板部材であって、該遊技盤20の表面(盤面)に配設された略円形状に湾曲形成する案内レール23により、パチンコ球が流下可能な遊技領域20aが画成されている。また、前記遊技盤20の裏面に、前記図柄表示装置18が取り付けられた設置部材19(図4参照)が配設されている。
図4に示すように、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口28が前記遊技領域20a内に複数開設されて、各装着口28に対して各種部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口29が開設されている。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘30が植設されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘30に接触することでパチンコ球の流下方向を不規則に変化させるようになっている。なお、前記装着口28の形成数は、遊技盤20に対して取り付けられる各種部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
実施例のパチンコ機10では、前記第2始動入賞装置34の第2始動入賞口34aを開放する開放条件および該第2始動入賞口34aを閉鎖する閉鎖条件は、遊技状態に応じて設定されている。すなわち、遊技状態が前記確率変動状態および時間短縮状態の場合には、遊技状態が通常状態の場合に比べて、前記第2始動入賞装置34の第2始動入賞口34aが開放され易くなるよう前記開放条件や閉鎖条件が設定されて、第2始動入賞口34aへの入賞率を高くするよう構成されている。具体的には、実施例では、遊技状態が前記確率変動状態および時間短縮状態の場合には、遊技状態が通常状態の場合に比べて、前記始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が短くなるよう設定されると共に、第2始動入賞口34aの1回の開放毎の開放時間を長く設定することで、確率変動状態および時間短縮状態における第2始動入賞口34aへの入賞確率を高くしている。例えば、遊技状態が通常状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略30秒で、かつ第2始動入賞口34aの開放時間が0.1秒/1回に設定されるのに対し、遊技状態が確率変動状態および時間短縮状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略2秒で、かつ第2始動入賞口34aの開放時間が2秒/1回に設定されている。
前記設置部材19は、前記遊技盤20の外郭形状と略整合する大きさおよび形状に形成された略矩形状の背面板と、該背面板の外周縁部から前方に突出する画壁部とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部の開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材19とがネジにより固定される。そして、前記設置部材19において前記遊技盤20との間に画成される空間に、各種の可動演出装置や各種の発光装置等が設置されて、設置部材19をベースとする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材19の背面板には、前記枠状装飾体40の窓口40aを前後に整列する位置に、略矩形状の開口部19aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板の裏側に前記図柄表示装置18が着脱自在に取り付けられて、該開口部19aを介して図柄表示装置18の表示部18aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
図5〜図13に示すように、前記枠状装飾体40は、環状に形成されて各種部材の設置部分となる装飾体基部42と、該装飾体基部42の後面から後方へ突出するよう形成され、前記遊技盤20に開設された前記第1装着口28の内側に沿って延在する板状の装飾体固定部44と、該装飾体基部42に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域20aと図柄表示装置18の表示部18a(表示領域)を区切る庇状部46と、該庇状部46の後縁から外方に延出する板状の装飾体取付部48とを備えている。枠状装飾体40は、装飾体固定部44を第1装着口28に挿入すると共に装飾体取付部48を遊技盤20の前面に当接した状態で、該装飾体取付部48をネジ等で遊技盤20に固定することで遊技盤20に取り付けられる。ここで、庇状部46は、枠状装飾体40(装飾体基部42)の左側縁の中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、図柄表示装置18の前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。また、枠状装飾体40の左側縁下部および下縁(特に区別する場合は下枠部50という)には、前記庇状部46が設けられず、前側をパチンコ球が通過可能に構成されている。また、実施例の枠状装飾体40の上縁部および側縁部には、各種の意匠が施された飾り体51,52,53や透光性の飾り体51,52,53を発光させる照明手段54などが配設されている。なお、枠状装飾体40は、装飾体基部42、装飾体固定部44、庇状部46および装飾体取付部48の全てあるいはこれらのうちで組み合わせて樹脂により一体成形しても、別部材を組み合わせる構成の何れであってもよい。また、実施例の装飾体基部42は、透明な樹脂板で構成されて、光を透過可能になっている。
図12、図13および図14に示すように、前記ステージ56は、下枠部50を構成する装飾体基部42に後側から取り付けられ、下枠部50内周に左右方向に延在するように配設されている。図11に示すように、ステージ56は、パチンコ球を転動させる下段転動面(第1の転動面)72と、この下段転動面72より後側でかつ高い位置に延在するように設けられ、パチンコ球を転動させる上段転動面(第2の転動面)78とを備え、該ステージ56の手前側で下段を構成する下段転動面72と該ステージ56の奥側で上段を構成する上段転動面78との上下2段を有する段状に形成されている。また、ステージ56は、左右方向の側部の夫々に、ステージ56の中央部側で下段転動面72および上段転動面78の両方に連なる共通転動面82,84を備えており、共通転動面82,84で転動するパチンコ球を下段転動面72または上段転動面78に振り分け可能に構成されている。なお、ステージ56において左側(ステージの左右方向一側部)に設けられた左共通転動面82の外側部に、ワープ通路58の球出口58bが開口している(図7(b)参照)。
図11に示すように、前記下段転動面72は、共通転動面82,84に連なる左右の側部(外側部という)から中央部側に向かうにつれて下方傾斜するように形成されると共に、中央部が隆起するように形成されており、中央部の下段凸状部73と左右の側部を構成する傾斜部75との間に下段凹状部74が設けられている。ここで、下段凸状部73は、共通転動面82,84に連なる下段転動面72の外側部(傾斜部75の傾斜上端)よりも低く設定されており、下段凸状部73における左右方向中央に後側から前に向かうにつれて下方傾斜する下段案内溝73aが設けられている(図6(b)参照)。下段案内溝73aの前縁は、第1始動入賞口32aの直上に位置しており(図2参照)、下段案内溝73aで案内されて該下段案内溝73aの前縁から遊技領域20aに放出されるパチンコ球が、第1始動入賞口32aに高い確率で入賞するよう構成されている。また、下段凹状部74は、後側から前に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されており(図12参照)、第1始動入賞口32aの左右に並べて配設されて該第1始動入賞口32aにパチンコ球を案内する遊技釘30(所謂道釘)の上方に、下段凹状部74の前縁が配置されている。すなわち、下段凹状部74で案内されて該下段凹状部74の前縁から遊技領域20aに放出されるパチンコ球は、下段案内溝73aから放出されるパチンコ球より第1始動入賞口32aに入賞する確率が低くなっている。また、下段案内溝73aは、1個のパチンコ球が嵌り込む左右幅で形成されるのに対して、下段凹状部74は、後側から前側に向かうにつれて左右幅が広がるように形成されて、その前縁において複数のパチンコ球を並べることが可能な左右幅になっている(図14(a)参照)。下段転動面72は、共通転動面82,84から下段凹状部74に向かう傾斜部75前縁に、パチンコ球の半径より小さい突出寸法で上方に延出する下段突片76が設けられており、下段突片76によって当該傾斜部75から遊技領域20aにパチンコ球が放出され難くしてある。なお、下段転動面72は、中央の下段案内溝73aを挟んで左右対称な形状になっている。
図11に示すように、前記上段転動面78は、中央部が隆起するように形成されると共に、左右の側部(外側部という)に連なる共通転動面82,84と中央部の上段凸状部79との間に、該上段凸状部79より凹む上段凹状部80が設けられている。なお、上段凸状部79は、共通転動面82,84に連なる上段転動面78の外側部よりも僅かに高く設定されている。上段凸状部79の左右方向中央には、前側から後に向かうにつれて下方傾斜する上段案内溝79aが設けられ(図14(a)参照)、この上段案内溝79aの後縁に前記球案内路70の球導入口70aが開口している。すなわち、上段転動面78は、上段案内溝79aで案内されるパチンコ球が球案内路70に高い確率で通入するように構成されている。また、上段凹状部80は、後側から前に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されると共に、該上段凹状部80の前縁が下段転動面72における傾斜部75の上方に配置され、上段凹状部74で案内されたパチンコ球が下段転動面72の傾斜部75に流下するようになっている。上段案内溝79aは、1個のパチンコ球が嵌り込む左右幅で形成されるのに対して、下段凹状部80は、後側から前側に向かうにつれて左右幅が広がるように形成されて、その前縁において複数のパチンコ球を並べることが可能な左右幅になっている(図14(a)参照)。上段転動面78は、上段凸状部79の前縁に、パチンコ球の半径より小さい突出寸法で上方に延出する上段突片81が設けられており、上段突片81によって上段凸状部79から前側の下段転動面72または遊技領域20aにパチンコ球が放出され難くしてある。なお、上段転動面78は、中央の上段案内溝79aを挟んで左右対称な形状になっている。
前記ステージ56の左側部に設けられた左共通転動面82は、左側縁から中央部側に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されて、中央部側の前部が下段転動面72の左側部に連なると共に中央部側の後部が上段転動面78の左側部に連なっている。このように、左共通転動面82は、該左共通転動面82に受け入れたパチンコ球を右側方へ向けて案内し、左共通転動面82においてパチンコ球が流下する前後位置により下段転動面72または上段転動面78に振り分けている。ここで、ワープ通路58の球出口58bは、左共通転動面82の傾斜上端部側において後側に偏倚した位置(上段転動面78を左側へ延長した位置)で、右側へ向けて開口しており、ワープ通路58の球出口58bから放出されたパチンコ球が下段転動面72と比べて上段転動面78に流下し易くなっている。
図12および図13に示すように、前記光拡散部材62は、上段転動面78の下側に該上段転動面78から離間するように設けられた板状の第2光拡散部(第2の光拡散部)90と、この第2光拡散部90の後縁から上方に立ち上がるように形成されて、前記ステージ56の立壁面86の後側に重なるように配置される板状の縦壁部92とを備えている。第2光拡散部90は、入射した光を拡散する光拡散処理が施されると共に光を透過可能に構成されて、前記第1光拡散部77と異なる態様で光を拡散するように形成されている。なお、実施例の光拡散部材62は、第2光拡散部90および縦壁部92を一体形成した透明な樹脂成形品であり、縦壁部92についても光を透過可能になっている。
図7(b)および図8に示すように、前記下枠部50には、下段転動面72および上段転動面78における左側(左右方向一側部側)の領域と、下段転動面72および上段転動面78における右側(左右方向他側部側)の領域とに対応して一対の発光手段64,64が配設されている。各発光手段64は、第2光拡散部90の下側に配設される板状の発光基板64aと、この発光基板64aの上面に配設され、該発光基板64aの上方に配置された下段転動面72および上段転動面78に向けて光を照射可能な第1発光体64bと、発光基板64aに配設され、該発光基板64aの前方に配置される下枠飾り部66,68に向けて光を照射可能な第2発光体64cとを備えている(図10および図11参照)。なお、第1発光体64bおよび第2発光体64cとしては、LEDが用いられている。発光基板64aは、板面を転動面72,78に向けた姿勢で下枠部50に配設され、複数の第1発光体64bおよび複数の第2発光体64cの夫々が左右方向に離間配置されている。ここで、発光基板64aは、ステージ56の外側部から中央部側に向かうにつれて板面が下方傾斜するように斜めに配置されており、中央部側に傾いた斜め上方へ向けて光を第1発光体64bから照射するようになっている。
図12および図13に示すように、前記後壁部材60の後壁本体は、下枠部50の装飾体基部42、ステージ56および光拡散部材62の後側を覆うと共にステージ56における上段転動面78の後縁から上方へ延出するよう形成され、この後壁本体の上縁から前方へ延出するように形成され、遊技盤20と設置部材19との間へのパチンコ球の通入を防止する庇片60bを備えている。後壁部材60は、無色透明な樹脂からなり、上段転動面78の上方に延出する後壁本体上部および庇片60bを介して、図柄表示装置18の表示部18aで行われる表示演出を視認可能になっている。
図12および図13に示すように、前記下枠飾り部66,68は、板状の部材であって、装飾体基部42の前面およびステージ56における垂下壁面88の前側を覆うように配設され、装飾体基部42に設置される発光手段64,64の前側に配置されている。下枠部50は、該下枠部50の左側領域から中央部までの前面を構成する第1下枠飾り部(下枠飾り部)66と、該下枠部50の右側領域を構成する第2下枠飾り部(別の下枠飾り部)68とを備え、第1下枠飾り部66および第2下枠飾り部68は装飾体基部42に飾り部取付ボスB2を介して後側からネジ止め固定されている。第1下枠飾り部66および第2下枠飾り部68は、光を透過可能に構成された通光部67を備え、この通光部67が発光手段64から照射された光により照明されるようになっている。第1下枠飾り部66では、有色透明な樹脂板または貫通口で構成されて前記通光部67になる部分と、光を透過しないように不透明に構成された部分とを有し、複数の通光部67が適宜に配置されている。
図3および図6(b)に示すように、前記球案内路70は、後壁部材60における後壁本体の中央部に設けられた後区画部61と、後壁本体の前側に配置される光拡散部材62における縦壁部92中央部に設けられ、後区画部61の前側を塞ぐ前区画部93とにより、上下に連通する縦流路部分が形成されている。また、球案内路70は、下枠部50をなす装飾体基部42の中央部に設けられて前記縦案内路部分の下端前側に連通する筒状区画部43により、前後に連通する横流路部分が形成されており、第1下枠飾り部66の右端部に開設された球導出口70bが筒状区画部43の前側開口に整合している。後区画部61は、前側に開放した略矩形凹状に形成されて、上段転動面78の上段案内溝79aの後縁より上方および下方に延在するように設けられている。球案内路70の球導入口70aは、上段転動面78における上段案内溝79aの後縁と後区画部61とで、前後方向に開口するように画成される。後区画部61の底部には、後側から前側に向かうにつれて下方傾斜する案内リブ61aが設けられ(図6(b)参照)、球案内路70の縦流路部分を流下するパチンコ球を案内リブ61aにより前側に導くようになっている。前区画部93は、後側に開放した円弧凹状に形成されて、後区画部61の前側に整合して該後区画部61との間にパチンコ球1個ずつの流下を許容する縦流路部分を画成している。筒状区画部43は、パチンコ球1個ずつの通過を許容する前後に連通する筒状に形成されて、下端が前側に開口する前記縦流路部分に後側開口が連通している。また、筒状区画部43は、内底面に後側から前側に向かうにつれて下方傾斜する案内リブ43aが設けられ(図6(b)および図9参照)、球案内路70の横流路部分を流下するパチンコ球を案内リブ43aにより前側に導くようになっている。そして、球案内路70の球導出口70bは、第1始動入賞口32aの鉛直方向上側に配置されている。
図12および図13に示すように、前記ワープ通路58は、庇状部46の左側部を構成する左側部飾り体52に設けられ、後側および左側方に開放した凹状に形成された前通路画成部97と、該左側部飾り体52で前側が覆われる装飾体基部42とにより、左側方に開口して遊技領域20aに繋がる球入口58aが画成されると共に、球入口58aを介して遊技領域20aから入ったパチンコ球を枠状装飾体40の外側から内側(左から右)に向けて案内する前通路が画成されている。また、枠状装飾体40における左側部の装飾体基部42には、左側部飾り体52の後側に通路画成部材98が配設されている。通路画成部材98は、後側に開口する溝状に形成されており、上下に延在する縦溝部分と上下溝部の下端部から中央部側に向けて屈曲して左右方向に延在する横溝部分とを備えている。ワープ通路58では、通路画成部材98の溝部分とこの通路画成部材98における溝部分の後側開口を塞ぐ前記後壁部材60の後壁本体により、通路画成部材98の上端部に前後に貫通形成された連通口98aを介して前記前通路から流入したパチンコ球をステージ56に案内する後通路が画成されている。そして、ワープ通路58は、通路画成部材98における横溝部分下端と後壁部材60の後壁本体とにより、ステージ56における左側共通転動面82の左側部において右側方に開口した球出口58bが画成されている。
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球は、枠状装飾体40の左側部に開口する球入口58aからワープ通路58に入ると、該ワープ通路58の前通路および後通路に案内されて、枠状装飾体40の内側下部に配設されたステージ56の左共通転動面82に該ワープ通路58の球出口58bから放出される。左共通転動面82で案内されたパチンコ球は、上段転動面78または下段転動面72に振り分けされる。上段転動面78で左右方向に転動するよう案内されたパチンコ球は、上段凹状部80の前縁から前側に設けられた下段転動面72に流下したり、また上段案内溝79aに嵌り込むことで、該上段案内溝79aの傾斜に案内されて球案内路70に流入し、球案内路70で案内されて球案内路70の球導出口70bから遊技領域20aにおける第1始動入賞口32aの直上に放出される。下段転動面で左右方向に転動するよう案内されたパチンコ球は、下段凹状部74の前縁から遊技領域20aに流下したり、また下段案内溝73aに嵌り込むことで、該下段案内溝73aの傾斜に案内されて、遊技領域20aにおける第1始動入賞口32aの直上に放出される。ここで、上段転動面78または下段転動面72を越えて右側共通転動面84に至ったパチンコ球は、該右側共通転動面84に案内されて、上段転動面78または下段転動面72に振り分けされる。このように、前記ステージ56は、前後位置および高さが異なる下段転動面72および上段転動面78を有する多段に構成されているので、該ステージ56において比較的長い時間パチンコ球を転動させることができる。そして、ステージ56は、該ステージ56から多様な経路で遊技領域20aにパチンコ球を放出することができるので、ステージ56を転動するパチンコ球に遊技者の興味を惹き付けることができる。
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能で、例えば以下のものを採用可能である。
(1)発光体は、LEDに限定されず、電球などその他であってもよい。
(2)第2の光拡散部は、少なくとも第2の転動面の下側にあればよく、実施例のように下段転動面の下側にも延在する構成に限定されない。
(3)遊技盤は、ベニヤ板等の木製であっても、透明または不透明の合成樹脂製であってもよい。
(4)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
18a 表示部
20 遊技盤
20a 遊技領域
40 枠状装飾体
40a 窓口
56 ステージ
58 ワープ通路
58a 球入口
58b 球出口
60 後壁部材(後壁部)
64 発光手段
64a 発光基板
64b 第1発光体(第1の発光体)
64c 第2発光体(第2の発光体)
66 第1下枠飾り部(下枠飾り部)
67 通光部
68 第2下枠飾り部(別の下枠飾り部)
72 下段転動面(第1の転動面)
77 第1光拡散部(第1の光拡散部)
78 上段転動面(第2の転動面)
82 左共通転動面(共通転動面)
84 右共通転動面(共通転動面)
90 第2光拡散部(第2の光拡散部)
94 内側係止部(係止部)
95 外側係止部(係止部)
Claims (4)
- 遊技球が流下可能な遊技領域を前面に有する遊技盤と、この遊技盤の後側に配置された図柄表示装置と、遊技盤に配設され、図柄表示装置の表示部が内側に臨む窓口を画成する枠状装飾体と、この枠状装飾体の下枠部内周に設けられ、遊技領域から受け入れた遊技球を転動させるステージとを備えた遊技機において、
前記ステージに設けられ、入射した光を拡散可能な第1の光拡散部が形成されると共に該第1の光拡散部を介して光が透過可能に構成されて、遊技球を転動可能な第1の転動面と、
前記ステージに前記第1の転動面より後側でかつ上方に延在するように設けられ、光が透過可能に構成されると共に遊技球を転動可能な第2の転動面と、
前記第2の転動面の下側に該第2の転動面から離間するように設けられ、入射した光を前記第1の光拡散部と異なる態様で拡散可能な第2の光拡散部と、
前記第2の光拡散部より下側に配設され、前記第1の転動面と、第2の光拡散部を介して第2の転動面とを発光可能な発光手段とを備え、
前記第1の転動面、前記第2の転動面および前記第2の光拡散部は、左右の外側部側において第1および第2の転動面に対して第2の光拡散部が最も近づくと共に中央部において当該第1および第2の転動面に対して第2の光拡散部が最も離間するよう左右の延在方向における離間間隔が変化するよう形成された
ことを特徴とする遊技機。 - 前記第2の光拡散部は、前記第1の転動面および前記第2の転動面の下側に位置得るよう設けられ、
前記第1の転動面には、前記第1の光拡散部および前記第2の光拡散部の内の両方の光拡散部に入射した光が透過するよう構成され、
前記第2の転動面には、前記第1の光拡散部および前記第2の光拡散部の内で第2の光拡散部に入射した光が透過するよう構成された請求項1記載の遊技機。 - 前記発光手段の前側を覆うように設けられて光が通過可能な通光部が形成された飾り部を備え、
前記発光手段は、前記飾り部の通光部の後側を横切って該通光部を上下に区分する発光基板と、前記第1および第2の転動面に向けて光を照射可能な第1の発光体と、前記通光部に向けて光を照射可能な第2の発光体とを備え、
前記発光基板における前記第1および第2の転動面を向く面に前記第1の発光体が配設されると共に、当該発光基板における第1および第2の転動面と反対側を向く面に前記第2の発光体が配設され、
前記飾り部の通光部において前記発光基板より上側の領域を、前記第1および第2の転動面に向けて照射された前記第1の発光体の光で間接的に照らし、当該飾り部の通光部において発光基板より下側の領域を、当該通光部に向けて照射された前記第2の発光体の光で直接的に照らすよう構成された請求項1または2記載の遊技機。 - 前記発光手段の前側を覆うように設けられて光が通過可能な通光部が形成された飾り部を備え、
前記発光手段は、前記飾り部の通光部の後側を横切って該通光部を上下に区分する発光基板と、前記第1および第2の転動面に向けて光を照射可能な第1の発光体と、前記通光部に向けて光を照射可能な第2の発光体とを備え、
前記発光基板における前記第1および第2の転動面を向く面に前記第1の発光体が配設されると共に、当該発光基板における第1および第2の転動面と反対側を向く面に前記第2の発光体が配設され、
前記飾り部の通光部において前記発光基板より上側の領域を、前記第1および第2の転動面に向けて照射された前記第1の発光体の光で間接的に照らすと共に当該通光部に向けて照射された前記第2の発光体の光で直接的に照らし、当該飾り部の通光部において発光基板より下側の領域を、当該通光部に向けて照射された前記第2の発光体の光で直接的に照らすよう構成された請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
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