図1に示すように、スロットマシン(遊技機)10は、収納箱11と、前面扉12とを備え、これらから遊技機本体が構成されている。収納箱11には、複数のリールがユニット化されたリールユニットや、メダルの払い出しを行うホッパ装置などが収納されている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12a及び下扉12bはそれぞれ収納箱11に軸着され、開閉自在に支持されている。
上扉12aには、その前面に、各種画像を表示する液晶ディスプレイ15、及び、リールを視認させるための透明窓16が設けられている。リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リールが停止した状態では、透明窓16を通して1つのリールにつき3個の図柄が表示される。
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットする際に操作されるベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン26a〜26c、ホッパ装置から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28、クレジットされたメダルを清算するための清算ボタン29が設けられている。
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルを投入、または、ベットボタン23操作することによりメダルがベットされるとスタートレバー24が有効化され、有効化されたスタートレバー24を操作すると遊技が開始される。遊技が開始されると、当選役抽選が実行されて複数種類の当選役のいずれかまたはハズレが決定されるとともにリールが回転を開始する。リールの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a〜26cの操作が有効化され、有効化されたストップボタン26a〜26cを操作すると操作されたストップボタンに対応するリールを停止させることができる。そして、全てのリールが停止したときに、当選役抽選で決定された当選役に対応する図柄組合せが表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
また、スロットマシン10には、上扉12aの上端中央部に電飾ユニット(電飾装置)30が設けられている。電飾ユニット30は、外カバー32を備え、外カバー32の前端部には化粧パネル(前面パネル)34が配置されている。化粧パネル34は、例えば、スロットマシン10の機種名やスロットマシン10を象徴するキャラクタなどがプリントされたプリントシートやプリントシートの前面に配置される透明な保護パネルなどからなり、後述する第1照明基板42に配置された第1LED(第1光源)46からの照明光により背面側から照明され、スロットマシン10を演出する。
<電飾ユニットの構成>
図2〜図5に示すように、電飾ユニット30は、前述した外カバー32の他、ベース部材36、導光部材38、レンズカバー40を備えている。ベース部材36には、第1照明基板42、第2照明基板44が取り付けられている。第1照明基板42は、複数の第1LED(第1光源)46が実装され、これら第1LED46が実装された発光面を前方ヘ向けた状態で取り付けられている。第2照明基板44は、複数の第2LED(第2光源)48が実装され、これら第2LED48が実装された発光面を斜め下へ向けた状態(第1照明基板42よりも下方(遊技機本体の中心側)へ傾けた状態)で、第1照明基板42の下方(遊技機本体の中心側)に取り付けられている。
導光部材38は、リフレクタ50と光拡散板52とから構成され、外カバー32(化粧パネル34)とベース部材36(第1照明基板42)との間で前後から挟持される。リフレクタ50は、本体筒44を備え、本体筒44は、第1照明基板42(第1LED46)からの照明光の光路を囲む筒状の側壁を有し、第1照明基板42の外縁部と化粧パネル34の外縁部とを繋ぐように形成されている。そして、第1照明基板42からの照明光は、本体筒54の後端側から本体筒54内に入射し、本体筒54の内面で反射されながら本体筒54の前端側へ案内される。
光拡散板52は、前面や背面に、大きさや形状や角度の異なる複数の光屈折面(図示せず)が形成されており、入射した照明光を拡散して出射させる。光拡散板52は、リフレクタ50の前端部に組み込まれ、第1照明基板42からの照明光は、リフレクタ50により光拡散板52に案内され、光拡散板52を介して拡散されて化粧パネル34ヘ向けて出射される。このように、導光部材38(リフレクタ50)の前端部が、第1照明基板42(第1LED46)からの照明光を出射する出射部として機能する。
化粧パネル34は、第1照明基板42よりも大型に形成されており、本実施形態では、上下方向の長さが第1照明基板42よりも長く形成されている。そして、化粧パネル34及び第1照明基板42は、上端の位置がほぼ同じ高さとなるように配置される。このため、化粧パネル34の下端は、第1照明基板42の下端より下方、さらに、第2照明基板44の上端よりも下方に位置する。すなわち、化粧パネル34は、前後方向において、第1照明基板42の全部、及び、第2照明基板44の一部(上部)と重複するように配置されている。
導光部材38は、第1照明基板42からの照明光が、第1照明基板42よりも下方に拡大された化粧パネル34の背面全体に照射されるように構成されている。具体的には、リフレクタ50の下壁(側壁)には、後端側から前端側へ向けて第1照明基板42からの照明光の光路を下方(遊技機本体の中心側)へ向けて拡大するように湾曲された湾曲部56が設けられており、この湾曲部56により第1照明基板42からの照明光の光路が拡大され、化粧パネル34の背面全体に、第1照明基板42からの照明光が照射される。
このように、リフレクタ50に湾曲部56を設けて第1照明基板42からの照明光の光路を拡大し、第1照明基板42からの照明光が出射される出射部(第1出射部)を大型化することで、化粧パネル34を大型化でき、スロットマシン10をより効果的に演出できる。
なお、前述のように、第1照明基板42からの照明光の光路は、第1照明基板42の下端よりも下方に拡大されているため、第1照明基板42からの照明光が届き難い。すなわち、化粧パネル34は、下端部へ向かうほど、第1照明基板42からの照明光の光量が低下して暗くなる傾向にある。このため、例えば、下端部へ向かうほど色が薄くなるグラデーション塗装を施すなどにより、下部へ向かうほど照明光の透過率が高くなるように化粧パネル34を構成し、化粧パネル34の明るさを均一にしてもよい。
また、化粧パネル34の明るさを敢えて均一にせず(グラデーション塗装などを施さず)、下端部の方が暗くなるといった特性を利用してもよい。この場合、例えば、海(海中)の絵柄を化粧パネル34にプリントするといったことが考えられる。こうすることで、化粧パネル34にプリントした海(海水)の色や濃さが同じであっても、化粧パネル34の下部(深海)へ向かうほど明るさが暗くなるため、海の様子を手軽に表現できる(本来であれば、グラデーション塗装などで表現するものを、グラデーション塗装無しに表現できる)。
以上のように、湾曲部56を設けることで、湾曲部56の前方まで化粧パネル34を拡大でき、スロットマシン10をより効果的に演出できるが、これと同時に湾曲部56の背後にもスペースが形成される。スロットマシン10では、このようにして湾曲部56の背後(導光部材38(リフレクタ50)の下側)に形成されたスペースに、第2照明基板44及びレンズカバー40の一部(上部)を埋めこむように配置している。
レンズカバー40は、光透過性を有する材料から形成され、第2照明基板44を覆うように第2照明基板44の前方に配置される。本実施形態では、レンズカバー40を、上部のつぶれた略半球状に形成し(図6参照)、このつぶれた部分(上部)が湾曲部56の背後に形成されたスペースに埋め込まれるように配置している(図4参照)。そして、第2照明基板44(第2LED48)からの照明光は、このレンズカバー40を介して、斜め下(前方(第1照明基板42の発光面が向けられた方向)よりも遊技機本体の中心側に傾けられた方向であり、遊技者の顔が存在する方向)へ向けて出射される。
このように、レンズカバー40や第2照明基板44を湾曲部56の背後(すなわち、化粧パネル34の背後)に埋めこむように配置することにより、上下方向のサイズを抑え、電飾ユニット30を小型化できる。
なお、前述のように、本実施形態では、レンズカバー40の形状を、上部のつぶれた半球状としている。こうすることで、上部のつぶれていない半球状のレンズカバーを用いた場合と比較して、より小型化(上下方向のサイズを抑えること)が可能である。一方、本実施形態では、第2照明基板44に配置される第2LED48については、図6に示すように、遊技者側(第2照明基板44の発光面が向けられた方向)から観察した際に、レンズカバー40の中心(レンズカバー40のうち半球状の部分(つぶれていない部分)の球の中心)と重なる点Xを中心とした同心円状に配列(円形に配列)している。こうすることで、化粧パネル34の背後に埋もれたレンズカバー40の上部を視認することができない遊技者に、光源が円形である(レンズカバー40が半球状(上部のつぶれていない半球状)である)かのように認識させることができる。
また、スロットマシン10では、上述した湾曲部56により電飾ユニット30の大型化を抑えながら化粧パネル34を大型化していることに加え、化粧パネル34を効果的に照明するために、導光部材38の構成に工夫を施している。さらに、スロットマシン10では、強固な固定とメンテナンス性の高さを両立するために、レンズカバー40の取り付け構造に工夫を施している。
以下、化粧パネル34を効果的に照明するための導光部材38の構成、及び、強固な固定とメンテナンス性の高さを両立するためのレンズカバー40の取り付け構造について順番に説明を行う。
<導光部材の構成>
初めに、導光部材38の構成について説明する。
なお、本実施形態では、化粧パネル34に、化粧パネル34を左右に仕切るように第1、第2の2種類の被照明領域60、62が設けられ、導光部材38は、第1照明基板42からの照明光を、第1被照明領域60と、第2被照明領域62とに区別して個別に導光する例で説明を行う(図7、図8参照)。
図7、図8に示すように、導光部材38には、リフレクタ50の本体筒54の内部に、本体筒54の内部空間を左右に仕切るように仕切板64が設けられている。この仕切板64により、第1照明基板42からの照明光が、第1被照明領域60に照射されるものと、第2被照明領域62に照射されるものとに区別される。こうすることで、第1、第2の各被照明領域60、62の境界を明確にし、メリハリのある照明を可能としている。さらに、例えば、第1、第2被照明領域60、62のうちの一方のみを照明するようにしたり、第1被照明領域60と第2被照明領域62とで照明色を異ならせるといった演出なども効果的に行うことができる。
また、スロットマシン10では、前述したように、光拡散板52をリフレクタ50の前端部(遊技者側)に配置しているので、よりメリハリのある照明が可能である。すなわち、本実施形態のように、複数の光屈折面を有する光拡散板52を介して照明光を視認すると、光屈折面に対応する複数の光源が光出射面に存在するかのように光出斜面が輝いて視認されるが、光拡散板52がリフレクタ50の後端部に設けられている場合、光拡散板52から出射した照明光がリフレクタ50の内面で反射されて均斉化された後に視認されることになるため、1つの面光源のように視認されてしまう(光屈折面同士の境界が不明確となってしまう)。これに対し、本実施形態のように、光拡散板52をリフレクタ50の前端部に設けた場合は、光拡散板52から出射した照明光が均斉化されることなく視認されるため、各々の光屈折面から出射した照明光がメリハリを保ったまま(光屈折面同士の境界が明確なまま)の状態で視認される。
しかし、このように仕切板64を設け、また、光拡散板52をリフレクタ50の前端部に配置しても、仕切板64と光拡散板52との間に隙間があると、この隙間から、第1被照明領域60へ照射されるべき照明光(第1照明光)が第2被照明領域62へ漏れてしまったり、反対に、第2被照明領域62へ照射されるべき照明光(第2照明光)が第1被照明領域60へ漏れてしまうといった問題がある。このため、スロットマシン10では、光拡散板52に上下に長いスリット状の開口66を設け、この開口66から、光拡散板52を貫通させて導光部材38の先端部まで仕切板64の前端部を突出させている。こうすることで、前述した光漏れの問題を防止し、第1、第2の各被照明領域60、62の境界を明確にし、メリハリのある照明が可能となる。
また、本実施形態では、開口66の上下方向の長さを、光拡散板52の上下方向の長さよりも短く形成し、光拡散板52を、第1被照明領域60の背後に配置される第1部位68と、第2被照明領域62の背後に配置される第2部位70とが開口66の上側と下側とで接続された1つの部材として、例えば、射出成形などにより形成している。このように、光拡散板52を1つの部材とすることで、光拡散板を第1部位と第2部位との2つの部材から構成し、それぞれ個別に製造してリフレクタ50に組み付ける場合と比較して、製造や組み立ての手間を軽減できる。
上述のように、光拡散板52を1つの部材から構成することにより製造や組み立ての手間を軽減できるが、反面、第1部位68と第2部位70との接続部分の幅が広く(上下方向の長さが長く)なると、前述した光漏れの問題が発生してしまう。このため、接続部分の幅は、できるだけ狭くする必要があり、本実施形態では、光拡散板52の厚み程度としている。しかし、接続部分の幅を狭くすることで、光拡散板52が接続部分で折れてしまう恐れがある。このため、スロットマシン10では、光拡散板52に突起72を設け、この突起72により接続部分を補強している(すなわち、突起72が補強部材として機能する)。
突起72は、光拡散板51の背面に設けられ、第1部位68と第2部位70とに跨るように左右に長く形成されている。また、突起72は、開口66の上端側(光拡散板51の開口66における長手方向側の端部)と下端側(光拡散板51の開口66における長手方向側の端部)とのそれぞれに設けられている。そして、突起72は、仕切板64の前端部の上端(リフレクタ50の前端部かつ仕切板64による仕切り方向(本実施形態では上下方向)の端部)及び下端(リフレクタ50の前端部かつ仕切板64による仕切り方向(本実施形態では上下方向)の端部)に形成された窪み74ヘ向けて延びるように形成され、窪み74に係合される。このように、突起72を設けることにより、第1部位68と第2部位70との接続部分で光拡散板52が折れてしまうといった問題を防止している。さらに、窪み74に突起72を係合させることにより窪み74に何も係合させない場合と比較して、窪み74からの光漏れの問題を防止し、第1、第2の各被照明領域60、62の境界を明確にできる。
また、光拡散板52には、位置決め突起76が設けられており、この位置決め突起76により、光拡散板52の位置決めやがたつきの防止を行っている。位置決め突起76は、光拡散板52の側面から側方へ突出するように形成されてており、本実施形態では、光拡散板52の上面に2つ、下面に2つの合計4つの位置決め突起76を設けている。リフレクタ50の本体筒54には、位置決め突起76に対応する4つの位置にそれぞれ位置決め窪み78が形成されている。光拡散板52は、位置決め突起76が位置決め窪み78に係合するように、本体筒54にセットされることにより、光拡散板52の板面と平行な面内における位置決めがなされる。
さらに、光拡散板52が本体筒54にセットされると位置決め窪み78の前端側の面と、位置決め突起76の後端側の面とが当接し、光拡散板52の後側への移動が規制される。また、位置決め突起76は、前後方向の厚みが、位置決め窪み78の前後方向の深さと等しくなるように形成されている。これにより、光拡散板52が本体筒54にセットされると、本体筒54の前端と位置決め突起76の前端(すなわち、光拡散板52の前端)とが面一となる。このように、導光部材38(すなわち、第1導光部材として機能する光拡散板52と、第2導光部材として機能するリフレクタ50(本体筒54))は、前端部が面一となるように組み合わされ、前端部が外カバー32(化粧パネル(前面パネル)34)の背面と当接するように、外カバー32の背後に配置される。これにより、導光部材38(リフレクタ(第1導光部材)50と光拡散板(第2導光部材)52)の前方向への移動も規制される。
このように、スロットマシン10では、光拡散板52をリフレクタ50の前端部(遊技者側)に設けたので、メリハリのある照明が可能であり、また、仕切板64の先端部を、光拡散板52を貫通させて導光部材38の先端部まで突出させることで、第1、第2被照明領域60、62間での光漏れを防止できる。さらに、光拡散板52を第1部位68と第2部位70とが一体化された1つの部材から形成したため、製造や組み立ての手間を軽減でき、また、第1部位68と第2部位70との間に突起72を設けたので光拡散板52の破損も防止できる。さらに、位置決め突起76と位置決め窪み78と係合させることにより、光拡散板52の位置決めやがたつきの防止が可能である。
なお、本実施形態では、光拡散板52に突起72を設け、リフレクタ50に窪み74を設ける例で説明をしたが、図9に示すように、光拡散板52に窪み74を設け、リフレクタ50に突起72を設けてもよい。また、図10に示すように、光拡散板52に、突起72に代えて位置決め突起76を設けるとともに、リフレクタ50に、窪み74に代えて位置決め窪み78を設けてもよい。すなわち、位置決め突起76を、前述した実施形態の突起72としても機能させるとともに、位置決め窪み78を、前述した実施形態の窪み74としても機能させる構成としてもよい。
<レンズカバーの取り付け構造>
続いて、レンズカバー40の取り付け構造について説明を行う。
図11に示すように、レンズカバー40は、下端部に係止片80が設けられている。レンズカバー40は、この係止片80が係止部材82によって係止されることで、ベース部材36に固定される。なお、本実施形態では、レンズカバー40の上端部についても、ネジ84によりベース部材36にネジ止めすることで、より強固に固定されるようにしているが、レンズカバー40の上端部についてはネジ止め(固定)せずに、係止部材82のみでレンズカバー40をベース部材36に固定してもよい。
係止片80は、第2照明基板44の法線と平行な基端部86と、基端部86の先(遊技機本体の背面(後)側)に設けられ、第2照明基板44の法線に対して傾けられた(本実施形態においては下方に傾けられた)先端部88とを有している。そして、先端部88には、貫通孔(係合孔)90が形成されている。なお、本実施形態では、レンズカバー40を取り付けた状態で先端部88が水平となるように係止片80を形成している。
ベース部材36には、係止片80が挿通される挿通孔92が形成されている。挿通孔92は、ベース部材36を前後に貫通するように形成され、係止片80は、レンズカバー40をベース部材36に取り付ける際にこの挿通孔92に挿通される。前述のように、係止片80は、第2照明基板44の法線に平行な基端部86と第2照明基板44の法線に対して傾けられた先端部88とからなる「くの字」形状に形成されている。このため、挿通孔92も係止片80の形状に対応して「くの字」形状に屈曲されている。
そして、図12(a)に示すように、レンズカバー40は、係止片80の先端部88を第2照明基板44の法線と平行にした状態で、第2照明基板44の法線と平行な方向(取り付け方向)に沿って第2照明基板44側へ移動されて先端部88が挿通孔92に挿通された後、同図(b)に示すように、係止片80の基端部86が第2照明基板44の法線と平行になるように時計回りに回転されながら、取り付け方向に沿ってさらに移動されて基端部86が挿通孔92に挿通されることにより、同図(c)に示すように、ベース部材36にセット(仮止め)される。
このように、レンズカバー40は、係止片80の向きを変えるように回転されながら第2照明基板44ヘ向けて移動されてベース部材36にセットされる。このため、挿通孔92の幅(上下方向の幅)は、レンズカバー40をベース部材36にセットする際に係止片80の移動(回転)を妨げないように、係止片80の厚さよりも厚く(広く)形成されている。
レンズカバー40が仮止められた後は、図12(d)に示すように、ネジ94により係止部材82がベース部材36にネジ止めされる。係止部材82は、挿通孔92の内面(本実施形態では下面)との間で係止片80の先端部88を挟み込むように(本実施形態では上下から挟み込むように)ベース部材36にセットされた後、ネジ止めされて固定される。なお、本実施形態では、前後に長いネジ94により、ベース部材36の背面とネジ(ネジの頭)との間で前後から挟み込むように係止部材82を固定している。このように、前後に長いネジ94を用いて係止部材82を固定することにより、例えば、上下に長いネジで係止部材82を固定する場合と比較して上下方向のサイズを小さくできる。
図12(d)において破線で囲んだ領域を拡大した図13において、係止部材82の下面には、移動規制突起96、98が立設されている。移動規制突起96は、係止部材82がベース部材36に取り付けられた際に、係止片80(先端部88)に設けられた貫通孔90に挿通され、レンズカバー40の移動(本実施形態では前後方向への移動)を規制する。移動規制突起98は、係止部材82がベース部材36に取り付けられた際に、係止片80(先端部88)の先端面(遊技機本体の背面側の面)と対面するように配置され、レンズカバー40の後方向への移動を規制する。このように、移動規制突起96、98により係止片80(先端部88)の移動が規制されることにより、レンズカバー40の脱落が防止される(レンズカバー40がベース部材36に固定される)。
また、係止部材82がベース部材36に取り付けられると、係止部材82の下面により係止片80(先端部88)の上方への移動が規制される。これにより、レンズカバー40を回転させて係止片80を挿通孔92から引き出すといったことが不可能となり、レンズカバー40の脱落がより確実に防止される(レンズカバー40がより確実にベース部材36に固定される)。
このように、レンズカバー40やベース部材36とは別体の係止部材82によりレンズカバー40を固定するようにしたので、強固な固定とメンテナンス性の高さを両立できる。すなわち、ベース部材36と一体に形成された爪(レンズカバー40を装着する際に係止片80(先端部88)により押圧されて退避位置に移動し、係止片80が根本まで挿通孔92に挿通されると貫通孔90と係合して係止片80の移動を規制する位置へ戻る爪)などによりレンズカバー40を固定する場合、強固な固定を目指すとレンズカバー40の取り外しが困難となりメンテナンス性が低下する。反対に、メンテナンス性の向上(取り外しの容易さ)を目指すと、強固な固定が不可能となり、がたつきや脱落の恐れがあるが、本発明では、このような問題がなく、強固な固定とメンテナンス性の高さを両立できる。また、係止部材82はベース部材36の背面側に取り付けられ、前面側(遊技者側)には露呈しないため、意匠性が低下してしまうこともない。
なお、本実施形態では、係止部材をベース部材にネジ止めする例で説明をしたが、ネジ止め以外の方法で係止部材をベース部材に対して着脱自在としてもよい。この場合、例えば、図14、図15に示すように、係止部材を爪により着脱自在とする構成が考えられる。なお、図14以降の図面を用いた説明では、上述した実施形態と同様の部材については同様の符号を付して説明を省略する。
図14の例では、爪100により係止部材102の後方(背面側)への移動を制限して、係止部材102の脱落を防止している。係止部材102は、ベース部材36の背面側から前方へ移動されることによりベース部材36へと取り付けられる。爪100は、係止部材102を取り付ける過程で係止部材102により上方へと押し上げられ、係止部材102が取り付けられると元の位置に戻り、係止部材102の後方への移動を制限する。係止部材102がベース部材36取り付けられると、ベース部材36により係止部材102の上方への移動が防止され、係止片80が上下から挟み込まれるようにして支持される。これにより、レンズカバー40を回転させて係止片80を挿通孔92から引き出すといったことが不可能となり、レンズカバー40の脱落が防止される。
このように、図14の例では、レンズカバー40の回転(係止片80の上方への移動)を規制することによりレンズカバー40の脱落を防止しているため、係止部材102が前後にガタついても(数mm程度前後に移動しても)レンズカバー40の脱落を防止する機能については変化することなく維持される。つまり、爪100には、係止部材102の前後へのガタつきを防止する機能は必要ない。このため、図14の例では、係止部材102がベース部材36から脱落しない範囲において、係止部材102の前後への移動を許容する構成(具体的には、数mm程度であれば、係止部材102の前後への移動を許容する構成)としている。こうすることで、係止部材102の着脱を容易としている(メンテナンス性を良好なものとしている)。
他方、図15の例では、爪110により係止部材112の上方への移動を制限して、係止部材112の脱落を防止している。係止部材112は、挿通孔92の上方から下方へ移動されることによりベース部材36へと取り付けられる。爪110は、係止部材112を取り付ける過程で係止部材112により後方(背面側)へと押し退けられ、係止部材112が取り付けられると元の位置に戻り、係止部材112の上方への移動を制限する。係止部材112がベース部材36に取り付けられると、ベース部材36により係止部材112の前後への移動が規制されるとともに、係止部材112に設けられた移動規制突起96が貫通孔90に挿通される。これにより、レンズカバー40の前後への移動が規制される(レンズカバー40の脱落が防止される)。
このように、図15の例では、移動規制突起96を貫通孔90に挿通することで、レンズカバー40の前後への移動を規制することにより、レンズカバー40の脱落を防止しているため、係止部材112が上下にガタついても(数mm程度上下に移動しても)レンズカバー40の脱落を防止する機能については変化することなく維持される。つまり、爪110には、係止部材112の上下へのガタつきを防止する機能は必要ない。このため、図15の例では、係止部材112がベース部材36から脱落しない範囲(移動規制突起96が貫通孔90から脱落しない(抜けてしまわない)範囲)において、係止部材112の上下への移動を許容する構成(具体的には、数mm程度であれば、係止部材112の上下への移動を許容する構成)としている。こうすることで、係止部材112の着脱を容易としている(メンテナンス性を良好なものとしている)。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、細部の構成については適宜変更できる。例えば、上記実施形態では、レンズカバーの取り付け方向(第2照明基板の法線に平行な方向)に対して先端部が傾いた、断面が「くの字」形状の係止片をレンズカバーに設け、レンズカバーを回転させながら移動させてベース部材に取り付ける(挿通孔に係止片を挿通する)例で説明をしたが、本発明はこれに限定されない。係止片は、基端部及び先端部のいずれもがレンズカバーの取り付け方向に平行な、断面が直線形状であってもよい。この場合も、係止部材に設けられた移動規制部材によりレンズカバーが取り付け方向やその反対方向へ移動すること規制されるので、強固な固定とメンテナンス性の高さの両立が可能である。
また、上記実施形態では、電飾ユニットが遊技機本体の上端部に配置されている例で説明をしたが、電飾ユニットの配置位置は自由に設定できる。さらに、上記実施形態では、第2照明基板を、第1照明基板に対して遊技機本体の中心側へ傾けた状態で配置する例で説明をしたが、第2照明基板を、第1照明基板と平行に配置してもよい。この場合、第2照明基板からの照明光を、導光部材を介して遊技者側へ(第1照明基板に対して遊技機本体の中心側ヘ傾けた方向へ)出射させればよい。
また、上記実施形態では、1枚の仕切板によりリフレクタ(本体筒)の内部空間を2つの領域に仕切っているが、2枚以上の仕切板により本体筒の内部空間を3つ以上の領域に仕切ってもよい。さらに、上記実施形態では、仕切板により本体筒の内部空間を左右に仕切っているが、本体筒の内部空間の仕切り方(仕切板の形状)については自由に設定できる。例えば、水平な仕切板により本体筒の内部空間を上下に仕切ってもよいし、化粧パネルにプリントされた文字や図柄などの形状に対応した形状の仕切板により、本体筒の内部空間を文字や図形の形状に仕切ってもよい。
また、上記実施形態では、遊技機としてスロットマシンに本発明を適用する例で説明をしたが、例えば、パチンコ機など、スロットマシン以外の遊技機に対して本発明を適用してもよい。