JP6080997B2 - 加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば空気調和装置や冷凍装置に採用される冷凍サイクルの一構成要素として使用されるロータリー圧縮機に用いられる精密部品の加工方法に関するものである。
従来から、精密部品の加工方法の一つであるバリ取り方法が存在している。そのようなものとして、鋼材端面を研削する研削ヘッドにワイヤブラシを設けるとともに、この研削ヘッドに回転、揺動および横行の3つの動きを与えることにより、任意断面形状の鋼材の端面を研削できるようにしたバリ取り方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、把持装置によりワークを遊動自在に保持し、このワークのバリ取りを要する面に3つのバリ取りブラシを当接し、さらにワークをこれらブラシに沿わせて往復移動させるとともに、ブラシを移動方向に逆らう方向に回転させてバリを除去するようにしたバリ取り方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭53−130595号公報(第2、3頁等) 特開平5−208354号公報(第3頁等)
一般的に、2シリンダーロータリー圧縮機は、ローリングピストンと、シリンダーと、仕切板と、ベーンと、によって仕切られた空間の容積を徐々に減少させ、冷媒ガスを圧縮させるようになっている。このような構成の2シリンダーロータリー圧縮機の性能を向上するためにクランク軸の偏心部の偏心量を拡大しようとした場合、仕切板を分割し、再度組み合わせることで対応することができる。仕切板は、2シリンダーロータリー圧縮機の圧縮室を構成する部品であるため、分割して再度組み合わせた際の分割仕切板の密着性が圧縮機の性能に大きく影響する。
分割仕切板同士の密着性を高めるため、分割仕切板の分割面には高精度な表面性状が要求され、その要求を満たすために研削加工を施す必要がある。強制切込み加工である研削加工を行なうと、研削した加工面のエッジ部にはバリの発生が不可避である。このエッジ部にバリが残った場合、ローリングピストンと仕切板の間にバリが挟まり、ローリングピストンの摺動性が悪化し、圧縮機の動作不良の原因となってしまう。また、エッジ部のバリを完全除去しても、ワークのエッジ部の丸みが微小でない場合、圧縮室の機密性が悪化し、圧縮機の性能低下の原因となってしまう。
このような分割仕切板を加工する際、分割仕切板を再度組み合わせた際の密着性を高めるため、バリを完全に除去することに加え、バリ除去後のワークのエッジ部全域に亘って高精度な丸み付けが要求される。しかしながら、特許文献1又は特許文献2に記載されているようなバリ取り方法では、バリを完全除去することに注力したものであるため、バリの除去とともに欠けが生じてしまうことがあり、バリ除去後のワークのエッジ部全域に亘って高精度な丸み付けができなかった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は加工対象ワークのバリの除去、および、バリ除去後の加工対象ワーク精度の向上を図るようにした加工方法を提供するものである。
また、第2の目的は、量産製品の部品製造に適した加工方法を提供するものである。
本発明に係る加工方法は、2つのワークに発生したバリを除去する加工方法であって、2つのワークは、それぞれ、分割面と、分割面に垂直な一方の面と、分割面に垂直で且つ一方の面に平行な他方の面と、を有すると共に、それぞれの分割面を当接させた状態で使用されるものであり、2つのワークのそれぞれの分割面を当接させた状態で、分割面と一方の面との境界部分に発生したバリ、及び分割面と他方の面との境界部分に発生したバリを除去する第一バリ取りステップと、2つのワークのそれぞれの分割面を同じ方向に向けた状態で、2つのワークのそれぞれの分割面の周囲に発生したバリを除去する第二バリ取りステップと、を有するものである。
本発明に係る加工方法では、2つのワークのそれぞれの分割面を当接させた状態で、分割面の一方の面側及び他方の面側に発生したバリを除去する第一バリ取りステップを行い、次いで第二バリ取りステップを実行する。すなわち、本発明に係る加工方法によれば、2段階のバリ取り工程により、分割面の周囲のバリ取りを精度よく行うことができるため、加工対象ワークのエッジ部全域に亘って微小且つ丸み大きさが均一に安定した高精度な加工が実現できる。
また、本発明に係る加工方法によれば、複雑な工程や複雑な構造を要することなく、加工対象ワークのエッジ部を高精度に加工できるので、量産製品である加工対象ワークの製造に適したものとなる。
本発明の実施の形態1に係る加工装置の加工対象ワークである分割仕切板が用いられる2シリンダーロータリー圧縮機の構成を概略的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加工装置の加工対象ワークである分割仕切板のワーク形状の構成例を概略的に示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る加工装置の加工対象ワークである分割仕切板のワーク形状の一例を概略的に示す鳥瞰図である。 本発明の実施の形態1に係る加工装置の加工対象ワークである分割仕切板の製造工程を簡略化して示す工程図である。 本発明の実施の形態1に係る加工装置の構成を概略的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加工装置が実行する分割面バリ取り方法を概略的に示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る加工装置を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態3に係る加工装置を説明するための説明図である。 バリ取り加工時のブラシの動きを概略的に示す平面図である。 バリ取り加工時のブラシの動きを概略的に示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加工装置の加工対象ワークである分割仕切板4、5が用いられる2シリンダーロータリー圧縮機Aの構成を概略的に示す縦断面図である。図2は、分割仕切板4、5のワーク形状の構成例を概略的に示す平面図である。図3は、分割仕切板4、5のワーク形状の一例を概略的に示す鳥瞰図である。図1〜図3に基づいて、まずは2シリンダーロータリー圧縮機Aの構成及び動作について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
本発明の実施の形態1に係る加工装置は、精密部品の加工、特にバリ取り加工を実行するものである。実施の形態1では、精密部品として、2シリンダーロータリー圧縮機A(以下、単にロータリー圧縮機Aと称する)に用いられる分割仕切板4、5を例に挙げて説明する。ロータリー圧縮機Aは、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯器等の各種産業機械に用いられる冷凍サイクルの構成要素の一つとなるものである。
[ロータリー圧縮機Aの構成]
ロータリー圧縮機Aは、流体(たとえば冷凍サイクルを循環する冷媒)を吸入し、その流体を圧縮して高温高圧の状態として吐出するものである。ロータリー圧縮機Aは、図1のように密閉容器6内に、圧縮機構部70と、この圧縮機構部70を駆動する電動機部80が収納され、密閉容器6の底部には潤滑油が貯留されている。電動機部80は、固定子8と回転子7からなり、回転子7にはクランク軸9が嵌入されている。クランク軸9には、互いに反対向きに、つまり180度位相をずらせて偏心した偏心部9aが形成されている。
圧縮機構部70は、上シリンダー12と、下シリンダー13と、上シリンダー12と下シリンダー13との間を仕切る仕切板14と、上シリンダー12と下シリンダー13と仕切板14を積み重ねたものの両端に配置され、側壁を兼ねた主軸受10及び副軸受11と、偏心部9aに嵌入された上ローリングピストン15及び下ローリングピストン16と、シリンダーの内側を圧縮室と吸入室に仕切る上ベーン17及び下ベーン18と、で構成される。
上シリンダー12、下シリンダー13及び仕切板14には、クランク軸9が挿入され、主軸受10側の偏心部9aと副軸受11側の偏心部9aが上シリンダー12と下シリンダー13内にそれぞれ配置されるようになっている。また、クランク軸9における主軸受10側の偏心部9aと副軸受11側の偏心部9aとの間の中間軸部が仕切板14内に配置されるようになっている。さらに、上ローリングピストン15と下ローリングピストン16が、上シリンダー12と下シリンダー13内で偏心回転運動可能になっている。
上シリンダー12と下シリンダー13には、それぞれ上ベーン17と下ベーン18が摺動自在に挿入されている。上ベーン17及び下ベーン18は、コイルばねで構成される上付勢手段19、下付勢手段20によって上ローリングピストン15と下ローリングピストン16にそれぞれ常時押接されていて、上シリンダー12、下シリンダー13と上ローリングピストン15、下ローリングピストン16との間にそれぞれ形成される空間を、圧縮室と吸入室に仕切る機能をもっている。
[ロータリー圧縮機Aの動作]
このように構成されたロータリー圧縮機Aは、回転子7が回転することで、回転子7に嵌入されたクランク軸9が回転し、2つの偏心部9aが回転する。2つの偏心部9aが回転することで、上シリンダー12と下シリンダー13の内部で上ローリングピストン15と下ローリングピストン16が回転摺動する。つまり、上ローリングピストン15と下ローリングピストン16がシリンダー内壁に沿って回転する。
これにより、吸入管41から圧縮室に冷媒ガスが吸引され、ローリングピストン(上ローリングピストン15、下ローリングピストン16)と、シリンダー(上シリンダー12、下シリンダー13)と、仕切板14と、ベーン(上ベーン17、下ベーン18)と、によって仕切られた空間(圧縮室)の容積を徐々に減少させ、冷媒ガスが圧縮されるようになっている。圧縮された高圧冷媒ガスは密閉容器6内へ吐出され、吐出管42から密閉容器6の外部に吐出される。
[仕切板14の構成]
ところで、ロータリー圧縮機Aは、性能向上のためにクランク軸9の偏心部9aの偏心量を拡大すべく、仕切板14を分割し、再度組み合わせた構成としている。すなわち、図2及び図3に示すように、仕切板14は、2つの分割仕切板(分割仕切板4、分割仕切板5)を組み合わせて構成されている。分割仕切板4及び分割仕切板5は、平面形状が略半円状で、分割面を対称面にした略対称形である。つまり、仕切板14は、クランク軸9の回転角で0度と180度の方向に2分割するように構成されている。
分割仕切板4には、上下に設置される上シリンダー12、下シリンダー13、及び、主軸受10、副軸受11と締結するボルトが挿通されるボルト用孔4aが4つ形成されている。また、分割仕切板5には、上下に設置される上シリンダー12、下シリンダー13、及び、主軸受10、副軸受11と締結するボルトが挿通されるボルト用孔5aが3つ形成されている。
分割仕切板4の分割面には、分割仕切板5と組み合わされた際にクランク軸9の貫通穴として機能する溝4bが形成されている。また、分割仕切板4の分割面には、分割仕切板5と組み合わされた際に孔として機能する溝4cが形成されている。同様に、分割仕切板5の分割面には、分割仕切板4と組み合わされた際にクランク軸9の貫通穴として機能する溝5bが形成されている。また、分割仕切板5の分割面には、分割仕切板4と組み合わされた際に孔として機能する溝5cが形成されている。なお、溝4cと溝5cとを合わせることにより、分割仕切板を取り違えることなく、仕切板14を組み立てることが可能になっている。
仕切板14は、ロータリー圧縮機Aの圧縮室を構成する部品であるため、分割して再度組み合わせた際の密着性が性能に大きく影響する。すなわち、分割仕切板の分割面は、高精度な表面性状が要求され、その要求を満たすために研削加工を施す必要がある。強制切込み加工である研削加工を行なうと、研削した加工面のエッジ部にはバリの発生が不可避である。このエッジ部にバリが残った場合、ローリングピストン(上ローリングピストン15、下ローリングピストン16)と仕切板14との間にバリが挟まり、ローリングピストンの摺動性が悪化し、ロータリー圧縮機Aの動作不良の原因となる。また、エッジ部のバリを完全除去しても、エッジ部の丸みが微小でない場合、ロータリー圧縮機Aの機密性が悪化し、性能低下の原因となる。
[分割仕切板4、5の製造工程]
図4は、分割仕切板4、5の製造工程を簡略化して示す工程図である。図4に基づいて、仕切板14を構成する2つの分割仕切板4、5の製造工程を説明する。
(ステップS1)
仕切板14は圧縮室を構成するため、剛性のある材料で構成する必要がある。また、上ローリングピストン15、下ローリングピストン16との摺動性が良好となる必要がある。必要な剛性と摺動性を満たす材料が脆性材料の場合、研削時に発生したバリは除去しやすいが、延性材料の場合、加工端部の湾曲変形量が大きくなり、バリが除去し難くなる。そこで、延性材料の場合、仕切り板に熱処理を施し、硬度増加させてバリを除去しやすくさせると良い。そこで、まず、焼き入れ未処理の素材を用意する。そして、分割仕切板4、5は、型による成形を行い、製品に近い形に加工される。
(ステップS2)
次に、使用材料が延性材料の場合、分割仕切板4、5に対して熱処理を施す。真空炉での熱処理を行なうことにより摺動面表面の炭素量を焼入れ前後にて変化させず、摺動性の安定化を図ると良い。
(ステップS3)
次に、分割仕切板4、5の上ローリングピストン15、下ローリングピストン16との摺動面を平面研削加工する。この平面研削加工については、分割仕切板4、分割仕切板5を組み合わせて、1枚の仕切板14として平面研削加工を実施し、厚みのばらつきが最小になるように加工するとよい。
(ステップS4)
次に、分割仕切板4、5の分割面の平面研削加工を実施する。分割仕切板4の分割面は、溝4bと溝4cを挟んで同一平面状に位置している。同様に、分割仕切板5の分割面は、溝5bと溝5cを挟んで同一平面上に形成されている。そのため、平面研削加工により1枚ずつ加工するとよい。
(ステップS5:第一バリ取りステップ)
次に、摺動面の平面研削加工により発生したバリを除去する摺動面バリ取り工程を実施する。この時、分割仕切板4、5の分割面同士を隙間無く密着させ、且つ厚み方向の段差が生じないようにした上で、摺動面の表裏それぞれに対してバリ取りを行なう。この様にすると分割面平面研削時に発生しているX方向エッジ部a1、b1に対しても、バリ取りを行なうことになるが、分割仕切板4、5の分割面同士をぴったりと密着させることにより、X方向エッジ部a1、b1には丸みは付かず、かつバリの大きさを均一化することが出来る。
(ステップS6:第二バリ取りステップ)
最後に、平面研削加工により分割仕切板4、5の分割面の周囲に発生したバリを除去する分割面バリ取り工程を実施する。図3に示すように、分割仕切板4には、X軸方向に平行なX方向エッジ部a1と、Y軸方向に平行なY方向エッジ部a2と、がある。同様に、分割仕切板5には、X軸方向に平行なX方向エッジ部b1と、Y軸方向に平行なY方向エッジ部b2と、がある。圧縮室の機密性の確保のために微小な丸み付けを行なう必要があるのはX方向エッジ部a1、b1である。具体的には、以下に説明する加工装置100を用いて分割仕切板4、5の分割面の周囲に発生したバリを除去する。
[加工装置100]
図5は、本発明の実施の形態1に係る加工装置100の構成を概略的に示す縦断面図である。図6は、加工装置100が実行する分割面バリ取り方法を概略的に示す平面図である。図5及び図6に基づいて、加工装置100の構成及び動作について説明する。上述したように、加工装置100は、精密部品の加工、特にバリ取り加工を実行するものである。ここでは、仕切板14を構成する分割仕切板4、5に対してのバリ取り加工を一例として説明する。
図5に示すように、加工装置100は、ブラシユニット1と、クランパ2と、台座3と、を少なくとも備えている。ブラシユニット1は、研磨ブラシ1aを備え、中心軸を回転軸として高速回転しながら移動可能に構成されている。つまり、ブラシユニット1は、回転軸を介して、自身よりも上方に設置されている図示省略のモーターに接続され、X軸方向への平行移動が可能になっている。クランパ2は、分割仕切板4、5を両平面部側から挟持し、分割仕切板4、5を固定するものである。台座3は、クランパ2を支持するものである。
次に、加工装置100の特徴的な動作について説明する。
このように構成された加工装置100においては、まず台座3の上に置かれたクランパ2で分割仕切板4、5を平行に並べて固定する。この状態において、加工装置100に対して開始の指示があると、ブラシユニット1が駆動を開始する。ブラシユニット1が駆動を開始すると、研磨ブラシ1aが高速回転するとともに、ブラシユニット1が分割仕切板4、5の上部に沿ってX軸方向に平行移動する。
このとき、加工装置100においては、ブラシユニット1が、分割仕切板4のX方向エッジ部a1、分割仕切板5のX方向エッジ部b1に対して、X軸座標によらずブラシ範囲内の同一半径に位置する研磨ブラシ1aの進入角度を一定としながら通過するように構成されている。
ここで、進入角度について説明する。
進入角度とは、エッジ部に対して研磨ブラシ1aが進入する際の角度のことを意味している。図9、10はバリ取り加工時のブラシの動きを概略的に示す平面図である。図9、図10に基づいて進入角度は次のように表せる。Y方向負側X方向エッジ部に対するブラシ進入角度をα、Y方向正側X方向エッジ部に対するブラシ進入角度をβ、Y方向エッジ部に対するブラシ進入角度をγとして説明する。
α=cos−1((Δ+(t/2))/r)
β=cos−1((Δ−(t/2))/r)
γ=sin−1(y/r)
つまり、高精度化が必要なX方向エッジに対する進入角度αとβは、任意の1本のブラシにおいて、オフセット量Δの関数で表せる。また、rの最小値rmin をΔ−(t/2)より大きくすることで、ブラシユニット上の全てのブラシが同じ回数X方向エッジ部に接触する。そのため、分割面バリ取り加工時、Δを一定とするように、平行移動させることで、研磨ブラシ1aの進入角度を一定とすることが出来る。
以上のように、本発明に係る加工方法によれば、2段階のバリ取り工程により、分割仕切板4及び分割仕切板5のそれぞれの分割面の周囲のバリ取りを精度よく行うことができるため、各分割面の周囲のエッジ部全域に亘って、微小且つ丸み大きさが均一に安定した高精度な加工を実現することができる。また、加工装置100によれば、X方向エッジ部a1、b1に対し、X軸座標によらず、研磨ブラシ1aの進入角度を一定としているので、分割仕切板4、5のX方向エッジ全域に亘って衝突力一定で研磨ブラシ1aを当接させることが可能になる。そのため、X座標位置によるエッジ丸みの大きさのばらつきを抑制することができ、エッジ丸み付けを高精度化することができる。なお、エッジ丸みの大きさのX座標位置毎でのばらつきは、同等のブラシ接触時間、同等のブラシ周速にてブラシ進入角度を一定とした場合、ブラシ進入角度を一定としていない場合に比較して60%程度減少することが確認できている。さらに、加工装置100によれば、複雑な構造や複雑な工程を要することなく、分割仕切板4、5のエッジ部を加工することができるので、量産製品である分割仕切板4、5の製造に適したものになっている。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る加工装置100Aを説明するための説明図である。図7に基づいて、実施の形態2に係る加工装置100Aについて説明する。加工装置100Aは、加工装置100と同様に、精密部品の加工、特にバリ取り加工を実行するものである。ここでは、仕切板14を構成する分割仕切板4、5に対してのバリ取り加工を一例として説明する。なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。また、図7には、ブラシユニット1Aの移動経路を概略的に示している。
実施の形態1では、ブラシユニット1をワーク(分割仕切板4、5)の上部に当接しながら、X軸方向に移動させるようにした構成の加工装置100を説明したが、実施の形態2では、実施の形態1の構成を基本としつつ、X軸方向だけでなく、Y軸方向にも移動可能でY方向エッジ部(Y方向エッジ部a2、Y方向エッジ部b2)のバリも除去できるようにした構成の加工装置100Aを説明する。
図7に示すように、加工装置100Aは、ブラシユニット1Aと、クランパ2と、台座3と、を少なくとも備えている。ブラシユニット1Aは、研磨ブラシ1aと同様の研磨ブラシを備え、中心軸を回転軸として高速回転しながら移動可能に構成されている。つまり、ブラシユニット1Aは、回転軸を介して、自身よりも上方に設置されている図示省略のモーターに接続され、X軸方向への平行移動とY軸方向への平行移動とが可能になっている。具体的には、加工装置100Aは、ブラシユニット1Aにボールネジ等の機構を組み付けることによって、ブラシユニット1AをY軸方向にも平行移動でき、且つ、分割仕切板4、5の上部を往復移動できる。なお、クランパ2及び台座3は、実施の形態1で説明した通りである。
次に、加工装置100Aの特徴的な動作について説明する。
このように構成された加工装置100Aにおいては、まず台座3の上に置かれたクランパ2で分割仕切板4、5を平行に並べて固定する。この状態において、加工装置100Aに対して開始の指示があると、ブラシユニット1Aが駆動を開始する。ブラシユニット1Aが駆動を開始すると、研磨ブラシが高速回転するとともに、ブラシユニット1Aが分割仕切板4、5の中心軸(図7に示す破線Q1)からY軸正方向へ所定量オフセットされ、その位置よりX軸方向と平行に固定された分割仕切板4、5の上部に沿って平行移動する(往路時の移動(図7に示す破線矢印P1))。なお、オフセットとは、基準となるある点(図7に示す破線Q1)からの相対的な位置を意味している。
そして、ブラシユニット1Aが分割仕切板4、5を完全に通過した後、ブラシユニット1Aが分割仕切板4、5の中心軸(図7に示す破線Q1)からY軸負方向へ絶対量を同じとしてオフセットされ、その位置よりX軸方向と平行に固定された分割仕切板4、5の上部に沿って平行移動する(復路時の移動(図7に示す破線矢印P3))。なお、図7に示す破線P2は、分割仕切板4、5の中心軸(図7に示す破線Q1)からY軸正負方向への絶対量を表している。なお、加工装置100Aにおいては、加工装置100と同様に、ブラシユニット1Aが、X方向エッジ部に対して、X軸座標によらずブラシ範囲内の同一半径に位置する研磨ブラシの進入角度を一定としながら通過するように構成されている。
このように動作する場合、往路時と復路時のブラシ進入角の総和を、Y軸正側のX方向エッジとY軸負側のX方向エッジとが互いに同量となるようにすることができ、且つX軸方向エッジに対し、X軸正負両方の方向から力を作用させることができる。そして、さらにX軸正側のY方向エッジに対しては往路時、X軸負側のY方向エッジに対しては復路時に、バリ除去能力を保ちながら、実施の形態1と比較してブラシ進入角度を大きくすることが可能になる。
以上のように、加工装置100Aによれば、加工装置100の奏する効果に加え、往路時と復路時のブラシ進入角の総和を、Y軸正側のX方向エッジとY軸負側のX方向エッジとが互いに同量となるようにすることで、Y軸正負両側エッジ間のエッジ丸みの大きさのばらつきを低減することができる。また、X軸方向エッジに対し、X軸正負両方の方向から力を作用させ、バリ除去能力を増大することで、エッジに加える力を少なくでき、エッジ丸みの大きさを微小化できる。さらに、X軸正側のY方向エッジに対しては往路時、X軸負側のY方向エッジに対しては復路時に、バリ除去能力を保ちながら、実施の形態1と比較してブラシ進入角度を大きくすることができ、Y軸方向エッジのバリも容易に除去することができる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係る加工装置100Bを説明するための説明図である。図8に基づいて、実施の形態3に係る加工装置100Bについて説明する。加工装置100Bは、加工装置100と同様に、精密部品の加工、特にバリ取り加工を実行するものである。ここでは、仕切板14を構成する分割仕切板4、5に対してのバリ取り加工を一例として説明する。なお、実施の形態3では実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態1及び実施の形態2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。また、図8には、ブラシユニット1Bの移動経路を概略的に示している。
実施の形態1では、ブラシユニット1をワーク(分割仕切板4、5)の上部に当接しながら、X軸方向に移動可能な構成の加工装置100を、実施の形態2では、X軸方向だけでなく、Y軸方向にも平行移動可能な構成の加工装置100Aを、それぞれ説明したが、実施の形態3では、実施の形態1の構成を基本としつつ、Y軸方向エッジ部のバリ除去能力を向上させるとともに、設備部品点数の増加を抑制するようにした構成の加工装置100Bを説明する。
図8に示すように、加工装置100Bは、ブラシユニット1Bと、クランパ2と、台座3と、を少なくとも備えている。ブラシユニット1Bは、研磨ブラシ1aと同様の研磨ブラシを備え、中心軸を回転軸として高速回転しながら移動可能に構成されている。つまり、ブラシユニット1Bは、回転軸を介して、自身よりも上方に設置されている図示省略のモーターに接続され、X軸方向への平行移動が可能になっている。なお、クランパ2及び台座3は、実施の形態1で説明した通りである。
次に、加工装置100Bの特徴的な動作について説明する。
このように構成された加工装置100Bにおいては、まず台座3の上に置かれたクランパ2で分割仕切板4、5を平行に並べて固定する。この状態において、加工装置100Bに対して開始の指示があると、ブラシユニット1Bが駆動を開始する。ブラシユニット1Bが駆動を開始すると、研磨ブラシが高速回転するとともに、ブラシユニット1Bが分割仕切板4、5の中心軸(図8に示す破線Q2)からY軸正方向へ所定量オフセットされ、その位置よりX軸方向と平行に固定された分割仕切板4、5の上部に沿って平行に往復移動する(図8に示す破線矢印)。このとき、ブラシユニット1Bは、往路時には正転方向に研磨ブラシが回転され、復路時には逆転方向に研磨ブラシが回転される。
このように動作する場合、Y軸正側のX方向エッジよりY軸正側のX方向エッジに対するブラシ進入角度が大きくなる。また、X軸方向エッジに対し、X軸正負両方の向きに力を作用させることができる。そして、さらにX軸正側のY方向エッジに対しては往路時、X軸負側のY方向エッジに対しては復路時に、バリ除去能力を保ちながら、実施の形態1と比較してブラシ進入角度を大きくすることが可能になる。
以上のように、加工装置100Bによれば、加工装置100の奏する効果に加え、Y軸方向への移動機構を持たないことで装置部品点数を削減し、設備コストを低減することができ、且つ機構を単純化することができる。そのため、加工装置100Bでは、装置メンテナンスや装置不具合による停止時間を抑制でき、生産性の向上が見込める。また、Y軸負側のX方向エッジよりY軸正側のX方向エッジに対するブラシ進入角度が大きくなるようにすることで、分割仕切板4、5を組み合わせた際に生じる隙間は微小とすることができる。さらに、往路時と復路時でブラシ回転方向を逆転することで、バリ除去能力を増大させ、エッジに加える力を少なくできるため、エッジ丸みの大きさを微小化できる。またさらに、Y方向エッジに対してもバリ除去能力を保ちながら、Y方向エッジのバリも容易に除去することが可能になる。
1 ブラシユニット、1A ブラシユニット、1B ブラシユニット、1a 研磨ブラシ、2 クランパ、3 台座、4 分割仕切板、4a ボルト用孔、4b 溝、4c 溝、5 分割仕切板、5a ボルト用孔、5b 溝、5c 溝、6 密閉容器、7 回転子、8 固定子、9 クランク軸、9a 偏心部、10 主軸受、11 副軸受、12 上シリンダー、13 下シリンダー、14 仕切板、15 上ローリングピストン、16 下ローリングピストン、17 上ベーン、18 下ベーン、19 上付勢手段、20 下付勢手段、41 吸入管、42 吐出管、70 圧縮機構部、80 電動機部、100 加工装置、100A 加工装置、100B 加工装置、A 2シリンダーロータリー圧縮機、a1 X方向エッジ部、a2 Y方向エッジ部、b1 X方向エッジ部、b2 Y方向エッジ部。

Claims (3)

  1. 2つのワークに発生したバリを除去する加工方法であって、
    前記2つのワークは、それぞれ、分割面と、前記分割面に垂直な一方の面と、前記分割面に垂直で且つ前記一方の面に平行な他方の面と、を有すると共に、それぞれの前記分割面を当接させた状態で使用されるものであり、
    前記2つのワークのそれぞれの前記分割面を当接させた状態で、前記分割面と前記一方の面との境界部分に発生したバリ、及び前記分割面と前記他方の面との境界部分に発生したバリを除去する第一バリ取りステップと、
    前記2つのワークのそれぞれの前記分割面を同じ方向に向けた状態で、前記2つのワークのそれぞれの前記分割面の周囲に発生したバリを除去する第二バリ取りステップと、を有する加工方法。
  2. 前記第二バリ取りステップは、
    研磨ブラシを、その回転中心が前記分割面に垂直となるように配置し、当該研磨ブラシの回転及び移動によりバリを除去するものである請求項1に記載の加工方法。
  3. 前記分割面は、長方形状であり、
    前記第二バリ取りステップは、
    前記分割面の前記長方形状における長辺に沿って前記研磨ブラシを移動させる長辺移動ステップを含む請求項2に記載の加工方法。
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