JP2004058201A - ワークの研磨方法および電子デバイス用基板の製造方法 - Google Patents

ワークの研磨方法および電子デバイス用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のワークを同時に研磨するワークの研磨方法であって、平坦度が良好な(具体的には0μm超0.5μm以下の)基板を少なくとも一つ確実に得るためのワークの研磨方法および電子デバイス用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】1枚のキャリアに設けられた1または複数の保持孔に複数のワークを保持し、研磨パッドを貼設した下定盤および上定盤により該ワークを保持した状態で上定盤を回転させ、該キャリアが自転しながら公転することにより、ワークの両面を同時に研磨するワークの研磨方法であって、複数のワークは、キャリアの中心に対して偏心した位置に配置されており、複数のワークは略同一の厚みを有し、且つ、1または複数のワークを中心として、中央に配置される1または複数のワークが受ける前記研磨パッドからの圧力が略均一となって平坦度の悪化を抑制するように、1または複数のワークの外周を他のワークが囲むように近接して(好ましくは各々のワークは10mm以下の間隔で配置することを特徴とするワークの研磨方法および電子デバイス用基板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイス用基板(マイクロエレクトロニクスデバイスの製造に使用されるマスクブランクス用の基板、例えば、フォトマスクブランクス用基板、位相シフトマスクブランクス用基板)などのワークを研磨する研磨方法および該研磨方法を用いた電子デバイス用基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、電子デバイス用等に使用される基板の研磨加工は、円板状のキャリアに設けられた複数の保持孔に基板を入れ、研磨装置における研磨パッドが貼設された下定盤および上定盤により基板を挟持した状態で、上下定盤を互いに逆回転させることにより行われる。ここで、キャリアの外周部にはギアが形成されており、このギアが研磨装置のインターナルギアおよびサンギアに噛合するようになっている。したがって、キャリアは、インターナルギアとサンギアとの回転数の差により遊星運動(キャリアが自転しながら公転する運動)を行い、これにより基板は両面を同時に研磨される。
【0003】
上記のキャリアとしては、例えば、特開平11−156707に開示されているものがある。このキャリアは、図9に示すように非円形薄板状ワークを1枚保持する第1円形キャリア(内キャリア5)と、複数枚の第1円形キャリアを夫々回転自在に保持するために円形ホールが開設された第2円形キャリア(キャリア2)とを備えたものである。このキャリアを使用することにより、厚さ勾配を解消できるとされ、特に非円形ワークに対しては、極めて良好な加工精度が得られるとして提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年の超LSIデバイスの高密度化、高精度化により、マスクブランクス用基板のような電子デバイス用基板に要求される形状精度(平坦度)は、使用される露光波長の短波長化になるに従い、年々厳しくなってきている。
具体的には、デザインルールが100nmに適用される次世代のマスクブランクス用基板として平坦度が0.5μm以下のものが要求されている。
しかし、上記のような従来のキャリアを使用して研磨されたマスクブランクス用基板は、キャリアの厚みがマスクブランクス用基板よりも薄いため、マスクブランクス用基板の周縁部は、研磨パッドの沈み込み等により、基板の周縁部にかかる研磨パッドからの圧力が大きくなるので、平坦度が悪く、マスクブランクス用基板表面全体として見たときの平坦度が0.5μm以下の良好なマスクブランクス用基板を確実に得ることは難しく、製造歩留まりが悪かった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、複数のワークを同時に研磨する研磨方法であって、平坦度が良好な(具体的には0μm超0.5μm以下)のワークを少なくとも一つ確実に得るためのワークの研磨方法および電子デバイス用基板の製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の(1)乃至(5)をその要旨とする。尚、(1)〜(5)はそれぞれ請求項1乃至請求項7に対応している。
【0006】
(1)1枚のキャリアに設けられた1または複数の保持孔に複数のワークを保持し、研磨パッドを貼設した下定盤および上定盤により該ワークを挟持した状態で上下定盤を回転させ、前記キャリアが自転しながら公転することによりワークの主表面の両面を同時に研磨するワークの研磨方法であって、
前記複数のワークは、前記キャリアの中心に対して偏心した位置に配置されており、
前記複数のワークは略同一の厚みを有し、
且つ、
1または複数のワークを中心として、中央に配置される前記1または複数のワークが受ける前記研磨パッドからの圧力が略均一となって平坦度の悪化を抑制するように、前記1または複数のワークの外周を他のワークが囲むように近接して配置されていることを特徴とするワークの研磨方法。
【0007】
上述のワークの研磨方法によれば、平坦度が良好なワークを少なくとも一つ確実に得るために、以下の3つの構成を用件とする。(尚、本明細書において、ワークとは、被研磨体のことをいう。)
要件▲1▼:複数のワークが、キャリアの中心に対して偏心した位置に配置されていること。
要件▲2▼:複数のワークは略同一の厚みを有していること。
要件▲3▼:1または複数のワークを中心として、中央に配置される前記1または複数のワークの内面における研磨パッドからの圧力が略均一となって平坦度の悪化を抑制するように、1または複数のワークの外周を他のワークが囲むように近接して配置されていること。
要件▲1▼により、複数のワークを定盤内で幅広い軌道で動かすことができ、定盤自体の平坦度の悪化を防ぎ、ワークの平坦度を良好にすることができる。
また、要件▲2▼において、複数のワークの厚みがばらついていると、各ワークに対する研磨パッドの圧力が均一にならない。従って、複数のワークにおける研磨パッドからの圧力が、研磨中、常に略同一に当たるようにするため、略同一の厚みを有することが必要である。
また、要件▲3▼は、中央に配置される1または複数のワークの内面における研磨パッドからの圧力が略均一となるように、1または複数のワークの外周を他のワークが囲むように近接して配置させる。これによって、近接配置した複数のワークがあたかも一つのワークのごとく表面形状が形成される。
上述の▲1▼〜▲3▼の条件により、中央に配置される1または複数のワークの周縁部は、外周に配置されるワークによって研磨パッドの沈み込みが抑制され、中央に配置されるワークの周縁部の平坦度が最も良好となり、確実に良好な平坦度を有する少なくとも一つのワークを得ることができる。
【0008】
キャリアの具体的な態様としては、図2、3のようなものが挙げられる。図2は1枚のキャリアに複数保持孔を設け、複数の保持孔それぞれにワークを配置できるようにしたキャリアで、図3は1枚のキャリアに1個の保持孔を設け、1個の保持孔に複数のワークを配置できるようにしたキャリアである。
図2のキャリア2は、キャリア2の中心に対し偏心した位置に、ワーク1より若干大きい保持孔4が数mmの間隔を隔てて設けられたものである。実際に研磨するときは、各保持孔にワーク1を配置する。
【0009】
図3のキャリア2は、キャリア2の中心に対し偏心した位置に、9個の方形状の基板(ワーク1)が縦横3列に並べられるように、1個の大きな保持孔4(ワークと略相似形状)が設けられたものである。実際に研磨するときには、各基板間が当接して傷がつかないように弾性部材(例えば、研磨パッドなど)が基板端面に貼りつけた状態でこの保持孔に並べて配置される。
尚、上述の図2、図3および後述する本発明のキャリアは、ワークと当接する保持孔の内壁に、ワークに傷がつかないように弾性部材を設けたり、点接触または線接触するような突起を設けたりする工夫が施されている。
【0010】
また、ワーク1に対して研磨液がスムーズに供給されるように、キャリアには1または複数の研磨液供給孔3を設けることが好ましい。
尚、キャリアの保持孔の数、大きさ、形状、位置は、このキャリアを用いてワークを研磨した時に、中央に配置される1または複数のワークの周縁部にかかる研磨パッドからの圧力が略均一となって平坦度が悪化しないようにする、つまり、複数のワーク2があたかも一つのワークのごとく表面形状が形成されるようにできれば、特に制限はない。
また、研磨機の大きさが許されれば、図4のように、図2や図3における複数のワーク1のかたまり(群)を、キャリア2の中心に対して偏心した位置に複数(図4の場合は4つのかたまり(群))設けても構わない。
尚、キャリア2の外周部は、両面研磨装置のサンギアとインターナルギアとを噛合させるために、これらのキャリアと同じピッチでギアが形成されている。
【0011】
前記複数のワークは、10mm以下の間隔で配置することが好ましい。
ワーク同士の間隔が10mm超だと、キャリアの厚みがワークの厚みより薄い(小さい)ため、各ワークの間でワークの厚みとキャリアの厚みの差分に相当する研磨パッドの沈み込みが発生し、複数のワークがあたかも一つのワークのごとく表面形状が形成されにくくなり、研磨パッドの沈み込みによって、中心に配置される1または複数のワークを始めとする全てのワークの周縁部にかかる研磨パッドからの圧力が大きくなるので、個々のワークの周縁部における平坦度が悪化し、平坦度が0.5μm以下のワークを確実に得ることができない。
尚、例えば、図3にあるような1個の大きな保持孔(ワークと略相似形状)に複数の方形状の基板(ワーク)が縦横に並べられる場合において、基板の端面の傷を考慮しなくてもよい場合には、基板が当接した状態で並べて配置させても構わないのでその時のワーク同士の間隔は0mmとなる。
【0012】
(2)前記複数のワークは、少なくとも一つのワークを中心として、他のワークが対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワークの研磨方法。
少なくとも一つのワークを中心として外周を囲む他のワークを対称(左右および/または上下、好ましくは左右および上下)に配置することにより、中央に配置する少なくとも一つのワークにかかる研磨パッドから受ける圧力を均一化することができ、平坦度が良好なワークが得られるとともに、外周を囲む他のワークについても研磨パッドから受ける圧力を均一化することができるので、キャリアに配置される全てのワークの平坦度を良好にすることができる。
(3)前記ワークは、方形状基板であることを特徴とする(1)または(2)に記載のワークの研磨方法。
ワークを方形状基板とすることにより、均等にかつ近接してワークを配置することができ、あたかも一つのワークのごとく表面形状が形成され易い。方形状とは、正方形、矩形状などの四角形を指す。
【0013】
(4)前記キャリアには、前記ワークを保持する円形の内キャリアと、該内キャリアを回転自在に保持するための円形の孔が設けられていることを特徴とする(1)乃至(3)の何れか一に記載のワークの研磨方法。
ワークが方形状基板の場合、研磨時においてワークが回転自在にならないため、ワークの任意の点において、上下定盤に対し同一の軌跡をとることがある。この場合、同一の軌跡を通った上下定盤は、他の領域と比べ削れることになり定盤自体の平坦度が悪化する。その影響で、ワークの平坦度が悪化する。そこで、ワークが方形状基板の場合、上述のように内キャリアを研磨時において回転自在に保持するようにすることにより、ワークの任意の点において、上下定盤に対し同一の軌跡をとらないようにすることができるので、定盤の平坦度が維持され、ワークの平坦度も良好となるので好ましい。
【0014】
キャリアの具体的な態様としては、図1、5、6、7のようなものが挙げられる。図5は1枚の内キャリア5に複数保持孔を設けたキャリアで、図6は1枚の内キャリアに1個の保持孔を設けたキャリアで、図7、7は複数のワークのかたまり(群)を、キャリア中心に対して偏心した位置に複数(図1、7の場合は4つのかたまり(群))設けたキャリアである。
内キャリア5の外径は、円形の孔径より若干小さくなるように設定する。研磨時に回転方向についてだけ自由度を持たせるため、内キャリアの外形と円形の孔径の差は、0.5〜2.0mmとすることが好ましい。0.5mm未満では、研磨時における十分な回転ができず、2.0mm超では内キャリアのがたが大きいため、回転方向以外の方向にワークが動くことになるので、研磨加工時に振動が発生し、ワークにキズが発生しやすくなるので好ましくない。
【0015】
(5)(1)乃至(4)の何れか一に記載のワークの研磨方法によって、電子デバイス用基板を製造する方法であって、
中心に配置される前記1または複数のワークの平坦度が、最も良好な平坦度となるように研磨され、前記平坦度が0μm超0.5μm以下のワークを抽出することを特徴とする電子デバイス用基板の製造方法。
(6)複数のワークの内、外周を囲まれたワークの平坦度が最も良好な平坦度となるように研磨することを特徴とする(5)に記載の電子デバイス用ガラス基板の製造方法。
(7)前記平坦度は、0μm超0.5μm以下であることを特徴とする(5)または(6)に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
複数のワークの内、中心に配置される1または複数のワークの平坦度が最も良好な平坦度となる研磨条件は、例えば、以下の研磨条件で行うと良い。
【0016】
キャリアの公転数をK(rpm)、上定盤の回転数をU(rpm)、下定盤の回転数をD(rpm)、キャリアの公転方向と上定盤の回転方向が同じとした場合に、キャリアと同じ方向に回転させる上定盤は、{設定回転数−K}(rpm)、キャリアと逆方向に回転させる下定盤は、{設定回転数+K}(rpm)とする。例えば、キャリアの公転数は、1〜10rpm、上定盤の回転数は、10〜100rpm、下定盤の回転数は、20〜120rpm、キャリアの自転数は、1〜10rpmの範囲で設定する。
また、研磨時におけるワークに対する加工圧力は、使用する研磨砥粒等によって適宜調整する。
電子デバイス用基板の平坦度を0.5μm以下とすることにより、電子デバイス用基板がマスクブランクス用基板の場合、半導体デバイスのデザインルールが100nmに適用できる次世代のマスクブランクス用基板、更には、0.25μm以下とすることによりデザインルールが70nmのマスクブランクス用基板が得られる。
【0017】
電子デバイス用基板は、マイクロエレクトロデバイスの製造に使用されるマスクブランクス用基板(例えば、フォトマスクブランクス用基板、位相シフトマスクブランクス用基板)や液晶ディスプレイ用基板、半導体ウエハー、情報記録媒体用基板などが挙げられ、これら各種用途の基板の製造方法に適用可能である。電子デバイス用基板の材料、大きさ等は特に限定されない。マスクブランクス用基板の場合、露光光に対し透明な材料であればよく、一般的にガラスが用いられる。例えば、合成石英ガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、低膨張ガラスなどが用いられる。
また、上述のキャリア(内キャリア、外キャリア)の材質は特に制限はない。ステンレス、はがね、鋳鉄、アラミド繊維、ガラスエポキシ、ポリカーボネートなどの材料を使用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
<キャリアの説明>
ワークとして、マスクブランクス用ガラス基板(152.4mm×152.4mm)(以下、単にガラス基板と称す。)の場合のキャリアを例にとり、本実施例について説明する。以下のワークの研磨方法、電子デバイス用基板の製造方法で使用するキャリアとして上述の図5と図6と同様のタイプのキャリアを使用した。
【0019】
キャリアは、ガラス基板と略同一形状でしかも若干大きい保持孔が複数(7個)設けられた円形の内キャリアと、円形の外径よりも若干大きい孔が設けられた外キャリアとからなる。外キャリアの外周部は、両面研磨装置のサンギアとインターナルギアと噛合させるために、これらのキャリアと同じピッチでギアが形成されている。円形の内キャリアを入れるための外キャリアに設けられた孔は、外キャリアの中心に対して偏心した位置に設けられており、キャリアに配置された全てのガラス基板は、キャリアの中心に対して偏心した位置に配置される。内キャリアに設けられた複数の保持孔は、各保持孔の間隔が2mmとなるように、1つの保持孔を囲むように6個の保持孔が設けられ、合計7個の保持孔が近接して設けられている。内キャリアのワークと当接する内壁には、ワークの側面に傷を与えないように弾性体が設けられている(図示せず)。また、研磨時に内キャリアが自由に回転されるように、内キャリアの外周側面と、外キャリアに設けられた孔の内周側面は鏡面になっている。また、外キャリアには研磨時にワークに対し均等かつ十分に研磨液が供給されるように、研磨液供給孔が複数(6個)設けられている。尚、使用したキャリアは、外キャリアの外径は、約700mm、内キャリアの外径は、約600mmのものを使用した。
【0020】
また、別のキャリアは、ガラス基板と略相似形状でしかもガラス基板が縦横3列(計9個)配置できるように1つの大きい保持孔が設けられた円形の内キャリアと、円形の外径よりも若干大きい孔が設けられた外キャリアとからなる。外キャリアの外周部は、両面研磨装置のサンギアとインターナルギアと噛合させるために、これらのキャリアと同じピッチでギアが形成されている。円形の内キャリアを入れるための外キャリアに設けられた孔は、外キャリアの中心に対して偏心した位置に設けられており、キャリアに配置された全てのガラス基板は、キャリアの中心に対して偏心した位置に配置される。内キャリアのワークと当接する内壁には、ワークの側面に傷を与えないように弾性体が設けられている(図示せず)。また、研磨時に内キャリアが自由に回転されるように、内キャリアの外周側面と、外キャリアに設けられた孔の内周側面は鏡面になっている。また、外キャリアには研磨時にワークに対し均等かつ十分に研磨液が供給されるように、研磨液供給孔が複数(6個)設けられている。尚、使用したキャリアは、外キャリアの外径は、約700mm、内キャリアの外径は、約600mm、保持孔の大きさは、約460mm×約460mmのものを使用した。
【0021】
<ワークの研磨方法の説明>
図1、図8を用いて本発明のワークの研磨方法を説明する。図1は研磨装置にキャリアを装着したときの模式図である。研磨装置は、それぞれ所定の回転数で回転駆動されるサンギアおよびインターナルギアを有するキャリア装着部と、このキャリア装着部を挟んで互いに逆回転駆動される上定盤および下定盤とを有する。キャリア装着部に複数のキャリア(本実施例では5枚)をセットすると、これらのキャリアのギアがインターナルギアおよびサンギアと噛み合わされるようになっている。各キャリアの保持孔にワークであるガラス基板をセット(このとき、研磨用キャリアにセットされたガラス基板は、1枚のガラス基板の外周を囲むように複数枚のガラス基板が近接して配置される。)し、研磨を開始すると、キャリアはインターナルギアとサンギアとの回転数の差により遊星運動を行う。同時に、ガラス基板に研磨液を供給しながら、上定盤および下定盤は互いに逆回転し、それらに設けた研磨パッドによってガラス基板の表裏の面が研磨される。尚、保持孔を有する内キャリアは研磨時においては、回転自由運動となる。
【0022】
上述のワークの研磨方法によって研磨されたガラス基板は、例えば、図8に示すようにキャリアに保持された複数のガラス基板があたかも大きな1枚のガラス基板のごとく研磨される。
上述のワークの研磨方法に従って、この大きな1枚の基板を研磨した場合、この仮想の大きな基板の平坦度は、中心から0.25μm、0.5μm、1.0μm、1.5μmとなる。
従って、外周を囲まれた中心部に配置されているガラス基板の平坦度が0.25μmと一番良好となり、そのガラス基板の外側に配置されている基板の平坦度は1.0μmとなる。
【0023】
<電子デバイス用基板の製造方法の説明>
<実施例>
マスクブランク用ガラス基板(152.4mm×152.4mm)(以下、単にガラス基板と称す。)の端面を面取り加工、および両面ラッピング装置によって研削加工を終えた7枚のガラス基板を、図5のキャリアに装着し、上述のワークの研磨方法に従って研磨を行った。尚、加工荷重は20〜300g/cm2、研磨液は酸化セリウム(平均粒径1μm)+水とし、研磨パッドは、スウェードタイプの軟質ポリシャを使用した。また、上定盤回転数は+28rpm、下定盤回転数は−32rpm、公転数は−2rpm、自転数は+1rpmとした。(+、−は回転方向を示し、時計回りを+とした。)
【0024】
得られた7枚のガラス基板の平坦度は、中心部に配置したガラス基板が0.25μm、中心部に配置したガラス基板の外側に配置したガラス基板(6枚)が1.0μmとなった。ここに、平坦度は、基板主表面の測定面から最小二乗法で算出される仮想絶対平面に対する測定面の最大高さと最小高さの差をいい、平坦度測定機(トロッペル社製FM200)を用いて測定した。
また、得られたガラス基板の表面粗さは、平均表面粗さRaで0.2nmであった。
この実施例によって、平坦度が0.5μm以下のガラス基板を確実に1枚得ることができた。
【0025】
<比較例>
図9の従来のキャリアを用いて研磨した以外は、上述の実施例と同様にしてマスクブランクス用ガラス基板(4枚)を作製した。
得られた4枚のガラス基板の平坦度は、1.0μmであった。また、得られたガラス基板の表面粗さは、平均表面粗さRaで0.2nmであった。
本比較例においては、平坦度0.5μm以下のガラス基板を得ることができなかった。
尚、本発明のワークの研磨方法、電子デバイス用基板の製造方法は、上述の実施例に限ったものではなく、複数のワーク(電子デバイス用基板)を中心に配置し、その複数のワークの外周を囲むように、さらに複数のワークを配置するようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のワークを同時に研磨する方法であって、平坦度が良好な(具体的には0μm超0.5μm以下の)ワークを少なくとも一つ確実に得るためのワークの研磨方法および電子デバイス用基板の製造方法を提供することができ、産業上有用な著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における複数のワークのかたまり(群)を、キャリア中心に対して偏心した位置に複数設けたキャリアを研磨装置に装着したときの模式図である。
【図2】本発明におけるキャリアに複数の保持孔を設けた実施形態を示す図である。
【図3】本発明におけるキャリアに1個の保持孔を設けた実施形態を示す図である。
【図4】本発明の図2の実施形態における複数のワークのかたまり(群)を、キャリア中心に対して偏心した位置に設置した実施形態を示す図である。
【図5】本発明における1枚の内キャリアに複数保持孔を設けたキャリアを示す図である。
【図6】本発明における1枚の内キャリアに1個の保持孔を設けたキャリアを示す図である。
【図7】本発明における複数のワークのかたまり(群)を、キャリア中心に対して偏心した位置に複数設けたキャリアを示す図である。
【図8】本発明におけるワークの研磨方法を説明する図である。
【図9】従来のワークの研磨方法を示す図である。

Claims (5)

  1. 1枚のキャリアに設けられた1または複数の保持孔に複数のワークを保持し、研磨パッドを貼設した下定盤および上定盤により該ワークを挟持した状態で上下定盤を回転させ、前記キャリアが自転しながら公転することによりワークの主表面の両面を同時に研磨するワークの研磨方法であって、
    前記複数のワークは、前記キャリアの中心に対して偏心した位置に配置されており、
    前記複数のワークは略同一の厚みを有し、
    且つ、
    1または複数のワークを中心として、中央に配置される前記1または複数のワークが受ける前記研磨パッドからの圧力が略均一となって平坦度の悪化を抑制するように、前記1または複数のワークの外周を他のワークが囲むように近接して配置されていることを特徴とするワークの研磨方法。
  2. 前記複数のワークは、少なくとも一つのワークを中心として、他のワークが対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワークの研磨方法。
  3. 前記ワークは、方形状基板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワークの研磨方法。
  4. 前記キャリアには、前記ワークを保持する円形の内キャリアと、該内キャリアを回転自在に保持するための円形の孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のワークの研磨方法。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一に記載のワークの研磨方法によって、電子デバイス用基板を製造する方法であって、
    中心に配置される前記1または複数のワークの平坦度が、最も良好な平坦度となるように研磨され、前記平坦度が0μm超0.5μm以下のワークを抽出することを特徴とする電子デバイス用基板の製造方法。
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