JP6808043B2 - 切削チップ、切削工具及び加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被切削物の内周面に溝を切削する際に用いられる切削チップ、該切削チップを備えた切削工具、及び該切削工具を用いる加工装置に関する。
内周面に溝が加工された被切削物が、存在する。内周面に溝が加工された被切削物としては、例えば、断面円形状の内周面に螺旋状の溝が加工された、軸受が知られている。このような軸受は、例えばロータリー型圧縮機に搭載され、電動機と圧縮機構部とを接続する駆動軸を回転自在に支持する。螺旋状の溝を介して軸受の内周面と駆動軸との間に潤滑油を供給することにより、軸受と駆動軸との間の摺動抵抗を低減することができる。
ロータリー型圧縮機の軸受の内周面に螺旋状の溝を加工する加工装置は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の加工装置は、回転軸を中心に回転する回転テーブルを備えている。また、回転テーブルは、軸受を保持する取付具を備えている。そして、軸受は、該軸受の中心軸が回転テーブルの回転軸に略一致するように、取付具に保持される。また、特許文献1に記載の加工装置は、回転テーブルの回転軸方向に往復動する往復摺動装置を備えている。この往復摺動装置には、エンドミルを保持するツールホルダーと、エンドミルの中心軸を回転軸として該エンドミルを回転させる回転機構とを備えている。そして、エンドミルの中心軸は、回転テーブルの回転軸に対して傾斜している。すなわち、エンドミルの中心軸は、軸受の中心軸に対して傾斜している。
上述のように構成された特許文献1に記載の加工装置においては、軸受の内周面に螺旋溝を加工する際、まず、エンドミルの切り込み量が螺旋状の溝の深さとなるように、エンドミルの先端と軸受との位置合わせを行う。そして、回転テーブルで軸受を回転させると共に、エンドミルを軸受の中に挿入していく。エンドミルの先端が軸受内部を通過することにより、軸受の内周面に螺旋状の溝が形成される。
特開2005−199393号公報
近年、軸受の中心軸方向の長さに対して内周面の直径の比率が従来よりも小さな軸受が、求められる場合がある。例えば、ロータリー型圧縮機の場合、該ロータリー型圧縮機の高性能化を図る目的等により、駆動軸を細くする場合がある。このような場合、軸受の内周面の直径も小さくなる。すなわち、軸受の中心軸方向の長さに対して、内周面の直径の比率が小さくなる。そして、このような軸受においては、特許文献1に記載の加工装置を用いて内周面に螺旋状の溝を形成できないという課題があった。なぜならば、特許文献1に記載の加工装置は、上述のように、エンドミルの中心軸が軸受の中心軸に対して傾斜している。このため、エンドミルの先端を軸受の中に挿入していった際、エンドミルの先端が軸受内部を通過する前に、エンドミルの途中部が軸受の端部に接触してしまう。このため、軸受の内周面に螺旋状の溝を形成することができない。
このような場合、軸受の内周面に螺旋状の溝を加工するには、被切削物の内周面に溝を切削する従来の溝切削工具を用いる。従来の溝切削工具は、溝を切削する切削チップと、該切削チップが設けられた主軸とを備えている。主軸には、該主軸の外周面から切削チップが突出するように、切削チップが設けられている。換言すると、切削チップは、主軸の中心軸と垂直な方向に、該主軸から突出している。従来の溝切削工具の切削チップは、一方向に進んだときのみに溝を切削できる刃部を1つのみ備えている。具体的には、従来の溝切削工具を用いた軸受の内周面への螺旋状の溝の加工は、次のような加工装置を用いて行われる。
従来の溝切削工具を用いる加工装置は、軸受を保持する保持部を有し、回転軸を中心として回転する回転機構部を備えている。この回転機構部の保持部には、軸受の中心軸と回転機構部の回転軸とが一致するように、軸受を保持させる。また、従来の溝切削工具を用いる加工装置は、従来の溝切削工具を保持する保持部を有する駆動部を備えている。この駆動部の保持部は、回転機構部の回転軸方向、及び該回転軸と垂直な方向に移動自在となっている。すなわち、従来の溝切削工具は、回転機構部の回転軸方向、及び該回転軸と垂直な方向に移動自在となっている。
なお、以下では、従来の溝切削工具を用いる加工装置を説明する際、回転機構部の回転軸方向をZ軸方向と称することとする。また、Z軸方向のうち、切削チップが回転機構部に近づいていく方向をZ軸プラス方向とし、切削チップが回転機構部から遠ざかっていく方向をZ軸マイナス方向とする。また、Z軸方向と垂直な方向をX軸方向とする。また、X軸方向のうち、切削チップが軸受の内周面に切り込んで行く方向をX軸プラス方向とし、切削チップが軸受の内周面から遠ざかっていく方向をX軸マイナス方向とする。
このような加工装置において軸受の内周面に螺旋状の溝を切削する場合、まず、従来の溝切削工具と軸受が干渉しない位置まで、従来の溝切削工具をZ軸マイナス方向に移動させる。そして、従来の溝切削工具の切削チップにおける軸受の内周面への切り込み量が規定量となるように、従来の溝切削工具の切削チップと軸受との位置合わせを行う。そして、回転機構部で軸受を回転させると共に、従来の溝切削工具をZ軸プラス方向へ移動させ、従来の溝切削工具の切削チップを軸受の中に挿入していく。従来の溝切削工具の切削チップが軸受内部を通過することにより、軸受の内周面に、切り込み量に相当する深さの螺旋状の溝が切削される。
ここで、従来の溝切削工具は、切削チップの摩耗及びチッピング等の損傷を抑制するため、エンドミルと比べて切り込み量を大きくできない。切削チップの損傷とは、チッピング等である。このため、軸受の内部に従来の溝切削工具の切削チップを一度通過させただけでは、螺旋状の溝の深さが所望の深さとならない。このため、従来の溝切削工具を用いて軸受の内周面に螺旋状の溝を切削する場合、従来の溝切削工具の切削チップが軸受内部を通過した後、溝切削工具をX軸マイナス方向へ待避させる。そして、従来の溝切削工具と軸受とが干渉しない位置まで、従来の溝切削工具をZ軸マイナス方向に移動させる。その後、先ほど切削した螺旋状の溝への切り込み量が規定量となるように、従来の溝切削工具の切削チップと軸受との位置合わせを行う。そして、従来の溝切削工具をZ軸プラス方向へ移動させて軸受の中に挿入していき、螺旋状の溝をさらに切削していく。
このように、従来の溝切削工具を用いて軸受の内周面に螺旋状の溝を加工する場合、軸受工具をZ軸方向に複数回往復させながら同一の螺旋状の溝を切削していき、螺旋状の溝の深さを所望の深さにする。例えば、軸受の内周面に形成される螺旋状の溝を所望の深さにする際、従来の溝切削工具をZ軸方向に10往復以上させなければならない場合もある。すなわち、従来の溝切削工具を用いて軸受の内周面に螺旋状の溝を切削する場合、螺旋状の溝の切削時間が長くなってしまうという課題があった。なお、当該課題は、従来の溝切削工具を用いて軸受以外の被切削物の内周面に溝を切削する際にも発生する課題である。また、当該課題は、被切削物の内周面に螺旋状の溝を切削する場合に限らず、従来の溝切削工具を用いて被切削物の内周面に直線状の溝を切削する際にも発生する課題である。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、被切削物の内周面に溝を切削する際、従来の溝切削工具を用いた場合よりも溝の切削時間を短縮することができる切削チップ、該切削チップを備えた切削工具、及び該切削工具を用いる加工装置を提供することを目的とする。
本発明に係る切削チップは、主軸部の外周面から第1方向へ突出するように該主軸部に設けられ、被切削物の内周面に溝を切削する際に用いられる切削チップであって、当該切削チップは、前記第1方向に積層された複数の刃部を有し、前記刃部のそれぞれは、前記第1方向と垂直な方向である第2方向の端部のうちの一方の端部である第1端部と、前記第2方向の端部のうちの他方の端部である第2端部と、前記第1端部に設けられ、前記被切削物を切削する切削刃と、を備え、前記第1方向に隣接する2つの前記刃部を比較した際、前記主軸部から遠い側となる前記刃部の前記第1端部に設けられた前記切削刃の先端は、前記主軸部に近い側となる前記刃部の前記第1端部に設けられた前記切削刃の先端よりも、前記第2端部側に配置される構成となっている。
また、本発明に係る切削工具は、本発明に係る切削チップが外周面から前記第1方向へ突出するように、該切削チップが設けられた主軸部を有する。
また、本発明に係る加工装置は、前記被切削物を保持する第1保持部を有し、回転軸を中心に回転する回転機構部と、前記第2方向が前記回転軸方向に沿うように本発明に係る切削工具を保持する第2保持部を有し、前記回転軸方向、及び前記回転軸と垂直な方向に前記第2保持部が移動自在な駆動部と、を備えている。
上述のZ軸方向に相当する第2方向に本発明に係る切削チップを一回移動させて、被切削物の内周面に溝を切削する際、複数の刃部によって溝を切削していくことができる。すなわち、第2方向に本発明に係る切削チップを一回移動させて、被切削物の内周面に溝を切削する際、本発明に係る切削チップ全体の切り込み量を、従来の溝切削工具の切り込み量よりも大きくできる。このため、本発明は、被切削物の内周面に所望の深さの溝を形成する際、本発明に係る切削チップの第2方向の往復回数を、従来の溝切削工具のZ軸方向の往復回数よりも削減できる。したがって、本発明は、被切削物の内周面に溝を切削する際、従来の溝切削工具を用いた場合よりも溝の切削時間を短縮することができる。
本発明実施の形態に係る切削チップで切削された被切削物を有するロータリー型圧縮機を示す縦断面図である。 本発明実施の形態に係る切削チップで切削された被切削物を有するロータリー型圧縮機の圧縮機構部を示す縦断面図である。 本発明実施の形態に係る切削チップで切削された被切削物を有するロータリー型圧縮機における、上軸受部を取り外した状態の圧縮機構部を示す平面図である。 本発明実施の形態に係る切削チップで切削された被切削物を有するロータリー型圧縮機の上軸受部を示す図である。 本発明の実施の形態に係る加工装置を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る切削工具を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る切削チップを示す図である。 本発明の実施の形態に係る切削工具の別の一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る加工装置において上軸受部の上軸受の内周面へ螺旋状の溝を形成する際の動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る加工装置において上軸受部の上軸受の内周面へ螺旋状の溝を形成する際の動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る加工装置において上軸受部の上軸受の内周面へ螺旋状の溝を形成する際の動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る加工装置において上軸受部の上軸受の内周面へ螺旋状の溝を形成する際の動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る加工装置において上軸受部の上軸受の内周面へ螺旋状の溝を形成する際の動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る加工装置において上軸受部の上軸受の内周面へ螺旋状の溝を形成する際の動作を説明するための図である。
以下、本発明に係る切削チップ、該切削チップを備えた切削工具、及び該切削工具を用いる加工装置の一例について説明する。なお、以下の実施の形態では、ロータリー型圧縮機に搭載された軸受を、被切削物の一例として示す。
実施の形態.
図1は、本発明実施の形態に係る切削チップで切削された被切削物を有するロータリー型圧縮機を示す縦断面図である。図2は、このロータリー型圧縮機の圧縮機構部を示す縦断面図である。図3は、このロータリー型圧縮機における、上軸受部を取り外した状態の圧縮機構部を示す平面図である。また、図4は、このロータリー型圧縮機の上軸受部を示す図である。なお、図1では、符号の引き出し線を見やすくするため、ハッチングを省略している。また、図4(a)は上軸受部33の平面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。
以下、図1〜図4を用いて、本発明実施の形態に係る切削チップで切削された被切削物を有するロータリー型圧縮機50の概略構成を説明する。なお、後述のように、ロータリー型圧縮機50の上軸受部33の上軸受33bが、本実施の形態に係る切削チップで切削された被切削物となる。
ロータリー型圧縮機50は、電動機2、圧縮機構部3、及び、電動機2と圧縮機構部3とを接続する駆動軸4を備えている。電動機2、圧縮機構部3及び駆動軸4は、例えば鋼製である密閉容器1の内部に収容されている。また、ロータリー型圧縮機50は縦型のロータリー型圧縮機であり、電動機2は密閉容器1内において圧縮機構部3の上方に配置されている。また、密閉容器1の底部には、圧縮機構部3等の潤滑に用いられる潤滑油が貯留されている。
電動機2は、固定子21と、固定子21が発生する磁力によって回転する回転子22と、を備えている。
駆動軸4は、電動機2の回転子22と圧縮機構部3とに接続され、電動機2の駆動力を圧縮機構部3へ伝達するものである。駆動軸4は、電動機2の回転子22に接続された主軸部41と、副軸部42と、偏芯軸部43とを備えている。偏芯軸部43は、主軸部41と副軸部42との間に設けられている。また、偏芯軸部43の中心軸は、主軸部41及び副軸部42の中心軸に対して偏芯している。すなわち、主軸部41及び副軸部42がこれらの中心軸を中心に回転すると、偏芯軸部43は主軸部41及び副軸部42の中心軸に対して偏芯回転する。
圧縮機構部3は、駆動軸4から伝達された電動機2の駆動力によって、圧縮機構部3に吸入した低圧の冷媒ガスを高圧の冷媒ガスに圧縮するものである。圧縮機構部3は、シリンダー31、偏心リング32、上軸受部33、下軸受部34、及びベーン35を備えている。
シリンダー31は、冷媒を圧縮するシリンダー室36を有する。シリンダー室36の上方の開口部は、上軸受部33の閉塞部33aによって閉塞されている。また、シリンダー室36の下方の開口は、下軸受部34の閉塞部34aによって閉塞されている。また、シリンダー31のシリンダー室36には、駆動軸4の偏芯軸部43と、偏芯軸部43の外周部に摺動自在に取り付けられた偏心リング32とが配置されている。このため、駆動軸4が回転することにより、シリンダー31のシリンダー室36内では、偏芯軸部43及び偏心リング32が偏芯回転する。
また、シリンダー31は、シリンダー室36の径方向に沿って形成されたベーン溝37を有する。このベーン溝37には、往復動自在にベーン35が挿入されている。ベーン35は、バネ38に押圧されて、先端が偏心リング32の外周面に当接している。すなわち、ベーン35は、シリンダー室36を、2つの作動室に仕切っている。これらの作動室の一方は、冷媒を吸入する吸入室36aとなる。また、これらの作動室の他方は、冷媒を圧縮する圧縮室36bとなる。
シリンダー31の上方には、上軸受部33が設けられている。上軸受部33は、上述した閉塞部33aと、上軸受33bとを備えている。上軸受33bは、すべり軸受であり、円柱状の貫通孔が形成されている。すなわち、上軸受33bの内周面33cは、円柱状の貫通孔の中心軸に対して垂直な断面形状が円形状となっている。上軸受33bは、駆動軸4の主軸部41を回転自在に支持している。なお、以下では、上軸受33bに形成された円柱状の貫通孔の中心軸を、上軸受33bの中心軸と称することとする。
上軸受33bの内周面33cと主軸部41との間には、潤滑油が供給される。これにより、上軸受部33の上軸受33bは、油膜の流体潤滑により、主軸部41を回転自在に支持する。このため、上軸受33bの内周面33cと主軸部41との間の摺動抵抗を低減することができる。なお、本実施の形態では、駆動軸4に、上軸受33bの内周面33cと主軸部41との間と、密閉容器1の底部とを連通する図示せぬ給油路が形成されている。また、駆動軸4の下端部には、密閉容器1の底部に貯留された潤滑油を上記給油路に吸い上げる図示せぬファンが設けられている。そして、駆動軸4が回転することにより、密閉容器1の底部に貯留された潤滑油は、駆動軸4に形成された図示せぬ給油路を通って、上軸受33bの内周面33cと主軸部41との間に供給される。
ここで、図4に示すように、上軸受33bの内周面33cには、螺旋状の溝33dが形成されている。このため、上軸受33bの内周面33cと主軸部41との間に供給された潤滑油は、螺旋状の溝33dを流れ、上軸受33bの上端から下端まで行き渡ることができる。これにより、上軸受33bの内周面33cと主軸部41との間の摺動抵抗をさらに低減することができる。
同様に、シリンダー31の下方には、下軸受部34が設けられている。下軸受部34は、上述した閉塞部34aと、軸受34bとを備えている。軸受34bは、すべり軸受であり、駆動軸4の副軸部42を回転自在に支持する。下軸受部34の軸受34bと副軸部42との間には、潤滑油が供給される。これにより、下軸受部34の軸受34bは、油膜の流体潤滑により、副軸部42を回転自在に支持する。なお、本実施の形態では、密閉容器1の底部に貯留された潤滑油が、駆動軸4に形成された図示せぬ給油路を通って、下軸受部34の軸受34bと副軸部42との間に供給される。
シリンダー31には、密閉容器1の外部からシリンダー室36の中に冷媒ガスを吸入する吸入口39が形成されている。吸入口39は、ベーン35によって仕切られた2つの作動室のうち、吸入室36aとなる作動室と連通する。また、上軸受部33には、圧縮した冷媒ガスをシリンダー室36の外に吐出する図示せぬ吐出口が設けられている。該吐出口は、ベーン35によって仕切られた2つの作動室のうち、圧縮室36bとなる作動室と連通する。
上軸受部33の吐出口には、吐出弁が設けられている。吐出弁は、圧縮室36b内で圧縮される冷媒ガスが所定の圧力になるまで閉塞し、所定の圧力以上となると開口して高温高圧の冷媒ガスを密閉容器1内へ吐出させる。これによって、圧縮室36bから吐出される冷媒ガスの吐出タイミングが制御される。
密閉容器1内に吐出された冷媒ガスは、密閉容器1の上方にある吐出管11に向かって流れ、吐出管11から密閉容器1の外部に送り出される。そのとき、冷媒ガスは、電動機2の固定子21と回転子22との隙間、又は回転子22に設けられた風穴を通って、上方に流れる。
吸入口39には、密閉容器1の外部に設けられた吸入マフラー101が、吸入管12を介して接続されている。ロータリー型圧縮機50には、ロータリー型圧縮機50が接続された外部の回路から、冷媒ガスと液冷媒が混在して送られてくる。液冷媒が圧縮機構部3に流入し圧縮されると、圧縮機構部3の故障となる。このため、吸入マフラー101では、液冷媒と冷媒ガスとを分離する。そして、冷媒ガスのみが圧縮機構部3に送られる。
続いて、上軸受部33の上軸受33bの内周面33cに螺旋状の溝33dを切削する加工装置、該加工装置に設けられる切削工具、及び該切削工具に設けられる切削チップについて説明する。まず、上軸受部33の上軸受33bの内周面33cに螺旋状の溝33dを切削する加工装置について説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る加工装置を示す側面図である。なお、図5では、上軸受部33を断面で示している。
加工装置100は、回転機構部60及び駆動部65を備えている。回転機構部60は、回転軸62を中心に回転するものである。この回転機構部60は、上軸受部33を保持する保持部61を備えている。保持部61は、例えばチャックである。この際、上軸受33bの中心軸が回転機構部60の回転軸62と略一致するように、保持部61は上軸受部33を保持する。
ここで、保持部61が、本発明の第1保持部に相当する。
駆動部65は、切削工具70を保持する保持部66を備えている。詳しくは、保持部66は、切削工具70の主軸部71を保持する。保持部66は、例えばチャックである。保持部66は、回転機構部60の回転軸62方向であるZ軸方向、及び該Z軸方向と垂直な方向であるX軸方向に移動自在となっている。後述のように、切削工具70の切削チップ80は、第1方向に積層された複数の刃部を備えている。そして、複数の刃部は、第1方向と垂直な方向である第2方向の端部のうちの少なくとも一方に、上軸受33bの内周面33cを切削する切削刃を備えている。保持部66は、上記第2方向がZ軸方向に沿うように、切削工具70を保持する。
ここで、保持部66が、本発明の第2保持部に相当する。
なお、以下では、Z軸方向のうち、切削チップ80が回転機構部60に近づいていく方向をZ軸プラス方向とし、切削チップ80が回転機構部60から遠ざかっていく方向をZ軸マイナス方向とする。また、X軸方向のうち、切削チップ80が上軸受33bの内周面33cに切り込んで行く方向をX軸プラス方向とし、切削チップ80が上軸受33bの内周面33cから遠ざかっていく方向をX軸マイナス方向とする。
次に、加工装置100に設けられる切削工具70、及び該切削工具70に設けられる切削チップ80について説明する。なお、以下では、切削工具70及び切削チップ80の構成要素の方向を示す際、切削工具70が加工装置100に設けられている状態を基準として、切削工具70及び切削チップ80の構成要素の方向を示すこととする。この場合、Z軸方向が本発明の第2方向に相当し、X軸方向が本発明の第1方向に相当する。
図6は、本発明の実施の形態に係る切削工具を示す側面図である。また、図7は、本発明の実施の形態に係る切削チップを示す図である。なお、図7(a)は、図5及び図6と同じ観察方向で切削チップ80を示した図である。図7(b)は、図7(a)に示す切削チップ80をZ軸マイナス方向に観察した図である。図7(c)は、図7(a)に示す切削チップ80をX軸マイナス方向に観察した図である。また、図7(a)には、主軸部71も示している。
図6に示すように、切削工具70は、主軸部71及び切削チップ80を備えている。主軸部71は、切削チップ80が設けられ、加工装置100の駆動部65の保持部66に保持されるものである。切削チップ80は、主軸部71の外周面71aからX軸方向へ突出するように、主軸部71に設けられている。なお、切削チップ80を主軸部71に固定する手段は、特に限定されない。例えば、ネジ止め等により、切削チップ80を主軸部71に着脱自在に固定してもよい。また例えば、ろう付け等により、切削チップ80を主軸部71に固定してもよい。ネジ止め等により、切削チップ80を主軸部71に着脱自在に固定している場合、上軸受33bの内周面33cに形成される螺旋状の溝33dの幅及び深さに応じて、切削工具70の切削チップ80を交換することができる。
切削チップ80は、上軸受33bの内周面33cを切削するものである。この切削チップ80は、X軸方向に積層された複数の刃部を有している。なお、本実施の形態では、図7等に示すように、切削チップ80が刃部81、刃部82及び刃部83という3つの刃部を有する場合を例に、切削チップ80の構成について説明していく。
切削チップ80の刃部のそれぞれは、Z軸プラス方向側の端部である第1端部85に、上軸受33bの内周面33cを切削する切削刃を備えている。詳しくは、刃部81の第1端部85には、切削刃81aが設けられている。刃部82の第1端部85には、切削刃82aが設けられている。刃部83の第1端部85には、切削刃83aが設けられている。また、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部の第1端部85に設けられた切削刃の先端は、主軸部71に近い側となる刃部の第1端部85に設けられた切削刃の先端よりも、第2端部86側に配置されている。なお、第2端部86とは、刃部のZ軸マイナス方向側の端部である。詳しくは、刃部82の切削刃82aの先端は、刃部81の切削刃81aの先端よりも、第2端部86側に配置されている。刃部83の切削刃83aの先端は、刃部82の切削刃82aの先端よりも、第2端部86側に配置されている。
また、本実施の形態に係る切削チップ80においては、刃部のそれぞれは、第2端部86側にも、上軸受33bの内周面33cを切削する切削刃を備えている。詳しくは、刃部81の第2端部86には、切削刃81bが設けられている。刃部82の第2端部86には、切削刃82bが設けられている。刃部83の第2端部86には、切削刃83bが設けられている。また、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部の第2端部86に設けられた切削刃の先端は、主軸部71に近い側となる刃部の第2端部86に設けられた切削刃の先端よりも、第1端部85側に配置されている。詳しくは、刃部82の切削刃82bの先端は、刃部81の切削刃81bの先端よりも、第1端部85側に配置されている。刃部83の切削刃83bの先端は、刃部82の切削刃82bの先端よりも、第1端部85側に配置されている。
なお、切削チップ80がZ軸プラス方向に移動する際のみに上軸受33bの内周面33cを切削する場合、各刃部の第2端部86に切削刃を設ける必要はない。同様に、切削チップ80がZ軸マイナス方向に移動する際のみに上軸受33bの内周面33cを切削する場合、各刃部の第1端部85に切削刃を設ける必要はない。
さらに、本実施の形態に係る切削チップ80においては、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部のX軸方向の厚みは、主軸部71に近い側となる刃部のX軸方向の厚みよりも薄くなっている。そして、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部の切削刃のすくい角は、主軸部71に近い側となる刃部の切削刃のすくい角よりも大きくなっている。すなわち、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部は、主軸部71に近い側となる刃部と比べ、鋭利となっている。このため、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部は、主軸部71に近い側となる刃部と比べ、切り込み量は小さくなるものの、切削面を滑らかにすることができる。すなわち、刃部のX軸方向の厚み及び切削刃の形状により、切り込み量及び切削面の表面粗さを調節することができる。
詳しくは、刃部82のX軸方向の厚みt2は、刃部81のX軸方向の厚みt1よりも薄くなっている。そして、刃部82の切削刃82a及び切削刃82bのすくい角R2は、刃部81の切削刃81a及び切削刃81bのすくい角R1よりも大きくなっている。このため、刃部82は、刃部81と比べ、切り込み量は小さくなるものの、切削面を滑らかにすることができる。同様に、刃部83のX軸方向の厚みt3は、刃部82のX軸方向の厚みt2よりも薄くなっている。そして、刃部83の切削刃83a及び切削刃83bのすくい角R3は、刃部82の切削刃82a及び切削刃82bのすくい角R2よりも大きくなっている。このため、刃部83は、刃部82と比べ、切り込み量は小さくなるものの、切削面を滑らかにすることができる。すなわち、刃部81は粗加工用の刃部となっており、刃部82は中仕上げ用の刃部となっており、刃部83は仕上げ用の刃部となっていると言うこともできる。
なお、切削チップ80の各刃部は、それぞれ分解可能な構成となっていてもよいし、ろう付け等で接合されていてもよい。切削チップ80の各刃部が分解可能な構成となっている場合、切削チップ80の各刃部は、例えばネジ止め等によって主軸部71に固定される。切削チップ80の各刃部が分解可能な構成となっている場合、上軸受33bの内周面33cに形成される螺旋状の溝33dの深さに応じて、積層される刃部の数を調節することができる。また、切削チップ80の各刃部の材質は、限定されない。全ての刃部を同材質で形成してもよいし、刃部毎に材質を異ならせてもよい。また、切削チップ80を構成する刃部の数は、3つに限定されるものではなく、2つ以上であればよい。
図8は、本発明の実施の形態に係る切削工具の別の一例を示す側面図である。
主軸部71に設けられる切削チップ80の数は、1つに限定されるものではない。例えば、図8に示すように主軸部71に複数の切削チップ80を設けてもよい。主軸部71に複数の切削チップ80を設けた場合、1つの切削チップ80が寿命となった場合、他の切削チップ80を用いて切削加工を継続することができる。このため、切削工具70の寿命を延ばすことができ、切削工具70の交換頻度を減少させることができる。
続いて、上軸受部33の上軸受33bの内周面33cへ螺旋状の溝33dを切削する動作について説明する。
図9〜図14は、本発明の実施の形態に係る加工装置において上軸受部の上軸受の内周面へ螺旋状の溝を形成する際の動作を説明するための図である。なお、図9〜図12は、図5と同じ観察方向で切削チップ80近傍を示した要部拡大図である。また、図13及び図14は、図5と同じ観察方向で加工装置100を示した図である。
図5に示すように、まず、上軸受33bの中心軸が回転機構部60の回転軸62と略一致するように、保持部61に上軸受部33を保持させる。その後、図9に示すように、駆動部65の保持部66をX軸方向に移動させる。つまり、切削工具70をX軸方向に移動させる。そして、切削チップ80における上軸受33bの内周面33cへの切り込み量が規定量となるように、上軸受33bと切削チップ80との位置合わせを行う。上軸受33bと切削チップ80との位置合わせが終了した後、回転機構部60を回転させると共に、つまり上軸受33bを回転させると共に、切削工具70をZ軸プラス方向に移動させていく。これにより、切削チップ80によって、上軸受33bの内周面33cが切削されていく。
詳しくは、図10に示すように、まず、切削チップ80の刃部81の切削刃81aが、上軸受33bの内周面33cに切り込んで行く。図10の状態から、切削工具70がZ軸プラス方向にさらに移動していくと、図11に示すように、刃部81の切削刃81aに加えて、刃部82の切削刃82aも、上軸受33bの内周面33cに切り込んで行く。すなわち、刃部82の切削刃82aは、刃部81の切削刃81aによって切削された溝の底部を切削することとなる。換言すると、刃部82の切削刃82aは、刃部81の切削刃81aによって粗加工された後の表面を切削することとなる。ここで、上述のように、刃部82は、刃部81と比べ、切り込み量は小さくなるものの、切削面を滑らかにすることができる。すなわち、刃部82で切削された後の表面は、刃部81によって粗加工された段階の表面よりも滑らかとなっている。
図11の状態から、切削工具70がZ軸プラス方向にさらに移動していくと、図12に示すように、刃部81の切削刃81a及び刃部82の切削刃82aに加えて、刃部83の切削刃83aも、上軸受33bの内周面33cに切り込んで行く。すなわち、刃部83の切削刃83aは、刃部82の切削刃82aによって切削された溝の底部を切削することとなる。換言すると、刃部83の切削刃83aは、刃部82の切削刃82aによって粗加工時よりも滑らかとなった表面を切削することとなる。このため、切削時に刃部83の切削刃83aにかかる負荷を低減することができる。なお、上述のように、刃部83は、刃部82と比べ、切り込み量は小さくなるものの、切削面をさらに滑らかにすることができる。
図13に示すように、切削工具70の切削チップ80が上軸受33bの内部を通過すると、上軸受33bの内周面33cには、螺旋状の溝33dが形成される。このように、本実施の形態に係る切削チップ80を用いることにより、Z軸プラス方向に切削チップ80を一回移動させて、上軸受33bの内周面33cに螺旋状の溝33dを切削する際、複数の刃部によって螺旋状の溝33dを切削していくことができる。すなわち、Z軸プラス方向に切削チップ80を一回移動させて、上軸受33bの内周面33cに螺旋状の溝33dを切削する際、切削チップ80全体の切り込み量を、従来の溝切削工具の切り込み量よりも大きくできる。このため、本実施の形態に係る切削チップ80を用いることにより、上軸受33bの内周面33cに螺旋状の溝33dを切削する際、従来の溝切削工具を用いた場合よりも、螺旋状の溝33dの切削時間を短縮することができる。
なお、Z軸プラス方向に切削チップ80を一回移動させただけでは螺旋状の溝33dが所望の深さになっていない場合、切削チップ80によって、螺旋状の溝33dの底部をさらに切削することとなる。ここで、従来の溝切削工具は、一方向に移動しているときのみ切削できる構成となっている。このため、従来の溝切削工具を用いて上軸受33bの内周面33cに螺旋状の溝33dの底部を再度切削する場合、従来の溝切削工具の切削チップが上軸受33bの内部を通過した後、従来の溝切削工具をX軸マイナス方向へ待避させる。そして、従来の溝切削工具と上軸受33bとが干渉しない位置まで、従来の溝切削工具をZ軸マイナス方向に移動させる。その後、切り込み量を調節した後、従来の溝切削工具をZ軸プラス方向へ再度移動させて、螺旋状の溝33dの底部をさらに切削していくこととなる。
一方、本実施の形態に係る切削チップ80の刃部のそれぞれは、第2端部86側にも、上軸受33bの内周面33cを切削する切削刃を備えている。このため、切削チップ80を用いることにより、図13の状態の後、切削工具70がZ軸マイナス方向に移動しているときに、螺旋状の溝33dの底部をさらに切削していくことができる。
詳しくは、図13の状態の後、切削チップ80における螺旋状の溝33dの底部への切り込み量が規定量となるように、切削工具70をX軸プラス方向に移動させる。そして、図14に示すように回転機構部60を先ほどとは逆回転させると共に、つまり上軸受33bを先ほどとは逆回転させると共に、切削工具70をZ軸マイナス方向に移動させていく。これにより、切削工具70がZ軸マイナス方向に移動しているときに、切削チップ80の各刃部の第2端部86に設けられた切削刃によって、螺旋状の溝33dの底部をさらに切削していくことができる。ここで、刃部81の第2端部86に設けられた切削刃81bは、刃部83の切削刃83aで切削された後の滑らかな表面を切削することとなる。このため、刃部81の切削刃81bにかかる負荷を低減することができる。
以上、本実施の形態に係る切削チップ80は、X軸方向に積層された複数の刃部を有している。切削チップ80の刃部のそれぞれは、Z軸プラス方向側の端部である第1端部85に、上軸受33bの内周面33cを切削する切削刃を備えている。また、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部の第1端部85に設けられた切削刃の先端は、主軸部71に近い側となる刃部の第1端部85に設けられた切削刃の先端よりも、第2端部86側に配置されている。
また、本実施の形態に係る切削工具70は、主軸部71及び切削チップ80を備えている。そして、切削チップ80は、主軸部71の外周面71aからX軸方向へ突出するように、主軸部71に設けられている。
また、本実施の形態に係る加工装置100は、回転機構部60及び駆動部65を備えている。回転機構部60は、回転軸62を中心に回転するものである。この回転機構部60は、上軸受部33を保持する保持部61を備えている。駆動部65は、切削工具70を保持する保持部66を備えている。保持部66は、回転機構部60の回転軸62方向であるZ軸方向、及び該Z軸方向と垂直な方向であるX軸方向に移動自在となっている。
本実施の形態に係る切削チップ80を用いることにより、Z軸プラス方向に切削チップ80を一回移動させて、上軸受33bの内周面33cに螺旋状の溝33dを切削する際、複数の刃部によって螺旋状の溝33dを切削していくことができる。すなわち、Z軸プラス方向に切削チップ80を一回移動させて、上軸受33bの内周面33cに螺旋状の溝33dを切削する際、切削チップ80全体の切り込み量を、従来の溝切削工具の切り込み量よりも大きくできる。このため、本実施の形態に係る切削チップ80を用いることにより、上軸受33bの内周面33cに螺旋状の溝33dを切削する際、従来の溝切削工具を用いた場合よりも、螺旋状の溝33dの切削時間を短縮することができる。
また、本実施の形態に係る切削チップ80は、複数の刃部によって螺旋状の溝33dを切削していくので、切削時に各刃部にかかる負荷を低減することができる。このため、切削チップ80は、各刃部の摩耗量を低減でき、各刃部にチッピング等の損傷が発生することを抑制できる。すなわち、切削チップ80の寿命を延ばすことができる。このため、切削工具70の交換頻度を減少させることができ、加工装置100の遊休時間を低減することもできる。また、切削チップ80は、各刃部の摩耗量を低減でき、各刃部にチッピング等の損傷が発生することを抑制できるので、螺旋状の溝33dの形状も安定する。
また、本実施の形態に係る切削チップ80においては、刃部のそれぞれは、第2端部86側にも、上軸受33bの内周面33cを切削する切削刃を備えている。そして、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部の第2端部86に設けられた切削刃の先端は、主軸部71に近い側となる刃部の第2端部86に設けられた切削刃の先端よりも、第1端部85側に配置されている。
このため、第2端部86にも切削刃を備えた切削チップ80においては、切削工具70がZ軸マイナス方向に移動しているときにも上軸受33bを切削することができる。したがって、第2端部86側にも切削刃を備えた切削チップ80を用いることにより、螺旋状の溝33dの切削時間をさらに短縮することができる。また、第2端部86にも切削刃を備えた切削チップ80を用いることにより、螺旋状の溝33dの切削に用いられる切削刃の数が増加するので、切削チップ80の寿命をさらに延ばすことができる。すなわち、切削工具70の交換頻度をさらに減少させることができ、加工装置100の遊休時間をさらに低減することができる。
また、本実施の形態に係る切削チップ80においては、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部のX軸方向の厚みは、主軸部71に近い側となる刃部のX軸方向の厚みよりも薄くなっている。そして、X軸方向に隣接する2つの刃部を比較した際、主軸部71から遠い側となる刃部の切削刃のすくい角は、主軸部71に近い側となる刃部の切削刃のすくい角よりも大きくなっている。
このような切削チップ80を用いることにより、一部の刃部は、粗加工時よりも滑らかとなった表面を切削することとなる。このため、切削時、一部の刃部にかかる負荷を低減することができる。このため、このような切削チップ80を用いることにより、切削チップ80の寿命をさらに延ばすことができる。すなわち、切削工具70の交換頻度をさらに減少させることができ、加工装置100の遊休時間をさらに低減することができる。
なお、本実施の形態では、ロータリー型圧縮機50の上軸受部33の上軸受33bを被切削物とした。しかしながら、切削チップ80によって内周面が切削される被切削物は、ロータリー型圧縮機50に搭載される軸受に限定されるものではない。例えば、ロータリー圧縮機以外の装置に搭載される軸受を被切削物としてもよい。また例えば、内周面が切削される軸受以外の部品を被切削物としてもよい。また、本実施の形態では、切削チップ80を用いて、被切削物の内周面に螺旋状の溝33dを形成した。これに限らず、切削チップ80を用いて、被切削物の内周面に直線状の溝を形成してもよい。切削チップ80を用いて、被切削物の内周面に直線状の溝を形成した場合も、上述の効果を得ることができる。また、本実施の形態では、回転機構部60及び駆動部65を横方向に並べた加工装置100について説明した。しかしながら、回転機構部60及び駆動部65を並べる方向は、横方向に限定されるものではない。例えば、回転機構部60及び駆動部65を縦方向に並べて、加工装置100を構成してもよい。
1 密閉容器、2 電動機、3 圧縮機構部、4 駆動軸、11 吐出管、12 吸入管、21 固定子、22 回転子、31 シリンダー、32 偏心リング、33 上軸受部、33a 閉塞部、33b 軸受、33c 内周面、33d 溝、34 下軸受部、34a 閉塞部、34b 軸受、35 ベーン、36 シリンダー室、36a 吸入室、36b 圧縮室、37 ベーン溝、38 バネ、39 吸入口、41 主軸部、42 副軸部、43 偏芯軸部、50 ロータリー型圧縮機、60 回転機構部、61 保持部、62 回転軸、65 駆動部、66 保持部、70 切削工具、71 主軸部、71a 外周面、80 切削チップ、81 刃部、81a 切削刃、81b 切削刃、82 刃部、82a 切削刃、82b 切削刃、83 刃部、83a 切削刃、83b 切削刃、85 第1端部、86 第2端部、100 加工装置、101 吸入マフラー。

Claims (8)

  1. 主軸部の外周面から第1方向へ突出するように該主軸部に設けられ、被切削物の内周面に溝を切削する際に用いられる切削チップであって、
    当該切削チップは、前記第1方向に積層された複数の刃部を有し、
    前記刃部のそれぞれは、
    前記第1方向と垂直な方向である第2方向の端部のうちの一方の端部である第1端部と、
    前記第2方向の端部のうちの他方の端部である第2端部と、
    前記第1端部に設けられ、前記被切削物を切削する切削刃と、
    を備え、
    前記第1方向に隣接する2つの前記刃部を比較した際、
    前記主軸部から遠い側となる前記刃部の前記第1端部に設けられた前記切削刃の先端は、前記主軸部に近い側となる前記刃部の前記第1端部に設けられた前記切削刃の先端よりも、前記第2端部側に配置される切削チップ。
  2. 前記第2方向は、前記主軸部の軸方向である請求項1に記載の切削チップ。
  3. 前記刃部のそれぞれは、前記第2端部にも前記切削刃を備え、
    前記第1方向に隣接する2つの前記刃部を比較した際、
    前記主軸部から遠い側となる前記刃部の前記第2端部に設けられた前記切削刃の先端は、前記主軸部に近い側となる前記刃部の前記第2端部に設けられた前記切削刃の先端よりも、前記第1端部側に配置される請求項1又は請求項2に記載の切削チップ。
  4. 前記第1方向に隣接する2つの前記刃部を比較した際、
    前記主軸部から遠い側となる前記刃部の前記第1方向の厚みは、前記主軸部に近い側となる前記刃部の前記第1方向の厚みよりも薄く、
    前記主軸部から遠い側となる前記刃部の前記切削刃のすくい角は、前記主軸部に近い側となる前記刃部の前記切削刃のすくい角よりも大きい請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の切削チップ。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の切削チップが外周面から前記第1方向へ突出するように、該切削チップが設けられた主軸部を有する切削工具。
  6. 前記被切削物を保持する第1保持部を有し、回転軸を中心に回転する回転機構部と、
    前記第2方向が前記回転軸方向に沿うように請求項に記載の切削工具を保持する第2保持部を有し、前記回転軸方向、及び前記回転軸と垂直な方向に前記第2保持部が移動自在な駆動部と、
    を備えた加工装置。
  7. 前記被切削物は、断面円形状の内周面を有する軸受である請求項に記載の加工装置。
  8. 前記軸受は、ロータリー型圧縮機に搭載される軸受である請求項に記載の加工装置。
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