JP2000288830A - ノッチ加工装置 - Google Patents

ノッチ加工装置

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JP2000288830A
JP2000288830A JP11092952A JP9295299A JP2000288830A JP 2000288830 A JP2000288830 A JP 2000288830A JP 11092952 A JP11092952 A JP 11092952A JP 9295299 A JP9295299 A JP 9295299A JP 2000288830 A JP2000288830 A JP 2000288830A
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sample
cutting blade
groove
notch
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JP11092952A
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Yoshiyo Adachi
佳代 足立
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Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工工程数の低減を課題とする。 【解決手段】 加工面1A上に試料sを載置する試料台
1と、この試料台1の加工面1A上に試料sを固定する
試料固定手段2A,2Bと、試料sに溝を切削する切削
部3A,3B,3Cを備えた切刃3と、試料台1の加工
面1A側に刃先を向けて切刃3を保持する切刃保持手段
4と、切刃3と試料台1とを加工面1Aに沿った一定の
直線方向に相対的に移動させる移動動作付勢手段13と
を備え、切刃3が、切刃保持手段4に保持された状態
で、一定の直線に沿って並んだ方向に複数の切削部3
A,3B,3Cを有し、これら各切削部3A,3B,3
Cを、当該各切削部の先端から加工面1Aまでの距離
が、切刃3の相対的な移動方向の下流側から上流側に向
かって段階的に短くなる配置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノッチ加工装置に
係り、特に、試料等の被加工対象物にノッチを形成する
ノッチ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に試験片Sを示す。この試験片S
は、アイゾット衝撃試験やシャルピー衝撃試験等の衝撃
試験を行うためのものであり、長方形の板状に形成され
た試料sの中程にV字状又はU字状等に形成された溝
(ノッチ)を設けることにより形成され、プラスチック
等を素材としている場合が多い。
【0003】この試験片Sに対してアイゾット衝撃試験
を行う場合には、図6(A)に示すアイゾット衝撃試験
装置100が用いられる。このアイゾット試験装置10
0は、回動角度を示す目盛板101の中心を軸として回
動自在の振り子状のハンマー102と、このハンマー1
02の回動頭部に設けられた試験片Sを打ち据える楔状
の衝突部103と、ハンマー102の振り子運動の軌跡
における最下点に設けられた固定台104とから構成さ
れる。
【0004】このアイゾット衝撃試験では、万力構造の
固定台104にノッチの高さに合わせ且つノッチがハン
マー102側に向けられた状態で試験片Sが挟持され、
振り上げられたハンマー102の振り上げ角度が予め目
盛板101によって読み取られ、このハンマー102の
落下動作によりこの試験片Sを衝突部103により打ち
据えて(図6(B))、この試験片Sが破断したときの
振り上げ角度から破断に要したエネルギーの算出を行
う。
【0005】また、この試験片Sに対してシャルピー衝
撃試験を行う場合には、図7(A)に示すシャルピー衝
撃試験装置110が用いられる。このシャルピー試験装
置110は、回動角度を示す目盛板111の中心を軸と
して回動自在の振り子状のハンマー112と、このハン
マー112の回動頭部に設けられた試験片Sを打ち据え
る楔状の衝突部103と、ハンマー112の振り子運動
の軌跡における最下点に設けられた支持台114とから
構成される。
【0006】このシャルピー衝撃試験では、支持台11
4にノッチの背面がハンマー112側に向けられた状態
で試験片Sが載置され、振り上げられたハンマー112
の振り上げ角度が予め目盛板111で読み取られ、この
ハンマー112の落下動作によりこの試験片Sのノッチ
を衝突部113により打ち据えて(図7(C))、この
試験片Sがノッチから破断したときの振り上げ角度から
破断に要したエネルギーの算出を行う。
【0007】試料sにノッチ加工を施すことにより上記
各衝撃試験に用いられる試験片Sを形成する従来のノッ
チ加工装置50の上面図を図8に示す。この従来の加工
装置50は、平坦な加工面51Aを有し,この加工面5
1A上に試料sを載置する試料台51と、この試料台5
1の加工面51A上に試料sを固定する固定手段52
A,52Bと、試料sを切削する台形状切刃53と、こ
の台形状切刃53を支持する切刃保持手段54とを有す
る。
【0008】切刃保持手段54は、ボールねじ等の動力
伝達駆動手段を介して加工面51Aに対して垂直の方向
にモータ56を動力源として昇降される。
【0009】試料台51は、モータ62によって駆動さ
せるボールねじ等で構成されるスライダ伝達駆動手段6
1を有する移動動作付勢手段63によって、ガイドレー
ル59上をスライダ58と共に加工面に沿った方向に移
動する。なお、符号57は、この加工装置50の操作を
行う操作パネルである。よって、モータ62は試料台5
1のガイドレール上の移動手段として用いられる。
【0010】上述の加工装置50に装備されている切刃
53は、図9(B)に示すように、台形状に形成されて
おり、その底辺の両端に、切削部が設けられている。
【0011】そして、この台形状切刃53は、被加工物
の加工面51Aに対して直角に配置され、加工面51A
に沿った平行方向に移動し、試料sに食い込ませるよう
にして切削を行なう。
【0012】また、この加工装置50では、試料sの上
面部からある程度の深さを有するノッチを形成する場合
には、大きな負荷によって生じるノッチの最深部のクラ
ックの発生(図9(A))を防止するために、一度に目
的の深さまで切削を行わずに、複数の回数に分けて小さ
な負荷をかけながら切削動作が行われる。
【0013】以下、一例として、このノッチ加工装置5
0によって試料sに例えば深さw=2[mm](図10
(e)参照)のノッチを形成する動作を図10に対応さ
せて説明する。なお、試料sは、生産性の理由により、
複数が上面を揃えた状態で固定手段52A,52Bを介
して試料台51に固定され,ノッチの形成が同時に行わ
れるものである。
【0014】 まず、台形状切刃53の底辺と各試料
sの上面の高さが揃うように操作パネル57によって切
刃保持手段54を図面上で上方向に移動させる昇降手段
であるモータ56を操作し0点合わせが行われた後(図
10(a),矢印S51)。
【0015】 切刃保持手段54が図面上で上方向に
移動され、各試料sから台形状切刃53が離間する(図
10(b),矢印S52)。
【0016】 移動動作付勢手段63によって、試料
台51を開始位置に搬送する(図10(c),矢印S5
3)。
【0017】 前述の0点から台形状切刃が1[m
m]低くなるように切刃保持手段54を図面上で下方向
に移動させ(図10(d),矢印S54)、開始位置か
ら試料台51を台形状切刃53が試料sの端から端まで
試料sに食い込むように移動させる(図10(d),矢
印S55)。
【0018】 切刃保持手段54により、前述の0点
から台形状切刃53が1.5[mm]低くなるように移
動させた後、試料sの端から端までを移動させ、二回目
の切削作業を行う(図10(d),矢印S56)。
【0019】 切刃保持手段54により、前述の0点
から台形状切刃53が2.0[mm]低くなるように移
動させ、試料sの端から端までを移動させ、三回目の切
削作業を行う(図10(d),矢印S55)。
【0020】以上の工程を経て、試料sにノッチが形成
され、試験片Sが作成される。
【0021】上記の例では、w=2mm(図10(e)
参照)の溝を加工するために、0.5mmずつの間隔で
切刃保持手段を移動させ、台形状切刃53が徐々に試料
に深く食い込むようにしていったが、この場合0.5m
mであった切刃保持手段の移動間隔は、かならずしも
0.5mmずつであるわけではなく、試料sに負荷がか
からないようにすれば、0.5mmより小さくとも、大
きくともよい。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、台形状切刃を複数回移動させ、クラッ
クが生じないように、少しずつ試料sを切削していくた
め、ある一定の深さを越えるノッチを形成するために切
削動作を複数回に分けて行うため、作業に時間がかかる
という不都合があった。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明では、
ほぼ平坦な加工面を有し,この加工面上に試料を載置す
る試料台と、この試料台の加工面上に試料を固定する試
料固定手段と、試料に溝を切削する切削部を備えた切刃
と、試料台の加工面側に向けて保持する切刃保持手段
と、切刃と試料台とを加工面に沿った一定の直線方向に
相対的に移動させる移動動作付勢手段とを備えている。
【0024】この切刃は、切刃保持手段に保持された状
態で、加工面に沿った一定の直線方向に並んだ複数の切
削部を有し、各切削部の先端から加工面までの距離が、
切刃の移動方向の下流側から上流側に向かって段階的に
短くなるように配置されている。
【0025】請求項1の発明の構成によって、ノッチを
形成する場合、試料台に固定された試料は、切刃に向か
って移動動作が付勢される。又は切刃が試料台に固定さ
れた試料に移動動作が付勢されるとしてもよい。
【0026】この際、予め最も深い溝を削る切削部の先
端と試料の上面との距離が目的の溝の深さと等しくなる
ように設定しておく。
【0027】複数の切削部を有するこの切刃には、試料
に食い込むように試料台が移動する際、試料に近い箇所
により浅い溝加工を行うことができる切削部と、試料か
ら遠い箇所により深い溝を加工できる切削部とを複数個
順番に配置されている。各切削部は、加工面に向けられ
ており、この切刃と試料がすれ違うことにより、試料加
工部には、徐々に浅い溝、深い溝が形成されてゆき、試
料に食い込みながら試料と一回すれ違うことによって所
望の深さの溝を形成する。
【0028】この切刃は、段階的浅い溝から深い溝へと
徐々に試料を切削するため、試料に負荷をかけずに、所
望な深さの溝を試料に設けることができる。従って、試
料のクラック等の発生を低減することができる。
【0029】請求項2記載の本発明では、前述した請求
項1記載の発明において、切刃の切削部の間に、切削廃
棄物排出用溝を設けている。これにより、試料加工中に
溜まり、クラック等を生じさせる削り屑等の排出物を排
出用溝内部に採り込み、試料に形成される溝内に削り屑
がたまることを防止するので、クラック等の発生を低減
することができる。
【0030】請求項3記載の本発明では、前述した請求
項2記載の発明において、切削廃棄物排出用溝の空間
が、切刃と試料の接触時に試料の溝が形成される面の上
まで存在している。これにより切り屑等の排出物は試料
の溝の外部に排出可能となる。
【0031】請求項4記載の本発明では、前述した請求
項2又は3記載の発明において、切削時に生じる切削廃
棄物を吹き飛ばすエアー噴射機構を設け、エアー噴射機
構が有するエアー吐出部を切削される溝に向けて備えて
いる。これにより、常に切り屑等の切削廃棄物を、切削
される溝、前述した切削廃棄物排出用溝の空間及び切削
される溝等から吹き飛ばし、切削廃棄物等によって生じ
るクラック等を防ぐことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本実施形態を図1に基づいて説明
する。図1は、ほぼ平坦な加工面1Aを有し,この加工
面1A上に試料sを載置する試料台1と、この試料台1
の加工面1A上に試料sをはさむようにして固定する試
料固定手段2A,2Bと、試料sに溝を切削する切削部
を備えた切刃3と、試料台1の加工面1A側に刃先を向
けて切刃3を保持する切刃保持手段4と、切刃3と試料
台1とを加工面1Aに沿った一定の直線Tの方向に相対
的に移動させる移動動作付勢手段13とを備えたノッチ
加工装置10を示す。また、符号7は。このノッチ加工
装置10の各動作を入力する操作パネルである。
【0033】移動動作付勢手段13は、所定方向に配設
されたガイドレール9とこのガイドレール9に沿って移
動自在且つ試料台1と一体化して移動するスライダ8と
モータ12からの力をボールねじ機構等によって、一軸
方向に沿った往復動作に変換してスライダに伝達するス
ライダ伝達駆動手段11とからなる。また、モータ6
は、切刃保持手段4をボールねじ機構等を介して加工面
1Aに対して垂直方向に昇降させる動力源である。よっ
て、モータ12は、試料台1をガイドレール9上で移動
させる往復動作付勢手段であり、モータ6は、切刃保持
手段4を加工面1Aに対して垂直方向に移動動作を付勢
する昇降手段である。
【0034】次に、切刃3について図2(A)に基づい
て説明する。切刃3は、切刃保持手段4に保持された状
態にあり、前述した一定の直線Tに沿った方向に複数の
切削部3A,3B,3Cを有し、これら各切削部3A,
3B,3Cを、各切削部の先端から加工面1Aまでの距
離が、切刃3の相対的な移動方向の下流側から上流側に
向かって段階的に短くなる配置としている。なお、実際
は、試料台1が図2(A)における右側に向かって移動
する。このため、切刃3の相対的な移動方向は同図にお
いて左側となり、結果的に「下流側から上流側に向かっ
て」とは、「図2(A)の左から順番に」と同義とな
る。
【0035】段階的に試料を切削するこの切刃3は、図
2(A)に示すように、複数の切削部3A,3B,3C
を有し、加工面1Aから各切削部3A,3B,3Cまで
の距離は、J1<J2 <J3 の関係となる。また、各切
削部3A,3B,3Cはそれぞれ図2(A)に示す上下
方向における間隔K1 ,K2 が、それぞれ0.5[m
m]に設定されているものとする。なお、この切刃3
は、切刃保持手段4にねじ等の着脱自在の係止手段17
によって係止されている。
【0036】また、図2(B)に示すように、切刃3の
各切削部3A,3B,3Cの間に、切削廃棄物排出用溝
3D,3Eを設けても良い。なお、この各切削廃棄物排
出用溝3D,3Eの底部は、いずれも、切削時に試料s
の溝が加工される面の上となる深さに設定されている。
例えば深さ2mmの溝を試料に形成する場合、各溝3
D,3Eの底部は、切削部3Cの先端部から図面上下方
向に少なくとも2mm以上離れており、望ましくは2.
5〜3mm離れている。これにより切り屑等の排出物は
試料の溝の外部に排出可能となる。また、図2(C)
は、図2(B)の切刃3をx方向から見た図を示すが、
この図のように、各溝3D,3Eの底部は、加工面1A
に対して前述した直線Tを軸として傾斜した斜面となっ
ていることが望ましい。これにより、かかる斜面に沿っ
て切削廃棄物を、各溝3D,3Eの外部に円滑に送り出
すことができる。この溝3D,3Eは、試料加工中に溜
まる切削廃棄物である削り屑等を加工される溝から採り
込み、屑等によって生ずるクラック等の発生を抑制する
ことができる。ここで、ノッチ加工が行われる試料sと
これにより形成される試験片Sとは、従来例で図5に示
したものと同様である。
【0037】切刃3を保持し固定する切刃保持手段4
は、切削時に生じる切削廃棄物を吹き飛ばすエアー噴射
機構14を備えている。このエアー噴射機構14は、図
示しない圧縮空気を供給するポンプとこれに接続され圧
縮空気を吐出するエアー吐出部とを有し、このエアー吐
出部を切削される溝に向けて備えている。エアー吐出部
からの圧縮空気の吹き付けにより、切り屑等の切削廃棄
物を、切削される溝、前述した切削廃棄物排出用溝3
D,3Eの空間などから吹き飛ばし、切削廃棄物等によ
って生じるクラック等を防ぐことができる。
【0038】上述したノッチ加工装置10による、試料
sに深さw=2[mm](図3(e)参照)のノッチを
形成する動作を図3に基づいて説明する。予め、ノッチ
を形成する前の状態である複数の試料sの各上面部を同
一面に合わせて固定手段2A,2Bによって試料台1の
加工面1上に固定する。
【0039】 まず、切削部3Cの最下部の高さと各
試料sの上面の高さが揃うように操作パネル7によって
切刃保持手段4を昇降手段によって図面上で下方向に移
動させ、試料sと切刃3との距離を操作し0点合わせが
行われる(図3(a),矢印S1)。
【0040】 切刃保持手段4が昇降手段により図面
上で上方向へ移動し、切刃3は、各試料sから離間する
(図3(b),矢印S2)。
【0041】 移動動作付勢手段13によって、各試
料sを所定の開始位置に搬送する(図3(c),矢印S
3)。
【0042】 前述の0点から切刃3が2[mm]
(図3(e)においてw=2[mm])低くなるように
切刃保持手段4を図面下方向に昇降手段によって移動さ
せる(図3(d),矢印S4)。
【0043】 移動動作付勢手段13によって、試料
台1を切刃3に向かって移動させ、切刃3が試料台1上
の各試料sの端から端までを切削する(図3(e),矢
印S5)。このプロセス中、試料台1の移動に伴い、試
料sは、まず、切削部3Aと当接し切削され、上面から
深さ1[mm]の溝が形成される。そして、試料sが移
動するに従って切削部3Bによって1.5[mm]の深
さまで切削され、次に切削部3Cによって深さw=2
[mm](図3(e)及び図4参照)までの溝が形成さ
れる。また、前術したエアー噴射機構14は、試料sが
矢印S5方向に移動する間ずっとエアー吐出部から切刃
3の周辺に圧縮空気の吹き付けを行い、切削による廃棄
物(切り屑)の各切削部周囲からの除去が行われる。
【0044】以上の各工程を経て、試料sにノッチが形
成され、試験片Sが作成される。
【0045】上述のように、本実施形態では、3つの切
削部3A,3B,3Cを試料sの搬送方向に沿って配設
し且つその下流側に向かうに従って試料台1に近接する
ように配設しているため、加工動作の際に試料sは、各
切刃に当接する度に徐々に深く掘り下げられて行く。切
刃3が試料を通過することによって、切削部3Aにより
浅い溝が、切削部3Bによってより深い溝が、切削部3
Cによって、所望の深さまで溝が徐々に切削され、一回
の通過で、試料に負荷をかけずにクラック等を発生させ
ずに試料加工ができる。
【0046】また、複数の切削部を有する切刃3の図2
(A)に示す切削部先端の刃物角αは、試料に対する負
荷を下げるため、なるべく90°以下の角度であること
が望ましい。また、切削廃棄物用溝3D,3Eは図2
(B)に示すように一様の深さでなくともよく、任意の
深さ、形状でもよい。
【0047】なお、上記実施形態では、切刃保持手段4
は加工面1Aに沿った方向に対して垂直方向に移動し、
試料台1が加工面に沿った方向へ切刃に向かって移動さ
せる構成を採っているが、試料台1が加工面1Aに対し
て垂直方向に移動し、切刃保持手段4が加工面1Aに沿
った方向に、試料台1に向かって移動させる構成として
も良い。
【0048】また、上記実施例では、切刃3は、3つの
切削部3A,3B,3Cを備える構造としたが、切削部
の数又は図2(A)に示されるような切削部の段差間の
間隔K1,K2等は、固定値でなくともよい。
【0049】
【発明の効果】本発明では、ほぼ平坦な加工面を有し,
この加工面上に試料を載置する試料台と、この試料台の
加工面上に試料を固定する試料固定手段と、試料に溝を
切削する切削部を備えた切刃と、試料台の加工面側に向
けて保持する切刃保持手段と、切刃と試料台とを加工面
に沿った一定の直線方向に相対的に移動させる移動動作
付勢手段とを備えている。この切刃は、前述した切刃保
持手段に保持された状態にあって、前述した一定の直線
方向に沿った方向に複数の切削部を有し、これら各切削
部を、各切削部の先端から加工面までの距離が、試料台
と切刃の相対的な移動方向の下流側から上流側に向かっ
て段階的に短くなる配置としている。複数の切削部を有
するこの切刃は、試料に食い込むように試料台が移動す
る際、試料に近い箇所により浅い溝加工を行うことがで
きる切削部と、試料から遠い箇所により深い溝を加工で
きる切削部とを複数個順番に配置されている。各切削部
は、加工面に向けられており、この切刃と試料がすれ違
うことにより、試料加工部には、徐々に浅い溝、深い溝
が形成されてゆき、試料に食い込みながら試料と一回す
れ違うことによって所望の深さの溝を形成する。この切
刃は、段階的浅い溝から深い溝へと徐々に試料を切削す
るため、試料に負荷をかけずに、所望な深さの溝を試料
に設けることができる。従って、試料のクラック等の発
生を低減することができる。
【0050】また、切刃の切削部の間に、切削廃棄物排
出用溝を設けた場合には、試料切削中に溜まり、クラッ
ク等を生じさせる削り屑等の排出物を切削廃棄物排出用
溝に採り込み、クラック等を防ぐことができる。このた
め、試料にはクラックを生じることなく且つ試料台を幾
度も往復させること無く一度の送り動作でノッチの形成
を行うとができ、これにより、従来のように複数回溝切
り作業を行う場合と比較して、作業時間を大幅に短縮す
ることが可能となる。
【0051】さらに、前述した切削廃棄物排出用溝の底
部が、切刃と試料の接触時に試料の溝が形成される面の
上となる深さに設定した場合には、切り屑等の排出物は
排出用溝の外部に排出可能となる。
【0052】そして、切削時に生じる切削廃棄物を吹き
飛ばすエアー噴射機構を設け、エアー噴射機構が有する
エアー吐出部を試料に切削される溝に向けて備えること
により、常に切り屑等の切削廃棄物を除去し、切削廃棄
物などによって生じるクラック等を防ぐことができる。
【0053】本発明は以上のように構成され機能するの
で、これにより、作業時間を短縮することができる従来
にない優れたノッチ加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概略正面図である。
【図2】図1に開示した切刃及び切刃の動作を示す図で
あり、図2(A)は切刃の基本構成であり、図2(B)
は溝を加えた図2(A)の切刃であり、図2(C)は図
2(B)に示す切刃を矢印x方向から見た図を示す。
【図3】図1に開示したノッチ加工装置の動作説明図で
あり、図3(a)及至図3(e)の順番で動作が行われ
る。
【図4】切削時の試料と切刃の位置関係を示す説明図で
ある。
【図5】試料及び試験片を示す斜視図である。
【図6】アイゾット衝撃試験機を示す図であり、図6
(A)は正面図であり、図6(B)は部分拡大図であ
る。
【図7】シャルピー衝撃試験機を示す一部省略した説明
図であり、図7(A)は正面図であり、図7(B)は部
分拡大図であり、図7(C)は図7(B)のZ−Z線に
沿った断面図である。
【図8】従来例を示す概略正面図である。
【図9】図9(A)は、一度に深く切削した場合に試験
片Sのノッチに生じるクラックを示す説明図である。図
9(B)は図8に開示した台形状切刃を示す図である。
【図10】図10は図8に開示した従来のノッチ加工装
置の動作説明図であり、図10(a)及至図10(e)
の順番で動作が行われる。
【符号の説明】
1 試料台 1A 加工面 2A,2B 試料固定手段 3A,3B,3C 段差を持つ切刃の段差を形成する各
切刃 4 切刃保持手段 5 基台 6 モータ 7 操作パネル 8 スライダ 9 ガイドレール 10,50 ノッチ加工装置 11 スライダ伝達駆動手段 12 モータ 13 移動動作付勢手段 14 エアー噴射機構 17 係止手段 s 試料 S 試験片 w 加工される溝の目的深さ α 切削部先端の刃物角

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ平坦な加工面を有し,この加工面上
    に試料を載置する試料台と、この試料台の加工面上に前
    記試料を固定する試料固定手段と、前記試料に溝を切削
    する切削部を備えた切刃と、前記試料台の加工面側に刃
    先を向けて前記切刃を保持する切刃保持手段と、前記切
    刃と前記試料台とを前記加工面に沿った一定の直線方向
    に相対的に移動させる移動動作付勢手段とを備え、 前記切刃が、前記切刃保持手段に保持された状態で、前
    記一定の直線に沿って並んだ方向に複数の切削部を有
    し、これら各切削部を、当該各切削部の先端から前記加
    工面までの距離が、前記切刃の相対的な移動方向の下流
    側から上流側に向かって段階的に短くなる配置とするこ
    とを特徴とするノッチ加工装置。
  2. 【請求項2】 前記切刃の各切削部の間に、切削廃棄物
    排出用溝を設けたことを特徴とする請求項1記載のノッ
    チ加工装置。
  3. 【請求項3】 前記各切削廃棄物排出用溝の底部を、い
    ずれも、切削時に試料の溝が加工される面の上となる深
    さに設定したことを特徴とする請求項2記載のノッチ加
    工装置。
  4. 【請求項4】 切削時に生じる前記切削廃棄物を吹き飛
    ばすエアー噴射機構を有し、当該エアー噴射機構がその
    エアー吐出部を切削される溝に向けて備えたことを特徴
    とする請求項2又は3記載のノッチ加工装置。
JP11092952A 1999-03-31 1999-03-31 ノッチ加工装置 Withdrawn JP2000288830A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011155150A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd 溝加工ツール及びこれを用いた薄膜太陽電池の溝加工方法
CN103240426A (zh) * 2013-05-23 2013-08-14 智豪机械(深圳)有限公司 V槽刨床双刀头刀架
WO2019021410A1 (ja) * 2017-07-27 2019-01-31 三菱電機株式会社 切削チップ、切削工具及び加工装置

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