JP6079154B2 - 液体吐出装置、及び、立体形状被印刷物用治具 - Google Patents

液体吐出装置、及び、立体形状被印刷物用治具 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置、及び、立体形状被印刷物用治具に関する。
液体を吐出するヘッドを有する液体吐出装置は、既によく知られている。かかる液体吐出装置としては、例えば、インクジェットプリンターを挙げることができる。そして、当該液体吐出装置を用いて、立体形状被印刷物に印刷(液体吐出)が行われる場合がある。
特開2007−136764号公報
当該立体形状被印刷物の中には、正面及び側面を備えるものがある。そして、従来、このような立体形状被印刷物の正面及び側面に印刷(液体吐出)を行う場合には、例えば、正面が上向きになるように立体形状被印刷物をセットして印刷(液体吐出)を行って、その後に、側面が上向きになるように立体形状被印刷物を手動でセットし直すことが行われていた。
そして、このことは、ユーザーの負担を増大させていた。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーの利便性を向上させることにある。
主たる本発明は、正面及び側面を備える立体形状被印刷物の該正面及び側面に液体を吐出するヘッドと、
前記立体形状被印刷物を支持し、前記正面及び前記側面のうちの一方が前記ヘッドに対向した状態から回転することにより他方を前記ヘッドに対向させる回転部材と、
を有することを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンター10の構成例を示した模式図である。 プリンター10の全体構成ブロック図である。 カバー用冶具40の斜視模式図である。 回転部材42の正面模式図である。 回転部材42の側面模式図である。 回転部材42にスマートフォンカバー1が支持されている様子を示した正面模式図である。 本実施形態に係るプリンター10によってスマートフォンカバー1に印刷が行われる際の印刷モードを示した図である。 変形例に係るカバー用冶具40を示した模式図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
正面及び側面を備える立体形状被印刷物の該正面及び側面に液体を吐出するヘッドと、
前記立体形状被印刷物を支持し、前記正面及び前記側面のうちの一方が前記ヘッドに対向した状態から回転することにより他方を前記ヘッドに対向させる回転部材と、
を有することを特徴とする液体吐出装置。
かかる液体吐出装置によれば、ユーザーの利便性を向上させることが可能となる。
また、前記回転部材が前記状態から回転する際に、前記ヘッドと前記立体形状被印刷物との距離を調整するために、前記回転部材の鉛直方向における位置を変更する変更機構を有することとしてもよい。
かかる場合には、画質を向上させることが可能となる。
次に、正面及び側面を備える立体形状被印刷物の該正面及び側面に液体を吐出するヘッドを有する液体吐出装置のステージ上に設置される立体形状被印刷物用治具であって、
前記立体形状被印刷物を支持し、前記正面及び前記側面のうちの一方が前記ヘッドに対向した状態から回転することにより他方を前記ヘッドに対向させる回転部材と、
前記回転部材を回転自在に支持する回転部材支持部と、を有することを特徴とする立体形状被印刷物用治具。
かかる立体形状被印刷物用治具によれば、ユーザーの利便性を向上させることが可能となる。
===プリンター10の構成例について===
図1は、液体吐出装置の一例としてのインクジェットプリンター(以下、単に、プリンター10と呼ぶ)の構成例を示した模式図である。図2は、プリンター10の全体構成ブロック図である。
このプリンター10は、非可動部12と可動部14とを備えており、可動部14は非可動部12に対して、Y方向に移動できるようになっている。
非可動部12は、ステージ22と、プリンター10の操作を行うための操作キー24aや操作項目等を表示するためのディスプレイ24bを備える操作パネル24と、プリンター10の電源のオンオフを行うための電源ボタン26と、を有している。
ステージ22は、印刷用紙やフィルム等が載置される矩形平板状の部材である。すなわち、当該ステージ22に置かれた印刷用紙やフィルム等に対し、後述するヘッド27が液体の一例としてのインクを吐出することにより、印刷が成されるようになっている。なお、このステージ22は、上下方向の若干の移動が可能となっている。また、ステージ22は、印刷用紙やフィルム等をバキューム吸着するための吸着機能を備えている。
なお、本実施の形態においては、印刷用紙やフィルム等の薄いシート状の被印刷物への印刷のみならず、立体形状被印刷物への印刷もできるようになっている。以下では、立体形状被印刷物として、正面及び側面を備える立体形状被印刷物、具体的には、スマートフォンのカバー(以下、スマートフォンカバー1と呼ぶ)を例に挙げて説明する。
前述したとおり、被印刷物が薄いシート状の被印刷物である場合には、当該被印刷物はステージ22上に置かれるが、一方で、立体形状被印刷物(スマートフォンカバー1)である場合には、スマートフォンカバー専用の冶具(立体形状被印刷物用冶具に相当。以下、カバー用冶具40と呼ぶ)に置かれる(固定される)。
本実施の形態においては、このカバー用冶具40は、プリンター10に対する付属品となっており、通常はプリンター10から取り外されている。そして、スマートフォンカバー1に印刷を行う際に、当該カバー用冶具40がプリンター本体10aに取り付けられる。すなわち、当該カバー用冶具40は、図1に示すように、ステージ22上の所定の位置に設置されることとなる。なお、当該カバー用冶具40の詳細については、後述する。
可動部14は、ヘッド27と、紫外線照射ユニット28と、キャリッジ29と、ブリッジ部32とを有している。
ヘッド27は、前述した印刷用紙、フィルム、スマートフォンカバー1等に、インクを吐出するためのものである。各ヘッド27の下面には、ノズル(不図示)が複数設けられている。各ノズルには、インクが入った圧力室と、圧力室の容量を変化させてインクを吐出させるための駆動素子が設けられている。駆動素子に駆動信号が印加されることにより、駆動素子は変形し、その変形に伴って圧力室が膨張・収縮することによりインクが吐出される。
なお、本実施形態では、インクとして、紫外線が照射されることによって硬化する紫外線硬化型インクを用いる。ここで、紫外線硬化型インク(以下、UVインクとも呼ぶ)は、ビヒクル、光重合開始剤及び顔料の混合物に、消泡剤、重合禁止剤等の補助剤を添加して調合される。なお、ビヒクルは、光重合硬化性を有するオリゴマー、モノマー等を、反応性希釈剤により粘度調整して調合される。また、UVインクとしては、水性インクと油性インクの両方を含むものとする。
本実施の形態に係るプリンター10は、7色のUVインクを吐出可能である。すなわち、ヘッド27には、白インクWを吐出するためのノズルと、ブラックインクKを吐出するためのノズルと、シアンインクCを吐出するためのノズルと、マゼンタインクMを吐出するためのノズルと、イエローインクYを吐出するためのノズルと、ライトマゼンタインクLmを吐出するためのノズルと、ライトシアンインクLcを吐出するためのノズルとが設けられている。
紫外線照射ユニット28は、ヘッド27が吐出したUVインクに紫外線を照射してUVインクを硬化させるためのものである。この紫外線照射ユニット28は、UVインクに紫外線を照射して硬化させるランプ(例えばメタルハライドランプやLEDなど)を有する。
そして、このヘッド27及び紫外線照射ユニット28は、キャリッジ29に設けられている。キャリッジ29は、図1に示すように、X方向に往復移動できるようになっている。すなわち、キャリッジ29は、不図示のモーターの駆動により、ヘッド27や紫外線照射ユニット28と一体となってX方向へ移動するよう構成されている。なお、可動部14には、X方向に延びる不図示のガイドレールが備えられており、キャリッジ29は、当該ガイドレールに案内されてX方向に往復移動するようになっている。
ブリッジ部32は、キャリッジ29(ヘッド27及び紫外線照射ユニット28)を支持するためのものである。このブリッジ部32は、図1に示すように、アーチ状の形状を有しており、非可動部12(ステージ22)の上側において、当該非可動部12(ステージ22)を取り囲むように設けられている。
前述したとおり、このブリッジ部32は、キャリッジ29(ヘッド27及び紫外線照射ユニット28)を水平方向に往復移動自在に支持しているが、当該ブリッジ部32自体も水平方向に往復移動できるようになっている。すなわち、ブリッジ部32は、Y方向にステージ22に対する相対移動(上述のとおり、本実施の形態においては、ブリッジ部32の方が移動)を行うようになっている。つまり、ブリッジ部32は、不図示のモーターの駆動により、キャリッジ29(ヘッド27や紫外線照射ユニット28)と一体となってY方向へ移動するよう構成されている。
そして、ヘッド27がキャリッジ29と一体的にX方向に移動しつつUVインクを吐出する動作と、ヘッド27がブリッジ部32と一体的にY方向に移動する動作と、が繰り返し行われることにより、ステージ22やカバー用冶具40に置かれた印刷用紙、フィルム、スマートフォンカバー1等に画像が印刷される。
なお、非可動部12には、Y方向に延びるガイド部23が備えられており、ブリッジ部32は、当該ガイド部23に案内されてY方向に往復移動するようになっている。
また、図2に示すように、プリンター10は、コントローラー60と検出器群70とを備えている。外部装置であるコンピューター100から印刷指令(印刷データ)を受信したプリンター10は、コントローラー60により、各ユニット(ヘッド27、紫外線照射ユニット28、キャリッジ29、ブリッジ部32、ステージ22、カバー用冶具40)を制御し、印刷用紙、フィルム、スマートフォンカバー1等に画像を形成する。また、プリンター10内の状況を検出器群70が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー60は各ユニットを制御する。
コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー64と、ユニット制御部63とを有する。インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター100とプリンター10との間でデータの送受信を行う。CPU62はプリンター10全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー64は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、揮発性のメモリーであるRAM、不揮発性のメモリーであるEEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリー64に格納されているプログラムに従って、ユニット制御部63を介して各ユニットを制御する。
また、コントローラー60は、情報のユーザーへの提示を、ディスプレイ24bを制御することにより行い、また、操作キー24a及び電源ボタン26を介してユーザーからの指示を受け取る。
<<<カバー用冶具40について>>>
次に、カバー用冶具40について、図3乃至図6を用いて説明する。図3は、カバー用冶具40の斜視模式図である。図4は、回転部材42の正面模式図である。図5は、回転部材42の側面模式図である。図6は、回転部材42にスマートフォンカバー1が支持されている様子を示した正面模式図である。
カバー用冶具40は、回転部材42と回転部材支持部56とを有している。
回転部材42は、スマートフォンカバー1を支持し、スマートフォンカバー1の正面及び側面のうちの一方(本実施の形態においては、正面)がヘッド27に対向した状態から回転することにより他方(本実施の形態においては、側面)をヘッド27に対向させる。すなわち、本実施の形態に係るプリンター10は、スマートフォンカバー1の正面及び側面のうちの一方を印刷する第一印刷処理を行った後に、他方を印刷する第二印刷処理を実行するようになっており、第一印刷処理終了後短時間で第二印刷処理を開始できるように、回転部材42が、スマートフォンカバー1の前記一方がヘッド27に対向した状態から回転することにより前記他方をヘッド27に対向させるようになっている。
この回転部材42は、図3に示すように、長尺な串状の部材であり、回転部材支持部56により回転自在に支持されている(具体的には、回転部材42の長手方向における両端部が回転部材支持部56により支持されている)。そして、回転部材42は、固定部43と、固定部支持台48と、回転軸部50と、を有している。
固定部43は、スマートフォンカバー1を固定するところである。この固定部43は、スマートフォンカバー1の正面の裏側の面(以下、正面裏と呼ぶ)に接触する正面裏接触部材44と、スマートフォンカバー1の側面の裏側の面(以下、側面裏と呼ぶ)に接触する側面裏接触部材45と、側面裏接触部材45を前記側面裏に付勢するためのバネ部材46と、を有している。
正面裏接触部材44は、図4に示すように、(上側から見たときに)矩形状を有しており(本実施の形態においては、正方形状を有している)、その一辺の長さは、スマートフォンカバー1の横幅よりも小さくなっている。したがって、図6に示すように、スマートフォンカバー1を、正面が上方向に正面裏が下方向に向くように、正面裏接触部材44の上に置くと、スマートフォンカバー1の正面裏が正面裏接触部材44に接触した状態でスマートフォンカバー1が正面裏接触部材44に支持されるようになっている。
側面裏接触部材45は、図5に示すように、(横から見たときに)矩形状を有しており、その側面45aには、図4に示すように、バネ部材46の一端が取り付けられている。また、バネ部材46の他端は、正面裏接触部材44の側面44aに取り付けられている。そのため、側面裏接触部材45は、バネ部材46が伸縮することにより、水平方向(具体的には、回転部材42の長手方向と交差する方向)において移動できるようになっている(すなわち、正面裏接触部材44に近づいたり遠ざかったりすることができるようになっている)。
そして、図6に示すように、この側面裏接触部材45及びバネ部材46は、前記側面44aの反対側の側面にも取り付けられているため、スマートフォンカバー1を正面裏接触部材44の上に置いた状態で、スマートフォンカバー1を二つの側面裏接触部材45によって内側から挟ませることができるようになっている。すなわち、各々の側面裏接触部材45がバネ部材46の付勢力により、スマートフォンカバー1の側面裏に押し付けられて、スマートフォンカバー1が固定部43により固定される。そして、このことにより、スマートフォンカバー1の側面がヘッド27に対向した状態になったとしても、スマートフォンカバー1が固定部43によって固定された状態が適切に維持される。
固定部支持台48は、固定部43を支持するためのものであり、図4及び図5に示すように、円柱形状を備えている。この固定部支持台48は、固定部43(具体的には、正面裏接触部材44)及び回転軸部50にそれぞれ固定されており、回転軸部50から回転軸部50の軸方向と交差する交差方向に延出する延出部となっている(また、延出部の延出方向は、正面裏接触部材44の法線方向に沿っている)。したがって、固定部支持台48は、固定部43を支持しつつ、回転軸部50の回転に伴って回転するようになっている。つまり、固定部43は、固定部支持台48を介して、回転軸部50に取り付けられている。
回転軸部50は、回転することにより、固定部43を回転させて固定部43に固定されたスマートフォンカバー1の向きを変更する(正面を上方向へ向けたり、側面を上方向へ向けたりする)ためのものである。この回転軸部50は、前述したとおり、長尺な部材であり、カバー用冶具40がステージ22上の所定の位置に設置された状態(以下、単に、設置状態と呼ぶ)において、回転軸部50の軸方向は、Y方向に沿っている。また、本実施の形態においては、図3に示すように、一つの回転軸部50に、3つの固定部43がY方向に並ぶように設けられている。そして、このような回転軸部50が、X方向に並ぶように2つ設けられている。すなわち、本実施の形態におけるカバー用冶具40には、同時に、最大6つのスマートフォンカバー1を装着できるようになっている(しかしながら、この数に限定されるものではない)。
なお、本実施の形態に係る回転軸部50の長手方向における端部には、不図示のギヤが備えられており、カバー用冶具40がステージ22上の所定の位置に設置された際に、プリンター本体10a側に設けられたギヤに噛み合うようになっている。そして、プリンター本体10a側に備えられたモーターの駆動により、回転軸部50が回転するようになっている。しかしながら、これに限定されるものではなく、モーターがカバー用冶具40側に設けられていることとしてもよい。
また、本実施の形態においては、回転軸部50の回転角度を検出するための不図示のエンコーダー(前記検出器群のうちの一つ)が設けられており、当該エンコーダーの出力に基づいて、回転軸部50の回転を制御するようになっている。本実施の形態においては、カバー用冶具40の制御(つまり、回転軸部50の回転の制御)はプリンター本体10a側のコントローラー60により行われるが、これに限定されるものではなく、カバー用冶具40側の専用のコントローラーにより行われることとしてもよい。
また、本実施の形態においては、回転軸部50が静止している(回転していない)ときに、回転軸部50の静止状態を保持するための不図示のストッパーが備えられている。
回転部材支持部56は、回転部材42を回転自在に支持するためのものである。この回転部材支持部56は、矩形状を有している。回転部材支持部56は、図3に示すように、矩形の中央部に空間を備えており、当該空間に2つの回転部材42が配置されている。
また、回転部材支持部56は、4本の脚58を備えており、当該4本の脚58がステージ22の所定位置に接地することにより、回転部材支持部56がステージ22上に設置されるようになっている。
===プリンター10の動作例について===
次に、本実施の形態に係るプリンター10の動作例について、スマートフォンカバー1に印刷を行う印刷処理を例に挙げて、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係るプリンター10によってスマートフォンカバー1に印刷が行われる際の印刷モードを示した図である。なお、印刷処理が実行されるときのプリンター10の各種動作は、主としてコントローラー60により実現される。特に、本実施の形態においては、メモリー64に格納されたプログラムをCPU62が処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明する各種の動作を行うためのコードから構成されている。
本実施の形態においては、スマートフォンカバー1の印刷に関して、複数の印刷モードを備えている。すなわち、図7に示すように、スマートフォンカバー1の正面への印刷→スマートフォンカバー1の一側面(図6参照)への印刷→スマートフォンカバー1への他側面(図6参照。前記一側面の反対側の側面)への印刷の順に、連続して印刷を行う第一印刷モードと、正面への印刷→一側面への印刷の順に、連続して印刷を行う(他側面への印刷は行わない)第二印刷モードと、正面への印刷→他側面への印刷の順に、連続して印刷を行う(一側面への印刷は行わない)第三印刷モードと、正面への印刷のみを行う第四印刷モードと、一側面への印刷のみを行う第五印刷モードと、他側面への印刷のみを行う第六印刷モードと、を有している。
以下では、主として、第一印刷モードについて説明する。
前述した設置状態において、コントローラー60が、印刷データ及びモード情報(ここでは、第一印刷モード)を受信すると、スマートフォンカバー1の正面への印刷のための準備を行う。すなわち、コントローラー60は、スマートフォンカバー1の正面がヘッド27に対向するように(すなわち、当該正面が上方を向くように)、回転部材42を制御する。
そして、ヘッド27がキャリッジ29と一体的にX方向に移動しつつ当該正面にUVインクを吐出する動作と、ヘッド27がブリッジ部32と一体的にY方向に移動する動作と、がコントローラー60によって繰り返し行われ、最大6つのスマートフォンカバー1の正面に画像が印刷される。
次に、コントローラー60は、スマートフォンカバー1の一側面への印刷のための準備を行う。すなわち、コントローラー60は、スマートフォンカバー1の一側面がヘッド27に対向するように(すなわち、当該一側面が上方を向くように)、回転部材42を約90度回転させる。
そして、ヘッド27がキャリッジ29と一体的にX方向に移動しつつ当該一側面にUVインクを吐出する動作と、ヘッド27がブリッジ部32と一体的にY方向に移動する動作と、がコントローラー60によって繰り返し行われ、最大6つのスマートフォンカバー1の一側面に画像が印刷される。
次に、コントローラー60は、スマートフォンカバー1の他側面への印刷のための準備を行う。すなわち、コントローラー60は、スマートフォンカバー1の他側面がヘッド27に対向するように(すなわち、当該他側面が上方を向くように)、回転部材42を約180度回転させる。
そして、ヘッド27がキャリッジ29と一体的にX方向に移動しつつ当該他側面にUVインクを吐出する動作と、ヘッド27がブリッジ部32と一体的にY方向に移動する動作と、がコントローラー60によって繰り返し行われ、最大6つのスマートフォンカバー1の他側面に画像が印刷される。
以上の印刷処理により、最大6つのスマートフォンカバー1の正面及び二つの側面に画像が印刷されることとなる。
===本実施の形態に係るプリンター10及びカバー用冶具40の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係るプリンター10は、正面及び側面を備えるスマートフォンカバー1の該正面及び側面にUVインクを吐出するヘッド27と、スマートフォンカバー1を支持し、前記正面及び前記側面のうちの一方がヘッド27に対向した状態から回転することにより他方をヘッド27に対向させる回転部材42と、を有している。そのため、ユーザーの利便性を向上させることが可能となる。
従来、このようなスマートフォンカバー1の正面及び側面に印刷を行う場合には、例えば、正面が上向きになるようにスマートフォンカバー1をセットして印刷を行って、その後に、側面が上向きになるようにスマートフォンカバー1を手動でセットし直すことが行われていた。そして、このことは、ユーザーの負担を増大させていた。
これに対し、本実施の形態においては、前述した回転部材42を設けたことにより、ユーザーは、スマートフォンカバー1をセットし直す煩わしさから解放される。そのため、本実施の形態に係るプリンター10によれば、ユーザーの利便性を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態に係るカバー用冶具40は、スマートフォンカバー1を支持し、前記正面及び前記側面のうちの一方がヘッド27に対向した状態から回転することにより他方をヘッド27に対向させる回転部材42と、回転部材42を回転自在に支持する回転部材支持部56と、を有している。そのため、本実施の形態に係るカバー用冶具40によれば、上記と同様の理由で、ユーザーの利便性を向上させることが可能となる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施の形態においては、液体吐出装置(液体噴射装置)をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態においては、正面及び側面を備える立体形状被印刷物としてスマートフォンカバー1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、正面及び側面を備えるものならどのようなものであってもよい。例えば、弁当箱、箸等であってもよい。
また、上記実施の形態においては、プリンター10として、印刷用紙やフィルム等の薄いシート状の被印刷物と立体形状被印刷物の双方に印刷可能なプリンター10を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、立体形状被印刷物への印刷専用のプリンター10であってもよい。
また、上記実施の形態においては、プリンター本体10aに対して着脱可能な冶具に回転部材42が設けられていることとしたがこれに限定されるものではない。例えば、回転部材42はプリンター本体10a(例えば、ステージ22)に直接設けられていることとしてもよい。
また、上記実施の形態に係る回転部材42は、スマートフォンカバー1の正面がヘッド27に対向した状態から回転することによりスマートフォンカバー1の側面をヘッド27に対向させることとしたが、これに限定されるものではなく、側面がヘッド27に対向した状態から回転することにより正面をヘッド27に対向させることとしてもよい。
また、上記実施の形態においては、側面(一側面と他側面)として、スマートフォンカバー1の4つの側面のうちの右側面と左側面とを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、上側面と下側面であってもよい。
また、図8に示すように(図8の例を変形例と呼ぶ)、回転部材42が前記状態(前記正面及び前記側面のうちの一方がヘッド27に対向した状態)から回転する際に、ヘッド27と立体形状被印刷物(スマートフォンカバー1)との距離を調整するために、回転部材42の鉛直方向における位置を変更する変更機構(すなわち、後述する溝80(特に、鉛直方向延伸部80b))を有することとしてもよい。
すなわち、図8に示すように、変形例に係るカバー用冶具40においては、回転部材支持部56の内側の面に溝80が設けられており、この溝80に回転軸部50の両端部が支持されている。そして、回転部材42(回転軸部50)は、この溝80に沿って移動できるようになっている。
溝80は、図8に表されているように、水平方向(X方向)に延びた水平方向延伸部80aと、図8における水平方向延伸部80aの左端において、鉛直方向に延びた(下がった)鉛直方向延伸部80bと、を備えている。したがって、回転部材42(回転軸部50)が溝80に沿って移動すると(位置P1から位置P2への移動。溝80内の矢印参照)、回転部材42が下方へ落ちるようになっている。
そして、本実施の形態においては、図8に示すように、位置P1で正面に画像が印刷され、位置P2で側面(一側面及び他側面)に画像が印刷されるようになっており、さらに、正面に画像が印刷される際の正面の高さ(換言すれば、鉛直方向における位置)が、側面に画像が印刷される際の側面の高さと同じになるようになっている(換言すれば、鉛直方向延伸部80bの鉛直方向における長さが、位置P1での正面の高さと位置P2での側面の高さとが同じになるような長さに設定されている)。したがって、正面に画像を印刷するときのヘッド27とスマートフォンカバー1の印刷面との距離が側面に画像を印刷するときの当該距離と同じとなるため、正面と側面の画質について統一感が得られ、画質が向上する。
このように、変形例に係るプリンター10には、ヘッド27とスマートフォンカバー1との距離を調整するために(本実施の形態においては、正面に印刷するときと側面に印刷するときとで同じになるように調整する)、回転部材42の鉛直方向における位置を変更する変更機構としての溝80(鉛直方向延伸部80b)が備えられているため、画質を向上させることが可能となる。
1 スマートフォンカバー
10 プリンター、10a プリンター本体
12 非可動部、14 可動部
22 ステージ、23 ガイド部
24 操作パネル
24a 操作キー、24b ディスプレイ
26 電源ボタン
27 ヘッド、28 紫外線照射ユニット
29 キャリッジ
32 ブリッジ部
40 カバー用冶具
42 回転部材
43 固定部
44 正面裏接触部材、44a 側面
45 側面裏接触部材、45a 側面
46 バネ部材
48 固定部支持台
50 回転軸部
56 回転部材支持部、58 脚
60 コントローラー、61 インターフェイス部
62 CPU、63 ユニット制御部
64 メモリー、70 検出器群
80 溝
80a 水平方向延伸部、80b 鉛直方向延伸部
100 コンピューター

Claims (5)

  1. 正面及び側面を備える立体形状被印刷物の該正面及び側面に液体を吐出するヘッドと、
    複数の前記立体形状被印刷物を支持するための複数の固定部と複数の前記固定部を支持し、前記正面及び前記側面のうちの一方が前記ヘッドに対向した状態から回転することにより他方を前記ヘッドに対向させるための回転軸部とを有する回転部材と、
    前記回転部材を支持する回転部材支持部と、
    前記回転部材支持部が設置されるステージと、
    を有し、
    前記回転部材支持部と前記ステージとが互いに着脱可能であることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記回転部材が前記状態から回転する際に、前記ヘッドと前記立体形状被印刷物との距離を調整するために、前記回転部材の鉛直方向における位置を変更する変更機構を有することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 正面及び側面を備える立体形状被印刷物の該正面及び側面に液体を吐出するヘッドを有する液体吐出装置のステージ上に設置される立体形状被印刷物用治具であって、
    複数の前記立体形状被印刷物を支持するための複数の固定部と複数の前記固定部を支持し、前記正面及び前記側面のうちの一方が前記ヘッドに対向した状態から回転することにより他方を前記ヘッドに対向させるための回転軸部とを有する回転部材と、
    前記回転部材を回転自在に支持する回転部材支持部と、を有し、
    前記回転部材支持部が前記ステージに対して着脱可能であることを特徴とする立体形状被印刷物用治具。
  4. 請求項1又は2に記載の液体吐出装置において、
    前記ステージは、シート状被印刷物を吸着するための吸着機能を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1、2及び4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
    前記正面を印刷した後に前記側面を印刷する液体吐出装置。
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