JP2011101838A - パターン描画方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン描画方法および装置において、被描画体の表面に描画されるパターンの歪みやムラを低減することができるようにする。
【解決手段】描画経路を設定する描画経路設定工程S1と、描画経路を点列{p}によって区間に区分する描画経路区分工程S2と、多軸移動手段により各点pを点状領域の中心に順次位置づけるため、各駆動部に設定する位置制御パラメータ組Cを生成する位置制御情報生成工程S3と、i番目の区間の区間距離ΔLを各区間についてそれぞれ算出する区間距離算出工程S4と、区間移動時間Δtを、各区間について区間距離ΔLに比例するように設定する区間移動時間設定工程S5と、区間移動時間Δtの間に位置制御パラメータ組がCからCi+1に遷移するように各駆動部の駆動速度を制御して、被描画体を移動させつつ、描画手段によって描画を行う描画工程S6とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、立体形状を有する被描画体の表面にパターンを描画するパターン描画方法および装置に関する。
従来、例えばインクジェット装置などの描画手段を用いて、立体形状を有する被描画体の表面にパターンを描画するパターン描画方法および装置が知られている。
立体形状を有する被描画体に対してパターン描画する場合、一定方向から例えばインクなどの描画材料を吐出すると、被描画体の立体形状に応じて、斜面上に描画材料が着地するため、被描画体が平面である場合と同様にして描画を行うと、パターンに歪みやムラが生じる。
このようなパターンの歪みやムラを防止するためのパターン描画方法および装置として、例えば、特許文献1には、立体形状を有する印刷対象物に印刷するための記録方法において、前記印刷対象物の立体形状に応じて、印刷部位にドットを生成するための処理の時間間隔を制御したり、印刷部位に応じた速度で前記印刷対象物と印刷手段を相対移動させたりすることによって、平面形状データで平面に印刷した場合と同様な印刷形状となるように、前記立体形状に応じた印刷処理を行うことを特徴とする記録方法と、この記録方法に用いる記録装置が記載されている。
この記録方法では、印刷対象物が円錐形状を含むものであるときには、印刷部位の直径に比例するようにして印刷部位にドットを生成するための処理の時間間隔を制御することや、平面形状データに前記円錐形状のテーパに応じた変換処理を施すことや、印刷部位の直径に比例するように当該印刷対象物の回転速度を制御することなどが開示されている。
特開2001−191514号公報
しかしながら、上記のような従来のパターン描画方法および装置には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、被描画体(印刷対象物)が円錐形状を含むものであるときに、インクの吐出時間や印刷対象物の速度を描画部位の直径に比例するように制御する描画方法が開示されているものの、この技術は、円錐形状を有しない被描画体に適用できるものではないという問題がある。
すなわち、被描画体を描画手段に対して種々の方向に相対移動させる必要のある複雑な構造体の表面にパターンを描画する場合には対応が困難である。例えば、特許文献1に記載の技術では、被描画体の表面の曲面の中心が被描画体を回転させる回転駆動軸の中心と合致していない場合には対応することができない。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、複雑な立体形状を有する被描画体を複数の軸方向に同時に移動させて描画領域である点状領域を移動させ、この点状領域に一定方向から描画を行う場合に、被描画体の表面に描画されるパターンの歪みやムラを低減することができるパターン描画方法および装置を提供することを目的とする。ただし、点状領域とは1信号のみによって描画手段が描画材料を放出する際に描画可能な円状の領域、たとえばインクを1滴吐出した際に被描画体に描画されるドットの領域とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、立体形状を有する被描画体をn自由度(ただし、nは3以上の整数)で移動可能に保持するn個の駆動部を備える多軸移動手段と、点状領域に一定方向から描画する描画手段とを用い、前記多軸移動手段に保持された前記被描画体の表面を前記点状領域に対して移動させつつ前記描画手段によって描画を行うことにより、前記被描画体の表面にパターンを描画するパターン描画方法であって、前記被描画体の表面上に前記パターンを描画するため、描画の時系列に沿う描画経路を前記被描画体の表面上に設定する描画経路設定工程と、該描画経路設定工程で設定された前記描画経路を折れ線近似するため、前記描画経路を該描画経路上の点列{p}(ただし、mを3以上の整数として、i=1,2,…,m)によって(m−1)個の区間に区分する描画経路区分工程と、前記多軸移動手段により前記点列{p}の各点pを前記点状領域の中心に順次位置づけるため、前記各駆動部に設定する位置制御パラメータをcji(ただし、j=1,2,…,n)の組である位置制御パラメータ組C={c1i,c2i,…,cni}をそれぞれ生成する位置制御情報生成工程と、i番目の区間の始点pと終点pi+1との距離である区間距離ΔLを各区間についてそれぞれ算出する区間距離算出工程と、i番目の区間の始点pを前記点状領域の中心に位置づけてから、前記i番目の区間の終点pi+1を前記点状領域の中心に位置づけるまでの時間である区間移動時間Δtを、各区間について前記区間距離ΔLに比例するように設定する区間移動時間設定工程と、前記描画経路上のi番目の区間では、前記区間移動時間Δtの間に位置制御パラメータ組がCからCi+1に遷移するように前記各駆動部の駆動速度を制御して、位置制御パラメータ組をCからCまで変化させることにより前記被描画体を移動させつつ、前記描画手段によって描画を行う描画工程と、を備える方法とする。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のパターン描画方法において、前記区間距離算出工程は、前記区間距離ΔLを、前記位置制御情報生成工程で生成された前記位置制御パラメータ組C、Ci+1の情報に基づいて算出する方法とする。
また、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のパターン描画方法において、前記各駆動部は、互いに直交する3軸であるx軸、y軸、およびz軸に沿う方向に、前記被描画体をそれぞれ移動させるx軸駆動部、y軸駆動部、およびz軸駆動部と、前記被描画体を前記y軸に平行な回転軸であるa軸回りに回転移動させる回転駆動部とからなり、前記点状領域の中心のxyz空間の座標値を(x,y,z)で表し、前記各駆動部の位置制御パラメータを、前記回転駆動部のa軸上の固定点の前記xyz空間における座標値である(x,y,z)と、前記回転駆動部の回転基準からの回転角A(正方向はz軸正方向からx軸正方向側に回転する方向を正とする)とで表すとき、前記位置制御情報生成工程では、前記点列{p}がそれぞれ前記点状領域の中心に位置づけられるときの、前記固定点の座標値(x,y,z)、および回転角Aを用いて、前記位置制御パラメータ組Cを、C={x,y,z,A}として生成し、前記区間距離算出工程では、前記区間距離ΔLを次式(1)〜(5)により算出する方法とする。
Δx=xi+1−x ・・・(1)
Δy=yi+1−y ・・・(2)
=z−z ・・・(3)
ΔA=Ai+1−A ・・・(4)
ΔL=√{(Δx−Z・tanΔA+Δy } ・・・(5)
また、請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載のパターン描画方法において、前記多軸移動手段は、前記駆動部として、回転移動の自由度を有する1以上の回転駆動部を備え、前記位置制御情報生成工程では、前記点列{p}の各点pが前記点状領域の中心に順次位置づけられる際、前記各点pにおける前記回転駆動部の回転軸に直交する平面内における前記被描画体の表面の接線が、前記描画手段が描画する前記一定方向に直交するように、前記位置制御パラメータ組Cを生成する方法とする。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載のパターン描画方法において、前記描画手段は、前記一定方向に沿って前記点状領域から一定距離だけ離間して配置された方法とする。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載のパターン描画方法において、前記描画手段は、前記一定方向が鉛直下向きとなる姿勢で描画を行う方法とする。
また、請求項7に記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載のパターン描画方法において、前記描画手段は、前記一定方向に沿って前記点状領域に向かうインク液滴を吐出することで描画を行う方法とする。
また、請求項8に記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載のパターン描画方法において、前記描画手段は、前記一定方向に沿って前記点状領域に向かうペーストを吐出することで描画を行う方法とする。
また、請求項9に記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載のパターン描画方法において、前記描画手段は、前記一定方向に沿って前記点状領域に向けてレーザ光を照射することで描画を行う方法とする。
請求項10に記載の発明では、立体形状を有する被描画体をn自由度(ただし、nは3以上の整数)で移動可能に保持するn個の駆動部を備える多軸移動手段と、点状領域に一定方向から描画する描画手段とを用い、前記多軸移動手段に保持された前記被描画体の表面を前記点状領域に対して移動させつつ前記描画手段によって描画を行うことにより、前記被描画体の表面にパターンを描画するパターン描画装置であって、前記被描画体の表面上に前記パターンを描画するため、描画の時系列に沿う描画経路を前記被描画体の表面上に設定する描画経路設定部と、該描画経路設定部で設定された前記描画経路を折れ線近似するため、前記描画経路を該描画経路上の点列{p}(ただし、mを3以上の整数として、i=1,2,…,m)によって(m−1)個の区間に区分する描画経路区分部と、前記多軸移動手段により前記点列{p}の各点pを前記点状領域の中心に順次位置づけるため、前記各駆動部に設定する位置制御パラメータcji(ただし、j=1,2,…,n)の組である位置制御パラメータ組C={c1i,c2i,…,cni}をそれぞれ生成する位置制御情報生成部と、i番目の区間の始点pと終点pi+1との距離である区間距離ΔLを各区間についてそれぞれ算出する区間距離算出部と、i番目の区間の始点pを前記点状領域の中心に位置づけてから、前記i番目の区間の終点pi+1を前記点状領域の中心に位置づけるまでの時間である区間移動時間Δtを、各区間について前記区間距離ΔLに比例するように設定する区間移動時間設定部と、前記描画経路上のi番目の区間では、前記区間移動時間Δtの間に位置制御パラメータ組がCからCi+1に遷移するように前記各駆動部の駆動速度を制御して、位置制御パラメータ組をCからCまで変化させることにより前記被描画体を移動させつつ、前記描画手段によって描画を行わせしめる描画制御部と、を備える構成とする。
また、請求項11に記載の発明では、請求項10に記載のパターン描画装置において、前記各駆動部は、
互いに直交する3軸であるx軸、y軸、およびz軸に沿う方向に、前記被描画体をそれぞれ移動させるx軸駆動部、y軸駆動部、およびz軸駆動部と、
前記被描画体を前記y軸に平行な回転軸であるa軸回りに回転移動させる回転駆動部とからなり、
前記点状領域の中心のxyz空間の座標値を(x,y,z)で表し、
前記各駆動部の位置制御パラメータを、前記回転駆動部のa軸上の固定点の前記xyz空間における座標値である(x,y,z)と、前記回転駆動部の回転基準からの回転角A(正方向はz軸正方向からx軸正方向側に回転する方向を正とする)とで表すとき、
前記位置制御情報生成部では、
前記点列{p}がそれぞれ前記点状領域の中心に位置づけられるときの、前記固定点の座標値(x,y,z)、および回転角Aを用いて、
前記位置制御パラメータ組Cを、C={x,y,z,A}として生成し、
前記区間距離算出部では、
前記区間距離ΔLを次式(1)〜(5)により算出する構成とする。
Δx=xi+1−x ・・・(1)
Δy=yi+1−y ・・・(2)
=z−z ・・・(3)
ΔA=Ai+1−A ・・・(4)
ΔL=√{(Δx−Z・tanΔA+Δy } ・・・(5)
本発明のパターン描画方法および装置によれば、描画経路を複数の区間に区分し、各区間の区間距離に比例した区間移動時間を設定することができる、すなわち点状領域に対する描画経路の相対移動速度が略一定となるので、複雑な立体形状を有する被描画体を複数の軸方向に同時に移動させて描画領域である点状領域を移動させ、この点状領域に一定方向から描画材料を描画手段によって一定量放出させ描画を行う場合に、被描画体の表面に描画されるパターンの歪みやムラを低減することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るパターン描画装置の概略構成を示す模式的な正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るパターン描画装置の概略構成を示す模式的な右側面図である。 被描画体の一例を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るパターン描画装置の制御部の機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るパターン描画装置による線状画像、線状画像による塗りつぶしの様子を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るパターン描画方法の工程フローを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るパターン描画方法の描画動作を示す模式的な斜視動作説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るパターン描画方法の区間距離算出工程における区間距離の算出原理を説明するための模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るパターン描画方法の区間距離算出工程における区間距離の計算式を説明するための模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るパターン描画装置の概略構成を示す模式的な正面図である。 本発明の第2の実施形態に係るパターン描画装置の制御部の機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るパターン描画方法の描画工程において被描画体上に描画されたペーストを加熱する際の様子を示す正面図である。
以下では、本発明の実施形態に係るパターン描画方法および装置について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るパターン描画装置について説明する。
図1、2は、それぞれ本発明の第1の実施形態に係るパターン描画装置の概略構成を示す模式的な正面図、右側面図である。図3は、被描画体の一例を示す模式的な斜視図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係るパターン描画装置の制御部の機能ブロック図である。図5(a)、(b)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係るパターン描画装置による線状画像、線状画像による塗りつぶしの様子を説明する模式図である。
なお、各図面は模式図のため、寸法や形状は誇張されている(以下の図面も同じ)。
本実施形態のパターン描画装置1の概略構成は、図1、2に示すように、立体形状を有する被描画体であるワークWを4自由度で移動可能に保持する多軸移動手段である多軸移動部15と、点状領域に一定方向から描画する描画手段であるインクジェット部5と、これらを動作させるための制御を行う制御部11とを備える。
また、多軸移動部15は、4自由度の移動を行うための4個の駆動部として、x軸アクチュエータ7(x軸駆動部)、y軸アクチュエータ8(y軸駆動部)、z軸アクチュエータ9(z軸駆動部)、および回転アクチュエータ10(回転駆動部)を備える。
x軸アクチュエータ7は、制御部11に電気的に接続され制御部11からの位置制御パラメータに基づいて、水平面内の一方向に延ばされたx軸に沿ってワークWを移動させるためのもので、パターン描画装置1の基台を構成する台座2上に固定されている。
y軸アクチュエータ8は、制御部11に電気的に接続され制御部11からの位置制御パラメータに基づいて、水平面内でx軸に直交するy軸に沿ってワークWを移動させるためのもので、y軸に沿って延ばされ、x軸アクチュエータ7によって、x軸に沿って移動可能に保持された基台部8aと、基台部8a上でy軸に沿って移動可能に設けられたスライダ8bとを備える。
z軸アクチュエータ9は、制御部11に電気的に接続され制御部11からの位置制御パラメータに基づいて、x軸およびy軸に直交するz軸(鉛直軸)に沿ってワークWを移動させるためのもので、y軸アクチュエータ8のスライダ8b上にz軸に沿って延ばされた基台部9aと、基台部9a上でz軸に沿って移動可能に設けられたスライダ9bとを備える。
x軸アクチュエータ7、y軸アクチュエータ8、およびz軸アクチュエータ9の構成は、制御部11からの位置制御パラメータに基づいてそれぞれ1軸方向に駆動可能であれば適宜の構成を採用することができる。例えば、回転モータを駆動源とするねじ送り機構、リニアモータ、1軸ロボットなどの適宜の1軸アクチュエータを好適に採用することができる。
回転アクチュエータ10は、制御部11に電気的に接続され制御部11からの位置制御パラメータに基づいて、y軸に平行な回転軸であるa軸回りにワークWを回転移動させるためのもので、スライダ9b上で、a軸を中心にzx平面内に回転可能に設けられた回転テーブル部10aと、回転テーブル部10a上でワークWを保持する保持部10bとを備える。
本実施形態では、回転テーブル部10aにおけるa軸は、z軸アクチュエータ9と交差する位置関係に配置されている。
保持部10bは、本実施形態では、一例として、ワークWの端部を挟んで保持するチャック機構を採用している。
回転アクチュエータ10の構成は、制御部11からの位置制御パラメータに基づいて1軸回りに正逆転可能な回転アクチュエータであれば適宜の構成を採用することができる。例えば、DDモータなどを用いた回転アクチュエータを採用することができる。
以下では、パターン描画装置1内の位置を表すために、上記のx軸、y軸、z軸の3軸を座標軸としたときの座標値(x,y,z)を用いる。座標軸の向きは、z軸の正方向を鉛直下方として、x軸正方向を図1の図示左側(図2の紙面奥側)、y軸正方向を図1の紙面手前側(図2の図示左側)にとる。このため、xyz座標系は左手系直角座標系になっている。
また、多軸移動部15の移動位置を代表する点として、回転テーブル部10a上でa軸と交わる点O(a軸上の固定点)を採用し、x軸アクチュエータ7、y軸アクチュエータ8、z軸アクチュエータ9、および回転アクチュエータ10がそれぞれの移動の中立位置に移動されたときの点OM0を、(xM0,yM0,zM0)と表し、このときの回転アクチュエータ10の回転位置を回転基準として、この回転基準からの回転アクチュエータ10の回転角を回転角Aで表す。回転角Aの正方向は、xyz座標系でy軸正方向から見たときzx平面内で時計回りに回転する方向を正方向とする。
このため、点OM0(xM0,yM0,zM0)から点O(x,y,z)へのベクトルの成分であるx−xM0、y−yM0、z−zM0と、回転角Aとは、それぞれ、x軸アクチュエータ7、y軸アクチュエータ8、z軸アクチュエータ9、回転アクチュエータ10の中立位置からの駆動量に対応している。
すなわち、x,y,z,Aが与えられると、多軸移動部15の各駆動部の中立位置からの駆動量が求められる。そこで、以下では、これらのx,y,z,Aを各駆動部の位置制御パラメータと称する。また、これらをまとめて表す場合、位置制御パラメータ組Cと称し、C={x,y,z,A}などと表記することにする。
ここで、以下の説明に用いるワークWの一例について説明する。
ワークWは、図3に示すように、楕円状の底面が一方向に真直に延ばされた楕円柱の部材からなる。
本実施形態でのワークWの保持形態は、図2に示すように、一方の端面が回転テーブル部10aの表面に当接されるとともに、この端面の中心Wが点Oと一致するように、保持部10bによって楕円断面の短径方向に挟持される。
このため、本実施形態では、ワークWの中心軸wがa軸に整列され、ワークWが回転テーブル部10aの表面からy軸正方向に向かって、y軸に沿う方向に突出して保持されている。
インクジェット部5は、図1、2に示すように、制御部11に電気的に接続され制御部11の制御に基づいて、適宜のインクジェット機構、例えば、ピエゾ素子などを用いたインクジェット機構を用いて、単一のインク吐出口5aから一定量の微細なインク液滴6を一定方向に向けて吐出し、このインク液滴6をワーク表面Sに着弾させて描画を行う描画手段である。インク液滴6は、ワーク表面Sに着弾すると円状に広がってドット画像が形成されるため、インクジェット部5は点状領域に描画する描画手段になっている。
本実施形態ではインクジェット部5は、インク吐出口5aを鉛直下向きに向け、インク液滴6の吐出方向が鉛直下方に一致する姿勢で、台座2に立設された複数の支柱3の間に架設された板状の描画手段保持部4の下面に設置されている。
インクジェット部5から吐出するインク材料としては、ワークWに描画するパターンの種類や用途によって、適宜のインク材料を採用することができる。
例えば、パターンが、ワーク表面Sに文字や画像が印刷された印刷パターンである場合には、印刷用インクを採用することができる。
また、パターンが、ワーク表面Sに導電性の配線パターンあるいは回路パターンである場合には、導電性の微粒子を分散させた導電性インク、例えば、微細な銀粒子を分散させた銀ナノインクなどを採用することができる。
インクジェット部5から吐出されるインク液滴6は、飛距離によって、着弾時間や描画位置精度や描画のドット形状などが変化するため、本実施形態では、インク吐出口5aから鉛直軸に沿って一定距離hだけ下側の描画位置Dに、ワーク表面Sの特定位置を位置づけて、描画位置Dを中心とした直径dのドット画像を描画するようにしている。
制御部11は、パターン描画装置1の装置動作を制御するものであり、図4に示すように、x軸アクチュエータ7、y軸アクチュエータ8、z軸アクチュエータ9、回転アクチュエータ10、およびインクジェット部5に電気的に接続され、それぞれに対してそれらの動作を制御する制御信号を送出できるようになっている。
また、制御部11には、パターン描画装置1の起動停止などの操作入力や描画条件の設定などを行うための操作部12と、ワークWおよびワーク表面Sに描画するパターンの3次元形状データを制御部11に供給するデータ供給手段13とが、電気的に接続されている。
操作部12としては、例えば、キーボードやマウスなどを採用することができる。
また、データ供給手段13としては、ワークWやパターンの3次元形状データを供給できれば特に限定されない。例えば、3次元CAD、3次元形状読み取り装置、あるいは、これらの装置により予め作成された3次元形状の数値データを記憶した記憶装置などの例を挙げることができる。
制御部11の機能構成としては、図4に示すように、装置制御部26、描画経路設定部20、描画経路区分部21、位置制御情報生成部22、区間距離算出部23、区間移動時間設定部24、記憶部25、描画手段制御部27、および駆動制御部28を備える。
装置制御部26は、操作部12からの入力に基づいて、描画経路設定部20、描画手段制御部27、駆動制御部28に制御信号を送出してこれらの動作を制御するとともに、データ供給手段13から供給されたワークWおよびワーク表面Sに描画するパターンの3次元形状データを描画経路設定部20および記憶部25に送出するものである。
描画経路設定部20は、装置制御部26から送出されたワークWおよびパターンの3次元形状データに基づいて、ワーク表面S上にパターンを描画するため、描画の時系列に沿う描画経路をワーク表面S上に設定するものである。
描画経路設定部20では、パターンの3次元形状データを解析してワーク表面S上のパターンを線状画像によって塗りつぶす経路を生成し、これを描画経路として描画経路区分部21に送出できるようになっている。
インクジェット部5によってインク液滴6を一定の時間間隔Δτで吐出しながら、描画位置Dを水平方向に横切るようにワーク表面Sを移動させると、図5(a)に示すように、ワーク表面S上に、順次、中心がずれた複数のドット画像Iが描画される。このとき、時間間隔Δτの間にワーク表面Sが移動する単位移動距離ΔMをドット画像Iの直径dよりも小さい一定値とすることにより、移動方向においてドット画像Iが重なり、線幅がd(ただし、0<d<d)からdまでの間で変化する線状画像Iが形成される。
そこで、本実施形態では、装置制御部26から送出されたパターンを線幅d=(d+d)/2の線状パターンPL1の組合せに分割し、線状パターンPL1の線幅の中心線Lを描画経路に設定するようにしている。
例えば、図5(b)に示すように、線幅がdより太く2d以下の線状パターンPL2は、線状画像Iの中心線Lをコ字状、あるいはU字状に屈曲させて描画経路とし、線状画像Iを間隔d(ただし、0<d≦d)で並列に配置することで、線状パターンPL2を塗りつぶすようにする。
なお、パターン描画の目的により、インクの重なりによる層厚変化が許容されない場合には、d=dとして、線幅dの単位でパターンを分割して描画経路を設定する。
また、これら線状パターンは、直線状とは限らず、適宜湾曲させる描画経路を採用することができる。
なお、描画経路は、パターンに対して1本には限定されない。例えば、ワーク表面Sの曲率がzx平面内で不連続に変わるような形状では、回転アクチュエータ10の回転角を急峻に変化させる必要がある点が発生する。本実施形態では、このような点が発生した場合、この点で描画経路を分割するようにしている。このため、描画経路設定部20で設定される描画経路内では、回転アクチュエータ10の回転角は滑らかに変化するものとしてよい。
また、描画経路設定部20では、描画経路を構成する各点の座標の計算は、ワークWに固定された適宜の座標系で行ってもよいが、本実施形態の描画経路区分部21では、多軸移動部15の各駆動部が中立位置にある状態で回転アクチュエータ10にワークWを保持した状態におけるxyz座標系での計算を行うようにしている。このため、予め描画経路もこのようなxyz座標系で算出しておくか、あるいは適宜の座標系で座標データを計算した後、描画経路設定部20から描画経路区分部21に送出するまでの間に座標変換を行うようにする。
すなわち、本実施形態の描画経路Lは、例えば、xyz座標系の座標値で、k個の点q(x,y,z)(ただし、kを3以上の整数として、j=1,2,…,k)からなる点列{q}として表される。
ここで、点qの個数kは、ワークWの3次元形状データの分解能に応じて、適宜選択することができる。
以下では、簡単のため、パターンが、図3に示すように、ワーク表面S上の点qを始点として、ワーク表面S上を螺旋状に周回した後、点qで終端される曲線に沿って描画されるものとする。またこのパターンの線幅は、線状パターンPの線幅dに等しいものとする。
この場合、描画経路Lは、描画経路設定部20により、始点qから終点q間を結ぶ1本の曲線として設定される。
描画経路区分部21は、描画経路Lを折れ線近似するため、描画経路Lを点列{p}(ただし、mを3以上k以下の整数として、i=1,2,…,m)によって(m−1)個の区間[p,pi+1]に区分し、点列{p}のデータを位置制御情報生成部22に送出するものである。ただし、p=q、p=qである。
ここで、各区間[p,pi+1]は、第1の条件として、次式(6)で表される区間距離ΔLが、区間[p,pi+1]に含まれるK個(Kは2以上の整数)の点列qi1,…,qiKのなす経路長との差が許容値以下となるように設定される。
許容値としては、インク液滴6によって形成されるドット画像の位置ずれによるパターンの形成不良が起きない値を採用すればよい。
ΔL=√{(xi+1−x+(yi+1−y+(zi+1−z
・・・(6)
ここで、p(x,y,z)、pi+1(xi+1,yi+1,zi+1)である。
また、第2の条件として、各区間[p,pi+1]は、区間距離ΔLが、多軸移動部15の駆動分解能以上の長さとなるように設定される。これは、点pから点pi+1の間の移動距離が多軸移動部15の駆動分解能によって「丸められる」結果、実質的にワーク表面Sの移動が停止されることを防止するためである。
したがって、点列{q}の隣接2点間の距離qi+1が多軸移動部15の駆動分解能以上の長さとなっていれば(第2の条件を満たしていれば)、点列{p}として、点列{q}自体を採用してもよい(m=k)。
これ以外の場合、描画経路設定部20において、上記第1、第2の条件を満たすように、描画経路Lを区分して点列{p}を生成する。
区分するアルゴリズムは、曲線を折れ線近似するための周知のいかなるアルゴリズムを採用してもよい。
例えば、描画経路Lの曲率半径が最も小さくなる部位において、上記第1、第2の条件を満たすような最小区間距離を定め、この最小区間距離で全体を等分するように区分してもよい。
また、点qの個数kが十分大きい場合には、点列{q}を一定添字間隔で間引くことで区分して、上記第1、第2の条件が満たされるかどうか確認し、条件が満たされるまで、区間の間引き方を代えてもよい。
また、描画経路Lを試行的に区分して、各区間で上記第1、第2の条件が満たされるか確認し、条件が満たされない区間をさらに細分することを繰り返して、描画経路Lを不等間隔に区分してもよい。
位置制御情報生成部22は、回転アクチュエータ10の保持されたワークWを多軸移動部15により移動させて、点列{p}の各点pを描画位置Dにそれぞれ位置づけるため、各駆動部に設定するための位置制御パラメータ組Cを生成するものである。
本実施形態の多軸移動部15の移動自由度は、a軸回りの回転を含む4自由度を有するため、点pを描画位置Dに位置づける際、zx平面内で、ワーク表面Sの回転移動を行ってzx平面内の姿勢を変更することができる。
そこで、本実施形態では、各点pを描画位置Dにそれぞれ位置づける際、各点pにおけるzx平面内の接線がz軸と直交する姿勢となるように移動させる。
また、位置制御パラメータ組Cとしては、このような姿勢で、各点pが描画位置Dに位置づけられるときの、点Oの座標値(x,y,z)=(xpi,ypi,zpi)と、回転角Apiとを用いて、C={xpi,ypi,zpi,Api}として生成するようにしている。
生成された位置制御パラメータ組Cは、記憶部25および区間距離算出部23に送出されるようになっている。
区間距離算出部23は、位置制御情報生成部22から送出された位置制御パラメータ組Cを用いて、i番目の区間の始点pと終点pi+1との距離である区間距離ΔLを各区間について、次式(1)〜(5)によって算出し、各ΔLを区間移動時間設定部24に送出するものである。
Δxpi=xp(i+1)−xpi ・・・(1)
Δypi=yp(i+1)−ypi ・・・(2)
pi=zpi−z ・・・(3)
ΔApi=Ap(i+1)−Api ・・・(4)
ΔL=√{(Δxpi−Zpi・tanΔApi+Δypi } ・・・(5)
ここで、zは、描画位置Dのz座標値である。
区間移動時間設定部24は、i番目の区間の始点pを描画位置Dに位置づけてから、i番目の区間の終点pi+1を描画位置Dに位置づけるまでの時間である区間移動時間Δtを、各区間について区間距離ΔLに比例するように設定し、記憶部25に送出するものである。
記憶部25は、装置制御部26から送出されたワークWおよびワーク表面Sに描画するパターンの3次元形状データ、位置制御情報生成部22から送出された各位置制御パラメータ組C、および区間移動時間設定部24から送出された各区間移動時間Δtを記憶するものである。
描画手段制御部27は、インクジェット部5と電気的に接続され、装置制御部26からの制御信号に基づいて、インクジェット部5による描画の開始および停止を制御するものである。
駆動制御部28は、x軸アクチュエータ7、y軸アクチュエータ8、z軸アクチュエータ9、回転アクチュエータ10と電気的に接続され、記憶部25に記憶された各位置制御パラメータ組Cおよび各区間移動時間Δtに基づいて、これらの動作を制御するものである。
すなわち、装置制御部26による駆動を開始する制御信号を受けると、区間移動時間Δtの間に位置制御パラメータ組がCからCi+1に遷移するように各駆動部の駆動速度を制御して、位置制御パラメータ組C,C,…,Cに対応する位置に各駆動部を駆動するものである。
このため、装置制御部26、描画手段制御部27、および駆動制御部28は、描画制御部を構成している。
制御部11の装置構成としては、本実施形態では、CPU、メモリ、入出力インターフェース、外部記憶装置などを備えるコンピュータを採用しており、これにより上記に説明した各制御機能、演算機能を実現するための制御プログラム、演算プログラムが実行されるようになっている。
次に、本実施形態のパターン描画方法について、パターン描画装置1の動作とともに説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るパターン描画方法の工程フローを示すフローチャートである。図7(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態に係るパターン描画方法の描画動作を示す模式的な斜視動作説明図である。図8は、本発明の第1の実施形態に係るパターン描画方法の区間距離算出工程における区間距離の算出原理を説明するための模式図である。図9(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態に係るパターン描画方法の区間距離算出工程における区間距離の計算式を説明するための模式図である。
本実施形態のパターン描画方法は、図6に示すように、描画経路設定工程S1、描画経路区分工程S2、位置制御情報生成工程S3、区間距離算出工程S4、区間移動時間設定工程S5、および描画工程S6を、この順に行う方法である。
パターン描画装置1が起動されると、制御部11によって多軸移動部15の各駆動部の位置が移動の中立位置に初期化される。
次に、操作者は、回転アクチュエータ10の保持部10bにワークWを保持させる。
また、データ供給手段13にはワークWおよびワーク表面Sに描画するパターンの3次元形状データを用意しておく。例えば、ワークWおよびワーク表面S上のパターンの形状を3次元CADで作成して、その3次元形状データを制御部11に接続されたハードディスクなどの記憶装置に記憶させておく。
このような準備を終えたら、操作部12を介して、制御部11の装置制御部26に描画経路設定工程S1を開始させる操作入力を行う。これにより描画経路設定工程S1が開始される。
描画経路設定工程S1では、まず、装置制御部26によってデータ供給手段13からワークWおよびワーク表面Sに描画するパターンの3次元形状データを取り込む。装置制御部26は、これらの3次元形状データを記憶部25に送出して記憶させるとともに、描画経路設定部20に送出して、描画経路設定部20による演算処理を開始させる制御信号を送出する。
描画経路設定部20は、ワーク表面S上にパターンを描画するため、装置制御部26から送出されたワークWおよびパターンの3次元形状データに基づいて、描画の時系列に沿う描画経路をワーク表面S上に設定する。本実施形態では、パターンの3次元形状データを解析してワーク表面S上のパターンを線幅dの線状パターンの組合せによって塗りつぶす描画経路を生成する。
例えば、図3に示すような線幅dの螺旋状の曲線からなるパターンであれば、その線幅の中心線からなる描画経路Lを設定し、描画経路Lを表す点列{q}を生成して、描画経路区分部21に送出する。描画経路Lは、ワーク表面Sの形状によっては、それぞれzx平面内の曲率変化が滑らかに変化する複数本の経路として設定することができるが、以下では、描画経路Lのみの場合の例で説明する。
以上で、描画経路設定工程S1が終了する。
次に、描画経路区分工程S2では、描画経路区分部21によって、描画経路Lを描画経路L上の点列{p}によって区間[p,pi+1]に区分し、点列{p}のデータを位置制御情報生成部22に送出する。
以上で、描画経路区分工程S2が終了する。
次に、位置制御情報生成工程S3では、位置制御情報生成部22によって、描画経路区分部21から送出された点列{p}のデータに基づいて、位置制御パラメータ組Cを生成し、この記憶部25および区間距離算出部23に送出する。
以上で、位置制御情報生成工程S3が終了する。
次に、区間距離算出工程S4では、区間距離算出部23によって、上記式(1)〜(5)に基づいて、区間距離ΔLを算出し、区間移動時間設定部24に送出する。以上で、区間距離算出工程S4が終了する。
ここで、式(5)の計算が、上記式(6)のよい近似になっていることを図7(a)、(b)、図8、図9(a)、(b)を参照して説明する。
多軸移動部15の各駆動部が、位置制御パラメータ組Cに基づいて制御されると、図7(a)に示すように、点pが、描画位置Dに位置づけられる。このとき、回転アクチュエータ10上の点Oは、O(xpi,ypi,zpi)に移動し、回転アクチュエータ10の回転角はApiになっている。この状態から描画経路Lを通って区間移動時間Δt後には、多軸移動部15の各駆動部が、位置制御パラメータ組Ci+1に基づいて制御され、図7(b)に示すように、点pi+1が、描画位置Dに位置づけられる。
このとき、多軸移動部15の各駆動部が、位置制御パラメータ組CからCi+1に変化にすることにより、点Oの座標値は、O(xp(i+1),yp(i+1),zp(i+1))に変化し、回転アクチュエータ10の回転角はAp(i+1)になる。
図7(a)、(b)では、点p、点pi+1におけるzx平面とワーク表面Sとの交線をそれぞれ曲線S、曲線Si+1で示している。また、点Qは、点pi+1を通りa軸を含む平面と曲線Sとの交点を示す。
三角形pQpi+1が直角三角形になることから、斜辺に対応する区間距離ΔLは、y軸方向の線分Qpi+1と、zx平面内の線分pQの長さとから、三平方の定理によって求めることができる。
また、このような移動は、x軸アクチュエータ7、y軸アクチュエータ8、z軸アクチュエータ9による並進移動と、回転アクチュエータ10による回転移動とに分けて考えることができる。a軸は、y軸と平行に配置されているため、回転アクチュエータ10の移動はy軸方向の移動量には影響しない。このため、線分Qpi+1の長さは、|yp(i+1)−ypi|=|Δypi|に等しい。
一方、線分pQは、a軸回りの回転運動と、x軸方向の移動とを合成したものとなる。例えば、図7(b)をy軸正方向から見ると、図8のようになる。ただし、図8は、理解を容易化するため形状を単純化し、破線の補助線を追加している。
本実施形態では、点p、点pi+1でのzx平面内での接線がz軸に直交するように移動させるため、zx平面内において、点pから点pi+1(点Q)への移動は、描画位置D(z,x)を通りz軸に平行な直線上の点Rを回転中心とした回転移動と等価になっている。ところが、本実施形態のワーク表面Sは楕円面であり、a軸回りの回転半径は場所によって異なり点Rとは一致しない。したがって、図9(a)に示すように、a軸が点a(zpi,xpi)の位置にあるとき、点pi+1のzx平面内での接線がz軸に直交するように回転移動させると、点pi+1は描画位置Dを通り過ぎた点uまで回転され、点pを点p’に、点Qを点Q’(点pi+1’)に移動させる。図9(a)の例では、点p’、点Q’は、いずれも、描画位置Dよりもx軸正方向側、かつz軸負方向側である。
この回転によりzx平面内でのx=xを通過したワーク表面S上の長さは、円弧p’uである。ここで、点p’でのzx平面内の接線を延長してx=xの直線と交点である点vを考えると、ΔApiが微小角であるため線分p’vの長さは円弧p’uの長さに等しいとしてよく、|−Zpi・tanΔApi|に等しくなる。
次に、図9(b)に示すように、zx平面内で、点Q’をx軸方向、z軸方向にそれぞれΔxpi=xp(i+1)−xpi、Δzpi=zp(i+1)−zpiだけ平行移動させて、点Q’を点(z,x)に並進移動させる。これにより、y軸方向の移動量Δypiと合わせて、図8に示すような、点pi+1が描画位置Dに位置づけられる位置関係に移動される。
したがって、zx平面内での移動量pQは、符号を込めて近似的に、Δxpi−Zpi・tanΔApiと表される。
このように、線分pi+1の長さである区間距離ΔLは、上記式(5)で精度よく近似されることが分かる。
図8、図9(b)では理解を容易化するためz軸方向の移動Δzpiも含めて示したが、z軸方向のインク吐出口5aから描画位置Dの距離hを確保するための移動であり、zx平面内での移動量pQには影響しない。
次に、区間移動時間設定工程S5では、区間移動時間設定部24によって、区間距離算出部23から送出された各区間距離ΔLに基づき、区間移動時間Δtを各区間について区間距離ΔLに比例するように設定し、設定された区間移動時間Δtを各記憶部25に記憶させる。
以上で、区間移動時間設定工程S5が終了する。
次に、描画工程S6は、操作部12から操作者が描画開始の操作入力を行うことにより開始される。装置制御部26は、描画開始の操作入力を受けて、記憶部25に、各位置制御パラメータ組をC、各区間移動時間Δtが記憶されていることを確認し、各位置制御パラメータ組をCおよび各区間移動時間Δtを駆動制御部28に送出し、駆動制御部28によって、多軸移動部15の各駆動部を位置制御パラメータ組Cに基づいて駆動制御させる。
これにより、ワークW上の点pが描画位置Dに位置づけられる。
次に、装置制御部26は、描画手段制御部27および駆動制御部28に対して、それぞれによる描画動作制御および駆動制御を、例えば時刻tから時刻t+Tの間継続して行う制御信号を送出する。ここでTは、区間移動時間Δtの総和である。
これにより、描画手段制御部27は、時刻tから時刻t+Tの間、予め定められた時間間隔Δτで、インク液滴6を吐出させる制御を行う。
また、駆動制御部28は、時刻tから時刻t+Δtの間に、位置制御パラメータ組CがCに遷移するように、x軸アクチュエータ7、y軸アクチュエータ8、z軸アクチュエータ9、回転アクチュエータ10の駆動速度を制御して、位置制御パラメータ組Cに変化させることで、ワーク表面S上の点pが時刻t+Δtに描画位置Dに位置づけられる。以下、同様にして、時刻t+Δt+…+Δti−1から時刻t+Δt+…+Δti−1+Δtiの間に、位置制御パラメータ組CをCi+1に変化させていく。
このような駆動制御によれば、描画位置Dに対して、描画経路Lが点pから点pi+1まで相対移動してゆき、その移動速度Vは、V=ΔL/Δtは、区間によらず一定となる。したがって、描画位置Dでは、ワーク表面Sが近似的に等速で相対移動するため、インク液滴6によるドット画像が、描画経路L上で略等間隔に一定方向から形成され、線幅が均一な線状画像が描画されていく。
これにより、時間Tの間に一つの描画経路Lに基づくパターンが描画されていく。
以上で、描画工程S6が終了する。
なお、描画経路Lが複数ある場合は、描画経路Lごとに上記各工程を繰り返せばよい。
描画工程S6は、描画経路上のi番目の区間では、区間移動時間Δtの間に位置制御パラメータ組がCからCi+1に遷移するように各駆動部の駆動速度を制御して、位置制御パラメータ組をCからCまで変化させることによりワークWを移動させつつ、インクジェット部5によって描画を行う工程となっている。
このように、本実施形態によれば、一定時間間隔で一定方向からインク液滴6を吐出するインクジェット部5を描画手段として、多軸移動部15を用いて、ワーク表面Sにパターンを描画することができる。その際、描画位置Dにおいて、描画経路Lの相対移動速度が近似的に等速となるため、ワークWが複雑な立体形状を有する被描画体であっても、一定方向から一定時間間隔で形成されるインク液滴6によるドット画像の描画経路Lに沿った距離が略一定となるため、ワーク表面Sに描画されるパターンの歪みやムラを低減することができる。
一般にインクジェット機構では、1つの機構によりドット画像のドット径を変調するなどして描画することは難しいが、本実施形態では、描画手段の描画条件を一定にして、描画を行うため、最適な描画条件で描画でき、安定した描画を高精度に行うことができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るパターン描画装置について説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係るパターン描画装置の概略構成を示す模式的な正面図である。図11は、本発明の第2の実施形態に係るパターン描画装置の制御部の機能ブロック図である。
本実施形態のパターン描画装置1Aは、図10、11に示すように、上記第1の実施形態のパターン描画装置1のインクジェット部5、制御部11に代えて、ペーストディスペンサ部30(描画手段)、制御部11Aを備え、さらに、レーザ照射部33と、描画手段保持部4の下面側でペーストディスペンサ部30およびレーザ照射部33のx軸方向の位置を、2位置の間で切り換え可能に保持する切換機構35とを追加したものである。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
ペーストディスペンサ部30は、例えば、エアシリンジの先端に設けられたペーストノズル31からペースト32を一定速度で押し出すことにより、ワークWに描画を行うものである。ペーストディスペンサ部30のエアシリンジは、制御部11Aに電気的に接続され制御部11Aの制御に基づいて、ペースト32の押し出しを行えるようになっている。
ペースト32としては、加熱することによって硬化されるペースト材料であれば、ワークWに描画するパターンの種類や用途によって、適宜のペースト材料を採用することができる。本実施形態では、ワーク表面Sに導電性の配線パターンあるいは回路パターンを形成するため、導電性の微粒子を分散させた導電性インク、例えば、微細な銀粒子を分散させた銀ペーストなどを採用している。
また、ペーストディスペンサ部30は、ペーストノズル31の吐出口が鉛直下方に向けた状態で切換機構35に固定されている。ペーストノズル31の吐出口は、切換機構35によって1つの切り換え位置に移動されたときに、描画位置Dの鉛直上方位置に配置され、ペーストノズル31から押し出されるペースト32の中心が描画位置Dに着地するようになっている。
このため、ペーストディスペンサ部30は、描画位置Dを中心としたペースト32の径に等しい点状領域に鉛直方向から描画する描画手段になっている。
レーザ照射部33は、ワーク表面S上に描画されたペースト32を加熱して、硬化させ、ワーク表面S上に定着させるものであり、制御部11Aに電気的に接続され制御部11Aの制御に基づいてレーザ光34(図12参照)を発振する適宜のレーザ発振器と、このレーザ光34を上方から鉛直下方に向かってz=zの平面上に集光させる集光光学系とを備えてなる。
集光位置におけるレーザ光34のスポット径は、ペーストディスペンサ部30から押し出されたペースト32の太さに略等しい大きさに設定される。
また、レーザ照射部33は、レーザ光34の光軸が鉛直軸に沿うような姿勢で切換機構35に固定されている。レーザ光34の集光位置は、切換機構35によってペーストディスペンサ部30がもう1つの切り換え位置に移動されたときに、描画位置Dに一致する位置に配置されるようになっている。
制御部11Aは、図11に示すように、上記第1の実施形態の描画手段制御部27、装置制御部26に代えて、描画手段制御部27A(描画制御部)、装置制御部26A(描画制御部)を備える。
描画手段制御部27Aは、ペーストディスペンサ部30およびレーザ照射部33と電気的に接続され、装置制御部26Aからの制御信号に基づいて、ペーストディスペンサ部30による描画の開始および停止と、レーザ照射部33によるレーザ光34の照射開始および停止とを制御するものである。
次に、パターン描画装置1Aの動作について説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るパターン描画方法の描画工程において被描画体上に描画されたペーストを加熱する際の様子を示す正面図である。
パターン描画装置1Aでは、上記第1の実施形態に説明したパターン描画方法と同様にして、ワークWのワーク表面S上にパターンを描画するが、描画工程S6における描画手段としてインクジェット部5に代えてペーストディスペンサ部30が用いられる点のみが異なる。
まず、図10に示すように、切換機構35の位置を、ペーストディスペンサ部30のペーストノズル31の吐出口が描画位置D上となる位置に切り換える。
そして、上記第1の実施形態の描画経路設定工程S1、描画経路区分工程S2、位置制御情報生成工程S3、区間距離算出工程S4、および区間移動時間設定工程S5を同様にして行う。
次に、描画工程S6では、まず、装置制御部26Aは、駆動制御部28を介して上記第1の実施形態と同様の駆動制御を行う。また、装置制御部26Aは、描画手段制御部27Aを介して、インクジェット部5の代わりにペーストディスペンサ部30を用いて描画を開始させる。
ペーストディスペンサ部30による描画が開始されると、ペーストノズル31からは、ペースト32が一定速度で、一定太さの線状に押し出される。一方、ワーク表面Sは駆動制御部28に制御される多軸移動部15によって、描画位置Dに対して一定速度で移動されるから、ワーク表面S上に着地したペースト32は、描画経路Lに沿って、一定の太さで線状に着地していく。このため、ワーク表面S上のパターンは、このような線状のペースト32によって塗りつぶされていく。
このようにしてペーストディスペンサ部30による描画が終了すると、次に、装置制御部26Aは、駆動制御部28に制御信号を送出して、描画経路L上の点pを描画位置Dに位置づけるように多軸移動部15を駆動して、この位置に待機させる。
この状態で、操作者は、図12に示すように、切換機構35の位置をレーザ光34の集光位置が描画位置Dに位置するように切り換えて、操作部12からレーザ照射部33による加熱開始の操作入力を行う。
装置制御部26Aは、加熱開始の操作入力を受けると、駆動制御部28を介して上記第1の実施形態と同様の駆動制御を行う。ただし、各駆動部の駆動速度の絶対値は、レーザ光34によってペースト32を適宜温度に加熱するのに必要なエネルギー量に合わせた速度とする。例えば、ペースト32が固化する温度が120℃であれば、レーザ光34の光エネルギーによってペースト32を120℃に加熱できる駆動速度とする。なお、ペースト32の描画時と同じ速度であってもレーザ光34の出力によって、適切な加熱温度を得ることができれば、ペースト32を描画したときと同じ速度としてもよい。
これと同時に、装置制御部26Aは、描画手段制御部27Aを介して、レーザ照射部33によるレーザ光34の照射を開始させる。
このようにして、レーザ光34がワーク表面S上に描画されたペースト32上に順次等速で照射され、描画経路L上のペースト32が均一に加熱され、ペースト32が硬化するとともに、ワーク表面Sに定着されていく。
描画経路L上のすべてのペースト32に対してレーザ光34の照射がされたら、描画工程S6を終了する。
このように、本実施形態によれば、ペーストディスペンサ部30を描画手段として、多軸移動部15を用いて、ワーク表面Sにパターンを描画することができる。その際、描画位置Dにおいて、描画経路Lの相対移動速度が近似的に等速となるため、ワークWが複雑な立体形状を有する被描画体であっても、一定方向から一定速度で線状に押し出されるペースト32がワーク表面Sに描画されていくため、ワーク表面Sに描画されるパターンの歪みやムラを低減することができる。
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
本変形例のパターン描画装置は、上記第2の実施形態のレーザ照射部33、切換機構35を削除して、ペーストノズル31の吐出口が描画位置Dの上方に位置するようにペーストディスペンサ部30を描画手段保持部4に固定し、制御部11Aに代えて制御部11を備えるものである。
本変形例によれば、上記第1の実施形態と同様にして、ペーストディスペンサ部30によりパターンを描画する。
例えば、ペースト32が自然乾燥可能なペースト状のインクの場合などは、これにてパターンの描画が終了する。
また、上記第2の実施形態のように、ペースト32が、例えば銀ペーストなどからなり加熱工程が必要な場合には、回転アクチュエータ10からワークWを取り外した後、ワークWを加熱槽に移して加熱処理を行ってペースト32を硬化させる。
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。
本変形例のパターン描画装置は、ワーク表面Sにレーザ光34を照射することにより、レーザ光34の照射位置でワーク表面Sを、例えば、揮発、溶解、熱変色、あるいは熱変形させて、レーザ光34により改質しうるワーク表面Sを有するワークWに描画を行うものであり、上記第2の実施形態のペーストディスペンサ部30、切換機構35を削除して、レーザ光34の集光位置が描画位置Dに位置するようにレーザ照射部33を描画手段保持部4に固定し、制御部11Aに代えて制御部11を備えるものである。
本変形例によれば、上記第1の実施形態と同様にして、レーザ照射部33によりパターンを描画する。
本変形例のレーザ照射部33は、描画位置Dを中心としたレーザ光34のスポット径に等しい点状領域に鉛直方向から描画する描画手段になっている。
また、本変形例は、描画手段によって描画材料を供給することなく描画を行う場合の例となっている。
本変形例によれば、描画位置Dにおいて、描画経路Lの相対移動速度が近似的に等速となるため、ワークWが複雑な立体形状を有する被描画体であっても、一定方向からのレーザ光34のスポット径が一定で走査される。その結果、ワーク表面Sの一定線幅領域にレーザ光34のエネルギーが照射されていくため、ワーク表面Sに描画されるパターンの歪みやムラを低減することができる。
なお、上記の説明では、制御部11(11A)が描画経路設定部20、描画経路区分部21、位置制御情報生成部22を備え、描画経路設定工程S1、描画経路区分工程S2、位置制御情報生成工程S3が、パターン描画装置1(1A)によって行われるようにした場合の例で説明したが、これらの工程はパターン描画装置1(1A)以外の装置で行ってもよい。
例えば、制御部11(11A)において、描画経路設定部20、描画経路区分部21、位置制御情報生成部22を削除し、描画経路設定部20、描画経路区分部21、位置制御情報生成部22によって位置制御パラメータ組Cを求める演算を、予めデータ供給手段13で行ってから、データ供給手段13から位置制御パラメータ組Cの供給を受けるような装置構成に変形してもよい。
また、上記の説明では、区間距離算出工程S4において、区間距離ΔLを、位置制御パラメータ組C={xpi,ypi,zpi,Api}を用いて算出する場合の例で説明したが、描画経路区分部21から、点pの座標値(x,y,z)を区間距離算出部23に送出するようにしておき、区間距離算出部23では、上記式(6)に基づいて、点pと点pi+1との距離から区間距離ΔLを算出するようにしてもよい。
この場合、区間距離算出工程S4と、位置制御情報生成工程S3とは、描画経路設定工程S1の後であれば、どちらを先に行ってもよい。
ただし、上記のように位置制御パラメータ組Cを用いて計算するようにすれば、実際の被描画体の移動に則した座標値で区間距離を計算できるため、描画経路区分部21で設定した区分点pと実際に位置制御パラメータによって位置づけられたワークW上の点とに、たとえば装置の能力不足や、被描画体または描画手段の形状から生ずる干渉の回避のため、ずれが発生した場合でもそのずれを考慮する必要がない。
また、上記の説明では、多軸移動部15が、x軸アクチュエータ7、y軸アクチュエータ8、z軸アクチュエータ9、および回転アクチュエータ10を備える4自由度の多軸移動手段からなる場合の例で説明したが、多軸移動手段は、ワークWの立体形状に応じて、3自由度を備える3個の駆動部、また、5以上の自由度を備える5個以上の駆動部を備える構成としてもよい。
この場合、位置制御情報生成工程では、多軸移動手段により点列{p}の各点pを描画位置Dに順次位置づけるため、前記各駆動部に設定する位置制御パラメータをcji(ただし、j=1,2,…,n)の組である位置制御パラメータ組C={c1i,c2i,…,cni}をそれぞれ生成する(n=3、またはn≧5)。
また、区間距離算出工程と位置制御情報生成工程とは、区間距離算出工程を、xyz座標系の点列データで行う場合には、描画経路設定工程の後であればどちらを先に行ってもよい。また、区間距離算出工程を、位置制御パラメータ組Cの値を用いて行う場合には、描画経路設定工程、位置制御情報生成工程、区間距離算出工程、および区間移動時間設定工程をこの順に行う。
また、上記の説明では、描画手段が点状領域から一定距離離れた位置に配置された場合の例で説明したが、描画手段の描画性能が点状領域からの位置によらないと見なせる場合には、描画手段と描画位置との間の距離は一定方向に沿って変化されていてもよい。
描画手段の描画性能が点状領域からの位置によらないと見なせる場合の例としては、例えば、平行光束からなるレーザ光を一定方向から照射するレーザ照射部のような場合や、ワーク表面Sの移動速度に比べて、インク液滴の吐出速度が十分高速なインクジェット機構などの場合を挙げることができる。
また、上記の説明では、点pを描画位置Dに位置づける際に、ワーク表面Sの点pにおけるzx平面内での接線がz軸に直交するような姿勢で位置づける場合の例で説明したが、安定した描画を行うことができれば、ワーク表面Sの位置づける向きは、z軸に直交する向きには限定されない。例えば、z軸と一定の角度で交差する姿勢で位置づけるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態、変形例に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせを代えたり、削除したりして実施することができる。
例えば、上記第1の実施形態では、インクジェット部5が一定径のドット画像を形成する1種類のインクジェット機構からなるとして説明したが、インクの材質や、径の異なるドット画像を描画できる複数のインクジェット機構を備え、上記第2の実施形態と同様に異なる描画経路Lごとに、それらを切り換えて描画できるようにしてもよい。
1、1A パターン描画装置
5 インクジェット部(描画手段)
5a インク吐出口
6 インク液滴
7 x軸アクチュエータ(駆動部、x軸駆動部)
8 y軸アクチュエータ(駆動部、y軸駆動部)
9 z軸アクチュエータ(駆動部、z軸駆動部)
10 回転アクチュエータ(駆動部、回転駆動部)
11、11A 制御部
12 操作部
13 データ供給手段
15 多軸移動部(多軸移動手段)
20 描画経路設定部
21 描画経路区分部
22 位置制御情報生成部
23 区間距離算出部
24 区間移動時間設定部
25 記憶部
26、26A 装置制御部(描画制御部)
27、27A 描画制御部(描画制御部)
28 駆動制御部(描画制御部)
30 ペーストディスペンサ部(描画手段)
31 ペーストノズル
32 ペースト
33 レーザ照射部(描画手段)
34 レーザ光
35 切換機構
A、A、Api、Ap(i+1) 回転角
、Ci+1、C、C、C 位置制御パラメータ組
描画位置(点状領域の中心)
L 描画経路
点(a軸上の点)
線状パターン
S1 描画経路設定工程
S2 描画経路区分工程
S3 位置制御情報生成工程
S4 区間距離算出工程
S5 区間移動時間設定工程
S6 描画工程
S ワーク表面(描画体の表面)
W ワーク(被描画体)

Claims (11)

  1. 立体形状を有する被描画体をn自由度(ただし、nは3以上の整数)で移動可能に保持するn個の駆動部を備える多軸移動手段と、点状領域に一定方向から描画する描画手段とを用い、前記多軸移動手段に保持された前記被描画体の表面を前記点状領域に対して移動させつつ前記描画手段によって描画を行うことにより、前記被描画体の表面にパターンを描画するパターン描画方法であって、
    前記被描画体の表面上に前記パターンを描画するため、描画の時系列に沿う描画経路を前記被描画体の表面上に設定する描画経路設定工程と、
    該描画経路設定工程で設定された前記描画経路を折れ線近似するため、前記描画経路を該描画経路上の点列{p}(ただし、mを3以上の整数として、i=1,2,…,m)によって(m−1)個の区間に区分する描画経路区分工程と、
    前記多軸移動手段により前記点列{p}の各点pを前記点状領域の中心に順次位置づけるため、前記各駆動部に設定する位置制御パラメータcji(ただし、j=1,2,…,n)の組である位置制御パラメータ組C={c1i,c2i,…,cni}をそれぞれ生成する位置制御情報生成工程と、
    i番目の区間の始点pと終点pi+1との距離である区間距離ΔLを各区間についてそれぞれ算出する区間距離算出工程と、
    i番目の区間の始点pを前記点状領域の中心に位置づけてから、前記i番目の区間の終点pi+1を前記点状領域の中心に位置づけるまでの時間である区間移動時間Δtを、各区間について前記区間距離ΔLに比例するように設定する区間移動時間設定工程と、
    前記描画経路上のi番目の区間では、前記区間移動時間Δtの間に位置制御パラメータ組がCからCi+1に遷移するように前記各駆動部の駆動速度を制御して、位置制御パラメータ組をCからCまで変化させることにより前記被描画体を移動させつつ、前記描画手段によって描画を行う描画工程と、
    を備えることを特徴とするパターン描画方法。
  2. 前記区間距離算出工程は、
    前記区間距離ΔLを、前記位置制御情報生成工程で生成された前記位置制御パラメータ組C、Ci+1の情報に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載のパターン描画方法。
  3. 前記各駆動部は、
    互いに直交する3軸であるx軸、y軸、およびz軸に沿う方向に、前記被描画体をそれぞれ移動させるx軸駆動部、y軸駆動部、およびz軸駆動部と、
    前記被描画体を前記y軸に平行な回転軸であるa軸回りに回転移動させる回転駆動部とからなり、
    前記点状領域の中心のxyz空間の座標値を(x,y,z)で表し、
    前記各駆動部の位置制御パラメータを、前記回転駆動部のa軸上の固定点の前記xyz空間における座標値である(x,y,z)と、前記回転駆動部の回転基準からの回転角A(正方向はz軸正方向からx軸正方向側に回転する方向を正とする)とで表すとき、
    前記位置制御情報生成工程では、
    前記点列{p}がそれぞれ前記点状領域の中心に位置づけられるときの、前記固定点の座標値(xpi,ypi,zpi)、および回転角Apiを用いて、
    前記位置制御パラメータ組Cを、C={xpi,ypi,zpi,Api}として生成し、
    前記区間距離算出工程では、
    前記区間距離ΔLを次式(1)〜(5)により算出することを特徴とする請求項2に記載のパターン描画方法。
    Δxpi=xp(i+1)−xpi ・・・(1)
    Δypi=yp(i+1)−ypi ・・・(2)
    pi=zpi−z ・・・(3)
    ΔApi=Ap(i+1)−Api ・・・(4)
    ΔL=√{(Δxpi−Zpi・tanΔApi+Δypi } ・・・(5)
  4. 前記多軸移動手段は、前記駆動部として、回転移動の自由度を有する1以上の回転駆動部を備え、
    前記位置制御情報生成工程では、
    前記点列{p}の各点pが前記点状領域の中心に順次位置づけられる際、前記各点pにおける前記回転駆動部の回転軸に直交する平面内における前記被描画体の表面の接線が、前記描画手段が描画する前記一定方向に直交するように、前記位置制御パラメータ組Cを生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパターン描画方法。
  5. 前記描画手段は、
    前記一定方向に沿って前記点状領域から一定距離だけ離間して配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパターン描画方法。
  6. 前記描画手段は、
    前記一定方向が鉛直下向きとなる姿勢で描画を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパターン描画方法。
  7. 前記描画手段は、
    前記一定方向に沿って前記点状領域に向かうインク液滴を吐出することで描画を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパターン描画方法。
  8. 前記描画手段は、
    前記一定方向に沿って前記点状領域に向かうペーストを吐出することで描画を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパターン描画方法。
  9. 前記描画手段は、
    前記一定方向に沿って前記点状領域に向けてレーザ光を照射することで描画を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパターン描画方法。
  10. 立体形状を有する被描画体をn自由度(ただし、nは3以上の整数)で移動可能に保持するn個の駆動部を備える多軸移動手段と、点状領域に一定方向から描画する描画手段とを用い、前記多軸移動手段に保持された前記被描画体の表面を前記点状領域に対して移動させつつ前記描画手段によって描画を行うことにより、前記被描画体の表面にパターンを描画するパターン描画装置であって、
    前記被描画体の表面上に前記パターンを描画するため、描画の時系列に沿う描画経路を前記被描画体の表面上に設定する描画経路設定部と、
    該描画経路設定部で設定された前記描画経路を折れ線近似するため、前記描画経路を該描画経路上の点列{p}(ただし、mを3以上の整数として、i=1,2,…,m)によって(m−1)個の区間に区分する描画経路区分部と、
    前記多軸移動手段により前記点列{p}の各点pを前記点状領域の中心に順次位置づけるため、前記各駆動部に設定する位置制御パラメータcji(ただし、j=1,2,…,n)の組である位置制御パラメータ組C={c1i,c2i,…,cni}をそれぞれ生成する位置制御情報生成部と、
    i番目の区間の始点pと終点pi+1との距離である区間距離ΔLを各区間についてそれぞれ算出する区間距離算出部と、
    i番目の区間の始点pを前記点状領域の中心に位置づけてから、前記i番目の区間の終点pi+1を前記点状領域の中心に位置づけるまでの時間である区間移動時間Δtを、各区間について前記区間距離ΔLに比例するように設定する区間移動時間設定部と、
    前記描画経路上のi番目の区間では、前記区間移動時間Δtの間に位置制御パラメータ組がCからCi+1に遷移するように前記各駆動部の駆動速度を制御して、位置制御パラメータ組C,C,…,Cに対応する位置に前記各駆動部を駆動して、前記被描画体を移動させつつ、前記描画手段によって描画を行わせしめる描画制御部と、
    を備えることを特徴とするパターン描画装置。
  11. 前記各駆動部は、
    互いに直交する3軸であるx軸、y軸、およびz軸に沿う方向に、前記被描画体をそれぞれ移動させるx軸駆動部、y軸駆動部、およびz軸駆動部と、
    前記被描画体を前記y軸に平行な回転軸であるa軸回りに回転移動させる回転駆動部とからなり、
    前記点状領域の中心のxyz空間の座標値を(x,y,z)で表し、
    前記各駆動部の位置制御パラメータを、前記回転駆動部のa軸上の固定点の前記xyz空間における座標値である(x,y,z)と、前記回転駆動部の回転基準からの回転角A(正方向はz軸正方向からx軸正方向側に回転する方向を正とする)とで表すとき、
    前記位置制御情報生成部では、
    前記点列{p}がそれぞれ前記点状領域の中心に位置づけられるときの、前記固定点の座標値(xpi,ypi,zpi)、および回転角Apiを用いて、
    前記位置制御パラメータ組Cpiを、C={xpi,ypi,zpi,Api}として生成し、
    前記区間距離算出部では、
    前記区間距離ΔLを次式(1)〜(5)により算出することを特徴とする請求項10に記載のパターン描画装置。
    Δxpi=xp(i+1)−xpi ・・・(1)
    Δypi=yp(i+1)−ypi ・・・(2)
    pi=zpi−z ・・・(3)
    ΔApi=Ap(i+1)−Api ・・・(4)
    ΔL=√{(Δxpi−Zpi・tanΔApi+Δypi } ・・・(5)
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